JP2002105022A - 2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法 - Google Patents

2−アルキル−2−アダマンチルエステルの製造方法

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JP2002105022A JP2000390533A JP2000390533A JP2002105022A JP 2002105022 A JP2002105022 A JP 2002105022A JP 2000390533 A JP2000390533 A JP 2000390533A JP 2000390533 A JP2000390533 A JP 2000390533A JP 2002105022 A JP2002105022 A JP 2002105022A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2−アルキル−2−アダマンタノールとカル
ボン酸から、効率的にアルキルアダマンチルエステルを
製造する方法を提供する。 【解決手段】 2−メチル−2−アダマンタノール等の
2−アルキル−2−アダマンタノールとアクリル酸等の
カルボン酸とを、濃硫酸等の酸触媒、および硫酸マグネ
シウム等の乾燥した状態で常温において固体である酸性
或いは中性の無機化合物又は吸水性高分子からなる乾燥
剤の存在下で反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体レジストの原
料として有用なアルキルアダマンチルエステルを製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】2−アルキル−2−アダマンチルエステ
ルを原料として得られるレジストは、半導体製造プロセ
スにおけるドライエッチング耐性が高いことが知られて
おり(例えば特開平5−265212号公報)、半導体
用レジスト材料としての可能性が注目されている。
【0003】2−アルキル−2−アダマンチルエステル
の製造方法としては、有機金属化合物等のアルキル化試
薬によって2−アダマンタノンをアルキル化し、続いて
得られた2−アルキル−2−アダマンチルアルコールの
金属塩を酸ハロゲン化物によってアシル化する方法が知
られている(特開平10−182552号公報等)。し
かし、該方法で使用する酸ハロゲン化物は、一般にカル
ボン酸化合物から製造するためにカルボン酸化合物より
高価であるばかりでなく、それ自体の反応性が高いため
に取り扱い上の問題点も多い。
【0004】なお、エステル化合物の一般的な製造方法
としては、アルコール化合物とカルボン酸化合物とを酸
触媒を用いて、副生する水を共沸脱水しながら反応させ
る方法(共沸脱水法ともいう。)が知られている(オー
ガニックシンセシス1973年V巻762ページ等)。
該方法は、操作が簡単であることから、アルコール化合
物またはカルボン酸化合物が安価である場合には、工業
的なエステル化合物の製造方法として特に有用である。
しかし、この方法は原料のアルコール化合物として2−
アルキル−2−アダマンタノールのような3級アルコー
ルを使用した場合には、後述する比較例(比較例6)に
示されるように、アルコールの脱水反応が優先して起こ
ってしまうために、アルキルアダマンタンチルエステル
の収率が著しく低くなってしまうという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、2
−アルキル−2−アダマンタノールから、カルボン酸ハ
ロゲン化物のような高価な化合物を用いることなく、効
率的に高純度の2−アルキル−2−アダマンチルエステ
ルを製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく2−アルキル−2−アダマンタノールとカル
ボン酸化合物との反応について鋭意検討を行なった。そ
の結果、酸触媒を用いた場合でも、特定の乾燥剤の存在
下に反応を行った場合には、2−アルキル−2−アダマ
ンタノールの脱水が起こらず、効率的に高純度の2−ア
ルキル−2−アダマンチルエステルを製造できることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、2−アルキル−2−アダ
マンタノールとカルボン酸化合物とを酸触媒、及び乾燥
した状態で常温において固体である酸性或いは中性の無
機化合物又は吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在
下で反応させることを特徴とする2−アルキル−2−ア
ダマンチルエステルの製造方法である。
【0008】上記本発明の製造方法によれば、一般的な
共沸脱水方法を用いた場合よりも高い収率で目的物を得
ることができる。また、使用する乾燥剤は、ろ過などの
簡便な操作で取り除くことが可能であり、一般的には再
生して再利用が可能である。しかも酸ハロゲン化物を使
用していないので、前記した価格や安定性の問題を気に
すること無く簡便に反応を行なうことが可能となる。
【0009】また、酸触媒として交換基としてスルホン
酸基を有する陽イオン性イオン交換樹脂(以下、単に陽
イオン性イオン交換樹脂と称す。)を用いた場合には、
陽イオン性イオン交換樹脂は乾燥剤と共にろ過などの簡
便な操作で反応系から取り除くことが可能であり、簡便
な後処理で高純度の目的物を得ることができる。さらに
は、ろ過等の処理で取り除いた陽イオン性交換樹脂は再
生して再利用が可能である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法では、2−アル
キル−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物とを酸
触媒、及び特定の乾燥剤の存在下で反応させてエステル
化し、対応する構造の2−アルキル−2−アダマンチル
エステルを製造する。
【0011】本発明で原料として使用する2−アルキル
−2−アダマンタノールは、アダマンタンの2位の炭素
原子にアルキル基及び水酸基が結合したものであれば特
に制限されず、公知の化合物が使用できるが、半導体用
レジスト材料の原料の有用性が高いという観点から、炭
素数1〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有する2
−アルキル−2−アダマンタノールを使用するのが好適
である。
【0012】好適に使用できる2−アルキル−2−アダ
マンタノールを具体的に例示すれば、2−メチル−2−
アダマンタノール、2−エチル−2−アダマンタノー
ル、2−プロピル−2−アダマンタノール、2−イソプ
ロピル−2−アダマンタノール、2−ブチル−2−アダ
マンタノール等が挙げられる。これらの中でも、2−メ
チル−2−アダマンタノール又は2−エチル−2−アダ
マンタノールが上記用途での有用性が高いため特に好適
であり、反応性の観点から、2−メチル−2−アダマン
タノールを用いるのが最も好適である。
【0013】これら2−アルキル−2−アダマンタノー
ルとしては、市販されているもの或いは2−アダマンタ
ノンと有機金属試薬から製造されたものがそのまま、又
は必要に応じて再結晶、昇華等の精製を行った後使用す
ることができる。
【0014】また、もう一方の原料として使用するカル
ボン酸化合物としては、カルボキシル基を有する有機化
合物であれば特に限定されずに使用できる。本発明で使
用できるカルボン酸化合物を具体的に例示すれば、ぎ
酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和モノカルボン酸化合
物;シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の飽和ジカルボン
酸化合物;アクリル酸、メタクリル酸、プロピオン酸、ク
ロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸化合物;安
息香酸、1−ナフトエ酸、フタル酸、ニコチン酸、2−
フランカルボン酸等の炭素環或いは複素環カルボン酸化
合物を挙げることができる。これらの中でも、反応性の
観点から、炭素数2〜7のカルボン酸化合物を用いるの
が好ましく、半導体用レジスト材料の原料としての有用
性が高いという観点から、アクリル酸又はメタクリル酸
を使用するのが特に好適である。これらのカルボン酸化
合物も市販のものをそのまま、或いは必要に応じて再結
晶、蒸留等の精製を行った後使用することが出来る。
【0015】カルボン酸化合物は、2−アルキル−2−
アダマンタノールと化学量論的に反応するので、2−ア
ルキル−2−アダマンタノール1モルに対して約1モル
使用すればよいが、反応速度の観点からどちらか一方が
過剰となるように用いるのが好適である。通常は、2−
アルキル−2−アダマンタノールよりカルボン酸化合物
の方が安価であるので、2−アルキル−2−アダマンタ
ノール1モルに対してカルボン酸化合物を1〜50モル
使用するのが好適である。
【0016】本発明で使用する酸触媒は、2−アルキル
−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物とのエステ
ル化反応を触媒する作用を有する酸であれば特に限定さ
れず、アルコール化合物及びカルボン酸化合物を用いた
エステル化反応で一般的に触媒として使用されている有
機酸又は無機酸が使用できる。なお、使用する酸触媒が
後述する乾燥剤にも該当する場合は、他の乾燥剤を別途
加える必要は特にない。
【0017】本発明においては、触媒活性の高さの点か
ら、酸触媒としては、酸解離定数pKaが3以下の強酸
を使用するのが好適である。酸触媒として好適に使用で
きる強酸を具体的に例示すれば、無機酸化合物として
は、硫酸、リン酸等が、有機酸化合物としてはトルエン
スルホン酸、トリフルオロ酢酸等を挙げることができ
る。
【0018】これら酸触媒となる各種化合物の使用量
は、特に限定されないが、反応速度や副反応を抑制する
という観点から、2−アルキル−2−アダマンタノール
1重量部に対して0.001〜1重量部、特に0.01
〜0.1重量部使用するのが好適である。
【0019】また、本発明においては、交換基としてス
ルホン酸基を有する陽イオン性イオン交換樹脂(陽イオ
ン性イオン交換樹脂)も酸触媒として好適に使用でき
る。該陽イオン性イオン交換樹脂は、交換基にスルホン
酸基を有するものであれば何ら制限なく用いることがで
きる。一般的にイオン交換樹脂は、ゲル型及びマクロレ
チキュラー(MR)型(ハイポーラス型とも言う)等の
ポーラス型が存在するが、いずれの型のイオン交換樹脂
も使用可能である。しかしながら、反応条件中での安定
性、反応性の観点からMR型を用いるのが好適である。
なお、交換基のスルホン酸基には、スルホン酸(−SO
3H)型のものと、スルホン酸塩(−SO3Na等アルカ
リ金属塩)型のものとが存在するが、本発明において
は、イオン交換樹脂は酸触媒として作用するため、スル
ホン酸(−SO3H)型のものを使用する必要がある。
スルホン酸塩(−SO3Na等アルカリ金属塩)型のも
のは、そのままでは酸触媒として機能しないが、塩酸及
び硫酸処理等公知の前処理法にてスルホン酸(−SO3
H)型に置換することで酸触媒として使用することが可
能である。このような陽イオン性イオン交換樹脂は市販
されており、工業的に入手可能である。
【0020】陽イオン交換樹脂を酸触媒として用いる場
合の使用量は、用いる陽イオン交換樹脂の種類に応じ
て、例えばガスクロマトグラフィー等で反応の進行を確
認して調整する等して適宜設定すればよいが、反応速
度、攪拌の容易さの観点から、通常は2−アルキル−2
−アダマンタノール1重量部に対して0.001〜10
0重量部、特に0.01〜50重量部使用するのが好適
である。
【0021】本発明の製造方法においては、酸触媒を用
いて2−アルキル−2−アダマンタノールとカルボン酸
化合物とをエステル化反応するに際し、乾燥した状態で
常温において固体である酸性或いは中性の無機化合物又
は吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在下で反応を
行うことにより、2−アルキル−2−アダマンタノール
が脱水してオレフィン化合物が副生するのを防止し、目
的のエステル化合物を高収率で得ることが可能となる。
乾燥剤であっても乾燥時に液状のものや、塩基性のもの
を使用した場合には、本発明の効果は得られない。
【0022】本発明で使用する乾燥剤は、溶液中の水分
を吸着する能力を有し、乾燥した状態で常温において固
体である無機化合物又は乾燥した状態で常温において固
形物である吸水性高分子化合物であり、それ自身が酸性
若しくは中性を示すものであれば特に限定されない。な
お本発明における固形物とは、固体又はゲルを示す。さ
らに、本発明でいう乾燥剤には、脱水剤が含まれる。本
発明で好適に使用できる上記乾燥剤を具体的に例示する
と、乾燥した状態で常温において固体である無機化合物
としては、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、五酸化
りん、モレキュラーシーブ、シリカゲル等が挙げられ
る。また、乾燥した状態で常温において固形物である吸
水性高分子化合物としては、陽イオン性イオン交換樹
脂、ポリアクリルアミドゲル等が挙げられる。これらの
乾燥剤は、単独で使用してもよく、2種類以上併用して
もよい。
【0023】これら乾燥剤の使用量は、反応で生成する
水を吸収するに十分な量であれば特に限定されず、2−
アルキル−2−アダマンタノール及びカルボン酸化合物
の使用量、並びに乾燥剤の種類に応じて適宜決定すれば
良いが、通常は、2−アルキル−2−アダマンタノール
1重量部に対して0.1〜100重量部、特に0.2〜
50重量部使用するのが好適である。
【0024】本発明において、2−アルキル−2−アダ
マンタノールとカルボン酸化合物を酸触媒、及び前記乾
燥剤の存在下で反応させる方法は特に限定されず、これ
ら各反応試剤を適宜混合することにより行うことができ
るが、作業性、反応温度等の反応条件の制御し易さ等の
点から、溶媒を使用し、2−アルキル−2−アダマンタノ
ールとカルボン酸化合物とを溶媒に溶解又は懸濁させ、
酸触媒及び前記乾燥剤を加えて攪拌するのが好適であ
る。
【0025】この時使用する溶媒は、酸に安定な溶媒で
あれば特に限定されないが、化合物の溶解性等の観点か
ら、ヘキサン、トルエン等の炭化水素類;塩化メチレ
ン、クロロホルム等の塩素化炭化水素類等が好適に用い
られる。また、溶媒の量については限定されないが、溶
解度や釜収量等を勘案すると、アルキルアダマンタノー
ル1モルに対して5リットル以下、特に0.2リットル
〜1リットルが好適である。
【0026】反応条件は、使用する各反応試剤の種類、
量、濃度に応じて、例えばガスクロマトグラフィー等で
反応の進行を確認して調整する等して適宜設定すればよ
いが、反応時間及び反応温度に関しては、副反応を抑制
しながら高い反応速度で反応を行うという観点から0℃
〜40℃で、1時間〜48時間程度反応を行うのが好適
である。
【0027】このようにして反応を行うことにより、2
−アルキル−2−アダマンタノールとカルボン酸化合物
が脱水縮合した構造を有する2−アルキル−2−アダマ
ンチルエステルを得ることができる。例えば、2−アル
キル−2−アダマンタノールとして2−メチル−2−ア
ダマンタノールを用い、カルボン酸化合物としてアクリ
ル酸又はメタクリル酸を使用した場合には、それぞれ2
−メチル−2−アダマンチルアクリレート、2−メチル
−2−アダマンチルメタクリレートが生成する。
【0028】エステル化反応後の反応液からの目的物の
回収は、用いた乾燥剤を濾過等により除去した後、アル
カリ水溶液で洗浄することにより酸を中和し、必要に応
じて水洗や抽出操作を行い、有機層から溶媒を減圧留去
して目的物であるエステル化合物を分離すればよい。な
お、酸触媒又は酸触媒兼乾燥剤として陽イオン性イオン
交換樹脂を用いた際には、用いた陽イオン性イオン交換
樹脂及び他の乾燥剤を用いた場合にはその乾燥剤を濾過
等により除去することで酸触媒が除去できるため、その
まま溶媒を減圧留去することで目的物であるエステル化
合物を分離することができる。さらに、濾過等により除
去した陽イオン性交換樹脂及び乾燥剤は、加熱処理或い
は減圧乾燥等公知の再生処理によって再生、再利用する
ことが可能である。
【0029】本発明によれば、副反応が抑制され目的の
反応が選択的に高転化率で反応が進行するので、このよ
うな簡単な分離方法で生成物を分離しても、その純度は
高く、用途によっては特に精製することなくそのまま使
用することもできる。より高純度のものを得たい場合に
は、得られる2−アルキル−2−アダマンチルエステル
の性状に応じて、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再
結晶等の方法によって精製すればよい。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限される
ものではない。
【0031】実施例1 2−メチル−2−アダマンタノール830mg(5mm
ol)とメタクリル酸4.32g(50mmol)を塩
化メチレン5mlに溶解し、濃硫酸(96重量%)10
0mgと硫酸マグネシウム1.0gを加え、室温(約2
5℃)で16時間攪拌した。その後、反応溶液を10%
水酸化ナトリウム水溶液50mlに注ぎ、エーテル50
mlで抽出した。エーテル層の溶媒を留去して1.2g
の生成物を得た。得られた生成物(粗生成物)について
ガスクロマトグラフィーを用いてを分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。なお、84%という純
度は、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの
純度としては高いものであり、用途によっては特に精製
を行わずそのまま製品とすることも可能な純度である。
また、上記粗生成物について液体クロマトグラフィー及
びゲルパーミエーションクロマトグラフィーで分析した
ところ、ガスクロマトグラフに現れない不純物がほとん
ど見られず、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの収率は、純度と等しく84%であった。
【0032】実施例2 塩化メチレンを使用せずに実施例1と同様の操作を行っ
たところ、収率は84%で2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレートが得られた。
【0033】実施例3 メタクリル酸を2.16g(25mmol)用い、反応
温度4℃で6時間反応させた他は実施例1と同様の操作
を行ったところ、収率は81%でで2−メチル−2−ア
ダマンチルメタクリレートが得られた。
【0034】実施例4〜6 塩化メチレンの代わりに表1に示した溶媒を用いた他は
実施例1に準じて反応させ、同様の後処理及び分析を行
った。その結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】実施例7 濃硫酸と硫酸マグネシウムの代わりに触媒兼脱水剤とし
て五酸化りんを200mg用い、実施例2に準じて反応
させたところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリ
レートの収率は69%であった。
【0037】実施例8〜10 濃硫酸の代わりに表2に示す酸触媒を表2に示す量を用
いた他は実施例1に準じて反応させ、同様の後処理及び
分析を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例11 メタクリル酸の代わりに安息香酸を3.1g(25mm
ol)用い、硫酸マグネシウムの代わりにモレキュラー
シーブ4Aを2g用いた他は、実施例1に準じて反応及
び後処理等を行ったところ、2−メチル−2−アダマン
チルベンゾエートの収率は71%であった。
【0040】実施例12 メタクリル酸の代わりに酢酸を3.0g(50mmo
l)用いた他は、実施例2に準じて反応及び後処理等を
行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアセテー
トの収率は74%であった。
【0041】実施例13 メタクリル酸の代わりにアクリル酸を3.6g(50m
mol)用いた他は、実施例2に準じて反応及び後処理
等を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアク
リレートの収率は85%であった。
【0042】実施例14 2−メチル−2−アダマンタノール33.2g(0.2
mol)をメタクリル酸172.2g(2.0mol)
に溶解し、濃硫酸(96重量%)4.0gと硫酸マグネ
シウム40.0gを加え、室温(約25℃)で4時間攪
拌した。その後、反応溶液をヘプタン141.0gに溶
解し、10%水酸化ナトリウム水溶液、イオン交換水で
順次洗浄した。有機層の溶媒を留去して42.9gの粗
生成物を得た。ガスクロマトグラフィーを用いて該粗生
成物を分析したところ、該粗生成物中の2−メチル−2
−アダマンチルメタクリレートの含有量は84%であっ
た。
【0043】得られた2−メチル−2−アダマンチルメ
タクリレート粗生成物を真空度0.3mmHgで減圧蒸
留し、ガスクロマトグラフィーで純度97.5%の2−
メチル−2−アダマンチルメタクリレート31.7g
(収率68%)を得ることができた。
【0044】実施例15 2−メチル−2−アダマンタノール830mg(5mm
ol)とメタクリル酸4.32g(50mmol)を塩
化メチレン5mlに溶解し、陽イオン性イオン交換樹脂
であるアンバーリスト−15(オルガノ株式会社製、マ
クロレチキュラー型、スルホン酸型)を1.0gと無水
硫酸カルシウム3.0gを加え、室温(約25℃)で1
0時間攪拌した。その後、反応溶液濾過し、アンバーリ
スト−15及び無水硫酸カルシウムを分離した。濾過し
たアンバーリスト−15及び無水硫酸カルシウムを塩化
メチレン20mlで洗浄し、反応液の溶媒及びメタクリ
ル酸を留去して1.2gの粗生成物を得た。ガスクロマ
トグラフィーを用いて該粗生成物を分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。また、上記粗生成物に
ついて液体クロマトグラフィー及びゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで分析したところ、ガスクロマト
グラフに現れない不純物がほとんど見られず、2−メチ
ル−2−アダマンチルメタクリレートの収率は、純度と
等しく84%であった。
【0045】実施例16 実施例15でろ別した、アンバーリスト−15及び無水
硫酸カルシウムを真空度0.2mmHg、100℃で4
時間加熱再生した。この再生したアンバーリスト−15
を1.0gと無水硫酸カルシウム3.0gを用いた以外
は実施例15に準じて反応及び後処理等を行ったとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートの収率
は84%であった。
【0046】この結果から、反応に用いた陽イオン性イ
オン交換樹脂及び脱水剤は、適当な再生処理を行うこと
により再利用することが可能である。
【0047】実施例17 塩化メチレンを使用せずに実施例15と同様の操作を行
ったところ、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの収率は84%であった。
【0048】実施例18 無水硫酸カルシウムの用いずに、酸触媒兼脱水剤として
アンバーリスト−15を3.0g用いた他は実施例15
に準じて反応させ、同様の後処理及び分析を行ったとこ
ろ、2−メチル−2−アダマンチルアクリレートの収率
は74%であった。
【0049】実施例19〜20 無水硫酸カルシウムの代わりに表3に示す脱水剤を表4
に示す量を用いた他は実施例15に準じて反応させ、同
様の後処理及び分析を行った。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】実施例21 メタクリル酸の代わりに酢酸を3.0g(50mmo
l)用いた他は、実施例15に準じて反応及び後処理等
を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルアセテ
ートの収率は72%であった。
【0052】実施例22 メタクリル酸の代わりにアクリル酸を3.6g(50m
mol)用いた他は、実施例15に準じて反応及び後処
理等を行ったところ、2−メチル−2−アダマンチルア
クリレートの収率は84%であった。
【0053】実施例23 2−メチル−2−アダマンタノール33g(0.2mo
l)とメタクリル酸172.2g(2.0mol)に溶
解し、アンバーリスト−15を40.0gと無水硫酸カ
ルシウム120.0gを加え、室温(約25℃)で4時
間攪拌した。その後、反応溶液濾過し、アンバーリスト
−15及び無水硫酸カルシウムを分離した。濾過したア
ンバーリスト−15及び無水硫酸カルシウムを塩化メチ
レン200mlで洗浄し、塩化メチレン及びメタクリル
酸を留去して86.2gの粗生成物を得た。ガスクロマ
トグラフィーを用いて該粗生成物を分析したところ、該
粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレ
ートの含有量は84%であった。
【0054】得られた2−メチル−2−アダマンチルメ
タクリレート粗生成物の内50.0gを真空度0.3m
mHgで減圧蒸留し、ガスクロマトグラフィーで純度9
7.5%の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレー
ト26.7g(収率57%)を得ることができた。
【0055】比較例1〜4 硫酸マグネシウムを用いずに、触媒兼脱水剤として濃硫
酸(96重量%)を表4に示す量を用いた他は実施例2
に準じて反応及び後処理等を行った。そのときに得られ
た各粗精製物の組成、及び2−メチル−2−アダマンチ
ルメタクリレート(目的物)収率を表4に示す。
【0056】
【表4】
【0057】比較例5 硫酸マグネシウムを使用せず、溶媒にヘキサンを用い、
還流温度で3時間反応させた他は実施例1に準じて反応
及び後処理等を行った。1.0gの粗生成物が得られた
が、該粗生成物中の2−メチル−2−アダマンチルメタ
クリレートの収率は31%であり、原料アルコールが2
2%残存し、2−メチレンアダマンタンが46%生成し
ていた。
【0058】比較例6 硫酸マグネシウムを使用せず、溶媒にトルエンを用いて
ディーンスターク脱水装置を用いて還流温度で3時間反
応させた他は実施例1に準じて反応及び後処理等を行っ
た。1.0gの粗生成物が得られたが、該粗生成物中の
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートの純度は
15%であり、2−メチレンアダマンタンが80%生成
していた。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、2−アルキル−2−ア
ダマンタノールとカルボン酸化合物とから、高収率で対
応する構造の2−アルキル−2−アダマンチルエステル
を製造することが可能となる。例えば、酸クロライドを
用いてエステル化する従来の製造方法と対比した場合に
は、取り扱い上、コスト上、大幅にメリットがあるとい
う効果が得られる。
【0060】また、本発明によれば、副反応が抑制され
目的の反応が選択的に高転化率で反応が進行するので、
簡単な操作で高純度の2−アルキル−2−アダマンチル
エステルを得ることもできる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−アルキル−2−アダマンタノールと
    カルボン酸化合物とを酸触媒、及び乾燥した状態で常温
    において固体である酸性或いは中性の無機化合物剤又は
    乾燥した状態で常温において固形物である酸性或いは中
    性の吸水性高分子化合物からなる乾燥剤の存在下で反応
    させることを特徴とする2−アルキル−2−アダマンチ
    ルエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 交換基としてスルホン酸基を有する陽イ
    オン性イオン交換樹脂を酸触媒として用いることを特徴
    とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 乾燥剤として、硫酸マグネシウム、硫酸
    カルシウム、モレキュラーシーブ、シリカゲル、五酸化
    リン、及び交換基としてスルホン酸基を有する陽イオン
    性イオン交換樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1
    種を用いる請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】2−アルキル−2−アダマンタノールが2
    −メチル−2−アダマンタノールである請求項1乃至3
    の何れかに記載の製造方法。
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