JP2002105374A - 塗装用水性インク組成物 - Google Patents

塗装用水性インク組成物

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JP2002105374A JP2000296700A JP2000296700A JP2002105374A JP 2002105374 A JP2002105374 A JP 2002105374A JP 2000296700 A JP2000296700 A JP 2000296700A JP 2000296700 A JP2000296700 A JP 2000296700A JP 2002105374 A JP2002105374 A JP 2002105374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料の分散安定性に優れ、かつチクソトロ
ピックな挙動が少なく安定した塗装を可能とし、特にス
プレー塗装における安定したスプレー噴射と耐久性に優
れた水性インク組成物を提供する。 【解決手段】少なくとも着色剤と水性増粘剤樹脂と水と
からなるインクにおいて、該着色剤が、皮膜形成性樹
脂、より好ましくは、酸基を有し塩基により自己水分散
可能な水分散性の皮膜形成性樹脂によって顔料が被覆さ
れた着色樹脂粒子である水性インク組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塗装用の水性インク
に関し、分散安定性に優れ、特にスプレー塗装におい
て、スプレーノズルの目詰まりを損なわず、安定、かつ
噴射制御が容易なスプレー噴射特性を持ち、耐久性に優
れたスプレー塗膜を可能にする水性インク組成物もしく
は塗装用水性インク組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】船舶や車両、建築物の内外壁、橋梁及び
道路等には金属、ガラス、プラスチック、石材、コンク
リート、セメントモルタル、スレート、ALC、木材等
様々な基材が用いられており、それらの表面を塗装・印
刷する手段としてスプレー塗装や、ロール塗工、スクリ
ーン印刷、転写印刷、フレキソ印刷等の塗装・印刷手段
が知られているが、最もよく使われる手段の一つとして
スプレー塗装が用いられている。
【0003】そのための塗料・インキ組成物として、具
体的には、特開昭60−99177号公報の塗装方法に
よって、多彩色となる塗料組成物では、コロイドフリー
型の合成樹脂エマルジョンを用いた水分散型塗料組成
で、塗料の増粘剤、分散剤(アニオン活性剤)、顔料を
含む塗料が提案されているが、スプレー塗工を行う場合
に合成樹脂エマルジョンの使用によるスプレーノズル目
詰まり、顔料の分散安定性、増粘剤と顔料の影響による
塗料のチクソトロピックな挙動に伴うスプレーの不安定
さが問題であった。
【0004】特開平10−113608号公報による
と、アルコキシシリル基とカルボキシル基を含有するア
クリル共重合体の中和物を含有する樹脂成分及び着彩顔
料を含有する少なくとも1色の水性着色塗料組成物を、
微小口径ノズルを有するスプレー塗装機により塗装した
後、該模様塗膜の上にクリヤ塗料を塗装する模様塗装方
法では、共重合体溶液による着彩顔料の分散により顔料
凝集を防止し、顔料分散性及び安定性に優れた水性着色
塗料組成物を得るとしているが、顔料表面を共重合体で
完全に被覆するのは困難であり、顔料によるチクソトロ
ピックな挙動が生じ、微小口径ノズルからのスプレー塗
装は必ずしも安定ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前述の諸問題を解決して、顔料の分散安定
性に優れ、かつチクソトロピックな挙動が少なく安定し
た塗装を可能とし、特にスプレー塗装における安定した
スプレー噴射と耐久性に優れた水性インク組成物もしく
は塗装用水性インク組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を解
決するに至った。
【0007】即ち本発明は、少なくとも着色剤と水性増
粘剤樹脂と水とからなるインクにおいて、着色剤が、皮
膜形成性樹脂によって顔料が被覆された着色樹脂粒子で
ある塗装用、もしくはスプレー塗装用水性インク組成物
を提供する。
【0008】水性増粘剤樹脂はインクの粘度を調整しス
プレーノズルからのインクの噴射を最適に制御すると共
に、被記録体上での着色剤の結合機能を有するものであ
り、少量の添加で増粘を示すものが好ましい。具体的に
は、(スチレン)アクリル系、(スチレン)無水マレイ
ン酸系水溶性樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性樹脂、
エマルジョン樹脂溶液のシックナーと知られているアク
リル系あるいはポリエステル系増粘剤樹脂やその他の公
知慣用の増粘剤樹脂から選択することが出来る。増粘の
pH範囲はなるべく広いことが好ましいが、少なくとも
中性からアルカリで増粘するアクリル系あるいはポリエ
ステル系増粘剤樹脂は、本発明の皮膜形成性樹脂によっ
て顔料が被覆された着色樹脂粒子との組み合わせにおい
て、安定な分散とスプレー塗装に最適なレオロジー特性
を与える。
【0009】本発明の着色剤は、酸基を有していて塩基
により自己水分散可能な水分散性樹脂、すなわち、少な
くとも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性
樹脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子が好ま
しい。その理由として、着色剤が分散剤によって分散さ
れた顔料粒子の場合、顔料の凝集力のためインクの流動
特性はしばしばチクソトロピー性を示し、特に前記水性
増粘剤樹脂と組み合わせることにより激しいチクソトロ
ピー性のために安定したスプレー噴射が出来ないのに対
して、本発明の皮膜形成性樹脂、より好ましくは少なく
とも一部が塩基で中和された酸基を有する皮膜形成性樹
脂によって顔料粒子が被覆された着色樹脂粒子と前記水
性増粘剤樹脂の組み合わせのインクは、特に高粘度領域
においてもチクソトロピー性が小さく、安定したスプレ
ー噴射を可能にする。
【0010】さらに、インクの粘度が0.1〜10Pa
・s、好適には0.5〜5Pa・sの場合には、とくに
後述の無機顔料を用いた場合に、着色剤の沈降防止と安
定したスプレー噴射に対する効果がより顕著である。粘
度測定のための粘度計はB型粘度計やコーンプレート型
のE型粘度計等の回転系の粘度計を用いることができる
が、特にE型粘度計が好ましく、本発明に規定した粘度
の数値はE型粘度計を用いて測定した値である。チクソ
トロピー性の大小は粘度計による測定の経時的な変動の
大小に反映することから容易に判断できる。
【0011】着色樹脂粒子に使用する皮膜形成性樹脂と
しては、公知慣用の水不溶性の樹脂をいずれも使用する
ことができる。例えばアクリル酸樹脂、マレイン酸樹
脂、ポリエステル樹脂等があるが、特に好ましくは、ス
チレン−(メタ)アクリル酸系樹脂である。尚、本発明
で(メタ)アクリルとは、アクリルとメタアクリルとの
両方を包含する。
【0012】スチレン−(メタ)アクリル酸系樹脂と
は、スチレン系モノマーを必須成分として、(メタ)ア
クリル酸系モノマー、例えば(メタ)アクリル酸及び/
又は(メタ)アクリル酸エステル、を共重合させた樹脂
である。
【0013】当該皮膜形成性樹脂としては、例えばスチ
レンあるいはα−メチルスチレンのような置換スチレ
ン、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエス
テル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシルエステル等のアクリル酸エステル、メタクリ
ル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メ
タクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル等のメタクリル酸エステルから選ばれる少なくと
も一つ以上のモノマー単位と、アクリル酸、メタクリル
酸から選ばれる少なくとも一つ以上のモノマー単位を含
む共重合体である。
【0014】これらの共重合体は、ガラス転移温度は任
意に設定することが出来るが、スプレーノズルの詰まり
を少なくするには30℃〜130℃であることが好まし
い。皮膜形成性樹脂を重合で得るに当たっては、この範
囲となるようにモノマー成分を選択することが好まし
く、少なくともその一部が共有結合性の架橋や多価金属
によるイオン架橋をされていても良い。
【0015】本発明のインクに用いる皮膜形成性樹脂
は、自己水分散可能な水分散性樹脂であることが好まし
く、公知慣用の水不溶性の皮膜形成性樹脂を自己水分散
性を有するように改質した樹脂をいずれも使用すること
ができる。その中でも特に酸基を有する樹脂が好まし
く、その酸基は特に限定されるものではないが、カルボ
キシル基を有するものが特に好ましい。酸価が50以上
280以下の合成樹脂で少なくとも一部が塩基で中和さ
れてなる自己水分散性樹脂の場合は、本発明の水性増粘
剤樹脂との組み合わせで、特にチクソトロピー性の少な
い優れたインク流動特性を維持することが出来る上、皮
膜形成性樹脂のバインダー機能により優れた耐久性の塗
膜が得られる。
【0016】酸価を有する皮膜形成性樹脂を用いて自己
水分散性樹脂として用いる場合には、そのカルボキシル
基の少なくとも一部を塩基で中和すればよい。塩基、即
ちアルカリ性中和剤による中和は、得られる自己水分散
性樹脂が水に溶解しない程度に中和することが好まし
い。
【0017】塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水
酸化物の他、アンモニア、トリエチルアミン、モルホリ
ン、アルコールアミン等の揮発性塩基性物質が好まし
く、なかでもトリエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン等のアルコールアミ
ンは、揮発性が大きすぎないことからスプレーノズルの
詰まりが少なく、かつ経時的に耐水性を発現するために
好適である。これらの塩基は前記水性増粘剤樹脂のアル
カリサイドでの増粘を付与するためのアルカリ剤として
も機能する。
【0018】こうして得られた本発明の水性インク組成
物は、水のみまたは水を主体とする水性媒体に、上記し
た各成分が少なくとも含まれたものである。本発明にお
ける水としては、水道水も使用可能であるが、スプレー
ノズル径が微細である場合には、蒸留水、イオン交換
水、純水、超純水を用いることが好ましい。
【0019】本発明での顔料は特に限定されるものはな
く、例えば従来から知られている無機顔料やモノアゾ
系、ジスアゾ系等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キ
ナクリドン顔料等の有機顔料を用いることが出来る。特
に建築材料や船舶・車両等の屋外での使用が前提である
場合には、カーボンブラック、酸化鉄顔料、酸化亜鉛顔
料、酸化チタン顔料、硫化亜鉛、酸化亜鉛、黄鉛、クロ
ム顔料、コバルト顔料、鉛顔料、アンチモン顔料、アル
ミニウム、黄銅、雲母等の無機顔料の使用が好ましい。
なかでも、カーボンブラック、酸化鉄顔料(べんがら、
鉄黒)、酸化亜鉛顔料、酸化チタン顔料(チタンホワイ
ト、チタンイエロー)は耐候性に優れ、環境に極めて優
しい材料であり、かつ石材や煉瓦調の外壁材等の微妙な
色調表現を可能にするため外壁材塗装用に最適である。
【0020】本発明の水性インク組成物において、各成
分の使用量は、特に制限されるものではないが、皮膜形
成性樹脂に包含された着色樹脂粒子の顔料樹脂比率は、
1:5〜5:1で特に1:1付近が好ましく、着色樹脂
粒子のインク中での含有率は0.01〜20%、塩基は
皮膜形成性樹脂の酸基に対して40〜200モル%相当
量で、インクのpHが6〜10、好適にはpH7〜9の
範囲に調整されると分散がより安定となる。
【0021】前述の顔料着色樹脂粒子を作製する方法
は、特に限定されるものではないが、酸基を有し、塩基
により自己水分散可能な水分散性樹脂を用いたより好ま
しい具体的な例は、下記工程に示す通りである。 (1)酸基を有する皮膜形成性樹脂に、少なくとも顔料
を分散または溶解して固形着色コンパウンドを得る樹脂
着色工程。 (2)少なくとも、水、皮膜形成性樹脂を溶解する有機
溶媒、塩基、前記樹脂着色工程で得られた固形着色コン
パウンドを混合し、分散によって少なくとも皮膜形成性
樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液を得る懸濁工
程。 (3)前記懸濁工程で得られた着色剤懸濁液中の顔料表
面に、溶解している皮膜形成性樹脂を沈着させる再沈殿
工程。
【0022】(1)の樹脂着色工程は、酸基を有する皮
膜形成性樹脂に、少なくとも顔料を分散または溶解して
固形着色コンパウンドを得る工程である。この工程は、
例えば従来知られているロールやニーダーやビーズミル
等の混練装置を用いて、溶液や加熱溶融された状態で、
顔料を、皮膜形成性樹脂に均一に溶解または分散させ、
最終的に固体混練物(固形着色コンパウンド)として取
り出すことにより行うことが出来る。
【0023】(2)の懸濁工程は、少なくとも、水、皮
膜形成性樹脂を溶解する有機溶媒、塩基、前記樹脂着色
工程で得られた固形着色コンパウンドを混合し、分散に
よって少なくとも皮膜形成性樹脂の一部が溶解している
着色剤懸濁液を得る工程である。(1)の樹脂着色工程
で得られた固形着色コンパウンドを、分散媒として水、
皮膜形成性樹脂を溶解する有機溶媒、塩基を必須とする
混合溶媒に加えて、均一に分散する様に攪拌することに
よって、固形着色コンパウンド表面から、顔料を包含す
る皮膜形成性樹脂が、有機溶媒と塩基の助けを借りて、
溶解または自己乳化し、いずれの場合も少なくとも当該
皮膜形成性樹脂の一部が溶解している着色剤懸濁液が得
られる。
【0024】懸濁液を得るための撹拌方法としては、公
知慣用の手法がいずれも採用でき、例えば従来の1軸の
プロペラ型の撹拌翼の他に、目的に応じた形状の撹拌翼
や撹拌容器を用いて容易に懸濁可能である。
【0025】懸濁液を得るに当たって、単なる混合撹拌
の他、それに加えて更に高せん断力下において、より分
散を安定させてもよい。この場合の分散機としては、従
来知られている湿式のビーズミルの他に、高圧ホモジナ
イザーや商品名マイクロフルイダイザーやナノマイザー
で知られるビーズレス分散装置等を用いるのが、顔料の
再凝集が少なく好ましい。
【0026】(3)の再沈殿工程は、前記懸濁工程で得
られた着色剤懸濁液中の顔料表面に、溶解している皮膜
形成性樹脂を沈着させる工程である。本発明において
「再沈殿」とは、顔料、或いは溶解している皮膜形成性
樹脂が顔料表面に吸着した着色剤を懸濁液の液媒体か
ら、分離沈降させることを意味するものではない。従っ
て、この工程で得られるものは、固形成分と液体成分と
が明らかに分離した単なる混合物ではなく、溶解してい
る皮膜形成性樹脂が顔料表面に吸着した着色剤が、懸濁
液の液媒体に安定的に分散した着色樹脂粒子水性分散液
である。
【0027】(2)の懸濁工程の着色剤懸濁液中の顔料
表面へ溶解樹脂の沈着は、例えば、少なくとも一部当
該皮膜形成性樹脂が溶解している着色剤懸濁液に、当該
皮膜形成性樹脂に対して貧溶媒として機能する水または
水性媒体を加えて行うか、着色剤懸濁液から有機溶媒
を除去して行うことによって容易に行うことが出来る。
更にこれらの両方の手段を組み合わせることも可能であ
る。
【0028】この様にして得られた着色樹脂粒子水分散
液から共存している有機溶媒を更に除いて、皮膜形成性
樹脂によって包含された顔料着色樹脂粒子の安定な水分
散液を得る。本発明の着色樹脂粒子の粒子径はスプレー
噴射に影響を与えなければ特に制限はないが、体積平均
粒子径で10nm〜1μmが好ましい。
【0029】前記製造方法において、皮膜形成性樹脂を
溶解する有機溶媒が用いられるが、これは当該樹脂に対
して良溶媒として機能するものである。当該有機溶媒と
しては、当該樹脂に対して適宜選択することが出来、例
えばアセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等
のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール等のアルコール系溶媒、クロロホルム、塩
化メチレン等の塩素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳
香族系溶媒、酢酸エチルエステル等のエステル系溶媒、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶
媒、アミド類等樹脂を溶解させるものであれば使用可能
である。
【0030】当該皮膜形成性樹脂が、例えばスチレン、
置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群
から選ばれる少なくとも一つのモノマーと、(メタ)ア
クリル酸とを含む組成物の共重合体の場合には、メチル
エチルケトン等のケトン系溶媒を主として、助溶媒とし
てイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒から選
ばれる少なくとも1種類以上の溶媒とを組み合わせて用
いるのが良い。
【0031】またインク組成物としては、必要に応じて
以下の添加剤類を併用することが好ましい。乾燥防止剤
はスプレーノズル口でのインクの乾燥を防止する効果を
与えるものであり、通常、水の沸点以上の沸点を有する
ものが使用される。このような乾燥防止剤としては、特
に限定されるものではなく、従来知られているエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、グリセリン等の多価アルコール類、N−メチル
−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類、
アミド類、ジメチルスルホオキサイド、イミダゾリジノ
ン等が使用可能であるが、特にグリセリンは少量の添加
でも優れた乾燥防止効果を示し好ましい。
【0032】乾燥防止剤の使用量は、種類によって異な
るが、速乾性・塗膜特性を考慮すると通常インク中に
0.1〜50質量%であり、0.1〜10質量%の範囲
が好適である。
【0033】被塗工物がポーラスな場合には水性インク
組成物の浸透をより良好とするために、公知慣用の浸透
剤の必要量を用いることができる。浸透剤の具体的な例
としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の低
級アルコール、ジエチレングリコール−N−ブチルエー
テル等のグリコールエーテル、プロピレングリコール誘
導体等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を加えてもよい。
【0034】一方、エネルギー線硬化タイプのジェット
インキとしては、皮膜形成性樹脂によって顔料粒子が被
覆された着色樹脂粒子水分散体からなる水性顔料タイプ
のジェットインキ中に、公知慣用のエネルギー硬化成分
等を含有させるか、水性インキの水の替わり、希釈有機
溶剤あるいは反応性希釈剤中に顔料を分散させて顔料イ
ンキとすれば良い。
【0035】好ましいエネルギー線硬化成分としては、
エネルギー反応性のポリマー・オリゴマー・モノマーか
ら選択可能であり、特にカルボキシル基含有アクリレー
ト類をアルカリで中和したものが水に対する溶解・分散
の点で好ましい。エネルギー線樹脂骨格としてはポリエ
ステル樹脂骨格、ポリエーテル骨格、ポリエーテルポリ
エステル樹脂骨格、ポリオレフィン樹脂骨格、ポリウレ
タン樹脂骨格、エポキシ樹脂骨格等公知のものが使用で
きる。
【0036】低粘度反応剤(反応性希釈剤)としては、
アルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレー
ト、アルキレングリコールのモノ又はジ(メタ)アクリ
レート、或いはポリオールのアルキレンオキシド付加物
のモノ又はポリ(メタ)アクリレート等のモノマーやオ
リゴマーを加えることができる。
【0037】活性エネルギー線として、紫外線照射によ
る硬化を行う場合には、水性インキ中に光重合開始剤を
配合するが、電子線による硬化を行う場合には光重合開
始剤を配合する必要はない。光重合開始剤としては水溶
性又は親水性の光重合開始剤が好ましく、公知慣用のも
のが使用できるが、具体的には、ダロキュア2959、
1173、1116、イルガキュア184(いずれもチ
バ・スペシャリティー・ケミカル製)、カンタキュアA
BQ、BTC、QTX(いずれもシェル化学製)等が挙
げられる。光重合開始剤は、水性インキ中に0.1〜1
0重量%配合することが好ましい。その他の添加剤とし
て、2級又は3級アミン構造を含むビニル基含有デンド
リマー体のごとき反応性酸素阻害抑制剤や安定剤等を含
むことができる。
【0038】その他、必要に応じて他の水溶性や水分散
性樹脂、防腐剤、キレート剤、pH調整剤等の添加剤を
加えることができる。
【0039】本発明の水性インク組成物はそのままでも
使用できるが、スプレーノズル径の1/10以上の粒子
径を有する粗大粒子、好適には絶対レベルで10μm以
上の粗大粒子を含まない様にフィルター濾過を行うこと
により、安定した分散とスプレー噴射が可能となる。
【0040】本発明のスプレーインクを用いた塗装は複
数の色を組み合わせてもよく、塗装を行った後、必要に
応じてクリヤラッカー等によりコーティングを行うこと
により、更に風合いや耐候性を向上させることが出来
る。
【0041】前記の説明は主にスプレー塗装のものであ
るが、他の塗装方法用のインク・塗料における分散安定
性やレオロジカル的な問題は共通であり、チクソトロピ
ー性を嫌う場合には本発明の塗装用水性インク組成物を
適用すると効果的である。
【0042】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。以下の実施例中における「部」は
『質量部』を表わす。尚、実施例等において、着色樹脂
粒子の体積平均粒子径は、「リーズ アンド ノースラ
ップ社製マイクロトラック粒度分析計」を用いた。
【0043】(実施例1)カーボンブラック20部とス
チレン−アクリル酸−メタクリル酸樹脂(スチレン/ア
クリル酸/メタクリル酸=77/10/13;分子量5
万・酸価160・ガラス転移温度107℃)20部の二
本ロール混練物を、水210部、グリセリン35部、ト
リエタノールアミン8部、メチルエチルケトン90部、
イソプロピルアルコール40部の混合溶液に入れ、室温
で3時間撹拌し着色剤懸濁液を得た。得られた懸濁液に
撹拌しながら、グリセリン30部と水210部の混合液
を毎分5mlの速度で滴下し、黒色樹脂粒子水分散液を
得た。得られたカプセル液をロータリーエバポレーター
を用いてメチルエチルケトンとイソプロピルアルコール
と水の一部を留去し、顔料分8質量%、粒子径100n
mの最終の黒色樹脂粒子水分散液を得た。
【0044】上記黒色樹脂粒子水分散液1部を、スチレ
ン無水マレイン酸樹脂GSM−803(岐阜セラック
製)18部、28質量%のアンモニア水6.3部、N−
メチルジエタノールアミン5.2部と水70.5部の混
合溶液に攪拌しながら徐々に加えて、十分撹拌した後に
5μmメンブランフィルターで濾過を行い、スプレー用
水性黒色インクとした。得られたインクの粘度は800
mPa・sで粘度測定時の時間変化に伴う粘度変化は小
さく、pHは8であった。
【0045】得られた水性インクは凝集物もなく安定な
分散を示し、ノズル口径1mmのエアー式スプレー装置
を用い、セメントモルタル板表面へ3階調に相当する噴
射量により塗装を行った結果、ノズル目詰まりもなく、
セメントモルタル板の白黒階調トーンもしっかりしてお
り、天然の石材のごとき外壁材が得られた。
【0046】(実施例2)実施例1のカーボンブラック
に代わり、べんがらを用いて顔料分8質量%、粒子径2
50nmの褐色樹脂粒子水分散液を作製し、この褐色樹
脂粒子水分散液1部を、N−メチル−ジエタノールアミ
ン(アルカリ剤)0.2部、アクリル系増粘剤SN63
6(株式会社サンノプコ製)1.5部、プロピレングリ
コール10部、水87.3部の混合溶液に攪拌しながら
徐々に加えて、十分撹拌した後に5μmメンブランフィ
ルターで濾過を行い、スプレー用水性褐色インクとし
た。得られたインクの粘度は1060mPa・sで時間
変化に伴う粘度変化は非常に小さく、pHは7であっ
た。
【0047】得られた水性インクは凝集物もなく安定な
分散を示し、ノズル口径1mmのエアー式スプレー装置
を用い、前もって褐色に均一着色されたセメントモルタ
ル板の表面へ褐色水性インクの4階調に相当する噴射量
により塗装を行った結果、ノズル目詰まりもなく、セメ
ントモルタル上の階調トーンもしっかりしており、本物
の煉瓦のごとき外壁材が得られた。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、少なくとも着色剤と水
性増粘剤樹脂と水とからなるインクにおいて、着色剤が
皮膜形成性樹脂、より好ましくは酸基を有し、塩基によ
って自己水分散可能な水分散性樹脂である皮膜形成性樹
脂によって、顔料が被覆された着色樹脂粒子である水性
インク組成物、もしくは塗装用水性インク組成物、なか
でもスプレー塗装用水性インク組成物は、分散安定性に
優れ、特にスプレー塗装におけるノズルの目詰まりを生
じず、安定・かつ噴射制御が容易なスプレー噴射と耐久
性に優れた塗膜を可能にする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CB001 CB002 CG031 CG032 DB001 DB002 DD001 DD002 DF001 DF002 DG001 DG002 HA026 HA166 KA08 KA15 MA08 MA10 MA15 NA26 PB05 PB07 PC02 PC03 PC04 PC06 PC08 4J039 AB02 AD01 AD03 AD09 AD14 AE04 AE05 AE06 AE07 BA04 BA13 BE01 BE12 BE23 CA06 EA41 EA44 FA01 FA02 FA04 FA05 FA06 GA34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤と水性増粘剤樹脂と水
    とからなるインクにおいて、着色剤が、皮膜形成性樹脂
    によって顔料が被覆された着色樹脂粒子であることを特
    徴とする水性インク組成物。
  2. 【請求項2】 皮膜形成性樹脂が酸基を有し、塩基によ
    り自己分散可能な水分散性樹脂であることを特徴とする
    請求項1記載の水性インク組成物。
  3. 【請求項3】 水性増粘剤樹脂がポリアクリル酸系増粘
    剤樹脂であることを特徴とする請求項1、2記載の水性
    インク組成物。
  4. 【請求項4】 顔料が無機顔料であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の水性インク組成物。
  5. 【請求項5】 無機顔料がカーボンブラック、酸化鉄顔
    料、酸化亜鉛顔料、酸化チタン顔料から選ばれた1種以
    上のものであることを特徴とする請求項4記載の水性イ
    ンク組成物。
  6. 【請求項6】 着色樹脂粒子の体積平均粒子径が10n
    m〜1μmであることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れかに記載の水性インク組成物。
  7. 【請求項7】 インクの粘度が0.1〜10Pa・sで
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    水性インク組成物。
  8. 【請求項8】 インクのpHが6〜10の範囲にあるこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の水性イ
    ンク組成物。
  9. 【請求項9】 インクが塗装に使用されるものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のインク
    組成物。
  10. 【請求項10】 インクがスプレー塗装に使用されるも
    のであることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記
    載の塗装用水性インク組成物。
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