JP2002098653A - X線検査装置 - Google Patents

X線検査装置

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JP2002098653A
JP2002098653A JP2000335214A JP2000335214A JP2002098653A JP 2002098653 A JP2002098653 A JP 2002098653A JP 2000335214 A JP2000335214 A JP 2000335214A JP 2000335214 A JP2000335214 A JP 2000335214A JP 2002098653 A JP2002098653 A JP 2002098653A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続搬送される物品の検査を行うX線検査装
置であって、検査結果の認識が容易な装置を提供するこ
とにある。 【解決手段】 X線検査装置は、連続搬送される物品の
不良検査を行う装置であって、X線照射器及びX線ライ
ンセンサと、RAMあるいはHDDと、制御コンピュー
タと、LCDモニタ30とを備える。X線照射器及びX
線ラインセンサは、X線を使って物品の状態を検出す
る。RAMあるいはHDDは、基準レベルを記憶する。
制御コンピュータは、X線照射器及びX線ラインセンサ
による検出レベルと基準レベルとの比較により、物品不
良の有無を判断する。LCDモニタ30は、検出レベル
に基づく値を、その値に対応する面積で表示することが
でき、基準レベル及び検出レベルに基づく値を表示す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続搬送される物
品の状態をX線によって検査するX線検査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品などの商品の生産ラインにおいて
は、商品への異物混入や商品の割れ欠けがある場合にそ
のような商品を出荷しないために、X線検査装置が使用
されることがある。このX線検査装置では、連続搬送さ
れてくる各被検査物品に対してX線を照射し、そのX線
の透過状態をX線ラインセンサで検出して、物品中に異
物が混入していないか、あるいは物品に割れ欠けが生じ
ていたり物品内の単位物(単品)の数量が不足していた
りしないかを判別する。また、X線検査装置によって、
物品内の単位物の数量を数えることが行なわれている。
【0003】X線検査装置において不良と判断された物
品は、後段の振分装置によって不良品として振り分けら
れる。物品に異物が混入していたといった危機的な不良
が見つかった場合には、生産ラインを止めて上流の装置
等の点検を行い、原因が究明される。一方、割れ欠けや
数量不足といった不良の場合には、取り替えや数量合わ
せを行って再び生産ラインに戻されることが多い。ま
た、X線検査装置によって単位物の数量を数える場合に
は、後工程にてその数が印刷されたラベルを貼り付ける
ことが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなX線検査装
置では、被検査物品の各部における透過X線量を所定の
基準レベル(しきい値)と比較して、異物の混入を判断
する。また、物品の割れ欠け等については、正規化した
被検査物品の画像と基準画像とのパターンマッチングを
行い、そのマッチングの度合いを所定のしきい値と比較
する。また、被検査物品の画像と基準画像とのパターン
マッチングを行い、被検査物品の画像中に現れる基準画
像の数を計数する。
【0005】しかし、不良判断を行う従来のX線検査装
置においては、内蔵するコンピュータが自動的に不良を
判断するため、使用者は、物品の良・不良を知ることは
できるが、その判断過程や判断における余裕度などを確
認することはできない。また、良・不良の判断結果以外
では、物品のX線画像が使用者に示されることがある
が、装置の不良判断の適正度合いを確認することは、使
用者にとって容易なことではない。したがって、使用者
が判断の状態を確認して検査の確実性を向上させようと
思っても、従来の装置のおいては非常に困難である。
【0006】そこで、検出した透過X線量に基づく数値
及びしきい値を画面表示することが考えられるが、連続
搬送され次々に不良検査が行われる物品それぞれに対し
て数値表示が為されても、使用者がそれらを全て認識し
て判断に結びつけることは困難である。
【0007】また、計数を行う従来のX線検査装置も、
使用者が計数判断の状態を確認して検査の確実性を向上
させることが困難なものとなっている。本発明の課題
は、連続搬送される物品の検査を行うX線検査装置であ
って、検査結果の認識が容易な装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るX線検査
装置は、搬送される物品の状態をX線を用いて検査を行
う装置であって、X線検出手段と、判断手段と、出力手
段と、記憶部と、第1表示部と、表示制御手段とを備え
ている。X線検出手段は、X線で物品の状態を検出す
る。判断手段は、X線検出手段による検出レベルに基づ
き、物品の状態を判断する。出力手段は、判断手段によ
る判断結果を出力する。記憶部は、判断手段の判断基準
となるしきい値を記憶する。第1表示部は、検出レベル
に基づく値を、その値に対応する面積で表示する。表示
制御手段は、しきい値及び検出レベルに基づく値を、第
1表示部に表示させる。
【0009】この装置では、X線検出手段による物品の
状態の検出によって、異物が混入している物品のチェッ
ク、物品の割れ欠けのチェック、単品が複数含まれてい
る物品の単品の入数チェックや単品の個数の計測などの
検査を行うことができる。
【0010】そして、この装置では、検査において判断
対象となる検出レベルに基づく値と判断基準となるしき
い値とを、第1表示部に表示する。この第1表示部で
は、検出レベルに基づく値を、その値に対応する面積で
表示する。このため、装置の使用者は、検出レベルに基
づく値がしきい値に近いのか遠いのかを比較的容易に認
識することができるようになる。特に、第1表示部が検
出レベルに基づく値を対応する面積で表示するため、使
用者は、数値を読み取ることなく感覚的に判断の余裕度
などを認識することができる。
【0011】例えば、不良判断の検査を行う際には、し
きい値の近傍で物品が良(あるいは不良)と判断された
のか、それとも、しきい値から大きく離れた状態で余裕
を持って良(あるいは不良)と判断されたのかを比較的
容易に認識することができるようになる。
【0012】また、単品の個数計測といった検査を行う
際にも、しきい値に対して物品中の単品が少し足りない
のか大幅に足りないのかなどを、比較的容易に認識する
ことができるようになる。
【0013】なお、出力手段としては、表示器、ブザ
ー、他の装置への連動信号を出力するアルゴリズムを有
する制御コンピュータなどが挙げられる。請求項2に係
るX線検査装置は、請求項1に記載の装置であって、判
断手段は、物品の不良を判断する不良判断手段である。
また、しきい値は、不良判断手段によって検出レベルと
比較される値であり、物品の不良を判断するための値で
ある。
【0014】請求項3に係るX線検査装置は、請求項2
に記載の装置であって、記憶部は、複数のしきい値を記
憶している。また、不良判断手段は、複数のしきい値に
基づいて物品不良の有無を判断する。
【0015】ここでは、複数のしきい値に基づく物品不
良の判断を行うため、各しきい値を不良の種類に合わせ
ることにより、不良と判断された物品がどのような種類
の不良と判断されたのかも知ることができるようにな
る。例えば、異物のX線透過率の違いや異物の厚みの違
いを考慮して複数のしきい値を用意した場合には、異物
混入という物品不良の判断が為された場合に、異物の種
類あるいは大きさを推定することが可能となる。
【0016】請求項4に係るX線検査装置は、請求項2
又は3に記載の装置であって、記憶部には、しきい値が
物品毎に記憶されている。また、本装置は、しきい値を
変更する変更手段をさらに備えている。
【0017】ここでは、しきい値が物品毎に記憶されて
いるため、検査対象である物品が変わる場合に、物品を
選択することでしきい値の変更を行うことができる。す
なわち、本装置では、物品の変更に容易に対応すること
ができる。
【0018】請求項5に係るX線検査装置は、請求項2
から4のいずれかに記載の装置であって、表示制御手段
は、しきい値を表示させる位置を固定して表示して、し
きい値及び検出レベルに基づく値を第1表示部に表示さ
せる。
【0019】ここでは、しきい値の第1表示部での表示
位置が固定されているため、しきい値が変更された場合
においても、使用者にとって基準となるしきい値が見慣
れた位置に留まる。
【0020】請求項6に係るX線検査装置は、請求項2
から5のいずれかに記載の装置であって、不良判断手段
は、複数の判断方式を使って物品不良の有無を判断す
る。そして、表示制御手段は、複数の判断方式に対応し
たしきい値と、各々の判断方式による検出レベルに基づ
く値とを、第1表示部に表示させる。
【0021】ここでは、X線検出手段の検出結果から、
複数の判断方式それぞれによる検出レベルに基づく値が
演算される。そして、それぞれの検出レベルに基づく値
が、複数の判断方式それぞれに設定されるしきい値と比
較される。これらの検出レベルに基づく値及びしきい値
は、それぞれ、第1表示部に表示される。
【0022】請求項7に係るX線検査装置は、請求項2
から6のいずれかに記載の装置であって、検出レベルに
基づく値は、検出レベルの絶対値である。ここでは、検
出レベルの絶対値の形で検出レベルに基づく値が表示さ
れるため、全体に対する位置づけの把握が容易である。
【0023】請求項8に係るX線検査装置は、請求項2
から6のいずれかに記載の装置であって、検出レベルに
基づく値は、しきい値に対する検出レベルの偏差であ
る。ここでは、しきい値に対する検出レベルの偏差の形
で検出レベルに基づく値が表示されるため、しきい値を
中心とした視認が容易となる。
【0024】請求項9に係るX線検査装置は、請求項2
から8のいずれかに記載の装置であって、X線検出手段
は、物品の搬送方向と略直交する方向に複数のセンサを
有している。また、本装置は、画像作成手段と、第2表
示部とを備えている。画像作成手段は、複数のセンサか
らの信号に基づいて、物品の検出画像を作成する。第2
表示部は検出画像を表示するためのものであり、表示制
御手段は、検出画像を第2表示部に表示させる。
【0025】ここでは、第1表示部における表示に加え
て、第2表示部において物品の検出画像を表示させてい
る。したがって、使用者は、しきい値及び検出レベルに
基づく値を第1表示部で視覚的に確認しながら、検出画
像の確認を第2表示部で行うことができる。このため、
不良判断の誤りを使用者が見つけるようなことが更に容
易となる。
【0026】請求項10に係るX線検査装置は、請求項
9に記載の装置であって、不良判断手段は、物品不良が
有ると判断した場合に、複数のセンサからの信号に基づ
いて物品不良が生じている不良位置を特定する。また、
画像作成手段は、不良位置を検出画像に加える。
【0027】ここでは、第2表示部に表示される検出画
像に不良位置が加わるため、不良と判断された場合にお
ける使用者の視覚での確認作業が容易となる。請求項1
1に係るX線検査装置は、請求項9又は10に記載の装
置であって、第1表示部及び第2表示部は、同一の表示
機器に設けられている。
【0028】請求項12に係るX線検査装置は、請求項
2から11のいずれかに記載の装置であって、表示制御
手段は、第1表示部に表示させた検出レベルに基づく値
のピーク値を記憶更新し、ピーク値を第1表示部に表示
させる。
【0029】請求項13に係るX線検査装置は、請求項
2から12のいずれかに記載の装置であって、表示制御
手段は、検出レベルに基づく値としきい値との差に応じ
て、検出レベルに基づく値を異なる色で第1表示部に表
示させる。
【0030】ここでは、検出レベルの基づく値としきい
値との差が大きい場合と小さい場合とで検出レベルに基
づく値に表示色が異なるようになるため、装置の使用者
は、視覚的に容易に判断の余裕度を認識することができ
る。例えば、検出レベルに基づく値としきい値との差が
しきい値の10%以下であれば橙色で検出レベルに基づ
く値を表示し、検出レベルに基づく値としきい値との差
がしきい値の10%を超える場合に黄色で検出レベルに
基づく値を表示するようなことが考えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態に係るX線検
査装置の外観を、図1に示す。このX線検査装置10
は、食品等の商品の生産ラインにおいて品質検査を行う
装置の1つであって、連続的に搬送されてくる商品に対
してX線を照射して、商品を透過したX線量を基に商品
の不良判断を行う装置である。
【0032】X線検査装置10の被検査物品である商品
Gは、図4に示すように、前段コンベア60によりX線
検査装置10に運ばれてくる。商品Gは、X線検査装置
10において異物混入の有無が判断される。このX線検
査装置10での判断結果は、X線検査装置10の下流側
に配置される振分機構70に送られる。振分機構70
は、商品GがX線検査装置10において良品と判断され
た場合には商品Gを正規のラインコンベア80へと送
り、商品GがX線検査装置10において不良品と判断さ
れた場合には商品Gを不良品貯留コンベア90へと振り
分ける。
【0033】<X線検査装置の構成>X線検査装置10
は、図1及び図2に示すように、主として、シールドボ
ックス11と、コンベア12と、X線照射器13と、X
線ラインセンサ14と、タッチパネル機能付きのLCD
モニタ30と、制御コンピュータ20(図5参照)とか
ら構成されている。
【0034】〔シールドボックス〕シールドボックス1
1は、両側面に、商品を搬出入するための開口11aを
有している。このシールドボックス11の中に、コンベ
ア12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、制御
コンピュータ20などが収容されている。
【0035】なお、図1には図示していないが、開口1
1aは、シールドボックス11の外部へのX線の漏洩を
抑えるための遮蔽ノレンにより塞がれている。この遮蔽
ノレンは、鉛を含むゴムから成形されるもので、商品が
搬出入されるときには商品により押しのけられる。
【0036】また、シールドボックス11の正面上部に
は、LCDモニタ30の他、キーの差し込み口や電源ス
イッチが配置されている。 〔コンベア〕コンベア12は、シールドボックス11内
において被検査物品を搬送するものであり、図5に示す
コンベアモータ12aにより駆動する。コンベア12に
よる搬送速度は、制御コンピュータ20によるコンベア
モータ12aのインバータ制御により、細かく制御され
る。
【0037】〔X線照射器〕X線照射器13は、図2に
示すように、コンベア12の上方に配置されており、下
方のX線ラインセンサに向けて扇状のX線(図2の斜線
範囲Xを参照)を照射する。
【0038】〔X線ラインセンサ〕X線ラインセンサ1
4は、コンベア12の下方に配置されており、商品Gや
コンベア12を透過してくるX線を検出する。このX線
ラインセンサ14は、図3に示すように、コンベア12
による搬送方向に直交する向きに一直線に配置された多
くの画素14aから構成されている。
【0039】〔LCDモニタ〕LCDモニタ30は、フ
ルドット表示の液晶ディスプレイであって、例えば図6
に示すように画面表示を行う。図6に示す画面はX線画
像及び物品不良の判断結果を表示するものであるが、L
CDモニタ30は、タッチパネル機能も有しており、初
期設定や不良判断に関するパラメータ入力などを促す画
面の表示も行う。
【0040】〔制御コンピュータ〕制御コンピュータ2
0は、図5に示すように、CPU21を搭載するととも
に、このCPU21が制御する主記憶部としてROM2
2、RAM23、及びHDD(ハードディスク)25を
搭載している。また、制御コンピュータ20は、フロッ
ピー(登録商標)ディスクとの入出力を行うFDD(フ
ロッピーディスクドライブ)24も有している。
【0041】さらに、制御コンピュータ20は、LCD
モニタ30に対するデータ表示を制御する表示制御回
路、LCDモニタ30のタッチパネルからのキー入力デ
ータを取り込むキー入力回路、図示しないプリンタにお
けるデータ印字の制御等を行うためのI/Oポート等を
備えている。
【0042】そして、CPU21、ROM22、RAM
23、FDD24、HDD25などは、アドレスバス,
データバス等のバスラインを介して相互に接続されてい
る。また、制御コンピュータ20は、コンベアモータ1
2a、ロータリーエンコーダ12b、光電センサ15、
X線照射器13、X線ラインセンサ14等と接続されて
いる。
【0043】ロータリーエンコーダ12bは、コンベア
モータ12aに装着され、コンベア12の搬送スピード
を検知して制御コンピュータ20に送る。光電センサ1
5は、被検査物品である商品がX線ラインセンサ14の
位置にくるタイミングを検知するための同期センサであ
り、コンベアを挟んで配置される一対の投光器及び受光
器から構成されている。
【0044】<制御コンピュータによる物品不良の判断
> 〔X線画像作成〕制御コンピュータ20は、光電センサ
15からの信号を受けて、商品Gが扇状のX線照射部
(図2参照)を通過するときに、X線ラインセンサ14
によるX線透視像信号(図3参照)を細かい時間間隔で
取得して、それらのX線透視像信号を基にして商品Gの
X線画像を作成する。
【0045】〔物品不良判断〕そして、制御コンピュー
タ20は、得られたX線画像から、3つの判断方式によ
って物品の良・不良を判断する。3つの判断方式は、ト
レース検出方式、2値化検出方式、及びマスク2値化検
出方式である。これらの判断方式で判断した結果、1つ
でも不良と判断するものがあれば、その商品Gは不良品
と判断される。
【0046】これらの判断方式のうち、トレース検出方
式及び2値化検出方式は、画像のマスクされていない領
域に対して判断を行う。一方、マスク2値化方式は、画
像のマスクされている領域に対して判断を行う。マスク
は、商品Gの容器部分などに対して設定される。
【0047】トレース検出方式は、被検出物の大まかな
厚さに沿って基準レベル(しきい値)を設定し、像がそ
れよりも暗くなったときに商品G内に異物が混入してい
ると判断する方式である。ここでは、2つのトレース基
準レベルを設定し、それぞれを画像と対比して判断を行
っている。1つ目のトレース基準レベルは、比較的細か
いものであり、2mm以下の異物を検出するために設定
されている。2つ目のトレース基準レベルは、2〜4m
mの異物を検出するために設定されている。
【0048】トレース検出方式のトレース基準レベル
は、具体的には、図10に示すように設定される。この
トレース基準レベルは、高く設定することによって検出
感度が上がるが、あまり高く設定しすぎると正常品を異
物混入品と誤判定しやすくなるため、検出する異物の大
きさ等に合わせて適当なレベルに設定する必要がある。
【0049】2値化検出方式及びマスク2値化方式は、
一定の明るさに基準レベルを設定し、像がそれよりも暗
くなったときに商品G内に異物が混入していると判断す
る方式である。この2値化検出方式は、およそ4mm以
上の大きい異物を検出するために設定されている。な
お、2値化検出方式及びマスク2値化方式には、それぞ
れ異なる基準レベルが設定される。
【0050】2値化検出方式の基準レベルは、具体的に
は、図11に示すように設定される。この基準レベル
は、高く設定することによって検出感度が上がるが、あ
まり高く設定しすぎると正常品を異物混入品と誤判定し
やすくなるため、検出する異物の大きさ等に合わせて適
当なレベルに設定する必要がある。
【0051】また、マスク2値化方式におけるマスク
は、図12に示すように設定される。このマスクでは、
上記のように、商品Gの容器部分を不感領域として設定
する。設定値は、収縮回数及び膨張回数である。像の有
効レベルより明るい部分を「背景エリア」、暗い部分を
「検体エリア」とすれば、マスクエリアは、2つのエリ
アの境界から膨張回数画素だけ検体エリアに入り込んだ
領域である。容器部分と商品Gの内容物との間に背景エ
リアがあり容器をマスクしようとすると内容物にもマス
クエリアがかかってしまうときには、一旦背景エリアを
縮小回数画素だけ縮小させて容器と内容物との間の背景
エリアを無くしてから膨張回数を設定する(図12参
照)。
【0052】上記の各判断方式における基準レベルは、
HDD25内に作成されるしきい値ファイル25aに記
憶されている。しきい値ファイル25aには、商品Gの
種類毎に、それぞれの判断方式の基準レベルが記憶され
ている。これらの基準レベル及びマスク領域について
は、LCDモニタ30のタッチパネルからの入力によっ
て、設定及び変更が可能である。
【0053】〔表示制御〕制御コンピュータ20は、得
られた商品GのX線画像と、各判断方式による判断に関
する情報とを、LCDモニタ30に表示させる。図6に
示すように、各判断方式による判断に関する情報につい
てはLCDモニタ30内の右下の第1表示部31に、X
線画像についてはLCDモニタ30内の左の第2表示部
32に、それぞれ表示する。
【0054】第1表示部31には、X線による異物混入
検査の処理結果として、各判断方式での判断結果が棒グ
ラフ表示される。ここでは、1つ目のトレース基準レベ
ルによるトレース検出方式による結果を「TRACE
1」欄に、2つ目のトレース基準レベルによるトレース
検出方式による結果を「TRACE2」欄に、2値化検
出方式による結果を「BINARY」欄に、マスク2値
化方式による結果を「MASK BINARY」欄に表
示させている。各欄の棒グラフの右方には、基準レベル
との比較の対象となった検出値L1,L2,L3,L4
が数値表示される。各棒グラフは、左端を0、右端を1
00として表しており、検出値L1,L2,L3,L4
よりも右側が赤色、検出値よりも左側が青色で塗りつぶ
される。すなわち、図6では、各検出値L1,L2,L
3,L4を境に、右側が赤色で左側が青色である。な
お、図6においては、L1=59、L2=49、L3=
23、L4=64となっている。
【0055】また、各棒グラフには、各判断方式におけ
る基準レベルB1,B2,B3,B4が、白色で表示さ
れる。これにより、LCDモニタ30を見る人は、検出
値L1,L2,L3,L4が基準レベルB1,B2,B
3,B4を下回っているか否かを視覚的に容易に確認す
ることができる。なお、図6においては、B1=90、
B2=80、B3=30、B4=50に設定されてい
る。
【0056】第2表示部32には、X線画像が表示され
るが、商品Gに異物が混入していると判断された場合に
は、そのX線画像の異物と判断された部分Aが赤色に着
色される。これにより、LCDモニタ30を見ている人
は、異物混入を容易に認識することができるとともに、
異物の混入されている位置を把握することが容易にでき
るようになる。
【0057】なお、制御コンピュータ20は、上記各判
断方式で判断した結果、1つでも不良と判断するものが
あれば、その商品Gを不良品と判断する。この場合に
は、制御コンピュータ20は、図6に示すように、LC
Dモニタ30内の右上の第3表示部33に「異物混入」
という表示を行うとともに、後段の振分機構70に振り
分けの指示を送る。
【0058】<X線検査装置の特徴> (1)本装置10では、商品GをX線検査したときに、
LCDモニタ30に、各判断方式による異物混入の判断
に関する情報を表示させている。そして、LCDモニタ
30では、各検出値L1,L2,L3,L4が、棒グラ
フの形で、その値に対応する面積で着色表示される。さ
らに、それらの棒グラフ内には、各判断方式における基
準レベルB1,B2,B3,B4も着色表示される(図
6参照)。
【0059】このため、装置10の使用者は、基準レベ
ル(しきい値)の近傍で商品Gが良品(あるいは不良
品)と判断されたのか、それとも、基準レベルから大き
く離れた状態で余裕を持って良品(あるいは不良品)と
判断されたのかを、比較的容易に認識することができ
る。特に、棒グラフの形で表示が為されるため、使用者
は、数値を読み取ることなく感覚的に判断の余裕度など
を認識することができる。
【0060】(2)本装置10では、トレース検出方式
において2つのトレース基準レベルを設定しているた
め、大きさの違う異物を検出することができている。
【0061】(3)本装置10では、HDD25内のし
きい値ファイル25aにおいて、各判断方式における基
準レベルを、商品Gの種類毎に記憶している。したがっ
て、検査対象となる商品Gが変更になった場合にも、L
CDモニタ30のタッチパネルからの商品Gの選択入力
によって、各判断方式のおける基準レベルを簡単に且つ
適切に変更することができる。すなわち、本装置10で
は、商品Gの変更に容易に対応することができる。
【0062】<モニタ表示の変形例> (1)LCDモニタ30内の第1表示部31の表示にお
いて、各判断方式での判断結果を、棒グラフ表示の代わ
りに、図7に示すように円グラフ表示させることもでき
る。これによっても、LCDモニタ30を見る人は、検
出値が基準レベルを下回っているか否かを視覚的に容易
に確認することができる。
【0063】(2)LCDモニタ30内の第1表示部3
1の表示において、各判断方式での判断結果を、棒グラ
フ表示の代わりに、図8に示すように、直線上に多数の
セグメントを間欠的に並べたものによって表示させても
よい。これによっても、LCDモニタ30を見る人は、
検出値が基準レベルを下回っているか否かを視覚的に容
易に確認することができる。なお、ここでは、基準レベ
ルを三角の印によって表示させている。
【0064】このようにセグメント表示を用いる場合に
は、フルドット表示のLCDモニタ30の代わりに、簡
易なモニタを採用することもできる。 (3)本装置10は、単品が複数集合している商品を検
査対象とすることもできる。例えば、6個の単品を有す
る商品をX線検査すると、図9に示すような画面がLC
Dモニタ30に映し出される。ここでは、X線画像の異
物と判断された部分Aが赤色に着色される。このため、
LCDモニタ30を見ている人は、異物混入を容易に認
識することができるとともに、異物がどの単品に混入し
ているかを把握することが容易にできる。
【0065】[他の実施形態] (A)上記実施形態においては、図6に示すように、左
端を0、右端を100とする棒グラフを採用して、検出
値L1,L2,L3,L4の絶対値をLCDモニタ30
の第1表示部31に表示させているが、検出値L1,L
2,L3,L4を基準レベルB1,B2,B3,B4に
対する偏差の形で表示させてもよい。この場合には、絶
対値を把握し難くなるが、基準レベルB1,B2,B
3,B4を中心とした視認が行いやすくなる。
【0066】(B)上記実施形態では、図6に示すよう
に、左端を0、右端を100とする棒グラフを採用し
て、棒グラフ内に表示する基準レベルB1,B2,B
3,B4を数値に合った絶対的な位置に配置させている
が、基準レベルB1,B2,B3,B4の値には関係な
く棒グラフにおける基準レベルB1,B2,B3,B4
の表示位置を固定させることもできる。ここでは、左端
を0、右端を100とする棒グラフを採用することは難
しくなるが、基準レベルB1,B2,B3,B4が変更
された場合においても、使用者にとって基準となる基準
レベルB1,B2,B3,B4が見慣れた位置に留まる
ことになる。
【0067】(C)上記実施形態では、各判断方式での
判断結果をLCDモニタ30に棒グラフ表示するととも
に、各判断方式における基準レベルB1,B2,B3,
B4を棒グラフ内に表示させているが、これに加えて検
出値L1,L2,L3,L4のピーク値を棒グラフ内に
表示させることもできる。ここでは、制御コンピュータ
20は、これまでの異物の透視像信号のピーク値(暗い
側)を下回る検出値が現れた場合に、HDD24あるい
はRAM23に記憶している各ピーク値のデータを更新
して記憶させる。
【0068】(D)上記実施形態では、各判断方式での
判断結果をLCDモニタ30に棒グラフ表示するととも
に、各判断方式における基準レベルB1,B2,B3,
B4を棒グラフ内に表示させているが、これに加えて検
出値L1,L2,L3,L4を基準レベルB1,B2,
B3,B4からの差の割合に応じて色を異ならせて表示
させることもできる。たとえば、制御コンピュータ20
にて検出値L1,L2,L3,L4の基準レベルB1,
B2,B3,B4からの差の割合を計算する。そして、
例えば10%までは橙色、10%を超すと黄色で表示す
る。このようにすることで、しきい値に対する余裕度が
視覚的に容易に認識できる。
【0069】(E)上記実施形態では、主として異物混
入という不良を検出するX線検査装置について説明して
いるが、割れ欠けといった不良や、物品内に単品が平面
的に複数配置された単品の数量を計数することのできる
X線検査装置に対しても本発明の適用が可能である。
【0070】割れ欠けの不良の場合には、正規化した商
品Gの検出画像と基準画像とのパターンマッチングを行
い、そのマッチングの度合いを所定の基準レベルと比較
した結果をLCDモニタ30に表示させる。これによ
り、使用者は、基準レベルの近傍で商品Gが良品(ある
いは不良品)と判断されたのか、それとも、基準レベル
から大きく離れた状態で余裕を持って良品(あるいは不
良品)と判断されたのかを、比較的容易に認識すること
ができるようになる。
【0071】数量を計数する場合には、商品Gの検出画
像と基準画像とのパターンマッチングを行い、基準画像
が検出画像中に現れる数を計数するとになるが、そのマ
ッチングの度合いを所定の基準レベルと比較した結果を
LCDモニタ30に表示させればよい。これにより、使
用者は、基準レベルの近傍で商品Gの数が認識された
か、それとも、基準レベルから大きく離れた状態で余裕
を持って数が認識されたかをを、比較的容易に認識する
ことができるようになる。
【0072】(F)上記実施形態では、X線画像の異物
と判断された部分Aを赤色に着色して第2表示部32に
表示させているが、これに代え、矢印を挿入したり異物
の位置に三角や四角の記号を入れたりすることによって
X線画像における異物の位置の特定を行ってもよい。こ
のようにしても、LCDモニタ30を見ている人は、異
物混入を容易に認識することができるとともに、異物の
混入されている位置を把握することが容易にできる。
【0073】(G)上記実施形態では、商品Gに異物が
混入していると判断したときに「異物混入」という文字
を第3表示部33に表示させているが、この表示の代わ
りに、記号等による表示を行ってもよい。また、異物混
入時にはX線画像の異物と判断された部分Aが赤色に着
色されるため、必ずしも「異物混入」という第3表示部
33の表示を行う必要はない。
【0074】(H)上記実施形態では、トレース検出方
式において2つのトレース基準レベルを設定することに
よって大きさの違う異物の検出を可能としているが、こ
のように1つの判断方式に対して複数の基準レベル(し
きい値)を設定することによって、以下のようなことも
可能となる。
【0075】まず、金属、ガラス、セラミック、塩化ビ
ニール、ゴムなどの異なる材質からなる異物に対して、
その材質をX線検査により推定することが可能である。
これらの異物は、同じような大きさであっても、それぞ
れX線の透過度が違う。このため、どの基準レベルで不
良品と判断されたのかによって、異物の大きさが同程度
であるならば、商品に混入している異物の種類(材質)
を推定することも可能である。これにより、X線検査で
異物混入が発見されたときに、生産ラインのどこで異物
が混入したのかを特定しやすくなる。
【0076】また、単品が上下に複数段積まれている商
品に含まれる単品の数量の良否や計数をX線により検査
する場合においては、単品の数によって透過度合いが違
ってくるため、複数の基準レベルを設定することによっ
て単品の数量チェックを行うことも可能である。この場
合は、LCDモニタ30に前記検出レベルに替えて、計
数された数量を表示させても良い。
【0077】
【発明の効果】本発明では、検査において判断対象とな
る検出レベルに基づく値と判断基準となるしきい値と
を、第1表示部に表示する。そして、第1表示部では、
検出レベルに基づく値を、その値に対応する面積で表示
する。このため、装置の使用者は、検出レベルに基づく
値がしきい値に近いのか遠いのかを比較的容易に認識す
ることができるようになる。特に、第1表示部が検出レ
ベルに基づく値を対応する面積で表示するため、使用者
は、数値を読み取ることなく感覚的に判断の余裕度など
を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るX線検査装置の外観
斜視図。
【図2】X線検査装置のシールドボックス内部の簡易構
成図。
【図3】X線検査の原理を示す模式図。
【図4】X線検査装置の前後の構成を示す図。
【図5】制御コンピュータのブロック構成図。
【図6】LCDモニタの一表示画面図。
【図7】LCDモニタの一表示画面図。
【図8】LCDモニタの一表示画面図。
【図9】LCDモニタの一表示画面図。
【図10】トレース検出方式におけるトレース基準レベ
ルを示す図。
【図11】2値化検出方式における基準レベルを示す
図。
【図12】マスクエリアの作成を示す図。
【符号の説明】
10 X線検査装置 12 コンベア 13 X線照射器(X線検出手段) 14 X線ラインセンサ(X線検出手段) 14a 画素(センサ) 20 制御コンピュータ 21 CPU(画像作成手段;不良判断手段;表示制
御手段) 22 ROM 23 RAM(記憶部) 25 HDD(記憶部) 30 LCDモニタ(表示機器;変更手段) 31 第1表示部 32 第2表示部 G 商品(物品) B1,B2,B3,B4 基準レベル(しきい値) L1,L2,L3,L4 検出値(検出レベル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 修 東京都調布市多摩川1丁目43番地2 株式 会社東研技術センター内 Fターム(参考) 2G001 AA01 BA11 CA01 DA02 DA08 FA01 FA06 GA04 HA13 JA09 JA13 JA20 KA03 LA01 PA03 PA11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】搬送される物品の状態をX線を用いて検査
    を行うX線検査装置であって、 前記X線で物品の状態を検出するX線検出手段と、 前記X線検出手段による検出レベルに基づき物品の状態
    を判断する判断手段と、 前記判断手段による判断結果を出力する出力手段と、 前記判断手段の判断基準となるしきい値を記憶した記憶
    部と、 前記検出レベルに基づく値を、その値に対応する面積で
    表示する第1表示部と、 前記しきい値及び前記検出レベルに基づく値を前記第1
    表示部に表示させる表示制御手段と、を備えたX線検査
    装置。
  2. 【請求項2】前記判断手段は物品の不良を判断する不良
    判断手段であり、 前記しきい値は、前記不良判断手段によって前記検出レ
    ベルと比較され、物品の不良を判断する値である請求項
    1に記載のX線検査装置。
  3. 【請求項3】前記記憶部は、複数のしきい値を記憶して
    おり、 前記不良判断手段は、前記複数のしきい値に基づいて物
    品不良の有無を判断する、請求項2に記載のX線検査装
    置。
  4. 【請求項4】前記記憶部には、前記しきい値が物品毎に
    記憶されており、 前記しきい値を変更する変更手段をさらに備えた、請求
    項2又は3に記載のX線検査装置。
  5. 【請求項5】前記表示制御手段は、前記しきい値を表示
    させる位置を固定して表示し、前記しきい値及び前記検
    出レベルに基づく値を前記第1表示部に表示させる、請
    求項2から4のいずれかに記載のX線検査装置。
  6. 【請求項6】前記不良判断手段は、複数の判断方式を使
    って物品不良の有無を判断し、 前記表示制御手段は、前記複数の判断方式に対応したし
    きい値と各々の判断方式による前記検出レベルに基づく
    値を前記第1表示部に表示させる、請求項2から5のい
    ずれかに記載のX線検査装置。
  7. 【請求項7】前記検出レベルに基づく値は、前記検出レ
    ベルの絶対値である、請求項2から6のいずれかに記載
    のX線検査装置。
  8. 【請求項8】前記検出レベルに基づく値は、前記しきい
    値に対する前記検出レベルの偏差である、請求項2から
    6のいずれかに記載のX線検査装置。
  9. 【請求項9】前記X線検出手段は、物品の搬送方向と略
    直交する方向に複数のセンサを有しており、 前記複数のセンサからの信号に基づき物品の検出画像を
    作成する画像作成手段と、 前記検出画像を表示するための第2表示部と、をさらに
    備え、 前記表示制御手段は、前記検出画像を前記第2表示部に
    表示させる、請求項2から8のいずれかに記載のX線検
    査装置。
  10. 【請求項10】前記不良判断手段は、物品不良が有ると
    判断した場合に、前記複数のセンサからの信号に基づい
    て物品不良が生じている不良位置を特定し、 前記画像作成手段は、前記不良位置を前記検出画像に加
    える、請求項9に記載のX線検査装置。
  11. 【請求項11】前記第1表示部及び前記第2表示部は、
    同一の表示機器に設けられている、請求項9又は10に
    記載のX線検査装置。
  12. 【請求項12】前記表示制御手段は、前記第1表示部に
    表示させた前記検出レベルに基づく値のピーク値を記憶
    更新し、前記ピーク値を前記第1表示部に表示させる、
    請求項2から11のいずれかに記載のX線検査装置。
  13. 【請求項13】前記表示制御手段は、前記検出レベルに
    基づく値と前記しきい値との差に応じて、前記検出レベ
    ルに基づく値を異なる色で前記第1表示部に表示させ
    る、請求項2から12のいずれかに記載のX線検査装
    置。
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