JP2509673C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2509673C
JP2509673C JP2509673C JP 2509673 C JP2509673 C JP 2509673C JP 2509673 C JP2509673 C JP 2509673C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
group
epoxy
epoxy compound
methyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Original Assignee
三井石油化学工業株式会社
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〈発明の技術分野〉 本発明は、エポキシ化合物およびこれを必須成分とするエポキシ樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは耐熱性が高く、かつ機械特性に優れた低誘電率のエポキシ
樹脂硬化物を提供するための新しい化学構造を有するエポキシ化合物、およびこ
の新規なエポキシ化合物を必須構成成分として含むエポキシ樹脂組成物に関する
ものである。 〈従来技術とその問題点〉 エポキシ樹脂硬化物は電気特性、接着性及び耐熱性に優れ、電気絶縁材料、接
着剤、塗料などに広く使用されている。近年、電気電子分野を中心にした使用用
途の高度が進み、耐熱性、機械特性及び電気特性の高度化が要求されている。 耐熱性に優れた硬化物を生じさせるエポキシ樹脂としてはオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(EOCN)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が
挙げられる。しかしながら、これらエポキシ樹脂の硬化物は脆いという問題が残
っている。 エポキシ樹脂硬化物は従来から脆い、即ち可撓性が不足していたが、更に耐熱
性を向上させると、可撓性の低下を招くことになる。可撓性が不足していると、
例えば塗料においては塗膜に衝撃を受けるとその亀裂を生じ易いとか、接着剤に
おいては期待される程の剥離強度を発現しないとか、注型品では熱衝撃によるク
ラックを発生し易いなどの問題が生じてくる。 可撓性の改善されたエポキシ樹脂としてポリアルキレングリコールのジグリシ
ジルエーテル、ラクトン変性エポキシ樹脂等が知られているが、これら樹脂から
得られる硬化物では可撓性は改善されるものの、耐熱性、強度の面で性能が低下
する。高度の使用用途に対応した耐熱性、可撓性に優れた樹脂の開発が切望され
ている。 一方、積層板分野では、コンピューターの演算速度の向上を目的に積層板の低
誘電率化が要求されている。これまではファインパターン化、高密度化で演算速
度向上が図られて来たが、物理的に限界となり、素材の低誘電率化が着目され たわけである。 低誘電率化はポリエチレン樹脂、弗素樹脂を用いることで既に検討されている
が、多くの場合に次の欠点を伴う。 1.機械的強度に劣る 2.寸法安定性に劣る 3.銅箔剥離強度が低下する 一方、素材ガラスを石英に変えることも検討されているが、穿孔時にドリルの
消耗が激しくなるという問題がある。 上述のようにエポキシ樹脂が従来備えている特性を保持し、かつ低誘電率樹脂
の出現も又望まれている。 〈発明が解決しようとする課題〉 本発明の目的は、耐熱性及び可撓性に優れ、又従来のエポキシ樹脂に比して低
誘電率の樹脂を生じさせ得る新規なエポキシ化合物及びこれを成分とするエポキ
シ樹脂組成物を提供しようとする。 〈課題を解決するための手段〉 本発明に係るエポキシ化合物は、グリシジル基が結合した芳香族環の例えばオ
ルソ位に第3ブチル基等の三級アルキル基を有する新規な化学構造を有する化合
物である。また本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、このエポキシ化合物を必須
成分として含み、これに硬化剤と、硬化促進剤とを添加してなることを特徴とし
ている。そして、上記のエポキシ化合物から得られる硬化物は、その構成単位で
ある前記エポキシ化合物の第3アルキル基により引き起こされる立体障害により
、従来知られているエポキシ樹脂硬化物と比較して耐熱性および可撓性に優れた
低誘電率の樹脂である。 〈課題を解決するための手段〉 本発明の第1の態様は下記一般式(A)で表わされることを特徴とするエポキ
シ化合物を提供する。 (ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1、R2、R3は水素原子
またはC1〜C6のアルキル基であり、R1は好ましくは水素またはメチル基であ
り、R2は好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基から選ばれる基である。 R3は好ましくはメチル基またはエチル基であって、好ましくは芳香環の酸素
原子に対してメタ位を占める。 R4は三級アルキル基、好ましくはt−ブチル基であり、好ましくは芳香環の
酸素原子に対してオルト位を占める。 本発明の第2の態様は、下記一般式(A)で表わされるエポキシ化合物と、硬
化剤と、硬化促進剤とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物を提供する。(ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1、R2、R3は水素原子
またはC1〜C6のアルキル基であり、R1は好ましくは水素またはメチル基であ
り、R2は好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基から選ばれる基である。 R3は好ましくはメチル基またはエチル基であって、好ましくは芳香環の酸素
原子に対してメタ位を占める。 R4は三級アルキル基で、好ましくはt−ブチル基であって、好ましくは芳香
環の酸素原子に対してオルト位を占める。 なお、ビスフェノール類として好ましいものは例えば、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン(通常ビスフェノール A)、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、(通常ビスフェノール F)、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン(通常ビスフェノール AD)がある。 特に、R1が水
素、R2がn−プロピル基、R3がメチル基、R4がt−ブチル基であるエポキシ
化合物の分子量(MW)は、n=5の場合に2684となり、そのエポキシ価(
EEW)は1342となる。すなわちエポキシ価は分子量の1/2である。 以下に本発明を詳細に説明する。 上記一般式(A)で表わされるエポキシ化合物は、次の一般式(I)で表わさ
れるビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを、ビスフェノール類1モルに対
してエピクロルヒドリン3〜30モルの割合で反応させることにより得られる。 (式中、R1、R2、R3は水素原子またはC1〜C6のアルキル基であり、R1は好
ましくは水素またはメチル基であり、R2は好ましくはメチル基、エチル基、プ
ロピル基から選ばれる基である。 R3は好ましくはメチル基またはエチル基であって、好ましくは芳香環の酸素
原子に対してメタ位を占める。R4は三級アルキル基、好ましくはt−ブチル基
であって好ましくは芳香環の酸素原子に対してオルト位を占める。) この反応は、従来公知のこの種の反応と同様な種々の方法で行なうことができ
る。その一つの方法は、アルカリ化合物、たとえば水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリ
ウムを、ビスフェノール類のフェノール性水酸基1当量に対して1倍モル量以上
、好ましくは1.02〜1.05倍モルを用いて、ビスフェノール類とエピク ロルヒドリンとを、エーテル化工程と脱ハロゲン化水素化工程とを同時に行ない
ながら、水の存在下において約60〜90℃の温度で反応させ、次いで反応終了
後反応混合物から未反応のハロヒドリン類、水および生成した塩を除去し、反応
生成物たるエポキシ化合物を乾燥し、取得する方法である。また、上記のような
エーテル化工程と脱ハロゲン化水素化工程とを同時にではなく、順次行なう方法
を採用することもでき、この場合には、安定した品質のエポキシ樹脂を得ること
ができる。 上記のようなエーテル化工程は、ビスフェノール類のフェノール性水酸基1当
量に対して約0.005〜5モル%のエーテル化触媒、たとえばトリメチルアミン、
トリエチルアミンなどの第3アミン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホス
フィンなどの第3ホスフィン、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメ
チルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエ
チルアンモニウムブロマイド、塩化コリンなどの第4アンモニウム塩、テトラメ
チルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、トリフ
ェニルプロピルホスホニウムブロマイドなどの第4ホスホニウム塩、ベンジルジ
ブチルスルホニウムクロライド、ベンジルジメチルスルホニウムクロライドなど
の第3スルホニウム塩など、好ましくは第4アンモニウム塩の存在下で反応が行
われる。 このエーテル化工程では、ビスフェノール類の水酸基の少くとも約50%以上
、好ましくは約80%以上がエーテル化されるまで反応が行われる。この反応は
、一般に約60〜110℃の温度で約1〜12時間行われ、この際水は存在しな
い方が好ましいが、もし水が存在する場合には3.0重量%以下の量となるよう
に制御されることが好ましい。 次の脱ハロゲン化水素化工程には、エーテル化工程の反応生成物がそのまま、
すなわち未反応のエピハロヒドリンを含んだまま反応に供せられる。この反応の
触媒としては、上記のエーテル化工程で使用されたようなアルカリ化合物、たと
えばアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムが、ビスフェノール類
のフェノール性水酸基1当量に対して0.5倍モル以上、好ましくは0.8倍モ
ル以上の割合で用いられる。ただし、この使用割合は、ゲル化などの不都合 を避けるために1倍モル以下とすることが望ましい。 この反応は、一般に約60〜100℃の温度で約1〜3時間行われ、水酸化ナ
トリウムが触媒として用いられた場合には、副生した水を反応系から除去しなが
ら行なうことが好ましい。反応終了後は、減圧蒸留により未反応のエピハロヒド
リンの除去、水洗などによる副生塩の除去および必要に応じてリン酸、リン酸二
水素ナトリウムなどの弱酸による中和がそれぞれ行われ、次いで目的化合物とし
てのエポキシ化合物が乾燥されて取得される。 以上のようにして得られる本発明に係る新規なエポキシ化合物は、積層板用途
にはエポキシ当量(EEW)200〜2000、好ましくは230〜1500、
軟化点45〜130℃、好ましくは55〜110℃とするのが良い。 このような本発明に係る新規なエポキシ化合物の1つとしての下記に示すエポ
キシ化合物[1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェ
ニル)ブタン]は、以下のような特性を有している。NMR分析 1H−NMRチャートを第1図に示す。 IR分析 IRチャートを第2図に示す。 なおこのエポキシ化合物の軟化点は約60℃であった。 本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、上記のような新規なエポキシ化合物と硬
化剤と硬化促進剤とを含んでいる。 本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物は次の各種の長所を
備えている。 1.R4で表わされる嵩高い三級アルキル基により、モビリティーの低下を実
現し、その結果、硬化物が優れた耐熱性を示す 2.R1、R2、及びR3で表わされるアルキル基の内部可塑化作用により、硬
化物が可撓性を示す 3.R1〜R4で表わされるメチル基を多く含むアルキル基の存在により、低誘
電率を示す 本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては次に示す酸無水物類、芳
香族ポリアミン、脂肪族ポリアミン、イミダゾール、フェノール樹脂類などが使
用される。 酸無水物類としては、具体的には、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸
、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水メ
チルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、無水ドデシルコハク酸、無水クロレンディック酸 などが用いられる。 芳香族ポリアミンとしては、具体的には、ジアミノジフェニルメタン、ジアミ
ノジフェニルスルホン、アミンアダクトなどが用いられる。脂肪族ポリアミンと
しては、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、メンセンジアミン、
N−アミノエチルピペラジン、イソホロンジアミン、3,9−ビス(3−アミノ
プロピル)−2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン、アミンア
ダクトなどが用いられる。 フェノール樹脂類は、フェノール樹脂ノボラック、アルキル置換フェノールノ
ボラック樹脂を例示することができる。 また、硬化剤としてジシアンジアミド、メタキシリレンジアミンなども用いる
ことができる。 イミダゾールとしては、具体的には2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾールアジン、1−ベンジル−2−メチルイ
ミダゾールなどから用いられる。 本発明に係るエポキシ樹脂組成物中に含まれる硬化促進剤としては、下記のよ
うなイミダゾール、第3級アミンなどが用いられる。 イミダゾールとしては、具体的には2−メチルイミダゾール、2−エチル−4
−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾー
ル、2−エチル−4−メチルイミダゾールアジン、1−ベンジル−2−メチルイ
ミダゾールなどが用いられる。 また第3級アミンとしては、具体的には、N,N−ベンジルジメチルアミン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが用いられる。 また硬化促進剤として、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)ウンデセン
−7のオクチル酸塩、(サンアボット社 Ucat SA 102)、モノエチ
ルアミンと三フッ化ホウ素の錯体などを用いることもできる。 本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、その目的を損わない範囲内において、他
のエポキシ化合物、たとえばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノー
ルF型エポキシ化合物、1,1−ビス(グリシドキシフェニル)エタン、 フェノールノボラック型エポキシ化合物、0−クレゾール−ノボラック型エポキ
シ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ
化合物、脂環式エポキシ化合物などを含むことができる。また、エポキシ樹脂硬
化物に難燃性を付与する場合には、テトラブロムビスフェノールAのジグリシジ
ルエーテルなどが併用される。 特に本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、フェノールノボラックエポキシ樹脂
、なかでも具体的にオルトクレゾールノボラックエポキシ樹脂を、エポキシ樹脂
100重量部に対して、通常0〜30重量部、好ましくは0〜20重量部併用す
ると耐熱性向上の効果がある。 さらに本発明に係るエポキシ樹脂組成物には、以上の各成分以外に、フタル酸
エステル、グリコール類のエーテルまたはエステル類、フェノールなどの非反応
性希釈剤、長鎖アルキレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグ
リシジルエーテル、p−ブチルフェニルグリシジルエーテルなどの反応性希釈剤
、炭酸カルシウム、クレー、アスベスト、シリカ、マイカ、石英粉、アルミニウ
ム粉末、グラファイト、酸化チタン、アルミナ、酸化鉄、ガラス粉末、ガラス繊
維などの充填剤、カーボンブラック、トルイジン赤、ハンザイエロー、フタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーンなどの着色剤などを適宜配合することも
できる。 本発明に係るエポキシ樹脂組成物では、各成分は下記のような割合で配合され
ることが好ましい。 エポキシ樹脂:100重量部 硬化剤 :1〜150重量部(好ましくは3〜110重量部、ジシアンジ アミドの場合は少量で可) 硬化促進剤 :0.1〜3重量部 このような各成分を、加熱溶融して混合するか、または溶剤を用いて溶解し混
合することにより、本発明に係るエポキシ樹脂組成物が得られる。 このようなエポキシ樹脂組成物の硬化反応は、常温または60〜250℃程度
に加熱することにより行なわれる。 〈実施例〉 以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。 (実施例1) 1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタ
ン393.8g、エピクロルヒドリン1221g、水33gを撹拌機、還流冷却器、
滴下ロートおよび温度計を付けた反応器に仕込み、70℃に昇温した。1,1−
ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタンが溶解し
たところで、得られた溶液に53.2重量%のテトラメチルアンモニウムクロラ
イド水溶液1.2gを添加し、70℃で2時間撹拌した。次いで減圧下に48重
量%水酸化ナトリウム水溶液169.6gを、70℃の温度で2時間かけて加えた。
この時エピクロルヒドリンの共沸を利用して、水36.6gを2時間かけて系外
に除去し、留出したエピクロルヒドリンは水と分離した後、反応系に戻した。反
応系の減圧度は単位時間当りの水の系外への除去量が反応系に添加する水酸化ナ
トリウム水溶液中の水の量と、反応により生成する水の量との和に等しくなるよ
う調節した。 水酸化ナトリウム水溶液の全量を添加した後、同温度でさらに0.5時間撹拌
をした。 このようにして第1閉環反応終了後、未反応のエピクロルヒドリンおよび水を
減圧下に留去し、残留物にメチルイソブチルケトン634.6g、水377gを加え
、95℃で撹拌した後、静置して分液した。有機相をサンプリングし、脱溶媒後
分析したところ加水分解可能塩素濃度は0.58重量%であった。 有機相を反応器に入れ90℃に昇温し、測定した加水分解可能塩素量の1.5
倍モルに相当する48重量%水酸化ナトリウム水溶液9.8gを添加し、90℃
で2時間撹拌し、第2閉環反応を行った。反応終了後、30重量%リン酸モノナ
トリウム水溶液70.4gを添加して中和し分液し有機相を得た。 有機相中の水分を共沸で除き、ガラスフィルターを使用して無機塩を濾別した
。濾液から減圧下でメチルイソブチルケトンを留去し、ガラス状のグリシジル化
物485gを得た。この得られたエポキシ化合物は軟化点60℃、エポ キシ当量307g/当量であり、加水分解可能塩素濃度は0.015重量%、繰返し
単位nの数は0.27であった。 (実施例2) 1,1−ビス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタ
ン213.8g、エピクロロヒドリン663g、水21gを反応器に仕込み昇温した
。反応系が均一になった時点で53.2%テトラメチルアンモニウムクロライド
1.2gを添加し、70℃で6時間、さらに80℃で2時間撹拌を行った。 その後は実施例1と同じ操作を行った。ただし、第2閉環反応を行う前の加水
分解可能塩素濃度は0.61重量%であった。 得られた247gのガラス状のグリシジル化物であるエポキシ化合物のエポキ
シ当量は300g/当量であり、加水分解可能塩素濃度は0.007重量%で、繰返
し単位nの数は0.24であった。 (実施例3) 実施例1で得たエポキシ化合物100重量部、硬化剤としての無水メチルヘキ
サヒドロフタル酸(新日本理化(株)リカシッドMH−700)55重量部およ
び硬化促進剤としての1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)ウンデセン−7
のオクチル酸塩(サンアボット社Ucat SA 102)0.5重量部を、加
熱混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。これを注型板金型内に注入し100℃で
1時間、120℃で2時間、150℃で2時間、170℃で4時間で硬化させ、
エポキシ樹脂硬化物を得た。 得られた硬化物の物性を表1に示す。 (比較例1〜2) 実施例1で得たエポキシ化合物の代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂(
エポキシ当量189、比較例1)、そしてオルソクレゾールノボラックエポキシ
樹脂“EOCN103S(日本化薬(株)製、エポキシ当量209、比較例2)
を用い、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、1,8−ジアザビシクロ−(5,4
,0)ウンデセン−7のオクチル酸塩を表1に示した配合割合で混合したほかは
、実施例3と同様にし、エポキシ樹脂硬化物を得た。 得られた硬化物の物性を表1に示す。 【表1】(実施例4) 実施例1で得た樹脂29部、p−t−オクチルフェノールノボラック(軟化点
116℃、OH当量214g/eq)20部を150℃の温度で混合脱泡して均 一溶液とした。同温度で0.14部の2−メチルイミダゾールを加え、さらに撹
拌・脱泡後に注型板金型内に注入した。 150℃で4時間、さらに170℃で4時間硬化を行い硬化物を得た。 硬化物の物性は以下の通りであった。 ガラス転移点(℃) 150 誘電率(1MHz) 2.7 誘電正接(1MHz) 0.011 (実施例5) 実施例1で得た樹脂38部、p−ノニルフェノールノボラック(軟化点72℃
、OH当量250g/eq)30部を120℃の温度で混合、脱泡し均一溶液と
した。同温度で0.18部の2−メチル−イミダゾールを加え、さらに撹拌脱泡
後注型板金型内に注入した。 120℃で3時間、さらに150℃で2時間、最後に170℃で4時間硬化を
行い硬化物を得た。 ガラス転移点(℃) 120 誘電率(1MHz) 2.8 誘電正接(1MHz) 0.008 (実施例6) 実施例1で得た樹脂1070部、p−t−オクチルフェノールノボラック(軟
化点116℃、OH当量214g/eq)713部、2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール10部、トルエン560部を均一に撹拌混合してワニスを得た。 この樹脂ワニスをガラス布(旭シュエーベル製6232/1050/AS45
0)に含浸乾燥させてプリプレグを作成した。 次いで上記のプリプレグ15枚を積層し180℃、10kgf/cm260minの成形
条件にて加熱加圧成形して積層板を作成した。 この積層板の性能は以下の通りであった。 樹脂含有率(wt%) 41.1 ガラス転移点(℃) 150 曲げ強度(kgf/mm2) 51 曲げ弾性率(kgf/mm2) 1940 誘電率(1MHz) 3.4 誘電正接(1MHz) 0.0065 表1から明らかなように、本発明に係るエポキシ樹脂組成物を硬化させて得ら
れるエポキシ樹脂粗硬化物は、R4で示されるベンゼン環に結合する三級アルキ
ル基の効果すなわち三級アルキル基の嵩高によるモビリティの低下により、耐熱
性に優れ、しかも耐熱性が高いにも拘らず、R1、R2およびR3で表わされるア
ルキル基の内部可塑化作用により弾性率が低く、硬化物が可撓性を示す。 また、R1〜R4で表わされるメチル基を多く含むアルキル基の存在により低い
誘電率を示す。 〈発明の効果〉 本発明の新規なエポキシ化合物は、これを成分としてエポキシ樹脂組成物とし
、樹脂硬化物とすると、耐熱性および可撓性に優れ、従来のビスフェノールA型
エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂に比較し、誘電率の低
い硬化物が得られる。 本発明に係るエポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は、電気、電子分野での
封止材あるいは絶縁塗料として耐熱性に優れるとともに、脆さが改良され低誘電
率の有用なエポキシ樹脂硬化物として用いられうる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る新規なエポキシ化合物のNMRチャートであり、第2図
はそのIRチャートである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)下記一般式(A)で表わされることを特徴とするエポキシ化合物。 (ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1は水素原子またはメ
    チル基であり、R2はメチル基、エチル基またはプロピル基であり、R3は芳香環
    の酸素原子に対してメタ位を占めるメチル基またはエチル基であり、R4は芳香
    環の酸素原子に対してオルト位を占めるt−ブチル基である。) (2)下記一般式(A)で表わされるエポキシ化合物と、硬化剤と、硬化促進剤
    とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。 (ここでnは繰返し単位の数であって0〜30の数、R1は水素原子またはメ
    チル基であり、R2はメチル基、エチル基またはプロピル基であり、R3は芳香環
    の酸素原子に対してメタ位を占めるメチル基またはエチル基であり、R4は芳香
    環の酸素原子に対してオルト位を占めるt−ブチル基である。)」

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS643217B2 (ja)
JP2007204635A (ja) 新規なエポキシ樹脂
JPH07292067A (ja) 変性エポキシ樹脂の製造方法と製造された変性エポキシ樹脂及びこのエポキシ樹脂の組成物
JP3447015B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
US4900801A (en) Epoxy compounds and epoxy resin compositions containing the same
JP4224765B2 (ja) エポキシ樹脂組成物およびその成形硬化物
JP2761403B2 (ja) 耐熱性エポキシ樹脂組成物
JP2509673B2 (ja) エポキシ化合物およびこれを必須成分とするエポキシ樹脂組成物
CN1025432C (zh) 一种制备环氧化合物的方法
JPH1045871A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP4863434B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2509673C (ja)
JP3441020B2 (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2008239891A (ja) 新規エポキシ樹脂、それを含有するエポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP7572226B2 (ja) 多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及び硬化物
JPH01304110A (ja) 難燃性エポキシ樹脂
JPH10130364A (ja) フェノール類樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物
JP2001270930A (ja) 多核エポキシ化合物及びそれを含有する熱硬化性樹脂組成物
JP2008255367A (ja) エポキシ樹脂組成物およびその成形硬化物
JPH0784510B2 (ja) 耐熱難燃性エポキシ樹脂組成物
JPH11279173A (ja) 新規なエピサルファイド化合物とその製法、該化合物を含む熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂組成物
JP2022093044A (ja) 多価ヒドロキシ樹脂、エポキシ樹脂、それらの製造方法、それらを用いたエポキシ樹脂組成物及び硬化物
JPH07206978A (ja) エポキシ樹脂
JPH10245474A (ja) エポキシ樹脂組成物
JP2000007756A (ja) エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及びその硬化物