JP2002069036A - アリル化合物の製造方法 - Google Patents
アリル化合物の製造方法Info
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Abstract
る化合物にカルボン酸を反応させてエステルを製造する
方法の改良法を提供する。 【解決手段】 第8〜10族の金属と、複数のリン原子
を含み、かつその少なくとも一つがP−O−有機基結合
を有している多座配位の有機リン化合物の存在下に反応
を行う。
Description
化合物とカルボン酸とを反応させて、アリル位にこのカ
ルボン酸のアシルオキシ基及び/又は水酸基が導入され
たアリル化合物を製造する方法の改良に関するものであ
る。
存在下にカルボン酸を反応させると、1,4−ジヒドロ
キシブテン−2及び1,2−ジヒドロキシブテン−3の
モノエステル混合物が生成することは公知である。この
反応では、反応温度を高めると1,4−ジヒドロキシブ
テン−2及び1,2−ジヒドロキシブテン−3のジエス
テル混合物が生成する。触媒としては、周期律表の第8
〜10族の金属と有機リン化合物を含む均一系触媒が代
表的なものとして知られている。
ラジウムとホスフィン配位子とから成る錯体触媒の存在
下に、3,4−エポキシ−ブテン−1に酢酸を反応させ
て、1−アセトキシ−4−ヒドロキシ−ブテン−2と3
−アセトキシ−4−ヒドロキシ−ブテン−1の混合物を
得たことが記載されている。酢酸に代えてテレフタルを
反応させた例も記載されている。ドイツ特許94−44
29690にも、パラジウム化合物とトリフェニルホス
フィンとを組合せた触媒を用いて、3,4−エポキシ−
ブテン−1と酢酸を反応させたことが記載されている。
テン−1にカルボン酸を反応させる従来法の問題点の一
つは、触媒の活性が低いことである。従って本発明は高
活性の触媒を用いてこの反応を行う方法を提供しようと
するものである。
オキシラン化合物とカルボン酸とを反応させて、アリル
位にこのカルボン酸のアシルオキシ基及び/又は水酸基
が導入されたアリル化合物を製造するに際し、周期律表
の第8〜10族の金属、及び複数のリン原子を含み、か
つその少なくとも一つが少なくとも1つのP−O−有機
基結合を形成している多座配位の有機リン化合物を含む
触媒の存在下に反応を行うことにより、高反応率でアリ
ル化合物を製造することができる。
ニルオキシラン化合物は、炭素−炭素二重結合構造とエ
ポキシ構造とが、炭素−炭素結合で直接結合している化
合物である。その代表的なものは式(1)で示される。
れぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、シクロアルキル基、ジアルキルアミ
ノ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルアリー
ル基、アリールアルキル基、アルキルアリールオキシ
基、アリールアルコキシ基、シアノ基、水酸基、アシル
オキシ基又はアルコキシカルボニル基を示す。但しR4
〜R6 が水酸基であることはない。これらの置換基には
更に反応を阻害しない置換基が結合していてもよい。ま
たR1 とR5 とが結合して環を形成していてもよい。式
(1)で示されるビニルオキシラン化合物のいくつかを
例示すると、3,4−エポキシ−ブテン−1、3−メチ
ル−3,4−エポキシブテン−1、3,4−エポキシ−
シクロヘキセン−1、1,2−エポキシ−ヘプテン−
3、3,4−エポキシ−8−メトキシ−オクテン−1、
3,4−エポキシ−1−(パラクロロフェニル)ブテン
−1、4,5−エポキシビシクロ[4.4.0]デカ−
2−エン、3,4−エポキシ−1,3−メチルトリシク
ロ[8.4.0.02.7 ]テトラデカ−5−エンなどが
挙げられる。
ブタジエン類やピペリレン類などの鎖状ジエン化合物の
エポキシ化物を用いるが、入手の容易なブタジエン、イ
ソプレン、クロロプレンなどのエポキシ化物、なかでも
ブタジエンのエポキシ化物である3,4−エポキシ−ブ
テン−1を用いるのが好ましい。ビニルオキシラン化合
物と反応させるカルボン酸としては、前述のWO89/
02883に記載されているものを含めて任意のものを
用いることができる。通常は炭素数2〜16の脂肪族、
脂環式、芳香族又は芳香脂肪族モノカルボン酸を用い
る。例えば炭化水素鎖にアリール基やシクロアルキル基
が結合していてもよい炭素数2〜16の脂肪族モノカル
ボン酸、環にアルキル基が結合していてもよい炭素数7
〜16の芳香族カルボン酸、環にアルキル基が結合して
いてもよい炭素数4〜16の脂環式カルボン酸などが用
いられる。好ましくは炭素数2〜4の脂肪族カルボン酸
又は安息香酸が用いられる。なかでも酢酸を用いるのが
好ましい。
金属としては、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、イ
リジウム、ニッケル、パラジウム、白金などが用いられ
る。好ましくはニッケル、パラジウム、白金のいずれか
を用いる。なかでもパラジウム又は白金、特にパラジウ
ムを用いるのが好ましい。なお、これらの金属はいくつ
かを併用することもできる。これらの金属は、酢酸塩な
どのカルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物など
の無機酸塩、アセチルアセトナート、アルケン化合物、
アミン化合物、ピリジン化合物、ホスフィン配位化合
物、ホスファイト配位化合物など、任意の化合物として
用いることができる。通常用いられる化合物のいくつか
を例示すると、ルテニウム化合物としては、RuC
l3 、Ru(OAc)3 、Ru(acac)3 、RuC
l2 (PPh3 )3 等が挙げられ、オスミウム化合物と
しては、OsCl3 、Os(OAc)3 等が挙げられ、
ロジウム化合物としては、RhCl3 、Rh(OAc)
3 、ロジウムアセテート二量体、Rh(acac)(C
O)2 、[Rh(OAc)(COD)]2 、[RhCl
(COD)]2 、Rh(COD)OAcなどが挙げられ
る。
l3 、Ir(OAc)3 等が挙げられ、ニッケル化合物
としては、NiCl2 、NiBr2 、Ni(NO3 )
2 、NiSO4 、Ni(COD)2 、NiCl2 (PP
h3 )2 等が挙げられる。パラジウム化合物としては、
例えば、PdCl2 、PdBr2 、PdCl2 (CO
D)、PdCl2 (PPh3 )2 、Pd(PPh3 )4 、
Pd2 (dba)3・CHCl3 、K2 PdCl4 、K
2 PdCl6 (potassium hexachlo
ropalladate(IV))、PdCl2 (PhC
N)2 、PdCl2 (CH3 CN)2 、Pd(dba)
2 、Pd2 (dba)3 、Pd(NO 3 )2 、Pd(O
Ac)2 、Pd(CF3 COO)2 、PdSO4 、Pd
(acac)2 、アリルパラジウムクロライド二量体等
が挙げられる。なかでもPd(OAc)2 、PdCl2
等のパラジウムのカルボン酸塩又はハロゲン化物を用い
るのが好ましい。
c)2 、PtCl2 (COD)、PtCl 2 (CH3 C
N)2 、PtCl2 (PhCN)2 、Pt(PP
h3 )4 、K2 PtCl4 、Na2 PtCl6 、H2 P
tCl6 等が挙げられる。なお、上記において、COD
は1,5−シクロペンタジエン、dbaはジベンジリデ
ンアセトン、acacはアセチルアセトナートをそれぞ
れ表す。
のリン原子を含み、かつその少なくとも1個が少なくと
も1個のP−O−有機基結合を形成しているものを用い
る。すなわちリン原子は3価なので有機リン化合物とし
ては、リン原子が 3個のP−有機基結合を有するホスフィン構造を形成
しているもの 2個のP−有機基結合と1個のP−O−有機基結合を
有するホスフィナイト構造を形成しているもの 1個のP−有機基結合と2個のP−O−有機基結合を
有するホスホナイト構造を形成しているもの 3個のP−O−有機基結合を有するホスファイト構造
を形成しているもの の4種類が存在するが、本発明ではリン原子の少なくと
も1個が上記の〜のいずれかの構造を形成している
ものを用いる。例えば下記の式(4)〜(7)のいずれ
かで示されるものが用いられる。なかでもホスファイト
構造を形成しているリン原子を含むものを用いるのが好
ましい。多座配位のリン化合物として最も好ましいの
は、リン原子の全てがホスファイト構造を形成している
ポリホスファイト化合物である。
〜R18は、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアル
キル基、又はアリール基を示し、これらには更に置換基
が結合していてもよい。nは0又は1を示すが全てのn
が同時に0となることはない。R11〜R18がアルキル基
である場合には、その炭素数は通常1〜20であり、好
ましくは1〜14である。例えばメチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。また、こ
れらのアルキル基に結合する置換基としては、炭素数1
〜10のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、
アミノ基、シアノ基、炭素数2〜10のアシルオキシ
基、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。
には、その炭素数は環に結合するアルキル基も含めて通
常は3〜20である。シクロアルキル基の代表的なもの
はシクロペンチル基又はシクロヘキシル基であり、環に
結合するアルキル基は通常はメチル基又はエチル基であ
る。R11〜R18がアリール基である場合には、その炭素
数は環に結合する置換基も含めて通常は6〜20であ
り、好ましくは6〜14である。置換基としてはアルキ
ル基が代表的なものであるが、ハロゲン原子、アルコキ
シ基、シクロアルキル基、アリール基、アリールオキシ
基、シアノ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル
基、ニトロ基、水酸基その他の置換基が結合することも
ある。またこれらの置換基に更にこれらの置換基が結合
していることもある。R11〜R18が示すアリール基のい
くつかを例示すると、フェニル基、2−メチルフェニル
基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、
2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニ
ル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチル
フェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピル
フェニル基、2−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−
t−ブチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−ク
ロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジク
ロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5
−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、
3,5−ジクロロフェニル基、4−トリフルオロメチル
フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフ
ェニル基、4−メトキシフェニル基、3,5−ジメトキ
シフェニル基、4−シアノフェニル基、4−ニトロフェ
ニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、2−メチル
−α−ナフチル基、3−t−ブチル−β−ナフチル基、
3−メトキシカルボニル−β−ナフチル基、3,6−ジ
−t−ブチル−β−ナフチル基、7−テトラリニル基、
8−テトラリニル基などが挙げられる。
4価の基である。なおTは脂肪族又は芳香族の3価の基
が、直接又は連結基を介して結合した式(8)で示され
るものであってもよい。
肪族又は芳香族の基を示し、Qはアルキレン基、アリー
レン基、−O−、−S−、−CO−などの連結基を示
し、nは0又は1を示す。T2 及びT3 が脂肪族基であ
る場合には、その炭素数は通常10以下であり、またT
2 及びT3 が芳香族基である場合には、その炭素数は通
常6〜15である。Qがアルキレン基又はアリーレン基
である場合には、その炭素数は通常10以下である。な
お、これらの基には更に置換基が結合していてもよい。
立して、アルキレン基、アリーレン基又はアルキレン基
やアリーレン基が直接又は連結基を介して結合した基を
示す。Z1 〜Z3 及びA1 〜A3 がアルキレン基を示す
場合には、その炭素数は通常20以下である。そのいく
つかを例示するとジメチレン基、トリメチレン基、テト
ラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、
1,2−ジメチルエチレン基、1,3−ジメチルプロピ
レン基、テトラメチルエチレン基、1,3−テトラメチ
ルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基などが
挙げられる。またこれらの基には更に置換基が結合して
いてもよく、置換基としては例えばアルコキシ基、アリ
ール基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、トリメチルシ
リル基、アシルオキシ基、アミド基、トリフルオロメチ
ル基、水酸基などが挙げられる。これらの置換基の炭素
数は通常は10以下である。
を示す場合には、通常はフェニレン基又はナフチレン基
である。これらの基には更に置換基が結合していてもよ
く、置換基としては例えばアルキル基、アルコキシ基、
アリール基、アミノ基、シアノ基、アシルオキシ基、ア
ミド基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、トリメチル
シリル基、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。こ
れらの置換基の炭素数は通常は10以下である。Z1 〜
Z3 及びA1 〜A3 が示すアリーレン基のいくつかを例
示すると、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン
基、3,5−ジ−t−ブチル−1,2−フェニレン基、
1,2−ナフチレン基、1,3−ナフチレン基などが挙
げられる。
基やアリーレン基が直接又は連結基を介して結合した基
である場合には、連結基としては置換されていてもよい
メチレン基、−O−、−S−、−CO−などが挙げられ
る。またアリーレン基には更に置換基が結合していても
よく、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基、アミノ基、シアノ基、アシルオキシ基、水酸
基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらの置換基の
炭素数は通常は10以下である。このような直接又は連
結基を介してアルキレン基やアリーレン基が結合した基
としては、例えば下記の表−1に示すものが挙げられ
る。
物のいくつかを下記の表−2に示す。
ルボン酸とからのアリル化合物の生成反応は原料のビニ
ルオキシラン化合物とカルボン酸との混合物に、触媒成
分である周期律表の第8〜10族の金属の化合物と多座
配位のリン化合物を加えて、反応温度、通常は−20℃
〜100℃に保持することにより容易に進行する。反応
温度は好ましくは−10℃〜80℃、特に0〜60℃で
ある。周期律表の第8〜10族の金属の化合物は、原料
のビニルオキシラン化合物に対して、金属として通常
0.0001〜5モル%となるように用いればよい。
0.001〜1モル%、特に0.01〜0.1モル%と
なるように用いるのが好ましい。多座配位のリン化合物
は第8〜10族の金属1モルに対して通常1〜1000
モル用いる。金属1モルに対して2〜100モル、特に
2〜10モルとなるように用いるのが好ましい。また原
料のビニルオキシラン化合物に対するカルボン酸のモル
比は通常0.1〜10である。好ましくはこのモル比が
0.5〜5、特に1〜3となるようにビニルオキシラン
化合物とカルボン酸とを混合するのが好ましい。
ン性極性溶媒を用いると反応が大きく促進される。好ま
しい溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレング
リコールジメチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジフ
ェニルエーテル、テトラハイドロフラン、ジオキサンな
どのエーテル類;ジ−n−オクチルフタレートなどのエ
ステル類などが挙げられる。また、トルエン、キシレ
ン、ドデシルベンゼンなどの炭化水素類や、クロロベン
ゼン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどの
ハロゲン化炭化水素を用いることもできる。更に反応に
より副生する高沸点物を溶媒とすることもできる。
では3,4−エポキシブテン−1の3位又は4位の一方
にカルボン酸のアシルオキシ基、他方に水酸基が結合し
た化合物と、1位又は4位の一方にカルボン酸のアシル
オキシ基、他方に水酸基が結合した化合物が併産する
が、高温で反応させると3位及び4位、又は1位及び4
位のいずれにもアシルオキシ基が結合した化合物が生成
する。
たカルボン酸のアシルオキシ基であり、他方は水酸基又
は反応に用いたカルボン酸のアシルオキシ基である) 反応は回分方式でも連続方式でも行うことができる。反
応終了後は反応生成液から蒸留等により生成物を回収
し、第8〜10族の金属と多座配位のリン化合物を含む
残留液は、触媒として次回の反応に用いることができ
る。なお、多座配位のリン化合物は反応及びそれに引続
く蒸留工程で徐々に分解するので、蒸留工程で得られた
残留液を触媒として循環使用していると、多座配位のリ
ン化合物の分解生成物が残留液中に蓄積していく。また
反応では高沸点物も生成するので、残留液を循環使用す
る場合には、その一部を系外に排出し、排出量に見合う
量の新たな第8〜10族の金属化合物及び多座配位のリ
ン化合物を供給して、残留液の組成が一定となるように
するのが好ましい。
方法によりブタンジオール類やテトラヒドロフラン類に
転換することができる。特に3,4−エポキシ−ブテン
−1から生成する1−ヒドロキシ−4−アシルオキシブ
テン−2は、大きな需要のある1,4−ブタンジオール
やテトラヒドロフランの原料として用いることができ
る。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1〜5及び比較例1〜3 内容積10mLのフラスコに、窒素雰囲気下でパラジウ
ム化合物、有機リン化合物、3,4−エポキシ−1−ブ
テン及び酢酸を仕込み、所定温度で1時間撹拌して反応
させた。反応生成液をガスクロマトグラフィーで分析し
た。反応条件を表−3に、分析結果を表−4に示す。
リドン 1mLを仕込んだ *2 溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド 3m
Lを仕込んだ *3 溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミド 30
0μLを仕込んだ *4 番号は表−2の有機リン化合物の番号である。 *5 トリス(2,4−ジ−ターシャリブチルフェニ
ル)ホスファイト
ロキシ−ブテン−2のトランス体とシス体との比 *2 生成物の3−ブテン−1,2−ジオールモノアセ
テートに対する1−アセトキシ−4−ヒドロキシ−ブテ
ン−2の比 *3 パラジウム1モル当りの反応した3,4−エポキ
シブテン−1のモル数
Claims (8)
- 【請求項1】 ビニルオキシラン化合物とカルボン酸と
を反応させて、アリル位にこのカルボン酸のアシルオキ
シ基及び/又は水酸基が導入されたアリル化合物を製造
するに際し、周期律表の第8〜10族の金属、及び複数
のリン原子を含み、かつその少なくとも一つが少なくと
も1つのP−O−有機基結合を形成している多座配位の
有機リン化合物を含む触媒の存在下に反応を行うことを
特徴とするアリル化合物の製造方法。 - 【請求項2】 式(1)で示されるビニルオキシラン化
合物とカルボン酸とを反応させて式(2)及び/又は式
(3)で示されるアリル化合物を製造するに際し、周期
律表の第8〜10族の金属、及び複数のリン原子を含
み、かつその少なくとも一つが少なくとも1つのP−O
−有機基結合を形成している多座配位の有機リン化合物
を含む触媒の存在下に反応を行うことを特徴とするアリ
ル化合物の製造方法。 【化1】 (式中、R1 ないしR6 は、それぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、シクロ
アルキル基、ジアルキルアミノ基、アリール基、アリー
ルオキシ基、アルキルアリール基、アリールアルキル
基、アルキルアリールオキシ基、アリールアルコキシ
基、シアノ基、水酸基、アシルオキシ基又はアルコキシ
カルボニル基を示す。但しR4 〜R6 が水酸基であるこ
とはない。これらの置換基には更に反応を阻害しない置
換基が結合していてもよい。またR1 とR5 とが結合し
て環を形成していてもよい) 【化2】 (式(2)及び式(3)において、R1 〜R6 は式
(1)におけると同義である。RA 及びRB の一方は反
応に用いたカルボン酸のアシルオキシ基であり、他方は
反応に用いたカルボン酸のアシルオキシ基又は水酸基で
ある) - 【請求項3】 R1 〜R6 が全て水素原子であり、RA
及びRB の一方がアシルオキシ基、他方が水酸基である
ことを特徴とする請求項2記載のアリル化合物の製造方
法。 - 【請求項4】 多座配位の有機リン化合物が多座ホスフ
ァイトであることを特徴とする請求項1ないし3のいず
れかに記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項5】 多座配位の有機リン化合物が、式(4)
〜(7)のいずれかで示されるものであることを特徴と
する請求項1ないし3のいずれかに記載のアリル化合物
の製造方法。 【化3】 (式(4)〜(7)において、R11〜R18は、それぞれ
独立して、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリー
ル基を示し、これらは更に置換基を有していてもよい基
であり、Z1 〜Z3 及びA1 〜A3 は、それぞれ独立し
て、置換基を有していてもよいアルキレン基、アリーレ
ン基、又はアルキレン基及び/又はアリーレン基が直接
又は連結基を介して結合した基を示す。Tは炭素原子、
置換基を有していてもよい脂肪族もしくは芳香族の4価
の基、又は置換基を有していてもよい脂肪族もしくは芳
香族の3価の基が直接又は連結基を介して結合した基を
示す。nは0又は1を示すが、全てのnが同時に0とな
ることはない) - 【請求項6】 周期律表の第8〜10族の金属が、ロジ
ウム、ルテニウム、ニッケル、白金及びパラジウムより
なる群から選ばれたものであることを特徴とする請求項
1ないし5のいずれかに記載のアリル化合物の製造方
法。 - 【請求項7】 反応系中における周期律表の第8〜10
族の金属に対する多座配位の有機リン化合物のモル比が
1〜1000であることを特徴とする請求項1ないし6
のいずれかに記載のアリル化合物の製造方法。 - 【請求項8】 カルボン酸が炭素数2〜16の脂肪族、
脂環式、芳香族又は芳香脂肪族モノカルボン酸であるこ
とを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のア
リル化合物の製造方法。
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