JP2008303218A - (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 2−アルキリデンアダマンタンを原料として精密化学品として有用である、特定の不純物を多く含まない2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートを、従来法に比べて飛躍的に簡便に且つ収率よく製造する。
【解決手段】 有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下であること、又は、有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が20ppm以下であることから選ばれる、いずれかの一つを満たす2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、とすること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。詳しくは、アルキリデン基を持つ有橋環式炭化水素と(メタ)アクリル酸とを酸触媒により反応させて、(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法及び、この方法により得られる、塩素イオンや有機アミン不純物の含有量の少ない(メタ)アクリル酸エステルに関する。本発明により得られる2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステルは、医薬、農薬、フォトレジスト原料等、精密化学品として有用である。
本発明により製造される化合物の一つである2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート等の製造方法としては、例えば(1)2−メチルアダマンタノールを(メタ)アクリル酸クロリドと過剰のトリエチルアミンの存在下で反応させる方法(非特許文献1、非特許文献2、特許文献1、特許文献2及び特許文献3)、(2)2−アダマンタノンとハロゲン化メチルマグネシウムとの反応により生成したマグネシウム塩又は2−アダマンタノンとメチルリチウムとの反応により生成したリチウム塩と(メタ)アクリル酸クロリドとを反応させる方法(特許文献4)、(3)1−アダマンタノールと(メタ)アクリル酸を特定のスルホン酸触媒の存在下にエステル化させる方法(特許文献5)、等がこれ迄に提案されている。
J.Polym.Sci.Tech.,12(3),433(1999) J.Polym.Sci.Tech.,9(3),509(1996) 特開平10−274852号公報 特開平11−212265号公報 特開平11−305444号公報 特開平10−182552号公報 特開平8−310995号公報
しかしながら、上記(1)の方法は、原料として取扱いが難しく、且つ高価な(メタ)アクリル酸クロリドを用い、しかも目的生成物との分離が困難なトリエチルアミンを多量に用いる点、また上記(2)の方法は(メタ)アクリル酸クロリドを使う点、グリニヤ試薬又は金属リチウムを用いる点でいずれも工業的な製造方法としては問題がある。また、(3)の方法については、この方法を2位に置換基を有する三級アルコールの2−メチルアダマンタン−2−オールに適用すると、目的とするエステルの収率が20%以下に止るという問題点がある。
また、このような従来の合成法を採用した場合には、原料として(メタ)アクリル酸クロリドを使用し、反応試剤として有機アミンを使用するため、得られる(メタ)アクリレート類には、通常50ppm以上の塩素イオン種や有機アミン(N基準)が含まれていた。塩素イオン不純物は、例えばこれを不純物として含有する材料を電子材料として使用する際に、腐食の問題等様々な不都合が発生する。また化学増幅型のレジスト材料として使用する際に、有機アミン不純物の存在は光酸発生剤の最適添加量に影響するため、(メタ)アクリレート類の製造ロット毎にアミンの含有量が変化すると、一定の工程でレジスト樹脂が製造できないという致命的な欠点となる。
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、2−メチレンアダマンタンと(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させることにより目的とする2−メチルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートが高収率で得られ、且つ、このような方法により得られる(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステルは、塩素イオンや有機アミンの不純物含有量が著しく低減されることを見い出し、本発明を完成するに至った。本発明の方法においては(メタ)アクリレート類を製造する際に、塩素イオン種や有機アミンを使用していないことからも容易にわかるとおり、得られた(メタ)アクリレート類は、これらの不純物を含有量が著しく少ないものである。
即ち、本発明の第1の要旨は、アルキリデン基を持つ有橋環式炭化水素と(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させることを特徴とする(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステルの製造方法、にある。また、本発明の第2の要旨は、有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下であるか、又は、有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が20ppm以下である2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート、にある。
本発明の特徴を詳細に列挙すれば次のようになる。
(1)有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下である2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(2)有機アミンの含有量がN基準で10ppm以下である前記(1)に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(3)有機アミンの含有量がN基準で5ppm以下である前記(2)に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(4)有機アミンの含有量がN基準で1ppm以下で前記(3)に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(5)有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が20ppm以下である2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(6)有機アミンの含有量がN基準で10ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が10ppm以下である前記(5)に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(7)有機アミンの含有量がN基準で5ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が5ppm以下である前記(6)に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(8)有機アミンの含有量がN基準で1ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が1ppm以下である前記(7)に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(9)レジスト用材料である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
(10)反応生成液から単離した際の有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下である前記(1)〜(9)のいずれかに記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
本発明によれば2−アルキリデンアダマンタンを出発原料として、医薬、農薬、フォトレジスト原料等、精密化学品として有用な、2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートが従来法に比べて飛躍的に簡便に、且つ収率よく製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、アルキリデン基を持つ有橋環式炭化水素と(メタ)アクリル酸とを酸触媒の存在下で反応させ、(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステルを得るものである。本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を指すものとし、中でもメタクリル酸が好ましい。
本発明に用いられるアルキリデン基を持つ有橋炭化水素については、特に限定されるものではないが、通常、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基等の炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜3のアルキリデン基であるのが好ましい。その具体例としては、例えば2−メチレンノルボルナン、4−メチレンテトラシクロ[6.2.11,9.13,6.02,7]ドデカン等のアルキリデンノルボルナン類;2−メチレンアダマンタン、2−エチリデンアダマンタン、2−イソプロピリデンアダマンタン等のアルキリデンアダマンタン類;等が挙げられ、この中4−メチレンテトラシクロ[6.2.11,9.13,6.02,7]ドデカン又は2−メチレンアダマンタンが好ましく、特に好ましくは2−メチレンアダマンタンである。特に、2−アルキリデンアダマンタンは、通常、2−アルキルアダマンタン−2−オールの脱水反応により製造することが出来る。該脱水反応は、少量のカルボン酸化合物と酸触媒の存在下で行うと、高い収率で2−アルキリデンアダマンタンが得られる。
本発明に用いられる酸触媒については、特に限定はされないが、その具体例としては、例えば1)塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類;ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クレゾールスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸;スルホン酸型のイオン交換樹脂等のブレンステット酸触媒、2)三フッ化ホウ素及びその錯体(以下、三フッ化ホウ素(錯体)と略記することがある)、無水ハロゲン化亜鉛、無水ハロゲン化アルミニウム、無水ハロゲン化鉄、ハロゲン化錫、イッテルビウムトリフラート等のトリフルオロメタンスルホン酸の金属塩、等の一般的に用いられるルイス酸類;チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の第4族金属無水ハロゲン化物又はアルコキシド等が挙げられ、この中、上記酸又はその水溶液のpKaが6以下のものが好ましい。これらの酸触媒は、単一で用いても、また、これらを組み合わせて用いてもよい。
この中、ルイス酸触媒を使用すると反応速度が飛躍的に向上するため好ましい。なお、ルイス酸の中では、三フッ化ホウ素が好ましい。また、これらの酸触媒の使用量については、触媒の種類により異なるが、一般的には原料のアルキリデン基を持つ有橋環式炭化水素に対して、0.01〜50モル%、好ましくは0.1〜20モル%である。
エステル化反応については、例えば反応器に原料のアルキリデン基を持つ有橋環式炭化水素、(メタ)アクリル酸、及び酸触媒、所望により溶媒を仕込み、好ましくは撹拌しながら、所定の温度、時間で行われる。本発明の方法においては、無溶媒でも、反応系において安定な溶媒を使用することもできる。ブレンステッド酸を触媒として使用する場合は、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン類;ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素類等の非プロトン性溶媒が使用できる。更にプロトン性溶媒としては、反応基質でもある(メタ)アクリル酸を溶媒として使用することも可能である。
ルイス酸を触媒として使用する際には上記ブレンステッド酸類を使用する際に用いることができる溶媒の中、エーテル類、ラクトン類等触媒に強い配位性を示す溶媒以外は、ブレンステッド酸使用の際と同様の溶媒を使用することが可能である。これら溶媒の使用量は一概に決められず任意であるが、一般には原料であるアルキリデン基を持つ有橋環式炭化水素化合物に対する重量倍で0.01〜1000倍、好ましくは0.1〜500倍の範囲である。本発明の付加反応は発熱反応であり、その平衡定数から明らかなように低温ほど生成物収率の向上に有利である。事実、ルイス酸触媒を使用すると、室温以下の反応温度にあっても目的反応は非常に円滑に進行するため、結果として短時間により収率良く目的物である(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステルが製造できる。
反応温度は−80〜200℃、好ましくは−50〜100℃の範囲である。反応時間は反応温度によって最適反応時間が変化するが、一般的には0.01〜50時間、好ましくは0.1から20時間の範囲である。また必要に応じてその他の添加剤、例えば(メタ)アクリル酸の重合を抑制するための添加剤等も共存させることもできる。本反応においては、例えば、ブレンステッド酸触媒によって2−アルキルアダマンタン−2−オールの脱水反応により2−アルキリデンアダマンタンを得た後、その反応液にそのまま所定量の(メタ)アクリル酸を加え、低温、例えば室温で放置することにより、2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートを製造することもできるし、又、上記2−アルキリデンアダマンタンが生成した反応液に所定量の(メタ)アクリル酸と三フッ化ホウ素等のルイス酸とを加え、放置又は撹拌すると更に高い効率で2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレートが製造できる。本反応は回分操作の下に行うこともできるが、適当な反応装置を使用すれば連続操作でも実施可能である。
本発明の製造方法は、その製造過程で、(メタ)アクリル酸クロリドや有機アミン類を使用する必要がないため、得られる(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステル中に含まれる塩素イオンや有機アミンの量を著しく低減させるか、あるいは、これらの不純物を全く含有しない(メタ)アクリル酸の三級アルキルエステルを製造することができる。具体的には、本発明によれば、塩素イオンが通常20ppm以下、好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下とすることが可能であり、また、有機アミンを通常N基準で20ppm以下、好ましくは10ppm以下、更に好ましくは5ppm以下とすることが可能である。塩素イオンと有機アミン(N基準)の両者を上述した範囲内に低減させることも可能である。ここで、不純物である有機アミンとしては、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン等が挙げられ、中でもトリアルキルアミン、特にトリエチルアミンの量を低減させるよう制御するのが好ましい。このように不純物量の著しく低減された(メタ)アクリレート類は、従来法では合成出来なかったものであり、電子材料や化学増幅型のレジスト材料として特に好適である。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)10mlナス型フラスコに、2−メチレンアダマンタン88.9mg(0.6mmol)、メタクリル酸533.7mg(6.2mmol)、クレゾールスルホン酸1.8mg(0.01mmol)を仕込み、系内ガスを窒素で置換した。内容物を撹拌しながら油浴上で120℃で1時間の反応を行った。フラスコ内容物の温度を室温とし、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加えた後、ジクロロメタン10mlで抽出の後、ガスクロマトグラフィーを用いて有機層中の生成物の定性及び定量分析を行った。その結果、28%の収率(原料2−メチレンアダマンタン基準)で2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリメートが生成していた。
(実施例2)実施例1において、反応温度を室温とし、反応時間を43時間とした以外は実施例1と同様の操作、分析を行った。その結果、73%の収率(原料2−メチレンアダマンタン基準)で2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートが生成していた。
(実施例3)実施例1において、2−メチレンアダマンタン148.5mg(1.00mmol)、メタクリル酸95.9mg(1.11mmol)とし、クレゾールスルホン酸に代えて三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体5.5mg(0.04mmol)を用い、更に溶媒としてジクロロメタン0.5mlを仕込んだ。反応温度を0℃とし、30分撹拌の後に実施例1と同様の反応停止操作及び分析を行った。その結果、原料2−メチレンアダマンタンの転化率は75%であり、71%の収率(原料2−メチレンアダマンタン基準)で2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートが生成していた(転化した2−メチレンアダマンタン基準での選択率は95%)。
(実施例4)実施例3において、2−メチレンアダマンタンを148.9mg(1.00mmol)、メタクリル酸を424.5mg(4.93mmol)とし、反応時間を2時間とした以外は実施例3と同様の操作及び分析を行った、その結果、原料2−メチレンアダマンタンの転化率は88%であり、86%の収率(原料2−メチレンアダマンタン基準)で2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートが生成していた(転化した2−メチレンアダマンタン基準での選択率は98%)。
(実施例5)実施例4において、2−メチレンアダマンタンを148.8mg(1.00mmol)、メタクリル酸を216.2mg(2.51mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を18.5mg(0.13mmol)とし、反応時間を−20℃とした以外は実施例4と同様の操作及び分析を行った。その結果、原料2−メチレンアダマンタンの転化率は91%であり、90%の収率(原料2−メチレンアダマンタン基準)で2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートが生成していた(転化した2−メチレンアダマンタン基準での選択率は99%)。
Figure 2008303218
(実施例6)2−メチルアダマンタン−2−オールからのワンポット製造
容量500mlの丸底フラスコに還流冷却器を付したディーンシュタルク水滴分離器を取り付け、ここに2−メチルアダマンタン−2−オールを30.003g(180.46mmol)、メタクリル酸を1.607g(18.67mmol)、クレゾールスルホン酸を0.172g(0.95mmol)、トルエンを300ml仕込み、系内ガスを窒素で置換した。油浴上でトルエン還流条件に加熱して2時間撹拌したところ、約2mlの生成水がディーンシュタルク水滴分離器内に分離された。その後水滴分離器を通じて合計270mlのトルエンを留去した後、反応器を室温に冷却した。ここで得られた反応生成液中には、2−メチレンアダマンタンが生成している。この反応生成液にメタクリル酸を37.35g(433.86mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体を2.718g(19.15mmol)加え、0℃で内容物を1時間撹拌した。水層がpH8となるまで飽和炭酸ナトリウム水溶液をゆっくりと加え、内容物を分液ロートに移し、水層と油層を分け、水層を50mlのトルエンで抽出し、これを上記の油層と合わせた。この油層を各50mlのイオン交換水で3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて30分撹拌することによって残留水分を除去した。得られた生成液について、実施例1と同様の分析を行った結果、原料2−メチルアダマンタン−2−オールの転化率は99%以上であり、85%の収率で2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートが、また12%の収率で2−メチレンアダマンタンが生成していた(原料2−メチルアダマンタン−2−オール基準)。
ここで得られた生成液を以下の方法によって処理し、目的とする2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートを単離した。
(1)生成液を1.6×10Paの減圧下、60℃で2時間処理し、溶媒であるトルエンを留去した。
(2)残留物にイオン交換水100mlを加え、132Paの減圧下、60℃で水の留出が完了するまで処理した(約2時間)。
(3)残留物を1.6×10Paの減圧下、60℃で薄膜蒸留処理し、蒸発留分として29.4gを得た。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、2−メチルアダマンタン−2−イルメタクリレートの純度は97.8%であった。
(4)この留分の一部を常法によって下記に示す分析方法により、全窒素分析(N基準)および塩素分析した結果、いずれの値も検出限界(1ppm)以下であった。
(塩素分析方法)試料0.2−0.5gを石英ボート上に秤取り、燃焼炉に挿入した。
燃焼:室温→900℃/20分かけて徐々に加温(Ar/O下)し、その後、900℃、O下で10分保持した。
吸収:炉出口に10ml水入りの吸収管を設置し、燃焼の30分間の出口ガスを通気し、Clを捕集した。
IC検出:イオンクロマトグラフィー、DIONEX社製DX−120型を使用した。
測定条件:使用カラム;AS−12A、溶離液;2.7mM−NaCO/0.3mM−NaHCO水溶液
標準液には、NaCl水溶液を使用。0、0.25、0.5、1ppmにて検量線を作成し、測定溶液が濃い場合には適宜希釈し測定した。
(全窒素分析方法)
使用装置:ダイヤインスツルメンツ製TN−10型
試料10−100mgを石英ボートに取り、燃焼後、発生したNOxをOと反応させ、化学発光検出により強度測定した。標準試料には、ピリジンをトルエンに溶解させた溶液を使用し、0、500、1000、1500ngNにて検量線を作成した。

Claims (10)

  1. 有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下である2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  2. 有機アミンの含有量がN基準で10ppm以下である請求項1に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  3. 有機アミンの含有量がN基準で5ppm以下である請求項2に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  4. 有機アミンの含有量がN基準で1ppm以下である請求項3に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  5. 有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が20ppm以下である2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  6. 有機アミンの含有量がN基準で10ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が10ppm以下である請求項5に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  7. 有機アミンの含有量がN基準で5ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が5ppm以下である請求項6に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  8. 有機アミンの含有量がN基準で1ppm以下であり、且つ、塩素イオンの含有量が1ppm以下である請求項7に記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  9. レジスト用材料である請求項1ないし8のいずれかに記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
  10. 反応生成液から単離した際の有機アミンの含有量がN基準で20ppm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の2−アルキルアダマンタン−2−イル(メタ)アクリレート。
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