JP2000187353A - カプセルトナーの製造方法 - Google Patents

カプセルトナーの製造方法

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JP2000187353A
JP2000187353A JP36319498A JP36319498A JP2000187353A JP 2000187353 A JP2000187353 A JP 2000187353A JP 36319498 A JP36319498 A JP 36319498A JP 36319498 A JP36319498 A JP 36319498A JP 2000187353 A JP2000187353 A JP 2000187353A
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capsule toner
stirring
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Kouji Shimokusa
宏治 下草
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】粒度分布の狭い熱圧力定着用カプセルトナーを
効率よく製造する方法を提供する。 【解決手段】微粒化工程が、(1)重合性組成物の液滴
の重量中位粒子径(D1 )が、得られる熱圧力定着用カ
プセルトナーの重量中位粒子径(D2 )の2D2 以下と
なるように重合性組成物を水系分散媒中で攪拌分散させ
る工程、及び(2)工程(1)で得られた攪拌分散処理
物を、攪拌装置として、攪拌に供される処理液を収容で
きる円形断面をもつ容器と、容器の中心に設けた回転軸
と、回転軸に取り付けた1つ以上の攪拌具とを有する攪
拌装置であって、攪拌具が容器の内周面近傍に達する半
径を有し、かつ該攪拌具を周速20m/秒以上で高速駆
動する駆動源を備え、攪拌具の回転に伴う処理液の回転
により処理液を遠心力で容器内面に圧着させるとともに
中空の薄膜状で回転させる高速攪拌装置を用いて、さら
に攪拌分散させる工程を含む製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法、静電記録法等において形成される静電潜像の現
像に用いられる熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法の発展にともない、種々のト
ナーが開発されており、芯材と該芯材の表面を被覆する
外殻とにより構成された熱圧力定着用カプセルトナーの
開発も進んでいる。しかし、カプセルトナーは、重合性
組成物を水系分散媒中に攪拌分散後、重合させて製造す
るため、粒度分布が広く、微小粒子及び粗大粒子が存在
し、複写機等により印字を行なうと、画像に乱れが生じ
る等の欠点がある。そこで、分級工程が必要となるが、
分級工程を行なうと生産性に欠ける。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粒度分布の
狭い熱圧力定着用カプセルトナーを効率よく製造する方
法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、エチレン性重
合性単量体、親水性樹脂及び着色剤を含有する重合性組
成物を、水系分散媒中に攪拌分散させる微粒化工程を有
する熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法であって、
前記微粒化工程が下記工程を含む熱圧力定着用カプセル
トナーの製造方法に関する。 (1)前記重合性組成物の液滴の重量中位粒子径
(D1 )が、得られる熱圧力定着用カプセルトナーの重
量中位粒子径(D2 )の2D2 以下となるように前記重
合性組成物を前記水系分散媒中で攪拌分散させる工程、
及び(2)前記の工程(1)で得られた攪拌分散処理物
を、攪拌装置として、攪拌に供される処理液を収容でき
る円形断面をもつ容器と、該容器の中心に設けた回転軸
と、該回転軸に取り付けた1つ以上の攪拌具とを有する
攪拌装置であって、該攪拌具が前記容器の内周面近傍に
達する半径を有し、かつ該攪拌具を周速20m/秒以上
で高速駆動する駆動源を備え、該攪拌具の回転に伴う該
処理液の回転により該処理液を遠心力で容器内面に圧着
させるとともに中空の薄膜状で回転させる高速攪拌装置
を用いて、さらに攪拌分散させる工程。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の熱圧力定着用カプセルト
ナーの製造方法は、エチレン性重合性単量体、親水性樹
脂及び着色剤を含有する重合性組成物を、水系分散媒中
に攪拌分散させる微粒化工程を有する方法であり、一般
に、in situ重合法といわれる製造方法に属す
る。なお、本発明でのin situ重合法は、特開平
6−317925号公報、特開平7−175260号公
報、特開平9−15900号公報等に詳細に開示されて
いる。このin situ重合法では、エチレン性重合
性単量体、親水性樹脂、着色剤等を含有する重合性組成
物を水系分散媒中に攪拌分散させた際に、水との相溶性
の差によって重合性組成物の液滴中でエチレン性重合性
単量体と親水性樹脂の分離が起こり、その状態で重合が
進行してカプセル構造が形成される。そのため、芯材の
表面にはほぼ均一な厚みを持った親水性樹脂からなる外
殻が形成され、トナーの帯電特性が均質になる特徴を有
する。
【0006】重合性組成物は、エチレン性重合性単量
体、親水性樹脂及び着色剤を含有するものであり、例え
ば、エチレン性重合性単量体に、親水性樹脂を溶解させ
た後、さらに、着色剤を添加して、攪拌することにより
調製することができる。
【0007】エチレン性重合性単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレ
ン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン
類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハ
ロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;(メタ)アクリル酸等のエチレン性モノ
カルボン酸;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1
〜18)エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボ
ン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエー
テル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化
物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が
挙げられる。特にはスチレン、エチレン性不飽和モノオ
レフィン類、エチレン性モノカルボン酸及びそのエステ
ルから選ばれる1種以上が含まれているものが好まし
い。
【0008】なお、重合性組成物には、エチレン性重合
性単量体を重合させる際に用いられる重合開始剤や、必
要に応じて架橋剤等を配合してもよい。
【0009】本発明に用いられる親水性樹脂としては、
ポリエステル、ハイブリッド樹脂、ポリアミド、ポリエ
ステルポリアミド、ポリウレア等が挙げられ、これらの
中では、定着性及び保存安定性の点から、ポリエステル
及びハイブリッド樹脂が好ましい。
【0010】本発明に用いられるポリエステルは、例え
ば、特開平7−175260号公報に記載の製造方法に
より得られる。
【0011】本発明においてハイブリッド樹脂は、特開
平8−171231号公報に記載されているように、各
々独立した反応経路を有する二つの重合系の原料モノマ
ーの混合物を混合し、二つの重合反応を同一反応容器中
で行わせて得られる。
【0012】前記二つの重合反応は、独立した反応経路
で進行するものであり、それぞれ縮重合系樹脂と付加重
合系樹脂を生ずる反応であることが好ましい。縮重合系
樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステルポ
リアミド、ポリアミド等が挙げられ、付加重合系樹脂の
代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニ
ル系樹脂が挙げられる。
【0013】本発明において、親水性樹脂の酸価は、好
ましくは0.1〜30KOHmg/g、より好ましくは
5〜15KOHmg/gが好ましい。親水性樹脂の酸価
は、外殻となる親水性樹脂がin situ重合の際に
界面に出るのを容易にして、トナーの保存安定性を向上
させるために、0.1KOHmg/g以上が好ましく、
製造安定性の観点から、30KOHmg/g以下が好ま
しい。
【0014】親水性樹脂の軟化点は、好ましくは90〜
140℃、より好ましくは95〜130℃であり、ガラ
ス転移点は、好ましくは50℃〜80℃、より好ましく
は55〜75℃である。
【0015】親水性樹脂の使用量は、エチレン性重合性
単量体100重量部に対して、好ましくは0.5〜50
重量部、より好ましくは5〜20重量部である。親水性
樹脂の使用量は、保存安定性の観点から、0.5重量部
以上が好ましく、定着性の観点から、50重量部以下が
好ましい。
【0016】本発明に用いられる着色剤としては、従来
のトナー用着色剤として用いられている染料、顔料等の
すべてを使用することができ、例えば、カーボンブラッ
ク、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、
ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリ
ーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、
ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリ
ドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、こ
れらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。着色剤の使用量は、エチレン性重合性単量体100
重量部に対して、2〜25重量部程度であることが好ま
しい。
【0017】なお、重合性組成物には、必要に応じて、
荷電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、導
電性物質、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化
防止剤、老化防止剤、オフセット防止剤等の添加剤を適
宜含有させてもよい。
【0018】本発明では、水系分散媒中で特定の微粒化
工程を行うことにより、重合性組成物をより均質な粒度
分布を有する油滴とする。
【0019】本発明における微粒化工程は、以下で説明
する工程(1)及び(2)を含む。
【0020】工程(1)は重合性組成物の液滴の重量中
位粒子径(D1 )が、得られる熱圧力定着用カプセルト
ナーの重量中位粒子径(D2 )の2D2 以下、好ましく
は1.2D2 〜1.5D2 となるように、重合性組成物
を水系分散媒中で攪拌分散させる工程である。工程
(2)に先立って、重合性組成物の液滴の重量中位粒子
径を前記範囲に調整しておくことにより、より粒度分布
の狭いカプセルトナーを得ることができる。
【0021】本発明に用いられる水系分散媒としては、
水、及びメタノール、エタノール、プロパノール、アセ
トン、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の有機溶媒と
水との混合分散媒等が挙げられ、特に水を単独で用いる
ことが好ましい。
【0022】水系分散媒中には、重合性組成物の凝集、
合体を防ぐために、分散安定剤を含有させておくことが
好ましい。かかる分散安定剤としては、ポリビニルアル
コール、ポリスチレンスルホン酸、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カ
リウム、リン酸三カルシウム等が挙げられる。
【0023】重合性組成物と水系分散媒の混合比(重合
性組成物/水系分散媒)は、重量比で、0.5/99.
5〜50/50、好ましくは20/80〜40/60に
調整することが望ましい。
【0024】重合性組成物を水系分散媒中に攪拌分散さ
せる方法は、重合性組成物の液滴の重量中位粒子径を所
望の範囲に調整することができる方法であれば、特に限
定されず、例えば、「T.K.ホモミキサー」(特殊機
化工業(株)製)等の公知の攪拌機を用いる方法が挙げ
られる。
【0025】次に、工程(2)では、工程(1)で得ら
れた攪拌分散処理物を、下記特定の攪拌装置を用いてさ
らに攪拌分散させる。
【0026】前記攪拌装置は、攪拌に供される処理液を
収容できる円形断面をもつ容器と、該容器の中心に設け
た回転軸と、該回転軸に取り付けた1つ以上の攪拌具と
を有する攪拌装置であって、該攪拌具が前記容器の内周
面近傍に達する半径を有し、かつ該攪拌具を周速20m
/秒以上で高速駆動する駆動源を備え、該攪拌具の回転
に伴う該処理液の回転により該処理液を遠心力で容器内
面に圧着させるとともに中空の薄膜状で回転させる高速
攪拌装置である。攪拌具は、1つであっても、容器の大
きさに合わせて複数であってもよいが、複数設けること
により、重合性組成物の分散状態が均一になり、より粒
度分布の狭いカプセルトナーを得ることができる。
【0027】なお、かかる高速攪拌装置には、例えば、
前記処理液を滞留させ、より均一に分散させるための堰
板が設けられていることが好ましい。
【0028】前記のような高速攪拌装置を用いると、該
高速攪拌装置が有する攪拌具の回転に伴う処理液の回転
により、処理液を遠心力で容器内面に圧着させると共に
中空の薄膜状で処理液が攪拌分散されるため、処理液を
より均一に微粒化させることができる。ここで、攪拌具
の端部と容器内周面の隙間は、前記のように処理液が中
空の薄膜状に形成される程度であれば、特に限定される
ものではないが、例えば、2〜20mm程度であり、ま
た周速は20m/秒以上、好ましくは25m/秒以上で
ある。
【0029】高速攪拌装置としては、具体的には特開平
9−75698号公報に記載された装置が挙げられ、例
えば、「T.K.フィルミックス」(特殊機化工業
(株)製)の市販品を用いることができる。
【0030】なお、高速攪拌装置を用いた微粒化工程で
は、バッチ式の他に、例えば、容器の上部に排出管を、
下部に導入管をそれぞれ設け、容器底面より工程(1)
で得られた攪拌分散処理物をポンプ等を用いて連続的に
供給し、容器上部から連続的に微粒化物を排出させるこ
とで連続処理を行なうことも可能であり、連続処理を行
った場合には、本発明による効果が特に顕著に発揮され
る。
【0031】なお、本発明では、攪拌に供される処理液
中の重合性組成物に親水性樹脂が含有されているため、
水系分散媒との親和性が高く、本発明で用いる攪拌装置
の攪拌効果を有効に発揮させることができ、非常に粒度
分布の狭いカプセルトナーを得ることができるものと推
定される。
【0032】工程(1)で得られた攪拌分散処理物中に
含有される重合性組成物は、適正な粒度分布の攪拌分散
処理物を安定に得るため、好ましくは0.5〜50重量
%、より好ましくは20〜40重量%である。
【0033】一方、工程(1)で得られた攪拌分散処理
物中に含有される水系分散媒は、好ましくは50〜9
9.5重量%、より好ましくは60〜80重量%であ
る。
【0034】次に、高速攪拌装置を用いて攪拌分散させ
た処理液は、特開平6−317925号公報、特開平7
−175260号公報、特開平9−15900号公報等
に記載の方法により、in situ重合に供される。
【0035】重合性組成物を重合させたのち、分散安定
剤を不安定化させ、濾過、洗浄、乾燥等の操作を行なう
ことによって、エチレン性重合性単量体を重合させて得
られる熱可塑性樹脂及び着色剤を含有する熱溶融性芯材
と、該熱溶融性芯材の表面を被覆する親水性樹脂の外殻
とからなる熱圧力定着用カプセルトナーを得ることがで
きる。
【0036】なお、本発明においては、前記のようにし
て得られる熱圧力定着用カプセルトナーを前駆体粒子と
して、さらに、特開平6−317925号公報、特開平
7−175260号公報、特開平9−15900号公報
等に記載されているseed重合を行なってもよい。
【0037】熱圧力定着用カプセルトナーの重量中位粒
子径(D2 )は3〜30μm、外殻の厚さは0.01〜
1μmが好ましい。
【0038】本発明により得られる熱圧力定着用カプセ
ルトナーは、非磁性一成分系現像剤として、又はキャリ
アと混合して二成分系の現像剤として用いることがで
き、例えば、特開平2−190870号公報及び特開平2−16
2356号公報に記載されている熱圧力定着方式により紙等
の記録材に効率よく定着させることができる。
【0039】
【実施例】〔樹脂の軟化点〕高化式フローテスター(島
津製作所製、CFT−500)を用い、樹脂の半分が流
出する温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6
℃/分、荷重:1.96MPa、ノズル:1mmφ×1
mm)。
【0040】〔樹脂のガラス転移点〕示差走査熱量計
(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温
速度10℃/分で測定する。
【0041】〔樹脂の酸価〕JIS K0070の方法
により測定する。
【0042】樹脂製造例1 ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン311.6g、ポリオキ
シエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン78.3g、テレフタル酸366.
3g、無水トリメリット酸3.8g及びジブチル錫オキ
シド1gを、窒素気流下で、220℃で反応させ、AS
TM E28−67による軟化点が115℃に達したと
きに反応を終了し、樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は1
13.1℃、ガラス転移点は68.8℃、酸価は10.
2KOHmg/gであった。
【0043】樹脂製造例2 ビニル系樹脂の原料モノマーとして、スチレン490
g、アクリル酸2−エチルヘキシル73g、両反応性化
合物としてアクリル酸25g及び重合開始剤としてジタ
ーシャリーブチルパーオキサイド22gを滴下ロートに
入れた。ポリエステルの原料モノマーとして、ポリオキ
シプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン1425g、ポリオキシエチレン
(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン273g、テレフタル酸790g及びエステル
化触媒としてジブチル錫オキシド5gを、窒素気流下
で、160℃で攪拌しつつ、滴下ロートよりビニル系樹
脂の原料モノマー、両反応性化合物及び重合開始剤を1
時間かけて滴下した。160℃に保持したまま2時間付
加重合反応を熟成させた後、230℃に昇温して縮重合
反応を行わせ、ASTME28−67による軟化点が1
10℃に達したときに反応を終了し、樹脂Bを得た。樹
脂Bの軟化点は110.0℃、ガラス転移点は65.2
℃、酸価は11.0KOHmg/gであった。
【0044】実施例1 スチレン74重量部、アクリル酸2−エチルヘキシル2
6重量部及びジビニルベンゼン0.2重量部に、樹脂A
10重量部を添加し、溶解させた。樹脂Aを溶解させた
後に、グラフト化カーボンブラック「504P」(菱有
工業(株)製)20重量部を添加し、マグネチックスタ
ーラーを用いて1時間攪拌し、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル2重量部を添加して、重合性組成物24
0gを得た。
【0045】得られた重合性組成物240gを、リン酸
三カルシウム5重量%の水性コロイド溶液560gに添
加し、得られた混合液を「T.K.ホモミキサー」(特
殊機化工業(株)製)を用いて10000rpmにて5
分間攪拌し、攪拌分散処理物800gを得た。攪拌分散
処理物を0.3重量%のドデシルエーテル硫酸エステル
ナトリウム水溶液に希釈分散し、レーザー回折式粒度分
布測定器「SALD2000」((株)島津製作所製)
を用いて液滴の粒径を測定したところ、液滴の重量中位
粒子径(D1 )は8μmであった。
【0046】次に、攪拌分散処理物800gを高速攪拌
機「T.K.フィルミックス」(特殊機化工業(株)
製)に、導入管から200g/分で送液し、容器内面と
の隙間を3mmとしたブラシ状の攪拌具で、15℃にて
周速40m/秒で攪拌し、該攪拌分散処理物を約9mm
の厚さのほぼ均一な薄膜状態で容器内を旋回させ、堰板
からあふれた処理液を排出管から排出することにより微
粒化物800gを得た。
【0047】次に、2リットルのガラス製のセパラブル
フラスコ中のリン酸三カルシウム5重量%の水性コロイ
ド溶液800gに前記微粒化物800gを添加し、窒素
雰囲気下にて混合液の攪拌を行ないつつ、70℃まで昇
温し10時間重合反応を行なった。冷却後、10重量%
の塩酸を添加し、濾過、水洗を経て、風乾後45℃にて
12時間2.6kPaで減圧乾燥することにより、外殻
がポリエステルであるカプセルトナーを得た。このカプ
セルトナーを0.3重量%のドデシルエーテル硫酸エス
テルナトリウム水溶液に添加し、超音波で分散させた
後、コールターカウンター(コールター(株)製)を用
いて粒度分布を測定したところ、重量中位粒子径
(D2 )は5.8μm、粒度分布の変動係数は28%、
2 /2以下の粒子径を有する粒子(以下、微小粒子と
いう)の含有量は1.2重量%、2D2 以上の粒子径を
有する粒子(以下、粗大粒子という)の含有量は0.7
重量%であった。
【0048】実施例2 「T.K.フィルミックス」内の攪拌具を2段とした以
外は、実施例1と同様にして、カプセルトナーを得た。
このカプセルトナーのD2 は5.3μm、粒度分布の変
動係数は25%、微小粒子の含有量は1重量%、粗大粒
子の含有量は0.2重量%であった。
【0049】実施例3 樹脂Aの代わりに樹脂B10重量部を用いた場合は、実
施例1と同様にして外殻がハイブリッド樹脂であるカプ
セルトナーを得た。攪拌分散処理物の液滴のD 1 は8.
3μm、及びカプセルトナーのD2 は6.2μm、粒度
分布の変動係数は26%、微小粒子の含有量は1.4重
量%、粗大粒子の含有量は0.5重量%であった。
【0050】比較例1 実施例1と同様にして重合性組成物240gを調製し、
リン酸三カルシウム5重量%の水性コロイド溶液を14
0g/分、重合性組成物を60g/分の一定の比率で、
同一の導入管から、「T.K.フィルミックス」内に送
液して微粒化物を調製した以外は、実施例1と同様にし
て、カプセルトナーを得た。このカプセルトナーのD2
は8.5μm、粒度分布の変動係数は45%、微小粒子
の含有量は5.5重量%、粗大粒子の含有量は4.2重
量%であった。
【0051】比較例2 「T.K.ホモミキサー」による攪拌を5000rpm
で5分間とし、D1 が20μmであった以外は、実施例
1と同様にしてカプセルトナーを得た。このカプセルト
ナーのD2 は7.2μm、粒度分布の変動係数は42
%、微小粒子の含有量は5重量%、粗大粒子の含有量は
4重量%であった。
【0052】以上の結果より、実施例1及び実施例3で
は、非常に粒度分布の狭いカプセルトナーが、また2つ
の攪拌具を用いた実施例2では、より粒度分布の狭いカ
プセルトナーが得られるのに対し、比較例1、2のカプ
セルトナーは、ともに粒度分布が広く、微小粒子及び粗
大粒子の含有量が多いものであることがわかる。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、粒度分布の狭い熱圧力
定着用カプセルトナーを効率よく製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA11 AA15 AB06 AB07 CA04 CA08 EA05 EA07 EA10 FB01 FB06 4G005 AA01 AB15 BA03 BB06 DA02X DB27X DC27Y DD04X DD05Z DD08Z DD12X DD15Z DD27Z DD53X DD56Z DD58X DD59X DE01Z EA08

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン性重合性単量体、親水性樹脂及
    び着色剤を含有する重合性組成物を、水系分散媒中に攪
    拌分散させる微粒化工程を有する熱圧力定着用カプセル
    トナーの製造方法であって、前記微粒化工程が下記工程
    を含む熱圧力定着用カプセルトナーの製造方法、(1)
    前記重合性組成物の液滴の重量中位粒子径(D1 )が、
    得られる熱圧力定着用カプセルトナーの重量中位粒子径
    (D2 )の2D2 以下となるように前記重合性組成物を
    前記水系分散媒中で攪拌分散させる工程、及び(2)前
    記の工程(1)で得られた攪拌分散処理物を、攪拌装置
    として、攪拌に供される処理液を収容できる円形断面を
    もつ容器と、該容器の中心に設けた回転軸と、該回転軸
    に取り付けた1つ以上の攪拌具とを有する攪拌装置であ
    って、該攪拌具が前記容器の内周面近傍に達する半径を
    有し、かつ該攪拌具を周速20m/秒以上で高速駆動す
    る駆動源を備え、該攪拌具の回転に伴う該処理液の回転
    により該処理液を遠心力で容器内面に圧着させるととも
    に中空の薄膜状で回転させる高速攪拌装置を用いて、さ
    らに攪拌分散させる工程。
  2. 【請求項2】 親水性樹脂がポリエステル又はハイブリ
    ッド樹脂である請求項1記載の熱圧力定着用カプセルト
    ナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 親水性樹脂の酸価が0.1〜30KOH
    mg/gである請求項1又は2記載の熱圧力定着用カプ
    セルトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(1)で得られた攪拌分散処理物中
    に、重合性組成物が0.5〜50重量%含有される請求
    項1〜3いずれか記載の熱圧力定着用カプセルトナーの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 エチレン性重合性単量体100重量部に
    対して、親水性樹脂を0.5〜50重量部使用する請求
    項1〜4いずれか記載の熱圧力定着用カプセルトナーの
    製造方法。
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