JP2015137858A - 検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装材に対する物品の噛み込みを正確に判定することができる検査装置を提供する。【解決手段】透過光は、対象製品を透過した光線である。検査制御部は、包装材に対する物品の噛み込みの有無を検査する。検査制御部は、第1検出部22bと、第2検出部22cと、シール情報記憶領域(領域記憶部)21fと、噛み込み判定部22dとを有する。第1検出部22bは、透過光に基づき、包装材の位置情報を検出する。第2検出部22cは、透過光に基づき、包装材以外の物の位置情報を検出する。包装材以外の物は、物品を含む。領域記憶部は、包装材の位置情報を基準として、包装材以外の物が存在すべきではない所定の領域に関する領域情報を記憶する。噛み込み判定部は、所定の領域に包装材以外の物が存在するか否かを判定することにより、包装材に対する物品の噛み込みの有無を判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、検査装置に関する。
従来、包装材に包装された物品(対象製品)にX線を照射し、対象製品を透過したX線(透過X線)に基づいて、透過画像を生成する検査装置が用いられている。また、例えば、特許文献1(特開2011−196796号公報)に示すように、包装材と物品とが現れた透過画像に基づいて、包装材に対する物品の噛み込み検査を行う検査装置も提案されている。
ところで、対象製品に使用される包装材は、包装される物品の種類やニーズに応じて、多種多様である。例えば、対象製品の重量を軽減するため、近年では、薄くて丈夫な包装材も開発されている。ここで、包装材が薄い場合、物品がはっきり現れるように濃度を調整して透過画像を生成すると、対象製品中の物品のみが透過画像にはっきり現れ、透過画像に包装材が現れない場合がある。このような場合、物品の噛み込み検査について正確な結果を得ることが困難である。
本発明の課題は、包装材に対する物品の噛み込みを正確に判定することができる検査装置を提供することにある。
本発明に係る検査装置は、包装材と包装材に包装された物品とからなる対象製品について、包装材に対する物品の噛み込みの有無を検査するための検査装置であって、光照射部と、光検出部と、検査制御部とを備える。光照射部は、対象製品に対して光線を照射する。光検出部は、透過光を検出する。透過光は、対象製品を透過した光線である。検査制御部は、包装材に対する物品の噛み込みの有無を検査する。検査制御部は、第1検出部と、第2検出部と、領域記憶部と、噛み込み判定部とを有する。第1検出部は、透過光に基づき、包装材の位置情報を検出する。第2検出部は、透過光に基づき、包装材以外の物の位置情報を検出する。包装材以外の物は、物品を含む。領域記憶部は、領域情報を記憶する。領域情報は、包装材の位置情報を基準として、包装材以外の物が存在すべきではない所定の領域に関する情報である。噛み込み判定部は、包装材の位置情報と、包装材以外の物の位置情報と、領域情報とに基づいて、所定の領域に包装材以外の物が存在するか否かを判定することにより、包装材に対する物品の噛み込みの有無を判定する。
本発明に係る検査装置では、透過光に基づいて、包装材の位置情報と、包装材以外の物の位置情報とが検出される。また、包装材以外の物が存在すべきではない所定の領域に関する領域情報が記憶される。さらに、包装材の位置情報と、包装材以外の物の位置情報と、領域情報とに基づいて、所定の領域に包装材以外の物が存在するか否かが判定されて、包装材に対する包装材以外の物の噛み込みの有無が判定される。
これにより、包装材と包装材以外の部分とが一の透過画像に好適に現れない場合であっても、包装材への物品の噛み込みの有無を確実に判定することができる。
さらに、第1検出部は、透過光のうち、包装材の濃度領域を抽出し、包装材の位置情報を検出することが好ましい。また、第2検出部は、透過光のうち、包装材以外の物の濃度領域を抽出することが好ましい。これにより、包装材および包装材以外のものの濃度領域がそれぞれ抽出されるため、正確な判定結果を得ることができる。
また、検査制御部は、透過画像生成部をさらに有することが好ましい。透過画像生成部は、透過光に基づき、透過画像を生成する。第1検出部は、第1の濃度変換式を用いて透過画像の濃度値を変換し、包装材画像を生成することにより、包装材の位置情報を検出する。また、第2検出部は、第1の濃度変換式とは異なる第2の濃度変換式を用いて透過画像の濃度値を変換し、非包装材画像を生成することにより、包装材以外の物の位置情報を検出する。一の透過画像の濃度を複数の濃度変換式を用いて変換することによって、包装材画像および非包装材画像が生成される。また、包装材画像および非包装材画像に基づいてそれぞれの位置情報が得られる。これにより、精度よく包装材の位置を検出し、さらに処理速度を速めることができる。
また、噛み込み判定部は、算出処理工程と、判定処理工程とを含むことが好ましい。算出処理工程は、包装材画像における包装材の位置情報と、非包装材画像における包装材以外の物の位置情報とに基づき、包装材の外形から包装材以外の物の外形までの距離を算出する工程である。判定処理工程は、距離と領域情報とに基づいて、包装材に対する物品の噛み込みの有無を判定する工程である。包装材の位置情報および物品の位置情報に基づいて、包装材のエッジから物品までの距離が算出されて、包装材への物品の噛み込みの有無が判定される。これにより、物品に欠けや割れが生じ、欠けや割れの部分が包装材に噛み込まれた場合であっても、包装材に対する物品の噛み込みを確実に検出することができる。
また、第2検出部は、第2の濃度変換式と第3の濃度変換式とを用いて、透過画像の濃度値を変換することにより、複数の非包装材画像を生成することが好ましい。第3の濃度変換式は、第2の濃度変換式とは異なる濃度変換式である。包装材以外の物について、複数の濃度変換式を用いて非包装材画像が生成される。これにより、製品に混入する異物の有無も判定することができる。
また、対象製品は、二種類以上の物品を含み、第2検出部は、物品の種類に応じた複数の濃度変換式を用いて、複数の非包装材画像を生成することが好ましい。物品の種類ごとに濃度変換が行われ、非包装材画像が生成されるため、対象製品が複数種類の物品を含む場合にも、適切に物品の噛み込みの有無を判定することができる。
さらに、検査装置は、対象製品を搬送するコンベアをさらに備える事が好ましい。また、検査制御部は、第3検出部と、傾き判定部とをさらに有することが好ましい。第3検出部は、透過光に基づき、包装材のシール部の位置情報を検出する。傾き判定部は、シール部の位置情報に基づき、コンベアによる搬送方向に対する対象製品の傾きを判定する。透過光に基づき、製品の傾きが判定されるため、コンベアに流される対象製品の傾きが一定でない場合であっても、包装材における物品の噛み込みの有無を確実に判定することができる。
また、光照射部によって照射される光線は、X線であることが好ましい。これにより、アルミ蒸着フィルムなど、可視光を透過しない包装材についても鮮明に撮像することができる。
あるいは、光照射部によって照射される光線は、近赤外線であることが好ましい。これにより、X線で検知することができない薄い透明のフィルムについても検出することができる。
本発明に係る検査装置では、包装材と包装材以外の部分とが一の透過画像に好適に現れない場合であっても、包装材への物品の噛み込みの有無を確実に判定することができる。
本発明の一の実施形態に係る検査装置の外観斜視図である。 検査装置を含む検査ライン(X線検査システム)の概略図である。 検査装置のシールドボックス内部の簡易構成図である。 X線検出素子によって検出される透過X線量の例を示すグラフである。 制御ブロック図である。 対象物の濃度範囲を示すグラフである。 包装材画像を生成するために、濃度変換式を用いて入力濃度値を所定の出力濃度値に変換した濃度変換曲線である。 物品画像を生成するために、濃度変換式を用いて入力濃度値を所定の出力濃度値に変換した濃度変換曲線である。 包装材画像の例を示す図である。 包装材二値化画像の例を示す図である。 物品画像の例を示す図である。 物品二値化画像の例を示す図である。 包装材の外形から物品の外形までの距離の判定を説明するための図である。 検査装置における処理の流れを示すフローである。 検査装置における処理の流れを示すフローである。 変形例Aに係る検査装置の制御ブロック図である。 背貼り部画像の例を示す図である。 背貼り部画像の例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る検査装置について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の一の実施形態の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(1)検査装置の概略説明
図1は、本発明の一実施形態に係るX線検査装置(検査装置)10の外観を示す斜視図である。また、図2に、X線検査装置10が組み込まれる検査ライン(検査システム)100の例を示す。検査ライン100では、食品等の製品Pの検査が行われる。
本実施形態に係るX線検査装置10は、連続的に搬送されてくる製品Pに対してX線を照射することにより製品Pの良否判断を行う。具体的に、X線検査装置10は、検査対象となる製品(対象製品)Pに関する物品Gの噛み込み検査を行う。製品Pは、物品Gと物品Gを包装する包装材mとからなる。X線検査装置10は、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無や、製品Pに対する異物混入の有無に関する検査を行い、検査結果に基づき、製品Pを良品または不良品に分類する。
なお、検査ライン100において、製品Pは、前段コンベア60によってX線検査装置10まで運ばれてくる。製品Pは、X線検査装置10において良品または不良品に分類される。X線検査装置10での検査結果は、X線検査装置10の下流側に配置されている振り分け機構70(図2ではアーム式を示している)に送られる。振り分け機構70は、X線検査装置10において良品と判断された製品Pを、良品(正常品)を排出するラインコンベアユニット80へと送り、X線検査装置10において不良品と判断された製品Pを、不良品排出方向90,91へと振分ける。
(2)X線検査装置の詳細説明
図1、図3、および図5のいずれかに示すように、X線検査装置10は、主として、シールドボックス11と、コンベアユニット12と、X線照射器(X線照射部)13と、X線ラインセンサ(X線検出部)14と、タッチパネル機能付きのモニタ30と、制御装置(検査制御部)20とから構成されている。
(2−1)シールドボックス
シールドボックス11は、X線検査装置10のケーシングである。シールドボックス11は、図1に示すように、両側面に、製品Pを搬出入するための開口11aを有する。開口11aは、シールドボックス11の内部に製品Pを搬入させるため、およびシールドボックス11の外部に製品Pを搬出させるために用いられる。開口11aは、遮蔽ノレン19により塞がれている。遮蔽ノレン19は、シールドボックス11の外部へのX線の漏洩を抑える。遮蔽ノレン19は、鉛を含むゴムから成形される。遮蔽ノレン19は、製品Pが搬出入されるときに製品Pによって押しのけられる。
シールドボックス11の中に、コンベアユニット12、X線照射器13、X線ラインセンサ14、および制御装置20などが収容される。また、シールドボックス11の正面上部には、モニタ30の他、キーの差し込み口や電源スイッチが配置されている。
(2−2)コンベアユニット
コンベアユニット12は、シールドボックス11内で製品Pを搬送する。コンベアユニット12は、図1に示すように、シールドボックス11の両側面に形成された開口11aを貫通するように配置されている。
コンベアユニット12は、図3または図5に示すように、主として、無端状のベルト12dと、コンベアローラ12c、コンベアモータ12aとから構成されている。コンベアローラ12cは、コンベアモータ12aによって駆動される。コンベアローラ12cの駆動により、ベルト12dが回転され、ベルト12d上の製品Pが下流に搬送される。
コンベアユニット12による製品Pの搬送速度は、オペレータによって入力された設定速度に応じて変動する。制御装置20は、設定速度に基づいてコンベアモータ12aをインバータ制御し、製品Pの搬送速度を細かく制御する。また、コンベアモータ12aには、コンベアユニット12による搬送速度を検出して制御装置20に送るエンコーダ12b(図5参照)が装着されている。
なお、本実施形態において、製品Pは、コンベアユニット12による搬送方向に対して、常に一定の姿勢で搬送されるものとする。具体的に、製品Pは、コンベアユニット12の搬送方向に直交する方向の上下に、包装材mのシール部SL1,SL2が位置するものとする(図13参照)。
(2−3)X線照射器
X線照射器13は、図3に示すように、コンベアユニット12の上方に配置されている。X線照射器13は、製品Pの下方に位置するX線ラインセンサ14に向けて扇状のX線(放射光)を照射する。具体的に、照射範囲Xは、図3に示すように、コンベアユニット12の搬送面に対して垂直に延びる。また、照射範囲Xは、コンベアユニット12の搬送方向に対して交差する方向に広がる。すなわち、X線照射器13から照射されるX線は、ベルト12dの幅方向に広がる。
(2−4)X線ラインセンサ
X線ラインセンサ14は、製品Pやコンベアユニット12を透過してくるX線を検出する。X線ラインセンサ14は、図3に示すように、コンベアユニット12の下方に配置されている。X線ラインセンサ14は、主として、多数のX線検出素子14aから構成されている。X線検出素子14aは、コンベアユニット12による搬送方向に直交する向きに一直線に水平配置されている。
X線ラインセンサ14は、製品Pやコンベアユニット12を透過したX線量(透過X線量)を検出し、透過X線量に基づくX線透過信号を出力する。言い換えると、X線透過信号は、透過したX線の強度に応じたX線透過信号を出力する。透過したX線の強度は、透過X線量の大小に依存する。X線透過信号により、透過画像の明るさ(濃淡)が決定される(図4参照)。
図4は、X線ラインセンサ14のX線検出素子14aによって検出される透過X線量(検出量)の例を示すグラフである。グラフの横軸は、各X線検出素子14aの位置に対応する。また、グラフの横軸は、コンベアユニット12の搬送方向に直交する方向の距離に対応する。また、グラフの縦軸は、X線検出素子14aで検出されたX線の透過量(検出量)を示す。すなわち、検出量の多いところが、透過画像において、明るく(淡く)表示され、検出量が少ないところが、透過画像において、暗く(濃く)表示される。すなわち、透過画像の明暗(濃淡)は、X線の検出量に対応する。なお、検出量の多いところは濃度値が高くなり、検出量の少ないところは濃度値が低くなる。
さらに、X線ラインセンサ14は、製品Pが扇状のX線の照射範囲X(図3参照)を通過するタイミングを検知するためのセンサとしても機能する。すなわち、X線ラインセンサ14は、コンベアユニット12のベルト12d上で搬送される製品PがX線ラインセンサ14の上方位置(照射範囲X)に来たとき、所定の閾値以下の電圧を示すX線透過信号(第1信号)を出力する。一方、X線ラインセンサ14は、製品Pが照射範囲Xを通過すると所定の閾値を上回る電圧を示すX線透過信号(第2信号)を出力する。第1信号および第2信号が後述の制御装置20に入力されることにより、照射範囲Xにおける製品Pの有無が検出される。
(2−5)モニタ
モニタ30は、表示部および入力部として機能する。具体的に、モニタ30は、フルドット表示の液晶ディスプレイである。モニタ30には、製品Pの検査結果が表示される。また、モニタ30には、初期設定や不良判断に関するパラメータ入力などを促す画面が表示される。さらに、モニタ30は、タッチパネル機能を有する。したがって、モニタ30は、オペレータによる検査パラメータおよび動作設定情報等の入力を受け付ける。
ここで、検査パラメータとは、製品Pの良否を判定するために必要なパラメータである。また、動作設定情報とは、検査速度やコンベアユニット12の搬送方向等の情報である。モニタ30で受け付けた検査パラメータは、後述の記憶部21に記憶される。モニタ30は、制御装置20と電気的に接続されており、制御装置20と信号の授受を行う。
(2−6)制御装置
制御装置20は、主として、CPU、ROM、RAM、およびHDD(ハードディスク)等によって構成されている。制御装置20は、図示しない表示制御回路、キー入力回路、通信ポートなども備えている。表示制御回路は、モニタ30でのデータ表示を制御する回路である。キー入力回路は、モニタ30のタッチパネルを介してオペレータにより入力されたキー入力データを取り込む回路である。通信ポートは、プリンタ等の外部機器やLAN等のネットワークとの接続を可能にする。
また、制御装置20は、図5に示すように、上述のコンベアモータ12a、エンコーダ12b、X線照射器13、X線ラインセンサ14、およびモニタ30等に電気的に接続されている。制御装置20は、エンコーダ12bからコンベアモータ12aの回転数に関するデータを取得し、当該データに基づき、製品Pの移動距離を把握する。また、制御装置20は、上述したように、X線ラインセンサ14から出力された信号を受信することにより、コンベアユニット12のベルト12d上の製品Pが照射範囲Xに来たタイミングを検出する。
また、制御装置20は、図5に示すように、主として、記憶部21および制御部22として機能する。制御装置20は、透過X線に基づき、製品Pについての噛み込み検査を行う。上述したように、噛み込み検査とは、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定するための検査である。
(2−6−1)記憶部
記憶部21は、制御部22に実行させる各種プログラムや検査パラメータを記憶する。検査パラメータは、上述したように、モニタ30のタッチパネル機能を使ってオペレータによって入力される。
記憶部21は、主として、透過画像記憶領域21a、濃度変換情報記憶領域21b、変換画像記憶領域21c、二値化画像記憶領域21d、位置情報記憶領域21e、シール情報記憶領域(領域記憶部)21f、および合成画像記憶領域21gを有する。
(a)透過画像記憶領域
透過画像記憶領域21aには、後述する透過画像生成部22aによって生成された透過画像に関するデータ(透過画像データ)が記憶されている。透過画像には、製品Pに含まれる包装材mおよび物品Gが現れる。透過画像は、後述する第1検出部22bおよび第2検出部22cによって生成される変換画像の元画像である。また、透過画像は、製品Pにおける異物混入の有無を判定するために用いられる。
(b)濃度変換情報記憶領域
濃度変換情報記憶領域21bには、透過画像の濃度変換に関する情報が記憶されている。具体的に、濃度変換情報記憶領域21bには、対象物を好適に画像上に現すための複数の濃度変換式が記憶されている。濃度変換式は、透過画像の濃度値(入力濃度値)を、対象物に応じた所定の濃度範囲について引き伸ばして、所定の出力濃度値に変換するための式である。すなわち、所定の出力濃度値は、対象物毎に設定される。ここで、対象物には、包装材mおよび物品Gが含まれる。すなわち、濃度変換情報記憶領域21bには、包装材mについての濃度変換式(第1の濃度変換式)と、物品Gについての濃度変換式(第2の濃度変換式)とが記憶されている。
図6は、製品Pの透過画像における包装材mおよび物品Gの濃度分布(濃度範囲)の例を示す。図6に示すように、包装材mおよび物品Gの濃度範囲は異なる。具体的に、包装材mの濃度範囲は、物品Gの濃度範囲と比較して高い階調にある。このように、大きく乖離した濃度範囲を有する複数の対象物の画像を含む透過画像に対して、本実施形態に係るX線検査装置10は、透過画像の入力濃度値を、対象物に応じた濃度変換式を用いて変換し、対象物が画像に鮮明に現れるように処理を実行する。
具体的に、第1の濃度変換式は、包装材mの外形を抽出するために適した変換式である。図7は、第1の濃度変換式を用いて包装材mの濃度範囲を引き延ばした場合の濃度変換曲線を示す。第1濃度変換式は、後述する第1検出部22bによって包装材画像が生成される際に用いられる。一方、第2の濃度変換式は、物品Gの外形を抽出するために適した変換式である。図8は、第2の濃度変換式を用いて物品Gの濃度範囲を引き延ばした場合の濃度変換曲線を示す。第2濃度変換式は、後述する第2検出部22cによって物品画像が生成される際に用いられる。
(c)変換画像記憶領域
変換画像記憶領域21cには、変換画像に関するデータ(変換データ)が記憶されている。変換画像は、後述する第1検出部22bおよび第2検出部22cによって生成された画像である。具体的に、変換画像には、第1検出部22bによって生成された包装材画像と、第2検出部22cによって生成された物品材画像(非包装材画像)とが含まれる。
変換画像記憶領域21cに記憶された変換画像は、変換される前の画像(すなわち、透過画像)に関するデータ(画像データ)と関連付けて記憶される。
(d)二値化画像記憶領域
二値化画像記憶領域21dには、二値化画像に関するデータ(二値化データ)が記憶されている。二値化画像は、後述する第1検出部22bおよび第2検出部22cによって生成された画像である。二値化画像には包装材二値化画像と物品二値化画像とが含まれる。包装材二値化画像は、第1検出部22bによって二値化された包装材画像である。物品二値化画像は、第2検出部22cによって二値化された物品画像である。二値化画像記憶領域21dに記憶された二値化画像は、二値化される前の画像(すなわち、包装材画像および物品画像)に関するデータ(画像データ)と関連付けて記憶される。
(e)位置情報記憶領域
位置情報記憶領域21eには、後述する第1検出部22bによって検出された包装材mの位置情報(包装材位置情報)と、第2検出部22cによって検出された物品Gの位置情報(物品位置情報)とがそれぞれ記憶されている。包装材位置情報および物品位置情報は、関連付けて記憶される。また、包装材位置情報および物品位置情報は、情報が取得された元の画像である二値化画像と関連付けて記憶される。
(f)シール情報記憶領域
シール情報記憶領域21fには、製品Pのシール情報が記憶されている。シール情報とは、製品Pが有するシール部SL1,SL2の位置情報である。具体的に、シール情報には、包装材mの外形を基準として定められる所定の領域に関する情報が含まれる。包装材mの外形を基準として定められる所定の領域とは、シール部SL1,SL2の面積に対応する領域である。すなわち、シール情報として、包装材mの外形から境界bまでの距離Dに関する情報が含まれる(図13参照)。境界bとは、包装材mにおいて、シール部SL1,SL2とシール部以外の部分(物品Gを包装する包装材mの本体部分B)との境界である。包装材mの外形から境界bまでの距離Dに基づいて、後述する噛み込み判定部22dによる判定の際に用いられる所定の閾値D1が決定される。
製品Pが複数のシール部SL1,SL2を有する場合、シール情報記憶領域21fには、複数のシール部SL1,SL2のそれぞれに関する情報が記憶されているものとする。例えば、図13に示すように、包装材mが上下に二つのシール部SL1,SL2を有する場合、シール情報記憶領域21fには、シール情報として、上方のシール部SL1に関するシール情報と、下方のシール部SL2に関するシール情報とが記憶される。
具体的に、上方のシール部SL1に関するシール情報として、例えば、包装材mの外形のうち上端が基準になる旨と、上端からのy軸方向の寸法とが記憶される。上端からのy軸方向の寸法は、上述したように、包装材mの外形から境界bまでの距離Dである。また、下方のシール部SL2に関するシール情報として、包装材mの外形のうち下端が基準になる旨と、下端からのy軸方向の寸法とが記憶される。ここでも、下端からのy軸方向の寸法は、包装材mの外形から境界bまでの距離Dである。
なお、シール情報は、製品Pの種類毎にそれぞれ記憶されているものとする。すなわち、シール情報記憶領域21fでは、製品Pの種類に応じて、各製品Pに用いられる包装材mのシール部に関する情報が記憶されている。
(g)合成画像記憶領域
合成画像記憶領域21gには、合成画像が記憶される。合成画像は、後述する合成画像生成部22eによって生成された画像である。具体的に、合成画像とは、包装材画像と物品画像とを合成させた画像である。
なお、合成画像記憶領域21gに記憶された合成画像もまた、透過画像記憶領域21aに記憶された画像データと関連付けて記憶される。
(2−6−2)制御部
制御部22は、記憶部21に記憶された各種プログラムを実行することにより、透過画像生成部22a、第1検出部22b、第2検出部22c、噛み込み判定部22d、合成画像生成部22e、および良否判定部22fとして機能する。
(a)透過画像生成部
透過画像生成部22aは、X線ラインセンサ14によって検出された透過X線量に基づいて透過画像(X線画像)を生成する。具体的に、透過画像生成部22aは、X線ラインセンサ14の各X線検出素子14aから出力されるX線透過信号を細かい時間間隔で取得し、取得したX線透過信号の強度(輝度)に基づいて透過画像を生成する。すなわち、透過画像生成部22aは、扇状のX線の照射範囲X(図3参照)を製品Pが通過する際に各X線検出素子14aから出力されるX線透過信号に基づいて、製品Pを含む透過画像を生成する。照射範囲Xにおける製品Pの有無は、X線ラインセンサ14が出力する信号により判断される。
透過画像生成部22aは、各X線検出素子14aから得られるX線の強度(輝度)に関する細かい時間間隔毎のデータをマトリクス状に時系列につなぎ合わせて、製品Pについての透過画像を生成する。透過画像生成部22aによって生成された透過画像は、透過画像記憶領域21aに記憶される。
(b)第1検出部
第1検出部22bは、包装材mの位置情報を検出する。また、第1検出部は、包装材mの位置情報を検出するために、透過画像のうち包装材mの明るさに近い部分を抽出する。詳細には、第1検出部22bは、包装材領域抽出処理と、包装材二値化処理と、包装材位置情報検出処理とを実行する。
(b−1)包装材領域抽出処理
包装材領域抽出処理において、第1検出部22bは、透過X線から包装材mの濃度領域を抽出する。具体的に、第1検出部22bは、透過画像データに基づいて、包装材mに関する情報の含まれる部分の階調を引き伸ばし、包装材m以外の部分の階調を圧縮して透過画像のコントラストを強調した画像(包装材画像)を生成する(図7および図9参照)。すなわち、第1検出部22bは、透過画像の濃度値を変換して、包装材mがはっきりと現れる包装材画像を生成する。
より具体的に、第1検出部22bは、濃度変換情報記憶領域21bに記憶されている情報(第1の濃度変換式)に基づいて、透過画像の濃度値を包装材mに適した濃度値に変換する。言い換えると、第1検出部22bは、第1の濃度変換式を用いて、透過画像の濃度値(入力濃度値)を、包装材mの濃度範囲に適した出力濃度値に変換する(図6および図7参照)。
第1検出部22bは、生成した包装材画像を上述した変換画像記憶領域21cに記憶する。このとき、第1検出部22bは、包装材画像と、変換前の透過画像とを関連付けて、変換画像記憶領域21cに記憶する。
(b−2)包装材二値化処理
包装材二値化処理において、第1検出部22bは、包装材画像の二値化処理を実行する。第1検出部22bは、包装材画像に対する二値化処理(第1の二値化処理)を実行することによって、包装材二値化画像を生成する(図10参照)。
包装材二値化処理において、第1検出部22bは、第1の所定の閾値と、包装材画像を構成する各画素の濃度とを比較し、包装材画像を構成する各画素の濃度が第1の所定の閾値以下かどうかを判断し、包装材画像を二値化する。ここで、第1の所定の閾値とは、製品Pに含まれる包装材mと、それ以外の部分とを識別するために設定される閾値である。
具体的に、第1検出部22bは、包装材画像を構成する全画素のうち、第1の所定の閾値を上回る濃度を有する画素を特定する。さらに、第1検出部22bは、第1の所定の閾値を上回る濃度を有する画素を、白に対応する諧調(255)で表し、第1の所定の閾値以下の濃度を有する画素については黒に対応する諧調(0)で表すように、包装材画像のデータを処理する。このようにして、第1検出部22bは、包装材二値化画像を生成する(図10参照)。
なお、包装材二値化処理において生成された包装材二値化画像に関するデータ(二値化データ)は、上述した二値化画像記憶領域21dに記憶される。
(b−3)包装材位置情報検出処理
包装材位置情報検出処理において、第1検出部22bは、包装材mの位置情報を検出する。具体的に、第1検出部22bは、包装材二値化処理において生成された包装材二値化画像に基づいて、透過画像における包装材mの位置を特定する。包装材mの位置とは、包装材mの外形を構成する画素の座標である。第1検出部22bによって検出された包装材mの位置情報は、情報が取得された元の画像である包装材二値化画像と関連付けて、位置情報記憶領域21eに記憶される。
(c)第2検出部
第2検出部22cは、物品Gの位置情報を検出する。また、第2検出部22cは、物品Gの位置情報を検出するために、透過画像のうち物品Gの明るさに近い部分を抽出する。詳細には、第2検出部22cは、物品領域抽出処理と、物品二値化処理と、物品位置情報検出処理とを実行する。
(c−1)物品領域抽出処理
物品領域抽出処理において、第2検出部22cは、透過X線から物品Gの濃度領域を抽出する。具体的に、第2検出部22cは、透過画像データに基づいて、物品Gに関する情報の含まれる部分の階調を引き伸ばし、物品G以外の部分の階調を圧縮して透過画像のコントラストを強調した画像(物品画像)を生成する(図8および図11参照)。すなわち、第1検出部22bは、透過画像の濃度値を変換して、物品Gがはっきりと現れる物品画像を生成する。
より具体的に、第2検出部22cは、濃度変換情報記憶領域21bに記憶されている情報(第2の濃度変換式)に基づいて、透過画像の濃度値を物品Gに適した濃度値に変換する。言い換えると、第2検出部22cは、第2の濃度変換式を用いて、透過画像の濃度値(入力濃度値)を、物品Gの濃度範囲に適した出力濃度値に変換する(図6および図8参照)。
第2検出部22cは、生成した物品画像を上述した変換画像記憶領域21cに記憶する。このとき、第2検出部22cは、物品画像と、変換前の透過画像とを関連付けて、変換画像記憶領域21cに記憶する。
(c−2)物品二値化処理
物品二値化処理において、第2検出部22cは、物品画像の二値化処理を実行する。第2検出部22cは、物品画像に対する二値化処理(第2の二値化処理)を実行することによって、物品二値化画像を生成する(図12参照)。
物品二値化処理において、第2検出部22cは、第2の所定の閾値と、物品画像を構成する各画素の濃度とを比較し、物品画像を構成する各画素の濃度が第2の所定の閾値以下かどうかを判断し、物品画像を二値化する。ここで、第2の所定の閾値とは、製品Pに含まれる物品Gと、それ以外の部分とを識別するために設定される閾値である。
具体的に、第2検出部22cは、物品画像を構成する全画素のうち、第2の所定の閾値を上回る濃度を有する画素を特定する。さらに、第2検出部22cは、第2の所定の閾値を上回る濃度を有する画素を、白に対応する諧調(255)で表し、第1の所定の閾値以下の濃度の画素については黒に対応する諧調(0)で表すように、物品画像のデータを処理する。このようにして、第2検出部22cは、物品二値化画像を生成する(図12参照)。
なお、物品二値化処理において生成された物品二値化画像に関するデータ(二値化データ)は、上述した二値化画像記憶領域21dに記憶される。
(c−3)物品位置情報検出処理
物品位置情報検出処理において、第2検出部22cは、物品Gの位置情報を検出する。具体的に、第2検出部22cは、物品二値化処理において生成された物品二値化画像に基づいて、透過画像における物品Gの位置を特定する。物品Gの位置とは、物品Gの外形を構成する画素の座標である。第2検出部22cによって検出された物品Gの位置情報は、情報が取得された元の画像である物品二値化画像と関連付けて、位置情報記憶領域21eに記憶される。
(d)噛み込み判定部
噛み込み判定部22dは、包装材mに関する位置情報(包装材位置情報)と、物品に関する位置情報(物品位置情報)と、シール情報とに基づいて、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定する。言い換えると、噛み込み判定部22dは、包装材画像および物品画像のそれぞれに基づいて得られた位置情報と、シール情報とに基づいて、包装材mの所定の場所に、物品Gが存在するか否かを判定し、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定する。具体的に、噛み込み判定部22dは、算出処理工程および判定処理工程を実行する。
(d−1)算出処理工程
噛み込み判定部22dは、算出処理工程において、包装材mの外形から包装材m以外の物の外形までの距離dを算出する。具体的に、噛み込み判定部22dは、位置情報記憶領域21eに記憶されている物品位置情報を呼び出し、物品Gの外形を特定する。また、噛み込み判定部22dは、位置情報記憶領域21eに記憶されている包装材位置情報を呼び出し、包装材mの外形を特定する。ここで、噛み込み判定部22dは、物品Gの外形から最短距離にある包装材mの外形を特定するものとする。すなわち、噛み込み判定部22dは、先に特定した物品Gの外形の座標と同一のx軸上にある包装材mの外形の座標を特定する。その後、噛み込み判定部22dは、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dを算出する(図13参照)。
より具体的に、噛み込み判定部22dは、シール情報記憶領域21fに記憶されているシール情報に基づいて、包装材mの外形のうち上端の座標および下端の座標を特定する。また、噛み込み判定部22dは、物品Gの外形のうち最上端の座標および最下端の座標を特定する。さらに、噛み込み判定部22dは、物品Gの最上端の座標および包装材mの上端の座標と、物品Gの最下端の座標および包装材mの下端の座標とに基づいて、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dを算出する。
図13を用いて、算出処理工程をさらに詳細に説明する。図13は、包装材mの内部に物品Gと物品Gの破片G’1,G’2とが含まれる製品Pを示す。このような製品Pが検査対象となる場合、噛み込み判定部22dは、例えば、物品Gの外形から包装材mの外形までの距離d(d0,d1)と、物品Gの二つの破片G’1,G’2の外形から包装材mの外形までの距離d(d2,d3)とをそれぞれ算出する。
具体的に、噛み込み判定部22dは、物品Gの外形の最上端から包装材mの上端までの距離d(d0)を算出する。また、噛み込み判定部22dは、物品Gの外形の最下端から包装材mの下端までの距離d(d1)を算出する。さらに、噛み込み判定部22dは、破片G’1の外形の最上端から包装材mの上端までの距離d(d2)と、破片G’2の外形の最上端から包装材mの上端までの距離d(d3)とをそれぞれ算出する。
(d−2)判定処理工程
噛み込み判定部22dは、判定処理工程において、シール部対応領域に、物品Gが存在するか否かを判定する。シール部対応領域とは、シール情報に基づいて特定される領域であって、シール部SL1,SL2の面積に対応する領域である。噛み込み判定部22dは、包装材二値化画像および物品二値化画像の両方のデータを用いて、シール部対応領域に物品Gが存在するか否かを判定する。言い換えると、噛み込み判定部22dは、包装材二値化画像および物品二値化画像の両方のデータを用いて、包装材mのシール部SL1,SL2に対して物品Gが噛み込まれているか否かを判定する。
具体的に、噛み込み判定部22dは、算出処理工程において算出された包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dと、シール情報記憶領域21fに記憶された距離Dに関する所定の閾値D1とを比較して、シール部対応領域に物品Gが存在するか否かを判定する。
より具体的に、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dが、所定の閾値D1より大きい場合(d>D1)には、噛み込み判定部22dは、シール部対応領域に物品Gが存在しないものと判定する。すなわち、距離dが所定の閾値D1より大きい場合には、噛み込み判定部22dは、包装材mに対する物品Gの噛み込みは無いものと判定する。一方、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dが、所定の閾値D1以下である場合(d≦D1)には、噛み込み判定部22dは、シール部対応領域に物品Gが存在するものと判定する。すなわち、距離dが所定の閾値D1以下の場合には、噛み込み判定部22dは、包装材mに対して物品Gが噛み込まれていると判定する。
図13を例に説明すると、物品Gの外形の最上端から包装材mの上端までの距離d(d0)は、所定の閾値D1より大きい(d0>D1)。また、物品Gの外形の最下端から包装材mの下端までの距離d(d1)も、所定の閾値D1より大きい(d1>D1)。さらに、物品Gの破片G’1の外形の最上端から包装材mの上端までの距離d(d2)も、所定の閾値D1より大きい(d2>D1)。しかし、物品Gの破片G’2の外形の最上端から包装材mの上端までの距離d(d3)は、所定の閾値D1以下である(d3≦D1)。ここで、噛み込み判定部22dは、所定の閾値D1と比較した距離d(d0〜d3)のいずれかが、所定の閾値D1以下である場合には、包装材mに対する物品Gの噛み込みがあるものと判定する。したがって、噛み込み判定部22dは、図13に示す製品Pについて、包装材mに対する物品Gの噛み込みがあるものと判定する。
噛み込み判定部22dは、判定結果を、透過画像に関するデータと関連付けて、上述の記憶部21に記憶する。
(e)合成画像生成部
合成画像生成部22eは、包装材画像と物品画像とを合成して、製品Pについての合成画像を生成する。すなわち、合成画像生成部22eは、包装材mおよび物品Gの両方が明確に表れた画像(合成画像)を生成する。
合成画像生成部22eによって生成された合成画像は、透過画像と関連付けて、合成画像記憶領域21gに記憶される。合成画像は、その後、モニタ30に表示される。
(f)良否判定部
良否判定部22fは、噛み込み判定部22dによって得られた判定結果に基づいて、製品Pに関する良品/不良品の判定を行う。言い換えると、良否判定部22fは、記憶部21に記憶された噛み込みの有無に関する情報に基づいて、製品Pに対する良品/不良品の判定を行う。具体的に、噛み込み無しの判定結果が記憶されていた場合、良否判定部22fは、製品Pを良品であるものと判定する。一方、噛み込み有りの判定結果が記憶されていた場合、良否判定部22fは、製品Pを不良品であるものと判定する。
良否判定部22fは、製品Pの良品/不良品の別を判断すると、製品Pが良品/不良品のいずれかである旨を示す信号(判定結果)を出力する。良否判定部22fによって出力された信号は、振り分け機構70に送られる。振り分け機構70は、良否判定部22fによる判定結果に基づき、製品Pをラインコンベアユニット80または不良品排出方向90,91に振り分ける。
(3)処理の流れ
図14Aおよび図14Bを参照しながら、X線検査装置10による処理の流れを説明する。
X線検査装置10に製品Pが投入されると、ステップS1では、透過画像生成部22aによって、製品Pの透過画像が生成される。透過画像は、透過X線に基づいて、生成される。透過画像が生成されると、透過画像に関するデータ(透過画像データ)が透過画像記憶領域21aに記憶される。透過画像データが透過画像記憶領域21aに記憶されると、ステップS2に進む。
ステップS2では、透過X線に基づいて生成された透過画像の濃度値が、第1検出部22bによって変換される。ここでは、第1の濃度変換式を用いて、透過画像の濃度値(入力濃度値)が、包装材mの濃度範囲に適した出力濃度値に変換される(図7参照)。これにより、包装材mの外形がはっきり見えるようにコントラストを強調した画像(包装材画像)が生成される(図9参照)(包装材領域抽出処理)。包装材画像は、変換画像記憶領域21cに記憶される。その後、ステップS3に進む。
ステップS3では、第1検出部22bによって、包装材画像が二値化処理される(包装材二値化処理)。具体的に、包装材画像を構成する全画素のうち、第1の所定の閾値を上回る濃度を有する画素が特定される。さらに、第1の所定の閾値を上回る濃度を有する画素が、白に対応する諧調(255)で表わされ、第1の所定の閾値以下の濃度を有する画素については黒に対応する諧調(0)で表される。その結果、包装材二値化画像が生成される(図10参照)。言い換えると、透過画像から包装材mのみを抜き出した画像が生成される。包装材二値化画像は、二値化画像記憶領域21dに記憶される。その後、ステップS4に進む。
ステップS4では、第1検出部22bによって、包装材二値化画像に基づいて、包装材mの位置情報が検出される(包装材位置情報検出処理)。すなわち、第1検出部22bは、包装材二値化画像に基づいて、包装材mの外形を構成する画素の座標を検出する。第1検出部22bによって検出された包装材mの位置情報は、位置情報が取得された元の画像である包装材二値化画像と関連付けて、位置情報記憶領域21eに記憶される。その後、ステップS5に進む。
ステップS5では、第2検出部22cによって、透過X線に基づいて生成された透過画像の濃度値が変換される。ここでは、第2の濃度変換式を用いて、透過画像の濃度値(入力濃度値)が、物品Gの濃度範囲に適した出力濃度値に変換される(図8参照)。これにより、物品Gの外形がはっきり見えるようにコントラストを強調した画像(物品画像)が生成される(図11参照)(物品領域抽出処理)。物品画像は、変換画像記憶領域21cに記憶される。その後、ステップS6に進む。
ステップS6では、第2検出部22cによって、物品画像が二値化処理される(物品二値化処理)。具体的に、物品画像を構成する全画素のうち、第2の所定の閾値を上回る濃度を有する画素が特定される。さらに、第2の所定の閾値を上回る濃度の画素が、白に対応する諧調(255)で表わされ、第2の所定の閾値以下の濃度を有する画素については黒に対応する諧調(0)で表される。その結果、物品二値化画像が生成される(図12参照)。言い換えると、透過画像から物品Gのみを抜き出した画像が生成される。物品二値化画像は、二値化画像記憶領域21dに記憶される。その後、ステップS7に進む。
ステップS7では、第2検出部22cによって、物品二値化画像に基づいて、物品Gの位置情報が検出される(物品位置情報検出処理)。すなわち、第2検出部22cは、物品二値化画像に基づいて、物品Gの外形を構成する画素の座標を検出する。第2検出部22cによって検出された物品Gの位置情報は、位置情報が取得された元の画像である物品二値化画像と関連付けて、位置情報記憶領域21eに記憶される。その後、ステップS8に進む。
ステップS8では、噛み込み判定部22dによって算出処理工程が実行される。具体的に、算出処理工程では、包装材位置情報および物品位置情報に基づいて、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離d(d0〜d3)が算出される(図13参照)。その後、ステップS9に進む。
ステップS9では、噛み込み判定部22dによって判定処理が実行される。具体的に、判定処理工程では、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dと、所定の閾値D1(シール部SL1,SL2の距離D)とが比較される。ステップS9において、距離dが、所定の閾値D1より大きい場合(d>D1)には、包装材mに対する物品Gの噛み込みは無いものと判定されて、ステップS10に進む。一方、ステップS9において、距離dが、所定の閾値D1以下の場合(d≦D1)には、包装材mに対して物品Gが噛み込まれていると判定されて、ステップS11に進む。
ステップS10では、噛み込みについての判定結果に基づいて、良否判定部22fは、製品Pを良品と判定する。また、モニタ30において製品Pが良品である旨が報知される。
ステップS11では、合成画像生成部22eによって、包装材画像および物品画像の合成画像が生成される。すなわち、合成画像生成部22eによって、包装材mのどの位置に物品Gが噛み込まれているかを示す合成画像が生成される。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、噛み込みの判定結果に基づいて、良否判定部22fは、製品Pを不良品と判定する。また、モニタ30において、不良品である旨が報知されると共に、合成画像が表示される。
(4)特徴
(4−1)
上記実施形態に係るX線検査装置(検査装置)10は、包装材mと包装材mに包装された物品Gとからなる製品(対象製品)Pについて、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を検査する。X線検査装置10は、X線照射器(光照射部)13と、X線ラインセンサ(光検出部)14と、制御装置(検査制御部)20とを備える。X線照射器13は、製品Pに対してX線(光線)を照射する。X線ラインセンサ14は、透過X線(透過光)を検出する。透過X線は、製品Pを透過したX線である。制御装置20は、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を検査する。制御装置20は、第1検出部22bと、第2検出部22cと、シール情報記憶領域(領域記憶部)21fと、噛み込み判定部22dとを有する。第1検出部22bは、透過X線に基づき、包装材mの位置情報を検出する。第2検出部22cは、透過X線に基づき、包装材m以外の物の位置情報を検出する。包装材m以外の物は、物品Gを含む。シール情報記憶領域21fは、シール情報(領域情報)を記憶する。シール情報は、包装材mの位置情報を基準として、包装材m以外の物が存在すべきではない所定の領域に関する情報である。噛み込み判定部22dは、包装材mの位置情報と、包装材m以外の物の位置情報と、領域情報とに基づいて、所定の領域に包装材m以外の物が存在するか否かを判定する。これにより、噛み込み判定部22dは、包装材mに対する物品の噛み込みの有無を判定する。
近年、対象製品に対して、薄くて丈夫な包装材が開発されている。包装材が薄い場合、物品がはっきり現れるように濃度を調整して透過画像を生成すると、対象製品中の物品のみが透過画像にはっきり現れる。すなわち、透過画像に包装材が現れない。一方、包装材がはっきり現れるように濃度を調整して透過画像を生成すると、対象製品中の包装材のみが透過画像にはっきり現れて、物品は透過画像に現れない。このような場合、包装材に対する物品の噛み込みを正確に判定することは困難である。
しかし、上記実施形態に係るX線検査装置10では、透過X線に基づいて、包装材mの位置情報と、包装材m以外の物の位置情報とが検出される。また、包装材m以外の物が存在すべきではない所定の領域に関する領域情報が記憶される。X線検査装置10は、包装材および物品の位置情報と、領域情報とに基づいて、所定の領域に物品Gが存在するか否かを判定して包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定する。これにより、包装材mと物品Gとが一の透過画像に好適に現れない場合であっても、包装材mへの物品Gの噛み込みの有無を確実に判定することができる。
(4−2)
また、上記実施形態に係るX線検査装置10では、第1検出部22bは、透過X線(透過光)のうち、包装材mの濃度領域を抽出し、包装材mの位置情報を検出する。また、第2検出部22cは、透過X線(透過光)のうち、包装材m以外の物の濃度領域を抽出する。
包装材mおよび包装材m以外の物(物品)Gの濃度領域がそれぞれ抽出されるため、正確な判定結果を得ることができる。
(4−3)
また、上記実施形態に係るX線検査装置10において、制御装置(検査制御部)20は、透過画像生成部(透過画像生成部)22aを有することが好ましい。透過画像生成部22aは、透過X線(透過光)に基づき、透過画像を生成する。第1検出部22bは、第1の濃度変換式を用いて透過画像の濃度値を変換し、包装材画像を生成する。これにより、第1検出部22bは、包装材mの位置情報を検出する。また、第2検出部22cは、第1の濃度変換式とは異なる第2の濃度変換式を用いて透過画像の濃度値を変換し、非包装材画像を生成する。これにより、第2検出部22cは、包装材m以外の物(物品)Gの位置情報を検出する。
複数の変換式を用いて一の透過画像の濃度を変換することによって、一の透過画像から包装材画像および非包装材画像が生成される。また、包装材画像および非包装材画像に基づいてそれぞれの位置情報が得られる。これにより、精度よく包装材mの位置を検出することができる。さらに、処理速度を速めることができる。
(4−4)
また、上記実施形態に係るX線検査装置10では、噛み込み判定部22dは、算出処理工程と、判定処理工程とを含む。算出処理工程は、包装材画像における包装材mの位置情報と、物品画像(非包装材画像)における包装材m以外の物(物品)Gの位置情報とに基づき、包装材mの外形から物品Gの外形までの距離dを算出する工程である。
判定処理工程は、距離dと所定の閾値D1(領域情報)とに基づいて、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定する工程である。包装材mの位置情報および物品Gの位置情報に基づいて、包装材mのエッジから物品Gまでの距離dが算出され、かつ、距離dが所定の閾値D1と比較されて、包装材mへの物品Gの噛み込みの有無が判定される。これにより、物品Gに欠けや割れが生じて、欠けや割れの部分が包装材mに噛み込まれた場合であっても、包装材mに対する物品Gの噛み込みを確実に検出することができる。
(4−5)
また、上記実施形態に係るX線検査装置10では、X線照射器(光照射部)13によってX線(光線)が照射される。これにより、アルミ蒸着フィルムなど、可視光を透過しない包装材についても鮮明に撮像することができる。
(5)変形例
(5−1)変形例A
上記実施形態に係るX線検査装置10では、制御部22が、第1検出部22bおよび第2検出部22cとして機能し、透過画像を濃度変換する。すなわち、第1検出部22bが、透過画像の濃度値を、物品Gがはっきりと画像に現れるような出力濃度値に変換して、物品画像を生成する。また、第2検出部22cが、透過画像の濃度値を、包装材mがはっきりと画像に現れるような出力濃度値になるように変換して、包装材画像を生成する。
ここで、制御部22が、さらに、第3検出部22gおよび傾き判定部22hとして機能してもよい。図15に、制御部22が第3検出部22gおよび傾き判定部22hをさらに有するX線検査装置110を示す。
第3検出部22gは、包装材mの傾きを把握可能な包装材mの部分であって本体部分Bおよびシール部SL1,SL2の厚みとは異なる厚みを有する部分がはっきりと画像に現れるように、透過画像の濃度値を変換する。包装材mの背貼り部(シール部)SL3の位置情報を検出する。ここでは、第3検出部22gは、透過X線(透過光)に基づき、包装材mの背貼り部SL3の位置情報を検出する。すなわち、第3検出部22gは、背貼り部SL3がはっきり画像に現れるように、透過画像の濃度値を変更する。
背貼り部SL3とは、包装材mの長手方向に延びるシールである(図13参照)。背貼り部SL3は、包装材mを輪にして、包装材mの端部裏面同士を合わせて、熱で貼り合わせた部分である。背貼り部SL3は、本体部分Bの表面に沿うように折り曲げられる。したがって、背貼り部SL3は、本体部分Bやシール部SL1,SL2の厚みに比べて分厚い。
第3検出部22gは、透過画像の濃度値を変更して、背貼り部画像(シール部画像)を生成する(図16および図17参照)。その後、背貼り部画像が二値化されて背貼り部二値化画像が生成される。第3検出部22gは、背貼り部二値化画像に基づいて、背貼り部SL3の位置情報を検出する。傾き判定部22hは、背貼り部SL3の位置情報に基づき、コンベアユニット12による搬送方向に対する製品Pの傾きを判定する。言い換えると、傾き判定部22hは、背貼り部二値化画像に表れる背貼り部SL3が延びる方向に基づき、コンベアユニット12の搬送方向に対する製品Pの傾きを判定する。
上記実施形態に係るX線検査装置10では、コンベアユニット12の搬送方向に直交する方向の上下に包装材mのシール部SL1,SL2が位置するように、製品Pが搬送されている。そのため、X線検査装置10では、製品Pの傾きを判定する必要がない。
しかし、X線検査装置10の上流側からX線検査装置10に対して送られてくる製品Pの傾きが一定でない場合には、上記実施形態に係るX線検査装置10では、シール部SL1,SL2に対する物品Gの噛み込みを正確に判定できない場合がある。
そこで、X線検査装置110は、製品Pの傾きを判定するために、制御部22を、第3検出部22gおよび傾き判定部22hとして機能させる。これにより、X線検査装置110の上流側からX線検査装置110に対して送られてくる製品Pの傾きが一定でない場合や、コンベアユニット12によって搬送される製品Pの傾きが一定でなかった場合などに、搬送方向に対する製品Pの傾きを考慮して、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定することができる。
(5−2)変形例B
上記実施形態に係るX線検査装置10では、包装材画像および物品画像がそれぞれ二値化処理されて包装材mの位置情報(外形)物品Gの位置情報(外形)が特定される。
ここで、X線検査装置10では、包装材画像および物品画像に対する二値化処理に代えてエッジ処理を実行することにより、包装材mおよび物品Gの外形を特定してもよい。
(5−3)変形例C
上記実施形態に係るX線検査装置10では、非包装材画像として、物品画像を生成した。ここで、非包装画像は、物品画像の他、他の対象物の階調に応じた濃度変換を行った画像であってもよい。
上記実施形態では、対象物には、包装材mおよび物品Gが含まれる。ここで、対象物には、包装材mおよび物品Gの他、異物が含まれていてもよい。すなわち、X線検査装置10は、透過画像の濃度値を変換して、製品Pに含まれる異物を検出するために適した画像を生成してもよい。言い換えると、第2検出部22cは、第2の濃度変換式と、第2の濃度変換式とは異なる第3の濃度変換式とを用いて、透過画像の濃度値を変換することにより、複数の非包装材画像を生成してもよい。
具体的に、濃度変換情報記憶領域21bに、透過画像の濃度値を、異物に適した濃度値に変換するための濃度変換式(第3の濃度変換式)を記憶させる。第3の濃度変換式は、第2の濃度変換式とは異なる濃度変換式である。第2検出部22cは、第2の濃度変換式および第3の濃度変換式をそれぞれ用いて、透過画像の濃度値を変換し、物品画像および異物画像を生成する。異物画像は、その後、二値化される。良否判定部22fは、二値化された異物画像に基づいて、製品Pにおける異物の有無(異物混入の有無)も判定する。良否判定部22fは、噛み込みの有無および異物混入の有無の両方に基づいて、製品Pの良否判定を行う。
これにより、X線検査装置10において、包装材mに対する物品Gの噛み込みに加えて、製品Pの異物混入の有無も検査することができる。
(5−4)変形例D
上記実施形に係るX線検査装置10では、第2検出部22cが、第2の濃度変換式を用いて、透過画像の濃度値を変換して物品画像を生成する。
ここで、二種類以上の物品を含む製品Pについて、第2検出部22cは、物品Gの種類に応じた複数の濃度変換式を用いて、複数の物品画像(非包装材画像)を生成してもよい。すなわち、X線検査装置10は、複数種類の物品Gが含まれる製品Pについて、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定するように設計されてもよい。
具体的に、濃度変換情報記憶領域21bに、物品Gの種類毎に適当な濃度変換式を記憶させておく。言い換えると、濃度変換情報記憶領域21bには、各物品Gの濃度範囲に適した濃度値に変換するための複数の濃度変換式が記憶されている。例えば、製品Pに濃度範囲が異なる二つの物品Gが含まれている場合、濃度変換情報記憶領域21bには、当該二つの物品Gのそれぞれの濃度範囲に適した濃度値に変換するための二つの濃度変換式を記憶させておく。
第2検出部22cは、複数の濃度変換式のそれぞれを用いて、透過画像の濃度値を変換し、それぞれについての物品画像を生成する。すなわち、第2検出部22cは、物品Gの数に応じた物品画像(ここでは、二つの物品画像)を生成する。
また、噛み込み判定部22dは、包装材画像と、全ての物品画像とに基づいて、包装材mに対する物品Gの噛み込みの有無を判定する。
これにより、物品Gの種類毎に濃度変換が行われ、物品Gの種類毎に物品画像が生成される。そのため、製品Pが複数種類の物品Gを含む場合にも、適切に物品Gの噛み込みの有無を判定することができる。すなわち、複数種類の物品Gを含む製品Pについても、正確な噛み込み検査を実施することができる。
(5−5)変形例E
上記実施形態に係るX線検査装置10では、ステップS2で、透過画像に基づいて包装材画像が生成され、ステップS3で、包装材画像が二値化される。さらに、ステップS5で、透過画像に基づいて物品画像が生成され、さらに、ステップS6で、物品画像が二値化される。
ここで、包装材画像が生成されるステップ(ステップS2)および包装材画像が二値化されるステップ(ステップS3)は、物品画像が生成されるステップ(ステップS5)および物品画像が二値化されるステップ(ステップS6)が実行された後、実行される構成であってもよい。
また、包装材画像が二値化されるステップ(ステップS3)は、物品画像が生成されるステップ(ステップS5)が実行された後に実行されるように構成されていてもよい。
すなわち、透過画像に基づいて包装材画像および物品画像が生成され、包装材画像および物品画像が二値化処理される構成であれば、各ステップがどのような順番で実行されてもよい。
(5−6)変形例F
上記実施形態に係るX線検査装置10では、包装材二値化画像に基づいて包装材mの外形を特定し、さらに、包装材mの上端の外形から物品Gの外形までの距離dと、距離Dについての所定の閾値(D1)とを比較して、包装材mの上端から所定の距離Dの間に物品Gがあるかどうかを判定した。
ここで、シール部の形状や場所に応じて、異なる方法でシール部対応領域を特定し、シール部に存在する物品Gの有無を判断するようにしてもよい。例えば、噛み込み判定部22dは、包装材mの外形のうち左上の座標を基準として、x軸方向の座標およびy軸方向の座標を特定して所定の領域を指定することにより、シール部対応領域を特定してもよい。
これにより、多様な包装態様の製品Pについて、噛み込み検査を行うことができる。
(5−7)変形例G
上記実施形態では、製品Pに対してX線を照射することにより製品Pの良否判断を行うX線検査装置10としての検査装置を採用した。
ここで、検査装置は、X線を照射するX線検査装置ではなく、赤外線、近赤外線、および紫外線等の光線を用いた検査装置であってもよい。これにより、X線で検知することができない薄い透明のフィルムについても検出することができる。
10 X線検査装置(検査装置)
11 シールドボックス
12 コンベアユニット(コンベア)
13 X線照射器(光照射部)
14 X線ラインセンサ(光検出部)
14a X線検出素子
20 制御装置(検査制御部)
21 記憶部
21a 透過画像記憶領域
21b 濃度変換情報記憶領域
21c 変換画像記憶領域
21d 二値化画像記憶領域
21e 位置情報記憶領域
21f シール情報記憶領域(領域記憶部)
21g 合成画像記憶領域
22 制御部
22a 透過画像生成部
22b 第1検出部
22c 第2検出部
22d 噛み込み判定部
22e 合成画像生成部
22f 良否判定部
22g 第3検出部
22h 傾き判定部
30 モニタ
70 振り分け機構
80 ラインコンベアユニット
100 検査ライン(X線検査システム)
特開2011−196796号公報

Claims (9)

  1. 包装材と前記包装材に包装された物品とからなる対象製品について、前記包装材に対する前記物品の噛み込みの有無を検査するための検査装置であって、
    前記対象製品に対して光線を照射する光照射部と、
    前記対象製品を透過した前記光線である透過光を検出する光検出部と、
    前記包装材に対する前記物品の噛み込みの有無を検査する検査制御部と、
    を備え、
    前記検査制御部は、
    前記透過光に基づき、前記包装材の位置情報を検出する第1検出部と、
    前記透過光に基づき、前記物品を含む前記包装材以外の物の位置情報を検出する第2検出部と、
    前記包装材の位置情報を基準として、前記包装材以外の物が存在すべきではない所定の領域に関する領域情報を記憶する領域記憶部と、
    前記包装材の位置情報と、前記包装材以外の物の位置情報と、前記領域情報とに基づいて、前記所定の領域に前記包装材以外の物が存在するか否かを判定することにより、前記包装材に対する前記物品の噛み込みの有無を判定する噛み込み判定部と、
    を有する、
    検査装置。
  2. 前記第1検出部は、前記透過光のうち、前記包装材の濃度領域を抽出し、前記包装材の位置情報を検出し、
    前記第2検出部は、前記透過光のうち、前記包装材以外の物の濃度領域を抽出する、
    請求項1に記載の検査装置。
  3. 前記検査制御部は、
    前記透過光に基づき、透過画像を生成する透過画像生成部
    をさらに有し、
    前記第1検出部は、第1の濃度変換式を用いて前記透過画像の濃度値を変換し、包装材画像を生成することにより、前記包装材の位置情報を検出し、
    前記第2検出部は、前記第1の濃度変換式とは異なる第2の濃度変換式を用いて前記透過画像の濃度値を変換し、非包装材画像を生成することにより、前記包装材以外の物の位置情報を検出する、
    請求項1または2に記載の検査装置。
  4. 前記噛み込み判定部は、
    前記包装材画像における前記包装材の位置情報と、前記非包装材画像における前記包装材以外の物の位置情報とに基づき、前記包装材の外形から前記包装材以外の物の外形までの距離を算出する算出処理工程と、
    前記距離と前記領域情報とに基づいて、前記包装材に対する前記物品の噛み込みの有無を判定する判定処理工程と
    を含む、
    請求項3に記載の検査装置。
  5. 前記第2検出部は、前記第2の濃度変換式と、前記第2の濃度変換式とは異なる第3の濃度変換式とを用いて、前記透過画像の前記濃度値を変換することにより、複数の前記非包装材画像を生成する、
    請求項3または4に記載の検査装置。
  6. 前記対象製品は、二種類以上の前記物品を含み、
    前記第2検出部は、前記物品の種類に応じた複数の濃度変換式を用いて、複数の前記非包装材画像を生成する、
    請求項3から5のいずれかに記載の検査装置。
  7. 前記対象製品を搬送するコンベアをさらに備え、
    前記検査制御部は、
    前記透過光に基づき、前記包装材のシール部の位置情報を検出する第3検出部と、
    前記シール部の位置情報に基づき、前記コンベアによる搬送方向に対する前記対象製品の傾きを判定する傾き判定部と、
    をさらに有する、
    請求項1から6のいずれかに記載の検査装置。
  8. 前記光照射部によって照射される前記光線は、X線である、
    請求項1から7のいずれかに記載の検査装置。
  9. 前記光照射部によって照射される前記光線は、近赤外線である、
    請求項1から7のいずれかに記載の検査装置。
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