JP2002105872A - 基布およびその製造方法 - Google Patents

基布およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002105872A
JP2002105872A JP2000301735A JP2000301735A JP2002105872A JP 2002105872 A JP2002105872 A JP 2002105872A JP 2000301735 A JP2000301735 A JP 2000301735A JP 2000301735 A JP2000301735 A JP 2000301735A JP 2002105872 A JP2002105872 A JP 2002105872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic resin
resin emulsion
raised
base fabric
foamed acrylic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000301735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4530512B2 (ja
JP2002105872A5 (ja
Inventor
Juichi Igari
寿一 猪狩
Hiroaki Arai
宏明 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Achilles Corp filed Critical Achilles Corp
Priority to JP2000301735A priority Critical patent/JP4530512B2/ja
Publication of JP2002105872A publication Critical patent/JP2002105872A/ja
Publication of JP2002105872A5 publication Critical patent/JP2002105872A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4530512B2 publication Critical patent/JP4530512B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種シート材の基布、ブーツ,シューズ,カ
バン類,防寒衣料,ベルト類,家具類等の裏打材、建築
材料等として使用できる基布であって、これら各製品に
ボリューム感、高級感、適度な保温効果を付与し、かつ
これら各製品の表皮材、その他の素材との接着性が良好
な基布を提供する。 【解決手段】 起毛長1〜10mm、起毛密度400〜
25000本/cmの片面又は両面起毛布1の少なく
とも起毛面11に、乾燥後の重量が30〜100g/m
の、発泡アクリル系樹脂エマルジョンによる層2を形
成してなる。光にかざしたときに、発泡アクリル系樹脂
エマルジョン層2及び起毛布1を通して光が散点状に透
過するものであってもよく、また起毛の少なくとも半数
が、その根元から先端までを発泡アクリル系樹脂エルマ
ジョン層で被覆され、この被覆された起毛のうちの少な
くとも半数が、少なくともその先端部において横臥して
いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種シート材の基
布、ブーツ,シューズ,カバン類,防寒衣料,ベルト
類,家具類等の裏打材、あるいは建築材料等として使用
できる基布に関し、特に、これらの各種製品に嵩高感や
重厚感、あるいは適度な保温効果を付与すると共に、こ
れら各製品(シート材、ブーツ、シューズ、カバン類、
防寒衣料、ベルト類、家具類等)の表皮材、その他の素
材との固定性が良好な基布に関する。
【0002】
【技術背景】従来から、上記のシート材の基布、ブー
ツ,シューズ,カバン類,防寒衣料,ベルト類,家具類
等の裏打材等としては、合成繊維や天然繊維等製の織
布、不織布、編布、起毛布等が広く使用されている。
【0003】これらの基布や裏打材は、一般には、ボリ
ューム感(嵩高感・重厚感)に乏しい。従って、製品に
嵩高感・重厚感を付与するためには、これらの基布や裏
打材と表皮材との間に発泡層を介在させる等の工夫を施
したものが知られている。
【0004】また、防寒衣料等の裏打材として使用され
る起毛布にあっては、保温効果を高める目的で、起毛長
を長くしたり、起毛密度を高めた、嵩高感に富むものを
使用することがあり、この場合には上記のような問題は
ある程度解消されるものの、起毛部の見かけ密度が低い
ため、重厚感が不足する。すなわち、起毛布の起毛面に
表皮材を接着剤で固定すると、表皮材が起毛によって浮
き上がり、所望の重厚感を現出することができない。
【0005】
【発明の目的】本発明は、これらの欠点を解消し、嵩高
感に富むばかりか、重厚感をも有し、製品の外観を優れ
たものとすることができる基布と、その製造方法を提供
することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】本発明の基布は、上記目的を達成するた
めに、単糸繊度100デーニル以下、起毛長1〜10m
m、起毛密度400〜25000本/cmの起毛を有
する片面又は両面起毛布の少なくとも起毛面に、乾燥後
の重量が30〜100g/mの、発泡アクリル系樹脂
エマルジョンによる層を形成してなることを特徴とす
る。この基布は、(1)光にかざしたときに、発泡アク
リル系樹脂エマルジョン層及び起毛布を通して光が散点
状に透過するものであり、この散点の面積の合計が全面
積の5%以下であってもよいし、(2)発泡アクリル系
樹脂エマルジョン層を有する起毛面において、起毛の少
なくとも半数がその根元から先端までを発泡アクリル系
樹脂エルマジョン層で被覆されており、この被覆された
起毛のうちの少なくとも半数が少なくともその先端部に
おいて横臥していてもよい。また、本発明の上記の基布
の製造方法は、上記の起毛を有する片面又は両面起毛布
の少なくとも起毛面に、粘度が10000〜18000
mPa・sの発泡アクリル系樹脂エマルジョンを機械発
泡させて塗布し、乾燥することを特徴とする。
【0007】本発明における片面又は両面起毛布は、ポ
リエステル、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリオ
レフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維、綿、
麻、絹等の天然繊維、レーヨン、スフ、アセテート等の
再生繊維、これらの混合繊維、混紡繊維等からなる織
布、不織布、編布(以下、ベース布と記すこともある)
に、上記の合成繊維、天然繊維、再生繊維、これらの混
合繊維、混紡繊維等からなる起毛が、公知の手法により
植毛されたもの、あるいはパイル織りされたもの、その
他適宜の公知の手法により起毛されたもの等が使用でき
る。
【0008】この片面又は両面起毛布は、起毛の単糸繊
度が100デニール以下で、起毛長が1〜10mm、好
ましくは2〜8mm、起毛密度が400〜25000本
/cm、好ましくは1000〜10000本/cm
のものを使用する。なお、単糸繊度とは、起毛1本毎の
繊度をいい、起毛長とは、上記の起毛が上記のベース布
に接している部分(根元)から先端までの長さをいい、
起毛密度とは、上記のベース布1cm当たりの上記の
起毛の本数をいう。
【0009】起毛長が1mm未満で、起毛密度が400
本/cm未満では、所望の嵩高感や重厚感を得ること
ができなかったり、基布から発泡アクリル系樹脂エマル
ジョンが脱落し易くなり、起毛長が10mmより長く、
起毛密度が25000本/cmより大きいと、嵩高感
や重厚感は十分となるものの、発泡アクリル系樹脂エマ
ルジョンによる被覆がし難くなり、起毛の少なくとも半
数がその根元から先端までを発泡アクリル系樹脂エルマ
ジョンで被覆されることが極めて困難ないしは不可能と
なる。
【0010】本発明の基布は、上記の片面又は両面起毛
布の少なくとも起毛面に、乾燥後の重量(両面に形成さ
れる場合は片面当たりの重量)が30〜100g/m
の、発泡アクリル系樹脂エマルジョンによる層が形成さ
れていることを必要とする。乾燥後の重量が30g/m
未満であると、所望の嵩高感や重厚感を得ることがで
きないばかりか、起毛の少なくとも半数を、その根元か
ら先端までを被覆することができない場合があり、また
被覆された起毛のうちの少なくとも半数を、少なくとも
その先端部において横臥することができない場合があ
り、しかも本発明の基布を光にかざしたときに、発泡ア
クリル系樹脂エマルジョン層及び起毛布を通して光が散
点状に透過せず、この散点の面積の合計が全面積の5%
を超えてしまう。乾燥後の重量が100g/mより多
いと、嵩高感や重厚感を得ることはできるものの、基布
の重量増を招く上、取扱性や加工性を低下させる。
【0011】発泡アクリル系樹脂エマルジョンの発泡度
合いは、用途に応じて適宜変更されるため、特に制限し
ないが、一般には、上記の乾燥厚さにおいて、1.5〜
6.0倍程度が適している。発泡度合いが小さすぎれ
ば、発泡アクリル系樹脂エマルジョンが浸透し易くなっ
て、起毛布の織り目や編み目等の組織の中に深く浸透
し、得られる基布の風合いが硬くなるおそれがあり、大
きすぎると、逆に浸透し難くなって、起毛の先端にのみ
発泡アクリル系樹脂エマルジョン層が形成されて、起毛
の根元を被覆することができなくなるばかりか、所望の
嵩高感や重厚感を得ることができない。
【0012】また、この発泡アクリル系樹脂エマルジョ
ンは、発泡前のアクリル系樹脂エマルジョンの粘度が、
BM型粘度計((株)東京計器製造所)のNo.4ロー
タ×6rpmでの測定で、10000〜18000mP
a・sの範囲内にあることが適している。10000m
Pa・s未満では、機械発泡が困難となるばかりか、発
泡アクリル系樹脂エマルジョンを調製し得たとしても、
起毛布の織り目や編み目等の組織の中に深く浸透してし
まい、18000mPa・sより高いと、起毛の先端に
のみ発泡アクリル系樹脂エマルジョン層が形成されてし
まう。
【0013】このアクリル系樹脂としては、アクリル
酸、アクリル酸エステル、アクリルアミド、アクリルニ
トリル、メタクリル酸エステル等のホモポリマー;これ
らのモノマーとスチレン、その他のモノマーとの共重合
体が使用できる。これらのアクリル系樹脂には、必要に
応じて、アクリル系樹脂に配合される通常の起泡剤、整
泡剤、架橋剤、粘度調整剤、着色剤、充填剤、老化防止
剤等の添加剤を、通常の発泡アクリル系樹脂エマルジョ
ンに配合する量の範囲内で配合することができる。
【0014】本発明における発泡アクリル系樹脂エマル
ジョンは、オークスミキサー等のメカニカルフォーム用
ミキサーを用いて、上記のアクリル系樹脂エマルジョン
に細かな空気粒を均一に混入させることによって得られ
る。この空気粒が混入した状態のエマルジョンを上記の
起毛布に、上記の塗布量で塗布し、加熱して水分を蒸発
させることによって、本発明の基布を得ることができ
る。
【0015】このときの空気粒の混入量は、発泡アクリ
ル系樹脂エマルジョン層の所望の発泡度合いや、本発明
の基布の用途によって異なり一概には決められないが、
一般には、アクリル系樹脂エマルジョン1kg当たり、
0.5〜5リットル(以下、Lと記す)程度、好ましく
は1〜2L程度が適しており、この範囲内から所望の発
泡度合いや用途に応じて適宜選定される。
【0016】上記の発泡アクリル系樹脂エマルジョンの
起毛布への塗布は、ドクターナイフコーター、コンマド
クターコーター、その他通常の塗布手段で行うことがで
きる。
【0017】また、起毛布へ塗布した後の発泡アクリル
系樹脂エマルジョンの加熱乾燥は、150〜180℃で
5〜15分で行うことが好ましい。150℃未満で5分
未満では、十分な乾燥(水分蒸発)ができないばかり
か、十分な架橋反応をも生起しない。180℃より高温
で15分より長時間であっても、この作用効果は飽和す
るため、熱経済上好ましくないばかりか、場合によって
は変色が発生することもある。この加熱操作は、加熱炉
によって行うことが好ましい。
【0018】上記のようにして得られる本発明の基布
は、光にかざしたときに、発泡アクリル系樹脂エマルジ
ョン層及び起毛布を通して光が散点状に透過することが
好ましい。光の透過が散点状でなければ、発泡アクリル
系樹脂エマルジョン層が均一に形成されておらず、本発
明の基布を使用した各種製品に所望の嵩高感や重厚感、
あるいは適度な保温効果を付与することができなくな
る。そして、この散点の面積の合計は、全面積の5%以
下であることが好ましい。この合計の下限値は、0%す
なわち光の透過がなくてもよいが、上記した各種製品に
所望の嵩高感や重厚感、適度な保温効果を付与する上で
は、下限値は0.01%程度とすることが適している。
【0019】また、上記のようにして得られる本発明の
基布は、起毛の少なくとも半数が、その根元から先端ま
でを発泡アクリル系樹脂エルマジョン層で被覆されてい
ることが好ましい。なお、本発明において、先端から起
毛長の90%以上被覆されているものは、根元まで被覆
されているものとする。その根元から先端までを発泡ア
クリル系樹脂エルマジョン層で被覆された起毛が、起毛
の半数未満では、発泡アクリル系樹脂エマルジョン層で
被覆する技術的効果が十分に得られず、本発明の基布を
使用した各種製品に所望の嵩高感や重厚感を付与するこ
とができなくなる。
【0020】そして、この被覆された起毛のうちの少な
くとも半数が、少なくともその先端部において横臥して
いることが好ましい。この横臥により、本発明の基布に
おける起毛部の表面が平坦状となって、表皮材を貼着さ
せる際に、浮き上がらせることなく、良好に固定するこ
とができる。
【0021】以上の本発明の基布は、例えばウレタン系
樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂等、好ましく
は薄手の表皮材が形成できるウレタン系樹脂からなる表
皮材が設けられて、自動車内装材、各種シート材、ブー
ツ,シューズ,カバン類,ベルト類,家具類、あるいは
建築材料等として用いられる。このとき、表皮材は、予
めシート状に成形されたものが接着剤を介して、上記基
布の発泡アクリル系樹脂エマルジョン層が存在する面、
該層が存在しない面(すなわち、ベース布面)、または
両面に貼着されたり、あるいは上記樹脂をエマルジョン
状、ペースト状、溶液状、溶融状等として、上記の基布
の上記の面に、塗布、吹付け、ディップ等の方法で設け
られる。
【0022】なお、上記のようにして表皮材を設けた後
に、水中又は加湿雰囲気下で、加温又は加熱しながら揉
み加工を施し、乾燥させると、本発明の基布における起
毛布の織り目又は編み目の収縮が生じ、これに伴い発泡
アクリル系樹脂エマルジョン層ひいては表皮材に美麗な
シワが現出する。このシワが、本発明の基布に表皮材を
設けた製品、特に合成皮革等を、一層高級な天然皮革様
の外観(風合い)を備えたものとすることができる。
【0023】また、上記のような合成樹脂に代えて各種
の生地からなる表皮材を、上記の面に、接着剤により貼
着したり、あるいは縫合したりして設けることもでき
る。更には、合板,その他の木製板材、紙,段ボール,
その他の紙製板材、各種の金属製板材等からなる表皮材
を、上記の面に、接着剤により貼着したり、あるいはホ
ッチキス止め等したりして設けることもできる。
【0024】
【実施例】実施例1 単糸繊度10デニール、起毛長5mm、起毛密度120
0本/cmの片面起毛布を用いた。一方、アクリル系
樹脂エマルジョン(イーテック社製商品名“FX880
1J”、固形分60重量%)100重量部と、起泡剤
(イーテック社製商品名“FD−8”)3重量部と、水
性顔料(住友カラー社製商品名“ポルックスPCカラ
ー”)1.0重量部を混合して粘度14000mPa・
sのアクリル系樹脂エマルジョンを調製し、これをオー
クスミキサーにて微細な空気粒を約1L/kg混入して
約2倍の容積に発泡させて発泡アクリル系樹脂エマルジ
ョンとした。
【0025】上記の発泡アクリル系樹脂エマルジョン
を、ナイフコーターを用い、上記起毛布の起毛面に、乾
燥厚さで50g/mとなるように塗布し、170℃の
オーブンで5分間乾燥して架橋反応を促進させた後、オ
ーブンから取出し、巻き取り、巻き取った状態で、常温
で、24時間養生した。
【0026】上記のようにして得られた本発明の基布
は、その模式的な断面図を図1に示すが、片面起毛布1
の起毛面11に発泡アクリル系樹脂エマルジョンによる
層2が形成されていた。この基布を光にかざしたとき
に、発泡アクリル系樹脂エマルジョン層2及び起毛布1
を通して光が散点状に透過し、この散点の面積の合計が
全面積の約2%であり、また起毛本数の約99%が、そ
の根元から先端までを発泡アクリル系樹脂エルマジョン
層2で被覆されており、この被覆された起毛本数のうち
の約99%が、図示するように、その先端部において横
臥していた。この約99%の横臥により、上記基布の発
泡アクリル系樹脂エマルジョン層2が形成された起毛面
11は、図示するように、表面が平坦状となっていた。
【0027】この平坦状となっている基布の起毛面に、
以下の(1)と(2)の2種類の方法で、ウレタン樹脂
からなる表皮材を設け、2種類のシート材(合成皮革)
を作製した。
【0028】(1)の方法:先ず、一液型ウレタン樹脂
(大日精化工業社製商品名“レザミンME−44”)1
00重量部に対し、希釈溶剤DMF(ジメチルホルムア
ミド)20重量部、MEK(メチルエチルケトン)20
重量部、着色剤(大日本インキ化学工業社製商品名“ダ
イラックTVカラー”)20重量部を混合して表皮材液
を調製した。次いで、この表皮材液を、表面に微細な凹
凸を所定のパターンで有する離型性の紙上に、乾燥厚さ
で20g/mとなるように塗布し、100℃のオーブ
ンで3分間乾燥させ、離型性の紙の上に一液型ウレタン
樹脂からなる表皮材を作成した。この表皮材の上に、ウ
レタン系二液型接着剤を塗布し、上記の本発明の基布を
起毛面で貼着した後、離型紙を剥離し、合成皮革を作製
した。
【0029】(2)の方法:(1)の方法と同様である
が、最後の表皮材の上に、ウレタン系二液型接着剤を塗
布し、上記の本発明の基布を起毛面でない側で貼着した
後、離型紙を剥離し、合成皮革を作製した。
【0030】上記(1)(2)のいずれの方法の場合
も、本発明の基布の起毛面が平坦状となっているため、
表皮材を美麗かつ強固に設けることができ、しかも嵩高
感・重厚感のある合成皮革となっていた。また、(1)
の合成樹脂皮革を、水中にて加温し、揉み加工を施した
後、乾燥させたところ、美麗なシワが表面に発生してい
た。
【0031】実施例2 起毛布は実施例1で用いた起毛布と同じものを用い、発
泡アクリル系樹脂エマルジョンは実施例1で調製したも
のと同じ組成のものに、オークミキサーにより微細な空
気粒を約2L/kgの混入量で混入して、約3倍の容積
に発泡させ、粘度15000mPa・sとした。この発
泡アクリル系樹脂エマルジョンを、ナイフコーターを用
い、上記起毛布の起毛面に、乾燥厚さで50g/m
なるように塗布し、170℃のオーブンで5分間乾燥し
て架橋反応を促進させた後、オーブンから取出し、巻き
取り、巻き取った状態で、常温で、24時間養生した。
【0032】上記のようにして得られた本発明の基布
は、光にかざしたときに、発泡アクリル系樹脂エマルジ
ョン層及び起毛布を通して光が散点状に透過し、この散
点の面積の合計が全面積の約4%であり、また起毛本数
の約99%が、その根元から先端までを発泡アクリル系
樹脂エルマジョン層で被覆されており、この被覆された
起毛本数のうちの約99%が、その先端部において横臥
していた。この約99%の横臥により、上記基布の発泡
アクリル系樹脂エマルジョン層が形成された起毛面は、
平坦状となっていた。
【0033】この平坦状となっている基布の起毛面に、
以下の要領で塩化ビニル系樹脂からなる表皮材を設け、
シート材(塩ビレザー)を作成した。すなわち、ポリ塩
化ビニル100重量部に対し、ジオクチルフタレート
(可塑剤)70重量部、安定剤3重量部、顔料4重量部
を混合して表皮材コンパウンドを調製した。次いで、こ
のコンパウンドを、カレンダーで0.2mmの厚さに圧
延し、上記の本発明の基布の起毛面に積層した。
【0034】本発明の基布の起毛面が平坦状となってい
るため、表皮材を美麗かつ強固に設けることができ、外
観美麗な塩ビレザーとなっていた。また、これら塩ビレ
ザーにおいて、基布が上記のような性状を有しているた
め、嵩高感や重厚感に富み、かつ適度な保温効果を有す
るものであった。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の基布で
は、次のような効果を奏することができる。 (1)表皮材あるいは他の素材を美麗かつ強固に取付け
ることができる。 (2)表皮材あるいは他の素材との取付け作業を容易に
することができる。 (3)嵩高感、重厚感に富み、かつ適度な保温効果を有
する各種製品(自動車内装材、各種シート材、ブーツ、
シューズ、カバン類、防寒衣料、ベルト類、家具類等)
に好適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基布の一実施態様例を説明するための
模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 起毛布 11 起毛面 2 発泡アクリル系樹脂エマルジョンによる層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単糸繊度100デニール以下、起毛長1
    〜10mm、起毛密度400〜25000本/cm
    起毛を有する片面又は両面起毛布の少なくとも起毛面
    に、乾燥後の重量が30〜100g/mの、発泡アク
    リル系樹脂エマルジョンによる層を形成してなることを
    特徴とする基布。
  2. 【請求項2】 光にかざしたときに、発泡アクリル系樹
    脂エマルジョン層及び起毛布を通して光が散点状に透過
    するものであることを特徴とする請求項1記載の基布。
  3. 【請求項3】 発泡アクリル系樹脂エマルジョン層を有
    する起毛面において、起毛の少なくとも半数が、その根
    元から先端までを発泡アクリル系樹脂エルマジョン層で
    被覆されており、 この被覆された起毛のうちの少なくとも半数が、少なく
    ともその先端部において横臥してなることを特徴とする
    請求項1又は2記載の基布。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の片面又は両面起毛布の少
    なくとも起毛面に、粘度10000〜18000mPa
    ・sのアクリル系樹脂エマルジョンを機械発泡させて塗
    布し、乾燥することを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載の基布の製造方法。
JP2000301735A 2000-10-02 2000-10-02 基布 Expired - Fee Related JP4530512B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000301735A JP4530512B2 (ja) 2000-10-02 2000-10-02 基布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000301735A JP4530512B2 (ja) 2000-10-02 2000-10-02 基布

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2002105872A true JP2002105872A (ja) 2002-04-10
JP2002105872A5 JP2002105872A5 (ja) 2007-10-18
JP4530512B2 JP4530512B2 (ja) 2010-08-25

Family

ID=18783218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000301735A Expired - Fee Related JP4530512B2 (ja) 2000-10-02 2000-10-02 基布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4530512B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS569592B2 (ja) * 1976-11-12 1981-03-03

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS569592B2 (ja) * 1976-11-12 1981-03-03

Also Published As

Publication number Publication date
JP4530512B2 (ja) 2010-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0343389B2 (ja)
GB2108867A (en) Decorative wallcovering in roll form
CN104790222A (zh) 仿毛绒合成皮及其制造方法
JP4530512B2 (ja) 基布
KR100349890B1 (ko) 폴리우레탄 인공피혁의 제조방법
JP2809804B2 (ja) 皮革様シート状物
JPH0958200A (ja) 不織布を用いた画布
JP3964120B2 (ja) 合成皮革
JPH0546522Y2 (ja)
JP2001040586A (ja) プリント加工品の製造方法
JP3009346B2 (ja) 皮革様シート状物およびその製造方法
JPH0754271A (ja) 防虫性立毛またはパイル繊維製品
JPS61258100A (ja) ポリエステル混抄紙
JPH04119842A (ja) タイル状繊維敷物
JPS5841959A (ja) 衣料用芯地基材
JP2002337259A (ja) 高通気性フロックシート
JPH0421507B2 (ja)
JP2994839B2 (ja) 意匠効果の優れた皮革様シート状物及びその製造方法
JP3447679B2 (ja) ステキヒトサイズ度が30分以上である壁紙及びその製造方法
JPH07292567A (ja) 複合天然繊維から成る不織布
JPH04119843A (ja) 止着タイルカーペット
JPH0431278Y2 (ja)
JPS58104277A (ja) 賦型敷物の製造法
JPS6132432B2 (ja)
JPH0130957B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070904

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070926

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100608

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4530512

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130618

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees