JP2002105022A - 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法 - Google Patents
2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法Info
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- JP2002105022A JP2002105022A JP2000390533A JP2000390533A JP2002105022A JP 2002105022 A JP2002105022 A JP 2002105022A JP 2000390533 A JP2000390533 A JP 2000390533A JP 2000390533 A JP2000390533 A JP 2000390533A JP 2002105022 A JP2002105022 A JP 2002105022A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 2−アルキル−2−アダマンタノールとカル
ボン酸から、効率的にアルキルアダマンチルエステルを
製造する方法を提供する。 【解決手段】 2−メチル−2−アダマンタノール等の
2−アルキル−2−アダマンタノールとアクリル酸等の
カルボン酸とを、濃硫酸等の酸触媒、および硫酸マグネ
シウム等の乾燥した状態で常温において固体である酸性
或いは中性の無機化合物又は吸水性高分子からなる乾燥
剤の存在下で反応させる。
ボン酸から、効率的にアルキルアダマンチルエステルを
製造する方法を提供する。 【解決手段】 2−メチル−2−アダマンタノール等の
2−アルキル−2−アダマンタノールとアクリル酸等の
カルボン酸とを、濃硫酸等の酸触媒、および硫酸マグネ
シウム等の乾燥した状態で常温において固体である酸性
或いは中性の無機化合物又は吸水性高分子からなる乾燥
剤の存在下で反応させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レジストの原
料として有用なアルキルアダマンチルエステルを製造す
る方法に関する。
料として有用なアルキルアダマンチルエステルを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−アルキル−2−アダマンチルエステ
ルを原料として得られるレジストは、半導体製造プロセ
スにおけるドライエッチング耐性が高いことが知られて
おり(例えば特開平5−265212号公報)、半導体
用レジスト材料としての可能性が注目されている。
ルを原料として得られるレジストは、半導体製造プロセ
スにおけるドライエッチング耐性が高いことが知られて
おり(例えば特開平5−265212号公報)、半導体
用レジスト材料としての可能性が注目されている。
【0003】2−アルキル−2−アダマンチルエステル
の製造方法としては、有機金属化合物等のアルキル化試
薬によって2−アダマンタノンをアルキル化し、続いて
得られた2−アルキル−2−アダマンチルアルコールの
金属塩を酸ハロゲン化物によってアシル化する方法が知
られている(特開平10−182552号公報等)。し
かし、該方法で使用する酸ハロゲン化物は、一般にカル
ボン酸化合物から製造するためにカルボン酸化合物より
高価であるばかりでなく、それ自体の反応性が高いため
に取り扱い上の問題点も多い。
の製造方法としては、有機金属化合物等のアルキル化試
薬によって2−アダマンタノンをアルキル化し、続いて
得られた2−アルキル−2−アダマンチルアルコールの
金属塩を酸ハロゲン化物によってアシル化する方法が知
られている(特開平10−182552号公報等)。し
かし、該方法で使用する酸ハロゲン化物は、一般にカル
ボン酸化合物から製造するためにカルボン酸化合物より
高価であるばかりでなく、それ自体の反応性が高いため
に取り扱い上の問題点も多い。
【0004】なお、エステル化合物の一般的な製造方法
としては、アルコール化合物とカルボン酸化合物とを酸
触媒を用いて、副生する水を共沸脱水しながら反応させ
る方法(共沸脱水法ともいう。)が知られている(オー
ガニックシンセシス1973年V巻762ページ等)。
該方法は、操作が簡単であることから、アルコール化合
物またはカルボン酸化合物が安価である場合には、工業
的なエステル化合物の製造方法として特に有用である。
しかし、この方法は原料のアルコール化合物として2−
アルキル−2−アダマンタノールのような3級アルコー
ルを使用した場合には、後述する比較例(比較例6)に
示されるように、アルコールの脱水反応が優先して起こ
ってしまうために、アルキルアダマンタンチルエステル
の収率が著しく低くなってしまうという問題点がある。
としては、アルコール化合物とカルボン酸化合物とを酸
触媒を用いて、副生する水を共沸脱水しながら反応させ
る方法(共沸脱水法ともいう。)が知られている(オー
ガニックシンセシス1973年V巻762ページ等)。
該方法は、操作が簡単であることから、アルコール化合
物またはカルボン酸化合物が安価である場合には、工業
的なエステル化合物の製造方法として特に有用である。
しかし、この方法は原料のアルコール化合物として2−
アルキル−2−アダマンタノールのような3級アルコー
ルを使用した場合には、後述する比較例(比較例6)に
示されるように、アルコールの脱水反応が優先して起こ
ってしまうために、アルキルアダマンタンチルエステル
の収率が著しく低くなってしまうという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、2
−アルキル−2−アダマンタノールから、カルボン酸ハ
ロゲン化物のような高価な化合物を用いることなく、効
率的に高純度の2−アルキル−2−アダマンチルエステ
ルを製造する方法を提供することを目的とする。
−アルキル−2−アダマンタノールから、カルボン酸ハ
ロゲン化物のような高価な化合物を用いることなく、効
率的に高純度の2−アルキル−2−アダマンチルエステ
ルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく2−アルキル−2−アダマンタノールとカル
ボン酸化合物との反応について鋭意検討を行なった。そ
の結果、酸触媒を用いた場合でも、特定の乾燥剤の存在
下に反応を行った場合には、2−アルキル−2−アダマ
ンタノールの脱水が起こらず、効率的に高純度の2−ア
ルキル−2−アダマンチルエステルを製造できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
解決すべく2−アルキル−2−アダマンタノールとカル
ボン酸化合物との反応について鋭意検討を行なった。そ
の結果、酸触媒を用いた場合でも、特定の乾燥剤の存在
下に反応を行った場合には、2−アルキル−2−アダマ
ンタノールの脱水が起こらず、効率的に高純度の2−ア
ルキル−2−アダマンチルエステルを製造できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、2−アルキル−2−アダ
マンタノールとカルボン酸化合物とを酸触媒、及び乾燥
した状態で常温において固体である酸性或いは中性の無
機化合物又は吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在
下で反応させることを特徴とする2−アルキル−2−ア
ダマンチルエステルの製造方法である。
マンタノールとカルボン酸化合物とを酸触媒、及び乾燥
した状態で常温において固体である酸性或いは中性の無
機化合物又は吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在
下で反応させることを特徴とする2−アルキル−2−ア
ダマンチルエステルの製造方法である。
【0008】上記本発明の製造方法によれば、一般的な
共沸脱水方法を用いた場合よりも高い収率で目的物を得
ることができる。また、使用する乾燥剤は、ろ過などの
簡便な操作で取り除くことが可能であり、一般的には再
生して再利用が可能である。しかも酸ハロゲン化物を使
用していないので、前記した価格や安定性の問題を気に
すること無く簡便に反応を行なうことが可能となる。
共沸脱水方法を用いた場合よりも高い収率で目的物を得
ることができる。また、使用する乾燥剤は、ろ過などの
簡便な操作で取り除くことが可能であり、一般的には再
生して再利用が可能である。しかも酸ハロゲン化物を使
用していないので、前記した価格や安定性の問題を気に
すること無く簡便に反応を行なうことが可能となる。
【0009】また、酸触媒として交換基としてスルホン
酸基を有する陽イオン性イオン交換樹脂(以下、単に陽
イオン性イオン交換樹脂と称す。)を用いた場合には、
陽イオン性イオン交換樹脂は乾燥剤と共にろ過などの簡
便な操作で反応系から取り除くことが可能であり、簡便
な後処理で高純度の目的物を得ることができる。さらに
は、ろ過等の処理で取り除いた陽イオン性交換樹脂は再
生して再利用が可能である。
酸基を有する陽イオン性イオン交換樹脂(以下、単に陽
イオン性イオン交換樹脂と称す。)を用いた場合には、
陽イオン性イオン交換樹脂は乾燥剤と共にろ過などの簡
便な操作で反応系から取り除くことが可能であり、簡便
な後処理で高純度の目的物を得ることができる。さらに
は、ろ過等の処理で取り除いた陽イオン性交換樹脂は再
生して再利用が可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法では、2−アル
キル−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物とを酸
触媒、及び特定の乾燥剤の存在下で反応させてエステル
化し、対応する構造の2−アルキル−2−アダマンチル
エステルを製造する。
キル−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物とを酸
触媒、及び特定の乾燥剤の存在下で反応させてエステル
化し、対応する構造の2−アルキル−2−アダマンチル
エステルを製造する。
【0011】本発明で原料として使用する2−アルキル
−2−アダマンタノールは、アダマンタンの2位の炭素
原子にアルキル基及び水酸基が結合したものであれば特
に制限されず、公知の化合物が使用できるが、半導体用
レジスト材料の原料の有用性が高いという観点から、炭
素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有する2
−アルキル−2−アダマンタノールを使用するのが好適
である。
−2−アダマンタノールは、アダマンタンの2位の炭素
原子にアルキル基及び水酸基が結合したものであれば特
に制限されず、公知の化合物が使用できるが、半導体用
レジスト材料の原料の有用性が高いという観点から、炭
素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有する2
−アルキル−2−アダマンタノールを使用するのが好適
である。
【0012】好適に使用できる2−アルキル−2−アダ
マンタノールを具体的に例示すれば、2−メチル−2−
アダマンタノール、2−エチル−2−アダマンタノー
ル、2−プロピル−2−アダマンタノール、2−イソプ
ロピル−2−アダマンタノール、2−ブチル−2−アダ
マンタノール等が挙げられる。これらの中でも、2−メ
チル−2−アダマンタノール又は2−エチル−2−アダ
マンタノールが上記用途での有用性が高いため特に好適
であり、反応性の観点から、2−メチル−2−アダマン
タノールを用いるのが最も好適である。
マンタノールを具体的に例示すれば、2−メチル−2−
アダマンタノール、2−エチル−2−アダマンタノー
ル、2−プロピル−2−アダマンタノール、2−イソプ
ロピル−2−アダマンタノール、2−ブチル−2−アダ
マンタノール等が挙げられる。これらの中でも、2−メ
チル−2−アダマンタノール又は2−エチル−2−アダ
マンタノールが上記用途での有用性が高いため特に好適
であり、反応性の観点から、2−メチル−2−アダマン
タノールを用いるのが最も好適である。
【0013】これら2−アルキル−2−アダマンタノー
ルとしては、市販されているもの或いは2−アダマンタ
ノンと有機金属試薬から製造されたものがそのまま、又
は必要に応じて再結晶、昇華等の精製を行った後使用す
ることができる。
ルとしては、市販されているもの或いは2−アダマンタ
ノンと有機金属試薬から製造されたものがそのまま、又
は必要に応じて再結晶、昇華等の精製を行った後使用す
ることができる。
【0014】また、もう一方の原料として使用するカル
ボン酸化合物としては、カルボキシル基を有する有機化
合物であれば特に限定されずに使用できる。本発明で使
用できるカルボン酸化合物を具体的に例示すれば、ぎ
酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和モノカルボン酸化合
物;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和ジカルボン
酸化合物;アクリル酸、メタクリル酸、プロピオン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸化合物;安
息香酸、1−ナフトエ酸、フタル酸、ニコチン酸、2−
フランカルボン酸等の炭素環或いは複素環カルボン酸化
合物を挙げることができる。これらの中でも、反応性の
観点から、炭素数2〜7のカルボン酸化合物を用いるの
が好ましく、半導体用レジスト材料の原料としての有用
性が高いという観点から、アクリル酸又はメタクリル酸
を使用するのが特に好適である。これらのカルボン酸化
合物も市販のものをそのまま、或いは必要に応じて再結
晶、蒸留等の精製を行った後使用することが出来る。
ボン酸化合物としては、カルボキシル基を有する有機化
合物であれば特に限定されずに使用できる。本発明で使
用できるカルボン酸化合物を具体的に例示すれば、ぎ
酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和モノカルボン酸化合
物;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和ジカルボン
酸化合物;アクリル酸、メタクリル酸、プロピオン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸化合物;安
息香酸、1−ナフトエ酸、フタル酸、ニコチン酸、2−
フランカルボン酸等の炭素環或いは複素環カルボン酸化
合物を挙げることができる。これらの中でも、反応性の
観点から、炭素数2〜7のカルボン酸化合物を用いるの
が好ましく、半導体用レジスト材料の原料としての有用
性が高いという観点から、アクリル酸又はメタクリル酸
を使用するのが特に好適である。これらのカルボン酸化
合物も市販のものをそのまま、或いは必要に応じて再結
晶、蒸留等の精製を行った後使用することが出来る。
【0015】カルボン酸化合物は、2−アルキル−2−
アダマンタノールと化学量論的に反応するので、2−ア
ルキル−2−アダマンタノール1モルに対して約1モル
使用すればよいが、反応速度の観点からどちらか一方が
過剰となるように用いるのが好適である。通常は、2−
アルキル−2−アダマンタノールよりカルボン酸化合物
の方が安価であるので、2−アルキル−2−アダマンタ
ノール1モルに対してカルボン酸化合物を1〜50モル
使用するのが好適である。
アダマンタノールと化学量論的に反応するので、2−ア
ルキル−2−アダマンタノール1モルに対して約1モル
使用すればよいが、反応速度の観点からどちらか一方が
過剰となるように用いるのが好適である。通常は、2−
アルキル−2−アダマンタノールよりカルボン酸化合物
の方が安価であるので、2−アルキル−2−アダマンタ
ノール1モルに対してカルボン酸化合物を1〜50モル
使用するのが好適である。
【0016】本発明で使用する酸触媒は、2−アルキル
−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物とのエステ
ル化反応を触媒する作用を有する酸であれば特に限定さ
れず、アルコール化合物及びカルボン酸化合物を用いた
エステル化反応で一般的に触媒として使用されている有
機酸又は無機酸が使用できる。なお、使用する酸触媒が
後述する乾燥剤にも該当する場合は、他の乾燥剤を別途
加える必要は特にない。
−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物とのエステ
ル化反応を触媒する作用を有する酸であれば特に限定さ
れず、アルコール化合物及びカルボン酸化合物を用いた
エステル化反応で一般的に触媒として使用されている有
機酸又は無機酸が使用できる。なお、使用する酸触媒が
後述する乾燥剤にも該当する場合は、他の乾燥剤を別途
加える必要は特にない。
【0017】本発明においては、触媒活性の高さの点か
ら、酸触媒としては、酸解離定数pKaが3以下の強酸
を使用するのが好適である。酸触媒として好適に使用で
きる強酸を具体的に例示すれば、無機酸化合物として
は、硫酸、リン酸等が、有機酸化合物としてはトルエン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸等を挙げることができ
る。
ら、酸触媒としては、酸解離定数pKaが3以下の強酸
を使用するのが好適である。酸触媒として好適に使用で
きる強酸を具体的に例示すれば、無機酸化合物として
は、硫酸、リン酸等が、有機酸化合物としてはトルエン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸等を挙げることができ
る。
【0018】これら酸触媒となる各種化合物の使用量
は、特に限定されないが、反応速度や副反応を抑制する
という観点から、2−アルキル−2−アダマンタノール
1重量部に対して0.001〜1重量部、特に0.01
〜0.1重量部使用するのが好適である。
は、特に限定されないが、反応速度や副反応を抑制する
という観点から、2−アルキル−2−アダマンタノール
1重量部に対して0.001〜1重量部、特に0.01
〜0.1重量部使用するのが好適である。
【0019】また、本発明においては、交換基としてス
ルホン酸基を有する陽イオン性イオン交換樹脂(陽イオ
ン性イオン交換樹脂)も酸触媒として好適に使用でき
る。該陽イオン性イオン交換樹脂は、交換基にスルホン
酸基を有するものであれば何ら制限なく用いることがで
きる。一般的にイオン交換樹脂は、ゲル型及びマクロレ
チキュラー(MR)型(ハイポーラス型とも言う)等の
ポーラス型が存在するが、いずれの型のイオン交換樹脂
も使用可能である。しかしながら、反応条件中での安定
性、反応性の観点からMR型を用いるのが好適である。
なお、交換基のスルホン酸基には、スルホン酸(−SO
3H)型のものと、スルホン酸塩(−SO3Na等アルカ
リ金属塩)型のものとが存在するが、本発明において
は、イオン交換樹脂は酸触媒として作用するため、スル
ホン酸(−SO3H)型のものを使用する必要がある。
スルホン酸塩(−SO3Na等アルカリ金属塩)型のも
のは、そのままでは酸触媒として機能しないが、塩酸及
び硫酸処理等公知の前処理法にてスルホン酸(−SO3
H)型に置換することで酸触媒として使用することが可
能である。このような陽イオン性イオン交換樹脂は市販
されており、工業的に入手可能である。
ルホン酸基を有する陽イオン性イオン交換樹脂(陽イオ
ン性イオン交換樹脂)も酸触媒として好適に使用でき
る。該陽イオン性イオン交換樹脂は、交換基にスルホン
酸基を有するものであれば何ら制限なく用いることがで
きる。一般的にイオン交換樹脂は、ゲル型及びマクロレ
チキュラー(MR)型(ハイポーラス型とも言う)等の
ポーラス型が存在するが、いずれの型のイオン交換樹脂
も使用可能である。しかしながら、反応条件中での安定
性、反応性の観点からMR型を用いるのが好適である。
なお、交換基のスルホン酸基には、スルホン酸(−SO
3H)型のものと、スルホン酸塩(−SO3Na等アルカ
リ金属塩)型のものとが存在するが、本発明において
は、イオン交換樹脂は酸触媒として作用するため、スル
ホン酸(−SO3H)型のものを使用する必要がある。
スルホン酸塩(−SO3Na等アルカリ金属塩)型のも
のは、そのままでは酸触媒として機能しないが、塩酸及
び硫酸処理等公知の前処理法にてスルホン酸(−SO3
H)型に置換することで酸触媒として使用することが可
能である。このような陽イオン性イオン交換樹脂は市販
されており、工業的に入手可能である。
【0020】陽イオン交換樹脂を酸触媒として用いる場
合の使用量は、用いる陽イオン交換樹脂の種類に応じ
て、例えばガスクロマトグラフィー等で反応の進行を確
認して調整する等して適宜設定すればよいが、反応速
度、攪拌の容易さの観点から、通常は2−アルキル−2
−アダマンタノール1重量部に対して0.001〜10
0重量部、特に0.01〜50重量部使用するのが好適
である。
合の使用量は、用いる陽イオン交換樹脂の種類に応じ
て、例えばガスクロマトグラフィー等で反応の進行を確
認して調整する等して適宜設定すればよいが、反応速
度、攪拌の容易さの観点から、通常は2−アルキル−2
−アダマンタノール1重量部に対して0.001〜10
0重量部、特に0.01〜50重量部使用するのが好適
である。
【0021】本発明の製造方法においては、酸触媒を用
いて2−アルキル−2−アダマンタノールとカルボン酸
化合物とをエステル化反応するに際し、乾燥した状態で
常温において固体である酸性或いは中性の無機化合物又
は吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在下で反応を
行うことにより、2−アルキル−2−アダマンタノール
が脱水してオレフィン化合物が副生するのを防止し、目
的のエステル化合物を高収率で得ることが可能となる。
乾燥剤であっても乾燥時に液状のものや、塩基性のもの
を使用した場合には、本発明の効果は得られない。
いて2−アルキル−2−アダマンタノールとカルボン酸
化合物とをエステル化反応するに際し、乾燥した状態で
常温において固体である酸性或いは中性の無機化合物又
は吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在下で反応を
行うことにより、2−アルキル−2−アダマンタノール
が脱水してオレフィン化合物が副生するのを防止し、目
的のエステル化合物を高収率で得ることが可能となる。
乾燥剤であっても乾燥時に液状のものや、塩基性のもの
を使用した場合には、本発明の効果は得られない。
【0022】本発明で使用する乾燥剤は、溶液中の水分
を吸着する能力を有し、乾燥した状態で常温において固
体である無機化合物又は乾燥した状態で常温において固
形物である吸水性高分子化合物であり、それ自身が酸性
若しくは中性を示すものであれば特に限定されない。な
お本発明における固形物とは、固体又はゲルを示す。さ
らに、本発明でいう乾燥剤には、脱水剤が含まれる。本
発明で好適に使用できる上記乾燥剤を具体的に例示する
と、乾燥した状態で常温において固体である無機化合物
としては、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、五酸化
りん、モレキュラーシーブ、シリカゲル等が挙げられ
る。また、乾燥した状態で常温において固形物である吸
水性高分子化合物としては、陽イオン性イオン交換樹
脂、ポリアクリルアミドゲル等が挙げられる。これらの
乾燥剤は、単独で使用してもよく、2種類以上併用して
もよい。
を吸着する能力を有し、乾燥した状態で常温において固
体である無機化合物又は乾燥した状態で常温において固
形物である吸水性高分子化合物であり、それ自身が酸性
若しくは中性を示すものであれば特に限定されない。な
お本発明における固形物とは、固体又はゲルを示す。さ
らに、本発明でいう乾燥剤には、脱水剤が含まれる。本
発明で好適に使用できる上記乾燥剤を具体的に例示する
と、乾燥した状態で常温において固体である無機化合物
としては、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、五酸化
りん、モレキュラーシーブ、シリカゲル等が挙げられ
る。また、乾燥した状態で常温において固形物である吸
水性高分子化合物としては、陽イオン性イオン交換樹
脂、ポリアクリルアミドゲル等が挙げられる。これらの
乾燥剤は、単独で使用してもよく、2種類以上併用して
もよい。
【0023】これら乾燥剤の使用量は、反応で生成する
水を吸収するに十分な量であれば特に限定されず、2−
アルキル−2−アダマンタノール及びカルボン酸化合物
の使用量、並びに乾燥剤の種類に応じて適宜決定すれば
良いが、通常は、2−アルキル−2−アダマンタノール
1重量部に対して0.1〜100重量部、特に0.2〜
50重量部使用するのが好適である。
水を吸収するに十分な量であれば特に限定されず、2−
アルキル−2−アダマンタノール及びカルボン酸化合物
の使用量、並びに乾燥剤の種類に応じて適宜決定すれば
良いが、通常は、2−アルキル−2−アダマンタノール
1重量部に対して0.1〜100重量部、特に0.2〜
50重量部使用するのが好適である。
【0024】本発明において、2−アルキル−2−アダ
マンタノールとカルボン酸化合物を酸触媒、及び前記乾
燥剤の存在下で反応させる方法は特に限定されず、これ
ら各反応試剤を適宜混合することにより行うことができ
るが、作業性、反応温度等の反応条件の制御し易さ等の
点から、溶媒を使用し、2−アルキル−2−アダマンタノ
ールとカルボン酸化合物とを溶媒に溶解又は懸濁させ、
酸触媒及び前記乾燥剤を加えて攪拌するのが好適であ
る。
マンタノールとカルボン酸化合物を酸触媒、及び前記乾
燥剤の存在下で反応させる方法は特に限定されず、これ
ら各反応試剤を適宜混合することにより行うことができ
るが、作業性、反応温度等の反応条件の制御し易さ等の
点から、溶媒を使用し、2−アルキル−2−アダマンタノ
ールとカルボン酸化合物とを溶媒に溶解又は懸濁させ、
酸触媒及び前記乾燥剤を加えて攪拌するのが好適であ
る。
【0025】この時使用する溶媒は、酸に安定な溶媒で
あれば特に限定されないが、化合物の溶解性等の観点か
ら、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類;塩化メチレ
ン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等が好適に用い
られる。また、溶媒の量については限定されないが、溶
解度や釜収量等を勘案すると、アルキルアダマンタノー
ル1モルに対して5リットル以下、特に0.2リットル
〜1リットルが好適である。
あれば特に限定されないが、化合物の溶解性等の観点か
ら、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類;塩化メチレ
ン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等が好適に用い
られる。また、溶媒の量については限定されないが、溶
解度や釜収量等を勘案すると、アルキルアダマンタノー
ル1モルに対して5リットル以下、特に0.2リットル
〜1リットルが好適である。
【0026】反応条件は、使用する各反応試剤の種類、
量、濃度に応じて、例えばガスクロマトグラフィー等で
反応の進行を確認して調整する等して適宜設定すればよ
いが、反応時間及び反応温度に関しては、副反応を抑制
しながら高い反応速度で反応を行うという観点から0℃
〜40℃で、1時間〜48時間程度反応を行うのが好適
である。
量、濃度に応じて、例えばガスクロマトグラフィー等で
反応の進行を確認して調整する等して適宜設定すればよ
いが、反応時間及び反応温度に関しては、副反応を抑制
しながら高い反応速度で反応を行うという観点から0℃
〜40℃で、1時間〜48時間程度反応を行うのが好適
である。
【0027】このようにして反応を行うことにより、2
−アルキル−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物
が脱水縮合した構造を有する2−アルキル−2−アダマ
ンチルエステルを得ることができる。例えば、2−アル
キル−2−アダマンタノールとして2−メチル−2−ア
ダマンタノールを用い、カルボン酸化合物としてアクリ
ル酸又はメタクリル酸を使用した場合には、それぞれ2
−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル
−2−アダマンチルメタクリレートが生成する。
−アルキル−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物
が脱水縮合した構造を有する2−アルキル−2−アダマ
ンチルエステルを得ることができる。例えば、2−アル
キル−2−アダマンタノールとして2−メチル−2−ア
ダマンタノールを用い、カルボン酸化合物としてアクリ
ル酸又はメタクリル酸を使用した場合には、それぞれ2
−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル
−2−アダマンチルメタクリレートが生成する。
【0028】エステル化反応後の反応液からの目的物の
回収は、用いた乾燥剤を濾過等により除去した後、アル
カリ水溶液で洗浄することにより酸を中和し、必要に応
じて水洗や抽出操作を行い、有機層から溶媒を減圧留去
して目的物であるエステル化合物を分離すればよい。な
お、酸触媒又は酸触媒兼乾燥剤として陽イオン性イオン
交換樹脂を用いた際には、用いた陽イオン性イオン交換
樹脂及び他の乾燥剤を用いた場合にはその乾燥剤を濾過
等により除去することで酸触媒が除去できるため、その
まま溶媒を減圧留去することで目的物であるエステル化
合物を分離することができる。さらに、濾過等により除
去した陽イオン性交換樹脂及び乾燥剤は、加熱処理或い
は減圧乾燥等公知の再生処理によって再生、再利用する
ことが可能である。
回収は、用いた乾燥剤を濾過等により除去した後、アル
カリ水溶液で洗浄することにより酸を中和し、必要に応
じて水洗や抽出操作を行い、有機層から溶媒を減圧留去
して目的物であるエステル化合物を分離すればよい。な
お、酸触媒又は酸触媒兼乾燥剤として陽イオン性イオン
交換樹脂を用いた際には、用いた陽イオン性イオン交換
樹脂及び他の乾燥剤を用いた場合にはその乾燥剤を濾過
等により除去することで酸触媒が除去できるため、その
まま溶媒を減圧留去することで目的物であるエステル化
合物を分離することができる。さらに、濾過等により除
去した陽イオン性交換樹脂及び乾燥剤は、加熱処理或い
は減圧乾燥等公知の再生処理によって再生、再利用する
ことが可能である。
【0029】本発明によれば、副反応が抑制され目的の
反応が選択的に高転化率で反応が進行するので、このよ
うな簡単な分離方法で生成物を分離しても、その純度は
高く、用途によっては特に精製することなくそのまま使
用することもできる。より高純度のものを得たい場合に
は、得られる2−アルキル−2−アダマンチルエステル
の性状に応じて、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再
結晶等の方法によって精製すればよい。
反応が選択的に高転化率で反応が進行するので、このよ
うな簡単な分離方法で生成物を分離しても、その純度は
高く、用途によっては特に精製することなくそのまま使
用することもできる。より高純度のものを得たい場合に
は、得られる2−アルキル−2−アダマンチルエステル
の性状に応じて、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再
結晶等の方法によって精製すればよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限される
ものではない。
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限される
ものではない。
【0031】実施例1 2−メチル−2−アダマンタノール830mg(5mm
ol)とメタクリル酸4.32g(50mmol)を塩
化メチレン5mlに溶解し、濃硫酸(96重量%)10
0mgと硫酸マグネシウム1.0gを加え、室温(約2
5℃)で16時間攪拌した。その後、反応溶液を10%
水酸化ナトリウム水溶液50mlに注ぎ、エーテル50
mlで抽出した。エーテル層の溶媒を留去して1.2g
の生成物を得た。得られた生成物(粗生成物)について
ガスクロマトグラフィーを用いてを分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。なお、84%という純
度は、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの
純度としては高いものであり、用途によっては特に精製
を行わずそのまま製品とすることも可能な純度である。
また、上記粗生成物について液体クロマトグラフィー及
びゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分析した
ところ、ガスクロマトグラフに現れない不純物がほとん
ど見られず、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの収率は、純度と等しく84%であった。
ol)とメタクリル酸4.32g(50mmol)を塩
化メチレン5mlに溶解し、濃硫酸(96重量%)10
0mgと硫酸マグネシウム1.0gを加え、室温(約2
5℃)で16時間攪拌した。その後、反応溶液を10%
水酸化ナトリウム水溶液50mlに注ぎ、エーテル50
mlで抽出した。エーテル層の溶媒を留去して1.2g
の生成物を得た。得られた生成物(粗生成物)について
ガスクロマトグラフィーを用いてを分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。なお、84%という純
度は、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの
純度としては高いものであり、用途によっては特に精製
を行わずそのまま製品とすることも可能な純度である。
また、上記粗生成物について液体クロマトグラフィー及
びゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分析した
ところ、ガスクロマトグラフに現れない不純物がほとん
ど見られず、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの収率は、純度と等しく84%であった。
【0032】実施例2 塩化メチレンを使用せずに実施例1と同様の操作を行っ
たところ、収率は84%で2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレートが得られた。
たところ、収率は84%で2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレートが得られた。
【0033】実施例3 メタクリル酸を2.16g(25mmol)用い、反応
温度4℃で6時間反応させた他は実施例1と同様の操作
を行ったところ、収率は81%でで2−メチル−2−ア
ダマンチルメタクリレートが得られた。
温度4℃で6時間反応させた他は実施例1と同様の操作
を行ったところ、収率は81%でで2−メチル−2−ア
ダマンチルメタクリレートが得られた。
【0034】実施例4〜6 塩化メチレンの代わりに表1に示した溶媒を用いた他は
実施例1に準じて反応させ、同様の後処理及び分析を行
った。その結果を表1に示した。
実施例1に準じて反応させ、同様の後処理及び分析を行
った。その結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例7 濃硫酸と硫酸マグネシウムの代わりに触媒兼脱水剤とし
て五酸化りんを200mg用い、実施例2に準じて反応
させたところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリ
レートの収率は69%であった。
て五酸化りんを200mg用い、実施例2に準じて反応
させたところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリ
レートの収率は69%であった。
【0037】実施例8〜10 濃硫酸の代わりに表2に示す酸触媒を表2に示す量を用
いた他は実施例1に準じて反応させ、同様の後処理及び
分析を行った。その結果を表2に示す。
いた他は実施例1に準じて反応させ、同様の後処理及び
分析を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例11 メタクリル酸の代わりに安息香酸を3.1g(25mm
ol)用い、硫酸マグネシウムの代わりにモレキュラー
シーブ4Aを2g用いた他は、実施例1に準じて反応及
び後処理等を行ったところ、2−メチル−2−アダマン
チルベンゾエートの収率は71%であった。
ol)用い、硫酸マグネシウムの代わりにモレキュラー
シーブ4Aを2g用いた他は、実施例1に準じて反応及
び後処理等を行ったところ、2−メチル−2−アダマン
チルベンゾエートの収率は71%であった。
【0040】実施例12 メタクリル酸の代わりに酢酸を3.0g(50mmo
l)用いた他は、実施例2に準じて反応及び後処理等を
行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアセテー
トの収率は74%であった。
l)用いた他は、実施例2に準じて反応及び後処理等を
行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアセテー
トの収率は74%であった。
【0041】実施例13 メタクリル酸の代わりにアクリル酸を3.6g(50m
mol)用いた他は、実施例2に準じて反応及び後処理
等を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアク
リレートの収率は85%であった。
mol)用いた他は、実施例2に準じて反応及び後処理
等を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアク
リレートの収率は85%であった。
【0042】実施例14 2−メチル−2−アダマンタノール33.2g(0.2
mol)をメタクリル酸172.2g(2.0mol)
に溶解し、濃硫酸(96重量%)4.0gと硫酸マグネ
シウム40.0gを加え、室温(約25℃)で4時間攪
拌した。その後、反応溶液をヘプタン141.0gに溶
解し、10%水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水で
順次洗浄した。有機層の溶媒を留去して42.9gの粗
生成物を得た。ガスクロマトグラフィーを用いて該粗生
成物を分析したところ、該粗生成物中の2−メチル−2
−アダマンチルメタクリレートの含有量は84%であっ
た。
mol)をメタクリル酸172.2g(2.0mol)
に溶解し、濃硫酸(96重量%)4.0gと硫酸マグネ
シウム40.0gを加え、室温(約25℃)で4時間攪
拌した。その後、反応溶液をヘプタン141.0gに溶
解し、10%水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水で
順次洗浄した。有機層の溶媒を留去して42.9gの粗
生成物を得た。ガスクロマトグラフィーを用いて該粗生
成物を分析したところ、該粗生成物中の2−メチル−2
−アダマンチルメタクリレートの含有量は84%であっ
た。
【0043】得られた2−メチル−2−アダマンチルメ
タクリレート粗生成物を真空度0.3mmHgで減圧蒸
留し、ガスクロマトグラフィーで純度97.5%の2−
メチル−2−アダマンチルメタクリレート31.7g
(収率68%)を得ることができた。
タクリレート粗生成物を真空度0.3mmHgで減圧蒸
留し、ガスクロマトグラフィーで純度97.5%の2−
メチル−2−アダマンチルメタクリレート31.7g
(収率68%)を得ることができた。
【0044】実施例15 2−メチル−2−アダマンタノール830mg(5mm
ol)とメタクリル酸4.32g(50mmol)を塩
化メチレン5mlに溶解し、陽イオン性イオン交換樹脂
であるアンバーリスト−15(オルガノ株式会社製、マ
クロレチキュラー型、スルホン酸型)を1.0gと無水
硫酸カルシウム3.0gを加え、室温(約25℃)で1
0時間攪拌した。その後、反応溶液濾過し、アンバーリ
スト−15及び無水硫酸カルシウムを分離した。濾過し
たアンバーリスト−15及び無水硫酸カルシウムを塩化
メチレン20mlで洗浄し、反応液の溶媒及びメタクリ
ル酸を留去して1.2gの粗生成物を得た。ガスクロマ
トグラフィーを用いて該粗生成物を分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。また、上記粗生成物に
ついて液体クロマトグラフィー及びゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで分析したところ、ガスクロマト
グラフに現れない不純物がほとんど見られず、2−メチ
ル−2−アダマンチルメタクリレートの収率は、純度と
等しく84%であった。
ol)とメタクリル酸4.32g(50mmol)を塩
化メチレン5mlに溶解し、陽イオン性イオン交換樹脂
であるアンバーリスト−15(オルガノ株式会社製、マ
クロレチキュラー型、スルホン酸型)を1.0gと無水
硫酸カルシウム3.0gを加え、室温(約25℃)で1
0時間攪拌した。その後、反応溶液濾過し、アンバーリ
スト−15及び無水硫酸カルシウムを分離した。濾過し
たアンバーリスト−15及び無水硫酸カルシウムを塩化
メチレン20mlで洗浄し、反応液の溶媒及びメタクリ
ル酸を留去して1.2gの粗生成物を得た。ガスクロマ
トグラフィーを用いて該粗生成物を分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。また、上記粗生成物に
ついて液体クロマトグラフィー及びゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで分析したところ、ガスクロマト
グラフに現れない不純物がほとんど見られず、2−メチ
ル−2−アダマンチルメタクリレートの収率は、純度と
等しく84%であった。
【0045】実施例16 実施例15でろ別した、アンバーリスト−15及び無水
硫酸カルシウムを真空度0.2mmHg、100℃で4
時間加熱再生した。この再生したアンバーリスト−15
を1.0gと無水硫酸カルシウム3.0gを用いた以外
は実施例15に準じて反応及び後処理等を行ったとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートの収率
は84%であった。
硫酸カルシウムを真空度0.2mmHg、100℃で4
時間加熱再生した。この再生したアンバーリスト−15
を1.0gと無水硫酸カルシウム3.0gを用いた以外
は実施例15に準じて反応及び後処理等を行ったとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートの収率
は84%であった。
【0046】この結果から、反応に用いた陽イオン性イ
オン交換樹脂及び脱水剤は、適当な再生処理を行うこと
により再利用することが可能である。
オン交換樹脂及び脱水剤は、適当な再生処理を行うこと
により再利用することが可能である。
【0047】実施例17 塩化メチレンを使用せずに実施例15と同様の操作を行
ったところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの収率は84%であった。
ったところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの収率は84%であった。
【0048】実施例18 無水硫酸カルシウムの用いずに、酸触媒兼脱水剤として
アンバーリスト−15を3.0g用いた他は実施例15
に準じて反応させ、同様の後処理及び分析を行ったとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートの収率
は74%であった。
アンバーリスト−15を3.0g用いた他は実施例15
に準じて反応させ、同様の後処理及び分析を行ったとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートの収率
は74%であった。
【0049】実施例19〜20 無水硫酸カルシウムの代わりに表3に示す脱水剤を表4
に示す量を用いた他は実施例15に準じて反応させ、同
様の後処理及び分析を行った。その結果を表3に示す。
に示す量を用いた他は実施例15に準じて反応させ、同
様の後処理及び分析を行った。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】実施例21 メタクリル酸の代わりに酢酸を3.0g(50mmo
l)用いた他は、実施例15に準じて反応及び後処理等
を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアセテ
ートの収率は72%であった。
l)用いた他は、実施例15に準じて反応及び後処理等
を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアセテ
ートの収率は72%であった。
【0052】実施例22 メタクリル酸の代わりにアクリル酸を3.6g(50m
mol)用いた他は、実施例15に準じて反応及び後処
理等を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルア
クリレートの収率は84%であった。
mol)用いた他は、実施例15に準じて反応及び後処
理等を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルア
クリレートの収率は84%であった。
【0053】実施例23 2−メチル−2−アダマンタノール33g(0.2mo
l)とメタクリル酸172.2g(2.0mol)に溶
解し、アンバーリスト−15を40.0gと無水硫酸カ
ルシウム120.0gを加え、室温(約25℃)で4時
間攪拌した。その後、反応溶液濾過し、アンバーリスト
−15及び無水硫酸カルシウムを分離した。濾過したア
ンバーリスト−15及び無水硫酸カルシウムを塩化メチ
レン200mlで洗浄し、塩化メチレン及びメタクリル
酸を留去して86.2gの粗生成物を得た。ガスクロマ
トグラフィーを用いて該粗生成物を分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。
l)とメタクリル酸172.2g(2.0mol)に溶
解し、アンバーリスト−15を40.0gと無水硫酸カ
ルシウム120.0gを加え、室温(約25℃)で4時
間攪拌した。その後、反応溶液濾過し、アンバーリスト
−15及び無水硫酸カルシウムを分離した。濾過したア
ンバーリスト−15及び無水硫酸カルシウムを塩化メチ
レン200mlで洗浄し、塩化メチレン及びメタクリル
酸を留去して86.2gの粗生成物を得た。ガスクロマ
トグラフィーを用いて該粗生成物を分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。
【0054】得られた2−メチル−2−アダマンチルメ
タクリレート粗生成物の内50.0gを真空度0.3m
mHgで減圧蒸留し、ガスクロマトグラフィーで純度9
7.5%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレー
ト26.7g(収率57%)を得ることができた。
タクリレート粗生成物の内50.0gを真空度0.3m
mHgで減圧蒸留し、ガスクロマトグラフィーで純度9
7.5%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレー
ト26.7g(収率57%)を得ることができた。
【0055】比較例1〜4 硫酸マグネシウムを用いずに、触媒兼脱水剤として濃硫
酸(96重量%)を表4に示す量を用いた他は実施例2
に準じて反応及び後処理等を行った。そのときに得られ
た各粗精製物の組成、及び2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレート(目的物)収率を表4に示す。
酸(96重量%)を表4に示す量を用いた他は実施例2
に準じて反応及び後処理等を行った。そのときに得られ
た各粗精製物の組成、及び2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレート(目的物)収率を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】比較例5 硫酸マグネシウムを使用せず、溶媒にヘキサンを用い、
還流温度で3時間反応させた他は実施例1に準じて反応
及び後処理等を行った。1.0gの粗生成物が得られた
が、該粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタ
クリレートの収率は31%であり、原料アルコールが2
2%残存し、2−メチレンアダマンタンが46%生成し
ていた。
還流温度で3時間反応させた他は実施例1に準じて反応
及び後処理等を行った。1.0gの粗生成物が得られた
が、該粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタ
クリレートの収率は31%であり、原料アルコールが2
2%残存し、2−メチレンアダマンタンが46%生成し
ていた。
【0058】比較例6 硫酸マグネシウムを使用せず、溶媒にトルエンを用いて
ディーンスターク脱水装置を用いて還流温度で3時間反
応させた他は実施例1に準じて反応及び後処理等を行っ
た。1.0gの粗生成物が得られたが、該粗生成物中の
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの純度は
15%であり、2−メチレンアダマンタンが80%生成
していた。
ディーンスターク脱水装置を用いて還流温度で3時間反
応させた他は実施例1に準じて反応及び後処理等を行っ
た。1.0gの粗生成物が得られたが、該粗生成物中の
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの純度は
15%であり、2−メチレンアダマンタンが80%生成
していた。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、2−アルキル−2−ア
ダマンタノールとカルボン酸化合物とから、高収率で対
応する構造の2−アルキル−2−アダマンチルエステル
を製造することが可能となる。例えば、酸クロライドを
用いてエステル化する従来の製造方法と対比した場合に
は、取り扱い上、コスト上、大幅にメリットがあるとい
う効果が得られる。
ダマンタノールとカルボン酸化合物とから、高収率で対
応する構造の2−アルキル−2−アダマンチルエステル
を製造することが可能となる。例えば、酸クロライドを
用いてエステル化する従来の製造方法と対比した場合に
は、取り扱い上、コスト上、大幅にメリットがあるとい
う効果が得られる。
【0060】また、本発明によれば、副反応が抑制され
目的の反応が選択的に高転化率で反応が進行するので、
簡単な操作で高純度の2−アルキル−2−アダマンチル
エステルを得ることもできる。
目的の反応が選択的に高転化率で反応が進行するので、
簡単な操作で高純度の2−アルキル−2−アダマンチル
エステルを得ることもできる。
Claims (4)
- 【請求項1】 2−アルキル−2−アダマンタノールと
カルボン酸化合物とを酸触媒、及び乾燥した状態で常温
において固体である酸性或いは中性の無機化合物剤又は
乾燥した状態で常温において固形物である酸性或いは中
性の吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在下で反応
させることを特徴とする2−アルキル−2−アダマンチ
ルエステルの製造方法。 - 【請求項2】 交換基としてスルホン酸基を有する陽イ
オン性イオン交換樹脂を酸触媒として用いることを特徴
とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 乾燥剤として、硫酸マグネシウム、硫酸
カルシウム、モレキュラーシーブ、シリカゲル、五酸化
リン、及び交換基としてスルホン酸基を有する陽イオン
性イオン交換樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1
種を用いる請求項1又は請求項2に記載の製造方法。 - 【請求項4】2−アルキル−2−アダマンタノールが2
−メチル−2−アダマンタノールである請求項1乃至3
の何れかに記載の製造方法。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000390533A JP2002105022A (ja) | 2000-07-27 | 2000-12-22 | 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法 |
KR1020037001138A KR100754554B1 (ko) | 2000-07-27 | 2001-07-18 | 2-알킬-2-아다만틸에스테르의 제조 방법 |
CNB018133878A CN1181037C (zh) | 2000-07-27 | 2001-07-18 | 2-烷基-2-金刚烷基酯的制备方法 |
EP01984413A EP1314713A4 (en) | 2000-07-27 | 2001-07-18 | PROCESSES FOR PREPARING 2-ALKYL-2-ADAMANTYL ESTERS |
PCT/JP2001/006208 WO2002010112A1 (fr) | 2000-07-27 | 2001-07-18 | Procedes de preparation d'esters 2-alkyl-2-adamantyle |
US10/333,733 US7071352B2 (en) | 2000-07-27 | 2001-07-18 | Processes for preparation of 2-alkyl-2-adamantyl esters |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000227158 | 2000-07-27 | ||
JP2000-227158 | 2000-07-27 | ||
JP2000390533A JP2002105022A (ja) | 2000-07-27 | 2000-12-22 | 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002105022A true JP2002105022A (ja) | 2002-04-10 |
JP2002105022A5 JP2002105022A5 (ja) | 2007-03-01 |
Family
ID=26596817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000390533A Withdrawn JP2002105022A (ja) | 2000-07-27 | 2000-12-22 | 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002105022A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007223932A (ja) * | 2006-02-22 | 2007-09-06 | Mitsubishi Gas Chem Co Inc | 高純度アダマンチル(メタ)アクリレート類の製造方法 |
JP2008050302A (ja) * | 2006-08-24 | 2008-03-06 | Idemitsu Kosan Co Ltd | (メタ)アクリル酸オキソアダマンチルエステル類の製造方法 |
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