JP2003041178A - 水性顔料分散液の製造方法 - Google Patents

水性顔料分散液の製造方法

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JP2003041178A
JP2003041178A JP2001229562A JP2001229562A JP2003041178A JP 2003041178 A JP2003041178 A JP 2003041178A JP 2001229562 A JP2001229562 A JP 2001229562A JP 2001229562 A JP2001229562 A JP 2001229562A JP 2003041178 A JP2003041178 A JP 2003041178A
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Kazuhiro Kaneko
和広 金子
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期分散性、長期分散安定性に優れた水
性顔料分散液の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも水、顔料、非水溶性モノマー
を含む樹脂、水溶性有機溶剤からなる水性顔料分散液
の、製造時における顔料分散工程において、分散用の混
合液中に分子量300〜1000のグリセリンのエチレ
ンオキサイド付加物、もしくはプロピレンオキサイド付
加物を含有させ、さらに好ましくはジエチレングリコー
ルを含有させることにより、初期分散性と分散安定性に
優れた水性顔料分散液を作製できる。本水性顔料分散液
から作製したインクジェット記録用水性インク組成物は
インクの吐出安定性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,水性顔料分散液の
製造方法であって、特にジェットインキ記録用インクの
製造に好適に使用することができる水性顔料分散液の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】水を主成分とする液媒体中に顔料を分散
して成る水性顔料分散液は,顔料,水,有機溶剤,樹
脂,アルカリ剤を配合し分散機を用いて分散処理を行う
のが一般的である。例えば,顔料の分散方法としては特
開平1−204979号公報が挙げられ,ペン先乾燥性
に優れたインクの検討例が,また,特開平1−2498
69号公報には顔料インクを使用したインクジェット記
録方式が記載されている。
【0003】特にインクジェット記録用インクを製造す
るための水性顔料分散液は、着色剤としての顔料の使用
が、耐水性、耐光性等において従来の染料を用いた物と
比べて格段とすぐれたインクジェット記録用インクを製
造することが可能であるため、その組成もしくは分散方
法について種々検討が行われ始めている。インクジェッ
ト記録用インクとしての使用を考慮したとき、その吐出
安定性、長期保存安定性を満たすためには、水性顔料分
散液の段階で良好な分散性と、長期保存可能な分散安定
性を有することが必要である。しかしながら,従来の水
性顔料分散液の分散安定性は不十分であり,インクジェ
ット記録用インクとして用いた場合,吐出時の不安定性
やインクの保存長期安定性が不足しており、特にサーマ
ル方式での吐出特性は満足出来るものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,前述
した従来技術の問題点を解決し,分散安定性,長期保存
安定性に優れた水性顔料分散液,とりわけインクジェッ
ト記録用インクとしたときの吐出特性、耐水性および耐
光性に優れた水性顔料分散液の製造方法を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記課題を
解決するために、少なくとも、水、顔料、非水溶性モノ
マーを含む樹脂、水溶性有機溶剤からなる水性顔料分散
液を製造する時に、顔料の分散時に分子量300〜10
00のグリセリンのエチレンオキサイドもしくはプロピ
オンオキサイドの付加物を含有させることによって分散
安定性にすぐれた水性顔料分散液が得られることを見い
だした。
【0006】さらに、本発明に記載にした水性顔料分散
液の製造方法においては、水性有機溶剤としてジエチレ
ングリコールを含有させることで、顔料の分散性をより
向上させることができ望ましい。さらに、該非水溶性モ
ノマーを含む樹脂としては、非水溶性モノマーとしてス
チレンモノマーを含み、かつ、酸基を有するモノマー成
分を含む共重合樹脂を用いることによってより優れた顔
料分散液を得られる事を見いだした。該共重合樹脂の酸
価は60〜300mgKOH/gである事が望ましく、
重量分子量1000〜30000であることが望まし
い。さらに発明者らは、本発明に用いる樹脂と水溶性有
機溶剤との関係が25゜Cにおいて樹脂と水溶性溶剤を
重量比で、樹脂:水溶性有機溶剤=1:4の比率で混合
した場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹
脂溶液とならないものを用いることによってより優れた
顔料分散液を得られる事を見いだした。また、発明者ら
は顔料分散時に使用する分散機としては、ペイントシェ
イカーやサンドグラインダーのようなメディアを用いた
分散機を使用することが望ましいことを見いだした。
【0007】水性顔料分散液を製造する工程において、
顔料、樹脂、水よりなる混合物に、さらに分子量300
〜1000のグリセリンのエチレンオキサイド、もしく
はプロピオンオキサイドの付加物を添加して分散を行う
と、顔料粒子の再凝集を防ぐ事ができ、分散安定性が良
好な顔料分散体を得ることができる。また、上記顔料分
散時に添加した分子量300〜1000のグリセリンの
エチレンオキサイドもしくはプロピオンオキサイドの付
加物は、顔料分散体を希釈して作製したジェットインキ
記録用インクの保湿剤としても機能するものである。こ
のため顔料分散時の添加物の残留によるインクへの悪影
響について、考慮する必要がない。さらに、顔料分散時
にジエチレングリコールを併用する事で、分散による顔
料の微粒子化をすすめる効果を持たせる事ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明のさらに詳細な説
明、および発明の実施の形態を記載する。本発明に使用
する分子量300〜1000グリセリンのエチレンオキ
サイドもしくはプロピオンオキサイドの付加物は、従来
ジェットインキ記録用インクの保湿剤もしくは乾燥防止
剤として用いられていた物を好適に使うことができる
が、より好ましくは分子量400〜600のプロピレン
オキサイド付加物が好ましい。
【0009】このような化合物を水、顔料、非水溶性モ
ノマーを含む樹脂、水溶性有機溶剤を含有する混合物を
分散して水性顔料分散液を製造する過程で該混合物に添
加することにより、良好な分散状態を実現することがで
きる。特に分散の安定性を維持する点において効果が顕
著であり、体積平均粒径50〜150μmに微粉化した
顔料が再凝集することなく、分散状態が安定に保持され
る。
【0010】また、その添加量は全顔料重量に対して5
0〜100%が望ましい。50%以下であると、凝集防
止剤としての効果が低減する、100%以上であるとジ
ェットインキ記録用インキとして使用した場合、粘度増
大により吐出不良を引き起こしやすい。
【0011】本発明に用いられる樹脂の非水溶性モノマ
ー成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のカルボキ
シル基含有モノマー。メチル(メタ)アクリレート,エ
チル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アル
キルエステル。フェニル(メタ)アクリレート,ベンジ
ル(メタ)アクリレート,フェニルエチル(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリル酸エステル。スチレン、
αメチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系モノ
マー。スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロ
ピル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステル。ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート
等の水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステル。その
他、アクリロニトニル、アクリルアミド、酢酸ビニル、
塩化ビニル、ビニルピロリドン、ビニルアルコール、エ
チレン、等のモノマーが挙げられるが、特に非水溶性モ
ノマーとして、少なくともスチレンモノマーと酸基を有
するモノマー成分とを含む共重合樹脂が望ましい。
【0012】酸基を有するモノマー成分としてはカルボ
ン酸、スルフォン酸・リン酸、等の酸基を含むものが好
適に用いられるが、特に、カルボキシル基を含むモノマ
ー成分が好ましく,例えば(メタ)アクリル酸,無水マ
レイン酸等が挙げられるが,本発明では,特に(メタ)
アクリル酸に由来する構造を有しているものが特に好ま
しい。
【0013】更に本発明で用いられる樹脂は、分散時に
酸基を有する樹脂を塩基で中和し水溶性とした樹脂とし
て用いることが好ましく、酸基を中和する程度を調整す
ることによって樹脂の水溶性、分散性の程度を調整する
ことができる。本発明においてより好ましい樹脂はスチ
レン、置換スチレン、(メタ)アクリル酸エステルから
なる群からスチレンを必須として選択したモノマーと、
(メタ)アクリル酸とのラジカル共重合体であって、使
用にあたっては分散時に酸基を塩基で中和して用いるこ
とが好ましい。
【0014】酸基を有するモノマー成分を中和する塩基
としては,例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,
水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物,アンモニ
ア,トリエチルアミン,モルホリン等の塩基性物質の
他,トリエタノールアミン,ジエタノールアミン,N−
メチルジエタノールアミン等のアルコールアミン等の塩
基が使用可能である。
【0015】また,長期的な保存安定性の点からは,樹
脂の酸価は60〜300mgKOH/gが好ましく,特
に100〜180mgKOH/gの範囲が好ましい。な
お酸価とは,樹脂1gを中和するに必要な水酸化カリウ
ム(KOH)のミリグラム(mg)数を言い,mgKO
H/gで表す。酸価が60より小さいと分散効果が小さ
く良好な分散液が得られない。一方、酸価が300より
大きいと顔料の凝集が発生し易い。
【0016】樹脂の酸価に対するアルカリ剤による中和
率は,顔料の粒子径と分散安定性から30〜200モル
%相当が好ましく,特に40〜120モル%が好まし
い。中和率が30モル%より小さいと分散効果が少なく
顔料粒径が充分に小さくならない。一方中和率が200
モル%より大きいと分散安定性が悪化し、長期放置にお
いてはゲル状に変化することもある。このとき中和率と
は下記の式によって計算された値である。
【0017】
【式1】
【0018】樹脂の顔料への吸着力および顔料の分散安
定性の点からすれば,共重合樹脂中の〔(A)スチレン
モノマー+(B)酸基を有するモノマー成分〕の含有率
が10〜100質量%であり,かつ,(A)スチレンモ
ノマーと(B)酸基を有するモノマー成分との質量比率
が(A):(B)=9:1〜1:9であることが好まし
く、(A):(B)=9:1〜5:5がさらに好まし
い。スチレンモノマーの比率が多いと分散はしにくくな
るが、このような樹脂を含む水性顔料分散液から作製し
たインクジェット記録用インク組成物は、加熱後の粒径
変化が小さく印字濃度が高い。印刷画像の耐水性、耐久
性の点でも優れている。樹脂の分子量範囲は特に制限は
ないが,重量平均分子量で,2000以上10万以下の
分子量範囲が好ましい。低分子量樹脂は初期的な分散性
が優れているが,長期的な保存安定性の点から4000
以上が好ましく,樹脂の溶解性の点から考えると,樹脂
の分子量は20000以下が好ましい。
【0019】本発明に用いる水溶性有機溶剤としては公
知のものを広く使用することができる。例えばエチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、およびそれらの誘導体のようなグリコールと、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、
および同族のジオールのようなジオールと、ラウプロピ
レングリコールのようなグリコールエステルと、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、カルビトールのよう
なジエチレングリコールエーテル、ジエチレングリコー
ルモノエチル、ブチル、ヘキシルの各エーテル、プロピ
レングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエー
テル、およびトリエチレングリコールエーテルを含むセ
ロソルブのようなモノグリコールエーテルおよびジグリ
コールエーテルと、ブチルアルコール、ペンチルアルコ
ール、および同族のアルコールのような長鎖アルコール
とスルホラン、エステル、ケトン、γ−ブチロラクトン
のようなラクトン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
リドンのようなラクタム、およびグリセリンおよびその
誘導体のような他の溶剤を挙げることができるが、製造
時の作業効率の点,樹脂の溶解性若しくは膨潤性の点か
らいえば高沸点、低揮発性且つ高表面張力の多価アルコ
ール類が好ましく、特にジエチレングリコールを含有さ
せることが好ましい。
【0020】本願発明の水性顔料分散体の製造方法に使
用する樹脂と水溶性有機溶剤の関係は、25゜Cにおい
て樹脂と水溶性有機溶剤を重量比で、樹脂:水溶性有機
溶剤=1:4の比率で混合した場合、部分溶解若しくは
膨潤状態を示し、均一な樹脂溶液とならない様に選択す
ることが好ましい。このような部分溶解もしくは膨潤状
態を示し、均一な樹脂溶液とならない系においては、樹
脂が膨潤することで、非水溶性モノマー成分およびスチ
レンモノマー成分と顔料との吸着は、樹脂が顔料表面を
包み込むように効果的に行われると考えられる。また、
この顔料分散液中に水が加わると樹脂は非水溶性モノマ
ー成分およびスチレンモノマー成分に内包された顔料を
核にミセル化または高分子配向を生じ、顔料と樹脂の親
和性および樹脂と水との親水性を効果的に引き出すこと
が可能となるため、分散安定性、長期保存安定性に優れ
た水性顔料分散体を形成することが出来る。
【0021】但し、これらの添加量の増加は酸基を有す
るモノマー成分の過溶解、過膨潤を引き起こし、また、
水性顔料分散液粘度を増大させる。このため、このよう
な水溶性有機溶剤の含有量としては共重合樹脂中の
(A)スチレンモノマーの含有率によっても異なるが、
(C)顔料と(D)水溶性有機溶剤の重量比率でいうと
水溶性有機溶剤が顔料の10倍量以下であることが好ま
しく、より好ましくは3倍量以下である。
【0022】本発明に用いられることのできる顔料は特
に制限はなく,公知慣用のものがいずれも使用できる
が,例えばカーボンブラック,チタンブラック,チタン
ホワイト,硫化亜鉛,ベンガラ等の無機顔料や,フタロ
シアニン顔料,モノアゾ系,ジスアゾ系等のアゾ顔料,
フタロシアニン顔料,キナクリドン顔料等の有機顔料等
が用いられる。
【0023】顔料を分散させる方法としては,公知公用
の分散装置を用いることが出来る。例えば,超音波ホモ
ジナイザー,ペイントシェーカー,ボールミル,ロール
ミル,サンドミル,サンドグラインダー,ダイノーミ
ル,ディスパーマット,SCミル,スパイクミル,ナノ
マイザー、アジテーターミル、プラネタリ等が挙げられ
る。特に好ましい分散方法としては、顔料の粉砕微細化
と液中への分散を同時に進行する事が可能な、ペイント
シェイカー、サンドグラインダー、ボールミル等メディ
アを用いた方法が好ましい。このようなメディアを用い
た分散方法を用いると、顔料の微粉砕と水媒体への分散
を同時進行させて、良好な分散状態を実現することがで
きる。
【0024】このようにして製造された本発明の水性顔
料分散液は,分散安定性に優れ,長期保存安定性に優れ
るものである。
【0025】なお,本発明の水性顔料分散液をインクと
して用いる場合,特にインクジェット記録用インクとし
て使用する場合は,前記の25゜Cにおいて樹脂と重量
比で、樹脂:水溶性有機溶剤=1:4の比率で混合した
場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な樹脂溶
液とならない高沸点の水溶性有機溶剤は、インクの乾燥
防止剤としても機能するものであって、インクジェット
用記録液の構成成分としてそのままインク組成中で用い
ることができる。また,この他に必要に応じて更に乾燥
防止性や浸透性を有する有機溶剤を加えて均一に攪拌
し,インクの調整後に所望の粒径のフィルターで濾過す
ればよい。
【0026】インクの調整時には,例えば,前記乾燥防
止剤や浸透性を有する有機溶剤の添加,濃度調整・粘度
調整の他,pH調整剤,界面活性剤,防腐剤,キレート
剤,可塑剤,酸化防止剤,紫外線吸収剤等を必要に応じ
て添加する。
【0027】インクにおける浸透性は,記録媒体へのイ
ンクの侵透性や記録媒体上でのドット径の調整を行うた
めに必要な特性である。浸透性を示す水溶性有機溶剤と
しては,例えばエタノール,イソプロピルアルコール等
の低級アルコール,エチレングリコールヘキシルエーテ
ルやジエチレングリコールブチルエーテル等のアルキル
アルコールのエチレンオキシド付加物やプロピレングリ
コールプロピルエーテル等のアルキルアルコールのプロ
ピレンオキシド付加物等がある。
【0028】本発明の製造方法によって得られた水性顔
料分散液を適宜調製することにより得られたインクジェ
ット記録用水性インク組成物は,オンデマンド方式,例
えばピエゾ方式,サーマル方式等の公知慣用のインクジ
ェット記録用インクとして好適に使用することができ,
各方式のプリンターにおいて極めて安定したインク吐出
を実現することができる。
【0029】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、以下の実施例中における「部」
は『質量部』を表わす。
【0030】(実施例1)樹脂として、スチレン(72
部)・アクリル酸(10部)・メタクリル酸(13
部),酸価=150mgKOH/g,重量平均分子量7
200,からなる樹脂(I)と、25゜Cにおいて樹脂
と重量比で、樹脂:水溶性有機溶媒=1:4の比率で混
合した場合、部分溶解若しくは膨潤状態を示し、均一な
樹脂溶液とならない水溶性有機溶剤としてジエチレング
リコールを使用し、グリセリンのプロピレンオキサイド
付加物として、三洋化成 製品名「GP−600」を使
用して、顔料分散時にジエチレングリコールと、GP−
600を併用して分散を行った。
【0031】樹脂(I)45部、水酸化ナトリウム4.
8部、イオン交換水150部からなる樹脂水溶液(II)
を用いて。 カーボンブラック 10.00部、 樹脂(II)水溶液 13.32部 ジエチレングリコール 20.00部、 GP−600 10.00部 ジルコニウムビーズ(1.25mm径) 400部 の組成の仕込みを行った後,ペイントシェーカーを用い
て3時間攪拌を行い水性顔料分散液(III)を得た。こ
の様にして得られた水性顔料分散液(III)26.67
部、グリセリン5部、イオン交換水68.33部を混合
攪拌してインクジェット記録用水性顔料インクとした。
【0032】得られた水性顔料インクは凝集もなく良好
な分散性を示した。また、60゜C,72時間による加
速安定性試験後も粒径変化,沈降物は認められなかっ
た。また、このインク中の凝集物を透過光により顕微鏡
にて200倍の倍率で観察したが、凝集物は観察されな
かった。また、加速安定性試験後のインクも同様に透過
光により顕微鏡にて200倍の倍率で観察したが、凝集
物は観察されなかった。また、このインクを、径47mm
の1μメンブランフィルターにて、空気圧0.1MPa
で加圧濾過したところ、フィルターの目詰まりで濾過不
能になるまでに、52g濾過が可能であった。
【0033】また、インクジェットプリンター 米国E
NCAD社製 NOVAJET PROを用いて全ノズ
ルを同時駆動させ、100cm×50cmのベタ印字画
像を印字したところ、製造直後および加速安定性試験後
のいずれのインクでも,ノズル目詰まりはなくインク吐
出が出安定しており,良好な画像が得られた。画像濃度
も高濃度で印字ムラの無い均質な画像が得られた。
【0034】(比較例1)樹脂として、実施例(1)の
樹脂(I)と、水溶性溶剤としてジエチレングリコール
を、グリセリンのプロピレンオキサイド付加物として、
GP−600を用いて、顔料分散時にジエチレングリコ
ールのみを用い分散を行った。GP−600は顔料分散
時には使用せず、顔料分散後に添加した。樹脂(I)4
5部、水酸化ナトリウム4.8部、イオン交換水150
部からなる樹脂水溶液(II)を用いて。 カーボンブラック 10.00部、 樹脂(II)水溶液 13.32部 ジエチレングリコール 20.00部、 ジルコニウムビーズ(1.25mm径) 400部 の組成の仕込みを行った後,ペイントシェーカーを用い
て3時間攪拌を行った後、GP−600を10.00部
加え攪拌混合し水性顔料分散液(IV)を得た。
【0035】この様にして得られた水性顔料分散液(I
V)26.67部、グリセリン5部、イオン交換水6
8.33部を混合攪拌してインクジェット記録用水性顔
料インクとした。得られた水性顔料インクは凝集もなく
良好な分散性を示した。また、60゜C,72時間によ
る加速安定性試験後も粒径変化,沈降物は認められなか
った。このインク中の凝集物を透過光により顕微鏡にて
200倍の倍率で観察したところ、約1〜3μm前後の
凝集物が観察された。また、加速安定性試験後のインク
を同様に透過光により顕微鏡にて200倍の倍率で観察
したところ、凝集物の増加が認められた。また、このイ
ンクを、径47mmの1μメンブランフィルターにて、空
気圧0.1MPaで加圧濾過したところ、18g濾過し
た時点でフィルターの目詰まりで濾過不能になった。
【0036】また、インクジェットプリンター 米国E
NCAD社製 NOVAJET PROを用いて全ノズ
ルを同時駆動させ、100cm×50cmのベタ印字画
像を印字したところ、製造直後のインクでの画像特性は
良好であるものの,加速安定性試験後のインクではノズ
ルの目詰まりは発生しなかったが、実施例(1)と比較
すると吐出は不安定で画像濃度、画像均一性に劣る画像
であった。実施例1のインクの方が、分散後の顔料の再
凝集に対し、長期に渡ってこれを防ぐことができ、分散
安定性と濾過性に優れ、印字においても高画像濃度で均
質で吐出安定性にも優れる画像が得られた。
【0037】
【発明の効果】本発明の水性顔料分散液の製造方法によ
れば,分散後の顔料の再凝集に対し、長期に渡ってこれ
を防ぎ、長期保存安定性に優れた水性顔料分散体を提供
可能であり,かつインクジェット記録用インクにした場
合、吐出安定性に優れ、耐水性、発色性が極めて良好な
インクとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC01 2H086 BA52 BA53 BA59 BA62 4J037 AA02 AA11 AA22 AA27 AA30 CA08 CB07 CC11 CC12 CC13 CC14 CC15 CC16 CC17 CC25 DD11 DD23 EE28 EE43 FF15 FF22 FF25 4J039 AD01 AD03 AD05 AD06 AD08 AD09 AD10 AD11 AD12 AD23 AE07 BA04 BA13 BA23 BA31 BA35 BC07 BC11 BC12 BE01 CA06 EA48 GA24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、水、顔料、非水溶性モノマ
    ーを含む樹脂、水溶性有機溶剤からなる水性顔料分散液
    の製造方法であって、顔料の分散時に分子量300〜1
    000のグリセリンのエチレンオキサイドもしくはプロ
    ピオンオキサイドの付加物を含有させることを特徴とす
    る、水性顔料分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】 水溶性有機溶剤としてジエチレングリコ
    ールを含有する請求項1に記載の水性顔料分散液の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 該非水溶性モノマーを含む樹脂が、非水
    溶性モノマーとしてスチレンモノマーを含み、かつ酸基
    を有するモノマー成分を含む共重合樹脂である請求項1
    もしくは2記載の水性顔料分散液の製造方法。、
  4. 【請求項4】 該共重合樹脂の酸価が60〜300mg
    KOH/gである請求項3記載の水性顔料分散液の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した樹脂と水溶性有機溶
    剤との関係が25゜Cにおいて前記樹脂と前記水溶性溶
    剤とを重量比で、樹脂:水溶性有機溶剤=1:4の比率
    で混合した場合、部分溶解もしくは膨潤状態を示し、均
    一な樹脂溶液とならないものを用いたことを特徴とする
    水性顔料分散液の製造方法。
  6. 【請求項6】 顔料の分散時にメディアを用いた分散方
    法を使用する、請求項1もしくは2のいずれかに記載の
    水性顔料分散液の製造方法。
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