JP2002102004A - 椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構造物 - Google Patents

椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構造物

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JP2002102004A
JP2002102004A JP2001238838A JP2001238838A JP2002102004A JP 2002102004 A JP2002102004 A JP 2002102004A JP 2001238838 A JP2001238838 A JP 2001238838A JP 2001238838 A JP2001238838 A JP 2001238838A JP 2002102004 A JP2002102004 A JP 2002102004A
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film
frame
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chair
shaped
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JP2001238838A
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English (en)
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Kazuyuki Horiuchi
和幸 堀内
Toshizo Murakami
利造 村上
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Takano Co Ltd
Original Assignee
Takano Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 膜状部材の枠状支持部材への固定力を強くす
る。 【解決手段】 メッシュあるいはフィルム若しくは布
地、不織布等の膜状部材2とその周縁を保持する枠状支
持部材3とから成り、椅子のフレームに組み付けられて
椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構造物1にお
いて、枠状支持部材3は長手方向に沿って半割された形
状の半割部材31,32を備えると共に半割部材31,
32の向き合った膜状部材2の挟み込み面には互いに嵌
合する凸部31aと凹部32aとが形成されて、尚かつ
膜状部材2の周縁部が凸部31aおよび凹部32aの間
に挟み込まれた状態で固定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の座あるいは
背凭れ等として機能する構造物に関する。更に詳述する
と、本発明はメッシュあるいはフィルム若しくは布地、
不織布等の膜状部材とその周縁を保持する枠状支持部材
とから成り、椅子のフレームに組み付けられて椅子の座
あるいは背凭れ等として機能する構造物に関する。
【0002】
【従来の技術】図11及び図12に示すように、脚部を
構成するパイプフレーム101に座103が直接取り付
けられる椅子102が知られている(実公平8−867
3号参照)。この椅子102の座103は、パイプフレ
ーム101に溶接された受け金具108の上にボルト1
09によりねじ止め固定された枠状支持部材104と、
該枠状支持部材104に一体化されたメッシュシートか
ら成る膜状部材105と、該膜状部材105に載置され
たクッション106と、クッション106及び枠状支持
部材104を覆って枠状支持部材104の外側から裏側
に回り込んで止着された上張地107とを備える。な
お、図12中、符号110はボルト109に螺合するナ
ット、符号111は枠状支持部材104のナット受け孔
を示す。
【0003】そして、膜状部材105を一体化した枠状
支持部材104、即ちいわゆるシェル状の構造物は、イ
ンサート成形により形成される。この形成は例えば特公
平7−37049号公報に開示されるように、図13に
示すような金型112の外部に金型112を挟むように
配置した一対のクランプ機構113を使用して、膜状部
材105を挟持して金型112の間に位置させる。この
とき、張力付与機構114によりクランプ機構113を
金型112から離す方向(図中矢印で示す)に引っ張る
ようにして、膜状部材105に対して座103として必
要な張力を与えておく。そして、各金型112を型締め
して射出成形を行うことにより、枠状支持部材104と
膜状部材105とを一体化する。さらに、枠状支持部材
104が硬化してから金型112より取り外して、枠状
支持部材104の周縁からはみ出した膜状部材105を
切り取る。これにより、構造物が完成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た構造物では、図12および図14に示すように膜状部
材105は枠状支持部材104の表面に一体化されて膜
状部材105の片面のみが固着されているので、膜状部
材105と枠状支持部材104との固着面積を余り広く
取ることができず固定力が不十分である虞がある。
【0005】そこで、本発明は、膜状部材の枠状支持部
材への固定力を強くできる椅子の座あるいは背凭れ等と
して機能する構造物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、メッシュあるいはフィルム
若しくは布地、不織布等の膜状部材とその周縁を保持す
る枠状支持部材とから成り、椅子のフレームに組み付け
られて椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構造物
において、枠状支持部材は長手方向に沿って半割された
形状の半割部材を備えると共に半割部材の向き合った膜
状部材の挟み込み面には互いに嵌合する凸部と凹部とが
形成されて、尚かつ膜状部材の周縁部が凸部および凹部
の間に挟み込まれた状態で固定されるようにしている。
【0007】したがって、膜状部材の表裏両面を枠状支
持部材に接触させて固着することができるので、片面の
みを接触させるよりも固着の面積を大きくして引っ張り
強度を強くすることができる。また、膜状部材が半割部
材の凸部および凹部の間に挟み込まれて固定されるの
で、膜状部材の固定力を更に強くすることができる。
【0008】さらに、請求項2記載の発明は、請求項1
記載の椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構造物
において、膜状部材は向き合った半割部材の一方のみに
接着されると共に向き合った半割部材同士はねじ止めに
より固定されるようにしている。したがって、半割部材
同士を組み付ける際に支持具の利用により膜状部材を保
持しておく必要が無いので、作業性を良くすることがで
きる。
【0009】そして、請求項3記載の発明は、請求項1
または2記載の椅子の座あるいは背凭れ等として機能す
る構造物において、膜状部材はメッシュシートであるよ
うにしている。例えば、ポリエステル糸とエラストマ性
ポリエステル糸との織物によってメッシュシートは構成
される。このポリエステル製メッシュシートは、へたり
が少ない。そして、メッシュシートであることにより、
弾力性や通気性が良好であるので、座り心地の良い構造
物を得ることができる。しかも、膜状部材を枠状支持部
材に接着や溶着により一体化する際には、膜状部材の織
地の糸と糸の隙間を接着剤や溶けた樹脂が通過して膜状
部材を覆うように回り込むようになる。これによって、
膜状部材が枠状支持部材に強固に一体化される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態
では、本発明の構造物を椅子の座に適用した場合につい
て説明している。
【0011】この構造物1は、図1に示すように、メッ
シュあるいはフィルム若しくは布地、不織布等の膜状部
材2とその周縁を挟みつけて保持する枠状支持部材3と
から成り、椅子のフレームに組み付けられるものであ
る。枠状支持部材3は長手方向に沿って半割された一対
の半割部材31,32から成り、半割部材31,32の
向き合った膜状部材2の挟み込み面には互いに嵌合する
凸部31aと凹部32aとが形成されている。そして、
膜状部材2の周縁部が半割部材31,32の凸部31a
および凹部32aの間に挟み込まれて固定されるように
している。このため、膜状部材2の表裏両面を枠状支持
部材3に接触させて固着することができるので、片面の
みを接触させるよりも固着の面積を大きくして引っ張り
強度を強くすることができる。また、膜状部材2が凸部
31aおよび凹部32aの間に挟み込まれて固定される
ので、膜状部材2の固定力を更に強くすることができ
る。
【0012】また、本実施形態では、枠状支持部材3は
単体でも膜状部材2の張力を支持できる剛性を有してい
るものとしている。すなわち、この枠状支持部材3は椅
子のフレームに取り付けなくても、膜状部材2が構造物
1として必要な張力を得られるように支持している。こ
のため、構造物1をフレームに取り付けるときに膜状部
材2に必要な張力を与えることがないので、取付作業を
容易にすることができる。
【0013】枠状支持部材3は例えば熱可塑性樹脂製の
成形品から成る。この熱可塑性樹脂としては、PET
(ポリエチレンテレフタレート)やPP(ポリプロピレ
ン)等のオレフィン系樹脂を採用している。但し、熱可
塑性合成樹脂としてはこれに限られず、例えばポリエス
テルのように枠状支持部材として一般に使用される既知
若しくは新規の材質を利用することができる。なお、本
実施形態では枠状支持部材3を熱可塑性合成樹脂により
形成しているが、これには限られず熱硬化性樹脂等の他
の樹脂を使用しても良い。
【0014】また、各半割部材31,32の断面形状は
平坦な矩形にしている。さらに、各半割部材31,32
の表面は平坦面に形成されている。そして、半割部材3
1,32は上下方向から一体化するものとしている。
【0015】凸部31aの先端には突起31bが形成さ
れることが好ましい。このため、突起31bの部分を溶
かすことにより、凹部32aとの溶着を強固に行うこと
ができる。あるいは、突起31bが膜状部材2に突き刺
さるようにしても良く、この場合も抜け止めを図ること
ができる。
【0016】さらに、膜状部材2はオレフィン系樹脂製
あるいはポリエステル製としている。構造物1の全体が
オレフィン系樹脂製である場合には、分別廃棄すること
なくそのままリサイクルすることができる。本実施形態
では、膜状部材2はポリエステル製のメッシュシート
(例えば、デュポン社製 商品名ダイメトロール)にし
ている。すなわち、メッシュシートは、ポリエステル糸
とエラストマ性ポリエステル糸との織物によって構成さ
れている。しかも、本実施形態では、枠状支持部材3を
オレフィン系樹脂で構成すると共に膜状部材2をポリエ
ステルで構成しているので、構造物1から金属等を分離
することなくそのままリサイクルすることができる。あ
るいは、枠状支持部材3と膜状部材2とのいずれもポリ
エステルで構成していも良い。この場合も構造物1から
金属等を分離することなくそのままリサイクルすること
ができる。また、膜状部材2がメッシュであるので、高
い通気性を得て座り心地の良い快適な構造物1を得るこ
とができる。
【0017】膜状部材2は、向き合った半割部材31,
32の一方のみに接着されるようにしている。本実施形
態では、凹部32aを有する半割部材32に接着してい
る。そして、半割部材31,32同士はねじ止めにより
固定されるようにしている。このため、半割部材31,
32同士を組み付ける際に支持具の利用により膜状部材
2を保持しておく必要が無いので、作業性を良くするこ
とができる。本実施形態では膜状部材2を凹部32aを
有する半割部材32に接着しているが、これには限られ
ず凸部31aを有する半割部材31に接着するようにし
ても良い。
【0018】膜状部材2と半割部材32とを接着する接
着剤としては、オレフィン系樹脂製あるいはポリエステ
ル製のものを使用している。これによれば、構造物1が
全てオレフィン系樹脂製あるいはポリエステル製になる
ので、そのままリサイクルすることができるようにな
る。
【0019】上述した構造物1を製造する際は、膜状部
材2を引っ張った状態で挟み込み面に接着剤を塗布した
半割部材31と半割部材32との間で膜状部材2を挟み
付けるようにして凸部31aと凹部32aを嵌合させる
と同時に、これら半割部材31,32の間、並びに凸部
31aおよび凹部32aの間で接着する。そして、膜状
部材2の外縁を例えば熱カッタによりトリミングする。
さらに、膜状部材2が接着された半割部材32に凸部3
1aを有する半割部材31を重ねてねじ止めする。
【0020】この構造物1は椅子のフレームにねじ止め
により固定される。さらに、この構造物1を椅子に取り
付けるときは、構造物1の枠状支持部材3を覆い隠すカ
バー部材を設けることが好ましい。このカバー部材は予
め射出成形等により作製したものであり、枠状支持部材
3の上面および外周面とそれに沿ったフレームの全体を
覆い隠すものとする。この場合、カバー部材により半割
部材31,32の隙間や止めねじを覆い隠すことができ
るので、見栄えを良くすることができる。
【0021】また、カバー部材には係止爪を形成してお
く。そして、この係止爪を枠状支持部材3またはフレー
ム若しくは受け金具側の受け部、例えば孔や凹部にワン
タッチで係止して取り付けるようにする。これにより、
椅子の組立性を阻害すること無くカバー部材を取り付け
られるようになる。
【0022】ところで、この構造物1は、そのままで椅
子の座や背凭れ等として使用することができるが、場合
によっては膜状部材2と枠状支持部材3の上面及び外側
面との全体を覆うように表皮部材を取り付けても良い。
この場合、枠状支持部材3の周縁からはみ出した膜状部
材2を隠すことができ、外観を任意の色や模様にするこ
とができる。
【0023】また、互いに嵌合する凸部31aおよび凹
部32aを有する半割部材31,32に膜状部材2を挟
み込んで固定する他の例としては、例えば図2に示すよ
うに枠状支持部材3に止め孔を形成してボルト15の利
用によりフレーム4にねじ止めするものもある。このと
きは、膜状部材2に作用する荷重を固着部29だけでな
くフレーム4との一体化部分によっても受けることがで
きるので、固着部29の強度は小さくても良い。この場
合、枠状支持部材3と膜状部材2との一体化を射出成形
よりも安価に行うことができる。
【0024】さらに他の例として、図3及び図4に示す
ように枠状支持部材3を長手方向に沿って半割りした半
割部材31,32に形成しておき、その間に膜状部材2
の周縁を挟み込んで接着やねじ止めや嵌合あるいは縫製
により一体化するようにしても良い。ここでの半割部材
31,32は成形品や押し出し材を使用することができ
る。この場合、図3に示すように2枚の平坦形状の半割
部材31,32を合わせるようにしたり、あるいは図4
に示すように一方が断面L字形状の半割部材31で、他
方がその内側に取り付けられる平坦形状の半割部材32
であるようにしても良い。また、各半割部材31,32
同士の接触面は平坦面に限られず細かい凹凸を有する面
にしても良い。この場合、接着や溶着あるいは縫製の力
を強くすることができる。さらに、半割部材31,32
は図3や図4に示すように上下方向から一体化するもの
としても良く、あるいは左右方向から一体化するように
しても良い。
【0025】また、枠状支持部材3を半割部材31,3
2に形成する場合は、図1に示すように枠状支持部材3
の半割部材31,32の向き合った各挟み込み面に互い
に嵌合する凸部31aと凹部32aとを形成しておい
て、これら凸部31aと凹部32aとの間に膜状部材2
を挟み込むようにしても良い。これによれば、膜状部材
2の保持力・固定力を更に強くすることができる。ここ
で、例えば凸部31aの先端に突起31bを形成するこ
とが好ましい。これによれば、突起31bの部分を溶か
すことにより、凹部32aとの溶着を強固に行うことが
できる。あるいは、突起31bが膜状部材2に突き刺さ
るようにしても良く、この場合も抜け止めを図ることが
できる。
【0026】さらに、図5及び図6に示すように、枠状
支持部材3は長手方向に沿って半割された形状であると
共に、膜状部材2の周縁には係止部材33が取り付けら
れるようにしても良い。この場合、膜状部材2を枠状支
持部材3に固定するときは、半割部材31,32の間に
膜状部材2の周縁部を挟み込むと共に係止部材33が枠
状支持部材3の外側面に当接するようにして溶着または
接着あるいは縫製するようにしても良い。これによれ
ば、膜状部材2の表裏両面を枠状支持部材3に溶着また
は接着あるいは縫製することができると共に係止部材3
3が抜け止めに成るので、片面のみを溶着または接着あ
るいは縫製するよりも溶着または接着あるいは縫製の面
積を大きくして膜状部材2の固着強度を強くすることが
できる。また、各半割部材31,32の形状としては、
図5に示すようにそれぞれが断面L字形状で合わせると
断面コ字形状に成るものとして膜状部材2が枠状支持部
材3の側面中央部から飛び出すようにしたり、あるいは
図6に示すように一方の半割部材32に突出部34を形
成して膜状部材2が枠状支持部材3の上部から飛び出す
ようにしても良い。
【0027】また、図7に示すように、枠状支持部材3
は長手方向に沿った凹溝35を有する凹部材36と、凹
溝35に圧入して固定される凸部材37とを備えるもの
としても良い。この場合、膜状部材2を枠状支持部材3
に固定するときは、凹溝35に膜状部材2を入れたまま
凸部材37を圧入することにより、凹部材36および凸
部材37で膜状部材2を挟持するようにしている。よっ
て、凸部材37を凹部材36に圧入して膜状部材2を挟
むという簡単な動作で固着できるので、作業性を良好に
することができる。
【0028】ここで、図8に示すように凸部材37の先
端にオーバーハング部37aを形成すると共に、凹溝3
5にオーバーハング部37aが引っ掛かる係止部35a
を形成するようにしても良い。この場合、凸部材37の
先端に膜状部材2を引っ掛けて凹溝35に押し込むこと
により、凸部材37が凹溝35から抜け難くなると共
に、凸部材37および凹部材36による膜状部材2の挟
持力を強くすることができる。
【0029】図7に示す実施形態では膜状部材2は凹部
材36および凸部材37に挟持されているが、これには
限られず膜状部材2を図9に示すように凸部材37に予
め固着しておいたり、あるいは図10に示すように凹部
材36に予め固着しておき、凸部材37を凹溝35に圧
入すると同時に凸部材37および凹部材36に膜状部材
2を挟持して枠状支持部材3に固定するようにしても良
い。これによれば、膜状部材2をより容易に凸部材37
を凹部材36に挟持することができるようになる。
【0030】さらに、枠状支持部材3にフレーム4への
組付用の溝あるいは爪を形成しておき、この溝あるいは
爪に膜状部材2を挟み込んだ状態で枠状支持部材3をフ
レーム4に組み付けるようにしても良い。このときは、
例えば膜状部材2の周縁を予めフレーム4に巻き付けて
おき、その上から枠状支持部材3を填め付けるようにし
たり、または膜状部材2の周縁を予め枠状支持部材3の
溝に入れておいた状態で枠状支持部材3をフレーム4に
填め付けるようにしても良い。また、枠状支持部材3と
フレーム4とは嵌合の締付力で固定されるようにした
り、枠状支持部材3とフレーム4とをねじ止め等によっ
て固定するようにしても良い。枠状支持部材3とフレー
ム4とをねじ止め等によって固定するときは、ねじ止め
用のボルトを膜状部材2に貫通させることにより膜状部
材2の保持力を更に強くすることができる。枠状支持部
材3の溝とフレーム4との間に互いに嵌合する凸部と凹
部とを形成することにより、これら凸部と凹部との間に
膜状部材2を挟むようにできるので、膜状部材2の保持
力を更に強くすることができる。
【0031】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では、膜状部材2としてポリ
エステル製のメッシュシートを使用しているが、これに
は限られず例えばナイロン製のメッシュシートにするこ
とができる。また、メッシュシートには限られず、構造
物1として必要な弾力性及び強度を備えるフィルムやビ
ニルや布地、不織布等の他の材質のものでも良い。フィ
ルムとしては、例えばポリ塩化ビニリデン製のフィルム
(商品名:サランラップ)を使用することができる。
【0032】また、本実施形態ではカバー部材が枠状支
持部材3の上面および外側面とフレームとを覆い隠すよ
うに設けられているが、これには限られず枠状支持部材
3と膜状部材2との固着部分、即ち半割部材31,32
の隙間部分を覆っていれば構造物1の見栄えを良くする
ことができる。
【0033】そして、本実施形態では、カバー部材をワ
ンタッチで枠状支持部材3に取り付けているが、これに
は限られず溶着あるいは接着により取り付けるようにし
ても良い。また、本実施形態では、カバー部材は枠状支
持部材3と別個に形成したものとしているが、これには
限られずカバー部材を射出成形により枠状支持部材3お
よび膜状部材2に一体形成するようにしても良い。
【0034】ここで、本実施形態では各半割部材31,
32の断面形状は矩形としているが、これには限られず
例えば断面円形状にしたり、あるいは断面ほぼコ字形状
にしても良い。さらには一方が断面L字形状の半割部材
で、他方がその内側に取り付けられる平坦形状の半割部
材であるようにしても良い。また、各半割部材31,3
2同士の接触面は平坦面に限られず細かい凹凸を有する
面にしても良い。この場合、接着や溶着あるいは縫製の
力を更に強くすることができる。これらの形状は、椅子
のフレームへの取付やデザインなどに応じて設定するこ
とができる。
【0035】さらに、上述した実施形態では、半割部材
31,32を熱可塑性樹脂から成る成形品としている
が、これには限られず押し出し材やプレス材を使用する
ことができる。また、上述した実施形態では凸部31a
の先端に突起31bが形成されているが、これには限ら
れずこの突起31bは無くても良い。この場合も膜状部
材2は凸部31aと凹部32aとに挟まれて抜け難さを
維持することができる。そして、上述した実施形態では
半割部材31,32は上下方向から一体化するものとし
ているが、これには限られず左右方向から一体化するも
のにしても良い。
【0036】また、本実施形態では膜状部材2に必要な
張力を与えた状態で枠状支持部材3に固定しているが、
これには限られず枠状支持部材3に膜状部材2を必要な
張力より弱い張力で固定してから、膜状部材2を加熱し
て必要な張力を与えるようにしても良い。この場合、膜
状部材2を型に取り付けるときに膜状部材2に予張力を
与える必要がないので、張力付与装置を設ける必要が無
く製造装置を簡素化することができる。
【0037】また、枠状支持部材3を覆うカバー部材は
必ずしも無くても良い。さらに、本実施形態ではフレー
ムと構造物1とをねじ止めしているが、これには限られ
ず例えば枠状支持部材3に係止爪を一体形成して、これ
をフレーム若しくは受け金具側の受け部、例えば孔や凹
部にワンタッチで係止するようにしても良い。
【0038】さらに、上述した実施形態では、膜状部材
2を接着により枠状支持部材3に固定しているが、これ
には限られずねじ止め、ホチキス止め、縫製、溶着、嵌
合による挟持等によって固定するようにしても良い。あ
るいは半割部材32の固着面に突起を形成して、この突
起に膜状部材2の周縁を引っ掛けるようにしても良い。
いずれの場合も膜状部材2の表裏両面を枠状支持部材3
に接触させて固着することができるので、引っ張り強度
を強くすることができる。
【0039】また、上述した実施形態では予め形成した
半割部材32に膜状部材2を接着により固定している
が、これには限られず半割部材32を射出成形によって
形成する際に予め形成されている膜状部材2を一体化す
るようにしても良い。この場合は半割部材32を形成す
ると同時に膜状部材2を固定できるので、半割部材32
の形成と膜状部材2の固定とを別個に行う場合に比べ
て、半割部材32および膜状部材2の一体化物を容易に
形成できるようになる。
【0040】予め別々に形成された膜状部材2と枠状支
持部材3とを一体化する手法としては、様々な手法を適
用することができる。例えば、表面に突起を有する枠状
支持部材3を形成して、この突起に膜状部材2の周縁を
引っ掛けて一体化するようにしても良い。または、枠状
支持部材3の表面に膜状部材2の周縁を接着したり、あ
るいはボルト等によるねじ止めやホチキス止めで一体化
するようにしても良い。
【0041】なお、上述した全ての枠状支持部材3およ
び膜状部材2にカバー部材を取り付けて構造物1として
利用できると共に、カバー部材を取り付けずに構造物1
として利用できるのは勿論である。いずれの場合も、構
造物1は単体で膜状部材2の張力を支持できる剛性を有
するようにすれば、構造物1をフレームに取り付けると
きに膜状部材2に必要な張力を与えることがないので取
付作業を容易にすることができる。
【0042】そして、上述した各実施形態では構造物1
を椅子の座に適用しているが、これには限られず例えば
背凭れや肘パネルに適用しても良い。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1記載の椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構造
物によれば、膜状部材の枠状支持部材への固定力を強く
することができる。
【0044】また、請求項2記載の椅子の座あるいは背
凭れ等として機能する構造物によれば、半割部材同士を
組み付ける際に支持具の利用により膜状部材を保持して
おく必要が無いので、作業性を良くすることができる。
【0045】さらに、請求項3記載の椅子の座あるいは
背凭れ等として機能する構造物によれば、弾力性や通気
性が良好であるので、座り心地の良い構造物を得ること
ができる。しかも、膜状部材を枠状支持部材に接着する
際には強固に一体化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構造物を示す縦断面側面図であり、
(A)は組み合わせ前、(B)は組み合わせ後を示す。
【図2】他の形状の構造物をフレームに取り付けた状態
を示す縦断面側面図である。
【図3】別の形状の構造物を示す縦断面側面図である。
【図4】更に他の形状の構造物を示す縦断面側面図であ
る。
【図5】また他の形状の構造物を示す縦断面側面図であ
り、(A)は組み合わせ前、(B)は組み合わせ後を示
す。
【図6】また別の形状の構造物を示す縦断面側面図であ
り、(A)は組み合わせ前、(B)は組み合わせ後を示
す。
【図7】更にまた他の形状の構造物を示す縦断面側面図
であり、(A)は組み合わせ前、(B)は組み合わせ後
を示す。
【図8】更にまた別の形状の構造物を示す縦断面側面図
である。
【図9】更にまた他の形状の構造物を示す縦断面側面図
であり、(A)は組み合わせ前、(B)は組み合わせ後
を示す。
【図10】その他の形状の構造物を示す縦断面側面図で
あり、(A)は組み合わせ前、(B)は組み合わせ後を
示す。
【図11】従来のパイプフレーム椅子を示す斜視図であ
る。
【図12】図11のV−V線で切断した状態を示す縦断
面図である。
【図13】従来の構造物の製造装置を示す縦断面正面図
である。
【図14】従来の構造物の一部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 構造物 2 膜状部材 3 枠状支持部材 31 半割部材 31a 凸部 32 半割部材 32a 凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッシュあるいはフィルム若しくは布
    地、不織布等の膜状部材とその周縁を保持する枠状支持
    部材とから成り、椅子のフレームに組み付けられて椅子
    の座あるいは背凭れ等として機能する構造物において、
    前記枠状支持部材は長手方向に沿って半割された形状の
    半割部材を備えると共に前記半割部材の向き合った前記
    膜状部材の挟み込み面には互いに嵌合する凸部と凹部と
    が形成されて、尚かつ前記膜状部材の周縁部が前記凸部
    および前記凹部の間に挟み込まれた状態で固定されるこ
    とを特徴とする椅子の座あるいは背凭れ等として機能す
    る構造物。
  2. 【請求項2】 前記膜状部材は向き合った前記半割部材
    の一方のみに接着されると共に向き合った前記半割部材
    同士はねじ止めにより固定されることを特徴とする請求
    項1記載の椅子の座あるいは背凭れ等として機能する構
    造物。
  3. 【請求項3】 前記膜状部材はメッシュシートであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の椅子の座あるい
    は背凭れ等として機能する構造物。
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