JP2002105211A - 凝集性微粒子分散液の製法 - Google Patents
凝集性微粒子分散液の製法Info
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Abstract
高いチタンブラック分散液を、比較的簡単な処理にて提
供する。 【解決手段】 ベッセル内部に回転撹拌子と複数の粒状
メディアを配してなる撹拌装置内に、溶媒、該溶媒に溶
解性ないし自己分散性のポリマー成分、および凝集性微
粒子を少なくとも有してなる被処理液を装填し、撹拌装
置の撹拌子を回転させて凝集性微粒子を被処理液中に分
散処理するにおいて、撹拌装置内を10秒以内に被処理
液を通過させることを特徴とする凝集性微粒子分散液の
製造方法。
Description
の凝集性微粒子の分散液の製造方法に関するものであ
り、特に、高度な微分散性を有すると共に分散安定性が
高い凝集性微粒子分散液を、比較的簡単な処理にて得る
ことのことのできる技術に関するものである。
能を求められる場合における遮光成分、着色成分として
各種組成物に添加されて使用されている。
うな固体微粒子、特にその一次粒子径がサブミクロン以
下である微粒子、の多くは、粒子間の凝集力に比べて他
の物質、例えば、水、有機溶剤あるいは有機高分子とい
ったものとの親和力が弱く、二次凝集を生じやすい。従
って、上記したような各種組成物においてより優れた特
性を得ようとする場合、これら凝集性微粒子をマトリッ
クス中にいかに均一に分散させるかが問題となる。
表面を各種の界面活性剤や樹脂で被覆して、固体状また
は液状の媒体との親和力を高めることにより、固体微粒
子を均一に混合または分散する方法が数多く検討されて
いる。
性単量体をカーボンブラック共存中で重合させたり、反
応性ポリマーをカーボンブラック表面にグラフト化させ
ることによりカーボンブラックグラフトポリマーを得る
方法が知られており、重合性単量体ないし反応性ポリマ
ーの種類を適当に選択することにより、親水性および/
または親油性を適宜、変えることができるため、近年注
目を浴びているが、チタンブラックに関しては十分な成
果が報告されていない。
粒子の分散液を得るのに、分散媒液に適当な分散安定剤
を添加し、物理的な攪拌によって分散処理を行なうこと
も公知の技術である。均一な分散には、巨視的混合と同
時に小規模な乱れ運動に基づく微視的混合も考慮する必
要があり、従来、このような分散液を得る装置として
は、被処理流体を収容するベッセルの形状、攪拌子の形
状、数および配置位置あるいはその回転速度、邪魔板な
いし仕切板の配置の有無、さらに、ベッセル内部に導入
されるボールないしビーズといった分散媒体の使用、そ
の形状、材質等において、それぞれ工夫を凝らした各種
の湿式分散処理装置ないし湿式粉砕処理装置が提唱され
ている。
併用するタイプのものは、比較的良好な分散状態を形成
できるものとして現在多くの分野で使用されている。こ
のタイプに属する分散処理装置としては、例えば、特公
昭59−22577号、特公平2−27018号公報等
に開示がある。
置ないし湿式粉砕処理装置を用いての固体微粒子の分散
液の調製は、該処理装置にて常温下で固体微粒子を分散
媒液と攪拌混合して行なわれるものであり、攪拌混合に
よって生じる物理的な外力によって分散状態を形成して
いるものであるために、得られる分散液の安定性は十分
なものとは言えず、また分散処理に長持間を要するとい
った問題があった。
機顔料に比べて高いものの、導電性を有し、遮光性を挙
げるため感光性樹脂中にカーボンブラックをあまり多く
添加すると、形成された被膜自体も導電性を有してしま
う。そのため、これらの材料を用いて各種電子デバイス
等を製造した場合、電極と導通、または該被膜を通じて
電界が動作する等の不具合が生じてしまうため、さらに
厚い絶縁性の膜あるいは電界遮断膜を形成する必要があ
るという欠点が生じていた。
1−141963号公報には、チタンの酸化物もしくは
酸窒化物を用いた被覆組成物が提案されている。この組
成物は、体積抵抗率が106Ω・cm以上であるとされ
ているものの、チタンの酸化物もしくは酸窒化物を含む
組成物は、オーミックな挙動を示さず、印加電圧が高い
ほどその体積抵抗率が低くなる傾向がある。測定器の印
加電圧は極めて低いものであり、液晶表示装置等のデバ
イスに印加される電圧、すなわち、3〜30Vでの体積
抵抗率は、これより低くなり、最悪の場合絶縁破壊を起
こす虞れがあるという問題点を有している。また該組成
物中におけるチタン酸化物ないし酸窒化物の分散安定性
が不良であり、特にアルカリ現像を可能とするためにア
ルカリバインダーを配合した場合において、強い凝集性
を示すという問題も生じていた。
色成分ないし遮光成分として各種組成物に添加すること
のできる色材分散液の製造方法を提供することを目的と
するものである。本発明はまた、高度な微分散性を有す
ると共に分散安定性が高く、各種組成物に添加した際に
極めて良好な特性、特に電気的高抵抗性、高遮光性等を
発揮できる色材分散液の製造方法を提供することを目的
とする。本発明はさらに、比較的簡単な処理にて分散特
性の改善された色材分散液を得ることのことのできる方
法を提供することを目的とする。
ベッセル内部に回転撹拌子と複数の粒状メディアを配し
てなる撹拌装置内に、溶媒、該溶媒に溶解性ないし自己
分散性のポリマー成分、および凝集性微粒子を少なくと
も有してなる被処理液を装填し、撹拌装置の撹拌子を回
転させて凝集性微粒子を被処理液中に分散処理するにお
いて、撹拌装置内を10秒以内に被処理液を通過させる
ことを特徴とする凝集性微粒子分散液の製造方法により
達成される。
が色材であることを特徴とする上記(1)に記載の製造
方法を示すものである。
ンブラックであることを特徴とする上記(2)に記載の
製造方法を示すものである。
性物質で表面処理されたチタンブラックであることを特
徴とする上記(2)に記載の製造方法を示すものであ
る。
均粒子径が0.05〜20mmである上記(1)〜
(4)のいずれかに記載の製造方法を示すものである。
が、前記粒状メディアは通過できないが被処理液は通過
できる排出部を有し、前記撹拌子が内部に位置するまた
は壁面の一部を構成する篭体内に、前記粒状メディアを
配してなるバスケットミルタイプのものである上記
(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法を示すもの
である。
細に説明する。
粒子としては、特に限定されるものではなく、公知の種
々の無機ないし有機の微粒子が含まれるが、特にその一
次粒子径がサブミクロン以下であり、通常、二次凝集体
として存在するような微粒子に対して特に有効な技術で
ある。処理対象となる凝集性微粒子として、その種類的
な面から、具体的にそのいくつかを例示すると、カーボ
ンブラック、チタンブラック、チタンイエロー、酸化亜
鉛、酸化クロム、シリカ、アルミナ、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーンなどがある。また、これ
らの凝集性微粒子ついては、その微粒子表面に何らかの
処理、疎水化、絶縁化、帯電化等の各種処理を施された
ものも含まれる。なお、本発明は、このような凝集性微
粒子の均一分散体を形成する方法に係わるものであるか
ら、処理対象となる凝集性微粒子が、例えば、色材であ
る場合に特に有用である。色材としては任意の顔料が使
用できるが、例えば、従来より、安定な均一分散体を得
ることが困難とされていた、チタンブラックに対しても
有効な技術である。
を処理する場合を例にとり、本発明を説明するが、上記
したように、本発明がこのようなチタンブラック分散体
のみに限定されるものではない。
化チタンや酸窒化チタン等を意味する。このうち低次酸
化チタンとしては、例えば、特開昭49−5432号公
報に記載された、二酸化チタンと金属チタン粉末を真空
もしくは還元雰囲気中で、550〜1100℃の温度で
加熱して得られる。TinO2n-1(nの正の整数)で示
される黒色系の化合物や、特開昭64−11572号公
報に記載された、含水二酸化チタンと金属チタン粉末
を、珪素、アルミニウム、ニオブ、タングステン等を含
む化合物からなる焼成処理補助剤の存在下、不活性雰囲
気中で加熱して得られる化合物が挙げられる。又、酸窒
化チタンとしては例えば、特開昭60−65069号公
報や特開昭60−200827号公報に記載された、二
酸化チタンや水酸化チタンの粉末をアンモニア存在下、
550〜950℃程度の温度で還元して得られる黒色系
の化合物が挙げられる。その他に、特開昭61−201
610号公報に記載された、バナジウムを二酸化チタン
等に付着させ、アンモニア存在下、750〜875℃で
還元して得られる黒色系の化合物も挙げられる。
質で表面処理をされたようなものも含まれる。これは公
知の技術を用いて実施できるが、具体例としてシリカを
用いた場合について述べる。まず第一工程として色材
を、水にビーズミルを用いて1時間半分散し、水性スラ
リーを得る。次に第二工程として、色材の水性スラリー
にケイ酸ナトリウム溶液を加える。第三工程として上記
溶液をホモジナイザーを用いて良く攪拌し、色材を粉砕
する。第四工程では上記溶液を加熱する。第五工程では
ケイ酸ナトリウム溶液と硫酸を加えてホモジナイザーを
用いて良く攪拌する。これによりシリカ被覆が出来上が
る。最終工程で顔料を濾過して取り出し、乾燥させる。
法は、ベッセル内部に回転撹拌子と複数の粒状メディア
を配してなる撹拌装置内に、溶媒、該溶媒に溶解性ない
し自己分散性のポリマー成分、および凝集性微粒子を少
なくとも有してなる被処理液を装填し、撹拌装置の撹拌
子を回転させて凝集性微粒子を被処理液中に分散処理す
るにおいて、撹拌装置内を10秒以内に被処理液を通過
させることを特徴とする。
間が10秒を越える場合、被処理液が装置内を1回通過
する間に、被処理液に粒状メディアによって過剰な剪断
力が加わって、処理途中において被処理液が増粘し、分
散処理の中断を余儀なくされてしまう恐れがある。
間は、一般に、湿式ビーズミルとして知られる、ビーズ
等の粒状メディアを分散媒体として有する分散処理装置
ないし湿式粉砕処理装置においては、ほぼ一様に適用可
能であり、その形式、撹拌子の形状、さらにその細部構
造等の相違といった因子にあまり影響を及ぼされない。
アを分散媒体として有する、これらのいずれの湿式分散
処理装置を用いても行うことが可能である。しかしなが
ら、より生産効率および作業性良く、良好な特性の分散
体を得る上では、前記粒状メディアは通過できないが被
処理液は通過できる排出部を有し、前記撹拌子が内部に
位置するまたは壁面の一部を構成する篭体内に、前記粒
状メディアを配してなるバスケットミルタイプのものを
用いることが好ましい。
いることができる湿式分散処理装置として、例示すれ
ば、以下のようなものを挙げることができるが、もちろ
ん、これらに何ら限定されるものではない。また、例え
ば、ベッセルの材質、形状、攪拌子の材質、形状ないし
配置位置、粒状メディアの材質、形状および粒径等につ
いては、得ようとする分散液ないし処理される凝集性微
粒子の化学的性質および比重、粒度等の物理的性質等に
応じて、適宜最適なものが選択可能である。
ア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステン
カーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、ク
ロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属
等を一種あるいは2種以上用いて構成される、横置ない
し縦置の、例えば、円筒型、円錐型、半円筒型、例えば
特公平2−27018号に開示されるものあるいはダイ
アモンドファインミル(三菱重工業株式会社製)等にお
けるような断面W字ないしコの字型のもの、さらには前
記したような好ましいバスケットミルタイプのもの(例
えば特公平6−73620号、特公昭62−16687
号公報、特開平1−210020号公報等)、SCミル
タイプ、縦型ビーズミルタイプ、横型ビーズミルタイプ
のものなど、各種の様式のものとすることができる。
ルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪
素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各
種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合
金などの各種金属等が適宜選択される。なお、この材質
はベッセルの材質と異なっていても何等さしつかえな
い。また、形状としては、例えば、上記した円盤状(デ
ィスク型)、ピン型以外に、ディスクタービン型、ファ
ンタービン型、プロペラ型、螺旋軸翼型、螺旋帯翼型、
ゲート型、アンカー型、円筒状、パドル型といった各種
の形状のもの、さらにはこれらに通液性の孔を形成する
などの改良を付したものなどを、単一であるいは多段に
配することが可能である。また、この攪拌子の形状に応
じて、適当な形状を有する邪魔板ないし固定子を設ける
ことが可能である。さらにこのような攪拌子を形成する
回転軸は、ベッセルと共軸的に配するもののみならず、
ベッセルの中心軸より変位させて、あるいは2軸もしく
は多軸に配置することも可能である。
る凝集性微粒子ないしポリマー溶液(溶媒および該溶媒
に溶解性ないし自己分散性のポリマー成分を含む溶液を
いう。以下同様。)の種類、ベッセルないし攪拌子の形
態等に応じて、適宜変更可能であり、アルミナ、ジルコ
ニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステ
ンカーバイドなどの各種セラミックス、各種ガラス、
鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各
種金属から構成される球状、円筒状、回転楕円体状等の
形状のものが用いられ得るが、このうち、特にアルミ
ナ、ジルコニア、鋼およびクロム鋼などの材質から構成
される球状のビーズで、通常、直径0.05〜20mm
程度、より好ましくは0.1〜5mmのものが望まし
い。
性微粒子分散液は、高度な微分散性を長期間にわたり安
定して示すものであって、さらにこのような凝集性微粒
子分散液を、例えば、着色剤ないしは遮光剤等として各
種の組成物に添加した場合にあっても、凝集性微粒子を
そのまま使用した場合ないしは、例えばポリマー溶液と
単純に撹拌混合して調製した分散液を使用した場合に比
べ、当該組成物における分散安定性低下、凝集による沈
降、粘度上昇、色別れ等の特性の劣化が少なく、また薄
膜上に展開した場合にあっても、基板に対する密着性、
電気的高抵抗性、高遮光性、膜強度等の特性面に関して
著しい改善を示すものである。
て用いられるポリマー溶液のポリマー成分としては、用
いられる溶媒に対し、溶解性ないしは自己分散性を有す
るものであれば、特に限定されるわけではないが、(メ
タ)アクリル系樹脂、特に(メタ)アクリル酸エステル
系ポリマーが好ましい。
アクリル系モノマーとしては、
枝アルキルあるいは、フェニル、シクロヘキシル、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート等があるが、本発明
に主に使用される樹脂の具体的な例としては、
定されるものでないことは言うまでもなく、これらの中
から必要により選ばれる数種類のモノマーにより合成さ
れる樹脂である。上記のアクリル系モノマーの他、次に
挙げられるものも適宜選択して用いることが出来る。そ
れらはジメチルアミノエチルメタクリレート、ベンジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリロニ
トリル、ビニルアセテート、Nービニルピロリドン、テ
トラヒドロフルフリルメタクリレート等である。
ては特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)
アクリル酸エステル系ポリマーの場合には数平均分子量
が500〜50000程度、より好ましくは1000〜
30000程度が適当である。
はなく、使用されるポリマーの種類に応じて、水溶性ま
たは非水溶性の各種のものを使用することができ、例え
ば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、ブチルアルコール、アリルアルコー
ル等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ポリプロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリル
エーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテ
ル等のグリコールないしその誘導体類;グリセロール、
グリセロールモノエチルエーテル、グリセロールモノア
リルエーテル等のグリセロールないしその誘導体類;テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;
流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナフタレン、
デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、トルエン、ジ
メチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、
プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水添されたト
リフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシロキサン、
部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、部分フェニ
ル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシリコーンオ
イル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェニル、クロ
ロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素類、ダイル
ロル(ダイキン工業(株)製)、デムナム(ダイキン工
業(株)製)等のふっ化物類、安息香酸エチル、安息香
酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリ
オクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
ドデシル等のエステル化合物類などが、適宜選択されて
単独でもしくは複数組み合わせて使用される。
るにおいては、凝集性微粒子100質量部に対し、ポリ
マー成分5〜50質量部、より好ましくは10〜30質
量部を添加することが好ましい。すなわち、ポリマーが
5質量部未満であると、凝集性微粒子の表面性状を十分
に改質することが困難となる虞れがあり、一方50質量
部を越えると、凝集性微粒子とともに分散配合されるポ
リマーの量が多くなり、遮光性ないし着色性などといっ
た本来的に要求される凝集性微粒子の特性を損なう虞れ
があるためである。
っても異なるが、ポリマー100質量部に対し、500
〜5000質量部、より好ましくは1000〜4000
質量部とすることが好ましい。溶媒量が500質量部未
満であると、ポリマー溶液の粘度が高くなり撹拌による
分散処理が困難となり、一方溶媒量が5000質量部を
超えると充分な撹拌力を与えてもポリマーによる凝集性
微粒子の表面性状の改質が充分なものとならない虞れが
あるためである。
も、使用されるポリマーの種類等によっても左右される
ため、一概には規定できないが、40〜150℃、好ま
しくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃
程度が適当である。すなわち、加熱温度が極端に低いも
のであると、詳細な理由は明らかではないが、凝集性微
粒子の表面性状の改質が充分なものとはならず、逆に1
50℃を越えると撹拌分散系の制御・維持が困難となる
ためである。
加わる剪断応力としては、特に限定されるものではない
が、102Pa以上、好ましくは103Pa以上、特に好
ましくは104Pa以上とすることが望まれる。
粒子分散液は、高度な微分散性を長期間にわたり安定し
て示すものである。例えば、その凝集性微粒子がチタン
ブラック等の色材である場合、当該分散液は、着色剤な
いしは遮光剤等として各種の組成物に好適に使用され得
る。例えば、その用途としては、各種樹脂組成物、被覆
組成物、インキ、感熱転写インク、感熱転写用インクリ
ボンコート剤、磁気記録媒体用バックコート剤、静電荷
現像用トナー、塗料、高抵抗かつ遮光性を必要とする材
料、液晶用カラーフィルターのブラックマトリクス、L
SIあるいは超LSI等の集積回路の封止剤、人工大理
石、プラスチックないしゴム成形材料、遮光性繊維等の
着色剤あるいは遮光剤成分としての配合、ポリオレフィ
ンやポリエステル等のプラスチックないしゴムの改質剤
ないし充填剤としての配合、その他、潤滑剤、トラクシ
ョンドライブ流体、電気粘性流体や非線形光学材料、電
気抵抗調整、例えば帯電防止材料、複写機内の抵抗材料
やPTC特性を利用した面状発熱体などにおいて用いら
れることができるが、もちろん上記に例示したものに何
ら限定されるわけではない。
た場合にあっても、凝集性微粒子をそのまま使用した場
合ないしは、例えば、ポリマー溶液と単純に撹拌混合し
て調製した分散液を使用した場合に比べ、当該組成物に
おける分散安定性低下、凝集による沈降、粘度上昇、色
別れ等の特性の劣化が少なく、また薄膜上に展開した場
合にあっても、基板に対する密着性、電気的高抵抗性、
高遮光性、膜強度等の特性面に関して著しい改善を示す
ものである。
説明する。なお、以下の実施例および比較例中の「部」
は、すべて質量による。
ク30部と、溶媒としてシクロヘキサノン67部と、該
溶媒に溶解性ないし自己分散性のポリマー成分としてD
isperbyk−180(ビックケミー製)3.0部
とからなる被処理液をベッセルに仕込み、1mmのジル
コニア製ビーズを23kg充填したバスケットミルSS
20Z(浅田鉄工製)を用いて周速7m/sで分散処理
を行った。このときバスケットの下に取り付けた撹拌翼
を調整し、バスケット内を該被処理液が2秒以内で通過
するようにした。10時間分散処理を行った後にジルコ
ニア製ビーズと被処理液を分離して凝集性微粒子分散液
(1)を得た。
バスケット内を被処理液が10秒より長い時間をかけて
通過するようにした以外は、実施例1と同様の操作を行
い、比較用凝集性微粒子分散液(C1)を得た。
子分散液(C1)の平均粒子径および粘度を測定したと
ころ、凝集性微粒子分散液(1)は平均粒子径180n
m、粘度10cPであったのに対し、比較用凝集性微粒
子分散液(C1)では平均粒子径167nm、粘度22
cPであった。さらにこれらの分散液を10日間室温に
て静置した後、同様に平均粒子径および粘度を測定した
ところ、凝集性微粒子分散液(1)は平均粒子径182
nm、粘度11cPであったのに対し、比較用凝集性微
粒子分散液(C1)ではゲル化がおこり平均粒子径、粘
度とも測定不能であった。
子分散液では、高度な微分散性を有すると共に分散安定
性が高いなど分散特性の改善された凝集性微粒子分散液
を比較的簡単な処理にて得ることができる。また、本発
明の製造方法により得られた凝集性微粒子分散液は、高
度な微分散性を長期間にわたり安定して示すものであっ
て、例えば、着色剤ないしは遮光剤等として各種の組成
物に添加して使用した場合に、凝集性微粒子の本来的に
有する着色性、遮光性、低抵抗率等をその分散形態にお
いて如何なく発揮させることができるものである。
において、用いられる撹拌装置の概略構成を示す模式図
である。
子、 4…粒状メディア、5…被処
理液、 6…流入部、7…排出部。
Claims (4)
- 【請求項1】 ベッセル内部に回転撹拌子と複数の粒状
メディアを配してなる撹拌装置内に、溶媒、該溶媒に溶
解性ないし自己分散性のポリマー成分、および凝集性微
粒子を少なくとも有してなる被処理液を装填し、撹拌装
置の撹拌子を回転させて凝集性微粒子を被処理液中に分
散処理するにおいて、 撹拌装置内を10秒以内に被処理液を通過させることを
特徴とする凝集性微粒子分散液の製造方法。 - 【請求項2】 前記凝集性微粒子が、色材であることを
特徴とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 粒状メディアの平均粒子径が、0.05
〜20mmである請求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 前記撹拌装置が、前記粒状メディアは通
過できないが被処理液は通過できる排出部を有し、前記
撹拌子が内部に位置するまたは壁面の一部を構成する篭
体内に、前記粒状メディアを配してなるバスケットミル
タイプのものである請求項1〜3のいずれか1つに記載
の製造方法。
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