JP4978761B2 - 水性顔料分散液の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,水性顔料分散液の製造方法に関し、特にインクジェット記録用インク組成物を製造するのに好適な水性顔料分散液の製造方法に関する。
【従来の技術】
水を主成分とする液媒体中に顔料を分散して成る水性顔料分散液は,顔料,水,有機溶剤,樹脂,アルカリ剤を配合し分散機を用いて分散処理を行うのが一般的である。例えば,顔料の分散方法としては特開平1−204979号公報が挙げられ,ペン先乾燥性に優れたインクの検討例が,また,特開平1−249869号公報には顔料インクを使用したインクジェット記録方式が記載されている。
【0002】
特にインクジェット記録用インクを製造するための水性顔料分散液は、着色剤としての顔料の使用が、耐水性、耐光性等において従来の染料を用いた物と比べて格段とすぐれたインクジェット記録用インクを製造することが可能であるため、その組成もしくは分散方法について種々検討が行われ始めている。
インクジェット記録用インクとしての使用を考慮したとき、その吐出安定性、長期保存安定性を満たすためには、水性顔料分散液の段階で良好な分散性と、長期保存可能な分散安定性を有することが必要である。
【0003】
しかしながら,従来の水性顔料分散液の分散安定性は不十分であり,インクジェット記録用インクとして用いた場合,特にサーマル方式での吐出特性は満足出来るものではなかった。
【0004】
すなわち、従来より、水性顔料分散液の製造において、顔料を樹脂、溶剤等と混合し、二本ロール、三本ロールもしくはニーダー、ヘンシェルミキサー等の混練機で混連し、顔料を樹脂中に予め分散させておき、該顔料を用いて顔料分散液を作製する方法が用いられているが、該分散液をもとに作製したインクジェット記録用インクでは、必ずしもインクの微細ノズルからの吐出特性、長期の分散安定性において満足な特性が得られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,前述した従来技術の問題点を解決し,分散安定性,長期保存安定性に優れた水性顔料分散液,とりわけインクジェット記録用インクとしたときの吐出特性、耐水性および耐光性に優れた水性顔料分散液の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、少なくとも、水、顔料、非水溶性モノマーを含む樹脂、水溶性有機溶剤からなる水性顔料分散液を製造する時に、該顔料としてあらかじめ水と該水溶性溶剤の混合液中で分散させた顔料を用いることによって、分散安定性にすぐれた水性顔料分散液が得られることを見いだした。
【0007】
本願発明のように、顔料を水と水溶性有機溶剤の樹脂を含まない低粘度の混合液中に予め分散し、微粉砕された顔料の水溶性溶媒中への分散を先ず確保してから、はじめて樹脂等を添加して分散を進める手法を取ることにより、従来法より安定な、インクジェット記録用インクの製造に適した水性顔料分散液をうることが出来る。
【0008】
さらに、本発明に記載にした水性顔料分散液の製造方法においては、水性有機溶剤としてジエチレングリコールを含有させることで、顔料の分散性をより向上させることができ好ましい。
また、顔料分散時に使用する分散機としては、ペイントシェイカーやサンドグラインダーのようなメディアを用いた分散機を使用することが望ましい。
【0009】
また、本願発明の顔料分散液の製造の用いる樹脂としては、該非水溶性モノマーを含む樹脂としては、非水溶性モノマーとしてスチレンモノマーを含み、かつ、カルボン酸、スルフォン酸・リン酸、から選択される酸基を有するモノマー成分を含む共重合樹脂をもちいることによって、より優れた顔料分散液を得られる。
該共重合樹脂の酸価は60〜300mgKOH/gである事が望ましく、重量分子量1000〜30000であることが望ましい。
【0010】
さらに発明者らは、本発明に用いる樹脂と水溶性有機溶剤との関係が25゜Cにおいて樹脂と水溶性溶剤を重量比で1:4に混合した場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならないものを用いることによってより優れた顔料分散液を得られる事を見いだした。
【0011】
以下に本発明の詳細な説明を行う。
本発明に用いられることのできる顔料は特に制限はなく,公知慣用のものがいずれも使用できるが,例えばカーボンブラック,チタンブラック,チタンホワイト,硫化亜鉛,ベンガラ等の無機顔料や,フタロシアニン顔料,モノアゾ系,ジスアゾ系等のアゾ顔料,フタロシアニン顔料,キナクリドン顔料等の有機顔料等が用いられる。
【0012】
本発明で予め顔料を分散するに際し、水との混合溶液中に用いる水溶性有機溶剤としては公知のものを広く使用することができる。
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびそれらの誘導体のようなグリコールと、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、および同族のジオールのようなジオールと、ラウプロピレングリコールのようなグリコールエステルと、エチレングリコールモノブチルエーテル、カルビトールのようなジエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコールモノエチル、ブチル、ヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブのようなモノグリコールエーテルおよびジグリコールエーテルと、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、および同族のアルコールのような長鎖アルコールとスルホラン、エステル、ケトン、γ−ブチロラクトンのようなラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンのようなラクタム、およびグリセリンおよびその誘導体のような他の溶剤を挙げることができるが。
【0013】
作業効率の点,後記するような樹脂の溶解性若しくは膨潤性の点からいえば高沸点、低揮発性且つ高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコールを含有させることが好ましい。
【0014】
このように、顔料を予め水と水溶性有機溶剤中に分散させる工程(予備分散工程)で用いられた水溶性有機溶剤は、その後に樹脂等を添加して後行われる本分散工程でも、引き続き顔料の分散性を向上させる機能を果たし、良好な水性顔料分散体の分散に寄与する。さらには該顔料分散体を希釈し、各種添加剤を添加してインクジェット記録用インクを構成するときにおいても、インクの必須構成成分としてインク中に含有され、その分散性に寄与している。本願発明のように、予備分散工程に用いた水溶性有機溶媒と同じ水溶性有機溶媒を、インクジェット記録用インクのインク組成中に含ませるようにすることにより、予備分散工程で用いた溶媒が最終のインク組成で不純物となることがない。
【0015】
顔料を分散させる方法としては,公知公用の分散装置を用いることが出来る。例えば,超音波ホモジナイザー,ペイントシェーカー,ボールミル,サンドミル,サンドグラインダー,ダイノーミル,ディスパーマット,SCミル,スパイクミル,ナノマイザー、アジテーターミル、プラネタリ等が挙げられる。
【0016】
特に本願発明の予備分散に用いられる、低粘度における好ましい分散方法としては、顔料の粉砕微細化と液中への分散を同時に進行する事が可能な、ペイントシェイカー、サンドグラインダー、ボールミル等メディアを用いた方法が好ましい。
【0017】
本願発明の分散液の製造に使用される樹脂は、非水溶性モノマーを含む樹脂であれば良く、例えば、スチレン樹脂、アクリル酸系樹脂、マレイン酸系樹脂、ポリビニール酢酸系樹脂、ポリビニールスルフォン酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、ポリピロリドン樹脂、セルロース系樹脂等の、公知慣用の様々な樹脂を用いることができるが、中でも、非水溶性モノマーとしてスチレンモノマーを含み、かつ酸基を有するモノマー成分を含む共重合樹脂が好ましい。
【0018】
本発明に用いられる樹脂のその他の非水溶性モノマー成分としては、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル。フェニル(メタ)アクリレート,ベンジル(メタ)アクリレート,フェニルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アリルエステル。
スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル。ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステル。スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノマー。
【0019】
その他、アクリロニトニル、アクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、エチレン、等のモノマーが挙げられるが、特に非水溶性モノマーとして、少なくともスチレンモノマーを含み、かつ酸基を有するモノマー成分とを含む共重合樹脂が望ましい。
【0020】
酸基を有するモノマー成分としてはカルボン酸、スルフォン酸、リン酸を等を含むものが用いられるが、特に、カルボキシル基を含むモノマー成分が好ましく,例えば(メタ)アクリル酸,無水マレイン酸等が挙げられるが,本発明では,特に(メタ)アクリル酸に由来する構造を有しているものが好ましい。
【0021】
更に本発明で用いられる樹脂は、酸基を有する樹脂を塩基で中和し水溶性とした樹脂が好ましく、本発明においてより好ましく用いられる樹脂はスチレン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルからなる群からスチレンを必須として選択したモノマーと、(メタ)アクリル酸とのラジカル共重合体を塩基で中和することによって得られる。
【0022】
酸基を有するモノマー成分を中和する塩基としては,例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物,アンモニア,トリエチルアミン,モルホリン等の塩基性物質の他,トリエタノールアミン,ジエタノールアミン,N−メチルジエタノールアミン等のアルコールアミン等の塩基が使用可能である。
【0023】
また,長期的な保存安定性の点からは,樹脂の酸価は60〜300mgKOH/gが好ましく,特に100〜180mgKOH/gの範囲が好ましい。なお酸価とは,樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム(mg)数を言い,mgKOH/gで表す。酸価が60より小さいと分散効果が小さく良好な分散液がえられない。一方、酸価が300より大きいと顔料の凝集が発生し易い。
【0024】
樹脂の酸価に対するアルカリ剤による中和率は,顔料の粒子径と分散安定性から30〜200モル%相当が好ましく,特に40〜120モル%が好ましい。中和率が30モル%より小さいと分散効果が少なく顔料粒径が充分に小さくならない。一方中和率が200モル%より大きいと分散安定性が悪化し、長期放置においてはゲル状に変化することもある。
【0025】
このとき中和率とは下記の式によって計算された値である。
【式1】
Figure 0004978761
【0026】
樹脂の顔料への吸着力および顔料の分散安定性の点からすれば,共重合樹脂中の〔(A)スチレンモノマー+(B)酸基を有するモノマー成分〕の含有率が10〜100質量%であり,かつ,(A)スチレンモノマーと(B)酸基を有するモノマー成分との質量比率が(A):(B)=9:1〜1:9であることが好ましい。
【0027】
樹脂の分子量範囲は特に制限はないが,重量平均分子量で,2000以上10万以下の分子量範囲が好ましい。低分子量樹脂は初期的な分散性が優れているが,長期的な保存安定性の点から4000以上が好ましく,樹脂の溶解性の点から考えると,樹脂の分子量は2万以下が好ましい。
【0028】
本願発明の水性顔料分散体の製造方法に使用する樹脂と水溶性有機溶剤の関係は、25℃において樹脂と水溶性有機溶剤を重量比で1:4に混合した場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならない様に選択することが好ましい。
このような部分溶解もしくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならない系においては、顔料への樹脂の吸着が、樹脂が顔料表面を包み込み、安定な皮膜を形成するように効果的に行われ易い。一方、樹脂が水溶性有機溶剤に完全溶解し、溶剤中に非局在化する場合には、本願発明のような効果的な吸着は進みにくい。
また、この顔料分散液中に水が加わると、顔料と樹脂の親和性および樹脂と水との親水性を効果的に引き出すことが可能となる。このため分散安定性、長期保存安定性に優れた水性顔料分散体を実現できる。
【0029】
但し、これらの添加量の増加は酸基を有するモノマー成分の過溶解、過膨潤を引き起こし、また、水性顔料分散液粘度を増大させる。このような水溶性有機溶剤の含有量としては、共重合樹脂中の(A)スチレンモノマーの含有率によっても異なるが、(C)顔料と(D)水溶性有機溶剤の比率が(C):(D)=1:1〜1:10であることが好ましく、より好ましくは(C):(D)=1:1〜1:3である。
【0030】
以上のような組成を選択して製造された本発明の水性顔料分散液は,分散安定性に優れ,長期保存安定性に優れるものである。
なお,本発明の水性顔料分散液をインクとして用いる場合,特にインクジェット記録用インクとして使用する場合は,前記したような25℃において樹脂と重量比で1:4に混合した場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならない水溶性有機溶媒は、これが高沸点の水溶性有機溶剤の場合は、そのまま、インク組成中において乾燥防止剤としても機能するものである。
【0031】
水性顔料分散体からインクジェット記録用インクを作製するには,必要に応じて更に乾燥防止性や浸透性を有する有機溶剤を加え、水、水溶性有機溶剤を加えて希釈し、均一に攪拌し,インクの調整後に所望の粒径のフィルターで濾過すればよい。
インクの調整は,例えば,前記乾燥防止剤や浸透性を有する有機溶剤の添加,濃度調整・粘度調整の他,pH調整剤,界面活性剤,防腐剤,キレート剤,可塑剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤等を必要に応じて添加する。
【0032】
またインクにおける浸透性は,記録媒体へのインクの侵透性や記録媒体上でのドット径の調整を行うために必要な特性である。浸透性を示す水溶性有機溶剤としては,例えばエタノール,イソプロピルアルコール等の低級アルコール,エチレングリコールヘキシルエーテルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキルアルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリコールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロピレンオキシド付加物等がある。
【0033】
本発明の製造方法によって得られた水性顔料分散液を適宜調製することにより,オンデマンド方式,例えばピエゾ方式,サーマル方式等の公知慣用のインクジェット記録用インクに好適に使用することができ,各方式のプリンターにおいて極めて安定したインク吐出が可能となるのである。
【0034】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」は『質量部』を表わす。
【0035】
(実施例1)
スチレン(72部)・アクリル酸(10部)・メタクリル酸(13部),酸化=150mgKOH/g,重量平均分子量7200,からなる樹脂(I)と25゜Cにおいて重量比で1:4に混合した場合(樹脂=1、水溶性有機溶剤=4)、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならないジエチレングリコールを水溶性有機溶剤として実施した。
【0036】
樹脂(I)45部、水酸化ナトリウム4.8部、イオン交換水150部からなる樹脂水溶液(II)を作製する。
カーボンブラック 10.00部、
ジエチレングリコール 10.00部
イオン精製水 10.00部
ジルコニウムビーズ(1.25mm径) 400部
以上の組成の仕込みを行った後,ペイントシェーカーを用いて2時間攪拌を行った後、
樹脂(II)水溶液 13.32部
ジエチレングリコール 10.00部、
を加え,ペイントシェーカーを用いて3時間攪拌を行い水性顔料分散液(III)を得た。
【0037】
この様にして得られた水性顔料分散液(III)26.67部に、グリセリン5部、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル5部,イオン交換水63.33部を混合攪拌してインクジェット記録用水性顔料インクとした。
【0038】
得られた水性顔料インク中の顔料粒子は0.08μmの体積平均粒子径を有しており(日機装社製レーザードップラー式粒度分布計マイクロトラックUPA−150使用)、凝集物もなく、また、恒温試験器で60゜C、3日間放置後も同様の体積平均粒子径を有し、安定な分散を示した。
【0039】
また、このインクを、径47mmの1μメンブランフィルターにて、空気圧0.1MPaで加圧濾過したところ、フィルターの目詰まりで濾過不能になるまでに、123g濾過が可能であった。
【0040】
また、60゜C、3日間放置後のインクを用い、インクジェットプリンター 米国ENCAD社製 NOVAJET PROを用いて全ノズルを同時駆動させ、100cm×50cmのベタ印字画像を印字したところ、画像濃度が高濃度で印字ムラの無い均質な画像を得た。この画像の光学濃度を、マクベス社製反射濃度径RD−918を用いて測定したところ、画像濃度は1.22であった。
【0041】
(比較例1)
カーボンブラック 10.00部、
樹脂(II)水溶液 13.32部
ジエチレングリコール 20.00部、
イオン精製水 10.00部
ジルコニウムビーズ(1.25mm径) 400部
の組成の仕込みを行った後,ペイントシェーカーを用いて5時間攪拌を行い、水性顔料分散液(IV)を得た。
【0042】
この様にして得られた水性顔料分散液(IV)26.67部、グリセリン5部、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル5部,イオン交換水63.33部を混合攪拌してインクジェット記録用水性顔料インクとした。
【0043】
得られたインク中のカーボンブラックの体積平均粒子径は0.10μmであり、実施例1と比較して粒径が大きく、また、恒温試験器で60゜C、3日間放置後は、わずかではあるが、凝集によるカーボンブラック粒子の沈降がみられた。
【0044】
また、このインクを、径47mmの1μメンブランフィルターにて、空気圧0.1MPaで加圧濾過したところ、12g濾過した時点でフィルターの目詰まりで濾過不能になった。
【0045】
また、60゜C、3日間放置後のインクを用い、実施例1と同様にベタ印字画像を印字したところ、目詰まりは発生しなかったが、画像位置によってベタ濃度の濃淡ムラが発生し、画像各位置の画像濃度の平均も1.11と低かった。
【0046】
実施例1のインク方のが、粒子径が微粒子で分散安定性と濾過性に優れ、印字においても高画像濃度で均質で吐出安定性にも優れる画像が得られた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の水性顔料分散液の製造方法によれば,微粒子径で分散安定性に優れた、水性顔料分散体を提供可能であり,かつインクジェット記録用インクにした場合、吐出安定性に優れ、耐水性、発色性が極めて良好なインクとなる。

Claims (5)

  1. 少なくとも、水、顔料、スチレンモノマーと酸基を有するモノマー成分を含有する共重合樹脂、及び水溶性有機溶剤からなる水性顔料分散液の製造方法であって、該顔料あらかじめ水と該水溶性有機溶剤の混合液中に分散させる予備分散工程と、さらに樹脂を添加して分散を行う本分散工程とを有し、前記いずれの分散工程においてもメディアを用いた分散方法を使用することを特徴とする、インクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
  2. 水溶性有機溶剤が、ジエチレングリコールを含有する事を特徴とする請求項1に記載したインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
  3. 前記共重合樹脂の酸価が60〜300mgKOH/gである事を特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
  4. 前記共重合樹脂は、分子量4000〜20000を有し、水溶性有機溶剤との関係が、25゜Cにおいて該共重合樹脂と該水溶性有機溶剤を重量比で1:4に混合した場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならないものを用いたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
  5. 前記共重合樹脂は、分子量4000〜20000を有し、水溶性有機溶剤との関係が、25゜Cにおいて該共重合樹脂と該水溶性有機溶剤を重量比で1:4に混合した場合、水溶性有機溶剤に完全溶解しないものを用いたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用水性顔料分散液の製造方法。
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