JPH0958200A - 不織布を用いた画布 - Google Patents

不織布を用いた画布

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JPH0958200A
JPH0958200A JP7221293A JP22129395A JPH0958200A JP H0958200 A JPH0958200 A JP H0958200A JP 7221293 A JP7221293 A JP 7221293A JP 22129395 A JP22129395 A JP 22129395A JP H0958200 A JPH0958200 A JP H0958200A
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JP
Japan
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fiber
cloth
woven fabric
nonwoven fabric
water
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Pending
Application number
JP7221293A
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English (en)
Inventor
Jo Masaki
丈 正木
Hiromasa Funaoka
廣正 船岡
Yasumasa Yugawa
泰征 湯川
Yugoro Masuda
雄五郎 増田
Makio Nagata
万亀男 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KOYO PLAST KK
MARUOKA KOGYO KK
NIPPON GAZAI KOGYO KK
Kanebo Ltd
Original Assignee
KOYO PLAST KK
MARUOKA KOGYO KK
NIPPON GAZAI KOGYO KK
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の麻布製画布のもつ問題点を解決し、簡便
かつ安価に製造でき、寸法安定性に優れるため、下地処
理や表面仕上処理を迅速に施すことができ、さらには木
枠への展張に際しても従来ほどに多大の張力を要しない
画布を提供する。 【解決手段】熱可塑性高分子繊維からなる不織布に、麻
布の織目模様である細目、中目又は荒目をエンボス加工
する。熱可塑性高分子繊維からなる不織布としては、ポ
リエステル繊維と、鞘成分が芯成分より30℃以上低い
融点を有するポリエステル芯鞘型複合繊維とを配合して
なる不織布が好ましい。エンボス加工した不織布には、
水分散顔料および水分散樹脂液からなる繊維処理液を塗
布又は浸漬することにより、麻色に着色ができ、同時に
毛羽立ち防止と剛性付与が行える。表面仕上処理には、
従来と同様な油絵用又は水彩画用の表面仕上剤を塗工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、麻糸を編織した麻
布からなる従来から慣用されている画布に代替可能な、
大量生産に適した安価な画布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から慣用されている麻布製の画布の
製造方法を以下に説明する。先ず、麻糸を主体とし、必
要に応じて綿やビニロン等を混糸混織して、画布の表面
要求パターン即ち細目、中目または荒目に編織して麻布
を作成した後、麻布特有の水分による伸びや乾燥時の収
縮、さらにはこれらに起因するシワを制御するために伸
子張りを行う。この伸子張り過程で、麻糸の節を除去し
たり、かけ継ぎ等を行って布目を調整する作業も行う。
次いで、麻布の毛羽立ち抑制と糸ズレ防止のため、さら
には次工程の表面仕上処理で用いる表面仕上剤の麻布に
よる吸収を防止するために、麻布表面にニカワ、ポリビ
ニルアルコール、澱粉、ガゼイン等の下地処理用の水溶
液を塗工して乾固膜を形成せしめる。
【0003】このようにして下地処理を施した麻布の描
画面に、油絵用あるいは水彩画用やアクリル水彩画用の
表面仕上剤を塗工して表面仕上処理を行う。油絵用画布
の表面仕上剤としては、チタン白、亜鉛華、鉛白等の白
色顔料、およびリトポン、タルク、アルミナ、炭酸カル
シウム、硫酸カルシウム等の体質顔料を、亜麻仁油、ケ
シ油、テレピン油等の乾性油で練合した白色塗料が使用
される。また水彩画用およびアクリル水彩画用画布の表
面仕上剤としては、上記した白色顔料および体質顔料
に、必要に応じて胡粉、白亜、石膏等の親水性の強い白
色顔料を加え、カゼイン、ニカワ等の動物性蛋白質水溶
液、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセ
ルロース等のセルロース系水溶液、あるいはポリビニル
アルコール、水性アクリルエマルジョン等の親水性樹脂
水溶液で混練した親水性塗料が使用される。
【0004】かような麻布からなる画布は最終的には描
画号数に合わせた木枠に展張される。木枠への画布の展
張に際しては、麻布の有する吸湿や乾燥による寸法変化
を防止するため、長手方向および幅方向に多大の張力を
かけて木枠に釘等で画布を打付けて展張状態に保持す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したごとき従来の
麻布製画布は、天然の麻糸を主材料とするため材料の均
質化が難しく、布に編織した後も、節の除去、かけ継
ぎ、布目の調整といった手間がかかるだけでなく、吸水
・乾燥にともなう寸法変化が大きいため、手作業による
伸子張りを施して寸法安定性を付与する必要があり、さ
らには下地処理用の水溶液を塗工して乾固膜を形成させ
る際にも乾燥に長時間を要するため、連続生産性に難が
あり、大量生産に適さない。
【0006】また、麻布に下地処理用の水溶液や表面仕
上処理剤を塗工するに際しては、麻布の寸法変化が大き
いことを考慮して、長手方向と幅方向の張力バランスを
取りながら塗工する必要があり、ロール塗工による連続
生産を行う場合にも二軸伸長機構を有するロールコータ
ー等を設置しなければならない。
【0007】さらに、これらの画布を描画号数に合わせ
た木枠に展張する場合には、吸湿・乾燥による寸法変化
を防止するために多大の張力をかけて画布を展張状態に
保持しなければならないため、これに耐え得る木枠を必
要とする。例えば、強固な針葉樹材(主としてウエスタ
ンレッドシダー等)の柾目の木枠を用いてF−6号の4
1.0cm×31.8cmの張キャンバスとする場合に
は、4cm×2cmの太さの断面木枠を用い、長手方向
で60kg、幅方向で44kgの張力をかけて画布を展
張する。かような展張状態を保持するには強固な木枠が
必要となるため、木枠のコストが高くなり、さらには木
枠自体も比較的重くならざるを得ず、張キャンバスの運
搬や室内壁面への展示が不便となる。
【0008】そこで本発明は、従来の麻布製画布のもつ
上述したような問題点を解決し、簡便かつ安価に製造で
き、寸法安定性に優れるため、下地処理や表面仕上処理
を迅速に施すことができ、さらには木枠への展張に際し
ても従来ほどに多大の張力を要しない、新規かつ改良さ
れた画布を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性高分子繊
維製の不織布が通気性もあり、表面に麻布様の織目模様
をエンボス加工できるため、麻布に替わる画布素材とし
て好ましく使用できること、さらにはかような不織布は
麻布に比べて均質性に優れ、自然条件下や加工条件下に
おいて寸法安定性に優れることを見いだし、本発明を完
成させるに至った。
【0010】すなわち本発明の画布は、熱可塑性高分子
繊維からなる不織布に、麻布の織目模様である細目、中
目または荒目をエンボス加工してなることを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性高分子繊
維からなる不織布としては、ポリエステル繊維(A)
と、鞘成分が芯成分より30℃以上低い融点を有するポ
リエステル芯鞘型複合繊維(B)とを配合して不織布と
したものが特に好ましく使用できる。鞘成分が芯成分よ
り30℃以上低い融点を有する芯鞘型複合繊維を用いる
のは、ウエブ状に配列した繊維を互いに熱融着させて不
織布とする際に、あるいは不織布に織目模様を加熱加圧
下でエンボス加工する際に、鞘成分が容易に溶融して繊
維相互間に効果的な接合がなされ、さらには効果的なエ
ンボス加工がなされるようにするためである。
【0012】熱可塑性高分子繊維(A)としては、ポリ
エステル共重合ポリエステル、ポリアミド共重合ポリア
ミド、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール
等が挙げられ、その単一系または複合系の割繊性繊維が
使用される。更に必要に応じて、レーヨンをはじめ綿、
麻、絹、羊毛などの天然繊維の単独あるいは2種以上を
熱可塑性高分子繊維(A)に混合して用いてもよい。
【0013】ポリエステル芯鞘型複合繊維(B)は、芯
成分がポリエステル繊維からなり、鞘成分が芯成分より
30℃以上低い融点を有するポリエステル系、ポリアミ
ド系、ポリオレフィン系などのポリマーからなる複合繊
維であって、その断面形状は芯鞘型の他にサイドバイサ
イド型偏心形等も使用できる。本明細書中の“芯鞘型複
合繊維”とは、サイドバイサイド型偏心形等も包含する
用語として用いている。
【0014】不織布の製造に使用されるポリエステル繊
維(A)の繊度は0.1〜15デニール、ポリエステル
芯鞘型複合繊維(B)の繊度は1.0〜15デニールが
好ましい。またこれら(A)および(B)いずれの繊維
も繊維長は5〜67mm程度の短繊維が使用できるが、
画布として特に好ましい繊維長は32〜51mm程度の
短繊維である。またポリエステル繊維(A)とポリエス
テル芯鞘型複合繊維(B)との配合比は、一般的には5
〜95:95〜5、好ましくは50:50(重量比)で
ある。
【0015】不織布の製造方法としては、慣用的な方法
が採用できる。例えば、ポリエステル繊維(A)とポリ
エステル芯鞘型複合繊維(B)とを所定の配合比で配合
した繊維配合物を混綿開繊した後、カーディングにより
平行配列ウエブとし、これをクロスラッパーを用いて所
望面密度の交差配列ウエブとする。次いで、ニードルパ
ンチングを施すか、又はウォーターニードリングを施し
てウエブ内の繊維を互いに接合させて不織布とする。繊
維の接合方法としては上記のニードルパンチング法又は
ウォーターニードリング法の他に、熱処理により繊維を
熱融着させるサーマルボンディング法、合成樹脂溶液を
バインダーとしてウエブに浸漬又はスプレー等により付
着せしめた後、熱処理により繊維を互いに接着させる方
法等を用いることができる。さらには抄紙機を利用した
ウエットレイド法により不織布を製造することもでき
る。
【0016】本発明による画布は、上記したような不織
布に対して、従来の麻布製の画布と同様の織目模様をエ
ンボス加工により施したものである。エンボス加工の方
法としては、細目・中目・荒目などの編目模様のパター
ンを予め彫刻した金属ロールの間に不織布を加圧通過せ
しめる方法や、同様の網目模様のパターンを彫刻した金
属板間で加熱・加圧する平面プレス加工法等が採用でき
る。エンボス加工によって、一般的には、面密度100
〜400g/m2 の不織布が、厚さ0.5〜2mm程度
とされる。
【0017】網目模様をエンボス加工した不織布は、不
織布そのままの色であり、不織布特有の毛羽立ちが起こ
りやすく、画布としての剛性が十分でない。そこで本発
明では、網目模様をエンボス加工した不織布に、水分散
顔料と水分散樹脂液からなる繊維処理液をスプレー等に
より塗工するか、あるいはこの繊維処理液にパディング
設備を用いて浸漬せしめた後、乾固させることによっ
て、麻色様に着色するとともに、毛羽立ちを抑制し、さ
らには画布としての剛性を付与する。水分散顔料として
は、麻色に着色するためにベージュ系の顔料が使用でき
る。また水分散樹脂液としては、アクリル樹脂エマルジ
ョン、ポリウレタン樹脂エマルジョン、酢酸ビニル系水
性塗料といった、一般に水性インクや水性塗料に用いら
れる樹脂液を使用することができる。
【0018】繊維処理液により処理された不織布に対し
ては、油絵用あるいは水彩画用・アクリル水彩画用とい
った目的に応じた表面仕上剤を塗工して表面仕上処理
(ファンデーション加工)を施す点は従来と同じであ
る。すなわち、油絵用画布の表面仕上剤としては、白色
顔料および体質顔料を乾性油で練合した白色塗料をロー
ルコーター、ドクターナイフコーター、フローコータ
ー、スプレイガン等を用いて塗工する。また水彩画用・
アクリル水彩画用画布の表面仕上剤としては、上記の白
色顔料および体質顔料を親水性樹脂水溶液、動物性蛋白
質水溶液またはセルロース系水溶液で混練した塗料を塗
工する。
【0019】なお表面仕上剤の種類によっては、表面仕
上剤を塗工するに先立って、繊維処理した不織布に表面
仕上剤と親和性を有する下地処理を施すことが望ましい
場合もある。本発明におけるかような下地処理は、従来
の麻布製画布における下地処理で用いていたような、カ
ビが発生しやすいニカワ、カゼイン、澱粉等の水溶液
や、乾固に時間がかかるポリビニルアルコール水溶液を
用いずに、ニトロセルロース、環化ゴム、変性ポリアミ
ド、ポリウレタン、アクリル等の樹脂をトルエン、酢酸
エチル、アルコール等の揮発性溶剤に溶解せしめた樹脂
液を用いることができる。かような樹脂液は、通常ポリ
オレフィンフィルムの印刷に用いる印刷インクベヒクル
と同様なものである。この樹脂液をグラビア印刷機、オ
フセット印刷機、捺染機、スプレー等生産性の高い連続
的塗工設備を用いて塗工することができる。また本発明
で用いる上記のような下地処理用樹脂液は、従来の麻布
製画布で用いられていた下地処理用の水溶液に比べて短
時間で乾固させることができる。
【0020】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されることはない。なお実施例中の%はいずれも重
量%を表わす。
【0021】実施例1 繊度2デニール、繊維長51mmのポリエチレンテレフ
タレート(PET)繊維60%と、繊度2デニール、繊
維長51mmのポリエステル芯鞘型複合繊維(芯成分:
PET、鞘成分:融点110℃の共重合ポリエステル)
40%とを混綿した後、カーディング工程、クロスレイ
ング工程およびニードルパンチング工程を通過せしめ
て、面密度150g/m2 の不織布を得た。
【0022】この不織布を、細目網目模様に彫刻された
上/下金属ロール(上ロール温度:130℃、下ロール
温度:170℃)の間にロール圧30kg/cm2 の加
圧条件にて加工速度1.5m/分で通過させてエンボス
加工を施した。
【0023】次いでこの不織布を、下記組成の繊維処理
液に1パッド・1ピックアップ、絞り条件100%で浸
漬処理した。 アクリルエマルジョン 1.0% (新中村化学社製、商品名NKバインダーP370) 水分散顔料(顔料濃度20%) 0.2% (山陽色素製、商品名サンダイカラー・ベージュ色) アルギン酸ソーダー2%水溶液 2.5% 水 96.5%。
【0024】浸漬処理後の不織布を120℃に設定した
エアーオーブントンネルに2分間かけて通過せしめて乾
燥した後、130℃熱シリンダーに2秒接触させて、着
色および繊維処理を行った。
【0025】かくして得られた画布に、3本ロールで練
合した下記組成の油絵用表面仕上剤を、ドクターナイフ
コーターを用いて湿時膜厚平均0.3mmとなるように
塗工した。 チタン白(石原産業社製、商品名R−820) 10.0% 炭酸カルシウム 11.5% クレー 3.9% 乾燥剤(ナフテン酸マンガン) 1.0% 亜麻仁油 7.0% ミネラルターペン 66.6%。
【0026】上記表面仕上剤を塗工した画布を、110
℃エアーオーブン中に5分間滞留させる速度条件で通過
せしめた後、24時間風乾して、細目パターンを有する
油絵用画布を作成した。
【0027】実施例2 繊度1.5デニール、繊維長38mmのPET繊維95
%と、繊度2デニール、繊維長38mmのポリエステル
芯鞘型複合繊維(芯成分:PET、鞘成分:融点130
℃の共重合ポリエステル)5%とを混綿した後、カーデ
ィング工程、クロスレイング工程を通過せしめた後、ウ
ォーターニードリングを行なって乾燥させ、面密度20
0g/m2 の不織布を得た。
【0028】この不織布を、中目網目模様に彫刻された
上/下の金属ロール(上ロール温度:150℃、下ロー
ル温度:170℃)の間にロール圧30kg/cm2
加圧条件にて加工速度1.5m/分で通過させてエンボ
ス加工を施した。
【0029】次いでこの不織布を、下記組成の繊維処理
液を用い、実施例1と同様の条件で浸漬処理および乾燥
処理を施して、着色および繊維処理を行った。 アクリルエマルジョン 2.5% (東洋インク社製、商品名パディングバインダ−712 ) 水分散顔料(顔料濃度20%) 0.5% (山陽色素社製、商品名サンダイスーパー・ベージュ#5) アルギン酸ソーダー2%水溶液 2.5% 水 94.5%。
【0030】かくして得られた画布に、ディスパーを用
いて混練した下記組成のアクリル水彩画・油絵兼用表面
仕上剤を、スプレーガンを用いて4方向塗工を行なっ
た。 亜鉛等(白色化学社製、亜鉛華1号) 6.0% チタン白(商品名R−820) 5.0% リトポン 11.0% 水 47.0% 水性アクリルエマルジョン (ジョンソン社製、商品名ジョンクリル61J) 31.0%。
【0031】上記表面仕上剤を塗工した画布を、110
℃エアーオーブン中に4分間滞留させる速度条件で通過
せしめ、アクリル水彩画・油絵兼用画布を作成した。
【0032】実施例3 繊度3デニール、繊維長31mmのPET繊維70%
と、繊度4デニール、繊維長51mmのポリエステル芯
鞘型複合繊維(芯成分:PET、鞘成分:融点110℃
の共重合ポリエステル)30%とを混綿した後、カーデ
ィング工程、クロスレイング工程を通過せしめた後、1
50℃の熱風乾燥機を通して面密度230g/m2 の不
織布を得た。
【0033】この不織布を、荒目の網目模様を彫刻した
上/下の金属板(温度130℃)の間で面圧力10kg
/cm2 にて30秒間プレスしてエンボス加工を施し
た。
【0034】次いでこの不織布を、実施例2と同様の繊
維処理液で同様の条件で浸漬処理および乾燥処理を施し
て、着色および繊維処理を行った。
【0035】かくして得られた画布に、ディスパーを用
い混練した下記組成の樹脂液をスプレーコートし、80
℃エアーオーブン中を4m/分の速度で通過せしめるこ
とにより下地処理を施した。 ニトロセルローズ 20.0% カチオン系界面活性剤 4.0% 酢酸エチル 29.0% トルエン 29.0% イソプロピルアルコール 18.0%。
【0036】下地処理した画布に、下記組成のアクリル
水彩画・油絵兼用表面仕上剤を、グラビア印刷機を用い
て3ロール通過でコーティング印刷を行なった。 ニトロセルロース系白色グラビア印刷インク 84.5% (サカタインクス社製、商品名DX−60#110白 環化ゴム含有) インクうすめ液(主成分トルエン) 15.5%。
【0037】上記表面仕上剤を塗工した画布を、80℃
の熱風乾燥機に4m/分の速度で通過せしめて、油絵・
アクリル水彩画・油絵兼用画布を作成した。
【0038】実施例4 実施例2の不織布に実施例2の繊維処理を行った画布
に、ディスパーを用いて混練した下記組成の水彩画用表
面仕上剤を、フローコーターを用いて湿時膜厚平均0.
3mmとなるように塗工した。 チタン白(商品名R−820) 20.0% リトポン 7.0% 炭酸カルシウム 4.0% カルボキシメチルセルロース 5.0% 非イオン系界面活性剤 3.0% ポリビニルアルコール30%水溶液 61.0%。
【0039】上記表面仕上剤を塗工した画布を、110
℃エアーオーブン中に5分間滞留させる条件で通過せし
め、水彩画用画布を得た。
【0040】試験例1:張枠への画布の展張時張力 従来の麻布製画布を張枠へ展張するに際しては、麻布の
吸湿・乾燥による寸法変化を防止するために展張時の張
力は 描画号数4号の場合で長手方向に43kg 6号の場合で長手方向に60kg 8号の場合で長手方向に65kg がそれぞれ必要であった。そのため、張枠を構成する木
材は剛性の高い針葉樹材であるウエスタンレッドシーダ
ーを用いた場合でも、枠の一面の断面積が40mm×3
0mmの太さの枠材を必要とした。
【0041】これに対して本発明の不織布を用いた画布
は寸法安定性が優れているため、張枠への展張に際し
て、描画号数4号から8号までいずれも15kg程度の
張力で展張しても、描画時や保管中の吸湿による伸びが
なく、また張枠は過度の緊張による変形がないため、枠
材の太さを従来の約半分の40mm×18mm程度で十
分であった。
【0042】試験例2:画布上の油絵具の乾固速度およ
び剥離試験 従来の麻布製画布と本発明の画布について、画布上に描
いた油絵具の乾固速度および乾固後の油絵具のセロテー
プによる剥離程度を比較した。乾固速度の測定は下記の
方法により行った。塗布面積および塗布量を一定にした
画布上の絵具を所定日数乾燥させた後、一定荷重のガラ
ス板で絵具を圧着したときの画布上での絵具の圧着拡散
面積を測定し、塗布直後の絵具の圧着拡散面積に対する
割合を拡散面積率(%)として表わした。従って乾燥日
数が一定の場合、拡散面積率が小さいほど乾固速度が早
いことになる。
【0043】また乾固後の絵具のセロテープによる剥離
試験は、JIS−K−5400のごばん目テープテスト
法に準じた方法により行った。すなわち、絵具を画布上
に0.5mmの厚さでヘラ塗工後、120時間放置乾燥
を行い、その後2mm角の100マスをカッターで深さ
0.5mmで切目を入れ、セロテープをこの100マス
目上に貼り付けて5分放置後にセロテープを剥離せし
め、残存したマスの数をもって固着度数とした。
【0044】実際に用いた油絵具の種類は、白色として
パーマネントホワイト:赤色としてチャイニーズレッ
ド、青色としてウルトラマリンブルーデープ、黒色とし
てアイボリーブラックを用いた。
【0045】試験の結果、乾固速度においては本発明の
画布の方がわずかに早い乾固速度を示した。これは、本
発明の画布の基材となる不織布の含気率が、麻布の約2
倍近い値を示すためと考えられる。一方、乾固後の剥離
試験においては両者に差は認められなかった。
【0046】
【発明の効果】以上の説明からわかるように、本発明に
よる画布は不織布を用いるため、天然の麻布に比較して
材質の均質化が可能であるため、節の除去、かけ継ぎ、
布目調整といった煩雑な手作業が不要となり、大幅な省
力化が図れる。
【0047】また不織布は麻布に比べて寸法安定性に優
れているため、麻布製画布のように伸子張りを施さずと
もよく、表面塗工操作に際しても二軸伸長機構を有する
塗工設備も不要となり、その結果、生産性が向上するた
め安価に大量生産が可能となる。
【0048】さらに、画布を木枠に展張して張キャンバ
スとするに際しても、麻布製画布に比較して吸湿・乾燥
による寸法変化が小さいため、展張時の張力も麻布製画
布より少なくてすむ。その結果、強固で高価な材質の木
枠を使用しなくても、間伐材のような比較的小口径の安
価な木材を木枠として利用できるため、森林資源の有効
利用の見地からも望ましい。また木枠の重量も従来より
も軽量化できる結果、屋外スケッチ等に際しての運搬が
容易になり、室内展示時の壁面取付金具の簡易化も可能
となる。
【0049】さらにまた、画布描画面に表面仕上剤を塗
工するに先立って、下地処理を施す場合には、樹脂を揮
発性溶剤に溶解した樹脂液を使用できるため、従来の下
地処理に使用していた水溶液に比較して迅速な乾固速度
が得られる利点がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D06M 15/00 D06M 15/00 (71)出願人 000167314 光陽プラスチック株式会社 兵庫県飾磨郡夢前町宮置362番地の3 (72)発明者 正木 丈 兵庫県姫路市飾磨区恵美酒368番1 (72)発明者 船岡 廣正 福島県岩瀬郡鏡石町大字鏡田字不時沼4番 6 (72)発明者 湯川 泰征 長野県木曽郡木祖村大字藪原字一里塚908 番1 (72)発明者 増田 雄五郎 大阪府高槻市別所本町17番6−341号 (72)発明者 永田 万亀男 山口県防府市大字牟礼2790番地の11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性高分子繊維からなる不織布に、
    麻布の織目模様である細目、中目または荒目をエンボス
    加工してなることを特徴とする不織布を用いた画布。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性高分子繊維からなる不織布
    が、ポリエステル繊維(A)と、鞘成分が芯成分より3
    0℃以上低い融点を有するポリエステル芯鞘型複合繊維
    (B)とを、配合比が5〜95:95〜5(重量比)で
    配合してなる不織布であることを特徴とする請求項1記
    載の画布。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステル繊維(A)の繊度が
    0.1〜15デニール、前記ポリエステル芯鞘型複合繊
    維(B)の繊度が1.0〜15デニールであり、
    (A)、(B)それぞれの繊維長が5mm〜67mmの
    短繊維であることを特徴とする請求項2記載の画布。
  4. 【請求項4】 前記不織布の面密度が100〜400g
    /m2 であり、エンボス加工後の厚さが0.5〜2mm
    であることを特徴とする請求項1記載の画布。
  5. 【請求項5】 請求項1の画布を、水分散顔料および水
    分散樹脂液からなる繊維処理液を塗工または浸漬したこ
    とを特徴とする画布。
  6. 【請求項6】 請求項5の画布に、樹脂を揮発性溶剤に
    溶解した樹脂液を塗工して下地処理を施したことを特徴
    とする画布。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6の画布の描画面
    に、白色顔料および体質顔料を乾性油で練合した塗料を
    塗工して表面仕上処理を施したことを特徴とする油絵用
    画布。
  8. 【請求項8】 請求項5または請求項6の画布の描画面
    を、白色顔料および体質顔料を親水性樹脂水溶液、動物
    性蛋白質水溶液またはセルロース系水溶液で混練した塗
    料を塗工して表面仕上処理を施したことを特徴とする水
    彩画およびアクリル水彩画用画布。
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