JP2002111136A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JP2002111136A
JP2002111136A JP2000292868A JP2000292868A JP2002111136A JP 2002111136 A JP2002111136 A JP 2002111136A JP 2000292868 A JP2000292868 A JP 2000292868A JP 2000292868 A JP2000292868 A JP 2000292868A JP 2002111136 A JP2002111136 A JP 2002111136A
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layer
semiconductor laser
laser device
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quantum well
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Akira Tanaka
明 田中
Hideo Shiozawa
秀夫 塩澤
Minoru Watanabe
実 渡邊
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロセス条件を合わせることによりモノリシッ
ク集積化を可能にし、かつ、結晶成長が容易で高温、高
出力で動作する半導体レーザ装置を提供する。 【解決手段】 本発明の波長780nm帯における半導
体レーザ装置は、InGaAlP系混晶からなるクラッ
ド層と、AlGaAs系混晶からなる量子井戸層と、I
0.5(Ga1-xAlx0.5P(0≦x≦0.2)からな
るバリア層と、AlvGa1-vAs(0.2≦v≦0.
6)又はIn0.5(Ga1-wAlw0.5P(0.2≦x≦
0.6)からなる光ガイド層とを具備することにより、
活性層へのキャリア閉じ込めを向上させ、高温、高出力
動作が可能で、かつ、波長650nm帯における半導体
レーザとのモノリシック集積化が容易な半導体レーザ装
置を提供することが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レーザ装置に
係り、特に波長650nm帯におけるレーザダイオード
とのモノリシック集積化に適し、高温、高出力動作が可
能な波長780nm帯の多量子井戸構造の半導体レーザ
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体レーザには、AlGaAs
系混晶を用いた発振波長780nm帯、及びInGaA
lP系混晶を用いた発振波長600nm〜700nm帯
のものがある。近年、発振波長650nm帯の半導体レ
ーザは、DVD(DigitalVersatile Disk)用光源として
実用化が進み、ディスクへの書き込みに用いる高出力の
多量子井戸構造(以下MQW;Multiple Quantum Well
と略称する)の半導体レーザや、上記の780nm帯の
半導体レーザを共通の単結晶基板上に形成した集積型半
導体レーザ装置の開発も活発に行われている。
【0003】通常、発振波長780nm帯の半導体レー
ザは、活性層を成す量子井戸層及びバリア層と、ガイド
層と、クラッド層にAlGaAs系混晶が用いられ、そ
の組成をAlxGa1-xAsと表示すれば、量子井戸層の
組成はx≦0.15、ガイド層及びバリア層の組成は
0.3≦x≦0.4、クラッド層の組成はx≧0.5の
範囲のものが用いられる。
【0004】図6は、発振波長780nm帯における従
来の半導体レーザの構造を示す断面図である。図6に示
す半導体レーザは、n−GaAs基板1と、n−Al
0.5Ga0.5Asクラッド層102と、Al0.3Ga0.7
sガイド層103と、Al0.1Ga0.9As/Al0.3
0.7As MQW活性層104と、Al0.3Ga0.7As
ガイド層105と、p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層
106と、p−GaAsキャップ層107と、n−Ga
As電流阻止層21と、p−GaAsコンタクト層22
と、下部のn−電極31と、上部のp−電極32から構
成される。
【0005】n−GaAs電流阻止層21は、Al0.3
Ga0.7Asガイド層105の上にp−Al0.5Ga0.5
Asクラッド層106と、p−GaAsキャップ層10
7とを順次成長し、次にp−Al0.5Ga0.5Asクラッ
ド層106の途中までをエッチング除去することにより
ストライプ状のリッジ型導波路に形成した後、エッチン
グされた部分にn−GaAs電流阻止層21を埋め込
み、p−GaAsコンタクト層22を成長することによ
り形成される。
【0006】この半導体レーザは、p型クラッド層がA
lGaAs系混晶からなり、InGaAlP系混晶のク
ラッド層を有する波長650nm帯の半導体レーザとプ
ロセス条件が異なるため、同一基板上に集積化すること
は困難である。
【0007】図7は、波長650nm帯の半導体レーザ
とプロセス条件を揃えるため、クラッド層にInGaA
lP系混晶を用いる場合を示す構造断面図である。図7
に示す半導体レーザは、n−GaAs基板1と、n−I
0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層2と、Al
0.3Ga0.7Asガイド層103と、Al0.1Ga0.9As
/Al0.3Ga0.7AsMQW活性層104と、Al0.3
Ga0.7Asガイド層105と、第1p−In0.5(Ga
0.3Al0.70.5Pクラッド層6と、p−In0.5Ga
0.5Pエッチングストップ層20と、第2p−In
0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8と、n−Ga
As電流阻止層21と、p−GaAsコンタクト層22
と、下部のn−電極31と、上部のp−電極32から構
成される。
【0008】第2p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
クラッド層8は、第1p−In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pクラッド層6の上にp−In0.5Ga0.5Pエッチ
ングストップ層20と第2p−In0.5(Ga0.3Al
0.70.5Pクラッド層8を順次成長し、次に第2p−I
0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8の両側をp
−In0.5Ga0.5Pエッチングストップ層20に達する
までエッチング除去することにより第2p−In
0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8をストライプ
状のリッジ型導波路を形成した後、第2p−In
0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8の除去部分を
n−GaAs電流阻止層21で埋め込み、p−GaAs
コンタクト層22を成長することにより形成される。
【0009】図7に示す半導体レーザは、Al0.3Ga
0.7Asからなるガイド層103、105、及びAl0.1
Ga0.9As/Al0.3Ga0.7AsからなるMQW活性
層104と、n−In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pから
なるクラッド層2、第1クラッド層6、第2クラッド層
8との間の屈折率差が大きく、光閉じ込めの効果が過大
となるため、活性層の開口部から放射されるレーザビー
ムの垂直方向の放射角度が大きくなるという問題があっ
た。
【0010】放射角度を小さくするため、例えばAl
0.3Ga0.7Asからなるガイド層103、105及びM
QW活性層104のバリア層の組成を変えてAl0.5
0.5Asを用いることも考えられるが、このようにす
れば、MQW活性層104のAl0.3Ga0.7Asからな
るバリア層とAl0.1Ga0.9Asからなる量子井戸層と
の間のバンドギャップの差が過大となり、MQW活性層
104の内部におけるキャリア分布及び利得分布が不均
一になって、高次のモードが発生し易くなる等の不都合
が生じる。
【0011】また、ガイド層103、105及びMQW
活性層104のバリア層の組成を別にして、ガイド層1
03、105のみの組成を変更することも考えられる
が、このようにすれば形成する層の種類が多くなり、構
造が複雑で結晶成長が困難になる等の問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記したように従来の
波長780nm帯の半導体レーザのプロセス条件を波長
650nm帯の半導体レーザと合わせることにより、両
者のモノリシック集積化に適し、高温、高出力動作が可
能な波長780nm帯の半導体レーザを提供しようとす
れば、MQW活性層の内部におけるキャリア分布及び利
得分布が不均一になって、高次のモードが発生し易くな
るという問題があった。
【0013】また、これを回避するためガイド層及びバ
リア層の組成を別にして、ガイド層のみの組成を変更し
ようとすれば、形成する層の種類が多くなり、構造が複
雑で結晶成長が困難になる等の問題があった。
【0014】本発明は上記の問題点を解決すべくなされ
たもので、波長650nm帯の半導体レーザとプロセス
条件を合わせることによりモノリシック集積化を可能に
し、かつ、結晶成長が容易で高温、高出力で動作する波
長780nm帯の半導体レーザ装置を提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の波長780nm
帯における半導体レーザ装置は、InGaAlP系混晶
からなるクラッド層と、AlGaAs系混晶からなる量
子井戸層と、In0.5(Ga1-xAlx0.5P(0≦x≦
0.2)からなるバリア層と、AlvGa1-vAs(0.
2≦v≦0.6)又はIn0.5(Ga1-wAlw0.5
(0.2≦x≦0.4)からなるガイド層とを具備する
ことにより、活性層へのキャリア閉じ込めを向上させ、
高温、高出力動作が可能で、かつ波長650nm帯にお
ける半導体レーザとのモノリシック集積化が容易な半導
体レーザ装置を提供することを主な特徴とする。
【0016】具体的には本発明の半導体レーザ装置は、
単結晶基板上に形成された多層構造からなる半導体レー
ザ装置において、前記多層構造は多重量子井戸構造から
なる活性層と、少なくとも前記活性層の上下両面のいず
れか一方に接するように形成されたガイド層と、少なく
とも前記活性層及び前記ガイド層からなる積層構造の下
面に接するように前記積層構造と単結晶基板との間に形
成された第1導電型の第1クラッド層と、前記積層構造
上に形成された第2導電型の第2クラッド層とを具備
し、前記多重量子井戸構造の量子井戸層の組成は、Al
xGa1-xAs(x≦0.15)であり、前記第1、第2
クラッド層の組成は、In0.5(Ga1-yAly0.5
(y≧0.4)であって、かつ、前記多重量子井戸構造
のバリア層の組成は、In0.5(Ga1-zAlz0.5
(0≦z≦0.2)であることを特徴とする。
【0017】好ましくは、本発明の半導体レーザ装置に
おいて、少なくとも前記活性層の上下両面のいずれか一
方に接するように形成されたガイド層の組成はAlv
1-vAs(0.2≦v≦0.6)であることを特徴と
する。
【0018】また好ましくは、本発明の半導体レーザ装
置において、少なくとも前記活性層の上下両面のいずれ
か一方に接するように形成されたガイド層の組成はIn
0.5(Ga1-wAlw0.5P(0.2≦w≦0.4)であ
ることを特徴とする。
【0019】さらに好ましくは、前記第2クラッド層
は、前記積層構造の上面と前記第2クラッド層の下面に
それぞれ接するように形成されたエッチングストップ層
を介して前記積層構造上に形成され、さらにストライプ
状のリッジ部を残してその両側を前記エッチングストッ
プ層までエッチング除去することにより形成されたリッ
ジ導波路を成すものであって、かつ、前記エッチングス
トップ層の組成は、前記多重量子井戸構造のバリア層の
組成と等しくされたことを特徴とする。
【0020】また好ましくは、本発明の半導体レーザ装
置は、前記第2クラッド層上に形成された、前記活性層
の長手方向に平行な溝部を有する電流阻止層と、前記溝
部の内面と前記電流阻止層の上面とを覆うように形成さ
れた第2導電型の第3クラッド層とを具備することを特
徴とする。
【0021】さらに好ましくは、前記半導体レーザ装置
は、前記第2クラッド層と前記電流阻止層及び第3クラ
ッド層との間に形成されたエッチングストップ層をさら
に具備し、前記エッチングストップ層の組成は、前記多
重量子井戸構造のバリア層の組成と等しくされたことを
特徴とする。
【0022】また好ましくは、本発明の半導体レーザ装
置は、同一の単結晶基板上に形成された第1、第2の半
導体レーザからなる集積型半導体レーザ装置であって、
前記第1の半導体レーザは、前記請求項4記載の半導体
レーザ装置と同様に構成され、かつ、前記第2の半導体
レーザは、少なくとも活性層上に形成された第2導電型
のクラッド層の組成が前記第1の半導体レーザにおける
前記第2導電型の第2クラッド層の組成と等しいことを
特徴とする。
【0023】また好ましくは、前記第2の半導体レーザ
は、In0.5(Ga1-zAlz0.5P(0≦z≦0.2)
からなる均一組成の活性層、又は、In0.5(Ga1-z
z0.5P(0≦z≦0.2)からなる量子井戸層を含
む前記多量子井戸構造の活性層を具備することを特徴と
する。
【0024】また好ましくは、前記第2の半導体レーザ
は、前記第2のクラッド層がリッジ状に形成され、その
両側に電流阻止層を具備することを特徴とする。
【0025】さらに好ましくは、前記第1、第2の半導
体レーザは、レーザ発光の共振器を成す活性層の端面近
傍に少なくとも不純物拡散することにより形成された窓
領域を具備することを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態に係る半導体レーザ装置の構造を示す断面図で
ある。図1に示す波長780nm帯の半導体レーザ装置
は、波長650nm帯の半導体レーザとプロセス条件を
揃えるため、InGaAlP系混晶をクラッド層として
用いる。
【0027】このとき、先に図7を用いて説明したMQ
W活性層内部における利得分布の不均一や垂直方向の放
射角度の増加を回避するため、MQW活性層とこれに隣
接するガイド層の構成を図7から変更することに特徴が
ある。
【0028】図1に示す半導体レーザは、n−GaAs
基板1と、n−In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッ
ド層2と、Al0.5Ga0.5As(またはIn0.5(Ga
0.6Al0.40.5P)ガイド層3と、Al0.1Ga0.9
s/In0.5Ga0.5P MQW活性層4と、Al0.5Ga
0.5As(またはIn0.5(Ga0.6Al0.40.5P)ガ
イド層5と、第1p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
クラッド層6と、p−In0.5Ga0.5Pエッチングスト
ップ層20と、第2p−In0.5(Ga0.3Al 0.70.5
Pクラッド層8と、n−GaAs電流阻止層21と、p
−GaAsコンタクト層22と、下部のn−電極31と
上部のp−電極32から構成される。
【0029】第2p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
クラッド層8は、第1p−In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pクラッド層6の上にp−In0.5Ga0.5Pエッチ
ングストップ層20と第2p−In0.5(Ga0.3Al
0.70.5Pクラッド層8を順次成長し、次に、第2p−
In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8の両側を
p−In0.5Ga0.5Pエッチングストップ層20に達す
るまでエッチング除去することにより第2p−In0.5
(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8をストライプ状
のリッジ型導波路として形成した後、第2p−In0.5
(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層8の除去部分をn
−GaAs電流阻止層21で埋め込み、p−GaAsコ
ンタクト層22を成長することにより形成される。
【0030】図2は、第1の実施の形態に係る半導体レ
ーザ装置のバンド構造を図7に示す従来例と比較したも
のである。本発明では、MQW活性層4においてAl
0.1Ga0.9As量子井戸層に対してIn0.5Ga0.5Pバ
リア層を用いることによりバリア層が従来例に比べて低
くなり、従ってMQW活性層4の内部でのキャリア分布
及び利得分布が不均一になるのを抑制することができ
る。
【0031】また、Al0.5Ga0.5As(またはIn
0.5(Ga0.6Al0.40.5P)ガイド層3及び5を用い
ることにより、垂直方向の放射角度を小さくすることが
可能となり、さらにMQW活性層4のIn0.5Ga0.5
バリア層とp−In0.5Ga0.5Pエッチングストップ層
20の組成が同一であることから、結晶成長を容易にす
ることができる。
【0032】このとき、垂直方向の放射角度を小さくす
ることが可能なガイド層3及び5の組成範囲は、Alx
Ga1-xAs(0.2≦x≦0.6)、またはIn
0.5(Ga1 -xAlx0.5P(0.2≦x≦0.4)であ
る。
【0033】なお、図1ではn−GaAs電流阻止層2
1を用いる場合が示されているが、n−In0.5(Ga
1-xAlx0.5P(x≦0.2)(InAlP系混晶を
含む)を用いれば、実屈折率構造のリッジ導波路型半導
体レーザ装置を得ることができる。
【0034】次に、図3を用いて本発明の第2の実施の
形態に係る波長780nm帯の半導体レーザ装置につい
て説明する。図3に示す半導体レーザ装置は電流阻止層
の形成方法が第1の実施の形態と異なる。その他の部分
は、先に図1を用いて説明した第1の実施の形態の半導
体レーザ装置と同様であるため、同一部分に同一の参照
番号を付して詳細な説明を省略する。
【0035】第2の実施の形態の電流阻止層の形成方法
は、次の通りである。第1p−In0.5(Ga0.3Al
0.70.5Pクラッド層6の上にp−In0.5Ga0.5Pエ
ッチングストップ層20とn−In0.5Al0.5P電流阻
止層211を順次成長し、次に、n−In0.5Al0.5
電流阻止層211をストライプ状にエッチング除去して
溝を形成する。図3では、溝の底部に露出したp−In
0.5Ga0.5Pエッチングストップ層20も同時に除去す
る形状が示されているが、エッチングストップ層20を
残留させることも可能である。
【0036】次に、n−In0.5Al0.5P電流阻止層2
11が除去された溝部に、第2p−In0.5(Ga0.3
0.70.5Pクラッド層8を埋め込み、表面を平坦化し
た後、p−GaAsコンタクト層22を成長することに
より、n−In0.5Al0.5P電流阻止層211を用いた
内部ストライプ型半導体レーザ装置が形成される。
【0037】第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置
においても、第1の実施の形態と同様に、MQW活性層
4のバリア層をIn0.5Ga0.5Pとすることにより活性
層内部でのキャリア分布及び利得分布の不均一を抑制す
ることができる。
【0038】さらにAlxGa1-xAs(0.2≦x≦
0.6)またはIn0.5(Ga1-xAl x0.5P(0.2
≦x≦0.4)ガイド層を用いることにより、垂直方向
の放射角度を小さくすることが可能となり、さらにMQ
W活性層4のIn0.5Ga0.5Pバリア層とp−In0.5
Ga0.5Pエッチングストップ層20の組成が同一であ
ることから、結晶成長を容易にすることができる。
【0039】次に、図4を用いて、第3の実施の形態に
係る半導体レーザ装置について説明する。第3の実施の
形態では、波長780nm帯の半導体レーザと、波長6
50nm半導体レーザとを同一基板上にモノリシックに
集積した集積型半導体レーザ装置について説明する。
【0040】第3の実施の形態に係る半導体レーザ装置
は、第1の実施の形態で説明した波長780nm帯の半
導体レーザ構造の第2p−In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pクラッド層8までを成長した後、その一部を図4
の破線に示すように、n−GaAs基板1の途中までエ
ッチング除去する。
【0041】引き続き波長650nm帯半導体レーザと
して、図4の右側にn−GaAsバッファ層11と、n
−In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層2と、I
0.5(Ga0.4Al0.60.5Pガイド層203と、In
0.5Ga0.5P/In0.5(Ga0.5Al0.50.5PMQW
活性層204と、In0.5(Ga0.4Al0.60.5Pガイ
ド層205と、第1p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
Pクラッド層6と、p−In0.5Ga0.5Pエッチングス
トップ層20と、第2p−In0.5(Ga0.3Al0.7
0.5Pクラッド層8を成長する。
【0042】なお、上記の波長650nm帯半導体レー
ザの構成としては、MQW活性層204に替えて、均一
組成のIn0.5(Ga1-ZAlZ0.5P(0≦z≦0.
2)活性層を用いることができる。
【0043】次に、図4の左側の波長780nm帯半導
体レーザ及び右側の波長650nm帯半導体レーザそれ
ぞれの第2p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッ
ド層8をストライプ状のリッジ型導波路としてエッチン
グした後そのリッジ型導波路の両側にそれぞれn−Ga
As電流阻止層21を成長し、さらに前面にp−GaA
sコンタクト層22を成長する。これらのリッジ型導波
路のエッチングと、電流阻止層21及びコンタクト層2
2の成長は、左右の半導体レーザに共通の工程として一
括して実施することができる。
【0044】然る後、n−電極31と、p−電極32
と、分離溝33を形成すれば、波長780nm帯半導体
レーザと、波長650nm帯半導体レーザとを共通のn
−GaAs基板1の上にモノリシックに集積した集積型
半導体レーザ装置を実現することができる。
【0045】第3の実施の形態の集積型半導体レーザ装
置では、波長780nm帯の半導体レーザにおけるMQ
W活性層4のバリア層と、波長650nm帯の半導体レ
ーザにおけるMQW活性層204の量子井戸層と、両者
のエッチングストップ層20として全てIn0.5Ga0.5
Pを用いることにより構造を簡略化すると同時に、リッ
ジ形成以降の製造プロセスを共通化することが可能にな
る。
【0046】図5は、第3の実施の形態の集積型半導体
レーザ装置の鳥瞰断面図である。図5に示す窓領域30
0は、レーザ発振の共振器を成すMQW活性層端面の開
口部近傍における反射係数や反射面の劣化を改善するた
めに、Zn等の不純物を拡散した領域を示している。こ
のようにして、高温、高出力の集積型半導体装置を提供
することができる。
【0047】なお本発明は上記の実施の形態に限定され
ることはない。例えば第3の実施の形態において、集積
型半導体レーザ装置に窓領域300を形成することにつ
いて説明したが、この集積型半導体レーザ装置を構成す
る波長780nm帯半導体レーザ及び波長650nm帯
半導体レーザを個別の半導体レーザ装置として、それぞ
れ窓領域を設けることにより、波長650nm及び波長
780nm帯における高温、高出力の半導体レーザ装置
が得られることはいうまでもない。その他本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができ
る。
【0048】
【発明の効果】上述したように本発明の半導体レーザ装
置によれば、結晶成長が容易で波長780nm帯の半導
体レーザと波長650nm帯の半導体レーザのプロセス
条件を合わせることによりモノリシック集積化が可能
で、かつ、MQW活性層の内部におけるキャリア分布及
び利得分布の不均一を生じない、高温、高出力で動作す
る半導体レーザ装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構
造を示す断面図。
【図2】第1の実施の形態に係る半導体レーザ装置のバ
ンド構造を従来と比較する図であって、(a)は、第1
の実施の形態を示す図。(b)は、従来例を示す図。
【図3】第2の実施の形態に係る半導体レーザ装置の構
造を示す断面図。
【図4】第3の実施の形態に係る集積型半導体レーザ装
置の構造を示す断面図。
【図5】第3の実施の形態に係る集積型半導体レーザ装
置の構造を示す断面鳥瞰図。
【図6】従来の半導体レーザ装置の構造を示す断面図。
【図7】従来の他の半導体レーザ装置の構造を示す断面
図。
【符号の説明】
1…n−GaAs基板 2…n−InGaAlPクラッド層 3、5…AlGaAsガイド層(またはInGaAlP
ガイド層) 4…AlGaAs/InGaP MQW活性層 6…第1p−InGaAlPクラッド層 8…第2p−InGaAlPクラッド層 11…n−GaAsバッファー層 20…エッチングストップ層 21…n−GaAs電流阻止層 22…p−GaAsコンタクト層 31…n−電極 32…p−電極 33…分離溝 102、106…n−AlGaAsクラッド層 103、105…AlGaAsガイド層 104…AlGaAs/AlGaAs MQW活性層 106…p−AlGaAsクラッド層 107…p−GaAsキャップ層 203、205…InGaAlPガイド層 204…InGaP/InGaAlP MQW活性層 211…n−InAlP電流阻止層 300…窓領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 実 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝マイクロエレクトロニクスセン ター内 Fターム(参考) 5F073 AA26 AA45 AA53 AA74 AA87 AB06 CA07 CB02 CB10 EA24 EA29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶基板上に形成された多層構造から
    なる半導体レーザ装置において、 前記多層構造は多重量子井戸構造からなる活性層と、 少なくとも前記活性層の上下両面のいずれか一方に接す
    るように形成されたガイド層と、 少なくとも前記活性層及び前記ガイド層からなる積層構
    造の下面に接するように前記積層構造と単結晶基板との
    間に形成された第1導電型の第1クラッド層と、 前記積層構造上に形成された第2導電型の第2クラッド
    層とを具備し、 前記多重量子井戸構造の量子井戸層の組成は、Alx
    1-xAs(x≦0.15)であり、 前記第1、第2クラッド層の組成は、In0.5(Ga1-y
    Aly0.5P(y≧0.4)であって、 かつ、前記多重量子井戸構造のバリア層の組成は、In
    0.5(Ga1-zAlz0.5P(0≦z≦0.2)であるこ
    とを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも前記活性層の上下両面のいず
    れか一方に接するように形成されたガイド層の組成は、
    AlvGa1-vAs(0.2≦v≦0.6)であることを
    特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記活性層の上下両面のいず
    れか一方に接するように形成されたガイド層の組成は、
    In0.5(Ga1-wAlw0.5P(0.2≦w≦0.4)
    であることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2クラッド層は、前記積層構造の
    上面と前記第2クラッド層の下面にそれぞれ接するよう
    に形成されたエッチングストップ層を介して前記積層構
    造上に形成され、さらにストライプ状のリッジ部を残し
    てその両側を前記エッチングストップ層までエッチング
    除去することにより形成されたリッジ導波路を成すもの
    であって、かつ、前記エッチングストップ層の組成は、
    前記多重量子井戸構造のバリア層の組成と等しくされた
    ことを特徴とする請求項2、3のいづれか1つに記載の
    半導体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記半導体レーザ装置は、前記第2クラ
    ッド層上に形成された、前記活性層の長手方向に平行な
    溝部を有する電流阻止層と、 前記溝部の内面と前記電流阻止層の上面とを覆うように
    形成された第2導電型の第3クラッド層と、 を具備することを特徴とする請求項2、3のいずれか1
    つに記載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記半導体レーザ装置は、前記第2クラ
    ッド層と前記電流阻止層及び第3クラッド層との間に形
    成されたエッチングストップ層をさらに具備し、前記エ
    ッチングストップ層の組成は、前記多重量子井戸構造の
    バリア層の組成と等しくされたことを特徴とする請求項
    5記載の半導体レーザ装置。
  7. 【請求項7】 同一の単結晶基板上に形成された第1、
    第2の半導体レーザからなる集積型半導体レーザ装置で
    あって、 前記第1の半導体レーザは、前記請求項4記載の半導体
    レーザ装置と同様に構成され、かつ、前記第2の半導体
    レーザは、少なくとも活性層上に形成された第2導電型
    のクラッド層の組成が前記第1の半導体レーザにおける
    前記第2導電型の第2クラッド層の組成と等しいことを
    特徴とする集積型半導体レーザ装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の半導体レーザは、In
    0.5(Ga1-zAlz0.5P(0≦z≦0.2)からなる
    均一組成の活性層、又は、In0.5(Ga1-zAlz0.5
    P(0≦z≦0.2)からなる量子井戸層を含む前記多
    量子井戸構造の活性層を具備することを特徴とする請求
    項7記載の集積型半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】 前記第2の半導体レーザは、前記第2の
    クラッド層がリッジ状に形成され、その両側に電流阻止
    層を具備することを特徴とする請求項7記載の集積型半
    導体レーザ装置。
  10. 【請求項10】 前記第1、第2の半導体レーザは、レ
    ーザ発光の共振器を成す活性層の端面近傍に少なくとも
    不純物拡散することにより形成された窓領域を具備する
    ことを特徴とする請求項7記載の集積型半導体レーザ装
    置。
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