JP2002098676A - 分離材及び分離・回収方法 - Google Patents

分離材及び分離・回収方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】広範囲に及ぶ特定成分、特に、生体に由来する
細胞、蛋白質又は情報伝達物質等を選択的に分離し、さ
らにその成分を回収することが可能な分離材及び該分離
剤を用いた分離・回収方法を提供すること。 【解決手段】式(1)の基を有する分離材であって、その
表面をX線光電子分光分析によって測定したスペクトル
における、式(1)の基に由来するリン元素の量Pと、炭
素元素の量Cとの比(P/C)が0.002〜0.3であ
る分離材、並びに該分離材を、特定成分を含む溶液に接
触させ、特定成分を選択的に分離・回収する分離・回収
方法。 【化1】 (R1、R2、R3:C1〜6のアルキル基等。n=1〜4
の整数。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体に由来する細
胞、蛋白質又は情報伝達物質等の特定成分を、選択性良
く分離することができる分離材、並びに体液等の溶液中
から、特定成分を効率良く選択的に分離し、回収するこ
とができる分離・回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療用材料の研究において、ホス
ホリルコリン基含有重合体は、生体膜に由来するリン脂
質類似構造に起因して、血液適合性、補体活性、生体物
質非吸着性等の特性を有していることが明らかにされ、
こうした機能を利用した生体関連材料の開発が盛んに行
われている。例えば、特開昭54−36025号公報に
は、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
(以下、MPCと略す)の製造方法と、得られる重合体が
優れた生体適合性を有することが、特開平3−3930
9号公報には、MPCとメタクリル酸エステルとの共重
合体が血小板の粘着・凝集や血漿蛋白質の付着が起こり
にくく、医療用材料として有用であることが、特開平9
−183819号公報には、ホスホリルコリン類似基を
側鎖に有する共重合体を用いた医療用材料が、特表平6
−502200号公報(WO92/07885)及び特表
平7−502053号公報(WO93/01221)に
は、ホスホリルコリン類似基を有する重合体を樹脂表面
にコーティングして、優れた生体適合性が得られること
が、それぞれ開示されている。これらホスホリルコリン
類似基を含む共重合体を利用した従来の材料は、いずれ
も血球細胞や血漿蛋白質等が材料表面に非特異的に吸着
することを防止又は抑制するというホスホリルコリン類
似基を含む共重合体の作用に基づくものであり、生体に
由来する成分と材料表面との相互作用を極力抑える方向
で研究が進められている。ところで、ホスホリルコリン
類似基を含む重合体を、生体由来等の特定成分を分離す
る材料に応用する研究についてはこれまで報告されてい
ない。加えて、ホスホリルコリン類似基を含む重合体を
応用することにより、生体由来等の特定成分を選択的に
分離しうる作用が得られることも知られていない。生体
由来の成分は、用途によっては生理的な活性を保持した
まま高純度で得ることが必要であり、そのような目的を
達成しうる簡便な分離方法の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、広範
囲に及ぶ特定成分、特に、生体に由来する細胞、蛋白質
又は情報伝達物質等を選択的に分離し、さらにその成分
を回収することが可能な分離材を提供することにある。
本発明の他の目的は、特定成分を選択的に分離し、さら
にその成分を回収することができる分離・回収方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、特定のホスホリル
コリン類似基を少なくとも表面に、特定範囲で有する材
料において、該特定のホスホリルコリン類似基の割合等
を制御することによって、生体に由来する細胞、蛋白質
又は情報伝達物質等の広範囲に及ぶ特定成分を選択的に
分離する作用を示すことを見出し、更には分離した特定
成分を容易に回収しうることを見出し、本発明を完成し
た。
【0005】すなわち本発明によれば、式(1)で表され
る基を少なくとも表面に有する分離材であって、該分離
材が、その表面をX線光電子分光分析によって測定した
スペクトルにおける、式(1)で表される基に由来するリ
ン元素の量Pと、炭素元素の量Cとの比(P/C)が0.
002〜0.3となる量の式(1)で表される基を有する
ことを特徴とする、例えば、生体に由来する細胞、蛋白
質及び情報伝達物質からなる群より選択される1種又は
2種以上等を分離するための分離材が提供される。
【化3】 (式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であっ
て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキ
シアルキル基を示す。nは1〜4の整数である。)また
本発明によれば、上記分離材を、生体に由来する細胞、
蛋白質及び情報伝達物質からなる群より選択される1種
又は2種以上等の特定成分を含む溶液に接触させ、溶液
中に含まれる1種類又は複数の特定成分を選択的に分離
・回収することを特徴とする分離・回収方法が提供され
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の分離材は、上記式(1)で
表される基を少なくとも表面に有する分離材であって、
その表面をX線光電子分光分析によって測定したスペク
トルにおける、式(1)で表される基に由来するリン元素
の量Pと、表面全体における炭素元素の量Cとの比(P
/C)が0.002〜0.3となる量の式(1)で表され
る基を有する分離材である。分離材の選択的分離能を向
上させるために、上記P/Cの範囲は0.01〜0.2
が好ましい。ここで、分離材の表面をX線光電子分光分
析によって測定する方法としては、後述する実施例に基
づいて測定することができる。
【0007】式(1)中のR1、R2及びR3は、同一もし
くは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアル
キル基又はヒドロキシアルキル基を示す。炭素数1〜6
のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、フェニル基等が挙げられる。炭素数1〜
6のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキ
シメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシ
プロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシ
ペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基等が挙げられ
る。
【0008】式(1)で表される基としては、例えば、式
(2)で表されるホスホリルコリン類似基含有単量体に由
来する基、式(2)で表されるホスホリルコリン類似基含
有単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体に由
来する基等が挙げられる。
【化4】 式(2)中、R1、R2及びR3は、式(1)と同じであり、
4は炭素数1〜6のアルキル基を示し、R5は水素原子
又はメチル基を示す。nは1〜4の整数である。
【0009】式(2)で表されるホスホリルコリン類似基
含有単量体としては、例えば、2−((メタ)アクリロイ
ルオキシ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、3−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピ
ル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、4−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2'−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−((メタ)
アクリロイルオキシ)ペンチル−2'−(トリメチルアン
モニオ)エチルホスフェート、6−((メタ)アクリロイル
オキシ)ヘキシル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル
−2'−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリプ
ロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)ア
クリロイルオキシ)エチル−2'−(トリブチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキ
シ)エチル−2'−(トリシクロヘキシルアンモニオ)エチ
ルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチ
ル−2'−(トリフェニルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2'−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メ
タ)アクリロイルオキシ)ブチル−2'−(トリメチルアン
モニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイル
オキシ)ペンチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシ
ル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート
等が挙げられる。中でも2−((メタ)アクリロイルオキ
シ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェートが好ましく、さらにMPCが入手性等の点でより
好ましい。
【0010】式(2)で表されるホスホリルコリン類似基
含有単量体は、公知の方法で製造できる。例えば、特開
昭54−63025号公報、特開昭58−154591
号公報等に示される公知の方法に準じて製造できる。具
体的には、環状リン化合物と2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレートとを、脱ハロゲン化水素剤のもとで反
応させ、次いで、トリメチルアミンを反応させることに
より、開環させて目的物を得る方法等が挙げられる。
【0011】式(2)で表されるホスホリルコリン類似基
含有単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体と
しては、(A)式(2)で表されるホスホリルコリン類似基
含有単量体10〜100mol%、(B)疎水性単量体0
〜90mol%及び(C)親水性単量体0〜70mol%
からなる単量体組成物を重合してなる重合体が好まし
く、特に、(A)成分20〜80mol%、(B)成分20
〜60mol%及び(C)成分0〜20mol%からなる
単量体組成物を重合してなる重合体が望ましい。(A)成
分が10mol%未満の場合は、分離材としての性能を
発現させることが困難であるので好ましくない。(B)成
分を20〜60mol%の範囲で適宜配合することによ
り、分離材としての性能を安定して発現させることが容
易となる。また、(C)成分を20mol%以下配合する
ことにより、得られる重合体の水溶液等に対する親和性
を向上させることができる。
【0012】(B)成分としては、例えば、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)
アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレ
ート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アル
キル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレー
ト、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族
(メタ)アクリレート;ポリプロピレングリコール(メタ)
アクリレート等の疎水性ポリアルキレングリコール(メ
タ)アクリレート;スチレン、メチルスチレン、クロロ
メチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエ
ーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単
量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル系単量体等が挙げられる。これらは単独若しくは混
合物として使用できる。
【0013】(C)成分としては、例えば、ヒドロキシル
基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミド基、アミノ
基、ジアルキルアミノ基、トリアルキルアミノ塩基、ト
リアルキルホスホニウム塩基及びポリオキシエチレン基
からなる群より選ばれる親水性基を有する単量体等が挙
げられる。具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸
基含有(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸
等のカルボン酸;スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロ
イルオキシホスホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)ア
クリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライ
ド等のイオン性基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、
アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等の含窒素単量体;ポリエチレング
リコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは
単独若しくは混合物として使用できる。
【0014】前記ホスホリルコリン類似基含有単量体を
含む単量体組成物を重合してなる重合体は、前記(A)成
分だけからなる単量体組成物、前記(A)成分及び(B)成
分からなる単量体組成物、前記(A)成分及び(C)成分か
らなる単量体組成物、あるいは前記(A)成分、(B)成分
及び(C)成分からなる単量体組成物を重合したものであ
ればよく、通常のラジカル(共)重合により製造すること
ができる。この重合体の分子量は、重量平均分子量で、
5000〜5000000の範囲が好ましく、選択的分
離性能を向上させる上で、また各種溶媒に対する重合体
の耐溶出性を向上させる上で、100000〜2000
000の範囲が特に好ましい。
【0015】本発明の分離材の調製は、上記(P/C)比
が特定範囲となるような方法であれば特に限定されな
い。例えば、上記式(2)で表されるホスホリルコリン類
似基含有単量体等の式(1)で表される基を有する単量
体、若しくは上記式(2)で表されるホスホリルコリン類
似基含有単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合
体を用いて、基材の少なくとも表面に化学的に修飾させ
るか、若しくは基材の表面にコートして乾燥固定させる
方法等により得ることができる。
【0016】前記基材の材料としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート等の合成樹脂;磁性粉、シリカ、アルミナ、
ガラス等の無機物が挙げられる。基材の形態は、特に限
定されず、例えば、粉体、粒子、ビーズ、フレーク形状
物、シート、フィルム、プレート、ゲル、繊維状物、織
布、布織布等が挙げられる。
【0017】本発明の分離材を調製するにあたり、前記
(P/C)の制御は、後述する分離対象物質である特定成
分によって、使用するホスホリルコリン類似基含有単量
体、該単量体を含む単量体組成物を重合してなる重合体
の種類や、基材の種類及び形状等を適宜選択して行うこ
とができる。分離対象物質が、赤血球、白血球、血小板
の血球細胞の場合は、例えば、前記ホスホリルコリン類
似基含有単量体を含む単量体組成物として、MPCと、
ブチルメタクリレート(BMA)、ステアリルメタクリレ
ート(SMA)等の炭素数4〜18のアルキル(メタ)アク
リレート、カチオン性基含有単量体とを用い、MPC/
(疎水性基含有単量体+カチオン性基含有単量体)のモル
比が10/90〜100/0、特に20/80〜90/
10となる単量体組成物を用いて重合体を調製し、該重
合体を所定の(P/C)比となるように基材に固定するこ
とが好ましい。
【0018】分離対象物質が、リンパ球の分離の場合
は、例えば、前記ホスホリルコリン類似基含有単量体を
含む単量体組成物として、MPCと、BMA等のアルキ
ル(メタ)アクリレートとを用い、MPC/疎水性基含有
単量体のモル比が10/90〜100/0、特に50/
50〜90/10となる単量体組成物を用いて重合体を
調製し、該重合体を所定の(P/C)比となるように基材
に固定することが好ましい。
【0019】分離対象物質が、IgG等の蛋白質の場合
は、例えば、前記ホスホリルコリン類似基含有単量体を
含む単量体組成物として、MPCと、BMA等のアルキ
ル(メタ)アクリレートとを用い、MPC/疎水性基含有
単量体のモル比が10/90〜100/0、特に30/
70〜90/10となる単量体組成物を用いて重合体を
調製し、該重合体を所定の(P/C)比となるように基材
に固定することが好ましい。
【0020】分離対象物質が、株細胞及び初代培養細胞
の場合は、例えば、前記ホスホリルコリン類似基含有単
量体を含む単量体組成物として、MPCと、BMA等の
アルキル(メタ)アクリレートとを用い、MPC/疎水性
基含有単量体のモル比が10/90〜100/0、特に
40/60〜85/15となる単量体組成物を用いて重
合体を調製し、該重合体を所定の(P/C)比となるよう
に基材に固定することが好ましい。
【0021】分離対象物質が、ダイオキシン、その誘導
体であるジベンゾフランの場合は、例えば、前記ホスホ
リルコリン類似基含有単量体を含む単量体組成物とし
て、MPCと、BMA等のアルキル(メタ)アクリレート
とを用い、MPC/疎水性基含有単量体のモル比が10
/90〜100/0、特に15/85〜90/10とな
る単量体組成物を用いて重合体を調製し、該重合体を所
定の(P/C)比となるように基材に固定することが好ま
しい。
【0022】本発明の分離・回収方法は、上記本発明の
分離材を、特定成分を含む溶液に接触させ、溶液中に含
まれる1種類又は複数の特定成分を選択的に分離・回収
する。特定成分を含む溶液と接触させる条件は、分離材
表面に選択的に特定成分を付着させることができる条件
を、分離対象物質である特定成分の種類等に応じて適宜
選択することができる。更に特定成分を付着させた分離
材は、洗浄又は溶剤で処理する方法等により、付着して
いる特定成分を分離材表面から剥がして回収することが
できる。
【0023】特定成分を含む溶液としては、体液等が挙
げられる。ここで、体液とは、動物体内の脈管又は組織
・細胞の間を満たす全ての液体、及び体内から体外へ放
出又は分泌される液体のことを指し、例えば、血液、血
漿、血清、リンパ液、涙液、尿、脊髄液等が挙げられ
る。体液以外の溶液としては、例えば、水溶液、有機溶
媒を1種類あるいは複数種類含んだ溶液、水溶液と1種
類あるいは複数種類の有機溶媒を混合した混合溶液等が
挙げられる。具体的には、水、生理的食塩水、リン酸緩
衝溶液、生理的リン酸緩衝溶液、培地、アルコール、ア
セトン、クロロホルム、エーテル、トルエン、アセトニ
トリル又はこれらの2種以上の混合溶液等が挙げられ
る。なお、前記溶液には、体液を希釈したものも含まれ
る。
【0024】本発明において、分離対象とする特定成分
としては、生体に由来する成分又は生体に影響を与える
成分であり、例えば、生体に由来する細胞、蛋白質及び
情報伝達物質等からなる群より選択される1種又は2種
以上が挙げられる。生体に由来する成分とは、動物体内
に存在する成分及びこれらと同じ構造を有する合成物を
意味する。生体に影響を与える成分とは、動物体内にあ
る臓器、器官、組織、細胞等の生命活動を阻害又は促進
する働きをもつ、本来、動物体内には存在しない化学物
質を意味する。
【0025】本発明の分離材を用いて分離できる細胞と
しては、血球細胞、株細胞、初代培養細胞又はこれらの
混合物等が挙げられる。前記血球細胞としては、赤血
球、白血球、血小板又はこれらの混合物等が挙げられ、
白血球としては、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ
球、単球が挙げられる。リンパ球としては、T細胞、B
細胞等が挙げられる。血小板としては、血小板の活性化
度合い(凝集反応の進行度合い)は特に限定されず、未活
性化及び活性化した血小板等が挙げられる。これらの血
球細胞の中で特に好ましくは、種々の疾患に際してその
数が増減する白血球等が挙げられる。前記株細胞及び初
代培養細胞としては、由来の動物、由来の臓器及び形態
は特に限定されず、繊維芽細胞、表皮細胞、内皮細胞、
平滑筋細胞、神経細胞等が挙げられる。特に好ましく
は、ティシュ・エンジニアリング(tissue engineering)
等で利用可能な、血管内皮細胞、血管平滑筋細胞、肝細
胞等が挙げられる。
【0026】本発明の分離材を用いて分離できる情報伝
達物質としては、ホルモンとその誘導体、又は環境ホル
モンとその誘導体等が挙げられる。環境ホルモンとは、
生物の内分泌機能に影響を及ぼす化学物質のことであ
り、内分泌攪乱化学物質を意味する。例えば、合成洗
剤、塗料、化粧品、プラスチック可塑剤等の産業化学物
質;ダイオキシン;除草剤、抗真菌、殺虫剤等の農薬;
合成ホルモン等の医薬品;大豆に含まれる植物性エスト
ロジェン等に代表される天然物質等が挙げられる。これ
らの環境ホルモンのうち、分離対象物質としての特定成
分としては、人体に極めて有害であるダイオキシン等が
挙げられる。
【0027】本発明の分離材を用いて分離できる蛋白質
及びホルモンとしては、特に限定されないが、免疫グロ
ブリン(抗体)、血漿蛋白質又はこれらの物質に対する抗
体等が挙げられる。さらに詳しくは、以下の(1)〜(7)
が例示できる。 (1)C反応性蛋白質(CRP)、リューマチ因子(RF)、
トランスフェリン等の血漿蛋白質又はこれら血漿蛋白質
に対する抗体、(2)卵胞ホルモン、黄体ホルモン、男性
ホルモン、インシュリン、グルカゴン、性腺刺激ホルモ
ン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、成長ホルモ
ン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、副甲状腺ホル
モン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺
激ホルモン等、更に好ましくは、甲状腺刺激ホルモン
(TSH)、トリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン
(T4)、チロキシン結合蛋白質(TBG)、サイログロブ
リン、インスリン、エストリオール(E3)、絨毛性ゴナ
ドトロピン(HCG)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)
等のホルモン及びこれらホルモンに対する抗体、(3)癌
胎児性抗原(CEA)、β2−マイクログロブリン、α−
フェトプロテイン(AFP)等の腫瘍関連物質及びこれら
腫瘍関連物質に対する抗体、(4)HBS抗原、HBS抗
体、HBe抗原、HBe抗体等のウィルス肝炎の抗原及
び抗体あるいはこれらウィルス肝炎の抗原及び抗体に対
する抗体及び抗原、(5)ムンプス、ヘルペス、麻疹、風
疹、サイトメガロ等のウィルス、抗エイズ抗体等の各種
生体成分に対する抗体及び抗原、(6)フェノバルビター
ル、アセトアミノフェン、サリチル酸、シクロスポリン
等の各種薬剤に対する抗体、(7)酵素及び酵素に対する
抗体。 ただし、前記抗体はFabフラグメント、F(ab)'2
フラグメント、又は還元型抗体であってもよい。前記
(1)〜(7)のうち、特に好ましくは、種々の疾患に際し
てその量が増減し、診断あるいは治療にも利用すること
が可能である抗体が挙げられる。
【0028】
【発明の効果】本発明の分離材は、少なくとも表面に、
特定のホスホリルコリン類似構造を有する基を、リン元
素と炭素元素との割合を特定とする範囲で含まれるの
で、広範囲に及ぶ特定成分を選択的に分離することがで
き、本発明の方法では、この分離材を用いるので、特定
成分を選択的に分離・回収することが可能である。すな
わち、目的とする特定成分を選択的に効率よく、他の成
分から分離することで、目的成分以外の成分の混入を極
力抑えることができ、さらに分離した成分を回収するこ
とで、回収した成分を別の用途に応用することが可能と
なる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づきさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。なお、例中の分離材表面のX線光電子分光
分析による測定は、以下の方法に基づいて行った。 <分離材表面のX線光電子分光分析の測定方法>X線光
電子分光分析機(商品名「ESCA−3300」、島津
製作所社製)を用いて、分離材表面に対して、X線の照
射角が90°のときの、各元素のスペクトルを測定し、
リン元素及び炭素元素の各ピーク面積を求め、以下の式
によりリン元素の量P/炭素元素の量C(P/C)を算出
した。 P/C=Ap/Ac ただし、Ap:リン元素のピーク面積、Ac:炭素元素
のピーク面積とする。
【0030】合成例1 MPC 35.7g及びn−ブチルメタクリレート(以
下、BMAと略記する)4.3g(単量体組成モル比:M
PC/BMA=80/20)をエタノール160gに溶
解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込ん
だ後、60℃に昇温し、アゾビスイソブチロニトリル
0.82gを加えて8時間重合反応させた。得られた重
合液を3リットルのジエチルエーテル中に攪拌しながら
滴下し、析出した沈澱を濾過し、48時間室温で真空乾
燥を行って、粉末29.6gを得た。得られた粉末をG
PCにより評価したところ、重量平均分子量は1530
00であった。この粉末を共重合体(A)とする。
【0031】合成例2〜4 単量体の種類、組成比及び溶媒種を表1に示すとおりに
代えた以外は、合成例1と同様の操作により粉末を得、
分子量を測定した。結果を表1に示す。なお、合成例2
で調製した粉末を共重合体(B)、合成例3で調製した粉
末を共重合体(C)、合成例4で調製した粉末を共重合体
(D)とする。また、表1中のSMAはステアリルメタク
リレート、QAは2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキ
シプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1:白血球の分離 <分離材の調製>合成例1により合成した共重合体(A)
0.5gを、エタノール100mLに溶解し、共重合体
溶液を調製した。次いで、ポリエチレンテレフタレート
(以下、PETと略記する)製のシートをφ13mmの大
きさの円形に切り抜いた円形シートを、上記共重合体溶
液中に静かに浸漬させてから引き上げ、そのまま室温で
1時間乾燥させた。さらに、乾燥器内で60℃まで昇温
し、そのままの温度で減圧下16時間乾燥させることに
より、ディスク形状の分離材を調製した。得られた分離
材表面のX線光電子分光分析の測定を行い、P/Cの値
を求めた。結果を表2に示す。
【0034】<選択的分離操作>ウサギから採取した新
鮮血10mLにハンクス緩衝液10mLを加えて1/2
に希釈することで、血球成分を選択的に分離するために
用いる希釈血を調製した。次に、上記で調製したディス
ク形状の分離材を、24穴プレートに1枚/ウェルずつ
セットし、3mLのろ過滅菌した蒸留水を加えて1時間
湿潤させた。アスピレータで蒸留水を除去し、3mLの
ハンクス緩衝液を加えて溶媒置換した後、これを完全に
除去した。次いで、上記で調製した希釈血を、この24
穴プレートに700μL/ウェルずつ加えて、25℃で
6時間静置した。続いて、24穴プレートから分離材を
取り出し、37℃に加温したDulbecco−リン酸緩衝生理
食塩水を満たしたシャーレ中に浸してリンスした。この
操作を2回繰り返した。その後、シャーレに満たした1
0%中性緩衝ホルマリン液中で5分間、さらに、2.5
%グルタルアルデヒド水溶液中で1時間固定化処理し
た。取り出した分離材は蒸留水で十分に洗った後、25
℃で10時間風乾し、さらに減圧下で16時間乾燥させ
た。以上の操作を行った分離材の表面を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察し、単位面積あたりの表面に付着して
いる各血球が占める面積の割合(占有率%)を計算した。
結果を表2に示す。
【0035】比較例1 実施例1で調製したディスク形状を有する分離材の代わ
りに、何も処理していないφ13mmのPET製円形シ
ートを用いた以外は、実施例1と同様の方法で選択的分
離を行い、分離材表面をSEMで観察し、各血球が占め
る面積の割合(占有率%)を計算した。結果を表2に示
す。
【0036】実施例2:赤血球の分離 実施例1において、共重合体(A)の代わりに合成例2に
より合成した共重合体(B)を用いた以外は、実施例1と
同様の方法で選択分離を行い、分離材表面をSEMで観
察し、各血球が占める面積の割合(占有率%)を計算し
た。結果を表2に示す。
【0037】実施例3:白血球の分離 実施例1において、共重合体(A)の代わりに合成例3に
より合成した共重合体(C)を用いた以外は、実施例1と
同様の方法で選択分離を行い、分離材表面をSEMで観
察し、各血球が占める面積の割合(占有率%)を計算し
た。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2の結果より、実施例1及び実施例3で
調製した分離材は、希釈血中に含まれる赤血球、白血
球、血小板のうち、白血球だけを選択的に分離材表面の
約1割程度の範囲に付着させうることが確認できた。ま
た実施例2で調製した分離材は、希釈血中に含まれる赤
血球、白血球、血小板のうち、赤血球だけを選択的に分
離材表面の6割以上の範囲に付着させうることが確認で
きた。これに対して、比較例1では、赤血球、白血球、
血小板全ての血球成分の付着が確認され、特に血小板に
ついては、基材表面の半分を覆うという結果になった。
【0040】実施例4:リンパ球の分離及び回収 <分離材の調製>平均粒径0.2mmのガラスビーズ
(iuchi社製)を、アセトン及びエタノールで順に洗
浄した後、さらに、蒸留水で十分すすぎ、乾燥器内で6
0℃まで昇温させ、そのままの温度で16時間減圧乾燥
させて前処理ビーズを調製した。一方、合成例1により
合成した共重合体(A)0.5gをエタノール100mL
に溶解し、共重合体溶液を調製した。次いで、上記前処
理ビース50gをポリプロピレン製の容器に入れ、上記
共重合体溶液20mLを加えた後に密閉した。次に、3
0分間容器ごと回転させることで内容物を攪拌した後、
ロートを使ってビーズを濾別した。取り出したビーズを
シャーレ上に広げてから乾燥器に入れ、徐々に50℃ま
で温度を上げた後、そのままの温度で10時間減圧下で
乾燥することにより、ビーズ形状を有する分離材を調製
した。得られた分離材表面のX線光電子分光分析の測定
を行い、P/Cの値を求めた。結果を表3に示す。
【0041】<選択的分離操作>リンパ球懸濁液を以下
の方法により調製した。市販のリンパ球分離試薬である
Ficoll−Paque(ファルマシアバイオテク社製)を用い、
手順書に従ってヒトから採取した血液からリンパ球を採
取した。まず、Ficoll−Paqueを3mLずつシリコン処
理した試験管に取り分け、この上にハンクス溶液で1/
2に希釈したヒト全血4mLを静かに重層した。次い
で、20℃、1550rpmで40分間遠心分離し、最
上層部にある血漿を除去した。その後、ピペットでリン
パ球層を丁寧に採取し、シリコン処理した試験管に移し
た。続いて、採取したリンパ球懸濁液の3倍量のハンク
ス溶液を加えて、ピペッティングにより静かに攪拌し
た。次いで20℃、700rpmで10分間遠心分離
し、上澄みを除去した。さらに、ハンクス溶液を加えて
再懸濁させ、20℃、700rpmで10分間遠心分離
した。採取したリンパ球を、10%血清を添加したRP
MI1640培地(GIBCO社製)で再懸濁することで
リンパ球懸濁液を調製し、血球計算盤を用いて培地1.
0mL中に含まれるリンパ球の数を測定した。さらに、
リンパ球を活性化させる目的で1g/Lのリポ多糖類
(以下、LPSと略記する。SIGMA社製)を1/10
0量加えたリンパ球懸濁液を調製した。すなわち、LP
Sを加えていないリンパ球懸濁液(以下、LPS−と略
記する)とLPSを加えたリンパ球懸濁液(以下、LPS
+と略記する)の2種類のリンパ球懸濁液を調製した。
上記ビーズ形状の分離材5.0gをシリコン処理した試
験管に入れ、LPS−又はLPS+を5.0mL加えて
から、室温で2時間インキュベートした。その後30分
間静置した後、上清を静かに除いた。次いで、生理的リ
ン酸緩衝溶液(以下、PBSと略記する)を5.0mL加
え、室温で10分間インキュベートした。その後30分
間静置した後、上清を静かに除いた。この洗浄操作を3
回繰り返した。洗浄操作後、試験管内の分離材が流出し
ないように注意しながら、残っているPBSを完全に除
去した。その後、素早くPBS5.0mLを加えてか
ら、攪拌子を用いてスターラー上で緩やかに1分間かき
混ぜ、ビーズ表面に付着していたリンパ球をPBS中に
分散させた。その後、上清からPBSを採取し、血球計
算盤を用いてPBS1.0mL中に含まれるリンパ球の
数を測定し、添加したリンパ球数(C0)に対する回収し
たリンパ球数(CR)の割合を、回収率として下記式によ
り算出し、結果を表3に示す。 回収率(%)=(CR/C0)×100
【0042】比較例2 分離材として、実施例4で調製した前処理ビーズを用い
た以外は、実施例4と同様の方法で分離を行い、リンパ
球の回収率を求めた。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3の結果より、実施例4で調製した分離
材は、リンパ球を活性化させる目的でLPSを加えたL
PS+と、加えていないLPS−のいずれの場合におい
ても、約半分のリンパ球を分離した後、さらに回収可能
であることが確認できた。一方、比較例2では、LPS
−の場合、約1割程度のリンパ球を分離・回収できた
が、LPS+の場合では、一切の分離・回収ができなか
った。すなわち、実施例4で使用した分離材は、リンパ
球の活性化の程度に関わらず、選択的にリンパ球を分離
・回収できる機能を有することが判った。
【0045】実施例5:免疫グロブリンの分離 <分離材の調製>実施例4における分離材の調製におい
て、共重合体(A)の代わりに、合成例4により合成した
共重合体(D)を使用した以外は、実施例4と同様の方法
で分離材を調製した。得られた分離材表面のX線光電子
分光分析の測定を行い、P/Cの値を求めた。結果を表
4に示す。
【0046】<選択的分離操作>上記分離材5.0gを
ポリプロピレン製試験管に入れ、PBSを用いて1/2
56に希釈したウシ胎児血清(以下、FCSと略記す
る、GIBCO社製)5.0mLを加えて、室温で2時
間インキュベートした。その後30分間静置した後、上
清を静かに除いた。次いで、PBS5.0mLを加え、
室温で10分間インキュベートした後、30分間静置
し、上清を静かに除いた。この洗浄操作を3回繰り返し
た。洗浄操作後、20倍濃度のPBS5.0mLを加
え、室温で2時間インキュベートすることで、分離材表
面に付着した蛋白をPBS中に溶解させた。30分間静
置した後、上清を静かに分取し、これを検体とした。次
に、ポリスチレン製96穴プレート(Nunc社製)に、
抗(ウシIgG)ウサギIgG((株)ヤガイ社製)、抗(ウ
シアルブミン)ウサギIgG((株)ヤガイ社製)又は抗(ウ
シファイブロネクチン)ウサギIgG(SIGMA社製)
を各々100μL/ウェル注入し、室温で2時間インキ
ュベートした。次いで、各抗体溶液を除去した後に、各
ウェルを300μLのPBSで4回洗浄した。1/4に
希釈したブロックエース溶液(雪印乳業(株)社製)200
μL/ウェルを加えて、室温で2時間インキュベートし
た。ウェル中にあるブロックエース溶液を除去した後、
前記検体100μL/ウェルを加えて室温で2時間イン
キュベートし、各ウェルを300μLのPBSで4回洗
浄した。西洋ワサビ過酸化酵素(以下、HRPと略記す
る)を修飾した抗(ウサギIgG)ヤギIgG(SIGMA
社製)溶液100μL/ウェルを注入し、室温で2時間
インキュベートした。次いで、各抗体溶液を除去した後
に、各ウェルを300μLのPBSで4回洗浄した。各
ウェルに、HRP発色溶液(ペルオキシダーゼ用発色キ
ットT、住友ベークライト(株)社製)100μL/ウェ
ルを注入し、室温で2時間インキュベートした後、各ウ
ェルを300μLのPBSで4回洗浄した。次いで、H
RP発色溶液(ペルオキシダーゼ用発色キットT、住友
ベークライト(株)社製)100μL/ウェルを注入し、
室温で10分間インキュベートした。さらに、反応停止
液(ペルオキシダーゼ用発色キットT、住友ベークライ
ト(株)社製)100μL/ウェルを注入し、反応を停止
した。次いで、プレートリーダー(SPECTRA MAX250、モ
レキュラーデバイス社製)を用いて450nmの吸光度
を測定した。予め作成しておいた検量線を使って、吸光
度から検体中の各蛋白質量を求め、回収したアルブミン
量に対する選択的に分離したIgG量の割合(Ui/U
a)、及び回収したファイブロネクチン量に対する選択
的に分離したIgG量の割合(Ui/Uf)をそれぞれ求
めた。結果を表4に示す。
【0047】比較例3 分離材として、実施例4で調製した前処理ビーズを用い
た以外は、実施例5と同様の方法で選択的分離を行い、
その測定値からUi/Ua及びUi/Ufを求めた。結
果を表4に示す。
【0048】
【表4】
【0049】表4の結果より、実施例5で調製した分離
材は、アルブミンに対するIgGの割合(Ui/Ua)で
は、比較例3の分離材より70倍以上の分離性能を示
し、ファイブロネクチンに対するIgGの割合(Ui/
Uf)では、比較例3の30倍以上の分離性能を示すこ
とが判った。すなわち、実施例5の分離材を用いること
で、他のアルブミンやファイブロネクチンの数十倍、I
gGを選択的分離によって濃縮できることを意味してい
る。以上の結果から、実施例5で使用した分離材は、選
択的にIgGを分離・回収できる機能を有していること
が確認できた。
【0050】実施例6:株細胞の分離 <分離材の調製>合成例1により合成した共重合体(A)
0.5gを蒸留水100mLに溶解した共重合体溶液
に、低蛍光セルデスク(住友ベークライト社製)を室温で
5分間浸漬した。溶液からセルデスクを取り出し、室温
で1時間乾燥させた。さらに、乾燥器内で60℃まで昇
温し、そのままの温度で4時間減圧乾燥させ、セルデス
ク形状の分離材を調製した。得られた分離材表面のX線
光電子分光分析の測定を行い、P/Cの値を求めた。結
果を表5に示す。
【0051】<選択的分離操作>φ9cmのポリスチレ
ンディッシュ中で、10%FCSを含んだダルベッコ改
変イーグルメディウム(DMEM、以下、培地と略記す
る)を用いて、NIH3T3細胞(マウス胎児繊維芽細
胞)及びSIRC細胞(ウサギ角膜上皮細胞)をサブコン
フルエント程度にまで培養した。これらの細胞を0.1
%トリプシン溶液で処理して剥がし、遠心操作した後に
培地にそれぞれ懸濁した。各懸濁液の細胞濃度を血球計
算盤を用いて測定し、2000個/mLとなるように培
地で希釈した。24穴プレートの各ウェルに、それぞれ
の細胞懸濁液0.5mLを注入し、その中に上記セルデ
スク状の分離材を沈めた。次いで、24時間炭酸ガスイ
ンキュベータ内で培養した後、分離材表面に接着した細
胞の同定を行った。細胞の同定は、細胞内に発現してい
る細胞骨格蛋白質であるビメンチンに対する特異抗体を
用いる方法で行った。まず、細胞をメタノールで固定し
た後、抗ビメンチン抗体(コスモバイオ社製)を添加し
た。次に、洗浄処理を行い、FITC標識抗(マウスI
gG)抗体(SIGMA社製)を用いてビメンチン陽性細
胞を検出した。一方、全細胞数の測定はプロピジウムイ
オダイド(SIGMA社製)を用いた核染色により行っ
た。蛍光顕微鏡下で、FITC観察用及びプロピジウム
イオダイド観察用フィルターをそれぞれ用いて、同一画
面を写真撮影し、全細胞数中に占めるFITC陽性細胞
(ビメンチン陽性細胞:SIRC細胞)の割合から、NI
H3T3細胞及びSIRC細胞の接着率(%)を計算し
た。結果を表5に示す。
【0052】比較例4 セルデスク形状の分離材の代わりに、何も処理していな
い低蛍光セルデスクを用いた以外は、実施例6と同様の
方法でそれぞれの細胞の接着率を計算した。結果を表5
に示す。
【0053】
【表5】
【0054】表5の結果より、実施例6で調製した分離
材は、表面にNIH3T3細胞を96%選択的に接着し
ていることが判った。これに対して、比較例4では、N
IH3T3細胞及びSIRC細胞がほぼ同じ割合で表面
に接着していることが判った。以上より、実施例6で使
用した分離材は、選択的にNIH3T3細胞を分離でき
る機能を有していることが確認できた。
【0055】実施例7:初代培養細胞の分離 <分離材の調製>24穴プレート(Nunc社製)の各ウ
ェルに、合成例1により合成した共重合体(A)0.5g
をエタノール100mLに溶解した共重合体溶液1.0
mLずつを分注し、室温で30分間インキュベートし
た。次いで、ウェル中の溶液を除去した後に、乾燥器内
で60℃まで昇温し、そのままの温度で4時間、減圧下
で乾燥することにより、培養プレート形状の分離材を調
製した。得られた分離材表面のX線光電子分光分析の測
定を行い、P/Cの値を求めた。結果を表6に示す。
【0056】<選択的分離操作>生後24時間以内のラ
ット胎児から皮膚の切片を採取し、0.05%のコラゲ
ナーゼを含むDMEMで処理した。得られた溶液をメッ
シュで濾過した後、遠心操作を行い、回収した細胞を5
%のFCSを含むDMEMに再懸濁した。細胞濃度を血
球計算盤を用いて測定し、5000個/mLとなるよう
に培地で希釈した。上記培養プレート形状の分離材のウ
ェル中に、上記で調製した細胞懸濁液0.5mLずつを
分注し、16時間炭酸ガスインキュベータ内で培養し
た。その後、ウェル内を生理緩衝食塩水で洗浄し、位相
差顕微鏡を用いて写真撮影を行った。細胞の形態を観察
することで、繊維芽細胞及び表皮細胞の識別を行い、分
離材表面への各細胞の接着率を計算した。結果を表6に
示す。
【0057】比較例5 培養プレート形状の分離材の代わりに、何も処理してい
ない24穴プレートを用いた以外は、実施例7と同様の
方法でそれぞれの細胞の接着率を計算した。結果を表6
に示す。
【0058】
【表6】
【0059】表6の結果より、実施例7で調製した分離
材は、生体組織から採取した繊維芽細胞と表皮細胞を含
む懸濁液から、繊維芽細胞だけを92%選択的に接着分
離できることが判った。これに対して、比較例5では、
繊維芽細胞及び表皮細胞がほぼ同じ割合で表面に接着し
ていることが判った。以上より、実施例7で使用した分
離材は、選択的に繊維芽細胞を分離できる機能を有して
いることが確認できた。
【0060】実施例8:初代培養細胞の回収 <選択的分離操作>実施例7で調製した分離材を用い
て、実施例7と同様に位相差顕微鏡を用いた写真撮影の
前までの操作を行った。その後、写真撮影は行わず、分
離材の各ウェルを0.1%トリプシン溶液で処理し、細
胞を剥離した。次いで、回収した細胞を遠心処理した
後、培地にそれぞれ懸濁した。懸濁液の細胞数を、血球
計算盤を用いて測定し、2000個/mLとなるように
培地で希釈し、細胞懸濁液とした。得られた細胞懸濁液
0.5mLを24穴プレートの各ウェルに分注し、炭酸
ガスインキュベータ内で48時間培養した。その後、位
相差顕微鏡で細胞の形態を確認し、繊維芽細胞及び表皮
細胞の識別を行った。結果を表7に示す。
【0061】比較例6 分離材として、比較例5と同様の24穴プレートを用い
た以外は、実施例8と同様の方法で細胞の識別を行っ
た。結果を表7に示す。
【0062】
【表7】
【0063】実施例8は、実施例7と同じ2種の細胞を
含む懸濁液から1種類の初代培養細胞だけを選択的に分
離した後、さらにその細胞を回収することを目的として
いる。ここでは、回収した細胞を培養し、その増殖の様
子を観察することで、どちらの細胞が分離・回収できた
かを評価している。表7より、分離材を用いて分離・回
収したものは、繊維芽細胞のみ増殖していることが確認
された。これに対して、比較例6では、繊維芽細胞及び
表皮細胞のいずれの細胞も増殖していることが確認され
た。以上より、実施例8で使用した分離材は、選択的に
繊維芽細胞を分離・回収できる機能を有していることが
確認できた。
【0064】実施例9:情報伝達物質の分離 <選択的分離操作>実施例5で調製したビーズ形状の分
離材を使用し、この分離材5.0gをガラス製容器に入
れ、ジベンゾフラン飽和水溶液2.5mLとジベンゾ−
p−ジオキシン飽和水溶液2.5mLとを加えてから容
器を密閉した。60分間容器ごと回転させることで内容
物を攪拌した後、ロートを使って溶液を濾別した。回収
した溶液は、吸光光度計を用いて、ジベンゾフランは2
49nm、ジベンゾ−p−ジオキシンは289nmの波
長でそれぞれ吸光度を測定した。予め作成しておいた検
量線を使って、吸光度から溶液の濃度(Cn)を求め、分
離材を入れないで上記と同様の操作をした各飽和水溶液
の濃度(C0)に対する変化の割合を、変化率として以下
の式により算出した。結果を表8に示す。 変化率(%)=((C0−Cn)/C0)×100
【0065】比較例7 分離材として、比較例3と同様な前処理ビーズを用いた
以外は、実施例9と同様の方法で選択的分離を行い、そ
の測定値から変化率を計算した。結果を表8に示す。
【0066】
【表8】
【0067】表8の結果より、実施例9の分離材では、
情報伝達物質である、ジベンゾフラン及びジベンゾ−p
−ジオキシンを含む水溶液から、ジベンゾフランを選択
的に分離できることが判った。すなわち、ジベンゾフラ
ンの濃度の変化率は、比較例7の3倍以上の値を示し
た。一方のジベンゾ−p−ジオキシンは分離材を用いた
場合も、比較例7の場合もほぼ同じ変化率であった。す
なわち、実施例9で使用した分離材によって、溶液中の
ジベンゾフランを選択的に分離した結果、溶液中のジベ
ンゾフランの濃度が減少したと考えられる。以上より、
実施例9で使用した分離材は、選択的にジベンゾフラン
を分離できる機能を有していることが判った。
【0068】以上の実施例及び比較例の結果より次のこ
とがわかる。すなわち、実施例1〜9で調製した分離材
は、ホスホリルコリン基に由来するリン元素が含まれて
おり、それぞれ異なったP/C値を有していることを確
認した。実施例で使用した分離材は、MPCと他の単量
体とを共重合させてできた重合体を、PET、ポリスチ
レン、ガラス等からなる種々の形状をした基材の上にコ
ートしたものである。実施例1、4、6、7及び8で使
用した分離材は、全て同じ共重合体(A)を表面にコート
して調製したにも関わらず、P/Cの値は、基材の種類
や形状によっていずれも異なる値を示した。すなわち、
分離材を調製する際の、ホスホリルコリン基を含む共重
合体と、それをコートする基材との組み合わせによっ
て、P/Cの値をある程度制御することが可能であり、
分離材のP/C値をある特定の範囲内に制御すること
で、結果として、所望の特定成分を選択的に分離・回収
する機能が発現されたと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/00 G01N 23/227 4H050 G01N 23/227 33/48 S 4J100 33/48 C07F 9/09 V // C07F 9/09 C12N 5/00 Z Fターム(参考) 2G001 AA01 BA08 CA03 GA01 GA13 HA01 KA01 LA01 NA03 NA07 2G045 AA40 BA10 BB12 CA01 CA02 CA11 CA25 CB01 DA36 DA37 DA80 HB05 HB07 4B065 AA90X AA92X AA94X BA30 BD14 CA24 CA25 CA44 CA46 CA60 4D017 AA11 BA07 CA13 CB05 DA01 EA05 4H045 AA20 CA40 CA42 DA30 DA75 EA61 GA26 4H050 AB20 AB46 4J100 AB02Q AB03Q AJ02R AL03Q AL04Q AL05Q AL08P AL08R AL09R AM15R BA29R BA32P BA63P CA05 DA71 JA15 JA50

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)で表される基を少なくとも表面に
    有する分離材であって、該分離材が、その表面をX線光
    電子分光分析によって測定したスペクトルにおける、式
    (1)で表される基に由来するリン元素の量Pと、炭素元
    素の量Cとの比(P/C)が0.002〜0.3となる量
    の式(1)で表される基を有することを特徴とする分離
    材。 【化1】 (式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であっ
    て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキ
    シアルキル基を示す。nは1〜4の整数である。)
  2. 【請求項2】 式(1)で表される基が、式(2)で表され
    るホスホリルコリン類似基含有単量体に由来する基であ
    ることを特徴とする請求項1記載の分離材。 【化2】 (式中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であっ
    て、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキ
    シアルキル基を示し、R4は炭素数1〜6のアルキル基
    を示し、R5は水素原子もしくはメチル基を示す。nは
    1〜4の整数である。)
  3. 【請求項3】 式(1)で表される基が、式(2)で表され
    るホスホリルコリン類似基含有単量体を含む単量体組成
    物を重合してなる重合体に由来する基であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の分離材。
  4. 【請求項4】 ホスホリルコリン類似基含有単量体を含
    む単量体組成物を重合してなる重合体が、(A)式(2)で
    表されるホスホリルコリン類似基含有単量体10〜10
    0mol%、(B)疎水性単量体0〜90mol%及び
    (C)親水性単量体0〜70mol%とからなる単量体組
    成物を重合してなる重合体であることを特徴とする請求
    項3に記載の分離材。
  5. 【請求項5】 生体に由来する細胞、蛋白質及び情報伝
    達物質からなる群より選択される1種又は2種以上を選
    択的に分離するために用いることを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の分離材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の分
    離材を、特定成分を含む溶液に接触させ、溶液中に含ま
    れる1種類又は複数の特定成分を選択的に分離・回収す
    ることを特徴とする分離・回収方法。
  7. 【請求項7】 特定成分が、生体に由来する細胞、蛋白
    質又は情報伝達物質である請求項6に記載の分離・回収
    方法。
  8. 【請求項8】 生体に由来する細胞が、血球細胞、株細
    胞及び初代培養細胞からなる群より選択される1種又は
    2種以上である請求項7に記載の分離・回収方法。
  9. 【請求項9】 血球細胞が、赤血球、白血球及び血小板
    からなる群より選択される1種又は2種以上である請求
    項8に記載の分離・回収方法。
  10. 【請求項10】 蛋白質が、免疫グロブリンであること
    を特徴とする請求項7に記載の分離・回収方法。
  11. 【請求項11】 情報伝達物質が、ホルモンとその誘導
    体、又は環境ホルモンとその誘導体である請求項7に記
    載の分離・回収方法。
  12. 【請求項12】 環境ホルモンとその誘導体が、ダイオ
    キシン及びその誘導体である請求項11に記載の分離・
    回収方法。
  13. 【請求項13】 特定成分が、生体に影響を与える情報
    伝達物質である請求項6に記載の分離・回収方法。
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