JP2001181546A - 感光性着色樹脂組成物 - Google Patents

感光性着色樹脂組成物

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JP2001181546A
JP2001181546A JP36516299A JP36516299A JP2001181546A JP 2001181546 A JP2001181546 A JP 2001181546A JP 36516299 A JP36516299 A JP 36516299A JP 36516299 A JP36516299 A JP 36516299A JP 2001181546 A JP2001181546 A JP 2001181546A
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dispersion
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JP36516299A
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Nobuyuki Ando
信行 安道
Isato Ikeda
勇人 池田
Masayuki Kawashima
正行 川島
Takeshi Itoi
健 糸井
Mizuhito Tani
瑞仁 谷
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Nippon Shokubai Co Ltd
Toppan Inc
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分散安定性が良好であり、紫外線露光に対し
て高感度で、アルカリ水溶液による現像が可能であり、
しかも硬化膜が電気的高抵抗性、高遮光性を有し、耐薬
品性、耐熱性、基板との密着性に優れ、さらに膜強度が
高く低反射率のブラックマトリックスを形成することの
できる着色感光性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ベッセル内部に複数の粒状メディアを配
してなる撹拌装置内に、色材微粒子とポリマー溶液を配
し、加熱下に分散処理することにより得られた色材分散
液を用いてなる感光性着色樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置、電
子表示装置等の表示材料に使用されるブラックマトリッ
クス形成用の感光性着色樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置、電子表示装置等の表示材
料に使用されるカラーフィルタは、通常、赤、緑、青の
色画素をモザイクまたはストライプ状に配列したフィル
タである。さらにコントラストの良好な画像を得るため
にブラックマトリックスと称する黒色画素を前述した色
画素の周囲に形成することが行われている。さらに、ア
クティブ型表示装置においては、このブラックマトリッ
クスを使用することで不要な光を除去できるようにな
り、スイッチング素子の誤作動を低減する効果が発揮で
きるようになる。
【0003】上記したようなブラックマトリックスは、
従来、ガラス基板上に蒸着法、スパッタ法などで設けた
金属薄膜をフォトリソグラフィー法により微細パターン
化することにより形成されている。
【0004】具体的には、例えば、クロム薄膜上にフォ
トレジストを塗布、乾燥し、フォトマスクを介して紫外
線を照射し、現像することによりレジストパターンを形
成し、さらにエッチング工程とレジスト剥離工程を経て
ブラックマトリックスを形成する。
【0005】しかしながら、このような方法によるブラ
ックマトリックスの形成は、その工程が煩雑であるため
に時間を要し、コスト高となっている。また、遮光膜と
なるブラックマトリックスにクロム膜を使用するため反
射率が高い。近年、さらに環境安全性も考慮されるよう
になり、ブラックマトリックスの形成は、カーボンブラ
ックを含有した薄膜による手法に代わりつつある。
【0006】この方法は、カーボンブラックを感光性樹
脂組成物中に配合し、この樹脂組成物を基板上に塗布、
乾燥して黒色被膜を形成し、これをフォトリソグラフィ
ー法により微細パターン化するものである。
【0007】しかしながら、カーボンブラックは遮光性
が他の有機顔料に比べて高いものの、導電性を有し、遮
光性を挙げるため感光性樹脂中にカーボンブラックをあ
まり多く添加すると、形成されたブラックマトリックス
自体も導電性を有してしまう。そのため、これらの材料
を用いてカラーフィルタを製造した場合、液晶駆動電極
と導通、またはブラックマトリックスを通じて電界が動
作する等の不具合が生じてしまうため、さらに厚い絶縁
性の膜あるいは電界遮断膜を形成する必要があるという
欠点が生じていた。
【0008】このような不具合を解決するため、特開平
1−141963号公報には、チタンの酸化物もしくは
酸窒化物を用いた被覆組成物が提案されている。この組
成物は、体積抵抗率が106Ω・cm以上であるとされ
ているものの、チタンの酸化物もしくは酸窒化物を含む
組成物は、オーミックな挙動を示さず、印加電圧が高い
ほどその体積抵抗率が低くなる傾向がある。測定器の印
加電圧は極めて低いものであり、液晶表示装置等のデバ
イスに印加される電圧、すなわち、3〜30Vでの体積
抵抗率は、これより低くなり、最悪の場合絶縁破壊を起
こす虞れがあるという問題点を有している。また該組成
物中におけるチタン酸化物ないし酸窒化物の分散安定性
が不良であり、特にアルカリ現像を可能とするためにア
ルカリバインダーを配合した場合において、強い凝集性
を示すという問題も生じていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記したよう
な従来技術における問題点を解決するためになされたも
のであり、その課題とするところは、分散安定性が良好
であり、紫外線露光に対して高感度で、アルカリ水溶液
による現像が可能であり、しかも硬化膜が電気的高抵抗
性、高遮光性を有し、耐薬品性、耐熱性、基板との密着
性に優れ、さらに膜強度が高く低反射率のブラックマト
リックスを形成することのできる感光性着色樹脂組成物
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは前記課題を解決すべく、鋭意研究を重
ねた結果、以下の発明に至ったものである。
【0011】(1)ベッセル内部に複数の粒状メディア
を配してなる撹拌装置内に、絶縁性物質により表面が被
覆された色材とポリマー溶液を配し、加熱下に分散処理
することにより得られた色材分散液を用いてなる感光性
着色樹脂組成物。
【0012】(2)前記色材が黒色色材であることを特
徴とする(1)に記載の組成物。
【0013】(3)前記黒色色材がチタンブラックであ
ることを特徴とする(2)に記載の組成物。
【0014】(4)前記樹脂が(メタ)アクリル系樹脂
からなることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1
つに記載の組成物。
【0015】(5)前記絶縁性物質が色材の2質量%以
上35質量%以下であることを特徴とする(1)〜
(4)のいずれか1つに記載の組成物。
【0016】(6)ポリマーが平均分子量500〜50
000の(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーである
(1)記載の組成物。
【0017】(7)前記組成物において、分散剤、光重
合モノマー、光重合開始剤、溶媒を成分とすることを特
徴とする(1)または(2)記載の組成物。
【0018】(8)前記組成物において、分散剤、光酸
発生剤、架橋剤、溶媒を成分とすることを特徴とする
(1)または(2)記載の組成物。
【0019】(9)前記組成物において、分散剤、光重
合モノマー、ジアゾ系またはアジド系化合物、溶媒を成
分とすることを特徴とする(1)または(2)記載の組
成物。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施形態に基づき詳
細に説明する。
【0021】本発明に係る色材としては任意の顔料が使
用できるが、カラーフィルタのブラックマトリックスに
適用するものとして遮光性の高い黒色色材、特にチタン
ブラックが好適である。本発明で用いるチタンブラック
は、低次酸化チタンや酸窒化チタン等を意味する。
【0022】本発明に用いられる色材は、絶縁性物質で
表面処理を行なわれる。これは公知の技術を用いて実施
できるが、具体例としてシリカを用いた場合について述
べる。まず第一工程として色材を、水にビーズミルを用
いて1時間半分散し、水性スラリーを得る。次に第二工
程として、色材の水性スラリーにケイ酸ナトリウム溶液
を加える。第三工程として上記溶液をホモジナイザーを
用いて良く攪拌し、色材を粉砕する。第四工程では上記
溶液を加熱する。第五工程ではケイ酸ナトリウム溶液と
硫酸を加えてホモジナイザーを用いて良く攪拌する。こ
れによりシリカ被覆が出来上がる。最終工程で顔料を濾
過して取り出し、乾燥させる。
【0023】本発明に係る感光性着色樹脂組成物は、ベ
ッセル内部に複数の粒状メディアを配してなる撹拌装置
内に、絶縁性物質により表面が被覆された色材とポリマ
ー溶液を配し、加熱下に分散処理することにより得られ
た色材分散液を用いてなる。
【0024】このように、本発明においては、感光性着
色樹脂組成物の着色剤ないし遮光剤としてチタンブラッ
ク等の色材を用いるが、このチタンブラック等の色材を
感光性樹脂組成物中に配合するにおいて、予め上記した
ような特定条件下でポリマー溶液と分散処理を行ってな
る色材分散液を用いると、後述するような感光性樹脂組
成物中において、色材をそのまま使用した場合に比べ、
分散安定性、凝集による沈降防止、分散体の粘性低下、
構造粘性の低下、色別れ防止等の特性面、また基板面に
塗布した際の膜の密着性、被膜の電気的高抵抗性、高遮
光性、膜強度等の特性面に関して著しい改善が見られ
る。
【0025】このような作用効果が得られる詳細な理由
は明らかではないが、色材微粒子をポリマー溶液中に添
加し単純に撹拌混合を行って得られる色材分散液を用い
ても、このような優れた作用効果は何ら発揮されないも
のであることからすれば、分散処理を行なった際、色材
は、物理的なトルク力を受け、二次凝集状態より解砕さ
れ一次粒子として分散媒液中に存在することとなるが、
粒状メディアを用いた分散処理であるために、色材に充
分なトルク力が加わること、また分散系が加熱状態とさ
れていることで、非常に良好な解砕微分散化が図られ、
この微分散化された色材に対しポリマーによる均一かつ
良好な表面被覆処理がなされているためと思われ、さら
に解砕された色材表面と被覆ポリマーが活性な状態にあ
るため、化学的ないしはメカノケミカルな、何らかの反
応がこれらの間で生じているとも考えられる。
【0026】一方、このような色材の分散処理において
用いられるポリマー溶液のポリマー成分としては、特に
限定されるわけではないが、(メタ)アクリル酸エステ
ル系ポリマーが好ましい。
【0027】(メタ)アクリル系樹脂の成分であるアク
リル系モノマーとしては、
【0028】
【化1】
【0029】R1はHまたはCH3、R2はアルキル、分
枝アルキルあるいは、フェニル、シクロヘキシル、テト
ラヒドロフルフリルメタクリレート等があるが、本発明
に主に使用される樹脂の具体的な例としては、
【0030】
【化2】
【0031】等が挙げられる。しかしこれらのものに限
定されるものでないことは言うまでもなく、これらの中
から必要により選ばれる数種類のモノマーにより合成さ
れる樹脂である。上記のアクリル系モノマーの他、次に
挙げられるものも適宜選択して用いることが出来る。そ
れらはジメチルアミノエチルメタクリレート、ベンジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリロニ
トリル、ビニルアセテート、Nービニルピロリドン、テ
トラヒドロフルフリルメタクリレート等である。
【0032】またこのようなポリマーの平均分子量とし
ては特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)
アクリル酸エステル系ポリマーの場合には数平均分子量
が500〜50000程度、より好ましくは1000〜
30000程度が適当である。
【0033】またポリマー溶液の溶媒としては、特に限
定されるものではなく、使用されるポリマーの種類に応
じて、また最終的な感光性着色樹脂組成物における当該
組成物の分散用溶剤として機能し得る限りにおいて、水
溶性または非水溶性の各種のものを使用することがで
き、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、アリ
ルアルコール等のアルコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチ
レングリコールモノエチルエーテル、ポリプロピレング
リコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール
モノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノア
リルエーテル等のグリコールないしその誘導体類;グリ
セロール、グリセロールモノエチルエーテル、グリセロ
ールモノアリルエーテル等のグリセロールないしその誘
導体類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;流動パラフィン、デカン、デセン、メチルナ
フタレン、デカリン、ケロシン、ジフェニルメタン、ト
ルエン、ジメチルベンゼン、エチルベンゼン、ジエチル
ベンゼン、プロピルベンゼン、シクロヘキサン、部分水
添されたトリフェニル等の炭化水素類、ポリジメチルシ
ロキサン、部分オクチル置換ポリジメチルシロキサン、
部分フェニル置換ポリジメチルシロキサン、フルオロシ
リコーンオイル等のシリコーンオイル類、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロロジフェ
ニル、クロロジフェニルメタン等のハロゲン化炭化水素
類、ダイルロル(ダイキン工業(株)製)、デムナム
(ダイキン工業(株)製)等のふっ化物類、安息香酸エ
チル、安息香酸オクチル、フタル酸ジオクチル、トリメ
リット酸トリオクチル、セバシン酸ジブチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ドデシル等のエステル化合物類などが、
適宜選択されて単独でもしくは複数組み合わせて使用さ
れる。
【0034】本発明に係る色材分散液を調製するにおい
ては、色材100質量部に対し、ポリマー成分5〜50
質量部、より好ましくは10〜30質量部を添加するこ
とが好ましい。すなわち、ポリマーが5質量部未満であ
ると、色材の表面性状を十分に改質することが困難とな
る虞れがあり、一方50質量部を越えると、色材ととも
に分散配合されるポリマーの量が多くなり、遮光性ない
し着色性などといった本来的に要求される色材の特性を
損なう虞れがあるためである。
【0035】また溶媒量としては、ポリマーの種類によ
っても異なるが、ポリマー100質量部に対し、300
〜2000質量部、より好ましくは500〜1000質
量部とすることが好ましい。溶媒量が300質量部未満
であると、ポリマー溶液の粘度が高くなり撹拌による分
散処理が困難となり、一方溶媒量が2000質量部を超
えると充分な撹拌力を与えてもポリマーによる色材の表
面性状の改質が充分なものとならない虞れがあるためで
ある。
【0036】また、攪拌混合時における加熱温度として
も、使用されるポリマーの種類等によっても左右される
ため、一概には規定できないが、40〜150℃、好ま
しくは50〜120℃、より好ましくは60〜100℃
程度が適当である。すなわち、加熱温度が極端に低いも
のであると、詳細な理由は明らかではないが、色材の表
面性状の改質が充分なものとはならず、逆に150℃を
越えると撹拌分散系の制御・維持が困難となるためであ
る。
【0037】さらに分散処理において、色材に加わる剪
断応力としては、特に限定されるものではないが、10
2Pa以上、好ましくは103Pa以上、特に好ましくは
10 4Pa以上とすることが望まれる。
【0038】本発明に係る色材分散液を調製するにおい
て、このような適当な剪断応力を加えながら加熱下にお
いて分散処理するために、本発明においては、被処理流
体を内部に収容するためのベッセル、このベッセル内部
において回転する攪拌子、ベッセル内部に収容された被
処理流体を加熱するための加熱装置、および、ベッセル
内部に収容された複数の粒状メディアを有してなる湿式
分散処理装置を用いる。
【0039】攪拌子とビーズ等の粒状メディアを併用し
て攪拌ないし解砕を行なう湿式分散処理装置ないし湿式
粉砕処理装置は、公知のものとして数多く知られている
が、本発明においては、このような処理装置に、被処理
流体を加熱するための加熱装置を付加するという装置構
成として用いるものである。以下、その構成例を示す。
【0040】図1および図2は、それぞれ、本発明に係
る固体微粒子の表面改質処理方法に使用される湿式分散
処理装置の一実施態様の構成を模式的に示す断面図であ
る。
【0041】図1に示す実施態様の湿式分散処理装置
は、軸線が略水平方向に位置してなる円筒型閉塞容器体
からなるベッセル1を備えた横型の処理装置である。こ
のベッセル1の外壁面における左右の円盤状端面部のう
ちの一方(図中左側、以下左側端面部と称する。)の中
心部には回転軸挿通孔が設けられており、この挿通孔を
通じて、回転軸2がベッセル外部よりベッセル内部空間
へとベッセルの軸線に沿って液密に挿通されている。そ
して、この回転軸2のベッセル内部空間に位置する部位
には、円盤状の複数の攪拌子3がそれぞれ所定間隔離間
されてこの回転軸2に略垂直な方向に沿って取付けられ
ており、一方ベッセル外部においてこの回転軸2は図示
しない駆動装置に連結されている。またベッセル1の外
壁面における円筒状周面部の前記左側端面部近傍でかつ
上方に位置する部位には、流体導出口14が設けられ、
一方、反対側の端面部(以下、右側端面部と称する。)
の近傍でかつ下方に位置する部位には逆止弁12を備え
た流体導入口13が設けられており、これにより同装置
は連続処理方式のものとされている。そして、ベッセル
1の内部空間内には、粒状メディアとして多数の球状ビ
ーズ4が充填されており、前記流体導出口14の近傍に
は、前記球状ビーズ4は通過できないが、分散液ないし
は固体微粒子は通過することのできる間隙15cを有す
るメディアセパレータ15が配置されている。前記メデ
ィアセパレータ15の間隙15cは、ベッセル1の軸線
にそれぞれ略垂直な方向に配置された、円環状の固定板
部15aと、回転円盤部15bとの間に形成されるもの
であり、この固定板部15aの外周は全周にわたりベッ
セルの内周面(円筒状周面部)に接続され、一方、回転
円盤部15bは、前記攪拌子3の場合と同様に回転軸2
に取付けられている。
【0042】しかして、このベッセル1の壁面外周には
加熱装置としてリボンヒーター11が巻装されており、
ベッセル1内部空間に収容される被分散液を加熱するこ
とができる構成とされている。なお、ベッセル1の右側
端面部には、ベッセル内部に収容される流体の温度を測
定するための熱電対5が取付けられている。
【0043】この装置において、流体導入口13よりベ
ッセル1内部空間に導入された被処理流体、すなわち、
例えば、二次凝集状態にある色材、およびポリマー溶液
からなる配合物は、流体導出口14より導出されるまで
の間に、攪拌子3の回転およびこの回転による充填され
た球状ビーズ4の個々の回転・旋回、相互の接触・衝突
等を伴なう流動運動によって生じる剪断力を受けると共
に、リボンヒーター11による加熱を受け、解砕され個
々に分離した一次粒子となった色材が、ポリマー溶液中
に均一に分散されていくと同時に、当該色材のポリマー
での改質処理が効率よくなされ、最終的に流体導出口1
4からは取出される分散液は、取出し直後の分散状態が
良好であるのみならず、その分散状態を長持間安定して
維持するものとなる。
【0044】また、図2に示す実施態様の湿式分散処理
装置は、軸線が略鉛直方向に位置してなる上端が開口さ
れた円筒型容器体本体1aと前記開口を覆う蓋体1bか
らなるベッセル1を備えた縦型のバッチ式の処理装置で
ある。このベッセル1の蓋体1bの中心部には回転軸挿
通孔が設けられており、この挿通孔を通じて、回転軸2
がベッセル外部よりベッセル内部空間へとベッセルの軸
線に沿って挿通されている。そして、この回転軸2のベ
ッセル内部空間に位置する部位には、ピン状の複数の攪
拌子3aが、ベッセルの軸線方向においてそれぞれ所定
間隔離間されて多段に、かつ、ベッセルの軸線に略垂直
な面において回転軸を中心として放射状に広がるように
取付けられている。一方、ベッセル1の内周側面には、
ベッセルの軸線方向において前記攪拌子3aと相互に干
渉しない位置に多段に(つまり、ちょうど2つの櫛のそ
れぞれの櫛歯が噛合うごとく配置する。)、かつベッセ
ルの軸線に略垂直な面において内周側面より回転軸に向
い放射状に収束するようにピン状の複数の固定子3bが
取付けられおり、一種のいわゆる邪魔板として作用す
る。なお、回転軸2はベッセルの外部において図示しな
い駆動装置に連結されている。そして、ベッセル1の内
部空間内には、前記図1に示す実施態様におけると同様
に、粒状メディアとして多数の球状ビーズ4が充填され
ている。
【0045】しかして、このベッセル1の円筒型容器体
本体1a壁面外周には、加熱ジャケット6が形成されて
おり、この加熱ジャケット6は、加熱ヒータ9を備えた
熱媒タンク8と、途中に熱媒循環ポンプ7を配してなる
循環管路により連結されており、循環する熱媒によっ
て、ベッセル1内部空間に収容される被分散液を加熱す
ることができる構成とされている。
【0046】この装置において、ベッセル1内部空間に
装填された被処理流体、すなわち、例えば、二次凝集状
態にある色材、およびポリマー溶液からなる配合物は、
所定時間の攪拌処理により、攪拌子3aの回転およびこ
の回転する攪拌子3aと固定子3bの存在によりもたら
される充填された球状ビーズ4の個々の回転・旋回、相
互の接触・衝突等を伴なう流動運動によって生じる剪断
力を受けると共に、加熱ジャケット6による加熱を受
け、解砕され個々に分離した一次粒子となった色材が、
ポリマー溶液中に均一に分散されていくと同時に、当該
色材のポリマーによる改質処理が効率よくなされ、所定
時間経過後に得られる分散液は、取出し直後の分散状態
が良好であるのみならず、その分散状態を長持間安定し
て維持するものとなる。
【0047】以上は、湿式分散処理装置の構成を図示し
た実施態様に基づき説明したが、この装置において、ベ
ッセル内の被処理流体を加熱するための加熱装置として
は、ベッセル内の被処理流体を有効に加熱できるもので
ある限り、任意の様式のものとすることができ、上記し
たような熱媒循環方式、リボンヒーター以外にも、例え
ば、セラミックスヒーターないし赤外加熱方式、高周波
誘導加熱方式、コイルヒーター等各種のものを採用する
ことが可能であり、またその配置位置としても上記実施
態様におけるようにベッセルの外周に配置するもののみ
ならず、攪拌子の回転に支障を来さない限りベッセルの
内部空間に配置することも可能であり、加熱装置を、例
えば、ベッセル内面、攪拌子ないし回転軸、あるいは固
定子ないし邪魔板に組付けるといったことも可能であ
る。このうち、装置の構造あるいは温度制御の面からベ
ッセルの外周部に加熱装置を配置するのが好ましい。
【0048】また、この装置において、加熱装置以外の
湿式分散処理装置の基本的構成、例えば、連続式ないし
バッチ式、ベッセルの材質、形状、攪拌子の材質、形状
ないし配置位置、粒状メディアの材質、形状および粒径
等についても特に限定されるものではなく、得ようとす
る分散液ないし処理される色材の化学的性質および比
重、粒度等の物理的性質等に応じて、適宜選択可能であ
る。
【0049】ベッセルとしては、アルミナ、ジルコニ
ア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タングステン
カーバイト等の各種セラミックス、各種ガラス、鋼、ク
ロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金などの各種金属
等を一種あるいは2種以上用いて構成される、横置ない
し縦置の、例えば、円筒型、円錐型、半円筒型、例えば
特公平2−27018号に開示されるものあるいはダイ
アモンドファインミル(三菱重工業株式会社製)等にお
けるような断面W字ないしコの字型のもの、さらには例
えば特公平6−73620号に開示されるもののように
内部に粒状メディアを収容してなるベッセル(攪拌子を
備えたないし攪拌子がベッセル壁面の一部を形成する)
をその内外の流体(分散液)流通を可能なものより大き
な容器体内部に配置したものなど、各種の様式のものと
することができる。
【0050】また攪拌子としては、ベッセルと同様、ア
ルミナ、ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪
素、タングステンカーバイト等の各種セラミックス、各
種ガラス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合
金などの各種金属等が適宜選択される。なお、この材質
はベッセルの材質と異なっていても何等さしつかえな
い。また、形状としては、例えば、上記した円盤状(デ
スク型)、ピン型以外に、デスクタービン型、ファンタ
ービン型、プロペラ型、螺旋軸翼型、螺旋帯翼型、ゲー
ト型、アンカー型、円筒状、パドル型といった各種の形
状のもの、さらにはこれらに通液性の孔を形成するなど
の改良を付したものなどを、単一であるいは多段に配す
ることが可能である。また、この攪拌子の形状に応じ
て、適当な形状を有する邪魔板ないし固定子を設けるこ
とが可能である。さらにこのような攪拌子を形成する回
転軸は、ベッセルと共軸的に配するもののみならず、ベ
ッセルの中心軸より変位させて、あるいは2軸もしくは
多軸に配置することも可能である。
【0051】さらに、粒状メディアとしては、処理され
る色材ないしポリマー溶液の種類、ベッセルないし攪拌
子の形態等に応じて、適宜変更可能であり、アルミナ、
ジルコニア、ステアタイト、窒化珪素、炭化珪素、タン
グステンカーバイドなどの各種セラミックス、各種ガラ
ス、鋼、クロム鋼、ハステロイ等のニッケル系合金など
の各種金属から構成される球状、円筒状、回転楕円体状
等の形状のものが用いられ得るが、このうち、特にアル
ミナ、ジルコニア、鋼およびクロム鋼などの材質から構
成される球状のビーズで、通常、直径0.05〜20m
m程度、より好ましくは0.1〜5mmのものが望まし
い。また、これらの粒状メディアのベッセルへの充填割
合は、ベッセルないし攪拌子の形態等によっても左右さ
れるものであるため、限定されるものではないが、例え
ばベッセルの有効容積の20〜90%、より好ましくは
30〜80%とされる。なお、充填割合が極端に少ない
と、二次凝集状態にある色材の十分な解砕、および色材
のポリマーによる改質が十分なものとはならず、一方充
填割合が極端に多いと粒状メディアの磨耗によるコンタ
ミネーションの増大を引き起こす虞れがある。
【0052】本発明の感光性着色樹脂組成物は、上記し
たような分散処理によって得られた色材分散液を、主た
る遮光ないし着色成分として用いることを特徴とするも
のであり、その他の成分としては特に限定されるもので
はなく、例えば、アルカリバインダー樹脂、エチレン系
不飽和二重結合を有するモノマー、及び光重合開始剤等
を含有し得る。
【0053】感光性着色樹脂組成物における上記色材分
散液の配合量は、当該色材分散液中に含まれる色材が、
感光性着色樹脂組成物の固形分総量の30〜70質量
%、より好ましくは40〜60質量%となるように配合
することが好ましい。30質量%未満では十分な遮光性
ないし着色性が発揮できなくなる虞れがあり、一方70
質量%を超えると被膜強の低下、分散安定性及び現像時
のパターニング性の低下などの原因となる虞れが生じる
ためである。
【0054】アルカリバインダー樹脂としては、公知の
高分子化合物が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチル
エステル、ブチルエステル等)の単独ないし共重合体、
ポリ(メタ)アクリル酸、スチレンと無水マレイン酸等
の不飽和二塩基酸無水物との共重合体等がある。また分
子中にカルボキシル基、水酸基、アミノ基、カルボン酸
アミド基、スルフォン酸アミド基等を含む高分子化合物
があるが、これらに何ら限定されるものではない。
【0055】これらのバインダー樹脂の添加量は、固形
分総量の10〜43質量%が好ましい。10質量%未満
では基板とのパターン強度が低下し、一方43質量%を
超えると樹脂層の粘着性が強固になり、現像性低下の原
因となるためである。また、エチレン性不飽和二重結合
を有するラジカル重合性モノマーとしては、例えば、2
−エチル−2−プロパンジオールジアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリス(2−アクリロイ
ルオキシエチル)イソシアナート、1,4−ジイソプロ
ペニルベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼンメタク
リレート、デカメチレングリコールジアクリレート、エ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、またはジアリルフマレート等が挙げられる。特
に好ましくは、2−ブチルプロバンジオールジアクリレ
ート、ペンタエリスルトールテトラアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート、またはポリオキシエチ
ル化トリメチロールプロパントリアクリレートである。
これらのラジカル重合性モノマーの添加量は、特に限定
されるものではないが固形分総量の1〜10質量%が好
ましい。1質量%未満では十分な感度が得られず、多く
の露光量をかけなければならない。一方10質量%を超
えると経時安定性の低下やパターン形状不良などの問題
が発生する。
【0056】光重合開始剤としては、既知のすべての化
合物を使用することが可能である。例えば、ベンジル、
アセチル等のα−ジケトン類、ベンゾイン等のアシロイ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のアシロイ
ンエーテル類、チオキサントン、2,4−ジエチルキサ
ントン、チオキサントン−4−スルフォン等のチオキサ
ントン類、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチル
アミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフ
ェノン、p−ジメチルアセトフェノン、α,α’−ジメ
トキシアセトキシアセトフェノン、2,2’−ジメトキ
シ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセト
フェノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニ
ル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン等のアセトフ
ェノン類およびアントラキノン、1,4−ナフトキノン
等のキノン類、トリブロモメチルフェニルスルフォン、
フェナンシルクロライド、トリス(トリクロロメチル)
−s−トリアジン、p−メトキシフェニル−2,4−ビ
ス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−
ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,
4−オキサジアゾール、9,10−ジメチルベンズフェ
ナジン、9−フェニルアクリジン、チオキサントン/ア
ミン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン、ベンジルジ
メチルケタール、ヘキサアリールビイミダゾール/メル
カプトベンズイミダゾール等が挙げられる。特に好まし
くはトリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、p
−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−s−トリアジン、α,α’−ジメトキシアセトキ
シアセトフェノンが挙げられる。
【0057】これらの光重合開始剤は、その総量がバイ
ンダー樹脂に対して0.5〜40質量%となるような量
で使用することが好ましい。すなわち、0.5質量%未
満では感度を得られにくく、40質量%を超えると結晶
の析出による硬化不足等の原因となるためである。
【0058】また、感光性着色樹脂組成物における分散
用溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル等のセルソルブ類及びこれらの酢酸エステ
ル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸n−ブチル等の酢酸エステル類、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチル
ケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類、およびエタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ンなどのアルコール類が挙げられる。
【0059】このような分散用溶剤の使用量としては、
特に限定されるものではないが、前記した色材分散液中
の溶剤成分と併せて、全固形分に対し50〜200質量
%の量となる範囲で使用することが好ましい。
【0060】光酸発生剤としてはトリアジン系化合物、
オニウム塩系化合物があるトリアジン系化合物としては
上記記載の通りである。
【0061】オニウム塩系化合物としてはジフェニルヨ
ードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフルオロホロネーート、ジフェニルヨード
ニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨード
ニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨ
ードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨード
ニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェ
ニル−フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、
4−メトキシフェニル−フェニルヨードニウムヘキサフ
ルオロホスホネートなどが挙げられる。
【0062】架橋剤としては、N−メチロール構造を有
するものが用いられ、例えばメチロール化尿素、尿素樹
脂、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン、メ
チロール化グアナミン、あるいはこれらの化合物のアル
キルエーテルを用いることができ、熱安定性が高いとい
う点からアルキルエーテル化合物がより好ましい。この
アルキルエーテルのアルキル基としては炭素数1〜5の
アルキル基が好ましい。特に、このアルキルエーテル化
合物としては感度の点からヘキサメチロールメラミンの
アルキルエーテル化合物がより好ましい。上記架橋剤
は、露光後発生した酸素存在化の加熱により、上記樹脂
と架橋反応を起こしパターン形成する。
【0063】本発明に係る感光性着色樹脂組成物を調製
する方法としては、特に限定されるものではないが、例
えば、上記したような材料を、ディゾルバー型撹拌機、
ターボ型撹拌機、二軸式撹拌機等の撹拌機を用いて混和
する、あるいは二本ロールミル、三本ロールミル、サン
ドミル、ペイントシェーカー等の分散機を用いて混練す
ることにより行われる。
【0064】次に本発明における各組成の好ましい配合
について説明する。感光性着色組成物の固形分は5〜4
5質量%であり、好ましくは10〜35質量%、更に好
ましくは25〜30質量%である。5質量%以下、また
は40質量%以上であるとスピンコート、ロールコート
等の塗布装置で所望の膜厚を得ることが困難となり、ま
た塗布性も低下する。
【0065】表面処理化した色材の割合は、分散樹脂に
対し50〜250質量%であり、好ましくは100〜2
00質量%である。50質量%以下であるとブラックマ
トリクスにしたときの遮光性が低下するので厚い膜厚が
要求され、その結果液晶配向膜形成の際に支障を来し、
液晶表示性能が損なわれる恐れがある。250質量%以
上であると均一に分散することが困難となり、遮光膜を
形成しても密着性など機械的強度が低下する恐れがあ
る。
【0066】表面処理をする絶縁性物質の被覆量は特に
限定されないが、効果をより顕著に現すためには表面を
被覆される母粒子(色材)の10質量%以上、35質量
%以下であることが望ましい。すなわち10質量%未満
では体積抵抗値に対する明らかな添加効果が見られず、
また35質量%を越えると遮光性の低下が見られたり、
透明基板との接着不良、耐衝撃性等の問題を生じる場合
があり、15質量%以上、25質量%以下がさらに好ま
しい。
【0067】分散剤の割合は色素に対し1質量%以上と
するものが好ましい。1質量%未満では均一な分散をす
ることが困難で、安定性に欠けたものになる。
【0068】光重合性モノマーの添加量は分散樹脂の2
0〜150質量%程度である。
【0069】光重合開始剤の添加量は光重合性モノマー
の5〜150質量%、好ましくは50〜60質量%を1
種または2種以上添加して用いる。
【0070】次に本発明に係る感光性着色樹脂組成物を
用いたブラックマトリックスの形成工程について図面を
用いて説明する。
【0071】図3に示すように、基板21上に感光性着
色樹脂組成物22をバーコート法、ロールコート法、ス
ピンナー法、あるいはカーテンコート法などを用いて、
均一に塗布し黒色樹脂層を形成する。乾燥を必要とする
場合は、70〜100℃程度の温度にて加熱しても良
い。
【0072】次にマスクパターン23を用いてブラック
マトリックスにする箇所のみに紫外線を照射し、露光を
行い、ラジカル重合させて硬化させる。露光に使用する
光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯等である。
【0073】次に、アルカリ水溶液を現像液として、未
露光部の黒色樹脂層を除去して、ブラックマトリックス
を形成する。
【0074】上記現像液としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウ
ムなどの無機アルカリ溶液、トリエチルアミンなどのア
ルキルアミン類、トリエタノールアミンなどのアルコー
ルアミン類、テトラエチルアンモニウムヒドロキサイド
などの第四級アンモニウム塩などを用いることができ
る。また、メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コールなどのアルコール系極性溶剤なども用いることが
できる。
【0075】また、上記現像液には、必要に応じて、他
の添加剤、例えば、界面活性化剤、湿潤剤、有機溶剤な
どを添加しても良い。
【0076】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより具体的に
説明する。なお、以下合成例、実施例および比較例中の
「部」は、すべて質量による。 合成例1 撹拌羽根、不活性ガス導入管、還流冷却管、温度計及び
滴下漏斗を備えたセパラブルフラスコに溶剤としてシク
ロヘキサノン200部を仕込み、N2気流下80℃に昇
温しておいた。
【0077】ブチルメタクリレート50部、ヒドロキシ
エチルメタクリレート20部、メチルメタクリレート1
0部、メタクリル酸20部及び開始剤としてアゾイソブ
チロニトリル3部及びシクロヘキサノン100部を混合
し溶解させたものを滴下漏斗に仕込み3時間にわたり8
0℃に保ちながら滴下を行い、さらに2時間重合反応を
進めた後、冷却して取り出し、重合体溶液(1)(不揮
発分25%)を得た。
【0078】実施例1 チタンブラック13R(三菱マテリアル(株)製)1k
gをアモルファスシリカ100gで被覆処理した。
【0079】次に図2に示すような構成を有する装置
(ベッセル内容量1.2リットル)に、粒状メディアと
して直径1mmのジルコニア製ビーズ2kgを充填し、
上記で得られた解砕チタンブラック300部、合成例1
で得られた重合体溶液(1)216部、シクロヘキサノ
ン30部を仕込んだ。ついで予め加熱しておいた熱媒を
循環させることにより、ベッセル内部を160℃に昇温
し、ディスクの外周速度10m/sで2時間運転を行っ
た後冷却し、ジルコニア製ビーズを分離してチタンブラ
ック分散液(1)を得た。
【0080】実施例2感光性黒色樹脂層の形成 実施例1で得られたチタンブラック分散液(1) 35
部、BMA/MMA/HEMA/MAA共重合体(Mw
=50000)10部、ペンタエリスリトール2.5
部、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロ
メチル)−s−トリアジン 1.5部、シクロヘキサノ
ン51部およびガラスビーズ100部をガラス瓶に入
れ、ペイントシェーカーにて2時間分散して感光性黒色
樹脂分散液(1)を作成した。次に両面Cr蒸着された
基板の片面に800rpmでスピンコートし、1.1μ
mの膜厚を得た。塗膜の乾燥後端面をアセトンで拭き取
り更に230℃30分の加熱処理後、両面のCrを銀ペ
ーストで短絡し、体積抵抗値測定用基板とした。この基
板をJIS規格(C2103−1991)の体積抵抗率
試験に準じた方法で抵抗を測定したところ109Ωcm
以上であった。また透明ガラス基板上に厚さ1.0μm
の塗膜を形成し、光学濃度を測定したところ3.0を示
した。また上記同様に透明ガラス基板上に塗膜を形成
し、70℃15分プリベークを行った後、画素部が遮光
されたマスクを介して精度良くアライメントを行った
後、露光(200mJ/cm2)し、2.5%の炭酸ナ
トリウム水溶液で現像後よく水洗した。水洗乾燥後、2
30℃30分焼成を行いブラックマトリクスパターンを
得た。フォトリソ法のため、解像性がよくブラックマト
リクスは線幅6μm以下で形成することが可能となっ
た。
【0081】比較例1 アクリル樹脂(メタクリル酸20部、ヒドロキシエチル
メタクリレート15部、メチルマタクリレート10部、
ブチルメタクリレート55部をエチルセルソルブ300
部に溶解し、窒素雰囲気下でアゾビスニトリル0.75
部を加えて、70℃、5時間反応させて得られたアクリ
ル樹脂)を樹脂濃度20質量%になるようにエチルセル
ソルブで希釈した。この樹脂30gと黒色顔料のチタン
ブラック13R(商品名:三菱マテリアル製)20g、
分散剤 ソルスパース20000(商品名:ゼネカ製)
3g、エチルセルソルブ30gを添加してビーズミル分
散機で冷却しながら1.5時間分散した。この着色樹脂
100gに対し光重合性モノマーとしてトリメチロープ
ロパントリアクリレート4.0gと光重合開始剤として
ピペロニル−s−トリアジン5g及び溶剤としてエチル
セルソルブ100gを加え良く撹拌して遮光膜形成用着
色組成物を作製した。この遮光膜形成用着色組成物を両
面Cr蒸着された基板の片面に800rpmでスピンコ
ートし、1.05μmの膜厚を得た。塗膜の乾燥後端面
をアセトンで拭き取り更に230℃30分の焼成後、両
面のCrを銀ペーストで短絡し、体積抵抗値測定用基板
とした。この基板をJIS規格(C2103−199
1)の体積抵抗率試験に準じた方法で抵抗を測定したと
ころ100Ωcm以上となった。さらに透明ガラス基板
上に厚さ1.0μmの塗膜を形成し、光学濃度を測定し
たところ2.3と極度に低い値を示した。また上記同様
に透明ガラス基板上に塗膜を形成し、また透明ガラス基
板上に厚さ1.2μmの塗膜を形成し、70℃15分プ
リベークを行った後、画素部が遮光されたマスクを介し
て精度良くアライメントを行った後、露光(100mJ
/cm2)し、2.5%の炭酸ナトリウム水溶液で現像
後よく水洗した。水洗乾燥後、230℃30分焼成を行
いブラックマトリクスパターンを得たが、解像性、表面
平滑性が悪く、また黒色組成物自体の分散安定性も悪か
った。
【0082】
【発明の効果】以上述べたように本発明は色材を絶縁性
物質で表面処理し上記のような分散方法により処理する
ことにより、得られた感光性着色樹脂組成物は、分散安
定性が良好であり、紫外線露光に対して高感度で、アル
カリ水溶液による現像が可能であり、しかも硬化膜が電
気的高抵抗性、高遮光性を有し、耐薬品性、耐熱性、基
板との密着性に優れ、さらに膜強度が高く低反射率のも
のとなるため、この着色感光性樹脂組成物を用いて形成
したブラックマトリックスは、極めて優れた特性を発揮
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る感光性着色樹脂組成物中に配合
される色材分散液を調製するにおいて用いられる湿式分
散処理装置の一実施態様の構成を模式的に示す断面図で
ある。
【図2】 本発明に係る感光性着色樹脂組成物中に配合
される色材分散液を調製するにおいておいて用いられる
湿式分散処理装置の別の実施態様の構成を模式的に示す
断面図である。
【図3】 本発明に係る感光性着色樹脂組成物を用いた
ブラックマトリックスの形成工程を模式的に示す断面図
である。
【符号の説明】
1…ベッセル 2…回転軸 3、3a…攪拌子 3b…固定子 4…分散媒体(球状ビーズ) 5…熱電対 6…加熱ジャケット 7…熱媒循環ポンプ 8…熱媒タンク 9…加熱ヒータ 11…リボンヒーター 13…流体導入口 14…流体導出口 21…基板 22…感光性着色樹脂組成物 23…フォトマスク 24…ホットプレート 25…感光性着色樹脂形成物 26…露光硬化部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/027 502 G03F 7/027 502 (72)発明者 池田 勇人 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 川島 正行 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 糸井 健 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 谷 瑞仁 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA01 AA04 AA06 AA10 AA14 AA20 AB13 AB20 AC01 AD01 BA03 BA06 BC13 BC42 CC03 CC11 CC17 CC20 FA17 2H048 BA28 4J037 AA21 CC16 DD04 DD19 DD23 DD24 EE03 EE12 EE24 EE28 EE48 FF02 FF05 FF11 FF13 FF15 FF25

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッセル内部に複数の粒状メディアを配
    してなる撹拌装置内に、絶縁性物質により表面が被覆さ
    れた色材とポリマー溶液を配し、加熱下に分散処理する
    ことにより得られた色材分散液を用いてなる感光性着色
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記色材が黒色色材であることを特徴と
    する請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記黒色色材がチタンブラックであるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記樹脂が(メタ)アクリル系樹脂から
    なることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1
    つに記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記絶縁性物質が色材の2質量%以上3
    5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれか1つに記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ポリマーが平均分子量500〜5000
    0の(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーである請求
    項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記組成物において、分散剤、光重合モ
    ノマー、光重合開始剤、溶媒を成分とすることを特徴と
    する請求項1または2記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記組成物において、分散剤、光酸発生
    剤、架橋剤、溶媒を成分とすることを特徴とする請求項
    1または2記載の組成物。
  9. 【請求項9】 前記組成物において、分散剤、光重合モ
    ノマー、ジアゾ系またはアジド系化合物、溶媒を成分と
    することを特徴とする請求項1または2記載の組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063580A (ja) * 2001-09-19 2008-03-21 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd カラーフィルター用着色剤
WO2012044070A2 (en) * 2010-09-30 2012-04-05 Kolon Industries, Inc. Photosensitive resin composition for organic insulator

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