JPH09907A - 湿式分散処理装置 - Google Patents

湿式分散処理装置

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JPH09907A
JPH09907A JP7147939A JP14793995A JPH09907A JP H09907 A JPH09907 A JP H09907A JP 7147939 A JP7147939 A JP 7147939A JP 14793995 A JP14793995 A JP 14793995A JP H09907 A JPH09907 A JP H09907A
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vessel
solid fine
fine particles
dispersion
dispersion medium
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Application number
JP7147939A
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English (en)
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Hironobu Toribuchi
浩伸 鳥淵
Nobuyuki Ando
信行 安道
Isato Ikeda
勇人 池田
Mitsuo Kushino
光雄 串野
Yoshikuni Mori
悦邦 森
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH09907A publication Critical patent/JPH09907A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F35/00Accessories for mixers; Auxiliary operations or auxiliary devices; Parts or details of general application
    • B01F35/90Heating or cooling systems
    • B01F35/92Heating or cooling systems for heating the outside of the receptacle, e.g. heated jackets or burners

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 顔料等の固体微粒子を分散媒液に安定に分散
させるために、分散処理と合せて固体微粒子の表面改質
を行なう場合に有用な湿式分散処理装置を提供する。 【構成】 被処理流体を内部に収容するためのベッセル
1と、このベッセル内部において回転する攪拌子3と、
ベッセル内部に収容された複数の粒状分散媒体4とを少
なくとも備えてなる湿式分散処理装置であって、ベッセ
ル内の被処理流体を加熱するための加熱装置11を備え
てなることを特徴とする湿式分散処理装置。 【効果】 解砕され個々に分離した一次粒子となった固
体微粒子が、分散媒液中に均一に分散されていくと同時
に、当該固体微粒子表面の官能基と反応性ポリマーの反
応基との反応が効率よくなされ、反応性ポリマーが固体
微粒子表面にグラフト化されて固体微粒子の分散媒液に
対する親和性が改善され、得られる分散液における固体
微粒子の分散安定性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、顔料、磁性粉、セラミ
ックス粉体等の固体微粒子の分散液を得るのに用いられ
る湿式分散処理装置に関するものであり、特に、固体微
粒子を分散媒液に安定に分散させるために、分散処理と
合せて固体微粒子の表面改質を行なう場合に有用な湿式
分散処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】顔料、磁性粉、セラミックス粉体等の固
体微粒子は、そのまま単独で使用されるよりも、着色、
補強、充填等といった機能を付与する目的で、種々の用
途における各種組成物中に添加されて使用される場合が
多い。
【0003】しかしながらこのような固体微粒子の多く
は、粒子間の凝集力に比べて他の物質、例えば、水、有
機溶剤あるいは有機高分子といったものとの親和力が弱
く、二次凝集を生じやすい。従って、上記したような各
種組成物においてより優れた特性を得ようとする場合、
これら固体微粒子をいかに均一に分散させるかが問題と
なる。
【0004】このような二次凝集を起こす固体微粒子の
分散液を得るには、巨視的混合と同時に小規模な乱れ運
動に基づく微視的混合も考慮する必要があり、従来、こ
のような分散液を得る装置としては、被処理流体を収容
するベッセルの形状、攪拌子の形状、数および配置位置
あるいはその回転速度、邪魔板ないし仕切板の配置の有
無、さらに、ベッセル内部に導入されるボールないしビ
ーズといった分散媒体の使用、その形状、材質等におい
て、それぞれ工夫を凝らした各種の湿式分散処理装置な
いし湿式粉砕処理装置が提唱されている。
【0005】このなかで、一般に、攪拌子と分散媒体を
併用するタイプのものは、比較的良好な分散状態を形成
できるものとして現在多くの分野で使用されている。こ
のタイプに属する分散処理装置としては、例えば特公昭
59−22577号、特公平2−27018号、特開平
2−68151号、特開平3−101820号、特公平
7−12441号、特公平7−4552号、特開平4−
326934号、特公平6−73620号、特開平5−
38425号、特開平4−281855号、特開平6−
351号、特開平6−212896号、特開平6−21
0148号、特開平式6−134271号等に開示があ
る。
【0006】しかしながら、このような湿式分散処理装
置ないし湿式粉砕処理装置を用いての固体微粒子の分散
液の調製は、該処理装置にて常温下で固体微粒子を分散
媒液と攪拌混合して行なわれるものであり、攪拌混合に
よって生じる物理的な外力によって分散状態を形成して
いるものであるために、得られる分散液の安定性は十分
なものとは言えず、また分散処理に長持間を要するとい
った問題があった。
【0007】一方、例えば、カーボンブラックないしは
その他の顔料等においては、これらの固体粒子表面を各
種の界面活性剤や樹脂で被覆することにより、各種の基
材との親和力を高めることが知られており、中でも、例
えば特公平6−27269号等に示されるように、固体
微粒子と反応性ポリマーとを溶融混練して、固体微粒子
表面にポリマー鎖をグラフト化することにより改質した
ものは、良好な分散性を得ることができる有望なもので
ある。
【0008】しかしながら、このように固体微粒子と反
応性ポリマーを溶融混練する場合、多量の反応性ポリマ
ーを必要とする、使用可能な反応性ポリマーに関し、例
えば官能基数、分子量などといった制限が多い、また所
望の分散液を得るためにはこのような溶融混練操作の後
さらに分散媒液に分散させる操作が必要となるためにプ
ロセスとして複雑なものとなるといった問題が残るもの
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、顔
料、磁性粉、セラミックス粉体等の固体微粒子の分散液
を得るのに用いられる改良された湿式分散処理装置を提
供することを目的とするものである。本発明はまた、固
体微粒子を分散媒液に安定に分散させるために、分散処
理と合せて固体微粒子の表面改質を行なう場合に有用な
湿式分散処理装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、被処理流
体を内部に収容するためのベッセルと、このベッセル内
部において回転する攪拌子と、ベッセル内部に収容され
た複数の粒状分散媒体とを少なくとも備えてなる湿式分
散処理装置であって、ベッセル内の被処理流体を加熱す
るための加熱装置を備えてなることを特徴とする湿式分
散処理装置によって達成される。
【0011】
【作用】このように本発明は、攪拌子と分散媒体を併用
するタイプの湿式分散処理装置に、ベッセル内のベッセ
ル内の被処理流体を加熱するための加熱装置を設けてな
る処理装置であるために、加熱下において、固体微粒子
の分散処理を行なうことができるものである。このため
同装置において、固体微粒子の分散液を得ようとする場
合に、この分散系に固体微粒子の表面に存在する官能基
と反応し得る反応基を有する反応性ポリマーを存在させ
ておくことで、この反応性ポリマーの反応基が、二次凝
集状態より解砕された固体微粒子表面の官能基と加熱下
において容易に反応しグラフト化され固体微粒子の分散
媒液に対する親和性が改善されるため、得られる分散液
における固体微粒子の分散安定性が向上するものであ
る。
【0012】従来知られる攪拌子と分散媒体を併用する
タイプの湿式分散処理装置ないしは湿式粉砕処理装置
は、二次凝集状態にある固体微粒子を解砕しながら分散
媒液中分散させるという物理的操作(粉砕・攪拌混合)
のみを目的としたものであるため、処理系における発熱
を抑えるための冷却機構を備えるものはあっても、本願
発明の装置におけるように加熱装置を有するものは知ら
れおらず、かつこのような加熱装置を設ける必要性も全
く考慮されていなかったものである。
【0013】本発明の上記したような構成を有する装置
は、分散媒液に対する固体微粒子の分散処理時に、固体
微粒子に対して反応性ポリマーを反応させることによ
り、極めて安定した分散液が得られるという新たな知見
に基づきなされたものであり、このような処理方法をさ
らに効率よく達成するためのものである。
【0014】なお、このような処理方法においては、分
散媒液の存在下によるグラフト化反応がなされるため、
従来知られる溶融混練による反応の場合におけるように
多量の反応性ポリマーを必要としないばかりでなく、こ
の反応性ポリマーに関する制限も少なく、例えば、溶融
混練による反応においては適用困難であった、反応基数
が比較的多い、あるいは分子量が比較的小さい反応性ポ
リマーであっても用いることが可能である。
【0015】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細
に説明する。
【0016】図1および図2は、それぞれ、本発明に係
る湿式分散処理装置の一実施態様の構成を模式的に示す
断面図である。
【0017】図1に示す実施態様の湿式分散処理装置
は、軸線が略水平方向に位置してなる円筒型閉塞容器体
からなるベッセル1を備えた横型の処理装置である。こ
のベッセル1の外壁面における左右の円盤状端面部のう
ちの一方(図中左側、以下左側端面部と称する。)の中
心部には回転軸挿通孔が設けられており、この挿通孔を
通じて、回転軸2がベッセル外部よりベッセル内部空間
へとベッセルの軸線に沿って液密に挿通されている。そ
して、この回転軸2のベッセル内部空間に位置する部位
には、円盤状の複数の攪拌子3がそれぞれ所定間隔離間
されてこの回転軸2に略垂直な方向に沿って取付けられ
ており、一方ベッセル外部においてこの回転軸2は図示
しない駆動装置に連結されている。またベッセル1の外
壁面における円筒状周面部の前記左側端面部近傍でかつ
上方に位置する部位には、流体導出口14が設けられ、
一方、反対側の端面部(以下、右側端面部と称する。)
の近傍でかつ下方に位置する部位には逆止弁12を備え
た流体導入口13が設けられており、これにより同装置
は連続処理方式のものとされている。そして、ベッセル
1の内部空間内には、分散媒体として多数の球状ビーズ
4が充填されており、前記流体導出口14の近傍には、
前記球状ビーズ4は通過できないが、分散液ないしは固
体微粒子は通過することのできる間隙15cを有する媒
体セパレータ15が配置されている。前記媒体セパレー
タ15の間隙15cは、ベッセル1の軸線にそれぞれ略
垂直な方向に配置された、円環状の固定板部15aと、
回転円盤部15bとの間に形成されるものであり、この
固定板部15aの外周は全周にわたりベッセルの内周面
(円筒状周面部)に接続され、一方、回転円盤部15b
は、前記攪拌子3の場合と同様に回転軸2に取付けられ
ている。
【0018】しかして、このベッセル1の壁面外周には
加熱装置としてリボンヒーター11が巻装されており、
ベッセル1内部空間に収容される被分散液を加熱するこ
とができる構成とされている。なお、ベッセル1の右側
端面部には、ベッセル内部に収容される流体の温度を測
定するための熱電対5が取付けられている。
【0019】この装置において、流体導入口13よりベ
ッセル1内部空間に導入された被処理流体、すなわち、
例えば、二次凝集状態にある固体微粒子、分散媒液およ
び固体微粒子の表面官能基と反応し得る反応基を有する
反応性ポリマーからなる配合物は、流体導出口14より
導出されるまでの間に、攪拌子3の回転およびこの回転
による充填された球状ビーズ4の個々の回転・旋回、相
互の接触・衝突等を伴なう流動運動によって生じる剪断
力を受けると共に、リボンヒーター11による加熱を受
け、解砕され個々に分離した一次粒子となった固体微粒
子が、分散媒液中に均一に分散されていくと同時に、当
該固体微粒子表面の官能基と反応性ポリマーの反応基と
の反応が効率よくなされ、最終的に流体導出口14から
は取出される分散液は、取出し直後の分散状態が良好で
あるのみならず、その分散状態を長持間安定して維持す
るものとなる。
【0020】また、図2に示す実施態様の湿式分散処理
装置は、軸線が略鉛直方向に位置してなる上端が開口さ
れた円筒型容器体本体1aと前記開口を覆う蓋体1bか
らなるベッセル1を備えた縦型のバッチ式の処理装置で
ある。このベッセル1の蓋体1bの中心部には回転軸挿
通孔が設けられており、この挿通孔を通じて、回転軸2
がベッセル外部よりベッセル内部空間へとベッセルの軸
線に沿って挿通されている。そして、この回転軸2のベ
ッセル内部空間に位置する部位には、ピン状の複数の攪
拌子3aが、ベッセルの軸線方向においてそれぞれ所定
間隔離間されて多段に、かつ、ベッセルの軸線に略垂直
な面において回転軸を中心として放射状に広がるように
取付けられている。一方、ベッセル1の内周側面には、
ベッセルの軸線方向において前記攪拌子3aと相互に干
渉しない位置に多段に(つまり、ちょうど2つの櫛のそ
れぞれの櫛歯が噛合うごとく配置する。)、かつベッセ
ルの軸線に略垂直な面において内周側面より回転軸に向
い放射状に収束するようにピン状の複数の固定子3bが
取付けられおり、一種のいわゆる邪魔板として作用す
る。なお、回転軸2はベッセルの外部において図示しな
い駆動装置に連結されている。そして、ベッセル1の内
部空間内には、前記図1に示す実施態様におけると同様
に、分散媒体として多数の球状ビーズ4が充填されてい
る。
【0021】しかして、このベッセル1の円筒型容器体
本体1a壁面外周には、加熱ジャケット6が形成されて
おり、この加熱ジャケット6は、加熱ヒータ9を備えた
熱媒タンク8と、途中に熱媒循環ポンプ7を配してなる
循環管路により連結されており、循環する熱媒によっ
て、ベッセル1内部空間に収容される被分散液を加熱す
ることができる構成とされている。
【0022】この装置において、ベッセル1内部空間に
装填された被処理流体、すなわち、例えば、二次凝集状
態にある固体微粒子、分散媒液および固体微粒子の表面
官能基と反応し得る反応基を有する反応性ポリマーから
なる配合物は、所定時間の攪拌処理により、攪拌子3a
の回転およびこの回転する攪拌子3aと固定子3bの存
在によりもたらされる充填された球状ビーズ4の個々の
回転・旋回、相互の接触・衝突等を伴なう流動運動によ
って生じる剪断力を受けると共に、加熱ジャケット6に
よる加熱を受け、解砕され個々に分離した一次粒子とな
った固体微粒子が、分散媒液中に均一に分散されていく
と同時に、当該固体微粒子表面の官能基と反応性ポリマ
ーの反応基との反応が効率よくなされ、所定時間経過後
に得られる分散液は、取出し直後の分散状態が良好であ
るのみならず、その分散状態を長持間安定して維持する
ものとなる。
【0023】以上は、本発明の湿式分散処理装置の構成
を図示した実施態様に基づき説明したが、本発明の装置
において、ベッセル内の被処理流体を加熱するための加
熱装置としては、ベッセル内の被処理流体を有効に加熱
できるものである限り、任意の様式のものとすることが
でき、上記したような熱媒循環方式、リボンヒーター以
外にも、例えば、セラミックスヒーターないし赤外加熱
方式、高周波誘導加熱方式、コイルヒーター等各種のも
のを採用することが可能であり、またその配置位置とし
ても上記実施態様におけるようにベッセルの外周に配置
するもののみならず、攪拌子の回転に支障を来さない限
りベッセルの内部空間に配置することも可能であり、加
熱装置を、例えば、ベッセル内面、攪拌子ないし回転
軸、あるいは固定子ないし邪魔板に組付けるといったこ
とも可能である。このうち、装置の構造あるいは温度制
御の面からベッセルの外周部に加熱装置を配置するのが
好ましい。
【0024】また、本発明の装置において、加熱装置以
外の湿式分散処理装置の基本的構成、例えば、連続式な
いしバッチ式、ベッセルの材質、形状、攪拌子の材質、
形状ないし配置位置、分散媒体の材質、形状および粒径
等についても特に限定されるものではなく、得ようとす
る分散液ないし処理される固体微粒子の反応性等の化学
的性質および比重、粘度等の物理適性質に応じて、適宜
選択可能である。
【0025】ベッセルとしては、アルミナ、ジルコニ
ア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステン
カーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、ク
ロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属
等を一種あるいは2種以上用いて構成される、横置ない
し縦置の、例えば、円筒型、円錐型、半円筒型、例えば
特公平2−27018号に開示されるものあるいはダイ
アモンドファインミル(三菱重工業株式会社製)等にお
けるような断面W字ないしコの字型のもの、さらには例
えば特公平6−73620号に開示されるもののように
内部に分散媒体を収容してなるベッセル(攪拌子を備え
たないし攪拌子がベッセル壁面の一部を形成する)をそ
の内外の流体(分散液)流通を可能なものより大きな容
器体内部に配置したものなど、各種の様式のものとする
ことができる。
【0026】また攪拌子としては、ベッセルと同様、ア
ルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪
素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各
種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合
金などの各種金属等が適宜選択される。なお、この材質
はベッセルの材質と異なっていても何等さしつかえな
い。また、形状としては、例えば、上記した円盤状(デ
スク型)、ピン型以外に、デスクタービン型、ファンタ
ービン型、プロペラ型、螺旋軸翼型、螺旋帯翼型、ゲー
ト型、アンカー型、円筒状、パドル型といった各種の形
状のもの、さらにはこれらに通液性の孔を形成するなど
の改良を付したものなどを、単一であるいは多段に配す
ることが可能である。また、この攪拌子の形状に応じ
て、適当な形状を有する邪魔板ないし固定子を設けるこ
とが可能である。さらにこのような攪拌子を形成する回
転軸は、ベッセルと共軸的に配するもののみならず、ベ
ッセルの中心軸より変位させて、あるいは2軸もしくは
多軸に配置することも可能である。
【0027】さらに、分散媒体としては、処理される固
体微粒子の種類、ベッセルないし攪拌子の形態等に応じ
て、適宜変更可能であり、アルミナ、ジルコニア、ステ
アタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステンカーバイ
ドなどの各種セラミックス、各種ガラス、鋼、クロム
鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属から
構成される球状、円筒状、回転楕円体状等の形状のもの
が用いられ得るが、このうち、特にアルミナ、ジルコニ
ア、鋼およびクロム鋼などの材質から構成される球状の
ビーズで、通常、直径0.05〜20mm程度、より好
ましくは0.1〜5mmのものが望ましい。また、これ
らの分散媒体のベッセルへの充填割合は、ベッセルない
し攪拌子の形態等によっても左右されるものであるた
め、限定されるものではないが、例えばベッセルの有効
容積の20〜90%、より好ましくは30〜80%とさ
れる。なお、充填割合が極端に少ないと、二次凝集状態
にある固体微粒子の十分な解砕、および固体微粒子と反
応性ポリマーとの反応等が十分なものとはならず、一方
充填割合が極端に多いと分散媒体の磨耗によるコンタミ
ネーションの増大を引き起こす虞れがある。
【0028】
【実施例】以下、本発明の湿式分散処理装置を用いて行
なった固体微粒子の分散液の製造例により本発明をより
具体的に説明する。なお、以下合成例、実施例および比
較例中の「部」は、すべて重量による。
【0029】合成例1 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管および温度計を
備えたフラスコにポリビニルアルコール(PVA−20
5、 クラレ(株)製)0.1部を溶解した脱イオン水
200部を仕込んだ。そこへ予め調整しておいたスチレ
ン97部およびグリシジルメタクリレート3部からなる
重合性単量体にベンゾイルパーオキサイド8部を溶解し
た混合物を仕込み、高速で攪拌して均一な懸濁液とし
た。次いで窒素ガスを吹込みながら80℃に加熱し、こ
の温度で5時間攪拌を続けて、重合反応を行った後、冷
却して重合体懸濁液を得た。この重合体懸濁液を瀘過、
洗浄した後乾燥して反応性基としてエポキシ基を有する
重合体を得た。
【0030】実施例1 図2に示すような構成を有する装置(ベッセル内容量
1.2リットル)に、直径1mmのジルコニア製ビーズ
2kgを充填し、合成例1で得られた重合体10部、ト
ルエン360部およびカーボンブラックMA−100R
(三菱化成工業(株)製)30部を仕込んだ。ついで予
め加熱しておいた熱媒を循環させることにより、ベッセ
ル内部を160℃に昇温し、ディスクの外周速度10m
/sで2時間運転を行った後冷却し、ジルコニア製ビー
ズを分離して顔料分散液(1)を得た。
【0031】得られた顔料分散液(1)をNo.2瀘紙
を用いて瀘過したところ、瀘紙通過率は99%で、瀘紙
上には未分散カーボンブラックは見られなかった。
【0032】また顔料分散液(1)を10日間静置した
ところ、沈降は見られなかった。
【0033】比較例1 合成例1で得られた重合体10部とカーボンブラックM
A−100R(三菱化成工業(株)製)20部をラボプ
ラストミル(東洋精機(株)製)を用いて160℃、1
00rpmの条件下に混練して反応させた後冷却し、ト
ルエン70重量部に分散させ、比較用顔料分散液(1)
を得た。
【0034】得られた比較顔料分散液(1)を実施例1
と同様の方法で評価したところ、瀘紙通過率は75%
で、瀘紙上に未分散カーボンブラックが多量に残存して
いた。
【0035】また比較用顔料分散液(1)を10日間静
置したところ、大半が沈降していた。
【0036】比較例2 加熱装置を有しない以外は実施例1で用いたものと同様
の構成を有する装置(ベッセル内容量1.2リットル)
に、直径1mmのジルコニア製ビーズ2kgを充填し、
アルミニウムカップリング剤ブレンアクトAL−M(味
の素(株)製)5部、トルエン365部およびカーボン
ブラックMA−100R(三菱化成工業(株)製)30
部を仕込んだ。ついでディスクの外周速度10m/sで
2時間運転を行った後、ジルコニア製ビーズを分離して
比較用顔料分散液(2)を得た。
【0037】得られた比較顔料分散液(2)を実施例1
と同様の方法で評価したところ、瀘紙通過率は90%
で、瀘紙上に未分散カーボンブラックが残存していた。
【0038】また比較用顔料分散液(2)を10日間静
置したところ、一部沈降が見られた。
【0039】実施例2 実施例1と同様の装置に、直径1mmのジルコニア製ビ
ーズ2kgを充填し、o−クレゾールノボラック型のエ
ポキシ樹脂(住友化学(株)製、ESCN−195X、
エポキシ当量198)40部、ジエチレングリコールモ
ノエチルエーテルアセテート280部、カーボンブラッ
クMA−100R(三菱化成工業(株)製)80部を仕
込んだ。ついで予め加熱しておいた熱媒を循環させるこ
とにより、ベッセル内部を200℃に昇温し、ディスク
の外周速度10m/sで3時間運転を行った後冷却し、
ジルコニア製ビーズを分離して顔料分散液(2)を得
た。
【0040】得られた顔料分散液(2)をNo.2瀘紙
を用いて瀘過したところ、瀘紙通過率は99%で、瀘紙
上にはゲル化したカーボンブラックは見られなかった。
【0041】また顔料分散液(2)を10日間静置した
ところ、沈降は見られなかった。
【0042】比較例3 実施例2と同様な組成、即ち、o−クレゾールノボラッ
ク型のエポキシ樹脂10部、カーボンブラックMA−1
00R(三菱化成工業(株)製)20部とを、比較例1
と同様に、ラボプラストミル(東洋精機(株)製)を用
いて200℃、100rpmの条件下に混練して反応さ
せた後冷却し、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート70重量部を加え、比較用顔料分散液
(3)を得た。
【0043】得られた比較用顔料分散液(3)を実施例
1と同様の方法で評価したところ、大半が瀘紙上に未分
散カーボンブラックやゲル化したカーボンブラック等と
して残存した。また比較用分散液(3)は、すぐに沈降
が生じた。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の湿式分散処
理装置は、被処理流体を内部に収容するためのベッセル
と、このベッセル内部において回転する攪拌子と、ベッ
セル内部に収容された複数の粒状分散媒体とを少なくと
も備えてなる湿式分散処理装置であって、ベッセル内の
被処理流体を加熱するための加熱装置を備えてなること
を特徴とするものであるから、同装置を用いることによ
り、顔料等の固体微粒子の安定した分散液を、簡単な操
作にて得ることができる。すなわち、同装置へと、固体
微粒子、分散媒液に加えて、固体微粒子の表面に存在す
る官能基と反応し得る反応基を有する反応性ポリマーを
投入し、加熱装置による加熱下に攪拌を行なうことによ
り、解砕され個々に分離した一次粒子となった固体微粒
子が、分散媒液中に均一に分散されていくと同時に、当
該固体微粒子表面の官能基と反応性ポリマーの反応基と
の反応が効率よくなされ、反応性ポリマーが固体微粒子
表面にグラフト化されて固体微粒子の分散媒液に対する
親和性が改善され、得られる分散液における固体微粒子
の分散安定性が向上するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る湿式分散処理装置の一実施態様
の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明に係る湿式分散処理装置の別の実施態
様の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1…ベッセル 2…回転軸 3、3a…攪拌子 3b…固定子 4…分散媒体(球状ビーズ) 5…熱電対 6…加熱ジャケット 7…熱媒循環ポンプ 8…熱媒タンク 9…加熱ヒータ 11…リボンヒーター 13…流体導入口 14…流体導出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 串野 光雄 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 森 悦邦 大阪府大阪市中央区高麗橋4丁目1番1号 株式会社日本触媒内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理流体を内部に収容するためのベッ
    セルと、このベッセル内部において回転する攪拌子と、
    ベッセル内部に収容された複数の粒状分散媒体とを少な
    くとも備えてなる湿式分散処理装置であって、ベッセル
    内の被処理流体を加熱するための加熱装置を備えてなる
    ことを特徴とする湿式分散処理装置。
JP7147939A 1995-06-14 1995-06-14 湿式分散処理装置 Pending JPH09907A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001183511A (ja) * 1999-12-22 2001-07-06 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタおよびその製法
JP2002105353A (ja) * 2000-09-29 2002-04-10 Nippon Shokubai Co Ltd 凝集性微粒子分散液の製造方法
JP2003001082A (ja) * 2001-06-20 2003-01-07 Kansai Paint Co Ltd ビーズミル
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