JP2009080914A - 光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、スタンパ、光ディスク基板、及び光ディスク - Google Patents

光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、スタンパ、光ディスク基板、及び光ディスク Download PDF

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Abstract

【課題】 ピットの形状の乱れがない上に、ディフェクトが少ないため、ジッタ値が良く高品質で大容量の光ディスクを製造するための光ディスク原盤の製造方法を提供する。
【解決手段】 ガラス基板1上に、非感光性のアルカリ可溶性樹脂からなる溶液を塗布する第1の層2塗布工程と、塗布された溶液を加熱して第1の層2を形成する第1の層ベーキング工程と、第1の層2上に感光性樹脂からなる第2の層3を形成する第2の層3塗布工程と、第2の層3に所定のパターンを露光して、潜像6を形成する露光工程と、第2の層3に形成された潜像6をアルカリ現像液による現像にて除去すると共に、除去後に残され第2の層3をマスクとして第1の層2をアルカリ現像液で溶解し凹凸パターンを形成する現像工程とを有している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光ディスク原盤の製造方法、光ディスク原盤、スタンパ、光ディスク基板、及び光ディスクに係り、特に、大容量の光ディスクを製造するための光ディスク原盤を高精度で簡便に製造することができる技術に関するものである。
近年の情報通信技術および画像処理技術の急速な発展に伴い,光ディスクに対しても,更なる大容量化の要求がされている。この要求に応えるためには,プリピットの大きさを小さくすると共に、トラックピッチを狭め、それによって記録密度を高めるといった対応が必要である。
ここで、光ディスク原盤とは、平滑なガラス基盤上にフォトレジストを塗布し、情報に応じて変調された光で露光を行い、現像によって露光部を除去することによりガラス基盤上に凹凸形状のパターンを形成したものである。
また、スタンパとは、光ディスク原盤の凹凸パターン上に導電体を形成した後、剥離しパターンを転写してなる、凸凹パターン持つ導電体である。
更に、光ディスク基板とは、スタンパを組込んだ成形金型に、透明樹脂を原料にして、スタンパの凸凹パターンを転写して凹凸パターンを表面に形成した透明樹脂円盤である。
また更に、光ディスクとは、透明樹脂からなる光ディスク基板から情報を再生するための反射膜を光ディスク基板上に形成し、反射膜を保護するための保護膜を形成したものである。
このうち、小さなピットを形成する技術としては、露光する光の集光ビーム径を小さくしてピットを形成する技術と、露光する光の集光ビーム径以下のピットを形成する技術とがある。
露光する光の集光ビーム径を小さくするには、対物レンズのNAを大きくするか、露光する光の波長を短くする必要がある。
しかしながら、対物レンズのNAは、レンズの設計製作精度の面から既にほぼ限界であり、例えばBlu−ray Discに用いられる対物レンズでは、NAが0.85まで高められている。また、露光する光は、遠紫外線レーザより短い波長では、光源が高価になる上に、フォトレジストの感度が悪くなるため生産性が落ちてしまう。その結果、簡便且つ経済的な方法で光の集光ビーム径を小さくすることは、困難になってきている。
一方、レーザの集光ビーム径以下のピットを形成する技術では、多層レジスト法が知られている。
この多層レジスト法により形成された光ディスク原盤の製造方法の1例が、特許文献1に記載されている。
特許文献1には、概略次のように記載されている。
すなわち、ガラス基盤上に直接フォトレジストを塗布するのではなく、ガラス基盤とその上に形成するフォトレジストとの間に水溶性樹脂からなる第1の層を形成し、この第1の層上に、膜厚160nmのフォトレジストからなる第2の層を形成する。この第2の層を、波長が400〜420nmのレーザ光により露光し所定のパターンからなる潜像を形成し、形成された潜像をアルカリ現像液での現像にて除去する。現像後の残ったレジストパターンをマスクにして、純水によるエッチング(リンス洗浄を兼ねる)を行い、露光された第2の層の潜像のパターンを第1の層に転写する。その後、第2の層のレジストパターンを有機溶剤にて除去し、光ディスク原盤を得る。この光ディスク原盤に形成された第1の層のピットのパターンに基づき公知の方法により、スタンパを形成し、射出成型法等により光ディスク基板を形成するものである。
ところで、第2の層に露光を行う際、露光をおこなうレーザ光の強度分布はガウス分布をしており、露光時にフォトレジストからなる第2の層に形成される潜像は、レーザ光の強度分布であるガウス分布を反映して、第2の層の上部表面側が第2の層の下部第1の層側より広い逆台形形状となる。そのため、アルカリ現像液による現像にて潜像部分を除去することにより、上部の幅が下部の幅よりも広がった逆台形形状の開口部を持つレジストパターンが形成される。第1の層は、第2の層に形成されたレジストパターンの開口部の下部開口幅の形状をマスクとして、純水によりエッチングされる。この結果、第1の層にレーザ光の集光ビーム径より小さい、下部開口幅と同じサイズのピットが形成される。
特開2002−50087号公報
しかしながら、特許文献1に記載された、第1の層に用いられる水溶性樹脂は、純水によるエッチング以外の工程において、第2の層の除去に用いる有機溶剤や、スタンパを形成するのに用いるメッキ液によっても溶け出してしまうため、必要以上にエッチングが進んでしまい、ピットの形状が乱れる問題が発生することがあった。
同時に、第1の層に水溶性樹脂を用いることは、現像後の純水によるエッチングの際に、エッチングの時間を長くすると必要以上に第1の層の溶解が進んでしまい、プリピットの形状が乱れてしまう。そのため、ディフェクト除去の目的で、さらに純水でのリンス洗浄を行うことができず、ディフェクトが除去できない場合があった。
ディフェクトの低減等を考慮すると、純水によるリンス洗浄(特許文献1ではエッチングを兼ねる)は少なくとも30秒以上必要であるが、トラックピッチが0.32μmで50%幅の溝をカッティングする場合、30秒以上のリンス洗浄を行うと、第1の層が極端に溶出してしまい、第1の層に形成されたパターンのパターン倒れが発生してしまうことがあった。
結果として、特許文献1に記載の従来の光ディスク原盤の製造方法で形成された光ディスク原盤から製造された光ディスクでは、ピットの形状の乱れとディフェクトとによってジッタ値が増加し、それによって再生品位が低下する場合があった。
また、露光時にレーザ光の強度分布を用いて上部開口幅と下部開口幅に差を付けるためには、第2の層のフォトレジスト厚を160nmと厚くする必要があり、フォトレジストの使用量が多かった。
更に、第1の層の厚さで光ディスク基板のピットの深さを規定しているため、第1の層に用いる水溶性樹脂の使用量も多くする必要があった。
更にまた、この第2の層は、スタンパ形成のためには必要ないため、第1の層にパターン形成の後に除去する工程が必要であった。
そのため、従来の光ディスク原盤の製造方法では、光ディスク原盤の形成に用いる材料の使用量が多く、その製造工程も多いことから、生産性改善の要望があった。
そこで、本発明は、ピットの形状の乱れがなく、ディフェクトが少なく、ジッタ値が良い高品質な光ディスクを製造するための光ディスク原盤の製造方法を提供することを目的とする。
また、材料の使用量が少なく、簡便な工程で生産可能な光ディスク原盤を提供することを目的とする。
更に、材料の使用量が少なく、簡便な工程で生産された光ディスク原盤を用いて生産可能なスタンパ、光ディスク基板、及び光ディスクを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、手段として次の1)に記載の手順、及び2)乃至5)の構成を有する
1)ガラス基板1上に、非感光性のアルカリ可溶性樹脂からなる溶液を塗布する第1の層塗布工程と、塗布された溶液を加熱して第1の層2を形成する第1の層ベーキング工程と、第1の層2上に感光性樹脂からなる第2の層3を形成する第2の層形成工程と、第2の層3に所定のパターンを露光して、潜像6を形成する露光工程と、第2の層3に形成された潜像6をアルカリ現像液にて除去すると共に、潜像6の除去後に残され第2の層3をマスクとして第1の層2をアルカリ現像液で溶解し凹凸パターンを形成する現像工程とを有した光ディスク原盤7の製造方法であって、第1の層ベーキング工程は、120℃で且つ160℃の条件で加熱硬化し第1の層2を形成する特徴とする光ディスク原盤7の製造方法。
2)少なくとも一面を研磨洗浄したガラス基板1と、ガラス基板1の研磨面上に形成された非感光性のアルカリ可溶性樹脂からなる第1の層2と、第1の層2上に形成された感光性樹脂からなる第2の層3とを有する光ディスク原盤7において、第1の層2及び第2の層3にこの両層を貫く形で凹凸パターンが形成されており、第1の層2の膜厚が凹凸パターンの凹パターンの幅の値の1/3以下の値であり、第2の層3の膜厚が20〜60nmの範囲内にあることを特徴とする光ディスク原盤7。
3)電鋳によって形成された導電皮膜部9と、導電皮膜部9を形成するための電極として、導電皮膜部9に密着成膜された導電膜部8とからなり、導電膜部8が、2)に記載の光ディスク原盤7上に形成された凹凸パターンを転写した凸凹パターンを有するスタンパ10。
4)3)に記載のスタンパ10が組み込まれた成形金型を用いて、光透過性の合成樹脂を成形してなる、表面にスタンパ10の凸凹パターンを転写した凹凸パターンを有する光ディスク基板11。
5)4)に記載の光ディスク基板11と、光ディスク基板11の凹凸形状が形成された側の面の表面に成膜された反射層12と、反射層12上に形成された保護層13とからなる光ディスク。
本発明によれば、ピットの形状の乱れがなく、ディフェクトが少ないため、ジッタ値が良く高品質な光ディスクを製造するための光ディスク原盤の製造方法を提供できる。
また、材料の使用量が少なく、簡便な工程で生産可能な光ディスク原盤を提供できる。
更に、材料の使用量が少なく、簡便な工程で生産された光ディスク原盤を用いて生産可能なスタンパ及び光ディスク基板を提供することができる。
本発明では、フォトレジストの膜厚を特許文献1に記載の従来例に比較して薄膜化している。そのことによって、遠紫外線レーザを用いた場合でもフォトレジスト内部での光の吸収が少なくなり、解像度が上がるため、レーザの集光ビームの中心付近のみの露光量でも記録が可能となる。それによって、レーザの集光ビーム径以下のサイズのパターン形成が可能となる。
つまり、本発明の多層レジスト法は、従来から行われていたフォトレジストに露光された潜像の上部と底部のサイズ差を利用する方法ではなく、レーザの集光ビームの中心付近だけを利用して記録するものである。
<実施例1>
以下に、本発明に係る実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の光ディスクの製造方法を示すフローチャートである。図2は、本発明の光ディスク原盤の製造方法を示す断面図である。図3(a)は、本発明の光ディスク原盤の第1の層2に架橋剤が添加されていない場合の、現像後の光ディスク原盤の一部の拡大断面図を示す。また、図3(b)は、本発明の光ディスク原盤の第1の層2に架橋剤が添加された場合の、現像後の光ディスク原盤の一部の拡大断面図を示す。図4は、本発明の光ディスク原盤の下層ベーキング温度を変化させた場合のジッタ値を示す図である。図5は、本発明の光ディスク原盤の下層ベーキング温度と上層膜厚とを変化させた場合のジッタ値を示す図である。図6は、本発明の光ディスク原盤の下層膜厚とピット幅とを変化させた場合のジッタ値を示す図である。
以下では、図1乃至図3を用いて、本発明の光ディスク原盤の製造方法を説明する。
(第1の層塗布工程)S1
ガラス基盤1の、少なくとも一面に研磨洗浄を行う。研磨洗浄を行い平滑化されたガラス基盤面に、3重量部の架橋剤(ヘキサメチレンテトラミン)を含んだクレゾールノボラック樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を回転塗布する。
ここで、クレゾールノボラック樹脂は、pH=8以上のアルカリ性の溶液に溶解し、pH=6〜8の水には溶解しない非感光性のアルカリ可溶性樹脂である。
また、架橋剤は、後述するように、アルカリ溶液に対する第1の層の溶解速度のコントロール性を高めるために添加するものである。
(第1の層ベーキング工程)S2
架橋剤を含んだクレゾールノボラック樹脂溶液が塗布されたガラス基盤1を、ホットプレートで60秒間ベーキングすることによって、図2(a)に示すように、第1の層2を形成する。
(第2の層塗布工程)S3
次に,形成された第1の層2の上に、感光性であるポジ型のフォトレジスト(DVR−300,日本ゼオン株式会社 製)3を回転塗布する。
(第2の層ベーキング工程)S4
第1の層2上にフォトレジストが塗布されたガラス基盤を、80℃に設定されたオーブンで45分間ベーキングし、図2(b)に示すように、第2の層3を形成する。
(露光工程)S5
図2(c)に示すように、露光に用いるレーザ照射装置(図示せず)から出射された波長266nmの遠紫外レーザ光4を対物レンズ5によってガラス基盤1上に形成された第2の層3上に集光することにより、第2の層3に露光記録を行い、トラックピッチ=0.32μm,最短ピット長=0.15μmのピットに対応する潜像6を形成する。
なお,このレーザ光の波長は、パターンサイズに応じて選択することができ、最短ピット長が0.2μm以下の微細パターンの場合は、200〜300nmの遠紫外線領域である必要がある。
(現像工程)S6
次に、ガラス基盤1上の第2の層3に対してアルカリ現像液である0.3N−OFPRディベロッパーNo.3(OFPRは登録商標)(東京応化工業株式会社 製)で60秒間の現像処理を行う。
この現像過程においては、第2の層3に形成された潜像6がアルカリ現像液に溶解し第2の層3に開口部を形成する。引き続きアルカリ現像液に浸漬することで、第2の層3に形成された開口部に接する第1の層2の領域がガラス基盤1方向に溶解し、図2(d)に示すように、第1の層2にピットである凹凸パターンが形成され、光ディスク原盤7を得る。
第1の層2に架橋剤が添加されていない場合、第1の層2の溶解速度が速いため、図3(a)に示すように、第1の層2の現像が進みすぎて、第2の層3の最下部のパターン幅PWよりも第1の層2の最下部のパターン幅Pdの方が広くなった状態、すなわちアンダーカット状態になる。
第1の層2に架橋剤が添加することによって、第1の層2の溶解速度が適度になるため、図3(b)に示すように、第1の層2にはアンダーカット状態は発生しない。
(リンス洗浄工程)S7
光ディスク原盤7の表面のディフェクト除去のため、純水によるリンス洗浄を1分間行う。
この際、第1の層2及び第2の層3は、純水に不溶な材質であるためリンス洗浄時間をより長く設定することも可能である。
(導電膜形成工程)S8
以上のようにして作製された光ディスク原盤7の凹凸パターンが形成された側の表面に、図2(e)に示すように、スパッタ或いは無電解メッキ等の方法によりニッケル等の導電性膜8を成膜する。
(スタンパ作製工程)S9
導電膜形成工程S8で形成された導電性膜8を陰極とするとともに、陽極側にニッケルを配置して、スルファミン酸ニッケル溶液中で通電し、図2(f)に示すように、光ディスク原盤上に所定の厚さのニッケル層9を析出する。
次に、この析出させたニッケル層9を光ディスク原盤7から剥離することにより、図2(g)に示すように、信号パターンの形成された金属光ディスク原盤、すなわちスタンパ10を得る。
(光ディスク基板成形工程)S10
スタンパ作製工程S9で作製されたスタンパ10を利用して、光ディスクの量産が行われる。
スタンパ10は、内外径加工及び裏面研磨等の後処理が施された後、成形機に設置される成形金型に組み込まれる。光透過性を有するアクリル(PMMA)樹脂、ポリカーボネート樹脂等の合成樹脂を材料として、コンプレッション(圧縮成形)法,インジェクション(射出成形)法,或いはフォトポリマー(2P)法等の成形方法により、成形金型に組み込まれたスタンパ10を雌型として、雄型の光ディスク基板11を形成する。
(反射膜形成工程)S11
光ディスク基板11の凹凸形状が形成された側の面の表面に、アルミニウム等を成膜して反射層12を形成する。なお、成膜方法としては蒸着やスパッタリング法等が用いられる。
次に、上記反射層12を保護するために、アクリル系の紫外線硬化樹脂等をスプレー法,ロールコート法,或いはスピンコート法等により塗布した後に硬化し、保護層13を形成する。
その次に、上記保護膜13上に、紫外線硬化型インク等によりレーベル部14を形成することにより、光ディスクが完成する。
ここで、光ディスク原盤7を製造する際の第1の層2形成時のベーキング温度と光ディスクの再生信号の特性の品質との関係を評価するため、第1の層2の膜厚を30nmに、第2の層3の膜厚を50nmに固定すると共に、第1の層2形成時のベーキング温度を100℃から180℃の範囲で10℃刻みの温度にてそれぞれ光ディスクを作製した。それぞれの光ディスクのジッタ値の測定結果を、表1に示す。
なお、ジッタ値の測定は、波長405nm、NA=0.8の光ピックアップを用い、リミットイコライジング後のジッタ値を測定したものである。このジッタ値は、規格値である6.5%以下の場合、光ディスクの信号再生特性として実用性がある。また、表1の判定の項は、作製された光ディスクのジッタ値が、規格値を満足している6.5%以下である場合を○で、規格値から外れた6.5%より高い値の場合を×で表している。
表1に示すように、光ディスク原盤7を製造する際の第1の層2形成時のベーキング温度が120℃以上で且つ160℃以下において、光ディスクのジッタ値が規格値である6.5%以下を満足した。また、図4に示すように、150℃でジッタ値は最も低い値になっている。更に、ベーキング温度が150℃以下の場合に比べ150℃より高い場合のジッタ値が悪化する割合が大きくなっている。これは、高温でのベーキングによってアルカリ可溶性樹脂に化学変化がおき、急激にエッチング特性が変化し、ジッタ値が悪くなるものと推測される。このことから、第1の層のベーキング温度は、120℃以上で且つ155℃以下がより良い条件であると言える。更に、望ましくは145℃以上で且つ155℃以下の範囲が良いと言える。
Figure 2009080914
<実施例2>
次に、<実施例1>と同様の工程にて光ディスク原盤7を製造する際の第1の層2の膜厚を30nmに固定し、第1の層2形成時のベーキング温度と第2の層3の膜厚とを変化させて作製した光ディスクのジッタ値を、同様の方法で測定した結果を表2に示す。第1の層2のベーキング温度は、<実施例1>で求められたジッタ値が規格値である6.5%以下を満たすベーキング温度の最大側と最小側である120℃と160℃に加え、ジッタ値が最小になった150℃とした。第2の層3の膜厚は、10nmから80nmの範囲で10nm刻みの厚さにてそれぞれ光ディスクを作製した。
表2に示すように、光ディスク原盤7を製造する際の第2の層3の膜厚が20〜60nmにおいて光ディスクのジッタ値が規格値を満足した。また、図5に示すように、各ベーキング温度でジッタ値が最小になる第2の層3の膜厚は40〜50nmになり、各ベーキング温度におけるジッタ値が最小になるピーク位置の差は少ないことがわかる。これは、フォトレジストの膜厚が60nmを超えた場合、フォトレジストによる内部吸収の影響で、レーザの集光ビーム径以下のサイズのパターン形成が難しくなり、ピット形状が乱れるためであると考えられる。また、フォトレジストの膜厚が、20nm以下の場合、フォトレジスト分子の大きさの影響により、スピンコートによる均一なコーティングが難しくなり、フォトレジスト膜厚が不均一になったためと考えられる。このことから、第2の層3の膜厚は、40nm以上で且つ50nm以下がより良い条件であると言える。
Figure 2009080914
<実施例3>
更に、<実施例1>と同様の工程にて光ディスク原盤7を製造する際の第1の層2形成時のベーキング温度を150℃、第2の層3の膜厚を50nmに固定し、ピット幅と第1の層2の膜厚を変化させて光ディスクを作製し、同様に光ディスクのジッタ値を測定した結果を表3に示す。なお、ここで言うピット幅とは最長ピットである8Tピットの幅のことであり、図3に示す第2の層3のフォトレジストパターンの最下部の幅Pwで定義したものである。また、ピット幅は、レーザ光の出力を変更することにより調整し、120nm,150nm,180nmのピット幅を形成した。第2の層3の膜厚は、10nmから80nmの範囲で10nm刻みの厚さにてそれぞれ光ディスクを作製した。
表3から、光ディスク原盤7を製造する際の第1の層2の膜厚を変化させたときに光ディスクのジッタ値が規格値を満足する膜厚の最大値は、ピット幅によって変わり、第1の層2の膜厚を、ピット幅の値の1/3以下に設定することによって、ジッタ値が規格値を満足することがわかった。また、図6からピット幅もジッタ値に影響することがわかる。ピット幅が小さい場合は、レーザ光の出力が小さいため、形成されるピットの乱れが発生し、ジッタが悪化すると推測される。
Figure 2009080914
以上、説明したように、従来、ピット長が0.20μm未満のピット長を有する大容量の光ディスクを作製するために遠紫外線等のレーザ光での露光をする場合、再生品質の良い光ディスクを製造することは困難であったが、本発明によれば、光ディスク原盤7を作製する際に、第1の層2に水に不溶な非感光性のアルカリ可溶性樹脂を用いると共に、第2の層3のフォトレジストの膜厚を20nm〜60nmに設定することにより、遠紫外線レーザ光による高精度のパターンニングが可能であり、ジッタ値が低く再生品質の良好な光ディスクを製造することができる。
また、光ディスク原盤7を製造する際に、露光を遠紫外線レーザ光で行うことにより、従来の生産設備を使用することができるため、高額な投資をすることない上に、生産性も落とすことなく、大容量の光ディスクを製造することができる。
更に、光ディスク原盤7を製造する際に、現像後に第2の層3を除去していた従来の生産工程に比べ、第2の層3と第1の層2の合計膜厚でピット深さを設定するため、現像後に第2の層3を除去する必要が無く、生産工程を簡略化することができるばかりでなく、第2の層3のフォトレジストの使用量及び第1の層2の使用量を少なくすることができる。
実施例では、光ディスク原盤7を製造する際の第1の層2の非感光性のアルカリ可溶性樹脂として、クレゾールノボラック樹脂を用いたが、これに限らず、フェノールノボラック樹脂,ポリヒドロキシスチレン樹脂,及びPMMA樹脂等を用いることができる。それに加えて、半導体製造プロセスでよく用いられる、アルカリ現像液でのウェットエッチングが可能な反射防止膜[例えば商品名XL−20、WiDE−15(Brewer Science Incorporated製)等]を第1の層2として用いることもできる。
また、実施例では、再生専用の光ディスクに関して記載したが、ピットの代わりに案内溝を形成し、反射膜の代わりに記録膜及びそれに付随する膜を形成し、記録再生を行う記録再生可能な光ディスクについても同様であることは勿論である。
本発明の光ディスクの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の光ディスク原盤の製造方法を示す断面図である。 本発明の現像後の光ディスク原盤の一部を示す拡大断面図であり、図3(a)は第1の層に架橋剤が添加されていない場合を示し、図3(b)は第1の層に架橋剤が添加された場合を示す。 本発明の光ディスク原盤の下層ベーキング温度を変化させた場合のジッタ値を示す図である。 本発明の光ディスク原盤の下層ベーキング温度と上層膜厚とを変化させた場合のジッタ値を示す図である。 本発明の光ディスク原盤の下層膜厚とピット幅とを変化させた場合のジッタ値を示す図である。
符号の説明
1…ガラス基盤 、2…第1の層、3…第2の層、4…レーザ光、5…対物レンズ、6…潜像、7…光ディスク原盤、8…導電性膜、9…ニッケル層、10…スタンパ、11…光ディスク基板、12…反射膜、13…保護膜、14…レーベル部

Claims (5)

  1. ガラス基板上に、非感光性のアルカリ可溶性樹脂を溶質としてなる溶液を塗布する第1の層塗布工程と、
    前記塗布された溶液を加熱硬化して第1の層を形成する第1の層ベーキング工程と、
    前記第1の層上に感光性樹脂からなる第2の層を形成する第2の層形成工程と、
    前記第2の層に所定のパターンを露光して、潜像を形成する露光工程と、
    前記第2の層に形成された前記潜像をアルカリ現像液にて除去すると共に、前記潜像の除去後に残された前記第2の層をマスクとして前記第1の層を前記アルカリ現像液で溶解し凹凸パターンを形成する現像工程と、
    を有し、
    前記第1の層ベーキング工程は、120℃以上で且つ160℃以下の条件で加熱硬化し前記第1の層を形成することを特徴とする光ディスク原盤の製造方法。
  2. 少なくとも一面を研磨洗浄したガラス基板と、
    前記ガラス基板の研磨面側に形成された非感光性のアルカリ可溶性樹脂からなる第1の層と、
    前記第1の層上に形成された感光性樹脂からなる第2の層と、
    を有する光ディスク原盤において、
    前記第1の層及び前記第2の層に、この両層を貫く凹凸パターンが形成されており、
    前記第1の層の膜厚が、前記凹凸パターンの凹パターンの幅の値の1/3以下の値であり、
    前記第2の層の膜厚が、20〜60nmの範囲内にある、
    ことを特徴とする光ディスク原盤。
  3. 電鋳によって形成された導電皮膜部と、
    前記導電皮膜部を形成するための電極として、前記導電皮膜部に密着成膜された導電膜部と、
    からなり、
    前記導電膜部が、請求項2に記載の光ディスク原盤上に形成された凹凸パターンを転写 した凸凹パターンを有するスタンパ。
  4. 請求項3記載のスタンパが組み込まれた成形金型を用いて、光透過性の合成樹脂を成形してなる、
    表面に前記スタンパの凸凹パターンを転写した凹凸パターンを有する光ディスク基板。
  5. 請求項4記載の光ディスク基板と、
    前記光ディスク基板の凹凸形状が形成された側の面の表面に成膜された反射層と、
    前記反射層上に形成された保護層と、
    からなる光ディスク。




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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113805726A (zh) * 2021-09-01 2021-12-17 江西合力泰科技有限公司 一种触控屏及制作方法

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