JP2739841B2 - 情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

情報記録媒体の製造方法

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JP2739841B2 JP7162537A JP16253795A JP2739841B2 JP 2739841 B2 JP2739841 B2 JP 2739841B2 JP 7162537 A JP7162537 A JP 7162537A JP 16253795 A JP16253795 A JP 16253795A JP 2739841 B2 JP2739841 B2 JP 2739841B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオディスク,コン
パクトディスク等の光ディスクに関し、特に、この光デ
ィスクとして使用する高密度記録の情報記録媒体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク用の基板に凹凸の情報(記録
ピット)を形成する方法としては、インジェクション成
形法を使用してプラスチックの基板に凹凸の情報を形成
する方法と、紫外線硬化樹脂を使用して基板上に凹凸の
情報を形成するフォトポリマ法(2P法)とが知られて
いる。
【0003】この光ディスクを形成する従来のスタンパ
の製造方法を以下に示す。 a.レジスト原盤工程 射出成形用スタンパを製作するための土台となる原盤を
作る工程である。まず、基板洗浄を充分行った後、次工
程レジスト層の剥離防止のため、シランカップリング剤
を蒸気状にしてガラス基板に吸着させ、密着剤処理を施
す。乾燥後、フォトレジストをスピンコート法により均
一に塗布した後、レーザカッティング法により記録ピッ
トを露光する。次にレジスト盤を回転させながら現像液
を滴下し、潜像部分を除去し現像を行って原盤を得る。 b.露光工程 原盤からスタンパを作製する工程である。まず、レジス
ト原盤に伝導性を付加するために、Niのスパッタリン
グにより厚さ100nm 前後のNi薄膜を形成して電鋳用の
電極となる導電膜を形成する。レジスト原盤のNi薄膜
を陰極、溶解効率の高いデポラライズドニッケルを陽極
として低応力のスルファミン酸ニッケル浴中で電鋳めっ
きを行う。
【0004】レジスト原盤からNi薄膜と共にNi板を
剥し、表面のレジストを除去したNi板がマスタ盤で、
そのまま裏面研磨を施し、射出成形に用いればマスタス
タンパとなるが、通常は表面層の酸化処理と電鋳を繰り
返して、マスタ盤からマザー盤を、マザー盤からスタン
パと、1枚のマスタ盤から25枚程度のスタンパを作製
する。 c.レプリケーション工程 スタンパから記録ピット付きディスク基板の製作工程で
ある。まず、樹脂の原材料であるペレットを充分乾燥さ
せた後、射出成形機の可動金型にスタンパを取り付け、
鏡面に仕上げた固定金型との中空部に加熱溶融状態の樹
脂を噴出し、圧縮、保圧の後に強制冷却させて、形成さ
れたディスク基板を金型から取り出す。
【0005】ところが、このようにして得た光ディスク
の記録ピットは、記録ピットの側面がフォトレジスト層
の開口の形状を踏襲して側面が傾斜面となるダレやボケ
となり、再生信号特性に劣化が生じる。
【0006】このダレやボケは、次のようにして発生す
る。図11を参照してフォトレジストに対するレーザ光
によるパターン露光に付いて説明する。
【0007】露光ビームの強度分布は、ガウス分布をし
ているため、フォトレジスト膜上に、露光によって形成
された潜像も略ガウス分布となる。現像によって形成さ
れるピット断面は、潜像が中間調部を含む略ガウス分布
であるため、例えば図11に示すように、現像の進行と
ともに記号aの形状から記号eの形状に変化する。この
ため、図12に示すように、基板1に積層された金属反
射膜7,樹脂膜8のガウス分布の裾の広がりに等しい部
分にピットの傾斜部のダレやボケとして現れる。
【0008】かかる問題を解決するために、例えば特開
平3−108141号公報と特開平4−248145号
公報では、高密度光ディスクの製造工程において、記録
ピットまたはこの記録ピットを形成するための凹部の形
成を、フォトレジスト層4bの開口を通じてエッチング
する方法が提案されている。
【0009】これを更に詳述すると、図13(a),
(b),(c)に示すように、基板1上にフォトレジス
ト層4bを形成し、このフォトレジスト層4bに記録情
報に応じた選抜的露光および現像を行って、フォトレジ
スト層4bに露光入射側の面で開口幅RT に比例して反
対の基板側の開口幅RB が小さい開口を形成してこの開
口を通じて基板に対してエッチングを行って凹部を形成
する。この結果、フォトレジスト層4bの開口部4aに
対応する位置には、図13(b)図に示すように、この
開口部4aの下層2との境界部における開口幅RB に応
じた幅、すなわち先のフォトレジスト層4bの開口部4
aの下層2との境界部における開口幅RB以下となされ
た開口幅FT を有した開口部2aがピットとして形成さ
れる。
【0010】次いで、フォトレジスト層4bを排除して
この凹部を情報ピットとする光ディスクを得るか、また
は、この上にNi等の金属反射層を例えば無電界メッキ
および電気メッキを行って、この金属層を基板から剥離
してスタンパを作成し、これより光ディスクを作成する
か、更にある場合は、同様のメッキによってスタンパ形
成のマスタを形成し、これに基づいて複数のスタンパを
形成して目的とする光ディスクを成形する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の特開平
4−248145と特開平3−108141号に開示さ
れた高密度光ディスクの製造方法においては以下に示す
問題点を有する。
【0012】上記の特開平4−248145と特開平3
−108141号に示されている開口幅RT ,RB ,F
T ,FB の関係を不等式で表すとRT >RB >FT >F
B ・・・・(A) となる。しかしながら実際の開口幅
T ,RB ,FT ,FB の関係はRT ≧FT ≧RB =F
B ・・・・(B) となり、RB >FT の関係が成立するこ
とは原理的に不可能である。
【0013】開口幅RT ,RB ,FT ,FB の大小関係
はマスクとして用いられる上層のフォトレジストと下層
の被エッチング材の選択比とエッチングの異方性によっ
て決定される。図14に理想的な異方性エッチングによ
り形成された開口幅RT ,RB ,FT ,FB の選択比依
存性を示す。図14(a)はエッチング前のフォトレジ
ストの開口幅RT ,RB の関係(RT >RB )を示す。
図14(b)は選択比が1のフォトレジストと被エッチ
ング材の組み合わせによりエッチングしたときの開口幅
T ,RB ,FT ,FB の関係(RT =FT >RB =F
B )を示す。図14(c)は選択比が2のフォトレジス
トと被エッチング材の組み合わせによりエッチングした
ときの開口幅RT ,RB ,FT ,FB の関係(RT >F
T >RB=FB )を示す。図14(d)は選択比が10
のフォトレジストと被エッチング材の組み合わせにより
エッチングしたときの開口幅RT ,RB ,FT ,FB
関係(RT >FT >RB =FB )を示す。図14(e)
は選択比が無限大のフォトレジストと被エッチング材の
組み合わせによりエッチングしたときの開口幅RT,R
B ,FT ,FB の関係(RT >FT =RB =FB )を示
す。不等式(B)に示した開口幅RT ,RB ,FT ,FB
の大小関係はフォトレジストの膜厚と被エッチング材の
膜厚に係わり無く、選択比とエッチングの異方性により
定まる。
【0014】従って、良好な再生信号特性を有する高密
度光ディスクの製造においては、記録ピットの側壁が平
準な高度の垂直異方性エッチングが重要である。しかし
ながらフォトレジストをエッチングマスクとして用いた
場合、高度な垂直異方性と高い選択性を同時に満足する
ことは以下に示す要因が発生し困難となる。
【0015】ドライエッチングの断面形状の垂直化を妨
げる要因は、図15にモデル的に示すように、マスク端
部がイオン衝撃によって後退する図15(a)の場合
(異方性が中ぐらいで、選択比が小さい)と、マスク端
部の後退が無視できる場合でもイオンの指向性に分散
(広がり)がある図15(b)の場合(等方性エッチン
グで選択比が大)とに大別される。前者ではマスク端部
および試料のマスク直下に物理的スパッタ特有のファセ
ットまたは荒れが現れるとともに開口幅が拡大し、高密
度化の妨げとなる。一方、後者の場合は入射イオンの断
面側壁入射のため、側壁には低部付近に湾曲すなわちオ
ーバーハングが現れる。つまり、異方性を高くすると選
択性が損なわれ、選択性を高くすると異方性が損なわれ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、上記従
来例の有する不都合を改善し、とくにマスク端部および
試料のマスク直下に現れる物理的スパッタ特有のファセ
ットまたは荒れを防止し、且つ、入射イオンの断面側壁
入射のため、側壁には低部付近に湾曲すなわちオーバー
ハングを防止することで、高密度で且つ信号特性の良好
な情報記録媒体のスタンパおよび情報記録媒体の製造方
法を提供することにある。
【0017】そのため、 (1)本発明の情報記録媒体の製造方法は、円盤よりな
る基板1の表面に、非感光性の下層2,中間層3の順で
積層し、次いで感光性の上層4を積層し、書き込み情報
に対応するレーザ光を照射して、そのレーザ光照射領域
の上層4を露光し、その露光された上層4を現像し、レ
ーザ光照射領域の上層4を除去して中間層3を露出し、
中間層3のエッチングが可能で、且つ下層2のエッチン
グができないエッチングガスを用い、第1回目のエッチ
ングをなして、下層2が現れるまでエッチングを行
い、上層4の除去された領域の中間層3を除去すること
で上層のパターンを転写し、酸素プラズマにより残留上
層4を取り除き、上層4を中間層3エッチングマスク
とし第2回目のエッチングをなして、中間層3の除去
された領域の下層2に凹部を形成し、メッキ膜10を成
膜し、中間層3とメッキ膜10を電極としてメッキ層1
1を電鋳し、基板1から剥離し、中間層3をメタルマス
タの―部とすることを特徴としている。 (2)本発明の情報記録媒体の製造方法は、円盤よりな
る基板1の表面に、非感光性の中間層3,感光性の上層
4の順で積層し、書き込み情報に対応するレーザ光を照
射して、そのレーザ光照射領域の上層4を露光し、その
露光された上層4を現像し、レーザ光照射領域の上層4
を除去して中間層3を露出し、中間層3のエッチングが
可能で、且つ基板1のエッチングができないエッチング
ガスを用い、第1回目のエッチングをなして基板1が
現れるまでエッチングを行い、上層4の除去された領域
の中間層3を除去することで上層のパターンを転写し、
酸素プラズマにより残留上層4を取り除き、上層4を
間層3エッチングマスクとし第2回目のエッチング
をなして、中間層3の除去された領域の基板1に凹部を
形成し、メッキ膜10を成膜し、中間層3とメッキ膜1
0を電極としてメッキ層11を電鋳し、基板1から剥離
し、中間層3をメタルマスタの―部とすることを特徴と
している。 (3)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(2)の円盤よりなる基板1が、エッチングを均質
に行える素材である、石英ガラス,合成石英ガラス,S
i,Si3 4 の内のいずれか―つからなることを特徴
としている。 (4)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(1),(2)のエッチング方法は、Ar,K
r,Xe,Heの不活性ガスを使用してなすイオンミリ
ング法であることを特徴としている。 (5)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(1),(2)のエッチング方法が、CF4 ,C
4 +O2 ,CC14 +He,CC12 2 +N2 ,C
C14 十SF6 ,CBrF3 十C12 ,C12 十Ar,
CBrF3 ,SiC14 ,CC12 4 十O2 ,SiC
4 十C12 ,CF4 十H2 ,CHF3 ,CHF3 十O
2 ,CHF3 十CO2 ,CHF3 十C2 6 ,CC14
十He,CC14 十BC13 十O2 ,BC13 十C
2 ,BC13 十CC13 F十He,CC14 十O2
CF4 十O2 ,SF6 十C12 ,C12 十H2 の内の少
なくとも―種類以上のエッチングガスを使用してなすリ
アクティブイオンエッチング法であることを特徴として
いる。 (6)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(1),(2)のエッチング方法が、CF4 ,C
4 +O2 ,CC14 +He,CC12 2 +N2 ,C
C14 十SF6 ,CBrF3 十C12 ,C12 十Ar,
CBrF3 ,SiC14 ,CC12 4 十O2 ,SiC
4 十C12 ,CF4 十H2 ,CHF3 ,CHF3 十O
2 ,CHF3 十CO2 ,CHF3 十C2 6 ,CC14
十He,CC14 十BC13 十O2 ,BC13 十C
2 ,BC13 十CC13 F十He,CC14 十O2
CF4 十O2 ,SF6 十C12 ,C12 十H2 の内の少
なくとも―種類以上のエッチングガスを使用してなすリ
アクティブイオンエッチング法であることを特徴として
いる。 (7)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(1),(2)の中間層3として、Au,Ag,A
1,Mo,Cr,Ti,Pt,Ta,W,Ni,Co,
Ru,Fe,Ge,Ir,Re,Os,Hf,V,S
i,U,Th,Be,Cの内のいずれか―つの導電性膜
を用いることを特徴としている。 (8)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(1),(2)の下層2として、ポリケイ皮酸ビニ
ル,ポリビニルフェノールと芳香族ビスアジドの混合
物,アルカリ可溶性フェノール樹脂とナフトキノンジア
ジドの混合物,ポリメタクリル酸メチル(PMMA),
ジアゾメチルドラム酸とノボラックとの混合物,クレゾ
ールノボラックとナフトキノンジアジゾの化合物の内の
いずれか―つの有機膜を用いることを特徴としている。 (9)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法は、
上記(1),(2)の下層2として、Si,SiO2
Si3 4 ,SOG(Spin−on−G1ass)の
内のいずれか―つを用いることを特徴としている。 (10)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法
は、上記(1)の基板1として、Si,SiO2 ,A
1,Cr,Ni,化学強化ガラス,石英ガラス,合成石
英ガラス,アルミニウム合金,ステンレスの内のいずれ
か―つの無機材料を用いることを特徴としている。 (11)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法
は、上記(1),(2)の基板1として、ポリメチルメ
タアクリレート(PMMA),ポリカーボネイト(P
C),非晶質ポリオレフィン(APO),エポキシの内
のいずれか―つの有機材料を用いることを特徴としてい
る。 (12)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法
は、上記(1),(2)の上層4のパターン形成後、遠
紫外光照射または遠紫外光照射後高熱処理を施すことを
特徴としている。 (13)本発明の情報記録媒体のスタンパの製造方法
は、上記(1),(2)の情報記録媒体のスタンパの製
造方法を使用して製造されたスタンパとディスク基板と
の間に樹脂を介在し、その樹脂を硬化する工程を含むこ
とを特徴としている。
【0018】
【作用】本発明の情報記録媒体のスタンパ製造方法によ
れば、上層4,中間層3および下層2の3層、または、
上層4,中間層3の2層よりなる多層を用い、イオンミ
リングとリアクティブイオンエッチングの少なくとも2
回のドライエッチングを行うことで、高度な垂直異方性
と高い選択比を同時に満足させることを可能とし、開口
幅RT ,RB ,FT ,FB の関係RT >FT =RB =F
B をほぼ満足することで高密度化が可能となる。上層4
は、露光、現像により上層のパターンを形成する通常の
レジストである。中間層は上層4と下層2を分離すると
共に、下層2のマスクとして働く、下層2にエッチング
を行うプラズマに対して耐性の強い材料からなる。
【0019】露光ビームの強度分布は、ガウス分布をし
ているため、フォトレジスト膜上に、露光によって形成
された潜像も略ガウス分布となる。現像によって形成さ
れるピット断面は、潜像が中間調部を含む略ガウス分布
であるため、図13(b)に示すように上部開口幅RT
と下部開口幅RB がRT >RB なる関係を有する開口部
4aを形成する。
【0020】次に、フォトレジストの耐熱性とドライエ
ッチ耐性を向上させるために、遠紫外光照射技術を用い
る。この方法は、フォトレジストにピットまたはグルー
ブのパターン形成後、波長250 nm〜300 nmの遠紫外光を
ディスク全面に照射し、光吸収に伴うフォトレジスト分
子の架橋により耐熱性を向上させるものである。さら
に、その後で、高温で熱処理を行いレジストを熱架橋さ
せることにより、よりいっそう、フォトレジストの耐熱
性とドライエッチング耐性を増大させる。
【0021】開口部4aを通して、中間層3に異方性を
有するイオンミリング等の物理的な効果の高いエッチン
グを行うことで、開口幅がRT ≧FT ≧RB =FB なる
関係を有する開口部3aを形成する。また、フォトレジ
ストと中間層の選択比が1以下の場合(1/n,n=
1,2,3,・・・)、開口幅がRT ≧FT ≧RB =F
B なる関係を有するためには、フォトレジストの膜厚を
dとすると中間層の膜厚DはD=d/nの関係を満たせ
ばよい。次に上記のエッチングにおいて、下層2が露出
した時点でエッチングを停止する。
【0022】中間層3をエッチングマスクとし使用でき
るため、下層2とエッチングガスの組み合わせにより、
高度な異方性と高い選択比を満足し、開口部3aを通し
て下層2に開口幅がFT =RB =FB なる関係をほぼ満
足するピットを形成することが可能となる。
【0023】また、前述した中間層はメタルマスタ製作
時にメッキ層の一部として作用し電解メッキを施す助け
となりメタルマスタの一部分として取り込まれるため微
小ピットの形成が可能となる。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0025】まず、本発明を適用した情報記録媒体の製
造方法の具体的な実施例を図1〜図5を参照しながら説
明する。
【0026】高密度光ディスクを製作するには、先ず、
図1(a)に示すように、表面を研磨した化学強化ガラ
スよりなる基板1上に膜厚60 nm 〜100 nm(再生波長の
λ/4n によって決まる厚み;n は再生基板の屈折率)程
度のSiO2 (Si,Si34 でもよい)層を下層2
として成膜する。
【0027】この下層2は、ピットまたはグルーブを形
成するための層であるので、後工程で中間層3をエッチ
ングマスクとしてエッチングを行ったとき、高度な異方
性と高い選択比を満足することが必要である。かかる要
求を満足する材料は、上記したSiO2 層が好適であ
る。尚、これは特に限定されるものではなく上記条件を
満足する材料であれば何でもよい。
【0028】次に、この下層2上に膜厚20 nm 〜150nm
程度のNi(Al,Crでもよい)層を中間層3として
成膜する。
【0029】この中間層3は下層2をエッチングすると
きのエッチングマスクを形成するための層であるので、
後工程で上層4を露光したときにこの中間層3が露光ビ
ームによって感光されないことが必要であり、さらに、
上層4を現像したときにアルカリ水溶液等の上層4を除
去する溶液に溶かされないことが必要となる。かかる要
求を満足する材料は、前述したNi層が好適である。
尚、これは特に限定されるものではなく上記条件を満足
する材料であれば何でもよい。
【0030】次に、図1(b)に示すように、上記中間
層3上に膜厚50 nm 〜150 nm程度のポジ型の上層4をス
ピンコート法により塗布する。
【0031】この上層4は、前述した中間層3をエッチ
ングにより成形する際にマスクとしての作用を果たすも
のであるから、露光ビームに対して感光する材料が使用
される。かかる材料としては、例えば感光性レジストが
好適である。
【0032】次に、図1(c)および図1(d)に示す
ように、露光ビーム hνの強度分布は、ガウス分布をし
ているため、フォトレジスト膜上に、露光によって形成
された潜像も略ガウス分布となり、現像によって形成さ
れるピット断面は、潜像が中間調部を含む略ガウス分布
であるため、感光された潜像を現像すると、図13
(b)に示すように上部開口幅RT と下部開口幅RB
T >RB なる関係を有する開口部4aを形成する。な
お、形成された開口部4aは上部開口幅RT =0.4μm
,下部開口幅RB =0.2 μm であった。
【0033】次に、図2(e)に示すように、現像され
て残った上層4の耐熱性とドライエッチ耐性を向上させ
るため、ディスク全面に、500 W のXe−Hgランプ,
250nmコールドミラーを用い、遠紫外光を3分照射後、2
70 ℃の高温熱処理を施した。
【0034】次に、耐熱性とドライエッチング耐性を向
上させた上層4をマスクとして前述した中間層3をイオ
ンミーリングによりArイオンでエッチングする。
【0035】この結果、図2(f)に示すように、開口
部4aを通して、下層のNiの中間層3に、開口幅がR
T ≧FT ≧RB =FB なる関係を有する開口部4aを形
成する。
【0036】次に、図2(g)に示すように、O2 プラ
ズマにより残留上層4に灰化処理を施し取り除く。
【0037】次に、図3(h)に示すように、前述した
エッチングにより残った中間層3をマスクとして下層2
をRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)により
CF4 でエッチングする。
【0038】この結果、開口部3aを通して、下層のS
iO2 の下成層2に、開口幅がRB=FB =WB なる関
係を有する開口部2aを形成する。
【0039】以下、通常の光ディスクの製造技術に準じ
てマスタ,スタンパ等を作成し光ディスクを作成する。
【0040】例えば、図3(h)にて下層2にピットパ
ターン転写後の基板1に対して、図3(i)および図3
(j)に示すように、前述した中間層3および後述する
メッキ層11を剥離容易ならしめるためにNiメッキを
施しメッキ膜10を形成し、さらに、この上に電解メッ
キまたは無電解メッキを施してメッキ層11を形成す
る。
【0041】次に、図4(k)に示すように、メッキ層
11を基板1より剥離してメタルマスタ12を作成す
る。なお、このとき上記中間層3とメッキ膜10も同時
に剥離する。
【0042】この結果、このメタルマスタ12には、前
述の下層2に形成されたピットまたはグルーブが写し取
られ、このピットまたはグルーブに対応した位置にそれ
ぞれ凸部12aが形成される。
【0043】次いで、図4(l)に示すように、メタル
マスタ12によってマザー13を作成する。
【0044】この結果、マザー13には、メタルマスタ
12に形成された凸部12aが写し取られ、凸部12a
に応じた位置にそれぞれ凹状の溝13aが形成される。
【0045】次に、図4(m)に示すように、マザー1
3によってスタンパ14を製作する。
【0046】この結果、スタンパ14には、マザー13
に形成された凹状の溝13aが写し取られ、この凹状の
溝13aに対応する位置にそれぞれ凸部14aが形成さ
れる。
【0047】次いで、図5(n)に示すように、スタン
パ14を例えばアクリル樹脂やポリカーボネイト樹脂に
押しつけてディスク基板15を作成するか、または、デ
ィスク基板15上に紫外線硬化樹脂を塗布後、スタンパ
15に密着させ紫外線硬化後、スタンパ14より剥離
後、ディスク基板15を作成する。
【0048】この結果、ディスク基板15には、スタン
パ14に形成された凸部14aのに応じた凹状の溝13
aがピットまたはグルーブとして形成される。
【0049】次に、図5(o)に示すように、ディスク
基板15のピット内を含め例えばアルミニウム等の金属
膜16を反射膜として成膜する。
【0050】最後に、図5(p)に示すように、金属膜
16上に樹脂等による保護膜17を形成し、情報記録媒
体を完成する。
【0051】また、基板1に下層2と同一の材料(Si
2 ,Si,Si3 4 ,PMMA,PC(ホ゜リカーホ゛ネイ
ト))を用いれば、基板1自体にピットまたはグルーブの
形成が可能となり、下層2が省略できる。
【0052】以下、本発明に適用できる基板1,下層
2,中間層3のディスク原盤の素材とエッチングガスお
よびエッチング法のエッチングプロセスとの組み合わせ
を表1〜表6に示す。
【0053】表1は、基板上に無機物の下層2,導電性
膜の中間層3,上層4を積層した3層構成において、エ
ッチングにイオンミーリング法、エッチングにRIE
法を使用するときのディスク原盤の素材とエッチングプ
ロセスの組み合わせを示したものである。RIE法で使
用しているエッチングガスより中間層3の導電成膜はエ
ッチングされないので、中間層3と下層2の選択比を無
限に大きく取ることが可能となり、形成されたピット開
口部の上部開口幅と下部開口幅がほぼ等しいピットを形
成することが可能となる。
【0054】
【表1】
【0055】表2は、基板上に無機物の下12層,導電
性膜の中間層3,上層4を積層した3層構成において、
エッチングとエッチングにRIE法を使用するとき
のディスク原盤の素材とエッチングプロセスの組み合わ
せを示したものである。RIE法で使用しているエッチ
ングガスより中間層3の導電性膜はエッチングされない
ので、中間層3と下層2の選択比を無限に大きく取るこ
とが可能となり、形成されたピット開口部の上部開口幅
と下部開口幅がほぼ等しいピットを形成することが可能
となる。
【0056】
【表2】
【0057】表3は、基板上に有機物の下層2,導電性
膜の中間層3,上層4を積層した3層構成において、エ
ッチングにイオンミーリング法およびRIE 法、エッチ
ングにRIE法を使用するときのディスク原盤の素材
とエッチングプロセスの組み合わせを示したものであ
る。RIE法で使用しているエッチングガスより中間層
3の導電性膜はエッチングされず、下層2のみエッチン
グされるので、中間層3と下層2の選択比を無限に大き
く取ることが可能となり、形成されたピット開口部の上
部開口幅と下部開口幅がほぼ等しいピットを形成するこ
とが可能となる。
【0058】
【0059】
【表3】
【0060】表4は、無機物の基板上に導電性膜の中間
層3,上層2を積層した2層構成において、エッチング
にイオンミーリング法、エッチングにRIE法を使
用するときのディスク原盤の素材とエッチングプロセス
の組み合わせを示したものである。RIE法で使用して
いるエッチングガスより中間層3の導電性膜はエッチン
グされないので、中間層3と基板1の選択比を無限に大
きく取ることが可能となり、形成されたピット開口部の
上部開口幅と下部開口幅がほぼ等しいピットを形成する
ことが可能となる。
【0061】
【表4】
【0062】第5は、無機物の基板上に導電性膜の中間
層3,上層4を積層した2層構成において、エッチング
,エッチングにRIE法を使用するときのディスク
原盤の素材とエッチングプロセスの組み合わせを示した
ものである。RIE法で使用しているエッチングガスよ
り中間層3の導電性膜はエッチングされないので、中間
層3と基板の選択比を無限に大きく取ることが可能とな
り、形成されたピット開口部の上部開口幅と下部開口幅
がほぼ等しいピットを形成することが可能となる。
【0063】
【表5】
【0064】表6は、有機物の基板1上に導電性膜の中
間層3,上層4を積層した2層構成において、エッチン
グにイオンミーリング法またはRIE法、エッチング
にRIE法を使用するときのディスク原盤の素材とエ
ッチングプロセスの組み合わせを示したものである。R
IE法で使用しているエッチングガスより中間層3の導
電性膜はエッチングされないので、中間層3と基板1の
選択比を無限に大きく取ることが可能となり、形成され
たピット開口部の上部開口幅と下部開口幅がほぼ等しい
ピットを形成することが可能となる。
【0065】
【表6】
【0066】以下に、本発明に適用できるイオンミーリ
ングによる、中間層3に使用する元素のスパッタ率およ
びフォトレジストのエッチング速度を示す。
【0067】図6は、400 eVのArイオンのイオンミー
リングによる各元素のスパッタ率の文献データを示した
もので、文献(Laegried,N., Wahner,G.K., J.Appl, Ph
ys.,1961 )中の各元素が中間層3として使用可能であ
ることを示した。
【0068】図7は、イオンミーリングによるAu,A
lとフォトレジストAZ1350(Shipley 社製)のエッチン
グ速度の入射角依存性の文献値のデータを示したもの
で、文献(Melliar-Smith,C.M., Mogab,C.J., Plasmaas
sisted etching techniques for pattern delineation,
Academic Press, 1978 )中のデータよりフォトレジス
トAZ1350とAuおよびAlの選択比は各々2.7 と1 であ
り、AuとAlがAZ1350を上層4として使用することで
中間層3として使用可能であることを示した。また、本
発明者等の研究の結果フォトレジストAZ1350J (Shiple
y 社製)とAuの選択比は低加速,高圧力の条件によ
り、1.6 〜50程度まで調整可能であることを確認してい
る。
【0069】次に、本発明を適用した上層4と中間層3
選択比の違いによるメタルマスタの製作工程の具体的な
実施例を図8〜図10を参照しながら説明する。
【0070】上層4と中間層3の選択比が0.1 の場合、
図8(a)に示すように、上層4の膜厚100 nmに対し
て、中間層3の膜厚は1/10の10 nm を成膜する。図8
(b)に示すように、図2(e)の第5工程終了後のデ
ィスク原盤に対してエッチングを行い中間層3に上層
4のパターンを転写する。上層4の下部開口幅R Bとマ
スク層3の下部開口幅FB はほぼ等しくなる。残留上層
4を取り除いた後に、中間層3をエッチングマスクとし
てエッチングを施すことで、形成されたピット開口部
の上部開口幅と下部開口幅がほぼ等しいピットを形成さ
れ、中間層3をメッキ層10および電解メッキ層11と
共に切り放すことで、図8(c)に示すように、メタル
マスタ12を作成する。
【0071】上層4と中間層3の選択比が1 の場合、図
9(a)に示すように、上層4の膜厚100 nmに対して、
中間層3の膜厚は最大100 nmまで成膜可能である。図9
(b)に示すように、図2(e)の第5工程終了後のデ
ィスク原盤に対してエッチングを行い中間層3に上層
4のパターンを転写する。上層4の下部開口幅RB と中
間層3の下部開口幅FB はほぼ等しくなる。残留上層4
を取り除いた後に、中間層3をエッチングマスクとして
エッチングを施すことで、形成されたピット開口部の
上部開口幅と下部開口幅がほぼ等しいピットを形成さ
れ、中間層3をメッキ層10および電解メッキ層11と
共に切り放すことで、図9(c)に示すように、メタル
マスタ12を作成する。
【0072】上層4と中間層3の選択比が5 の場合、図
10(a)に示すように、上層4の膜厚100 nmに対し
て、中間層4の膜厚は最大500 nmまで成膜可能である。
本実施例では中間層3の膜厚を300 nmとした。図10
(b)に示すように、図2(e)の第5工程終了後のデ
ィスク原盤に対してエッチングを行い中間層3に上層
4のパターンを転写する。上層4の下部開口幅RB とマ
スク層3の下部開口幅FBはほぼ等しくなる。残留上層
4を取り除いた後に、中間層3をエッチングマスクとし
てエッチングを施す。本実施例では中間層3と下層2
の選択比を1とした。形成されたピット開口部の上部開
口幅と下部開口幅はほぼ等しくなる。次に中間層3をメ
ッキ層10および電解メッキ層11と共に切り放すこと
で、図10(c)に示すように、メタルマスタ12を作
成する。
【0073】図8,図9の実施例に、中間層3がエッチ
ング可能な導電性膜で有れば、上層4に対する選択比が
1以下であっても、エッチングマスクとして使用可能で
あり、下層2に形成されたピット開口部の上部開口幅と
下部開口幅がほぼ等しいピットを形成されることを示し
た。
【0074】また、図10の実施例に、選択比が1より
も大きい場合、中間層3を上層4よりも膜厚を厚くする
事が可能となり、エッチングによる中間層3と下層2
の選抜比が小さい場合でも、エッチングマスクとして使
用可能であり、下層2に形成されたピット開口部の上部
開口幅と下部開口幅がほぼ等しいピットが形成されるこ
とを示した。
【0075】なお、前述した円盤よりなる基板1は、ス
テンレス(例えばステンレスSUS303),ニッケル,石英
ガラス,化学強化ガラス,結晶ガラス,アルミニウム合
金からなることが好適であり、中間層3として、Au,
Ag,Al,Mo,Cr,Ti,Pt,Ta,W,N
i,Co,Ru,Fe,Ge,Ir,Re,Os,H
f,V,Si,U,Th,Be,Cの導電性膜が好適で
あり、下層2として、ポリケイ皮酸ビニル,ポリビニル
フェノールと芳香族ビスアジドの混合物,アルカリ可溶
性フェノール樹脂とナフトキノンジアジドの混合物,ポ
リメタクリル酸メチル(PMMA),ジアゾメチルドラ
ム酸とノボラックとの混合物,クレゾールノボラックと
ナフトキノンジアジゾの化合物等,ポリヘキサフルオロ
ブチルメタクリレート(FBM),ポリブテンスルフォ
ン(PBS),クロロメチル化ポリスチレン(CMS)
の有機膜、またはSi,SiO2 ,Si3 4 ,SOG
(Spin-on-Glass )等の無機膜または有機金属膜である
ことが好適であり、エッチング方法は、Ar,Kr,
Xe,He等の不活性ガスを使用してなすイオンミリン
グ法またはCF4 ,CF4 +O2 ,CCl4 +He,C
Cl2 2 +N2 ,CCl4 +SF6 ,CBrF3 +C
2 ,Cl2 +Ar,CBrF3 ,SiCl4 ,CCl
2 4 +O2 ,SiCl4 +Cl2 ,CF4 +H2 ,C
HF3 ,CHF3+O2 ,CHF3 +CO2 ,CHF3
+C2 6 ,CCl4 +He,CCl4 +BCl3 +O
2 ,BCl3 +Cl2 ,BCl3 +CCl3 F+He,
CCl4 +O2 ,CF4 +O2 ,SF6 +Cl2 ,Cl
2 +H2 の内の少なくとも一種類以上のエッチングガス
を使用してなすリアクティブイオンエッチング法である
ことが好適であり、エッチング方法は、CF4 ,CF
4 +O2 ,CCl4 +He,CCl2 2 +N2 ,CC
4 +SF6 ,CBrF3 +Cl2 ,Cl2 +Ar,C
BrF3 ,SiCl4 ,CCl2 4 +O2 ,SiCl
4 +Cl2 ,CF4 +H2 ,CHF3 ,CHF3
2 ,CHF3 +CO2 ,CHF3 +C2 6 ,CCl
4 +He,CCl4 +BCl3 +O2 ,BCl3 +Cl
2 ,BCl3 +CCl3 F+He,CCl4 +O2 ,C
4 +O2 ,SF6 +Cl2 ,Cl2 +H2の内の少な
くとも一種類以上のエッチングガスを使用してなすリア
クティブイオンエッチング法であることが好適である。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
媒体の製造方法によると、ピットまたはグルーブを作成
する際に基板上にレーザ光に対して感光しない下層およ
び中間層とレーザ光に対して感光する上層を順次積層し
た基板を使用し、これにレーザ光固有の光強度のガウス
分布特性を利用して露光現像した後、上層をマスクとし
て中間層をエッチングした後、もう一度中間層をマスク
とし下層をエッチングしているので、光学系によって決
まるスポット径および上層と中間層との選択比で決まる
スポット径より微細な幅のピットを作成することができ
る。
【0077】従って、本発明の情報記録媒体の製造方法
によって作成された情報記録媒体は、ピット(グルー
ブ)の幅が小さくなることから高記録密度が可能となる
という効果がある。
【0078】また、本発明の情報記録媒体の製造方法
は、光学系によってピット幅(グルーブ幅)が決定され
るのではないため、光学系の設定を変える煩雑な作業を
する必要がないばかりか、光学系の設定ミスによるピッ
トの非対称性やその他のゆがみ等を防止できるという効
果がある。
【0079】さらに、本発明の情報記録媒体の製造方法
は、中間層に導電性の膜を使用しており、メタルマスタ
作成時に中間層がメッキ層に取り込まれるので、ピット
(グルーブ)開口部の上部開口幅と下部開口幅のほぼ等
しい矩形状のピット(グルーブ)の形成が可能となり、
再生信号の品質がよい情報記録媒体を提供できるという
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における情報記録媒体の製造方法の一実
施例を示す図である。図1(a)は第1工程を示す図で
ある。図1(b)は第2工程を示す図である。図1
(c)は第3工程を示す図である。図1(d)は第4工
程を示す図である。
【図2】本発明における情報記録媒体の製造方法の一実
施例を示す図である。図2(e)は第5工程を示す図で
ある。図2(f)は第6工程を示す図である。図2
(g)は第7工程を示す図である。
【図3】本発明における情報記録媒体の製造方法の一実
施例を示す図である。図3(h)は第8工程を示す図で
ある。図3(i)は第9工程を示す図である。図3
(j)は第10工程を示す図である。
【図4】本発明における情報記録媒体の製造方法の一実
施例を示す図である。図4(k)は第11工程を示す図
である。図4(l)は第12工程を示す図である。図4
(m)は第13工程を示す図である。
【図5】本発明における情報記録媒体の製造方法の一実
施例を示す図である。図5(n)は第14工程を示す図
である。図5(o)は第15工程を示す図である。図5
(p)は第16工程を示す図である。
【図6】本発明のイオンミーリングに適用できるよる中
間層に使用する金属元素のスパッタ率を示す文献データ
の図である。
【図7】本発明のイオンミーリングに適用できる中間層
に使用する金属元素および上層に使用するフォトレジス
トのエッチング速度を示す文献データの図である。
【図8】本発明の情報記録媒体の製造方法における上層
と中間層の選択比が0.1 のときのメタルマスタ製造工程
を説明するための図である。
【図9】本発明の情報記録媒体の製造方法における上層
と中間層の選択比が1 のときのメタルマスタ製造工程を
説明するための図である。
【図10】本発明の情報記録媒体の製造方法における上
層と中間層の選択比が5 のときのメタルマスタ製造工程
を説明するための図である。
【図11】従来例におけるピット部のダレ・ボケの原因
を説明するための図である。
【図12】従来例におけるピット部のダレ・ボケの形態
を説明するための図である。
【図13】従来例におけるフォトレジストへの開口形成
を説明するための図である。
【図14】従来例におけるエッチングにより形成したピ
ット断面形状の選択比依存性を説明するための図であ
る。
【図15】従来例における垂直加工断面形状の劣化要因
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下層 2a,3a,4a 開口部 2b 被エッチング材 3 中間層 4 上層 4b フォトレジスト層 7 金属反射膜 8 樹脂膜 9 ダレ・ボケ 10 メッキ層 11 電解メッキ層 12 メタルマスタ 13 マザー 13a,15a 凹状の溝 14 スタンパ 14a 凸部 15 ディスク基板 16 金属膜 17 保護膜

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤よりなる基板1の表面に、非感光性
    の下層2,中間層3の順で積層し、次いで感光性の上層
    4を積層し、書き込み情報に対応するレーザ光を照射し
    て、そのレーザ光照射領域の上層4を露光し、その露光
    された上層4を現像し、前記レーザ光照射領域の上層4
    を除去して中間層3を露出し、中間層3のエッチングが
    可能で、且つ下層2のエッチングができないエッチング
    ガスを用い、第1回目のエッチングをなして下層2が
    現れるまでエッチングを行い、前記上層4の除去された
    領域の中間層3を除去することで上層のパターンを転写
    し、酸素プラズマにより残留上層4を取り除き、上層4
    前記中間層3エッチングマスクとし第2回目のエッ
    チングをなして、前記中間層3の除去された領域の下
    層2に凹部を形成し、メッキ膜10を成膜し、中間層3
    とメッキ膜10を電極としてメッキ層11を電鋳し、前
    記基板1から剥離し、前記中間層3をメタルマスタの―
    部とすることを特徴とする情報記録媒体のスタンパの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 円盤よりなる基板1の表面に、非感光性
    の中間層3,感光性の上層4の順で積層し、書き込み情
    報に対応するレーザ光を照射して、そのレーザ光照射領
    域の上層4を露光し、その露光された上層4を現像し、
    前記レーザ光照射領域の上層4を除去して中間層3を露
    出し、中間層3のエッチングが可能で、且つ基板1のエ
    ッチングができないエッチングガスを用い、第1回目の
    エッチングをなして基板1が現れるまでエッチングを
    行い、前記上層4の除去された領域の中間層3を除去す
    ることで上層のパターンを転写し、酸素プラズマにより
    残留上層4を取り除き、上層4を前記中間層3エッチ
    ングマスクとし第2回目のエッチングをなして、前記
    中間層3の除去された領域の基板1に凹部を形成し、
    ッキ膜10を成膜し、中間層3とメッキ膜10を電極と
    してメッキ層11を電鋳し、前記基板1から剥離し、
    記中間層3をメタルマスタの―部とすることを特徴とす
    る情報記録媒体のスタンパの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記円盤よりなる基板1が、エッチング
    を均質に行える素材である、石英ガラス,合成石英ガラ
    ス,Si,Si3 4 の内のいずれか一つからなること
    を特徴とする請求項2記載の情報記録媒体のスタンパ製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記エッチング方法は、Ar,Kr,
    Xe,Heの不活性ガスを使用してなすイオンミリング
    法であることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の情報記録媒体のスタンパ製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エッチング方法が、CF4 ,CF
    4 +O2 ,CCl4+He,CCl2 2 +N2 ,CC
    4 +SF6 ,CBrF3 +Cl2 ,Cl2+Ar,C
    BrF3 ,SiCl4 ,CCl2 4 +O2 ,SiCl
    4 +Cl2 ,CF4 +H2 ,CHF3 ,CHF3
    2 ,CHF3 +CO2 ,CHF3 +C26 ,CCl
    4 +He,CCl4 +BCl3 +O2 ,BCl3 +Cl
    2 ,BCl3 +CCl3 F+He,CCl4 +O2 ,C
    4 +O2 ,SF6 +Cl2 ,Cl2 +H2 の内の少な
    くとも一種類以上のエッチングガスを使用してなすリア
    クティブイオンエッチング法であることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の情報記録媒体のスタンパの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記エッチング方法が、CF4 ,CF
    4 +O2 ,CCl4+He,CCl2 2 +N2 ,CC
    4 +SF6 ,CBrF3 +Cl2 ,Cl2+Ar,C
    BrF3 ,SiCl4 ,CCl2 4 +O2 ,SiCl
    4 +Cl2 ,CF4 +H2 ,CHF3 ,CHF3
    2 ,CHF3 +CO2 ,CHF3 +C26 ,CCl
    4 +He,CCl4 +BCl3 +O2 ,BCl3 +Cl
    2 ,BCl3 +CCl3 F+He,CCl4 +O2 ,C
    4 +O2 ,SF6 +Cl2 ,Cl2 +H2 の内の少な
    くとも一種類以上のエッチングガスを使用してなすリア
    クティブイオンエッチング法であることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載の情報記録媒体のスタンパの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記中間層3として、Au,Ag,A
    l,Mo,Cr,Ti,Pt,Ta,W,Ni,Co,
    Ru,Fe,Ge,Ir,Re,Os,Hf,V,S
    i,U,Th,Be,Cの内のいずれか一つの導電性膜
    を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の情報記録媒体のスタンパの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記下層2として、ポリケイ皮酸ビニ
    ル,ポリビニルフェノールと芳香族ビスアジドの混合
    物,アルカリ可溶性フェノール樹脂とナフトキノンジア
    ジドの混合物,ポリメタクリル酸メチル(PMMA),
    ジアゾメチルドラム酸とノボラックとの混合物,クレゾ
    ールノボラックとナフトキノンジアジゾの化合物の内の
    いずれか一つの有機膜を用いることを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の情報記録媒体のスタンパの製造
    方法。
  9. 【請求項9】 前記下層2として、Si,SiO2 ,S
    3 4 ,SOG(Spin-on-Glass )の内のいずれか一
    つを用いることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の情報記録媒体のスタンパの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記基板1として、Si,SiO2
    Al,Cr,Ni,化学強化ガラス,石英ガラス,合成
    石英ガラス,アルミニウム合金,ステンレスの内のいず
    れか一つの無機材料を用いることを特徴とする請求項1
    記載のスタンパの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板1として、ポリメチルメタク
    リレート(PMMA),ポリカーボネイト(PC),非
    晶質ポリオレフィン(APO),エポキシの内のいずれ
    か一つの有機材料を用いることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の情報記録媒体のスタンパの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記上層4のパターン形成後、遠紫外
    光照射または遠紫外光照射後高熱処理を施すことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の情報記録媒体のス
    タンパ製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1または請求項2記載の情報記
    録媒体のスタンパの製造方法を使用して製造されたスタ
    ンパとディスク基板との間に樹脂を介在し、前記樹脂を
    硬化する工程を含むことを特徴とする情報記録媒体の製
    造方法。
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