JP2002096350A - 成形方法及び予備成形装置 - Google Patents

成形方法及び予備成形装置

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JP2002096350A
JP2002096350A JP2000289064A JP2000289064A JP2002096350A JP 2002096350 A JP2002096350 A JP 2002096350A JP 2000289064 A JP2000289064 A JP 2000289064A JP 2000289064 A JP2000289064 A JP 2000289064A JP 2002096350 A JP2002096350 A JP 2002096350A
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molded
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Kunio Imai
邦雄 今井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の金型に特殊な加工を施すことなく、深
絞りや複雑な形状の成型品に対して絵柄を施すことの可
能な成形方法、及び、これに用いる予備成形装置を提供
すること。 【解決手段】 予備成形機3の予備成形型22は、成形
型14と少なくとも一部がほぼ同一である。この成形型
22と加熱ヘッド32との間に絵付フィルム4を配置し
て加熱ヘッド32の発熱により絵付フィルム4を可塑化
させて予備成形を行った後に切断し、成形フィルムを作
成する。そして、この成形フィルムを成形フィルム搬送
装置50により成形型14に挿入した後に樹脂を供給
し、絵付きの成形品を得る。予備成形は真空成形又は圧
空成形により行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形型に絵付きの
フィルムを挿入し、この成形型に樹脂を供給するするこ
とにより絵付きの成形品を得る成形方法、及び、これに
用いる予備成形装置に関する。すなわち、本発明はいわ
ゆるインサート成形又はインモールド成形方法及びこれ
らの成型方法に用いる予備成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、転写フィルムの無駄等を合理化し
ようとするインモールド成形方法としては、例えば特開
平8−25414号公報に記載の方法が知られている。
同公報記載の技術では、射出成形に用いる金型の一部を
転写フィルムの厚みだけ削り、成型品への部分的な転写
を可能としている。
【0003】しかし、上述の成形方法では、通常の成形
型をそのまま用いるのではなく、金型の一部を削る必要
があるのでコスト高となる問題があった。また、同方法
では、深絞りや複雑な形状の成型品に対しては対応する
ことが不可能であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の実状に鑑
みて、本発明の目的は、既存の金型に特殊な加工を施す
ことなく、深絞りや複雑な形状の成型品に対して絵柄を
施すことの可能な成形方法、及び、これに用いる予備成
形装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る成形方法の特徴は、成形型に絵付きの
フィルムを挿入し、この成形型に樹脂を供給するするこ
とにより絵付きの成形品を得る方法であって、前記成形
型と少なくとも一部がほぼ同一の他の成形型により前記
絵付フィルムを予備成形した後に切断して成形フィルム
を作成し、この成形フィルムを前記成形型に挿入した後
に前記樹脂を供給することにある。
【0006】一方、本発明の成形方法に用いる予備成形
装置の特徴は、前記成形フィルムを予備成形するための
予備成形型と、フィルム供給装置と、前記予備成形型を
使用して加熱により予備成形を行うための加熱成形手段
と、前記絵付フィルムの予備成形後にこのフィルムを打
ち抜くフィルム打ち抜き手段と、前記成形フィルムを前
記成形型に移動させる成形フィルム搬送装置とを備えた
ことにある。
【0007】もし、上記従来の成型方法で深絞り等に対
応しようとすれば、樹脂の供給前に予備成形を行う必要
がある。しかし、この予備成形を射出成形と同一の金型
で行うとすれば、射出成形後に冷却された金型を開いて
フィルムを加熱し、真空成形等を行う必要がある。そし
て、予備成形の間、射出成形を行うことはできないの
で、全体としての生産効率が低下する。また、真空成形
を行うには射出成形の金型に空気抜きの孔を形成する必
要があり、フィルムの厚みによっては金型内の圧力が低
下して成型品の品質に支障を来す不都合もある。
【0008】これに対し、上記本発明に係る特徴方法及
び予備成形装置の装置特徴によれば、成形品を作成する
成形工程の前に他の成形型を用いて予備成形を行う。
「他の成形型により前記絵付フィルムを予備成形した後
に切断して成形フィルムを作成」するので、成形フィル
ムを成形型に装着すると、絵柄の位置ずれか非常に少な
い。また、予備成形を成形と並行して行うので、成形フ
ィルムを迅速に成形型に装着できることと相まって、成
形時間のロスがほとんどなく、生産能率を向上させる。
【0009】また、本発明によれば、既存の金型と成形
機とを使用できるので、成形品の品質が圧力低下等によ
り劣化する恐れもない。そして、既存の成形機に予備成
形装置を併用すればよいので、実施も極めて容易であ
る。
【0010】さらに、予備成形装置における他の成形型
は予備成形における熱に耐えれば良く、また成形型と要
部である少なくとも一部がほぼ同一であれば足りる。よ
って、予備成形型である他の成形型は、木型や樹脂等を
用いて非常に安価に作成することができる。
【0011】前記予備成形は、真空成形又は圧空成形に
より行ってもよい。そして、前記他の成形型と加熱部と
の間に前記絵付フィルムを配置して前記加熱部の発熱に
より前記絵付フィルムを可塑化させて予備成形を行った
後、前記加熱部に設けた抜き刃を予備成形された前記絵
付フィルムに押しつけることで前記成形フィルムを作成
してもよい。
【0012】また、前記絵付フィルムの樹脂を前記供給
される樹脂と同一材料とすることで、リサイクルがより
促進されることとなる。前記絵付フィルムが基材、絵柄
及びこの絵柄の保護層を有していてもよい。本発明は前
記成形が熱可塑性樹脂の成形方法である場合に好適に実
施できる。
【0013】一方、前記予備成形装置においては、絵付
フィルム打ち抜き手段が、抜き刃と、この抜き刃を前記
予備成形型側に押し出す押し出し機構とを備えていても
よい。
【0014】また、前記成形フィルム搬送装置が、前記
成形フィルムを吸着ヘッドに吸着させる吸着手段と、こ
の吸着ヘッドを前記成形型まで移動させるアクチュエー
ターと、前記吸着ヘッド上の前記成形フィルムを帯電さ
せて前記成形型に張り付けるための帯電装置とを備えて
いてもよい。
【0015】当該予備成形装置の制御装置が、前記成形
装置の制御装置のタイミングに従属していれば、予備成
形装置の制御をより確実に行うことが可能となる。
【0016】
【発明の効果】このように、上記本発明に係る成形方法
及び予備成形装置の特徴によれば、既存の金型に特殊な
加工を施すことなく、深絞りや複雑な形状の成型品に対
して絵柄を施すことが可能となった。なお、本発明の他
の目的、構成、効果については以下に示す「発明の実施
の形態」の項で明らかになるであろう。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら、
本発明をさらに詳しく説明する。まず、図1〜8、図1
2及び図13を参照しながら、本発明の第一実施形態に
ついて説明する。
【0018】図1〜3に示すように、本発明に係る成形
システム1は、主成形装置2及び予備成形装置3を備え
ている。予備成形装置3はロール状の絵付フィルム4を
成形及び抜き加工することにより、主成形装置2に挿入
使用する成形フィルム5を作成する。
【0019】主成形装置2は、固定フレーム11に対し
ロッド12を介してスライド可能な可動フレーム13を
備える。これら固定フレーム11,可動フレーム13に
は、それぞれ主成形型である固定型14及び可動型15
が取り付けられて、これら固定型14,可動型15の間
で射出成形として主成形が行われる。固定型14,可動
型15間には可動型15に形成された孔よりダイ16か
ら熱可塑化された樹脂が供給される。
【0020】予備成形装置3は、大略、フレーム21、
予備成形型22,フィルム供給装置25、加熱成形手段
30、フィルム打ち抜き手段35及び成形フィルム搬送
装置50を備えている。また、予備成形装置3は、フレ
ーム21の下部を介して、別体の既製品として構成され
ている主成形装置2の固定フレーム11上部に固定ボル
ト21cで固定してある。本実施形態における図6の予
備成形型22及び図8の固定型14は、図4に示すよう
に樹脂105の湾曲内側に絵付フィルム101を有する
成形品100を成形するものである。但し、本発明は図
5のように樹脂105の湾曲外側に絵付フィルム101
を有する成形品100を成形してもよい。また、これら
に限られず、さらに複雑な形状や平面的な形状にシート
を成形しても構わない。
【0021】絵付フィルム4は、各種樹脂フィルム等よ
りなる基材に印刷で絵柄を施したものを用いる。絵柄と
は、絵、図形、文字、記号等のいずれか又はこれらの結
合である。また、絵柄が成形時に注入される樹脂により
損なわれる場合には、図13に示すように、基材102
の絵柄103側にこの絵柄103のための保護層104
を設けた絵付フィルム101を用いても良い。この場
合、樹脂105は保護層104側に注入されて基材10
2側が表面となっているが、保護層104側を表面とし
てもよい。後者の場合、保護層104としてウレタン系
等の熱硬化性樹脂によるハードコート加工層を用いても
よい。
【0022】主成形装置2においてダイ16から供給さ
れる樹脂105としては、ABS,PP、PE、PS、
PET、アクリル又はPVC等を用いることができる。
一方、基材102としてもこれらの材料を用いることが
できる。そして、樹脂105と基材102とを同一又は
同系統の樹脂とすることで、プラスチック製品のリサイ
クルをより容易に促進することが可能となる。同一の場
合とは、例えばABSの基材102に対してABSの樹
脂105を用いる場合をいう。また、同系統の場合と
は、例えばアクリル又はスチレンの基材102に対して
ABSの樹脂105を用いる場合をいう。
【0023】予備成形型22及びフィルム供給装置25
はフレーム21の中部に取り付けられている。フィルム
供給装置25は、絵付フィルム4を巻き付けた供給ボビ
ン26と、予備成形型22の開口側に絵付フィルム4を
跨らせる複数の小ローラー28と、絵付フィルム4の1
ピッチ分を送り出すための光電管29と、成形・打ち抜
き後の絵付フィルム4を巻き取る巻き取りボビン27と
を備えている。巻き取りボビン27は巻取側クラッチ2
7aを介して巻取側モーター27bにより巻き取り駆動
される。また、供給ボビン26は供給側クラッチ26a
を介して供給型モーター26bによりバックテンション
が掛けられる。
【0024】図6に示すように、予備成形型22は成形
フィルム5を形成するための部分である型部22aと、
第一ポンプ31により予備成形型22内の空気を排気す
る通気路22bと、弾性層39の連携によって絵付フィ
ルム4を挟み込む込む縁部22cとを備えている。予備
成形型22は固定型14作成時の木型を利用し、熱硬化
性樹脂等により簡単に作成することができる。すなわ
ち、予備成形型22は加熱成形手段30の加熱部38に
よる加熱時において変形しない性質と強度とを有してい
れば足り、非常に簡易に製作できる利点がある。また、
固定型14と予備成形型22とはその全てが同一である
必要はなく、成形フィルム5に対応する型部22a、型
部14aが共通ないしほぼ同一であれば足りる。
【0025】絵付フィルム4を予備成形すると共に打ち
抜いて成形フィルム5を形成するための加熱成形手段3
0では、図1,2に示すように、中張出部21bに支持
される4つのベアリング33aにスライド可能にロッド
33を挿通し、このロッド33に加熱ヘッド32を取り
付け、横アクチュエーター34により加熱ヘッド32を
予備成形型22に対して遠近移動させる。加熱ヘッド3
2におけるフィルム打ち抜き手段35は、ヘッド基部3
6と、このヘッド基部36を円弧状に貫通する押し出し
部37と、これらヘッド基部36,押し出し部37の表
面に互いに独立に貼り付けられる加熱部38,弾性層3
9を備え、さらに押し出し部37の区画の内側に加熱部
38から突出させた環状の抜き刃40とを備えている。
押し出し部37はカム41の回転により絵付フィルム4
側へ押し出される。図6,7に示すように、抜き刃40
は通常弾性層39により表面から突出しないように保護
されているが、押し出し部37の成形された絵付フィル
ム4側への押し出しで、弾性層39を薄くなるように変
形させて絵付フィルム4を打ち抜くように切断する。な
お、抜き刃40はトムソン加工又はシーリング加工等に
用いるものを使用する。
【0026】図3,6に示すように、カム41はモータ
ー42により駆動回転され、押し出し部37を押し出す
押し出し機構として機能する。なお、押し出し機構は、
油圧や空気圧のアクチュエーターにより構成することも
できる。また、加熱部38はニクロム線又はカーボン等
によるヒーター等であり、加熱電源43からの電力供給
により発熱し、絵付フィルム4を熱可塑化させる。弾性
層39は耐熱性のシリコンゴム等により構成するとよ
い。
【0027】図1〜3、8に示すように、加熱成形手段
30により成形された成形フィルム5を予備成形型22
から取り出して固定型14に移動させる成形フィルム搬
送装置50は、上張出部21aに支持された2つのベア
リング51aを介してスライド自由に支持されたロッド
51と縦アクチュエーター52とを介して吸着ヘッド5
5を上下移動させる。ロッド51,縦アクチュエーター
52の先端には中継体53を取り付けてあり、さらに横
アクチュエーター54を介して吸着ヘッド55を予備成
形型22に対する遠近方向に移動可能である。
【0028】吸着ヘッド55の表面には微細な孔を多数
形成してあり、吸着ポンプ56による吸引で成形フィル
ム5を吸着する。また、吸着ヘッド55は帯電装置57
により帯電させられ、成形フィルム5の吸着搬送時に成
形フィルム5全体を帯電させて固定型14に成形フィル
ム5を静電吸着させる。
【0029】成形型である固定型14及び可動型15を
開閉させるアクチュエーター17は第一電磁弁61の油
圧方向切り替えにより駆動する。また、この第一電磁弁
61やダイ16全体のシーケンス制御は第一制御装置6
7により行われる。一方、横アクチュエーター34は第
二電磁弁62に、横アクチュエーター54は第三電磁弁
63に、縦アクチュエーター52は第四電磁弁64によ
りそれぞれ制御され、これら第二電磁弁62,第三電磁
弁63,第四電磁弁64及び予備成形装置3のモーター
やポンプ等は第二制御装置68によりシーケンス制御さ
れる。そして、第二制御装置68の制御は第一制御装置
67の制御タイミングに従属して行われ、予備成形装置
3の動作は主成形装置2の動作に対して確実に連携する
こととなる。
【0030】次に、上述の成形システム1の動作につい
て説明する。まず、巻取側モーター27b及び巻き取り
ボビン27により絵付フィルム4が巻き取られ、光電管
29により絵付フィルム4のピッチマークが検出された
時点で巻き取りボビン27が静止する。このとき、主成
形装置2での射出成形は並行して行われている。次い
で、図6(a)に示すように加熱ヘッド32が予備成形
型22に近接し、縁部22cと弾性層39との間に絵付
フィルム4が挟み込まれ、加熱部38に対する通電で絵
付フィルム4が可塑化される。可塑化が十分に完了した
ところで第一ポンプ31による吸引が行われ、図6
(b)に示すように絵付フィルム4が真空成形される。
その後加熱部38に対する通電は解除されると共に、カ
ム41が回転して押し出し部37を予備成形型22側に
押しだし、図6(c)及び図7に示すように抜き刃40
により絵付フィルム4を切断して成形フィルム5を形成
する。成形後に抜き刃40による抜き加工を行えば、切
断位置のずれを防ぐことができ、その結果、成型品に対
する絵柄のずれを結果的に防ぐことができる。
【0031】その後、図1の横アクチュエーター34が
駆動して予備成形型22から加熱ヘッド32を離隔さ
せ、図8(a)に示すように吸着ヘッド55を予備成形
型22,加熱ヘッド32間に下降させる。そして、横ア
クチュエーター54を伸長させて吸着ヘッド55に成形
フィルム5を接触させると共に吸着ポンプ56を動作さ
せて吸着ヘッド55表面に成形フィルム5を吸着させ、
横アクチュエーター54を縮小させる。
【0032】主成形装置2での成形が完了して固定型1
4,可動型15が解放されたタイミングに縦アクチュエ
ーター52を伸長させて固定型14,可動型15間に成
形フィルム5を吸着ヘッド55により搬送する。この搬
送の間に帯電装置57で成形フィルム5を帯電させ、横
アクチュエーター54を伸長させて固定型14に成形フ
ィルム5を近接させると、図8(b)のように、静電気
により成形フィルム5は固定型14の型部14aに吸着
する。
【0033】次いで、縦アクチュエーター52を縮小さ
せて固定型14近傍から吸着ヘッド55を待避させ、図
8(c)に示すように固定型14と可動型15を閉じ
る。そして、ダイ16を可動型15に接当させ、可塑化
した樹脂を注入供給することで固定型14及び成形フィ
ルム5と可動型15との間の空隙に樹脂を充填させて絵
付きの成型品が完成する。なお、本発明は、成形後にフ
ィルムの基材を除去しないインサート成形としても、転
写箔として構成されたフィルムの基材を除去するインモ
ールド成形としても実施することができる。
【0034】次に、本発明のさらに他の実施形態につい
て以下説明する。なお、上述の実施形態と同様の部材に
は同様の符号を附してある。
【0035】図9に示す第二実施形態では、予備成形装
置70を主成形装置2に対して横側に載置してある。本
実施形態では、キャスター等により移動可能なフレーム
71に予備成形型22,供給ボビン26,巻き取りボビ
ン27,アクチュエーター72等を取り付けてある。予
備成形型22は固定型14とほぼ同じ高さの位置に配置
され、アクチュエーター72の伸縮により予備成形型2
2で形成された成形フィルム5を固定型14まで移動さ
せる。本実施形態に係る予備成形装置70を用いて成形
システム1を構成すれば、全体の高さは従前とほぼ変わ
らないため、工場におけるレイアウト等の制約を受けに
くい利点がある。また、既存の主成形装置2に対して予
備成形装置70の設置や除去が行いやすい利点もある。
【0036】図10,11に示す第二実施形態は、予備
成形型22を圧空成形用の金型とし、抜き刃40の他に
第二抜き刃44を設けた点が異なる。図10(a)に示
すように、ヘッド基部36,加熱部38,弾性層39に
は通気路36aを形成すると共に、吸引・圧縮用の第二
ポンプ45を接続してある。まず、予備成形型22と弾
性層39との間に絵付フィルム4を挟み、第一ポンプ3
1で圧縮空気を送り込むと共に第二ポンプ45で吸引を
行うことで弾性層39に絵付フィルム4を密着させ、加
熱部38の発熱により絵付フィルム4の可塑化を行う。
【0037】絵付フィルム4の可塑化が十分に行われた
ところで、図10(b)に示すように、第一ポンプ31
による吸引と第二ポンプ45による圧縮空気の送り込み
で絵付フィルム4を成形する。さらに図10(c)に示
すようにカム41を駆動させて抜き刃40により絵付フ
ィルム4を切断して成形フィルム5を形成する。
【0038】その後、図11(a),図1に示すように
先の横アクチュエーター34をさらに伸長させて縁部2
2cに第二抜き刃44を圧接することで、絵付フィルム
4を切断し第二成形フィルム6を形成する。その後、加
熱ヘッド32を開き予備成形型22から成形フィルム5
及び第二成形フィルム6を除去する。第二成形フィルム
6をも除去することで、巻き取りボビン27による絵付
フィルム4の巻き取り除去も容易となる。第二成形フィ
ルム6の除去は上記成形フィルム搬送装置50に類似す
る装置で行うことができる。なお、本実施形態による第
二成形フィルム6の打ち抜きは図5に示す絵付フィルム
形成用のシートを作成する際にも適用することができ
る。また、本実施形態は上記第一実施形態で示した真空
成形にも適用することができる。
【0039】上述の抜き刃40、第二抜き刃44は、例
えば図12(a)に示すように、その先端の刃先40a
を鋸状に形成することで、切断性を向上させてもよい。
また、図12(b)に示すように、予備成形型22の表
面である型部22aに対して刃先40aになだらかな傾
斜を付与することでも、切断性を向上させることができ
る。
【0040】上記実施形態では、主成形装置2により射
出成形を行った。しかし、本発明の予備成形装置3を用
いる対象となる主成形装置2としては、熱可塑性樹脂の
成型機を用いた成型方法であればよく、例えばブロー成
形方法であってもよい。
【0041】上記実施形態では、絵付フィルム4として
ロール状のフィルムを用いた。しかし、絵付フィルム4
としては、所望の形状にカットされたシート状のフィル
ムを用いてもよい。この場合、フィルム供給装置25
は、成形フィルム搬送装置50又はこれに類似する装置
により代用することが可能である。
【0042】なお、特許請求の範囲の項に記入した符号
は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものに
すぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定さ
れるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形システムの側面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明に係る成形システムのブロック図であ
る。
【図4】絵柄を内側に附した成形品の斜視図である。
【図5】絵柄を外側に附した成形品の斜視図である。
【図6】真空成形による予備成形の手順を示す予備成形
型近傍の断面図であって、(a)は加熱開始時、(b)
は吸引によるフィルム成形時、(c)は成形されたフィ
ルムの切断時をそれぞれ示す図である。
【図7】図6の抜き刃近傍における拡大断面図であり、
(a)は切断前、(b)は切断時の状態を示す図であ
る。
【図8】成形フィルムの搬送及び成形を示す断面図であ
って、(a)は予備成形型からの成形フィルムの取り出
し、(b)は主成形型に対する成形フィルムの装着、
(c)は樹脂の注入をそれぞれ示す図である。
【図9】本発明に係る成形システムの他の実施形態を示
す図2相当図である。
【図10】圧空成形による予備成形の手順を示す予備成
形型近傍の断面図であって、(a)は加熱開始時、
(b)は圧空・吸引によるフィルム成形時、(c)は成
形されたフィルムの切断時をそれぞれ示す図である。
【図11】(a)は図10の後に成形フィルムをさらに
切断する状態を示す図、(b)は成形フィルムの取り出
し状態を示す図である。
【図12】抜き刃の拡大図である。
【図13】絵付きフィルムを用いて成形した成型品の拡
大断面図である。
【符号の説明】
1 成形システム 2 主成形装置 3 予備成形装置 4 絵付フィルム 4a 刃先 5 成形フィルム 6 第二成形フィルム 11 固定フレーム 12 ロッド 13 可動フレーム 14 固定型(主成形型) 14a 型部 15 可動型 16 ダイ 17 アクチュエーター 21 フレーム 21a 上張出部 21b 中張出部 21c 固定ボルト 22 予備成形型 22a 型部 22b 通気路 22c 縁部 25 フィルム供給装置 26 供給ボビン 26a 供給側クラッチ 26b 供給側モーター 27 巻き取りボビン 27a 巻取側クラッチ 27b 巻取側モーター 28 小ローラー 29 光電管 30 加熱成形手段 31 第一ポンプ 32 加熱ヘッド 33 ロッド 33a ベアリング 34 横アクチュエーター 35 フィルム打ち抜き手段 36 ヘッド基部 36a 通気路 37 押し出し部 38 加熱部 39 弾性層 40 抜き刃 40a 刃先 41 カム(押し出し機構) 42 モーター 43 加熱電源 44 第二抜き刃 45 第二ポンプ 50 成形フィルム搬送装置 51 ロッド 51a ベアリング 52 縦アクチュエーター 53 中継体 54 横アクチュエーター 55 吸着ヘッド 56 吸着ポンプ(手段) 57 帯電装置 61 第一電磁弁 62 第二電磁弁 63 第三電磁弁 64 第四電磁弁 67 第一制御装置 68 第二制御装置 70 予備成形装置 71 フレーム 72 アクチュエーター 100 成形品 101 絵付フィルム 102 基材 103 絵柄 104 保護層 105 樹脂

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形型(14)に絵付フィルム(4)を
    挿入し、この成形型(14)に樹脂を供給するすること
    により絵付きの成形品(100)を得る成形方法であっ
    て、前記成形型(14)と少なくとも一部(22a)が
    ほぼ同一の他の成形型(22)により前記絵付フィルム
    (4)を予備成形した後に切断して成形フィルム(5)
    を作成し、この成形フィルム(5)を前記成形型(1
    4)に挿入した後に前記樹脂を供給する成形方法。
  2. 【請求項2】 前記予備成形を真空成形又は圧空成形に
    より行うことを特徴とする請求項1に記載の成形方法。
  3. 【請求項3】 前記他の成形型(22)と加熱部(3
    8)との間に前記絵付フィルム(4)を配置して前記加
    熱部(38)の発熱により前記絵付フィルム(4)を可
    塑化させて予備成形を行った後、前記加熱部(38)に
    設けた抜き刃(40)を予備成形された前記絵付フィル
    ム(4)に押しつけることで前記成形フィルム(5)を
    作成する請求項1又は2のいずれかに記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 前記絵付フィルム(4)の樹脂が前記供
    給される樹脂と同一材料である請求項1〜3のいずれか
    に記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 前記絵付フィルム(4)が基材(10
    2)、絵柄(103)及びこの絵柄の保護層(104)
    を有している請求項1〜4のいずれかに記載の成形方
    法。
  6. 【請求項6】 前記成形が熱可塑性樹脂の成形方法であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の成形方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の成形方法に用いる予備成
    形装置であって、前記成形フィルム(5)を予備成形す
    るための予備成形型(22)と、フィルム供給装置(2
    5,50)と、前記予備成形型(22)を使用して加熱
    により予備成形を行うための加熱成形手段(30)と、
    前記絵付フィルム(4)の予備成形後にこのフィルムを
    打ち抜くフィルム打ち抜き手段(35)と、前記成形フ
    ィルム(5)を前記成形型(14)に移動させる成形フ
    ィルム搬送装置(50)とを備えた予備成形装置。
  8. 【請求項8】 前記フィルム打ち抜き手段(35)が、
    抜き刃(40)と、この抜き刃(40)を前記予備成形
    型(22)側に押し出す押し出し機構(41,42)と
    を備えている請求項7に記載の予備成形装置。
  9. 【請求項9】 前記成形フィルム搬送装置(50)が、
    前記成形フィルム(5)を吸着ヘッド(55)に吸着さ
    せる吸着手段(56)と、この吸着ヘッド(55)を前
    記成形型(14)まで移動させるアクチュエーター(5
    2,54)と、前記吸着ヘッド(55)上の前記成形フ
    ィルム(5)を帯電させて前記成形型(14)に張り付
    けるための帯電装置(57)とを備えている請求項7又
    は8のいずれかに記載の予備成形装置。
  10. 【請求項10】 当該予備成形装置(3)の制御装置
    (68)が、前記成形装置(2)の制御装置(67)の
    タイミングに従属している請求項7〜9のいずれかに記
    載の予備成形装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007076177A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Star Seiki Co Ltd インモールドラベル成形におけるラベル帯電方法
CN100581965C (zh) * 2007-01-05 2010-01-20 翔渝实业股份有限公司 单片薄膜的连续制作供给方法

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