JP2001180933A - チタンブラック分散液およびその製造方法 - Google Patents

チタンブラック分散液およびその製造方法

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JP2001180933A
JP2001180933A JP36518599A JP36518599A JP2001180933A JP 2001180933 A JP2001180933 A JP 2001180933A JP 36518599 A JP36518599 A JP 36518599A JP 36518599 A JP36518599 A JP 36518599A JP 2001180933 A JP2001180933 A JP 2001180933A
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dispersion
titanium black
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black
heating
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Nobuyuki Ando
信行 安道
Isato Ikeda
勇人 池田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高度な微分散性を有すると共に分散安定性が
高いチタンブラック分散液を、比較的簡単な処理にて提
供する。 【解決手段】 ベッセル内部に複数の粒状メディアを配
してなる撹拌装置内に、チタンブラック微粒子とポリマ
ー溶液を配し、加熱下に分散処理することにより得られ
たことを特徴とするチタンブラック分散液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンブラック分散液
およびその製造方法に関するものであり、特に、高度な
微分散性を有すると共に分散安定性が高いチタンブラッ
ク分散液を、比較的簡単な処理にて得ることのことので
きる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンブラックは、特に高抵抗性等の性
能を求められる場合における遮光成分、着色成分として
各種組成物に添加されて使用されている。
【0003】しかしながら一般に、チタンブラックのよ
うな固体微粒子、特にその一次粒子径がサブミクロン以
下である微粒子、の多くは、粒子間の凝集力に比べて他
の物質、例えば、水、有機溶剤あるいは有機高分子とい
ったものとの親和力が弱く、二次凝集を生じやすい。従
って、上記したような各種組成物においてより優れた特
性を得ようとする場合、これら固体微粒子をいかに均一
に分散させるかが問題となる。
【0004】この問題を解決するために、固体微粒子の
表面を各種の界面活性剤や樹脂で被覆して、固体状また
は液状の媒体との親和力を高めることにより、固体微粒
子を均一に混合または分散する方法が数多く検討されて
いる。
【0005】例えば、カーボンブラックに関して、重合
性単量体をカーボンブラック共存中で重合させたり、反
応性ポリマーをカーボンブラック表面にグラフト化させ
ることによりカーボンブラックグラフトポリマーを得る
方法が知られており、重合性単量体ないし反応性ポリマ
ーの種類を適当に選択することにより、親水性および/
または親油性を適宜、変えることができるため、近年注
目を浴びているが、チタンブラックに関しては十分な成
果が報告されていない。
【0006】一方、このような二次凝集を起こす固体微
粒子の分散液を得るのに、分散媒液に適当な分散安定剤
を添加し、物理的な攪拌によって分散処理を行なうこと
も公知の技術である。均一な分散には、巨視的混合と同
時に小規模な乱れ運動に基づく微視的混合も考慮する必
要があり、従来、このような分散液を得る装置として
は、被処理流体を収容するベッセルの形状、攪拌子の形
状、数および配置位置あるいはその回転速度、邪魔板な
いし仕切板の配置の有無、さらに、ベッセル内部に導入
されるボールないしビーズといった分散媒体の使用、そ
の形状、材質等において、それぞれ工夫を凝らした各種
の湿式分散処理装置ないし湿式粉砕処理装置が提唱され
ている。
【0007】このなかで、一般に、攪拌子と分散媒体を
併用するタイプのものは、比較的良好な分散状態を形成
できるものとして現在多くの分野で使用されている。こ
のタイプに属する分散処理装置としては、例えば特公昭
59−22577号、特公平2−27018号、特開平
2−68151号、特開平3−101820号、特公平
7−12441号、特公平7−4552号、特開平4−
326934号、特公平6−73620号、特開平5−
38425号、特開平4−281855号、特開平6−
351号、特開平6−212896号、特開平6−21
0148号、特開平式6−134271号等に開示があ
る。
【0008】しかしながら、このような湿式分散処理装
置ないし湿式粉砕処理装置を用いての固体微粒子の分散
液の調製は、該処理装置にて常温下で固体微粒子を分散
媒液と攪拌混合して行なわれるものであり、攪拌混合に
よって生じる物理的な外力によって分散状態を形成して
いるものであるために、得られる分散液の安定性は十分
なものとは言えず、また分散処理に長持間を要するとい
った問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、着
色成分ないし遮光成分として各種組成物に添加すること
のできるチタンブラック分散液を提供することを目的と
するものである。本発明はまた、高度な微分散性を有す
ると共に分散安定性が高く、各種組成物に添加した際に
極めて良好な特性を発揮できるチタンブラック分散液を
提供することを目的とする。本発明はさらに、比較的簡
単な処理にて分散特性の改善されたチタンブラック分散
液を得ることのことのできる方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、(1)ベ
ッセル内部に複数の粒状メディアを配してなる撹拌装置
内に、チタンブラック微粒子とポリマー溶液を配し、加
熱下に分散処理することにより得られたことを特徴とす
るチタンブラック分散液により達成される。
【0011】本発明はまた、(2)チタンブラック分散
液が着色コーティング組成物の着色ないし遮光成分とし
て用いられるものである上記(1)に記載のチタンブラ
ック分散液を示すものである。
【0012】本発明はさらに、(3)チタンブラック分
散液が感光性黒色樹脂組成物、特にカラーフィルターの
ブラックマトリックスを形成する感光性黒色樹脂組成物
の着色ないし遮光成分として用いられるものである上記
(1)または(2)に記載のチタンブラック分散液を示
すものである。
【0013】上記諸目的はまた、(4)ベッセル内部に
複数の粒状メディアを配してなる撹拌装置内に、チタン
ブラック微粒子とポリマー溶液を配し、加熱下に分散処
理することを特徴とするチタンブラック分散液の製造方
法によっても達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施形態に基づき詳
細に説明する。
【0015】本発明に係るチタンブラック分散液は、ベ
ッセル内部に複数の粒状メディアを配してなる撹拌装置
内に、チタンブラック微粒子とポリマー溶液を配し、加
熱下に分散処理することにより得られるものである。
【0016】このようして得られる本発明に係るチタン
ブラック分散液は、高度な微分散性を長期間にわたり安
定して示すものであって、さらにこのようなチタンブラ
ック分散液を着色剤ないしは遮光剤等として各種の組成
物に添加した場合にあっても、チタンブラックをそのま
ま使用した場合ないしは、例えばポリマー溶液と単純に
撹拌混合して調製した分散液を使用した場合に比べ、当
該組成物における分散安定性低下、凝集による沈降、粘
度上昇、色別れ等の特性の劣化が少なく、また薄膜上に
展開した場合にあっても、基板に対する密着性、電気的
高抵抗性、高遮光性、膜強度等の特性面に関して著しい
改善を示すものである。
【0017】このような作用効果が得られる詳細な理由
は明らかではないが、チタンブラック微粒子をポリマー
溶液中に添加し単純に撹拌混合を行って得られるチタン
ブラック分散液を用いても、このような優れた作用効果
は何ら発揮されないものであることからすれば、分散処
理を行なった際、チタンブラックは、物理的なトルク力
を受け、二次凝集状態より解砕され一次粒子として分散
媒液中に存在することとなるが、粒状メディアを用いた
分散処理であるために、チタンブラックに充分なトルク
力が加わること、また分散系が加熱状態とされているこ
とで、非常に良好な解砕微分散化が図られ、この微分散
化されたチタンブラックに対しポリマーによる均一かつ
良好な表面被覆処理がなされているためと思われ、さら
に解砕されたチタンブラック表面と被覆ポリマーが活性
な状態にあるため、化学的ないしはメカノケミカルな、
何らかの反応がこれらの間で生じているとも考えられ
る。
【0018】本発明で用いるチタンブラックは、低次酸
化チタンや酸窒化チタン等を意味する。このうち低次酸
化チタンとしては、例えば、特開昭49−5432号公
報(特公昭52−12733号公報)に記載された、二
酸化チタンと金属チタン粉末を真空もしくは還元雰囲気
中で、550〜1100℃の温度で加熱して得られる。
TinO2n-1(nの正の整数)で示される黒色系の化合
物や、特開昭64−11572号公報に記載された、含
水二酸化チタンと金属チタン粉末を、珪素、アルミニウ
ム、ニオブ、タングステン等を含む化合物からなる焼成
処理補助剤の存在下、不活性雰囲気中で加熱して得られ
る化合物が挙げられる。又、酸窒化チタンとしては例え
ば、特開昭60−65069号公報(特公平3−516
45号公報)や特開昭60−200827号公報(特公
平2−42773号公報)に記載された、二酸化チタン
や水酸化チタンの粉末をアンモニア存在下、550〜9
50℃程度の温度で還元して得られる黒色系の化合物が
挙げられる。その他に、特開昭61−201610号公
報(特公平3−29010号公報)に記載された、バナ
ジウムを二酸化チタン等に付着させ、アンモニア存在
下、750〜875℃で還元して得られる黒色系の化合
物も挙げられる。
【0019】一方、このようなチタンブラックを分散処
理するにおいて用いられるポリマー溶液のポリマー成分
としては、特に限定されるわけではないが、例えばスチ
レン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルスチ
レン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p−
クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、
アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ス
テアリル、メクリル酸ヒドロキシエチル、メクリル酸ヒ
ドロキシプロピル等の(メタ)アタクリル酸系モノマ
ー;エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢
酸ビニル、アクリルニトリル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、N−ビニルピロリドン等の各種モノマーの
単独あるいは共重合体が例示できる。このうち、(メ
タ)アクリル酸エステル系ポリマーが好ましい。
【0020】またこのようなポリマーの平均分子量とし
ては特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)
アクリル酸エステル系ポリマーの場合には数平均分子量
が500〜50000程度、より好ましくは1000〜
30000程度が適当である。
【0021】また、用いられる溶媒としては、本発明に
係るチタンブラック分散液が、着色剤、遮光剤等として
添加される最終製品の組成物における当該組成物の分散
用溶剤として機能し得る限りにおいて、特に限定される
ものではなく、使用されるポリマーの種類に応じて、水
溶性または非水溶性の各種のものを使用することがで
き、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリ
ルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレング
リコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール
モノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノア
リルエーテル等のグリコールないしその誘導体類;グリ
セロール、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロ
ールモノアリルエーテル等のグリセロールないしその誘
導体類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナ
フタレン、デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、ト
ルエン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチル
ベンゼン、プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水
添されたトリフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシ
ロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、
部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシ
リコーンオイル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェ
ニル、クロロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素
類、ダイルロル(ダイキン工業(株)製)、デムナム
(ダイキン工業(株)製)等のふっ化物類、安息香酸エ
チル、安息香酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメ
リット酸トリオクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ドデシル等のエステル化合物類などが、
適宜選択されて単独でもしくは複数組み合わせて使用さ
れる。
【0022】本発明に係るチタンブラック分散液を調製
するにおいては、チタンブラック100質量部に対し、
ポリマー成分5〜50質量部、より好ましくは10〜3
0質量部を添加することが好ましい。すなわち、ポリマ
ーが5質量部未満であると、チタンブラックの表面性状
を十分に改質することが困難となる虞れがあり、一方5
0質量部を越えると、チタンブラックとともに分散配合
されるポリマーの量が多くなり、遮光性ないし着色性な
どといった本来的に要求されるチタンブラックの特性を
損なう虞れがあるためである。
【0023】また溶媒量としては、ポリマーの種類によ
っても異なるが、ポリマー100質量部に対し、300
〜2000質量部、より好ましくは500〜1000質
量部とすることが好ましい。溶媒量が300質量部未満
であると、ポリマー溶液の粘度が高くなり撹拌による分
散処理が困難となり、一方溶媒量が2000質量部を超
えると充分な撹拌力を与えてもポリマーによるチタンブ
ラックの表面性状の改質が充分なものとならない虞れが
あるためである。
【0024】また、攪拌混合時における加熱温度として
も、使用されるポリマーの種類等によっても左右される
ため、一概には規定できないが、40〜150℃、好ま
しくは50〜120℃、より好ましくは660〜100
℃程度が適当である。すなわち、加熱温度が極端に低い
ものであると、詳細な理由は明らかではないが、チタン
ブラックの表面性状の改質が充分なものとはならず、逆
に150℃を越えると撹拌分散系の制御・維持が困難と
なるためである。
【0025】さらに分散処理において、チタンブラック
に加わる剪断応力としては、特に限定されるものではな
いが、102Pa以上、好ましくは103Pa以上、特に
好ましくは104Pa以上とすることが望まれる。
【0026】本発明に係るチタンブラック分散液を調製
するにおいて、このような適当な剪断応力を加えながら
加熱下において分散処理するために、本発明において
は、被処理流体を内部に収容するためのベッセル、この
ベッセル内部において回転する攪拌子、ベッセル内部に
収容された被処理流体を加熱するための加熱装置、およ
び、ベッセル内部に収容された複数の粒状メディアを有
してなる湿式分散処理装置を用いる。
【0027】攪拌子とビーズ等の粒状メディアを併用し
て攪拌ないし解砕を行なう湿式分散処理装置ないし湿式
粉砕処理装置は、公知のものとして数多く知られている
が、本発明においては、このような処理装置に、被処理
流体を加熱するための加熱装置を付加するという装置構
成として用いるものである。以下、その構成例を示す。
【0028】図1および図2は、それぞれ、本発明に係
る固体微粒子の表面改質処理方法に使用される湿式分散
処理装置の一実施態様の構成を模式的に示す断面図であ
る。
【0029】図1に示す実施態様の湿式分散処理装置
は、軸線が略水平方向に位置してなる円筒型閉塞容器体
からなるベッセル1を備えた横型の処理装置である。こ
のベッセル1の外壁面における左右の円盤状端面部のう
ちの一方(図中左側、以下左側端面部と称する。)の中
心部には回転軸挿通孔が設けられており、この挿通孔を
通じて、回転軸2がベッセル外部よりベッセル内部空間
へとベッセルの軸線に沿って液密に挿通されている。そ
して、この回転軸2のベッセル内部空間に位置する部位
には、円盤状の複数の攪拌子3がそれぞれ所定間隔離間
されてこの回転軸2に略垂直な方向に沿って取付けられ
ており、一方ベッセル外部においてこの回転軸2は図示
しない駆動装置に連結されている。またベッセル1の外
壁面における円筒状周面部の前記左側端面部近傍でかつ
上方に位置する部位には、流体導出口14が設けられ、
一方、反対側の端面部(以下、右側端面部と称する。)
の近傍でかつ下方に位置する部位には逆止弁12を備え
た流体導入口13が設けられており、これにより同装置
は連続処理方式のものとされている。そして、ベッセル
1の内部空間内には、粒状メディアとして多数の球状ビ
ーズ4が充填されており、前記流体導出口14の近傍に
は、前記球状ビーズ4は通過できないが、分散液ないし
は固体微粒子は通過することのできる間隙15cを有す
るメディアセパレータ15が配置されている。前記メデ
ィアセパレータ15の間隙15cは、ベッセル1の軸線
にそれぞれ略垂直な方向に配置された、円環状の固定板
部15aと、回転円盤部15bとの間に形成されるもの
であり、この固定板部15aの外周は全周にわたりベッ
セルの内周面(円筒状周面部)に接続され、一方、回転
円盤部15bは、前記攪拌子3の場合と同様に回転軸2
に取付けられている。
【0030】しかして、このベッセル1の壁面外周には
加熱装置としてリボンヒーター11が巻装されており、
ベッセル1内部空間に収容される被分散液を加熱するこ
とができる構成とされている。なお、ベッセル1の右側
端面部には、ベッセル内部に収容される流体の温度を測
定するための熱電対5が取付けられている。
【0031】この装置において、流体導入口13よりベ
ッセル1内部空間に導入された被処理流体、すなわち、
例えば、二次凝集状態にあるチタンブラック、およびポ
リマー溶液からなる配合物は、流体導出口14より導出
されるまでの間に、攪拌子3の回転およびこの回転によ
る充填された球状ビーズ4の個々の回転・旋回、相互の
接触・衝突等を伴なう流動運動によって生じる剪断力を
受けると共に、リボンヒーター11による加熱を受け、
解砕され個々に分離した一次粒子となったチタンブラッ
クが、ポリマー溶液中に均一に分散されていくと同時
に、当該チタンブラックのポリマーでの改質処理が効率
よくなされ、最終的に流体導出口14からは取出される
分散液は、取出し直後の分散状態が良好であるのみなら
ず、その分散状態を長持間安定して維持するものとな
る。
【0032】また、図2に示す実施態様の湿式分散処理
装置は、軸線が略鉛直方向に位置してなる上端が開口さ
れた円筒型容器体本体1aと前記開口を覆う蓋体1bか
らなるベッセル1を備えた縦型のバッチ式の処理装置で
ある。このベッセル1の蓋体1bの中心部には回転軸挿
通孔が設けられており、この挿通孔を通じて、回転軸2
がベッセル外部よりベッセル内部空間へとベッセルの軸
線に沿って挿通されている。そして、この回転軸2のベ
ッセル内部空間に位置する部位には、ピン状の複数の攪
拌子3aが、ベッセルの軸線方向においてそれぞれ所定
間隔離間されて多段に、かつ、ベッセルの軸線に略垂直
な面において回転軸を中心として放射状に広がるように
取付けられている。一方、ベッセル1の内周側面には、
ベッセルの軸線方向において前記攪拌子3aと相互に干
渉しない位置に多段に(つまり、ちょうど2つの櫛のそ
れぞれの櫛歯が噛合うごとく配置する。)、かつベッセ
ルの軸線に略垂直な面において内周側面より回転軸に向
い放射状に収束するようにピン状の複数の固定子3bが
取付けられおり、一種のいわゆる邪魔板として作用す
る。なお、回転軸2はベッセルの外部において図示しな
い駆動装置に連結されている。そして、ベッセル1の内
部空間内には、前記図1に示す実施態様におけると同様
に、粒状メディアとして多数の球状ビーズ4が充填され
ている。
【0033】しかして、このベッセル1の円筒型容器体
本体1a壁面外周には、加熱ジャケット6が形成されて
おり、この加熱ジャケット6は、加熱ヒータ9を備えた
熱媒タンク8と、途中に熱媒循環ポンプ7を配してなる
循環管路により連結されており、循環する熱媒によっ
て、ベッセル1内部空間に収容される被分散液を加熱す
ることができる構成とされている。
【0034】この装置において、ベッセル1内部空間に
装填された被処理流体、すなわち、例えば、二次凝集状
態にあるチタンブラック、およびポリマー溶液からなる
配合物は、所定時間の攪拌処理により、攪拌子3aの回
転およびこの回転する攪拌子3aと固定子3bの存在に
よりもたらされる充填された球状ビーズ4の個々の回転
・旋回、相互の接触・衝突等を伴なう流動運動によって
生じる剪断力を受けると共に、加熱ジャケット6による
加熱を受け、解砕され個々に分離した一次粒子となった
チタンブラックが、ポリマー溶液中に均一に分散されて
いくと同時に、当該チタンブラックのポリマーによる改
質処理が効率よくなされ、所定時間経過後に得られる分
散液は、取出し直後の分散状態が良好であるのみなら
ず、その分散状態を長持間安定して維持するものとな
る。
【0035】以上は、湿式分散処理装置の構成を図示し
た実施態様に基づき説明したが、この装置において、ベ
ッセル内の被処理流体を加熱するための加熱装置として
は、ベッセル内の被処理流体を有効に加熱できるもので
ある限り、任意の様式のものとすることができ、上記し
たような熱媒循環方式、リボンヒーター以外にも、例え
ば、セラミックスヒーターないし赤外加熱方式、高周波
誘導加熱方式、コイルヒーター等各種のものを採用する
ことが可能であり、またその配置位置としても上記実施
態様におけるようにベッセルの外周に配置するもののみ
ならず、攪拌子の回転に支障を来さない限りベッセルの
内部空間に配置することも可能であり、加熱装置を、例
えば、ベッセル内面、攪拌子ないし回転軸、あるいは固
定子ないし邪魔板に組付けるといったことも可能であ
る。このうち、装置の構造あるいは温度制御の面からベ
ッセルの外周部に加熱装置を配置するのが好ましい。
【0036】また、この装置において、加熱装置以外の
湿式分散処理装置の基本的構成、例えば、連続式ないし
バッチ式、ベッセルの材質、形状、攪拌子の材質、形状
ないし配置位置、粒状メディアの材質、形状および粒径
等についても特に限定されるものではなく、得ようとす
る分散液ないし処理されるチタンブラックの化学的性質
および比重、粒度等の物理的性質等に応じて、適宜選択
可能である。
【0037】ベッセルとしては、アルミナ、ジルコニ
ア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステン
カーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、ク
ロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属
等を一種あるいは2種以上用いて構成される、横置ない
し縦置の、例えば、円筒型、円錐型、半円筒型、例えば
特公平2−27018号に開示されるものあるいはダイ
アモンドファインミル(三菱重工業株式会社製)等にお
けるような断面W字ないしコの字型のもの、さらには例
えば特公平6−73620号に開示されるもののように
内部に粒状メディアを収容してなるベッセル(攪拌子を
備えたないし攪拌子がベッセル壁面の一部を形成する)
をその内外の流体(分散液)流通を可能なものより大き
な容器体内部に配置したものなど、各種の様式のものと
することができる。
【0038】また攪拌子としては、ベッセルと同様、ア
ルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪
素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各
種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合
金などの各種金属等が適宜選択される。なお、この材質
はベッセルの材質と異なっていても何等さしつかえな
い。また、形状としては、例えば、上記した円盤状(デ
スク型)、ピン型以外に、デスクタービン型、ファンタ
ービン型、プロペラ型、螺旋軸翼型、螺旋帯翼型、ゲー
ト型、アンカー型、円筒状、パドル型といった各種の形
状のもの、さらにはこれらに通液性の孔を形成するなど
の改良を付したものなどを、単一であるいは多段に配す
ることが可能である。また、この攪拌子の形状に応じ
て、適当な形状を有する邪魔板ないし固定子を設けるこ
とが可能である。さらにこのような攪拌子を形成する回
転軸は、ベッセルと共軸的に配するもののみならず、ベ
ッセルの中心軸より変位させて、あるいは2軸もしくは
多軸に配置することも可能である。
【0039】さらに、粒状メディアとしては、処理され
るチタンブラックないしポリマー溶液の種類、ベッセル
ないし攪拌子の形態等に応じて、適宜変更可能であり、
アルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化
珪素、タングステンカーバイドなどの各種セラミック
ス、各種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケ
ル系合金などの各種金属から構成される球状、円筒状、
回転楕円体状等の形状のものが用いられ得るが、このう
ち、特にアルミナ、ジルコニア、鋼およびクロム鋼など
の材質から構成される球状のビーズで、通常、直径0.
05〜20mm程度、より好ましくは0.1〜5mmの
ものが望ましい。また、これらの粒状メディアのベッセ
ルへの充填割合は、ベッセルないし攪拌子の形態等によ
っても左右されるものであるため、限定されるものでは
ないが、例えばベッセルの有効容積の20〜90%、よ
り好ましくは30〜80%とされる。なお、充填割合が
極端に少ないと、二次凝集状態にあるチタンブラックの
十分な解砕、およびチタンブラックのポリマーによる改
質が十分なものとはならず、一方充填割合が極端に多い
と粒状メディアの磨耗によるコンタミネーションの増大
を引き起こす虞れがある。
【0040】このようにして得られる本発明のチタンブ
ラック分散液は、高度な微分散性を長期間にわたり安定
して示すものであり、着色剤ないしは遮光剤等として各
種の組成物に好適に使用され得る。例えば、その用途と
しては、各種樹脂組成物、被覆組成物、インキ、感熱転
写インク、感熱転写用インクリボンコート剤、磁気記録
媒体用バックコート剤、静電荷現像用トナー、塗料、高
抵抗かつ遮光性を必要とする材料、液晶用カラーフィル
ターのブラックマトリクス、LSIあるいは超LSI等
の集積回路の封止剤、人工大理石、プラスチックないし
ゴム成形材料、遮光性繊維等の着色剤あるいは遮光剤成
分としての配合、ポリオレフィンやポリエステル等のプ
ラスチックないしゴムの改質剤ないし充填剤としての配
合、その他、潤滑剤、トラクションドライブ流体、電気
粘性流体や非線形光学材料、電気抵抗調整、例えば帯電
防止材料、複写機内の抵抗材料やPTC特性を利用した
面状発熱体などにおいて用いられることができるが、も
ちろん上記に例示したものに何ら限定されるわけではな
い。
【0041】そしてこのように、各種の組成物に添加し
た場合にあっても、チタンブラックをそのまま使用した
場合ないしは、例えばポリマー溶液と単純に撹拌混合し
て調製した分散液を使用した場合に比べ、当該組成物に
おける分散安定性低下、凝集による沈降、粘度上昇、色
別れ等の特性の劣化が少なく、また薄膜上に展開した場
合にあっても、基板に対する密着性、電気的高抵抗性、
高遮光性、膜強度等の特性面に関して著しい改善を示す
ものである。
【0042】次に、本発明に係るチタンブラック分散液
を感光性黒色樹脂組成物に配合する場合を例にとり、本
発明に係るチタンブラック分散液の応用例を説明する。
【0043】この感光性黒色樹脂組成物は、上記したよ
うな分散処理によって得られたチタンブラック分散液
を、主たる遮光ないし着色成分として用いることを特徴
とするものであり、その他の成分としては特に限定され
るものではなく、例えば、アルカリバインダー樹脂、エ
チレン系不飽和二重結合を有するモノマー、及び光重合
開始剤等を含有し得る。
【0044】感光性黒色樹脂組成物における上記チタン
ブラック分散液の配合量は、当該チタンブラック分散液
中に含まれるチタンブラックが、感光性黒色樹脂組成物
の固形分総量の30〜70質量%、より好ましくは40
〜60質量%となるように配合することが好ましい。3
0質量%未満では十分な遮光性ないし着色性が発揮でき
なくなる虞れがあり、一方70質量%を超えると被膜強
の低下、分散安定性及び現像時のパターニング性の低下
などの原因となる虞れが生じるためである。
【0045】アルカリバインダー樹脂としては、公知の
高分子化合物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチル
エステル、ブチルエステル等)の単独ないし共重合体、
ポリ(メタ)アクリル酸、スチレンと無水マレイン酸等
の不飽和二塩基酸無水物との共重合体等がある。また分
子中にカルボキシル基、水酸基、アミノ基、カルボン酸
アミド基、スルフォン酸アミド基等を含む高分子化合物
があるが、これらに何ら限定されるものではない。
【0046】これらのバインダー樹脂の添加量は、固形
分総量の10〜43質量%が好ましい。10質量%未満
では基板とのパターン強度が低下し、一方43質量%を
超えると樹脂層の粘着性が強固になり、現像性低下の原
因となるためである。また、エチレン性不飽和二重結合
を有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2
−エチル−2−プロパンジオールジアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアナート、1,4−ジイソプロ
ペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンメタク
リレート、デカメチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、またはジアリルフマレート等が挙げられる。特
に好ましくは、2−ブチルプロバンジオールジアクリレ
ート、ペンタエリスルトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート、またはポリオキシエチ
ル化トリメチロールプロパントリアクリレートである。
これらのラジカル重合性モノマーの添加量は、特に限定
されるものではないが固形分総量の1〜10質量%が好
ましい。1質量%未満では十分な感度が得られず、多く
の露光量をかけなければならない。一方10質量%を超
えると経時安定性の低下やパターン形状不良などの問題
が発生する。
【0047】光重合開始剤としては、既知のすべての化
合物を使用することが可能である。例えば、ベンジル、
アセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン等のアシロイ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロイ
ンエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエチルキサ
ントン、チオキサントン−4−スルフォン等のチオキサ
ントン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフ
ェノン、p−ジメチルアセトフェノン、α,α’−ジメ
トキシアセトキシアセトフェノン、2,2’−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセト
フェノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等のアセトフ
ェノン類およびアントラキノン、1,4−ナフトキノン
等のキノン類、トリブロモメチルフェニルスルフォン、
フェナンシルクロライド、トリス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、p−メトキシフェニル−2,4−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−
ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,
4−オキサジアゾール、9,10−ジメチルベンズフェ
ナジン、9−フェニルアクリジン、チオキサントン/ア
ミン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ベンジルジ
メチルケタール、ヘキサアリールビイミダゾール/メル
カプトベンズイミダゾール等が挙げられる。特に好まし
くはトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、p
−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、α,α’−ジメトキシアセトキ
シアセトフェノンが挙げられる。
【0048】これらの光重合開始剤は、その総量がバイ
ンダー樹脂に対して0.5〜40質量%となるような量
で使用することが好ましい。すなわち、0.5質量%未
満では感度を得られにくく、40質量%を超えると結晶
の析出による硬化不足等の原因となるためである。
【0049】また、感光性黒色樹脂組成物における分散
用溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル等のセルソルブ類及びこれらの酢酸エステ
ル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸n−ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチル
ケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、およびエタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ンなどのアルコール類が挙げられる。
【0050】このような分散用溶剤の使用量としては、
特に限定されるものではないが、前記したチタンブラッ
ク分散液中の溶剤成分と併せて、全固形分に対し50〜
200質量%の量となる範囲で使用することが好まし
い。
【0051】光酸発生剤としてはトリアジン系化合物、
オニウム塩系化合物があるトリアジン系化合物としては
上記記載の通りである。
【0052】オニウム塩系化合物としてはジフェニルヨ
ードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフルオロホロネーート、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨード
ニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨ
ードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨード
ニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェ
ニル−フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、
4−メトキシフェニル−フェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロホスホネートなどが挙げられる。架橋剤として
は、N−メチロール構造を有するものが用いられ、例え
ばメチロール化尿素、尿素樹脂、メチロール化メラミ
ン、ブチロール化メラミン、メチロール化グアナミン、
あるいはこれらの化合物のアルキルエーテルを用いるこ
とができ、熱安定性が高いという点からアルキルエーテ
ル化合物がより好ましい。このアルキルエーテルのアル
キル基としては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
特に、このアルキルエーテル化合物としては感度の点か
らヘキサメチロールメラミンのアルキルエーテル化合物
がより好ましい。上記架橋剤は、露光後発生した酸素存
在化の加熱により、上記樹脂と架橋反応を起こしパター
ン形成する。
【0053】本発明に係るチタンブラック分散液を配合
した感光性黒色樹脂組成物を調製する方法としては、特
に限定されるものではないが、例えば、上記したような
材料を、ディゾルバー型撹拌機、ターボ型撹拌機、二軸
式撹拌機等の撹拌機を用いて混和する、あるいは二本ロ
ールミル、三本ロールミル、サンドミル、ペイントシェ
ーカー等の分散機を用いて混練することにより行われ
る。
【0054】次に本発明に係るチタンブラック分散液を
配合した感光性黒色樹脂組成物を用い、カラーフィルタ
ーのブラックマトリックスを形成する方法について図面
を用いて説明する。
【0055】図3に示すように、基板21上に感光性黒
色樹脂組成物22をバーコート法、ロールコート法、ス
ピンナー法、あるいはカーテンコート法などを用いて、
均一に塗布し黒色樹脂層を形成する。乾燥を必要とする
場合は、70〜100℃程度の温度にて加熱しても良
い。
【0056】次にマスクパターン23を用いてブラック
マトリックスにする箇所のみに紫外線を照射し、露光を
行い、ラジカル重合させて硬化させる。露光に使用する
光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等である。
【0057】次に、アルカリ水溶液を現像液として、未
露光部の黒色樹脂層を除去して、ブラックマトリックス
を形成する。
【0058】上記現像液としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ムなどの無機アルカリ溶液、トリエチルアミンなどのア
ルキルアミン類、トリエタノールアミンなどのアルコー
ルアミン類、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド
などの第四級アンモニウム塩などを用いることができ
る。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コールなどのアルコール系極性溶剤なども用いることが
できる。
【0059】また、上記現像液には、必要に応じて、他
の添加剤、例えば、界面活性化剤、湿潤剤、有機溶剤な
どを添加しても良い。
【0060】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。なお、以下合成例、実施例および比較例中の
「部」は、すべて質量による。 合成例1 撹拌羽根、不活性ガス導入管、還流冷却管、温度計及び
滴下漏斗を備えたセパラブルフラスコに溶剤としてシク
ロヘキサノン200部を仕込み、N2気流下80℃に昇
温しておいた。
【0061】ブチルメタクリレート50部、ヒドロキシ
エチルメタクリレート20部、メチルメタクリレート1
0部、メタクリル酸20部及び開始剤としてアゾイソブ
チロニトリル10部及びシクロヘキサノン100部を混
合し溶解させたものを滴下漏斗に仕込み3時間にわたり
80℃に保ちながら滴下を行い、さらに2時間重合反応
を進めた後、冷却して取り出し、重合体溶液(1)(不
揮発分25%)を得た。
【0062】実施例1 チタンブラック13R(三菱マテリアル(株)製)1k
gをヘンシェルミキサーにて10分間解砕した。
【0063】次に図2に示すような構成を有する装置
(ベッセル内容量1.2リットル)に、直径1mmのジ
ルコニア製ビーズ2kgを充填し、上記で得られた解砕
チタンブラック300部、合成例1で得られた重合体溶
液(1)216部、シクロヘキサノン30部を仕込ん
だ。ついで予め加熱しておいた熱媒を循環させることに
より、ベッセル内部を160℃に昇温し、ディスクの外
周速度10m/sで2時間運転を行った後冷却し、ジル
コニア製ビーズを分離して顔料分散液(1)を得た。
【0064】比較例1 実施例1において熱媒を循環させる部分につき冷却水を
循環させることによってベッセル内部を50℃以下にし
た以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、比較用顔
料分散液(C1)を得た。
【0065】実施例2および比較例2 上記顔料分散液(1)及び比較用顔料分散液(C1)を
各1部とり、4部のシクロヘキサノンを加え混合分散さ
せたものをガラス板上にスピンコートした。室温乾燥し
た後、日本電色工業(株)製、濁度計(型式ND−10
01DP)を用いヘイズ値を測定したところ、顔料分散
液(1)はヘイズ値が4.2であったのに対し、比較用
顔料分散液(C1)では8.1であった。これは顔料分
散液(1)における分散が細かいことを示している。
【0066】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のチタンブラ
ック分散液は、本発明に係るチタンブラック分散液は、
高度な微分散性を長期間にわたり安定して示すものであ
って、各種の黒色被膜要素形成剤としてそのまま使用し
た場合に、あるいは着色剤ないしは遮光剤等として各種
の組成物に添加して使用した場合に、チタンブラックの
本来的に有する着色性、遮光性、低抵抗率等をその分散
形態において如何なく発揮させることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るチタンブラック分散液の製造方
法において用いられる湿式分散処理装置の一実施態様の
構成を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明に係るチタンブラック分散液の製造方
法において用いられる湿式分散処理装置の別の実施態様
の構成を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明に係るチタンブラック分散液を配合し
た感光性黒色樹脂組成物を用いブラックマトリックスを
形成する場合の形成工程を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…ベッセル 2…回転軸 3、3a…攪拌子 3b…固定子 4…分散媒体(球状ビーズ) 5…熱電対 6…加熱ジャケット 7…熱媒循環ポンプ 8…熱媒タンク 9…加熱ヒータ 11…リボンヒーター 13…流体導入口 14…流体導出口 21…基板 22…感光性黒色樹脂組成物 23…フォトマスク 24…ホットプレート 25…感光性黒色樹脂形成物 26…露光硬化部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D063 FF14 FF21 FF35 GA10 GC01 GC07 GC29 GC31 GD22 GD27 4G035 AB46 AE13 AE15 4G047 CA02 CB08 CC03 CD03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッセル内部に複数の粒状メディアを配
    してなる撹拌装置内に、チタンブラック微粒子とポリマ
    ー溶液を配し、加熱下に分散処理することにより得られ
    たことを特徴とするチタンブラック分散液。
  2. 【請求項2】 チタンブラック分散液が着色コーティン
    グ組成物の着色ないし遮光成分として用いられるもので
    ある請求項1に記載のチタンブラック分散液。
  3. 【請求項3】 チタンブラック分散液が感光性黒色樹脂
    組成物の着色ないし遮光成分として用いられるものであ
    る請求項1または2に記載のチタンブラック分散液。
  4. 【請求項4】 ベッセル内部に複数の粒状メディアを配
    してなる撹拌装置内に、チタンブラック微粒子とポリマ
    ー溶液を配し、加熱下に分散処理することを特徴とする
    チタンブラック分散液の製造方法。
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