JP2002105025A - アリル化合物の製造方法 - Google Patents
アリル化合物の製造方法Info
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Abstract
−ジアセトキシブテン−2等のアリル化合物の異性化に
より、高転化率、高選択率、又、金属の析出を起すこと
なく、対応する異性体を製造する方法をの提供する。 【解決手段】 アリル位にアシルオキシ基及び/又は水
酸基を有するアリル化合物を異性化して対応するアリル
異性体生成物を製造する方法において、周期表の第8〜
10族の金属の化合物を含む触媒及びカルボン酸の存在
下に異性化反応を行うことを特徴とする。
Description
オキシ基又は水酸基を有する化合物をアリル転位により
異性化する方法に関し、詳しくは、3,4−二置換ブテ
ン−1及び/又は1,4−二置換ブテン−2を特定の触
媒を用いて異性化してそれぞれ対応する異性体である
1,4−二置換ブテン−2及び/又は3,4−二置換ブ
テン−1を製造する方法に関する。本発明の方法により
得られる1,4−ジアセトキシブテン−2は、1,4−
ブタンジオール又はテトラヒドロフラン等を製造するた
めの重要な中間体である。一方、3,4−ジアセトキシ
ブテン−1はビタミンAアセテート等のテルペンテン化
合物をはじめ、医薬、農薬、各種香料等を製造するため
の重要な中間体である。
3,4−ジアセトキシブテン−1は、酢酸溶媒中ブタジ
エンを分子状酸素で酸化することにより得られることは
公知である(例えば特開昭48-72090号公報、特開昭48-9
6513号公報等)。しかしながら、この方法では、1,4
−ジアセトキシブテン−2と3,4−ジアセトキシブテ
ン−1の生成比率は主に触媒の性能に左右されることか
ら、任意の比率で製造することは極めて困難であった。
また、1,2−エポキシブテン−3をアセトキシ化する
ことにより容易に3,4−ジアセトキシブテン−1を得
ることはできるが、この方法では1,4−ジアセトキシ
ブテン−2を得るのは極めて困難であった。一方、1,
4−ジアセトキシブテン−2のみを選択的に製造するた
めには、3,6−ジヒドロ−1,2−ジオキシイン等の
極めて特殊な原料を必要とすることから、工業的規模で
の製造は事実上不可能であった。
及び/又は1,4−ジアセトキシブテン−2を特定の触
媒を用いて異性化して、それぞれ対応する異性体である
1,4−ジアセトキシブテン−2及び/又は3,4−ジ
アセトキシブテン−1を製造する方法については、従来
からいろいろな方法が提案されている。例えば、触媒と
して塩化白金化合物を用いる方法(ドイツ特許第273
6695号明細書、同第2134115号明細書)、パ
ラジウム化合物を塩化水素又は臭化水素の共存下に用い
る方法(特開昭57−140744号公報)、PdCl
2 (PhCN)2 化合物を用いる方法(米国特許第4,
095,030号明細書)等が知られている。しかしな
がら、これらの方法は、触媒の安定性に問題があり、こ
のため腐食性の高いハロゲン化合物を多量に使わざるを
得ないという問題点を抱えている。
して、パラジウム化合物と有機ホスフィンからなる触媒
を用いる方法(特開昭55−11555号公報)やアル
ミナ、ゼオライト等の酸触媒を用いて気相で異性化する
方法(ドイツ特許第3326668号明細書、特開昭5
0−126611号公報)も提案されているが、活性が
満足できるレベルにはない。一方、異性化反応系中に酢
酸を存在させることにより、活性を向上させる方法が提
案されているが(特開昭55−167253号公報)、
その効果の確認は、触媒としてイオン交換樹脂を用いた
場合に限定されている。しかも活性は低く、満足できる
レベルにはない。
ジアセトキシブテン−2と3,4−ジアセトキシブテン
−1は、全く異なる製品群の中間体であることから、そ
の需要比は地域や時代、或いはそれを実施する企業の事
業背景などにより異なっている。従って、3,4−ジア
セトキシブテン−1及び/又は1,4−ジアセトキシブ
テン−2を特定の触媒を用いて異性化して、それぞれ対
応する異性体である1,4−ジアセトキシブテン−2及
び/又は3,4−ジアセトキシブテン−1を工業的に製
造することの意義は極めて大きいが、前記従来法におい
ては、触媒の活性が満足すべきレベルにはない、或いは
選択性が十分ではない等という問題があり、工業的観点
からは決して満足できるものではなかった。
を用いた場合には、アリル原料化合物がPdにπ配位し
た際に、アリル位にある官能基(例えばアセトキシ基)
がPdに配位し、それがアリル原料化合物と共に脱離する
際に異性化が進行すると考えられている。従って、金属
化合物を触媒として用いた場合には、陽イオン交換樹脂
を触媒とした場合とは異なり、一般に反応液中のカルボ
ン酸の存在は、反応を促進するとは考えられていなかっ
た。しかしながら、本発明者らが鋭利検討をした結果、
周期律表の第8〜10族の金属化合物を含む触媒を用い
て異性化反応を実施する場合には、驚くべきことに、反
応系中にカルボン酸を存在させると反応が著しく促進さ
れることを見出した。従って、本発明の目的は、周期表
の第8〜10族の金属の化合物を触媒として用い、3,
4−ジアセトキシブテン−1及び/又は1,4−ジアセ
トキシブテン−2等のアリル化合物を異性化させること
により、高転化率、高選択率であり、且つ金属の析出を
起こすことなく、目的とする1,4−ジアセトキシブテ
ン−2及び/又は3,4−ジアセトキシブテン−1等の
アリル化合物を製造する方法を提供することにある。
情に鑑み鋭意検討した結果、周期表第8〜10族の金属
化合物を含む触媒の存在下にて、アリル原料化合物をア
リル転位により異性化させる場合には、カルボン酸を共
存させることにより、高転化率、高選択率であり、且つ
金属の析出を起こすことなく、目的とする異性体生成物
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
オキシ基及び/又は水酸基を有するアリル原料化合物を
異性化して対応するアリル異性化生成物を製造する方法
において、周期表の第8〜10族の金属の化合物を含む
触媒及びカルボン酸の存在下に異性化反応を行うことを
特徴とするアリル化合物の製造方法、に存する。
原料は、アリル位にアシルオキシ基及び/又は水酸基を
有するアリル化合物であれば、どのような化合物であっ
てもよく、本発明では、この原料がアリル転位を起こし
て対応する異性体であるアリル生成物を製造する方法で
ある。ここで、アシルオキシ基とは、一般式RAC
(O)O−で表わされ、RAとしては、炭素数1〜10
のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基が挙げら
れ、中でも炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、特に
はR Aとしてはメチル基が好ましい。具体的には、本発
明では、下記式(a)、式(b)及びそれらの混合物か
ら選ばれるアリル原料化合物を異性化反応させて、それ
ぞれ対応する異性体である式(b)、式(a)およびそ
れらの混合物から選ばれるアリル異性体生成物を製造す
ることができる。
セトキシル基又は水酸基であり、R 1〜R5は、それぞれ
独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭
素数1〜20のアルコキシ基、炭素数3〜20のシクロ
アルキル基、炭素数2〜40のジアルキルアミノ基、炭
素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリーロ
キシ基、炭素数6〜20のアルキルアリール基、炭素数
6〜20のアルキルアリーロキシ基、炭素数6〜20の
アリールアルコキシ基、シアノ基、炭素数2〜20のエ
ステル基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子を表し、置
換基を有していてもよい基である。R1〜R5が有してい
てもよい置換基としては、炭素数1〜10のアルコシキ
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、炭素数6〜10
のアリール基等が挙げられる。
CH2=CH-CHR6-CH2R7で表される3,4-二置換ブ
テン-1(但し、R6及びR7はアセトキシル基又は水酸基
である。)が好ましく、また、上述した式(b)の中で
は、式(b’):CH2R8-CH=CH-CH2R9で表さ
れる1,4-二置換ブテン-2(但し、R8及びR9はアセトキ
シル基又は水酸基である。)が好ましい。式(a’)の
3,4−二置換ブテン−1としては、具体的には3,4-ジ
アセトキシブテン-1、3-ブテン-1,2-ジオールモノアセ
トキシレート、3,4-ジヒドロキシブテン-1が挙げられ、
また、式(b’)の1,4−ジ置換ブテン−2として
は、1,4-ジアセトキシブテン-2、1-アセトキシ-4-ヒド
ロキシ-2-ブテン、1,4-ジヒドロキシブテン-2が挙げら
れる。
キシブテン−1は、公知の方法、例えばブタジエンをパ
ラジウム等の触媒の存在下、酢酸及び酸素と反応させて
1,4−ジアセトキシブテン−2を製造する際の副生物
として得られるものであり、例えば(特公昭51−23
008号公報又は同59−28553号公報)に準拠し
て製造することができる。原料は純品でもよいが、複数
のアリル化合物の混合物であってもよく、原料のアリル
化合物以外に、後述するようなこの異性化反応を妨げな
い他の成分、例えば、酢酸、水等を含む混合物であって
もよい。
周期表の第8〜10族(IUPAC 無機化学命名法改訂版
(1989))の金属の化合物を含むものである。金属化合
物としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、白金、イリジウム、オスミウム及びパラ
ジウムの化合物から選ばれる1種以上の化合物が挙げら
れるが、これらの中では、ニッケル、パラジウム、白金
化合物がより好ましく、更にはパラジウム化合物が特に
好ましい。前記金属化合物は、例えば、酢酸塩、アセチ
ルアセトナート、ハライド、硫酸塩、硝酸塩、有機塩、
無機塩、アルケン化合物、アミン化合物、ピリジン化合
物、ホスフィン配位化合物、ホスファイト配位化合物等
が挙げられる。
Ru(OAc)3、Ru(acac) 3、RuCl2(P
Ph3)3等が挙げられ、オスミウム化合物としては、O
sCl 3、Os(OAc)3等が挙げられ、ロジウム化合
物としては、RhCl3、Rh(OAc)3、ロジウムジ
アセテート二量体、Rh(acac)(CO)2、[Rh(OA
c)(COD)]2、[RhCl(COD)]2、Rh
(COD)OAcなどが挙げられる。また、イリジウム
化合物としては、IrCl3、Ir(OAc)3等が挙げ
られ、ニッケル化合物としては、NiCl2、NiB
r2、Ni(NO3)2、NiSO 4、Ni(COD)2、
NiCl2(PPh3)2等が挙げられる。
(0)やPdCl2 、PdBr2 、PdCl2 (CO
D)、PdCl2 (PPh3 )2 、Pd(PPh3)4、
Pd2(dba)3・CHCl3、K2PdCl4、K2Pd
Cl6(potassium hexachloropalladate(IV))、PdC
l2(PhCN)2、PdCl2(CH3CN)2、、Pd
(dba)2、Pd2(dba)3、Pd(NO3 )2 、
Pd(OAc)2 、Pd(CF3COO)2、PdS
O4、Pd(acac)2 、カルボキシレート化合物、
オレフィン含有化合物、Pd(PPh3)4等の有機ホス
フィン含有化合物、アリルパラジウムクロライド二量体
等を挙げることができ、これらの中、Pd(OAc)
2 、PdCl2 等のパラジウムのカルボキシレート化合
物又はハロゲン化物が好ましい。白金化合物としては、
Pt(acac)2、PtCl2(COD)、PtCl2
(CH3CN)2、PtCl2(PhCN)2、Pt(PP
h3)4、K2PtCl4、Na2PtCl6、H2PtCl6
等が挙げられる。(ここで、COD:シクロペンタジエ
ン、dba:ジベンジリデンアセトン、acac:アセチル
アセトナートを表す。)本発明においては、上述した金
属化合物の形態には特に制限されず、活性な金属錯体種
は単量体、二量体及び/又は多量体であってもかまわな
い。
に制限はないが、触媒活性と経済性の観点から、反応原
料であるアリル化合物に対して1×10-8(0.01モ
ルppm)〜1モル当量、好ましくは1×10-7(0.
1モルppm)〜0.001モル当量の範囲、特に好ま
しくは10-6〜0.0001モル等量の範囲で使用され
る。
合物を含む触媒を用いる異性化反応系中に、カルボン
酸、例えば炭素数2〜8の脂肪酸や炭素数6〜12の芳
香族カルボン酸を存在させることにより、異性化反応を
促進するという利点を有する。中でも、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸等の炭素数2〜6の脂肪酸が好ましく、酢酸
が最も好ましい。カルボン酸の存在量は、触媒活性、触
媒の安定性及び経済性の観点から、酢酸:原料であるア
リル原料化合物の合計量(重量比)で、通常10:1〜
1:1000であり、好ましくは、4:1〜1:10
0、更に好ましくは2:1〜1:20の範囲内である。
本発明では、異性化反応のアリール原料化合物が、置換
基としてカルボキシル基を有する場合であっても、別
途、カルボン酸を存在させる必要がある。
共に有機リン化合物を触媒成分として用いることが好ま
しい。有機リン化合物としては、単座又は多座のホスフ
ィン類、ホスファイト類、ホスホナイト類、ホスフィナ
イト類等が挙げられるが、中でもホスファイト化合物が
好ましい。ホスファイト化合物については、特に限定は
されないが、好ましいホスファイト化合物は、下記一般
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)
で示される化合物の中の少なくとも一種である。
21は、それぞれ独立して、アルキル基、アルコキシ基、
シクロアルキル基、アリーロキシ基、アルキルアリーロ
キシ基、アリールアルコキシ基、又はアリール基を表
し、更に置換基を有していてもよい。
合、又は、アルキル骨格を有する置換基(アルキルアリ
ーロキシ基中のアルキル基等)を用いる場合には、その
炭素数は通常1〜20であり、好ましくは1〜14であ
る。その具体例としては、例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基等である。また、アルキル基
又はアルキル骨格部分は更に置換基を有していてもよ
く、置換基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基、
炭素数6〜10のアリール基、アミノ基、シアノ基、炭
素数2〜10のエステル基、ヒドロキシ基及びハロゲン
原子が挙げられる。
る場合又はアリール骨格を有する置換基を用いる場合に
は、その炭素数は通常6〜20であり、好ましくは6〜
14である。具体例としては、フェニル基、トリル基、
キシリル基、ジ−t−ブチルフェニル基、ナフチル基、
ジ−t−ブチルナフチル基等が挙げられる。アリール基
又はアリール骨格部分は更に置換基を有していてもよ
く、置換基としては、水素原子、炭素数1〜20のアル
キル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜2
0のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数6〜20のアリーロキシ基、炭素数6〜20のア
ルキルアリール基、炭素数6〜20のアルキルアリーロ
キシ基、炭素数6〜20のアリールアルキル基、炭素数
6〜20のアリールアルコキシ基、シアノ基、炭素数2
〜20のエステル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子が
挙げられる。
基、2-メチルフェニル基、3-メチルフェニル基、4-メチ
ルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチル
フェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフ
ェニル基、2-エチルフェニル基、2-イソプロピルフェニ
ル基、2-t-ブチルフェニル基、2,4-ジ-t-ブチルフェニ
ル基、2-クロロフェニル基、3-クロロフェニル基、4-ク
ロロフェニル基、2,3-ジクロロフェニル基、2,4-ジクロ
ロフェニル基、2,5-ジクロロフェニル基、3,4-ジクロロ
フェニル基、3,5-ジクロロフェニル基、4-トリフルオロ
メチルフェニル基、2-メトキシフェニル基、3-メトキシ
フェニル基、4-メトキシフェニル基、3,5-ジメトキシフ
ェニル基、4-シアノフェニル基、4-ニトロフェニル基、
トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペン
タフルオロフェニル基、及び下記の(C-1)〜(C-8)が
挙げられる。
て、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキ
レン基、置換基を有してもよい炭素数6〜30のアリー
レン基、又は−Ar1 −(Q1)n −Ar2−なる真中に
二価の連結基を有してもよいジアリーレン基(但し、A
r1 及びAr2 は、それぞれ独立して、置換基を有して
もよい炭素数6〜18のアリーレン基を表す。)を表
す。Tは、炭素原子、アルカンテトライル基、ベンゼン
テトライル基、又はT2-(Q2)n-T2で表される置換基
を有していてもよい四価の基であり、T1及びT2は、そ
れぞれ独立して、炭素数1〜10のアルカントリイル基
及び炭素数6〜15のベンゼントリイル基から選ばれる
置換基を有していてもよい三価の有機基を表す。Q1及
びQ2は、それぞれ独立して、−CR22R23−、−O
−、−S−又は−CO−を表し、nは0又は1であり、
R22及びR23は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1
〜10のアルキル基又は炭素数6〜10のアリール基で
あり、置換基を有していてもよい。
基の場合、その具体例としては、例えばテトラメチルエ
チレン基、ジメチルプロピレン基等が挙げられ、Zが置
換基を有してもよいアルキレン基の場合には、置換基と
しては炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10
のアリール基、アミノ基、シアノ基、アミド基、ニトロ
基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基、炭素
数3〜10のエステル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原
子が挙げられる。また、Z1〜Z4又はA1〜A3が置換基
を有していてもよいアリーレン基の場合には、その具体
例としては、例えばフェニレン基やナフチレン基等が挙
げられ、置換基としては、炭素数1〜8のアルキル基、
炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリ
ール基、アミノ基、シアノ基、炭素数2〜10のエステ
ル基、アミド基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、ト
リメチルシリル基、ヒドロキシ基及びハロゲン原子等が
挙げられる。更に、Z1〜Z4又はA1〜A3が−Ar1 −
(Q)n −Ar2 −なる真中に二価の連結基を有しても
よいジアリーレン基の場合、Ar1 及びAr2 は置換基
を有してもよいアリーレン基であり、その炭素数は6〜
24、更には6〜16が好ましく、置換基の好ましい具
体例としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、ア
ミノ基、シアノ基、炭素数2〜10のエステル基、ヒド
ロキシ基及びハロゲン原子等が挙げられる。また、A1
〜A3及びZ1〜Z4の具体例としては、−(CH2 )2
−、−(CH 2 )3 −、−(CH2 )4 −、−(C
H2 )5 −、−(CH2 )6 −、−CH(CH3 )−C
H(CH3 )−、−CH(CH3 )CH2 CH(CH
3 )−、−C(CH3 )2 −C(CH3 )2 −、−C
(CH3 )2 −CH2−C(CH3 )2−、及び下記の
(A−1)〜(A−46)が挙げられる。また、A1〜
A3の具体例としては(A−47)も挙げられる。
しい具体例として、下記の(1)〜(12)及び(P
1)〜(P21)を例示することができる。
ニルホスフィン、トリ(ノルマルブチル)ホスフィン、
トリ(t−ブチル)ホスフィン、ジフェニルホスフィノ
エタン、ジフェニルホスフィノメタン、ジフェニルホス
フィノプロパン、ジフェニルホスフィノブタンや下記の
(13)〜(20)を例示することができる。
としては、下記の(21)〜(35)を例示することが
できる。
ン化合物の上記金属化合物に対する比率(モル比)は、
通常0.1〜10000であり、好ましくは0.5〜5
00、特に好ましくは1.0〜100の範囲で使用され
る。上記金属化合物と有機リン化合物はそれぞれ単独に
反応系に添加してもよいし、或いは予め錯化した状態で
使用しても良い。
存在下或いは非存在下の何れでも実施しうるが、通常は
異性化反応に溶媒を使用して均一系で実施するのが好ま
しい。溶媒としては、触媒及び原料化合物を溶解するも
のであれば使用可能であり特に限定はない。
カルボン酸類、メタノール等のアルコール類、ジグライ
ム、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、テトラ
ヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類、N−
メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド等のアミド類、シクロヘキサ
ノン等のケトン類、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、
ジ(n-オクチル)フタレート等のエステル類、トルエ
ン、キシレン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素
類、異性化反応系内で副生物として生成する高沸物、原
料であるアリル化合物自体等が挙げられる。これらの中
でも本発明で規定する酢酸等のカルボン酸を溶媒として
用いるのが異性化反応を促進するという点で好ましい。
これらの溶媒の使用量は特に限定されるものではない
が、通常、原料であるアリル化合物の合計量に対して
0.1〜20重量倍、好ましくは0.5〜10重量倍で
ある。
ブテン−1の異性化により1,4−ジアセトキシブテン
−2を得る反応は平衡反応であり、120℃での平衡混
合物は、約60〜65モル%の1,4−ジアセトキシブ
テン−2と35〜40モル%の3,4−ジアセトキシブ
テン−1を含有する。このことは、即ち、1,4−ジア
セトキシブテン−2を主成分として含む反応混合物は、
異性化反応させることにより、3,4−ジアセトキシブ
テン−1を主成分として含む生成物が得られることを意
味している。
4−ジアセトキシブテン−2と3,4−ジアセトキシブ
テン−1のモル比の範囲は通常、90:10〜10:9
0であるが、その範囲内では80:20、70:30、
60:40、50:50、40:60、30:70、2
0:80等のいずれの比率の生成物でも製造することが
できる。この比率は、特に限定されないが、反応条件や
プロセスの経済性により調節することが可能となる。
以外の反応副生物や触媒の分解物等を含んでいてもよ
い。具体的には、異性化反応系中に、ブタンジオールモ
ノアセトキシレート、1-アセトキシブタン-2-オン、4-
アセトキシブタナール、4-アセトキシクロトンアルデヒ
ド、ジアセトキシブタン、アセトキシヒドロキシブタ
ン、ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、1,2
−ブテンジオール、1-アセトキシ-1,3-ブタジエン、ジ
アセトキシオクタジエンから選ばれる1種以上の化合物
(C)が存在していてもよい。これらの化合物(C)
は、異性化反応系内において、原料であるアリル化合物
の合計量に対して(化合物(C):アリル化合物)、重
量比で、通常1:1〜1:10000、好ましくは5:
1〜1:1000、更に好ましくは2:1〜1:50
0、特に好ましくは0.1:1〜1:100の範囲存在
していてもよい。
多量に存在すると、異性化反応が著しく阻害されるため
水の存在量は少ない方が転化率が高くなるという点で好
ましいが、溶媒又は反応原料から完全に水を除外するた
めには、極めて大きなエネルギーを必要とする。従っ
て、工業的には、異性化反応混合液中の水の存在量は、
好ましくは0.1〜5wt%であり、更に好ましくは0.
5〜2wt%である。水は反応系に様々なルートから混入
しうるが、中でも溶媒又は異性化反応の促進剤として用
いられるカルボン酸は、しばしば水を同伴する。このよ
うな場合、カルボン酸に対する水の重量比は、好ましく
は1以下である。
酢酸及び酸素の存在下にジアセトキシ化反応させて得ら
れた1,4-ジアセトキシ-2-ブテンと3,4-ジアセトキシ-1-
ブテンを含む反応生成物から、3,4-ジアセトキシ-1-ブ
テンを主成分とする反応液を分離して、次いで本発明の
方法により異性化させることにより1,4-ジアセトキシ-2
-ブテンを得るプロセスとして採用する場合にも有効で
ある。
応により得られた反応生成物を原料として用いる場合に
は、反応生成物中に、1,4-ジアセトキシ-2-ブテンや3,4
-ジアセトキシ-1-ブテン等のジアセトキシ体以外にも、
上述した化合物(C)と同様の化合物が存在するため、
更に、蒸留等の方法により、3,4-二置換-1-ブテン体又
は1,4-二置換-2-ブテン体のいずれか一方の成分を主体
として含有する混合物を分離し、次いでこの混合物の異
性化反応を行うのが好ましい。
3,4-二置換-1-ブテン体及び/又は1,4-二置換-2-ブテン
体を含有する混合物中には、ジアセトキシ体とモノアセ
トキシ体が含有されているが、モノアセトキシ体はジア
セトキシ体に比べて異性化反応速度が非常に低い。従っ
て、このようなジアセトキシ体とモノアセトキシ体の混
合物の異性化反応を行う場合には、1)異性化反応を行
う前に予めモノアセトキシ体のアセトキシ化反応(エス
テル化反応)を行い、次いで得られたジアセトキシ体を
含む混合物の異性化反応を行う方法か、或いは2)異性
化反応系中でモノアセトキシ体のアセトキシ化反応(エ
ステル化反応)を同時に行う方法を採用するのがよい。
ン-1,2-ジオールモノアセトキシレート及び/又は1-ア
セトキシ-4-ヒドロキシ-2-ブテン等のアセトキシ化反応
(エステル化反応)は、無水酢酸を存在させることによ
り進行する。無水酢酸の量は、特に制限されないが、モ
ノアセトキシ体に対して等モル付近であればよい。無水
酢酸を使用する場合の、エステル化反応の反応温度は、
通常40〜200℃であり、好ましくは100〜160
℃である。
反応は、イオン交換樹脂及び酢酸を存在させることによ
っても進行する。イオン交換樹脂を用いることにより、
高価な無水酢酸を使用することなくアセトキシ化反応を
実施できるという利点を有する。酢酸の量は特に制限さ
れないが、反応が平衡反応であるので、酢酸の量が多く
なるほどアセトキシ化反応の転化率は向上する。採用で
きるイオン交換樹脂の種類としては、スチレン系、メタ
クリル酸系、アクリル酸系等の陽イオン交換樹脂が挙げ
られ、中でもスチレン系陽イオン交換樹脂が好ましい。
イオン交換樹脂の使用量としては、特に制限されない
が、触媒活性と経済性の観点から、回分法の場合にはア
リル原料化合物1kgに対して、好ましくは0.01〜
5kgであり、更に好ましくは0.05〜1kgであ
り、連続法の場合には、空間速度(space vol
ume)は、アリル化合物1リットル、1時間当たり、
好ましくは0.05〜10リットル、更に好ましくは
0.2〜2リットルである。イオン交換樹脂を使用する
場合の、エステル化反応温度としては、通常20〜20
0℃であり、好ましくは30〜120℃、更に好ましく
は40〜100℃である。
セトキシ体のアセトキシ化反応(エステル化反応)を同
時に行う方法2)を採用する場合には、上記の無水酢酸
やイオン交換樹脂及び酢酸を用いることにより、異性化
反応とエステル化反応を同一の反応条件、即ち上述した
異性化反応条件下で実施することが可能である。
何れでも実施できる。回分式で異性化反応を行う場合を
より具体的に説明すると、触媒構成成分を溶媒に溶解
し、この中に例えば3,4−ジアセトキシブテン−1を
主体とする原料を導入し、攪拌下十分転化する時間触媒
と接触させる。反応終了後は、蒸留等の手段により、反
応液から目的の1,4−ジアセトキシブテン−2等を主
体とする成分を分離、回収することができる。1,4−
ジアセトキシブテン−2と3,4−ジアセトキシブテン
−1の分離は通常蒸留や抽出等の方法により行うことが
できる。
アセトキシブテン−1を主体とする原料と触媒成分を連
続的に反応槽に供給し、目的生成物である異性化物を含
む反応液を連続的に抜き出した後蒸留し、触媒成分を含
む残留液を連続的に反応系に循環して再利用する方式が
考えられる。異性化の反応温度は、通常50〜200
℃、好ましくは80〜160℃である。反応温度が低す
ぎると活性が低く、また、高すぎると触媒の安定性が低
下し好ましくない副反応が起こる。反応圧力について
は、特に制限はなく、常圧〜3MPaの範囲、好ましく
は常圧〜2MPaの範囲から適宜選択される。また、反
応時間も特に制限がなく触媒の量、反応温度等の因子か
ら反応速度を考慮して適宜選択する。
する1,4-ジ置換体を得る反応は平衡反応であり、触媒は
反応原料組成から平衡組成へより近づける役割をなす。
つまり、出発原料が3,4-ジ置換体と1,4-ジ置換体のいず
れを主体とする混合物の場合であってもその効果は同じ
である。従って、1,4−ジアセトキシブテン−2を主
体とする成分の異性化反応については、原料として1,
4−ジアセトキシブテン−2又はこれを含む混合物を用
いる他は、上述した3,4−ジアセトキシブテン−1を
主体とする原料の異性化反応に準じて行うことができ
る。
/又は1,4-ジ置換ブテン-2を、周期表の第8〜10族の
元素の金属化合物を含む触媒の存在下で異性化させる
際、該金属化合物の析出を抑制しつつ、且つ、異性化生
成物を10モル%以上の収率で得ることが可能となる。
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に
制約されるものではない。尚、以下の例における反応結
果はガスクロマトグラフィーにより反応液組成を分析し
た結果より算出した。3,4−ジアセトキシブテン−1
(以下、3,4−DABEと略記することがある)を原
料にした場合、生成物として1,4−ジアセトキシブテ
ン−2(以下、1,4−DABEと略記することがあ
る)以外検出できないので、1,4−ジアセトキシブテ
ン−2の収率をもって反応成績とした。また、ホスファ
イト化合物としては、前記の(P1)〜(P21)を用
い、ホスファイトを使用する全ての反応は窒素雰囲気下
において実施した。
シブテン−1(3,4−DABE:0.633mmo
l)、Pd(OAc)2 (0.0221mmol)、前
記ホスファイト化合物(0.041mmol)及び酢酸
(1ml:原料3,4−DABEに対する重量比は9.
64を加えて80℃で1時間反応させた。1,4−ジア
セトキシブテン−2(1,4−DABE)の収率を表1
に示した。尚、いずれの系でもPd金属の析出は認めら
れなかった。
使用し、反応温度を120℃に変更した以外実施例3と
同様の反応を行った所、1,4−DABEの収率は5
6.5%であった。この場合もパラジウム金属の析出は
観測できなかった。実施例3と比較例1とを比べると、
酢酸を存在させることにより、1,4−DABEの収率
が向上することが分かる。
ト化合物として(P3)(0.041mmol)、酢酸
(0.037ml;原料DABEに対する重量比は3.
56)、ジグライム1ml及び3,4−ジアセトキシブ
テン−1(3,4−DABE)又は1,4−ジアセトキ
シブテン−2(1,4−DABE)を0.633mmo
l仕込み、68℃で反応を行った結果を図1に示した。
どちらの原料でもほぼ100分程度で異性化反応が終了
し、平衡濃度に達することが判明した。この場合もホス
ファイト化合物が存在する限りパラジウムの析出は認め
られなかった。
使用例) 3,4−ジアセトキシブテン−1 1ml(6.3mm
ol)中に、Pd(OAc)2 21μmol(5mg)
と前記ホスファイト化合物(P19)〜(P21)各々
12mgを溶解させ、次いで酢酸(10μl;原料DA
BEに対する重量比は0.0968)を加えて120℃
で30分反応させた。結果を下記表2に示した。尚、い
ずれの系でもPd金属の析出は認められなかった。
ホスファイト化合物(P13)40mg(51μmo
l)を、3,4−ジアセトキシブテン−11ml(6.
3mmol)に120℃で溶解させ、ついでこの溶液1
0μlを、酢酸(1ml;原料DABEに対する重量比
は9.59)と3,4−ジアセトキシブテン−1 1m
l(6.3mmol)を含む別のSchlenk tubeに加え
て、120℃で3時間反応させた。モルバランスは99
%以上であり、反応生成液を分析したところ、1,4−
DABEが62%と3,4−DABEが38%含まれて
いた。また、この反応においてPd金属の析出は認めら
れなかった。
て4モル当量のビスホスファイト(P4)を、表3に示
した量の酢酸と3,4−DABE 1ml(6.3mm
ol)を含むフラスコに加えて120℃で1時間反応さ
せた。結果を表3に示した。また、この反応においてP
d金属の析出は認められなかった。
す。 表3の結果より、酢酸の濃度が高い領域、即ちPd化合
物濃度が低い領域では、モルバランスが98%以上と高
くなることが分かる。
使用) 3,4−ジアセトキシブテン−1 1ml(6.3mm
ol)中に、Pt(acac)2 2.5mg(6.21μm
ol)と前記ホスファイト化合物(P13)10mg
(13μmol)を溶解させ、次いで、酢酸(1ml;
原料DABEに対する重量比は9.68)を加えて12
0℃で1時間反応させた。反応生成液をGC分析したと
ころ、1,4−DABEが17mol%(tranc/cis=4.5)
と3,4−DABEが83mol%含まれていた。また、
この反応においてPt金属の析出は認められなかった。
使用) 3,4−ジアセトキシブテン−1 1ml(6.3mm
ol)中に、[Rh(COD)OAc]2 1.8mg
(3.5μmol)と前記ホスファイト化合物(P1
3)10mg(13μmol)を溶解させ、次いで酢酸
(1ml;原料DABEに対する重量比は9.68)を
加えて120℃で1時間反応させた。反応生成液をGC
分析したところ、1,4−DABEが6.3%(tranc/
cis=4.3)と3,4−DABEが92%含まれていた。
また、この反応においてRh金属の析出は認められなか
った。
シブテン−1(0.633mmol)、Pd(OAc)
2 (0.06mmol)及びジグライム1mlを使用
し、反応温度120℃で1時間反応を行った所、1,4
−DABEの収率は1.3%であった。しかしながら、
反応終了後のフラスコ表面にパラジウムの金属ミラーが
観測された。
−1及び/又は1,4−二置換ブテン−2等のアリル原
料化合物を第8〜10族の金属化合物を含む触媒及びカ
ルボン酸の存在下で異性化させることにより、高転化
率、高選択率で、且つ、金属の析出を抑制しつつ、対応
する異性体である1,4−二置換ブテン−2及び/又は
3,4−二置換ブテン−1等を製造することができる。
−1及び1,4−ジアセトキシブテン−2の異性化反応
速度を示す図である。
Claims (18)
- 【請求項1】 アリル位にアシルオキシ基及び/又は水
酸基を有するアリル原料化合物を異性化して対応するア
リル異性体生成物を製造する方法において、周期表の第
8〜10族の金属の化合物を含む触媒及びカルボン酸の
存在下に異性化反応を行うことを特徴とするアリル化合
物の製造方法。 - 【請求項2】 異性化反応系中において、カルボン酸と
アリル原料化合物の合計量との存在比(重量比)が、1
0:1〜1:1000の範囲である請求項1に記載のア
リル化合物の製造方法。 - 【請求項3】 カルボン酸が、炭素数2〜8の脂肪酸で
ある請求項1又は2に記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項4】 アリル原料化合物が、式(a’):CH
2=CH-CHR6-CH2R7で表される3,4−二置換ブ
テン−1、式(b’):CH2R8-CH=CH-CH2R9
で表される1,4−二置換ブテン−2及びそれらの混合
物から選ばれるものである請求項1〜3のいずれかに記
載のアリル化合物の製造方法。(但し、式(a’)及び
(b’)において、R6〜R9はアセトキシル基及び水酸
基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよ
い。) - 【請求項5】 アリル異性体生成物が、式(b’):C
H2R8-CH=CH-CH2R9で表される1,4−二置換
ブテン−2、式(a’):CH2=CH-CHR6-CH2R
7で表される3,4−二置換ブテン−1及びそれらの混
合物から選ばれるものである請求項1〜4のいずれかに
記載のアリル化合物の製造方法。(但し、式(a’)及
び(b’)において、R6〜R9はアセトキシル基及び水
酸基から選ばれる基であり、同一でも異なっていてもよ
い。) - 【請求項6】 式(a’)のアリル原料化合物を式
(b’)のアリル異性体生成物に異性化する請求項1〜
5のいずれかに記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項7】 式(b’)のアリル原料化合物を式
(a’)のアリル異性体生成物に異性化する請求項1〜
5のいずれかに記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項8】 3,4−ジアセトキシブテン−1及び3-
ブテン-1,2-ジオールモノカルボキシレートを主成分と
する混合物を異性化して1,4−ジアセトキシブテン−
2及び1-アセトキシ-4-ヒドロキシ-2-ブテンを含む反応
生成物を得る請求項1〜6のいずれかに記載のアリル化
合物の製造方法。 - 【請求項9】 該金属化合物がロジウム化合物、ルテニ
ウム化合物、ニッケル化合物、白金化合物及びパラジウ
ム化合物からなる群から選ばれる1種以上である請求項
1〜8のいずれかに記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項10】 異性化反応を、有機リン化合物を含む
触媒の存在下に行う請求項1〜9のいずれかに記載のア
リル化合物の製造方法。 - 【請求項11】 有機リン化合物が、下記一般式(I)
〜(VI)で示されるホスファイト化合物からなる群から
選ばれる少なくとも一種である請求項10に記載のアリ
ル化合物の製造方法。 【化1】 (式(I)〜(VI)において、R10〜R21は、それぞれ
独立して、アルキル基、アルコキシ基、シクロアルキル
基、アリーロキシ基、アルキルアリーロキシ基、アリー
ルアルコキシ基、又はアリール基を表し、更に置換基を
有していてもよい基であり、Z1 〜Z4 及びA1 〜A3
は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアル
キレン基、置換基を有してもよいアリーレン基、又は−
Ar1 −(Q1 )n −Ar2−なる真中に二価の連結基
を有してもよいジアリーレン基(但し、Ar1 及びAr
2 は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数
6〜18のアリーレン基を表す)を表す。Tは、炭素原
子、アルカンテトライル基、ベンゼンテトライル基、又
は、T1-(Q2 )n-T2で表される置換基を有していて
もよい四価の基であり、T1及びT2は、それぞれ独立し
て、アルカントリイル基及びベンゼントリイル基から選
ばれる置換基を有していてもよい三価の有機基を表す。
Q1 及びQ2 は、それぞれ独立して、−CR22R23−、
−O−、−S−又は−CO−を表し、nは0又は1であ
り、R22及びR23は、それぞれ独立して、水素原子、ア
ルキル基又はアリール基であり、置換基を有していても
よい。) - 【請求項12】 ホスファイト化合物が一般式(IV)で
示される化合物である請求項11に記載のアリル化合物
の製造方法。 - 【請求項13】 ホスファイト化合物が一般式(V)で
示される化合物である請求項11に記載のアリル化合物
の製造方法。 - 【請求項14】 ホスファイト化合物が一般式(VI)で
示される化合物である請求項11に記載のアリル化合物
の製造方法。 - 【請求項15】 一般式(IV)〜(VI)のいずれかにお
いて、R16〜R21は置換基を有していてもよい炭素数6
〜20のアリール基を表し、Z1 〜Z4 はそれぞれ独立
して−Ar1 −(Q1 )n −Ar2 なる真中に二価の連
結基を有してもよいジアリーレン基(但し、Ar1 及び
Ar2 は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭
素数6〜18のアリーレン基を表し、Q1 は、それぞれ
独立して、−CR22R23−、−O−、−S−又は−CO
−を表し、nは0又は1であり、R22及びR23は、それ
ぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はアリール基を
表す。)を表し、A1 〜A3 は置換基を有してもよい炭
素数12〜20のビスアリーレン基を表す請求項12〜
14にのいずれかに記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかの方法によ
り得られた1,4-ジアセトキシブテン-2を、更に水素化及
び加水分解させて1,4-ブタンジオール及び/又はテトラ
ヒドロフランを製造する方法。 - 【請求項17】 請求項16の方法により得られた1,4-
ブタンジオールを原料として製造されたポリエステル及
び/又はポリウレタン。 - 【請求項18】 請求項15の方法により得られたテト
ラヒドロフランを原料として製造されたポリアルキレン
エーテルグリコール。
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