JP2002092981A - スタンパ製造方法及び光記録媒体製造方法 - Google Patents

スタンパ製造方法及び光記録媒体製造方法

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JP2002092981A
JP2002092981A JP2000277850A JP2000277850A JP2002092981A JP 2002092981 A JP2002092981 A JP 2002092981A JP 2000277850 A JP2000277850 A JP 2000277850A JP 2000277850 A JP2000277850 A JP 2000277850A JP 2002092981 A JP2002092981 A JP 2002092981A
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stamper
forming
insulating layer
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JP2000277850A
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Wataru Ishihara
渉 石原
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Nippon Columbia Co Ltd
Original Assignee
Nippon Columbia Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】均一なピット形状を有するスタンパ及び光記録
媒体を製造することができるスタンパ製造方法及び光記
録媒体製造方法を提供する。 【解決手段】光記録媒体製造方法において、スタンパ製
造工程は、金属基板の一方の面に0℃以上、120℃以
下の温度範囲における熱伝導率(k/(W×m-1×
-1))が0.5以上、2.0以下の範囲にある材料か
らなる断熱層を形成する工程と、断熱層上に密着層を形
成する工程と、フォトレジスト層を形成する工程と、フ
ォトレジスト層を露光する工程と、フォトレジスト層の
露光された部分をアルカリ不溶性にするために加熱する
工程と、フォトレジスト層を室温に冷却する工程と、フ
ォトレジスト層を現像する工程と、現像されたフォトレ
ジスト層をマスク部材として金属基板をエッチングする
工程と、エッチングされた金属基板から密着層、断熱層
及びフォトレジスト層を除去する工程とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ情報及
びビデオ情報等を記録した光記録媒体の製造方法及び当
該光記録媒体の製造方法において使用するスタンパの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の光記録媒体の製造工程に
おけるスタンパの製造工程を説明する模式図である。図
中、301はガラス原盤、302は密着層、303はフ
ォトレジスト層、304は露光部、305はレジストパ
ターン、306は導電膜、307は電鋳層、308はス
タンパである。
【0003】図3(a)に示す工程では、ガラス原盤3
01と後述するフォトレジスト層303との密着力を高
めるために、ガラス原盤301上にヘキサメチルジシラ
ザン(以下、HMDSという。)又はシラン系カップリ
ング剤を塗布して単分子膜の密着層302を形成し、続
いて密着層302上にポジ型のフォトレジスト層303
を形成する。フォトレジスト層303が形成されたガラ
ス原盤301は、クリーンオーブン内で、90℃の温度
で30分間加熱(プリベーク)され、フォトレジスト層
303内に残存している溶媒が除去される。
【0004】図3(b)に示す工程では、フォトレジス
ト層303が形成されたガラス原盤301を図示しない
カッティングマシンのターンテーブルに取付け、記録情
報に応じて変調されたレーザ光を照射しフォトレジスト
層303を露光し、露光部304を形成する。図3
(c)に示す工程では、現像液によりフォトレジスト層
303を現像する。露光部304のフォトレジスト層3
03が除去され、ガラス原盤301上にレジストパター
ン305が形成される。
【0005】図3(d)に示す工程では、ガラス原盤3
01をスパッタリング装置に設置し、スパッタリングに
より、レジストパターン305の表面にニッケル、クロ
ム等の導電膜306を形成する。図3(e)に示す工程
では、導電膜306が形成されたガラス原盤301を電
鋳槽の陰極に設置し、ニッケル電鋳を行い、ガラス原盤
301の導電膜306上に電鋳層307を形成する。
【0006】図3(f)に示す工程では、ガラス原盤3
01からレジストパターン305が転写された電鋳層3
07を剥離する。電鋳層307には、レジストパターン
305によるパターンを反転させたパターンが転写され
る。図3(g)に示す工程では、電鋳層307に付着し
たレジストパターン305を酸素アッシング等により除
去し、電鋳層307を所望の形状に加工し、電鋳層30
7の裏面を鏡面研磨することによりスタンパ308を得
る。スタンパ308を射出成形機の金型に取付け、樹脂
基板を成形することにより光記録媒体のレプリカ基板が
得られる。
【0007】ところで、光記録媒体製造工程に対する要
求の一つに、光記録媒体製造工程の時間短縮がある。現
在、光記録媒体製造工程の迅速化の妨げとなっているの
は、図3の(e)に示すスタンパ製造工程における電鋳
工程である。一般的に、コンパクトディスクの製造プロ
セスにおいて電鋳工程には、約4時間から約6時間の時
間が費やされている。
【0008】上述した問題点を解決するために、特開平
3−150738号公報、特開平5−62254号公報
に電鋳工程を含まない光記録媒体製造工程が開示されて
いる。図4は、従来の電鋳工程を含まない光記録媒体製
造工程におけるスタンパの製造工程を説明する模式図で
ある。図中、401は金属基板、402はフォトレジス
ト層、403は露光部、404はレジストパターン、4
05はピット、406はスタンパである。
【0009】図4(a)に示す工程では、ニッケル等の
金属からなる金属基板401上にネガ型のフォトレジス
ト層402を形成する。ここで、ネガ型のフォトレジス
ト層402を使用する理由は、金属基板401に直接ピ
ットを形成し、金属基板401自身をスタンパとして用
いるため、図3のガラス原盤301から電鋳工程によっ
てスタンパ308を得る場合のレジストパターン305
と比較して、反転したパターンのレジストパターンを形
成する必要があるためである。
【0010】図3の製造工程で用いたHMDSやシラン
カップリング剤は、ガラス原盤301とフォトレジスト
層303との密着力を高めるためのものであり、金属基
板401とフォトレジスト層402との密着力を高める
作用はないため、図4に示す製造工程では用いない。フ
ォトレジスト層402が形成された金属基板401は、
クリーンオーブン内で、90℃の温度で30分間加熱
(プリベーク)され、フォトレジスト層402内に残存
している溶媒が除去される。
【0011】図4(b)に示す工程では、フォトレジス
ト層402が形成された金属基板401を図示しないカ
ッティングマシンのターンテーブルに取付け、記録情報
に応じて変調されたレーザ光を照射しフォトレジスト層
402を露光し、露光部403を形成する。フォトレジ
スト層402の露光が終わった金属基板401は、クリ
ーンオーブン内で、110℃の温度で20分間加熱し
て、反転ベークを行い、フォトレジスト層402の露光
部403をアルカリ不溶性にする。更に、フォトレジス
ト層402にi線露光を行い、露光部403以外の未露
光部分をアルカリ可溶性にする。
【0012】図4(c)に示す工程では、現像液により
フォトレジスト層402を現像する。未露光部分のフォ
トレジスト層が除去され、金属基板401上にレジスト
パターン404が形成される。
【0013】図4(d)及び(e)に示す工程では、金
属基板401上に形成されたレジストパターン404を
マスク部材としてエッチング処理を行う。金属基板40
1に所定の深さのピット405が得られたら、エッチン
グ処理を終了する。図3(e)に示した電鋳工程が約4
〜6時間かかるのに対し、本工程におけるエッチング処
理は20分間から40分間で終了する。
【0014】図4(f)に示す工程では、金属基板40
1に付着したレジストパターン404を酸素アッシング
等により除去し、金属基板401を所望の形状に加工す
ることによりスタンパ406を得る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】図4に示した電鋳工程
を含まない製造方法によれば、ネガ型のフォトレジスト
を使用する必要がある。ネガ型フォトレジストは、ポジ
型フォトレジストと異なり、反転ベークを行うことによ
り露光部分をアルカリ不溶性にするために、フォトレジ
ストの成分であるノボラック樹脂と架橋剤とを熱的に架
橋反応させるための触媒を含んでいる。この触媒は、図
4(b)の露光工程においてフォトレジストに含まれる
感光剤が分解されることにより生成する。
【0016】しかしながら、金属基板401はガラス原
盤301に比べ約80倍程度高い熱伝導率を有してい
る。そのため、図4(a)のフォトレジスト層402を
金属基板401に形成した後のプリベーク工程において
熱せられた金属基板401に蓄えられた熱が、ガラス原
盤を用いた場合よりも多くフォトレジスト層402に伝
導し、フォトレジスト層402が過剰に熱せられる。そ
の結果、露光工程前にも拘わらず、一部の感光剤が分解
し、触媒が発生し、一部のノボラック樹脂と架橋剤とが
架橋反応を起こす虞がある。
【0017】すなわち、露光工程前に一部の感光剤が分
解してしまうので、図4(b)の露光工程において、フ
ォトレジスト層402のレーザ光に対する感度が不均一
となり、結果として、スタンパ及び光記録媒体に形成さ
れるピット形状が乱れるという課題がある。
【0018】また、フォトレジスト層402の露光部4
03をアルカリ不溶性にするための加熱工程において、
金属基板401の高い熱伝導により、一部のノボラック
樹脂と架橋剤とが架橋反応を起こすため、露光部403
以外の未露光部の一部がアルカリ不溶性となる虞があ
る。その結果、図4(c)の現像工程において、露光部
403以外の一部の未露光部が現像液に溶解せずに残っ
てしまい、レジストパターン404が所望のパターンと
異なったものとなり、結果として、スタンパ及び光記録
媒体に形成されるピット形状が乱れるという課題があ
る。
【0019】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、ニッケル等の金属基板をエッチング処
理することによりスタンパを製造するスタンパ製造方法
及び当該スタンパを用いて光記録媒体を製造する光記録
媒体製造方法において、均一なピット形状を有するスタ
ンパ及び光記録媒体を製造することができるスタンパ製
造方法及び光記録媒体製造方法を提供することを目的と
する。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願の請求項1記載の発明は、スタンパ製造方法に
おいて、金属基板の一方の面に0℃以上、120℃以下
の温度範囲における熱伝導率(k/(W×m-1×
-1))が0.5以上、2.0以下の範囲にある材料か
らなる断熱層を形成する工程と、前記断熱層上に前記断
熱層とフォトレジスト層との密着力を高める密着層を形
成する工程と、前記密着層上にフォトレジスト層を形成
する工程と、前記フォトレジスト層を記録情報に応じて
露光する工程と、前記フォトレジスト層の露光された部
分をアルカリ不溶性にするために前記フォトレジスト層
を加熱する工程と、前記フォトレジスト層を室温に冷却
する工程と、前記フォトレジスト層を現像液で現像する
工程と、現像された前記フォトレジスト層をマスク部材
として前記金属基板をエッチングする工程と、エッチン
グされた前記金属基板から前記密着層、前記断熱層及び
前記フォトレジスト層を除去する工程とを備えたことを
特徴とする。
【0021】本願の請求項2記載の発明は、記録情報が
凹凸のピット列として記録されたスタンパを作製するス
タンパ作製工程と、前記スタンパから前記ピット列を転
写したレプリカ基板を作製する工程と、前記レプリカ基
板の前記ピット列が転写された面上に反射膜を形成する
工程とを備えた光記録媒体製造方法において、前記スタ
ンパ作製工程は、金属基板の一方の面に0℃以上、12
0℃以下の温度範囲における熱伝導率(k/(W×m-1
×K-1))が0.5以上、2.0以下の範囲にある材料
からなる断熱層を形成する工程と、前記断熱層上に前記
断熱層とフォトレジスト層との密着力を高める密着層を
形成する工程と、前記密着層上にフォトレジスト層を形
成する工程と、前記フォトレジスト層を記録情報に応じ
て露光する工程と、前記フォトレジスト層の露光された
部分をアルカリ不溶性にするために前記フォトレジスト
層を加熱する工程と、前記フォトレジスト層を室温に冷
却する工程と 露光された前記フォトレジスト層を現像液で現像する工
程と、現像された前記フォトレジスト層をマスク部材と
して前記金属基板をエッチングする工程と、エッチング
された前記金属基板から前記密着層、前記断熱層及び前
記フォトレジスト層を除去する工程とを備えたことを特
徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について具体的に説明する。図1は、本発明の
光記録媒体製造方法を用いた製造工程の一実施例を説明
する図である。図2は、本発明の光記録媒体製造方法を
用いた製造工程のカッティング工程及びスタンパ製造工
程の一実施例を説明する図である。図中、201はニッ
ケル基板、202は断熱層、203は密着層、204は
フォトレジスト層、205は露光部、206はレジスト
パターン、207はピット、208はスタンパである。
【0023】まず、図1(a)は、プリマスタリング工
程である。この工程では、スタジオ等で録音された楽曲
データに、リードイン、リードアウト、インデックス及
びアドレス等の情報が付加された情報が、光ディスクや
マスターテープ等に記録される。
【0024】図1(b)のカッティング工程及び図1
(c)のスタンパ製造工程については、図2を用いて具
体的に説明する。図2(a)に示す工程では、片面が約
20μmの平坦度に鏡面研磨された、厚さが約0.3m
mのニッケル基板201をスパッタリング装置に取り付
ける。ニッケル基板201は、後述する射出成形工程に
おいてスタンパとして用いるため、機会特性及び成形特
性等を考慮して約0.3mmの厚さとした。
【0025】ニッケル基板201が約0.3mmより厚
くなると、成形する樹脂への熱の伝わり方が不均一とな
り、ピットを均一な形状で成形できない。また、射出成
形中は、ニッケル基板201の温度が70〜200℃の
範囲で変化するため、基板厚が厚いと歪みによるクラッ
クが発生しやすくなる。ニッケル基板201の厚さが約
0.3mmより薄いと機械的な強度を保つことができな
くなる。
【0026】基板材料としては、ニッケルの他に、銅、
アルミニウム等の金属または合金を用いることができ
る。基板材料として、従来の光記録媒体のスタンパとし
て用いられているニッケルを用いれば、従来の光記録媒
体の製造工程における射出成形条件と同じ条件で射出成
形を行うことができる。
【0027】スパッタリング法によりSiO2膜、Si
O膜またはSiN膜等の無機誘電体材料からなる断熱層
202をニッケル基板201の鏡面研磨された面に形成
する。本実施例で用いる無機誘電体材料は、0℃以上、
120℃以下の温度範囲における熱伝導率(k/(W×
-1×K-1))が0.5以上、2.0以下の範囲にある
もの、すなわち、従来の光記録媒体の製造工程で用いて
いたガラス原盤と同等の熱伝導率を有するものとする。
断熱層202の膜厚は、後述するフォトレジスト層への
断熱効果及び成膜時間等を考慮すると約30〜100n
mが好ましい。
【0028】図2(b)に示す工程では、ニッケル基板
201の断熱層202が形成された面に、HMDS又は
シラン系カップリング剤の単分子膜を密着層203とし
てスピンコート法により形成する。HMDS又はシラン
系カップリング剤からなる密着層203を形成すること
により、断熱層202と後述するフォトレジスト層20
4との密着性を高めることができる。本実施例の製造方
法では、ニッケル基板201と後述するフォトレジスト
層204との間に、ガラスと同等の性質を有するSiO
2膜等の断熱層202を設けるため、HMDS又はシラ
ン系カップリング剤からなる密着層203を用いること
により、ニッケル基板201とフォトレジスト層204
との密着力を高めることができる。したがって、製造工
程中にフォトレジスト層204が剥離する欠陥の発生を
減少させることができる。
【0029】図2(c)に示す工程では、ニッケル基板
201上に形成された密着層203上にフォトレジスト
層204をスピンコート法により形成する。フォトレジ
スト層204の膜厚は、後述するエッチング処理の条件
(フォトレジスト層204及びニッケル基板201のエ
ッチングレートと、エッチング処理により形成するピッ
トの深さ)により決定する。
【0030】フォトレジスト層204としては、ネガ型
フォトレジストを用いる。フォトレジスト層204が形
成されたニッケル基板201は、クリーンオーブン内に
おいて、90℃の温度で30分間プリベークされ、フォ
トレジスト層204内に残存している溶媒が除去され
る。
【0031】本実施例では、ニッケル基板201とフォ
トレジスト層204との間に、熱伝導率がガラス原盤と
同等の断熱層202が形成されているため、ベーキング
処理により熱せられたニッケル基板201に蓄えられた
熱によりフォトレジスト層204の架橋構造等が変化
し、露光感度が低下することがない。
【0032】図2(d)に示す工程では、フォトレジス
ト層204が形成されたニッケル基板201を図示しな
いカッティングマシンのターンテーブルに取付け、記録
情報に従って変調されたレーザ光を照射しフォトレジス
ト層204を露光する。露光が終わったニッケル基板2
01を、クリーンオーブン内に設置し、100℃の温度
で10分間反転ベークを行い、フォトレジスト層204
の露光部205をアルカリ不溶性にする。更に、フォト
レジスト層204にi線露光を行い、露光部205以外
の未露光部分をアルカリ可溶性にする。
【0033】本実施例では、ニッケル基板201とフォ
トレジスト層204との間に、熱伝導率がガラス原盤と
同等の断熱層202が形成されているため、ベーキング
処理により熱せられたニッケル基板201に蓄えられた
熱によりフォトレジスト層204の架橋構造等が変化
し、露光部205以外の未露光部分がアルカリ不溶性に
なることがない。
【0034】また、図2(e)に示す工程では、反転ベ
ークにより120℃に熱したフォトレジスト層204を
室温(18℃以上30℃以下)まで冷却する。これは、
本実施例の製造工程では、ニッケル基板201上に断熱
層202を設けた構成としたため、断熱層202が蓄え
た熱が逃げにくい構成となっている。フォトレジスト層
204が室温より高い温度にある状態で、後述する現像
処理を行うと、現像が速く進むため、現像処理の停止の
タイミングがとりずらくなり、所望のピット形状を得る
ことが困難となる。そのため、本実施例では、適切な現
像停止のタイミングを得るために、反転ベーク後にフォ
トレジスト層204を室温まで冷却する。冷却方法とし
ては、室内に放置して冷却する方法でもよいし、ファン
等を用いた空冷又は冷却水を用いた水冷等の方法であっ
てもよい。
【0035】以上、図2(a)〜(e)迄の工程が、図
1(b)のカッティング工程にあたる。
【0036】図2(f)に示す工程では、ニッケル基板
201を現像装置に取り付け、有機アルカリ現像液を用
いてスピン現像を行い、フォトレジスト層204を現像
する。その後有機アルカリ現像液の塗布を停止し、スピ
ン乾燥を行う。フォトレジスト層204が現像され、ニ
ッケル基板201上にレジストパターン206が形成さ
れる。
【0037】図2(g)及び(h)に示す工程では、ニ
ッケル基板201上に形成されたレジストパターン20
6をマスク部材としてエッチング処理(反応性イオンエ
ッチング又はイオンミリング)を行う。ニッケル基板2
01に所定の深さのピット207が得られたら、エッチ
ング処理を終了する。
【0038】図2(i)に示す工程では、ニッケル基板
201に付着したレジストパターン206、密着層20
3及び断熱層202をアセトン洗浄及び酸素アッシング
等により除去し、ニッケル基板201を所望の形状に加
工することによりスタンパ208を得る。以上、図2
(f)〜(i)迄の工程が、図1(c)のスタンパ製造
工程にあたる。
【0039】次に、図1(d)に示す射出成形工程で
は、スタンパ208を射出成形機の金型に取り付け、ポ
リカーボネート等の樹脂を成形し、レプリカ基板を得
る。図1(e)に示す反射膜、保護膜形成工程では、レ
プリカ基板をスパッタリング装置に取り付け、スパッタ
リング法により、アルミニウム、金等の反射膜をレプリ
カ基板のピットが転写されている面に50〜100nm
の厚さに形成する。反射膜が形成されたレプリカ基板を
スピンコート装置に取り付け、スピンコート法により紫
外線硬化樹脂等の保護膜を反射膜上に形成する。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ニッケル等の金属基板
をエッチング処理することによりスタンパを製造するス
タンパ製造方法及び当該スタンパを用いて光記録媒体を
製造する光記録媒体製造方法において、均一なピット形
状を有するスタンパ及び光記録媒体を製造することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体製造方法を用いた製造工程
の一実施例を説明する模式図。
【図2】本発明の光記録媒体製造方法を用いた製造工程
のカッティング工程及びスタンパ製造工程の一実施例を
説明する模式図。
【図3】従来のスタンパの製造工程を説明する模式図。
【図4】従来の電鋳工程を含まない光ディスク製造工程
におけるスタンパの製造工程を説明する模式図。
【符号の説明】
201 ニッケル基板 202 断熱層 203 密着層 204 フォトレジスト層 205 露光部 206 レジストパターン 207 ピット 208 スタンパ 301 ガラス原盤 302 密着層 303 フォトレジスト層 304 露光部 305 レジストパターン 306 導電膜 307 電鋳層 308 スタンパ 401 基板 402 フォトレジスト層 403 露光部 404 レジストパターン 405 ピット 406 スタンパ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属基板の一方の面に0℃以上、120℃
    以下の温度範囲における熱伝導率(k/(W×m-1×K
    -1))が0.5以上、2.0以下の範囲にある材料から
    なる断熱層を形成する工程と、 前記断熱層上に前記断熱層とフォトレジスト層との密着
    力を高める密着層を形成する工程と、 前記密着層上にフォトレジスト層を形成する工程と、 前記フォトレジスト層を記録情報に応じて露光する工程
    と、 前記フォトレジスト層の露光された部分をアルカリ不溶
    性にするために前記フォトレジスト層を加熱する工程
    と、 前記フォトレジスト層を室温に冷却する工程と、 前記フォトレジスト層を現像液で現像する工程と、 現像された前記フォトレジスト層をマスク部材として前
    記金属基板をエッチングする工程と、 エッチングされた前記金属基板から前記密着層、前記断
    熱層及び前記フォトレジスト層を除去する工程とを備え
    たことを特徴とするスタンパ製造方法。
  2. 【請求項2】記録情報が凹凸のピット列として記録され
    たスタンパを作製するスタンパ作製工程と、 前記スタンパから前記ピット列を転写したレプリカ基板
    を作製する工程と、 前記レプリカ基板の前記ピット列が転写された面上に反
    射膜を形成する工程とを備えた光記録媒体製造方法にお
    いて、 前記スタンパ作製工程は、 金属基板の一方の面に0℃以上、120℃以下の温度範
    囲における熱伝導率(k/(W×m-1×K-1))が0.
    5以上、2.0以下の範囲にある材料からなる断熱層を
    形成する工程と、 前記断熱層上に前記断熱層とフォトレジスト層との密着
    力を高める密着層を形成する工程と、 前記密着層上にフォトレジスト層を形成する工程と、 前記フォトレジスト層を記録情報に応じて露光する工程
    と、 前記フォトレジスト層の露光された部分をアルカリ不溶
    性にするために前記フォトレジスト層を加熱する工程
    と、 前記フォトレジスト層を室温に冷却する工程と露光され
    た前記フォトレジスト層を現像液で現像する工程と、 現像された前記フォトレジスト層をマスク部材として前
    記金属基板をエッチングする工程と、 エッチングされた前記金属基板から前記密着層、前記断
    熱層及び前記フォトレジスト層を除去する工程とを備え
    たことを特徴とする光記録媒体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017073867A1 (ko) * 2015-10-30 2017-05-04 한국생산기술연구원 단열을 위한 패턴이 형성된 사출성형용 스탬퍼 및 이를 구비하는 사출 금형

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WO2017073867A1 (ko) * 2015-10-30 2017-05-04 한국생산기술연구원 단열을 위한 패턴이 형성된 사출성형용 스탬퍼 및 이를 구비하는 사출 금형

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