JP2002110524A - ウエハ加熱装置 - Google Patents

ウエハ加熱装置

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JP2002110524A
JP2002110524A JP2000301417A JP2000301417A JP2002110524A JP 2002110524 A JP2002110524 A JP 2002110524A JP 2000301417 A JP2000301417 A JP 2000301417A JP 2000301417 A JP2000301417 A JP 2000301417A JP 2002110524 A JP2002110524 A JP 2002110524A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウエハ加熱装置における均熱板2の温度調整用
に使用する熱電対10を均熱板2に挿入しただけの取付
構造では、測定温度がばらついたり、均熱を良くするた
めに熱容量を大きくすると測温の応答速度が遅くなると
いう問題があった。 【解決手段】セラミックスからなる均熱板2の一方の主
面をウエハの載置面3とし、他方の主面もしくは内部に
発熱抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗体5と電気的
に接続される給電部を前記他方の主面に具備してなるウ
エハ加熱装置において、均熱板2に形成された凹部21
にシース型熱電対10の測温部を配置し、金属製チップ
22および押さえ治具24により前記測温部を押圧固定
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にウエハを加熱
するのに用いるウエハ加熱装置に関するものであり、例
えば、半導体ウエハや液晶基板あるいは回路基板等のウ
エハ上に半導体薄膜を生成したり、前記ウエハ上に塗布
されたレジスト液を乾燥焼き付けしてレジスト膜を形成
するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造装置の製造工程にお
ける、半導体薄膜の成膜処理、エッチング処理、レジス
ト膜の焼き付け処理等においては、半導体ウエハ(以
下、ウエハと略す)を加熱するためにウエハ加熱装置が
用いられている。
【0003】従来の半導体製造装置は、まとめて複数の
ウエハを成膜処理するバッチ式のものが使用されていた
が、ウエハの大きさが8インチから12インチと大型化
するにつれ、処理精度を高めるために、一枚づつ処理す
る枚葉式と呼ばれる手法が近年実施されている。しかし
ながら、枚葉式にすると1回当たりの処理数が減少する
ため、ウエハの処理時間の短縮が必要とされている。こ
のため、ウエハ支持部材に対して、ウエハの加熱時間の
短縮、ウエハの吸着・脱着の迅速化と同時に加熱温度精
度の向上が要求されていた。
【0004】このうち半導体ウエハ上へのレジスト膜の
形成にあたっては、図1に示すような、窒化アルミニウ
ムやアルミナ等のセラミックスからなる均熱板2の一方
の主面を、ウエハWを載せる載置面3とし、他方の主面
には絶縁層4を介して発熱抵抗体5および給電部6が設
置され、さらに弾性体8により導通端子7が給電部6に
押圧固定された構造のウエハ加熱装置1が用いられてい
た。そして、前記均熱板2は支持体11にボルト17に
より固定され、さらに均熱板2の内部には熱電対10が
挿入され、これにより均熱板2の温度を所定の温度に保
つように、導通端子7から発熱抵抗体5に供給される電
力を調節するシステムとなっていた。また、導通端子7
は、板状構造部13に絶縁層9を介して固定されてい
た。
【0005】そして、ウエハ加熱装置1の載置面3に
は、凹部21に挿入された支持ピン20が設置されてお
り、ウエハWを載置面3に載せた際にウエハWが載置面
3から非接触となるようにしている。そして、該支持ピ
ン20上にレジスト液が塗布されたウエハWを載せたあ
と、発熱抵抗体5を発熱させることにより、均熱板2を
介して載置面3上のウエハWを加熱し、レジスト液を乾
燥焼付けしてウエハW上にレジスト膜を形成するように
なっていた。
【0006】また、均熱板2を構成するセラミック材料
としては、窒化物セラミックスまたは炭化物セラミック
スが用いられていた。
【0007】また、熱電対10の取付構造については、
特開平9−45752号公報に、均熱板2の温度を正確
に制御するために、熱電対10自体の熱引きによる影響
を抑え、できるだけウエハWに近いところで測温するこ
とが好ましいことが示されている。図6を用いて構造を
説明すると、金属製の均熱板62のウエハ載置面63近
傍に測温素子64が挿入されている。この測温素子64
は、Ptからなる測温抵抗体66が保護管65の中に前
記載置面に対し平行となるように設置されリード線67
が結線されている。さらに保護管65内の空所には伝熱
セメント68が充填されている。特に、発熱抵抗体を分
割制御する場合は、測定の正確さと同時に測定バラツキ
を管理しないと均熱板62の正確な温度制御ができなく
なるので、このような取付構造とすることが好ましいと
されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなウエハ加熱装置において、図6に示すような測温
素子64の取付構造では、測温素子64を均熱板62に
挿入しただけであるため、測定温度がばらついたり、均
熱を良くするために熱容量を大きくすると測温の応答速
度が遅くなるという問題があった。特に、発熱抵抗体を
複数のブロックに分割して温度制御する場合、ブロック
毎の測温素子64の測定温度がばらつくと、ブロック毎
の制御が不均一となり、均熱板62の温度が一定になる
までに時間が掛かるという問題があった。
【0009】特に、ウエハWを均熱板62上に差し替え
した際に温度が安定するまでの過渡特性、ウエハ面内の
温度バラツキが、レジストを乾燥する際に重要である。
この乾燥の管理がレジストをエッチングするときのエッ
チング性に大きく影響し、乾燥管理が不十分であると、
均一なパターンを形成できなくなるからである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題について鋭意検討した結果、セラミックスからなる均
熱板の一方の主面をウエハの載置面とし、他方の主面も
しくは内部に発熱抵抗体を有するとともに、該発熱抵抗
体と電気的に接続される給電部を前記他方の主面に具備
してなるウエハ加熱装置であって、前記均熱板に形成さ
れた凹部にシース型熱電対の測温部を配置し、金属製チ
ップおよび押さえ治具により前記測温部を押圧固定した
ことを特徴とするウエハ加熱装置において、前記シース
型熱電対を、多孔性の熱伝導率65W/m・℃以上の金
属体を介して前記均熱板の凹部に押圧固定することによ
り、上記課題を解決できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0012】図1は本発明に係るウエハ加熱装置の一例
を示す断面図で、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化
珪素または窒化アルミニウムを主成分とするセラミック
スからなる均熱板2の一方の主面を、ウエハWを載せる
載置面3とするとともに、他方の主面にガラス又は樹脂
等からなる絶縁層4を介して発熱抵抗体5を形成したも
のである。
【0013】発熱抵抗体5のパターン形状としては、円
弧状の電極部と直線状の電極部とからなる略同心円状を
したものや渦巻き状をしたものなど、載置面3を均一に
加熱できるパターン形状であれば良い。均熱性を改善す
るため、発熱抵抗体5を複数のパターンに分割すること
も可能である。
【0014】また、発熱抵抗体5には、金や銀、パラジ
ウム、白金等の材質からなる給電部6が形成され、該給
電部6に導通端子7を弾性体8を介して押圧固定するこ
とにより、導通が確保されている。
【0015】さらに、均熱板2と支持体11の外周にボ
ルト17を貫通させ、均熱板2側より弾性体8、座金1
8を介在させてナット19を螺着することにより支持体
11に弾性的に固定している。これにより、均熱板2の
温度を変更したり載置面3にウエハWを載せ均熱板2の
温度が変動した場合に支持体11変形が発生しても、上
記弾性体8によってこれを吸収し、これにより均熱板2
の反りを防止し、ウエハ加熱におけるウエハW表面に温
度分布が発生することを防止できる。
【0016】また、支持体11は複数の層から構成され
た板状構造体13と側壁部からなり、該板状構造体13
には発熱抵抗体5に電力を供給するための導通端子7が
絶縁材9を介して設置され、不図示の空気噴射口や熱電
対保持部が形成されている。
【0017】さらに、図2〜5を用いて本発明の実施形
態を詳細に説明する。図2は、均熱板2を発熱抵抗体5
側から見た平面図であり、均熱板2には各発熱抵抗体5
ブロックの内部に熱電対10を保持する部分に凹部21
が形成されている。そして、該凹部21には、図3に示
すように多孔質の金属体23を介して熱電対10の測温
部を配置し、熱伝導率が100W/m・K以上の金属製
チップ22と押さえ治具24を介して支持棒25により
弾性的に押圧保持した構造となっている。また、弾性的
な押圧力は弾性体26により調整されている。
【0018】前記金属体23は、銀、銅、金、アルミニ
ウム、ニッケルのような高熱伝導率の材料の少なくとも
一種からなり、金属粉末もしくは金属繊維を成形もしく
はさらに焼結させることにより、熱伝導率が65W/m
・K以上となるように調整されている。
【0019】また、金属体23として、金属繊維を織っ
て網状構造体とし、これを金属体23として使用しても
いい。また、金属繊維の隙間に銀、銅、金、アルミニウ
ムの少なくとも一種からなる金属粉末および/または金
属繊維を充填し、必要に応じて焼結させることも可能で
ある。この場合、網状構造体としてニッケルや白金のよ
うに比較的熱伝導率が低い材料を用いることも可能であ
る。
【0020】また、網目構造体の隙間に充填する金属粉
末および/または金属繊維は、平均粒径もしくは断面平
均径が2μm以上、さらに好ましくは5μm以上の粗い
ものを使用することが望ましい。これは、焼結した金属
粉末および/または金属繊維間の接触面積を大きくして
熱伝導を良くするためである。金属粉末および/または
金属繊維の焼結については、これらを構成する金属の融
点の60%以上の温度で熱処理することにより結合させ
る。これにより、金属粉末および/または金属繊維が、
金属体23から剥離してパーティクルとなり、ウエハに
対し悪影響を与えることを防止することができる。
【0021】また、金属体23の熱処理について、焼き
なまし処理することにより、金属体23の可撓性を高
め、凹部21および熱電対10との接触の信頼性を向上
させることができる。金属体23の厚みは、1mm以下
とすることが好ましい。金属体23の厚みが1mmを越
えると、熱容量が大きくなるため温度変化に対する応答
性が悪くなってしまう。また、熱電対10に接触する部
分に熱電対10の形状に沿った溝を作製し接触が良くな
るようにすると、さらに好ましい。
【0022】網状構造体は、たとえば平織りや綾織にす
ることが可能である。また、網状構造体は、一度プレス
成形して凹部21の底面に対する接触面積を稼ぐように
することが熱伝導を向上させる上で好ましい。また、凹
部21の底面および熱電対10との接触を向上させるた
めに、網状構造体の上下面に金属箔を貼り付けた構造と
することも可能である。この金属箔としては、金属体2
3と同様に、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル等の
材質からなるものを使用することができる。
【0023】ここで、金属体23を多孔性としたのは、
金属体23に、より有効に可撓性を持たす為である。た
だし、熱伝導率を65W/m・K以上とすることが必要
である。金属体23の気孔率の好ましい範囲は10〜6
0%程度、さらに好ましくは30〜50%とすることが
良い。
【0024】また、図4(a)に示すように、金属製チ
ップ22の表面22aに溝が形成されており、この溝に
シース型の熱電対10の先端測温部を埋め込んだ構造と
することが好ましい。この際、金属製チップ22の表面
22aから少し熱電対10が突き出た構造とする方が均
熱板2への押圧を確実にするために好ましい。
【0025】図4(b)に示したように金属製チップ2
2の表面22aに熱電対10が完全に飛び出している
と、熱電対の保持が不安定で、測定温度がばらついてし
まう。
【0026】上記のように熱電対10を埋め込んだ金属
製チップ22の表面22aを均熱板2に当接させること
により、発熱抵抗体5から発生した熱が均熱板2を介し
て、凹部21の底面側から金属製チップ22を介して熱
電対10に伝達されるようになるので、よりウエハの実
温に近い温度が検知でき、バラツキを小さくすることが
できる。
【0027】前記凹部21の深さは、均熱板2の厚みの
2/3程度とすることが好ましい。また、前記凹部21
の大きさは、2〜5mmφとすることが好ましい。該凹
部21の大きさが2mmφ未満となると、熱電対10の
測温部に均熱板2と平行となる部分を形成できないの
で、熱電対10間で測定温度がばらついてしまう。ま
た、該凹部21の大きさが5mmφを越えると、発熱抵
抗体5間のギャップが大きくなり、ウエハW表面の温度
分布が大きくなるので好ましくない。
【0028】熱電対10としては、外径が0.5〜1.
5mmのシース型熱電対を用いる。熱電対10をシース
型にすることにより、外部ノイズの影響を小さくし、雰
囲気による腐食を防止するとともに、熱電対10の個体
間のバラツキを小さくすることが可能となる。
【0029】また、熱電対10の外径が1.5mmを越
えて太くなると、温度変化に対し応答が遅くなると同時
に、熱電対10部分が固くなり、熱電対10に応力がか
かった際に熱電対10が浮き上がる場合があり、正確な
温度が測定できなくなる。また、熱電対10は、可能で
あればさらに外径を細くすることが好ましい。
【0030】また、金属製チップ22の熱伝導率は、均
熱板2の熱伝導率に対し40〜170%の範囲となるこ
とが好ましい。金属製チップ22の熱伝導率が均熱板2
の熱伝導率に対し40%未満であると、金属製チップ2
2の温度上昇が遅れるので、熱電対10の指示温度の上
昇が遅れ、これにより、ウエハW温度がオーバーシュー
トしてしまう。また、逆に前記熱伝導率が170%を越
えると、熱電対が指示する温度が早く上昇するので、発
熱抵抗体への電力供給が早めに遮断されるようになるの
で、所定温度に安定するのに多くの時間を要してしま
う。
【0031】また、金属製チップ22は、前記凹部21
の内径より若干小さな外径で、且つ凹部21の深さより
薄く加工されている。これは、熱電対10により測定さ
れる温度が、均熱板2の載置面3側からの熱伝導により
検知されるようにするためである。前記チップ22の後
端が凹部21から飛び出していると、その飛び出してい
る部分から発熱抵抗体5の熱が伝わり、載置面3の温度
が上がる前に熱電対10の指示温度が高くなってしまう
ので、ウエハWの温度上昇に要する時間が見掛け上遅く
なってしまう。また、前記凹部21の側面からの熱伝導
を極力抑えるため、前記金属チップ22を前記凹部21
の側面に接触しないように設置することが好ましい。
【0032】さらに、押さえ治具24に要求される性能
は、発熱抵抗体5の発熱による熱が押さえ治具24側か
ら金属チップ22への直接伝わることを抑制すると同時
に、金属チップ22を押圧固定する点にある。そこで、
押さえ治具24としては、均熱板2の表面に形成した発
熱抵抗体5の発熱による影響を小さくするため、熱伝導
率が50W/m・K以下の材料を用いる。これが、押さ
え治具24の熱伝導率が50W/m・Kを越えるものと
なると、発熱抵抗体5からの熱を金属チップに伝達し、
熱電対の指示温度が早く上昇するためウエハWの加熱時
間が不足し、温度が安定するのに時間を要してしまうた
めである。具体的には、アルミナ、ジルコニア、ムライ
ト、コージライト等のセラミック材料やステンレスから
なるものを使用することが可能である。
【0033】さらに、熱電対10を弾性的に押圧するた
めの弾性体26の形状としては、図3、4に示したよう
にコイルバネ状のものや、例えばV字型、U字型、W字
型に曲げられた板バネを用いることができる。弾性体2
6の材質としては、インコネル、Fe−Co−Ni合
金、ステンレス等の材質からなるものを使用することが
可能である。また、200℃以下の低温領域で使用する
場合は、テフロン(登録商標)等の材質からなる樹脂製
の弾性体26を使用することも可能である。
【0034】このように、熱電対10を弾性的に押圧す
ることにより、異常が発生した場合の交換が容易であ
り、使用中の熱サイクルにより各構成要素間の熱膨張差
が原因で発生する熱応力を容易に緩和することができ
る。熱応力の緩和は、熱電対の耐久性向上にも寄与す
る。
【0035】これらの弾性体26で熱電対10を凹部2
1に押圧固定する軸力は、5N以上、さらに好ましくは
10N以上とする。もし、この押圧力が5Nより小さい
と、使用中の温度サイクルによる膨張収縮により移動し
た熱電対10の位置が元の位置に戻りにくくなり、測定
温度のバラツキが大きくなるという不具合が生じる。
【0036】そして、金属チップ22と押さえ治具2
4、支持棒25には、図5に示すように、それぞれの接
触部に回転防止用の凸部27と凹部28を相互にかみ合
うように形成することにより、熱電対の回転を抑えるこ
とが可能となる。
【0037】なお、発熱抵抗体5を複数のゾーンに分割
して温度制御する場合は、ゾーンの数に応じて、熱電対
10の数を増やすことが好ましい。これにより、ウエハ
Wの温度をより実温に近い値に制御することが可能とな
る。また、この場合は特に、熱電対10個々の設置条件
を均一にする必要がある。これは、個々の熱電対10間
の温度検知がばらつくと、個々の発熱抵抗体5ブロック
の制御がばらつき、昇温過渡時のウエハの温度分布に悪
影響を与えるためである。
【0038】さらに、図1において、金属製の支持体1
1は、側壁部と板状構造体13を有し、該板状構造体1
3には、その面積の5〜50%にあたる開口部が形成さ
れている。また、該板状構造体13には、必要に応じて
他に、均熱板2の発熱抵抗体5に給電するための給電部
6と導通するための導通端子7、均熱板2を冷却するた
めのガス噴出口、均熱板2の温度を測定するための熱電
対10を設置する。
【0039】また、不図示のリフトピンは支持体11内
に昇降自在に設置され、ウエハWを載置面3上に載せた
り、載置面3より持ち上げるために使用される。そし
て、このウエハ加熱装置1により半導体ウエハWを加熱
するには、不図示の搬送アームにて載置面3の上方まで
運ばれたウエハWをリフトピンにより支持したあと、リ
フトピンを降下させてウエハWを載置面3上に載せる。
次に、給電部6に通電して発熱抵抗体5を発熱させ、絶
縁層4及び均熱板2を介して載置面3上のウエハWを加
熱する。
【0040】このとき、本発明によれば、均熱板2を炭
化珪素質焼結体、炭化硼素質焼結体、窒化硼素質焼結
体、窒化珪素質焼結体、もしくは窒化アルミニウム質焼
結体により形成してあることから、熱を加えても変形が
小さく、板厚を薄くできるため、所定の処理温度に加熱
するまでの昇温時間及び所定の処理温度から室温付近に
冷却するまでの冷却時間を短くすることができ、生産性
を高めることができるとともに、60W/m・K以上の
熱伝導率を有することから、薄い板厚でも発熱抵抗体5
のジュール熱を素早く伝達し、載置面3の温度ばらつき
を極めて小さくすることができる。しかも、大気中の水
分等と反応してガスを発生させることもないため、半導
体ウエハW上へのレジスト膜の貼付に用いたとしても、
レジスト膜の組織に悪影響を与えることがなく、微細な
配線を高密度に形成することが可能である。
【0041】ところで、このような特性を満足するに
は、均熱板2の板厚を1mm〜7mmとすることが良
い。これは、板厚が1mm未満であると、板厚が薄すぎ
るために温度ばらつきを平準化するという均熱板2とし
ての効果が小さく、発熱抵抗体5におけるジュール熱の
ばらつきがそのまま載置面3の温度ばらつきとして表れ
るため、載置面3の均熱化が難しいからであり、逆に板
厚が7mmを越えると、均熱板2の熱容量が大きくなり
過ぎ、所定の処理温度に加熱するまでの昇温時間や温度
変更時の冷却時間が長くなり、生産性を向上させること
ができないからである。
【0042】また、以上詳述した本発明のウエハ加熱装
置において、図1に示すように、均熱板2の表面に絶縁
層4を介して発熱抵抗体5を形成し、発熱抵抗体5を露
出させてあることから、使用条件等に合わせて載置面3
の温度分布が均一となるように、発熱抵抗体5にトリミ
ングを施して抵抗値を調整することもできる。
【0043】また、均熱板2を形成するセラミックスと
しては、炭化珪素、炭化硼素、窒化硼素、窒化珪素、窒
化アルミニウムのいずれか1種以上を主成分とするもの
を使用することができる。炭化珪素質焼結体としては、
主成分の炭化珪素に対し、焼結助剤として硼素(B)と
炭素(C)を含有した焼結体や、主成分の炭化珪素に対
し、焼結助剤としてアルミナ(Al23)とイットリア
(Y23)を含有し1900〜2200℃で焼成した焼
結体を用いることができ、また、炭化珪素はα型を主体
とするもの、あるいはβ型を主体とするもののいずれで
あっても構わない。
【0044】また、炭化硼素質焼結体としては、主成分
の炭化硼素に対し、焼結助剤として炭素を3〜10重量
%混合し、2000〜2200℃でホットプレス焼成す
ることにより焼結体を得ることができる。
【0045】そして、窒化硼素質焼結体としては、主成
分の窒化硼素に対し、焼結助剤として30〜45重量%
の窒化アルミニウムと5〜10重量%の希土類元素酸化
物を混合し、1900〜2100℃でホットプレス焼成
することにより焼結体を得ることができる。窒化硼素の
焼結体を得る方法としては、他に硼珪酸ガラスを混合し
て焼結させる方法があるが、この場合熱伝導率が著しく
低下するので好ましくない。
【0046】また、窒化珪素質焼結体としては、主成分
の窒化珪素に対し、焼結助剤として3〜12重量%の希
土類元素酸化物と0.5〜3重量%のAl23、さらに
焼結体に含まれるSiO2量として1.5〜5重量%と
なるようにSiO2を混合し、1650〜1750℃で
ホットプレス焼成することにより焼結体を得ることがで
きる。ここで示すSiO2量とは、窒化珪素原料中に含
まれる不純物酸素から生成するSiO2と、他の添加物
に含まれる不純物としてのSiO2と、意図的に添加し
たSiO2の総和である。
【0047】また、窒化アルミニウム質焼結体として
は、主成分の窒化アルミニウムに対し、焼結助剤として
23やYb23等の希土類元素酸化物と必要に応じて
CaO等のアルカリ土類金属酸化物を添加して十分混合
し、平板状に加工した後、窒素ガス中1900〜210
0℃で焼成することにより得られる。
【0048】これらの焼結体は、その用途により材質を
選択して使用する。例えば、レジスト膜の乾燥に使用す
る場合は、窒化物は水分と反応してアンモニアガスを発
生し、これがレジスト膜に悪影響を及ぼすので使用でき
ない。また、800℃程度の高温で使用する可能性のあ
るCVD用のウエハ加熱装置の場合は、ガラスを多く含
む窒化硼素系の材料は、均熱板2が使用中に変形してし
まい均熱性が損なわれてしまう可能性がある。
【0049】さらに、均熱板2の載置面3と反対側の主
面は、ガラスや樹脂からなる絶縁層4との密着性を高め
る観点から、平面度20μm以下、面粗さを中心線平均
粗さ(Ra)で0.1μm〜0.5μmに研磨しておく
ことが好ましい。
【0050】一方、炭化珪素質焼結体を均熱板2として
使用する場合、多少導電性を有する均熱板2と発熱抵抗
体5との間の絶縁を保つ絶縁層4としては、ガラス又は
樹脂を用いることが可能であり、ガラスを用いる場合、
その厚みが100μm未満では耐電圧が1.5kVを下
回り絶縁性が保てず、逆に厚みが350μmを越える
と、均熱板2を形成する炭化珪素質焼結体や窒化アルミ
ニウム質焼結体との熱膨張差が大きくなり過ぎるため
に、クラックが発生して絶縁層4として機能しなくな
る。その為、絶縁層4としてガラスを用いる場合、絶縁
層4の厚みは100μm〜350μmの範囲で形成する
ことが好ましく、望ましくは200μm〜350μmの
範囲で形成することが良い。
【0051】炭化珪素質焼結体からなる均熱板2の表面
に絶縁層4を形成する場合、予め表面を酸化処理するこ
とにより、0.05〜2μm厚みのSiO2からなる酸
化膜12を形成したのち、さらにその表面に絶縁層4を
形成するまた、均熱板2を、窒化アルミニウムを主成分
とするセラミック焼結体で形成する場合は、均熱板2に
対する発熱抵抗体5の密着性を向上させるために、ガラ
スからなる絶縁層4を形成する。ただし、発熱抵抗体5
の中に十分なガラスを添加し、これにより十分な密着強
度が得られる場合は、省略することが可能である。
【0052】次に、絶縁層4に樹脂を用いる場合、その
厚みが30μm未満では、耐電圧が1.5kVを下回
り、絶縁性が保てなくなるとともに、発熱抵抗体5にレ
ーザ加工等によってトリミングを施した際に絶縁層4を
傷付け、絶縁層4として機能しなくなり、逆に厚みが1
50μmを越えると、樹脂の焼付け時に発生する溶剤や
水分の蒸発量が多くなり、均熱板2との間にフクレと呼
ばれる泡状の剥離部ができ、この剥離部の存在により熱
伝達が悪くなるため、載置面3の均熱化が阻害される。
その為、絶縁層4として樹脂を用いる場合、絶縁層4の
厚みは30μm〜150μmの範囲で形成することが好
ましく、望ましくは60μm〜150μmの範囲で形成
することが良い。
【0053】また、絶縁層4を形成する樹脂としては、
200℃以上の耐熱性と、発熱抵抗体5との密着性を考
慮すると、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポ
リアミド樹脂等が好ましい。
【0054】なお、ガラスや樹脂から成る絶縁層4を均
熱板2上に被着する手段としては、前記ガラスペースト
又は樹脂ペーストを均熱板2の中心部に適量落とし、ス
ピンコーティング法にて伸ばして均一に塗布するか、あ
るいはスクリーン印刷法、ディッピング法、スプレーコ
ーティング法等にて均一に塗布したあと、ガラスペース
トにあっては、600℃の温度で、樹脂ペーストにあっ
ては、300℃以上の温度で焼き付ければ良い。また、
絶縁層4としてガラスを用いる場合、予め炭化珪素質焼
結体又は炭化硼素質焼結体から成る均熱板2を1200
℃程度の温度に加熱し、絶縁層4を被着する表面を酸化
処理しておくことで、ガラスから成る絶縁層4との密着
性を高めることができる。
【0055】さらに、絶縁層4上に被着する発熱抵抗体
5としては、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パ
ラジウム(Pd)等の金属単体を、蒸着法やメッキ法に
て直接被着するか、あるいは前記金属単体や酸化レニウ
ム(Re23)、ランタンマンガネート(LaMn
3)等の酸化物を導電材として含む樹脂ペーストやガ
ラスペーストを用意し、所定のパターン形状にスクリー
ン印刷法等にて印刷したあと焼付けて前記導電材を樹脂
やガラスから成るマトリックスで結合すれば良い。マト
リックスとしてガラスを用いる場合、結晶化ガラス、非
晶質ガラスのいずれでも良いが、熱サイクルによる抵抗
値の変化を抑えるために結晶化ガラスを用いることが好
ましい。
【0056】ただし、発熱抵抗体5に銀又は銅を用いる
場合、マイグレーションが発生する恐れがあるため、こ
のような場合には、発熱抵抗体5を覆うように絶縁層4
と同一の材質から成る保護膜を30μm程度の厚みで被
覆しておけば良い。
【0057】また、発熱抵抗体5を内蔵するタイプの均
熱板2に関しては、熱伝導率が高く電気絶縁性が高い窒
化アルミニウム質焼結体を用いることが好ましい。この
場合、窒化アルミニウムを主成分とし焼結助剤を適宜含
有する原料を十分混合したのち円盤状に成形し、その表
面にWもしくはWCからなるペーストを発熱抵抗体5の
パターン形状にプリントし、その上に別の窒化アルミニ
ウム成形体を重ねて密着した後、窒素ガス中1900〜
2100℃の温度で焼成することにより発熱抵抗体を内
蔵した均熱板2得ることが出来る。また、発熱抵抗体5
からの導通は、窒化アルミニウム質基材にスルーホール
19を形成し、WもしくはWCからなるペーストを埋め
込んだ後焼成するようにして表面に電極を引き出すよう
にすれば良い。また、給電部6は、ウエハWの加熱温度
が高い場合、Au、Ag等の貴金属を主成分とするペー
ストを前記スルーホール19の上に塗布し900〜10
00℃で焼き付けることにより、内部の発熱抵抗体5の
酸化を防止することができる。
【0058】上記絶縁層4を形成するガラスの特性とし
ては、結晶質又は非晶質のいずれでも良く、例えばレジ
スト乾燥用に使用する場合、耐熱温度が200℃以上で
かつ20℃〜200℃の温度域における熱膨張係数が均
熱板2を構成するセラミックスの熱膨張係数に対し−5
〜+5×10-7/℃の範囲にあるものを適宜選択して用
いることが好ましい。即ち、熱膨張係数が前記範囲を外
れたガラスを用いると、均熱板2を形成するセラミック
スとの熱膨張差が大きくなりすぎるため、ガラスの焼付
け後の冷却時において、均熱板2に反りが発生したり、
クラックや剥離等の欠陥が生じ易いからである。
【0059】また、金属体23の熱伝導率は、レーザー
フラッシュ法を用いて緻密体の熱伝導率を測定し、気孔
率を差し引いた充填率を掛けることにより熱伝導率を計
算した。
【0060】
【実施例】実施例 1 熱伝導率が80W/m・Kの炭化珪素質焼結体に研削加
工を施し、板厚4mm、外径230mmの円盤状をした
均熱板2を複数製作し、各均熱板2の一方の主面に絶縁
層4を被着するため、ガラス粉末に対してバインダーと
してのエチルセルロースと有機溶剤としてのテルピネオ
ールを混練して作製したガラスペーストをスクリーン印
刷法にて敷設し、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥さ
せたあと、550℃で30分間脱脂処理を施し、さらに
700〜900℃の温度で焼き付けを行うことにより、
ガラスからなる厚み200μmの絶縁層4を形成した。
次いで絶縁層4上に発熱抵抗体5を被着するため、導電
材としてAu粉末とPd粉末を添加したガラスペースト
を、スクリーン印刷法にて所定のパターン形状に印刷し
たあと、150℃に加熱して有機溶剤を乾燥させ、さら
に550℃で30分間脱脂処理を施したあと、700〜
900℃の温度で焼き付けを行うことにより、厚みが5
0μmの発熱抵抗体5を形成し、しかるのち発熱抵抗体
5に給電部6を導電性接着剤にて固着させることによ
り、均熱板2を製作した。
【0061】また、発熱抵抗体5は中心部と外周部を周
方向に4分割した5パターン構成とした。その後、図3
に示すように、各ブロックの中心に4mmφで深さ2m
mの穴21を形成し、金属体23を介して発熱抵抗体5
の温度調整用の熱電対10を設置し、さらにその上から
金属チップ22、押さえ治具24、指示棒25を用いて
弾性体26のバネ性により熱電対10を固定する構造と
した。
【0062】前記金属体23は、銀、銅、金、アルミニ
ウム、ニッケル、白金、錫の粉末を成形圧9.8×10
7Pa(1ton/cm2)でプレス成形して得た3mm
φ×0.5mm厚の成形体を準備し、真空中で各金属の
融点の90%相当の温度で熱処理し徐冷して金属体23
とした。
【0063】また、支持体11は、主面の30%に開口
部を形成した厚み2.5mmのステンレスからなる2枚
の板状構造体13を準備し、この内の1枚に、熱電対1
0、10本の導通端子7を所定の位置に形成し、同じく
ステンレスからなる側壁部とネジ締めにて固定して支持
体11を準備した。
【0064】その後、前記支持体11の上に、均熱板2
を重ね、その外周部を弾性体8を介してネジ締めするこ
とにより図1に示した本発明のウエハ加熱装置1とし
た。
【0065】さらに、転写法により金ペーストからなる
給電部6を形成し、900℃で焼き付け処理した。その
後、バネを有する導通端子7を装着した支持体11にそ
の外周部を弾性体8を介してネジ締めした。
【0066】そして、比較例として図6に示した従来の
タイプのウエハ加熱装置、本発明と同様の構造で炭化珪
素質セラミックスからなる均熱板2に、均熱板2の厚み
の2/3の深さの4.5mmφの凹部を形成し、金属体
23を用いずに熱電対10を固定したサンプルを作製し
た。
【0067】そして、このようにして得られた本発明実
施例及び比較例の10種類のウエハ加熱装置1の導電端
子7に通電して250℃で保持し、載置面3の上に載せ
たウエハ表面の温度分布を中心とウエハ半径の1/2の
周上の6分割点6点の合計7点の温度バラツキが1℃以
内となることを確認した後、150℃に30分保持した
のち、ウエハWを載置面2に載せて温度が150℃±
0.5℃に安定するまでの昇温時間を各サンプル5サイ
クル調査しその最大値を測定値とした。
【0068】評価基準としては、ウエハ面の温度上昇時
の温度が150℃±0.5度に安定するまでの時間が5
0秒以内であるものをOKとし、それ以上となるものは
NGとした。
【0069】それぞれの結果は表1に示す通りである。
【0070】
【表1】
【0071】表1から判るように、金属体23の熱伝導
率が65W/m・K未満となったNo.7、8および金
属体23を使用しないNo.10、従来のタイプのN
o.11は、ウエハ温度が安定するまでの時間が50秒
を越えるため好ましくない。これに対し、金属体23の
熱伝導率が65W/m・Kを越えるNo.1〜6および
No.9は、ウエハの温度が安定するまでの時間が50
秒以下と小さく良好であった。
【0072】実施例 2 ここでは、金属体23としてAg(熱伝導率420W/
m・K)、Cu(熱伝導率413W/m・K)、Au
(熱伝導率297W/m・K)、Al(熱伝導率203
W/m・K)、Ni(熱伝導率84W/m・K)、Pt
(熱伝導率69W/m・K)、ステンレス(熱伝導率4
0W/m・K)からなる網状構造体を用いて、実施例1
と同様の評価をした。金属体23は、窒素ガス中等の不
活性雰囲気中で徐冷して軟化させたものを成形圧4.9
×107Paで加圧し、還元雰囲気中、それぞれの融点
の90%の温度で燒結させ、徐冷して金属体23とし
た。また、金属部分の体積分率は、金属体23の厚みと
面積から得られた体積と、金属体23の重量を比重で除
して求めた体積の比から求めた。
【0073】結果を表2に示した。
【0074】
【表2】
【0075】表2から判るように、金属体23の熱伝導
率が65W/m・K未満であるNo.5、6は、ウエハ
の温度が安定するまでの時間が50秒を越えるため好ま
しくない。これに対し、金属体23の熱伝導率が65W
/m・K以上となるNo.1〜4は、ウエハの温度が安
定するまでの時間が50秒以下と良好な昇温特性を示し
た。
【0076】実施例 3 実施例2で用いた金属からなる網状構造体の隙間に、A
gからなる金属粉末を充填し、成形圧9.8×107
a(1ton/cm2)でプレス成形した後、850℃
で熱処理して金属粉末を焼結させたのち徐冷して、金属
体23を作製した。
【0077】該金属体23の熱伝導率は、一般的な測定
手法では求められないので、以下の方法で計算により求
めた。まず、網状構造体の熱伝導率を実施例2の手法に
より求め、全体重量から網状構造体の重量を差し引くこ
とにより金属粉末の重量を求め、さらに金属粉末の比重
と網状構造体の体積で除することにより金属粉末の体積
分率を求めた。そして、金属粉末の熱伝導率に体積分率
を掛算することにより金属粉末部分の熱伝導率を求め
た。こうして求めた網状構造体の熱伝導率と金属粉末の
熱伝導率を足したものを、金属体23の熱伝導率とし
た。
【0078】このようにして得た金属体23を用いて、
実施例1と同様な方法で昇温過渡時の温度バラツキを調
査した。結果を表3に示した。
【0079】
【表3】
【0080】表3に示したように、網状構造体と金属粉
末を組み合わせて一体化した金属体23の熱伝導率が6
5W/m・Kを越えるように調整したNo.1〜6は、
50秒以下の良好な昇温時間となった。
【0081】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、セラミ
ックスからなる均熱板の一方の主面をウエハの載置面と
し、他方の主面に発熱抵抗体を有するとともに、該発熱
抵抗体と電気的に接続される給電部を前記他方の主面に
具備してなるウエハ加熱装置であって、前記均熱板に形
成された凹部にシース型熱電対の測温部を配置し、金属
製チップおよび押さえ治具により前記測温部を押圧固定
したことを特徴とするウエハ加熱装置において、前記シ
ース型熱電対が、多孔性の熱伝導率65W/m・K以上
の金属体を介して前記均熱板の凹部に押圧固定されるよ
うにすれば、ウエハ温度が150℃になるように温度保
持した均熱板上にウエハを載置した際のウエハ温度が、
150℃±0.5℃に安定するまでの時間を50秒以下
に短縮することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウエハ加熱装置を示す断面図である。
【図2】本発明のウエハ加熱装置の均熱板を示す平面図
である。
【図3】本発明のウエハ加熱装置の熱電対設置部を示す
断面図である。
【図4】(a)は本発明のウエハ加熱装置の熱電対を保
持した金属チップの断面図であり、(b)はその比較例
である。
【図5】本発明のウエハ加熱装置の熱電対設置部を示す
他の断面図である。
【図6】従来のウエハ加熱装置の熱電対設置部を示す断
面図である。
【符号の説明】
1:ウエハ加熱装置 2:均熱板 3:載置面 4:絶縁層 5:発熱抵抗体 6:給電部 7:支持体 8:弾性体 10:熱電対 22:金属チップ 23:金属体 24:押さえ治具 25:支持棒 W:半導体ウエハ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックスからなる均熱板の一方の主面
    をウエハの載置面とし、他方の主面に発熱抵抗体を有す
    るとともに、該発熱抵抗体と電気的に接続される給電部
    を前記他方の主面に具備してなるウエハ加熱装置であっ
    て、前記均熱板に形成された凹部に熱伝導率65W/m
    ・K以上の多孔性金属体を介してシース型熱電対の測温
    部を配置し、金属製チップおよび押さえ治具により前記
    測温部を押圧固定したことを特徴とするウエハ加熱装
    置。
  2. 【請求項2】前記金属体が銀、銅、金、アルミニウム、
    ニッケルの少なくとも一種の粉末および/または繊維の
    成形体からなることを特徴とする請求項1記載のウエハ
    加熱装置。
  3. 【請求項3】前記金属体が銀、銅、金、アルミニウムの
    少なくとも一種の網状構造物からなることを特徴とする
    請求項1記載のウエハ加熱装置。
  4. 【請求項4】前記金属体が銀、銅、金、アルミニウム、
    ニッケル、白金の少なくとも一種の網状構造体と、その
    隙間に充填した銀、銅、金、アルミニウムの少なくとも
    一種の粉末とからなることを特徴とする請求項1記載の
    ウエハ加熱装置。
  5. 【請求項5】前記押さえ治具が、筒状体または切り欠き
    を有する柱状体からなることを特徴とする請求項1記載
    のウエハ加熱装置。
  6. 【請求項6】前記金属製チップ、押さえ治具、及びこれ
    らを押さえる支持棒の各接触部に回転防止用の溝と突起
    が形成されていることを特徴とする請求項1記載のウエ
    ハ加熱装置。
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