JP2002087010A - 車両用軸受装置 - Google Patents

車両用軸受装置

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JP2002087010A
JP2002087010A JP2000281343A JP2000281343A JP2002087010A JP 2002087010 A JP2002087010 A JP 2002087010A JP 2000281343 A JP2000281343 A JP 2000281343A JP 2000281343 A JP2000281343 A JP 2000281343A JP 2002087010 A JP2002087010 A JP 2002087010A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハブユニットと等速ジョイントとが軸心方向
で簡易な構成でより一層がたつかないようにできる車両
用軸受装置を提供する。 【解決手段】 ハブユニット1と、ハブユニット1に形
成された挿通孔2に車両インナ側からスプライン嵌合す
る軸部4を一端側に設けた等速ジョイント3とで構成
し、弾性的に径方向で拡縮自在な止め輪25を、軸部4
の外周面部に軸心6周りに形成した環状溝24と、ハブ
ユニット1の挿通孔2の内周面部に形成した規制用段部
24とにそれぞれ係合し、止め輪25と環状溝24及び
規制用段部23のそれぞれとの間における軸心6方向で
の隙間によって生じるハブユニット1と等速ジョイント
3とのがたつきを、ハブユニット1と等速ジョイント3
の間に介装される弾性部材26で規制している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの車両
におけるディスクブレーキ装置のディスクロータや車輪
が取り付けられる車両用軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の車両用軸受装置とし
ては、車体側に支持される複列転がり軸受に軸心周りで
回転自在に支承した車輪取付け用のハブユニットと、該
ハブユニットに前記軸心に沿うように形成された挿通孔
に車両インナ側からスプライン嵌合する軸部を一端側に
設け、他端側に駆動軸を前記ハブユニットに対して傾動
可能に連動連結する等速ジョイントとにより構成し、弾
性的に径方向で拡縮自在な止め輪を、前記軸部の外周面
部に軸心周りに形成した環状溝と、前記ハブユニットの
挿通孔の内周面部に形成した規制用段部とにそれぞれ係
合したものが周知である。
【0003】すなわち、ハブユニットと等速ジョイント
とを組付ける際に、予め金属製のCリング等のサークリ
ップを止め輪として等速ジョイントの軸部の環状溝内に
装着し、弾性的にその止め輪を縮径した状態で、軸部を
ハブユニットの挿通孔内に差し込んでいき、環状溝位置
と規制用段部位置とが一致すると、軸部の挿入孔への挿
入時に止め輪が縮径されていた状態から弾性的に拡径し
てその止め輪が規制用段部に係合され、従って、この止
め輪は環状溝と規制用段部とに共に係合された状態とな
って、ハブユニットと等速ジョイントとの抜け止めを防
止するように図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造では、止め輪が環状溝と規制用段部とに接当する
ことでハブユニットと等速ジョイントとの相対的な軸心
方向での位置ずれをある程度規制できるものでありなが
ら、止め輪と環状溝との間に隙間が幾分あるため、その
隙間分のがたつきが解消されないという課題を有してい
る。
【0005】従って、上記従来構造のものでは、幾分か
のがたつきが残るため、ハブユニットと等速ジョイント
とが相対的に軸心方向で微小な移動を繰り返す虞れがあ
り、その微小な移動の繰り返しによる衝撃で耐久性が低
下する虞れがあった。
【0006】本発明は、ハブユニットと等速ジョイント
とが軸心方向で簡易な構成でより一層がたつかないよう
にできる車両用軸受装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
車両用軸受装置は、車体側に支持される複列転がり軸受
に軸心周りで回転自在に支承した車輪取付け用のハブユ
ニットと、該ハブユニットに前記軸心に沿うように形成
された挿通孔に車両インナ側からスプライン嵌合する軸
部を一端側に設け、他端側に駆動軸を前記ハブユニット
に対して傾動可能に連動連結する等速ジョイントとによ
り構成し、弾性的に径方向で拡縮自在な止め輪を、前記
軸部の外周面部に軸心周りに形成した環状溝と、前記ハ
ブユニットの挿通孔の内周面部に形成した規制用段部と
にそれぞれ係合した車両用軸受装置であって、前記止め
輪と前記環状溝及び規制用段部のそれぞれとの間におけ
る前記軸心方向での隙間によって生じる前記ハブユニッ
トと前記等速ジョイントとのがたつきを、前記ハブユニ
ットと前記等速ジョイントの間に介装される弾性部材で
規制していることを特徴構成とする。
【0008】本発明の請求項1に係る構成によれば、弾
性部材で前記がたつきが生じないよう規制することにな
るから、ハブユニットと等速ジョイントとががたつくこ
となく一体化される。ここで、単にがたつきを解消する
ものとして、弾性変形しない金属製のスペーサをハブユ
ニットと等速ジョイントとの対向面間に挟み込むものも
考えられるが、そのスペーサの厚みを、止め輪と環状溝
及び規制用段部との間の隙間と等しくなるよう精度良く
設定しなければならないことから、製造上の寸法のばら
つきに対応してそのような精度の良いスペーサを得るこ
とが難しい。これに対して本発明では、弾性部材による
弾性的ながたつき防止となっているので、ある程度の弾
性変形範囲内においてスペーサ幅を確保できることにな
って、止め輪と環状溝との間における軸心方向での隙間
に対して弾性部材のスペーサ幅において多少の寸法誤差
を許容できるものとなっている。
【0009】本発明の請求項2に係る車両用軸受装置
は、請求項1に記載の車両用軸受装置であって、前記弾
性部材は、前記等速ジョイントと前記ハブユニットとの
対向面間に介装される弾性樹脂材からなるスペーサで構
成し、このスペーサが前記等速ジョイントと前記ハブユ
ニットとを前記軸心方向で相対的に離間するよう付勢す
ることでがたつき防止をしていることを特徴構成とす
る。
【0010】本発明の請求項2に係る構成によれば、本
発明のように弾性樹脂材製のスペーサにすると、ある程
度の寸法誤差は許容できるとともに、ハブユニット側の
等速ジョイントと突合せされる対向面箇所に設けられる
かしめ部(このかしめ部は複列転がり軸受の内輪をハブ
ユニットに固定するためハブユニットの車両インナ側端
部をかしめたもの)まで至るスペーサを設ければ、金属
製のスペーサと比較して、このかしめ部へのスペーサの
密着性が良く外部から泥水が軸心と挿通孔のスプライン
嵌合箇所へ侵入することを十分抑制できる利点もある。
【0011】さらに、弾性樹脂材を、ゴムや合成樹脂等
の熱伝導率の低いものを選択して採用すると、ハブユニ
ットと等速ジョイントとの間の熱的干渉を抑制でき、高
温のハブユニットから等速ジョイントへ熱伝導しにくく
でき、耐久性を高める利点もある。
【0012】本発明の請求項3に係る車両用軸受装置
は、車体側に支持される複列転がり軸受に軸心周りで回
転自在に支承した車輪取付け用のハブユニットと、該ハ
ブユニットに前記軸心に沿うように形成された挿通孔に
車両インナ側からスプライン嵌合する軸部を一端側に設
け、他端側に駆動軸を前記ハブユニットに対して傾動可
能に連動連結する等速ジョイントとにより構成し、弾性
的に径方向で拡縮自在な止め輪を、前記軸部の外周面部
に軸心周りに形成した環状溝と、前記ハブユニットの挿
通孔の内周面部に形成した規制用段部とにそれぞれ係合
した車両用軸受装置であって、前記止め輪における前記
軸心方向での両側面の少なくとも一方を、弾性樹脂材を
介して前記環状溝及び/又は規制用段部に接当するよう
に構成し、、前記止め輪は、前記環状溝と規制用段部と
が前記軸心方向で互いに離間する向きに弾性的に押圧さ
れるよう、前記環状溝及び規制用段部に係合しているこ
とを特徴構成とする。
【0013】本発明の請求項3に係る構成によれば、止
め輪が環状溝及び規制用段部に係合している状態で、弾
性樹脂材による軸心方向での弾性変形により環状溝と規
制用段部とを軸心方向で互いに離間する向きに弾性的に
押圧しているから、ハブユニットと軸部との間、ひいて
はハブユニットと等速ジョイントとの間における軸心方
向でのがたつきを十分解消できる。尚、止め輪における
軸心方向での側面の少なくとも一方の表面部に弾性樹脂
材を設けて構成した場合や、止め輪全体を弾性樹脂材で
構成した場合、ハブユニットと等速ジョイントとの間に
隙間解消用の弾性材を別途設けなくても良い。
【0014】本発明の請求項4に係る車両用軸受装置
は、請求項3に記載の車両用軸受装置であって、前記止
め輪は、止め輪基材に弾性樹脂材を被覆して構成してい
ることを特徴構成とする。
【0015】本発明の請求項4に係る構成によれば、例
えばばね鋼等の硬質材から成る止め輪基材に弾性樹脂材
を被覆して止め輪を構成するものであるから、その止め
輪としての弾性的な径方向での拡縮が良好になされると
ともに、軸心方向においては、その止め輪自体が環状溝
及び規制用段部に対するがたつきが生じないよう規制で
きる。
【0016】本発明の請求項5に係る車両用軸受装置
は、請求項3に記載の車両用軸受装置であって、前記止
め輪は、全体が弾性樹脂材からなるリング状部材で構成
していることを特徴構成とする。
【0017】本発明の請求項5に係る構成によれば、止
め輪全体が弾性樹脂材でなることで、止め輪として弾性
変形し易いものとなっており、ハブユニットと等速ジョ
イントとのがたつき防止効果が高いものとなっていると
ともに、安価に構成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基いて説明する。図1は、本発明の請求項1
及び請求項2に係る実施の形態の一例を示す。
【0019】図1に示すように、車輪を取り付けるため
のハブユニット1の挿通孔2に、等速ジョイント3の軸
部4がスプライン嵌合され、ハブユニット1は、車体側
に支持される複列転がり軸受5に軸心6周りに回転自在
に支承されている。
【0020】ハブユニット1の外周面には、径方向外方
に突出する取付けフランジ7が形成され、この取付けフ
ランジ7の円周数箇所には、図示しないディスクブレー
キ装置のディスクロータ及び前記車輪を固定するための
取付けボルト8が貫通されている。
【0021】前記等速ジョイント3は、ハブユニット1
を駆動軸9に対して傾動可能に連結するものであって、
ツェッパタイプ(バーフィールド型)と呼ばれる周知の
ものが用いられる。この等速ジョイント3の具体的構成
は、ハブユニット1に対して相対的に駆動軸9を傾動案
内するための玉10と、内輪11及び玉10の保持器1
2などが収納される椀形の案内部(以下外輪という)1
3と、この外輪13の小径側(車両アウタ側)に一体連
設される前記軸部4とを備えている。また、図1におい
て、外輪13の小径側端面は、ハブユニット1の車両イ
ンナ側端面に当接している。
【0022】符号14は、等速ジョイント3をシールす
るためのシール用ブーツを示し、一端が等速ジョイント
3の外輪13開放側を覆い、他端が駆動軸9の途中を覆
うように配設されている。
【0023】複列転がり軸受5は、二列で配設される転
動体としての複数の玉15,16、これら玉15,16
を保持するための二つの冠型保持器17、内輪および外
輪18を備えており、内輪の軌道として、ハブユニット
1およびハブユニット1の車両インナ側に嵌着された環
状内輪部材27が用いられる。すなわち、一方の玉15
列の軌道面としてハブユニット1の外周面が用いられ、
他方の玉16列の軌道面として環状内輪部材27の外周
面が用いられる。なお、前記複列転がり軸受5の外輪1
8の外周面には、車体などにボルト止めされる径方向外
向きの取付けフランジ21が形成されている。
【0024】また、複列転がり軸受5の外輪18は、そ
の車両アウタ側端面がハブユニット1の取付けフランジ
7に近接するよう配置されている。
【0025】さらに、複列転がり軸受5の車両アウタ側
および車両インナ側とハブユニット1(環状内輪部材2
7)の外周面との間は、接触型シール材22でシールさ
れている。
【0026】そして、図1及び図2に示すように、挿通
孔2における車両アウタ側端部寄り箇所には、規制用段
部23が形成されている。挿通孔2においてこの規制用
段部23よりも車両インナ側の内周は軸部4の外周のス
プラインと嵌合するように形成しているのに対して、規
制用段部23よりも車両アウタ側の挿通孔の内径は軸部
4の外径より幾分大に設定している。一方、軸部4に
は、その車両アウタ側端部寄りの所定位置にその外周の
全周にわたって凹み形成された環状溝24が設けられて
いる。軸部4が挿通孔2に正規の位置まで挿入された状
態で、軸部4が挿通孔2から抜けないように規制するた
めのサークリップからなる止め輪25が環状溝24に係
合状態で係入されているとともに、止め輪25のうち環
状溝24より径方向外方に出た部分が規制用段部23に
係合するように接当している。この止め輪25はばね鋼
等の金属製である。
【0027】さらに、このように止め輪25によって抜
け止めがなされているハブユニット1と等速ジョイント
3との前記軸心6方向での相対向する対向面間には、弾
性樹脂材(天然ゴムあるいは合成樹脂製のゴム等)製の
円板状のスペーサ26を挟持させている。このスペーサ
26は、前記複列転がり軸受5における車両インナ側の
玉16に対する前記環状内輪部材27をハブユニット1
で固定するためその環状内輪部材27の車両インナ側端
面にかしめているハブユニット1の車両インナ側端面部
のかしめ部28と、等速ジョイント3における外輪13
の車両アウタ側端部の端面29とにより挟持されてい
る。
【0028】次に、ハブユニット1に等速ジョイント3
を組付ける手順について簡単に説明する。ハブユニット
1の挿通孔2に等速ジョイント3の軸部4を挿入してい
く前に、軸部4における環状溝24に止め輪25を嵌め
込んでおくとともに、円板状のスペーサ26を軸部4に
装着しておく。次いで、止め輪25を縮径した状態にし
て、軸部4を挿通孔2に差し込んでいき、スペーサ26
がかしめ部28と端面29とに挟持された状態になる
と、環状溝24の位置も規制用段部23位置に達するの
で、挿通孔2の内周により拡径することの規制されてい
た止め輪25が拡径して、その止め輪25の車両インナ
側が規制用段部23に接当規制されるよう係合すること
になる。スペーサ26は、止め輪25が規制用段部23
に係合する位置よりも手前(この係合位置より、止め輪
25と環状溝24との間の軸心6方向での隙間幅よりも
大となる手前位置)ですでにハブユニット1と等速ジョ
イント3とに密接して挟持される状態となっているとと
もに、止め輪25が規制用段部23に係合する位置に達
するまでスペーサ26は軸心6方向で弾性的に圧縮され
ることになる。これによって、止め輪25が規制用段部
23に係合しているときには、スペーサ26の軸心6方
向での弾性的な伸長力がハブユニット1と等速ジョイン
ト3の間に働くから、それによって、止め輪25が規制
用段部23に接当規制された状態で、環状溝24に対し
ても、その車両アウタ側の溝面に止め輪25が接当規制
されて止め輪25が環状溝24に対し軸心6方向でがた
つかないよう規制されることになり、結果的に、ハブユ
ニット1と等速ジョイント3とが軸心6方向でがたつか
ないようになる。
【0029】上記実施の形態において、弾性部材として
のスペーサは弾性樹脂材で構成されたものを示したが、
軸心方向で弾性的に伸縮する金属製ワッシャでも良い。
【0030】尚、図1及び図2においては、軸部4や挿
通孔2におけるスプラインの図示を省略している。 (別の実施の形態)次に、別の実施の形態について説明
する。尚、上記実施の形態と同じ構造については、同一
符号を付けるとともに、説明を省略する。
【0031】図3に示すように、この実施の形態におい
ては、ハブユニット1のかしめ部8と等速ジョイント3
の外輪13の車両アウタ側の端面29との間に何らスペ
ーサを設けていない。そして、図3及び図4に示すよう
に、挿通孔2における車両アウタ側端部寄り箇所には、
規制用段部23が形成されている。挿通孔2においてこ
の規制用段部23よりも車両インナ側の内周径は軸部4
の外周径とほぼ一致するように設定しているのに対し
て、規制用段部23よりも車両アウタ側の内周径は軸部
4の外周径より幾分大に設定している。一方、軸部4に
は、その車両アウタ側端部寄りの所定位置にその外周の
全周にわたって凹み形成された環状溝24が設けられて
いる。軸部4が挿通孔2に正規の位置まで挿入された状
態で、軸部4が挿通孔2から抜けないように規制するた
めの止め輪25が環状溝24に係合状態で係入されてい
るとともに、止め輪25のうち環状溝24より径方向外
方に出た部分が規制用段部23に係合するように接当し
ている。この止め輪25は、図5に示すように、例えば
ばね鋼等の金属材料からなる止め輪基材30に弾性樹脂
材の一例としてのゴム材を被覆した外装部31を形成し
ている。この止め輪25の厚みは、環状溝24とほぼ同
じであるが、その環状溝24の溝壁32,33に外装部
31が密着し、かつ多少この止め輪25を軸心方向で圧
縮して溝壁32等に押圧された状態でも止め輪25にお
ける止め輪基材30の径方向での弾性的な拡縮が許され
るように設定している。
【0032】この構成により、ハブユニット1の挿通孔
2に等速ジョイント3の軸部4を挿入していく前に、軸
部4における環状溝24に止め輪25を嵌め込んでお
き、次いで、止め輪25を縮径した状態にして、軸部4
を挿通孔2に差し込んでいき、かしめ部28と端面29
とが接当する状態になると、環状溝24の位置も規制用
段部23位置に達するので、挿通孔2の内周に拡径する
ことが規制されていた止め輪25が拡径して、その止め
輪25の車両インナ側が規制用段部23に接当規制され
るよう係合することになる。止め輪25は、環状溝24
の溝壁32,33に密着しており、ある程度止め輪25
が軸心方向で圧縮された状態で、規制用段部23にも係
合しているので、ハブユニット1と等速ジョイント3と
は軸心6方向において位置規制され不当に位置ずれした
り、がたついたりしないようになっている。尚、この構
成の止め輪25では、止め輪25の軸心6方向での幅つ
まり厚みを環状溝24の幅とほぼ同じに設定したものを
示したが、止め輪25の前記厚みを環状溝24の軸心6
方向の幅より少し小さめに設定しても良い。
【0033】尚、図3及び図4において、軸部4及び挿
通孔2におけるスプラインの図示を省略している。 (別の実施の形態2)次に、別の実施の形態について説
明する。尚、上記実施の形態と同じ構造については、同
一符号を付けるとともに、説明を省略する。
【0034】この実施の形態においては、ハブユニット
1のかしめ部8と等速ジョイント3の外輪13の車両ア
ウタ側の端面29との間に何らスペーサを設けていな
い。そして、図6に示すように、挿通孔2における車両
アウタ側端部寄り箇所には、規制用段部23が形成され
ている。挿通孔2においてこの規制用段部23よりも車
両インナ側の内周径は軸部4の外周径とほぼ一致するよ
うに設定しているのに対して、規制用段部23よりも車
両アウタ側の内周径は軸部4の外周径より幾分大に設定
している。一方、軸部4には、その車両アウタ側端部寄
りの所定位置にその外周の全周にわたって凹み形成され
た環状溝24が設けられている。軸部4が挿通孔2に正
規の位置まで挿入された状態で、軸部4が挿通孔2から
抜けないように規制するための止め輪25が環状溝24
に係合状態で係入されているとともに、止め輪25のう
ち環状溝24より径方向外方に出た部分が規制用段部2
3に係合するように接当している。この止め輪25は、
その全体が弾性樹脂材の一例としての硬質のゴム材で構
成されているとともに、平板をリング状に形成したもの
の一部を径方向内外にわたって切り欠いた切欠き部を設
けているので、径方向で弾性的に拡縮できるようになっ
ている。
【0035】この止め輪25の厚みは、環状溝24とほ
ぼ同じであるが、その環状溝24の溝壁32,33に側
面が密着し、かつ多少この止め輪25を軸心方向で圧縮
して溝壁32等に押圧された状態でも止め輪25の径方
向での弾性的な拡縮が許されるように設定している。
【0036】この構成により、ハブユニット1の挿通孔
2に等速ジョイント3の軸部4を挿入していく前に、軸
部4における環状溝24に止め輪25を嵌め込んでお
き、次いで、止め輪25を縮径した状態にして、軸部4
を挿通孔2に差し込んでいき、かしめ部28と端面29
とが接当する状態になると、環状溝24の位置も規制用
段部23位置に達するので、挿通孔2の内周に拡径する
ことが規制されていた止め輪25が拡径して、その止め
輪25の車両インナ側が規制用段部23に接当規制され
るよう係合することになる。そして、止め輪25は、そ
の全体が硬質のゴム材により構成されていて、環状溝2
4の溝壁32,33に密着しており、ある程度止め輪2
5が軸心方向で圧縮された状態で、規制用段部23にも
係合しているので、ハブユニット1と等速ジョイント3
とは軸心6方向において位置規制され、がたつかないよ
うになっている。
【0037】尚、図6においては、軸部4及び挿通孔2
におけるスプラインの図示を省略している。
【0038】尚、規制段部は、上述の各実施の形態に示
したように片側の段面で止め輪を係合するものに限定さ
れるのでなく、環状溝のように、軸心方向での両側で接
当規制される溝構造でも良い。また、環状溝も周方向で
の全周にわたって溝が形成されるのでなく、周方向で一
部溝のないものでも良い。
【0039】また、上述の別の実施の形態や別の実施の
形態2では、止め輪における軸心方向での両側面のそれ
ぞれが弾性的に環状溝及び/又は規制段部に接当するよ
うにしたものを示したが、止め輪における軸心方向での
両側面のうち一方側のみで弾性的に環状溝及び/又は規
制段部に接当するようにしても良い。また、止め輪側に
弾性樹脂材を設けたものを示したが、環状溝及び/又は
規制段部の止め輪と接当する壁面側に弾性樹脂材を設け
る構成にしても良い。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1に係る
車両用軸受装置によれば、止め輪と環状溝との間に軸心
方向での隙間があっても弾性材でがたつき防止できるの
で、がたつきがあることで止め輪等の耐久性を低下させ
る等の不具合を解消できるという効果を奏する。
【0041】また、本発明の請求項2に係る車両用軸受
装置によれば、ハブユニットと等速ジョイントとの間の
軸心方向でのがたつきを防止できるとともに、ハブユニ
ットから等速ジョイントへの不当な熱伝導のという効果
を奏する。
【0042】また、本発明の請求項3に係る車両用軸受
装置によれば、止め輪自体ががたつき防止できる機能を
発揮するとともに、別途専用のがたつき防止用の部材を
必要としないという効果を奏する。
【0043】また、本発明の請求項4に係る車両用軸受
装置によれば、止め輪の弾性的な径方向での拡縮が自在
に行えるとともに、軸心方向でのがたつき防止機能を十
分発揮でき、比較的安価に構成できるという効果を奏す
る。
【0044】また、本発明の請求項5に係る車両用軸受
装置によれば、止め輪自体その全体が弾性樹脂材で構成
されているので、構造的に簡単なものにできながら、軸
心方向でのがたつき防止機能を十分発揮するとともに、
安価に構成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における車両用軸受装置を
示す横断平面
【図2】図1における要部の拡大図
【図3】本発明の別の実施の形態における車両用軸受装
置を示す横断平面図
【図4】図3における要部の拡大図
【図5】図3における止め輪の拡大断面図
【図6】本発明のさらに別の実施の形態の車両用軸受装
置を示す横断平面図
【符号の説明】
1 ハブユニット 2 挿通孔 3 等速ジョイント 4 軸部 5 複列転がり軸受 6 軸心 9 駆動軸 23 規制用段部 24 環状溝 25 止め輪 26 弾性部材 30 止め輪基材 31 弾性樹脂材製外装部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側に支持される複列転がり軸受に軸
    心周りで回転自在に支承した車輪取付け用のハブユニッ
    トと、該ハブユニットに前記軸心に沿うように形成され
    た挿通孔に車両インナ側からスプライン嵌合する軸部を
    一端側に設け、他端側に駆動軸を前記ハブユニットに対
    して傾動可能に連動連結する等速ジョイントとにより構
    成し、 弾性的に径方向で拡縮自在な止め輪を、前記軸部の外周
    面部に軸心周りに形成した環状溝と、前記ハブユニット
    の挿通孔の内周面部に形成した規制用段部とにそれぞれ
    係合した車両用軸受装置であって、 前記止め輪と前記環状溝との間における前記軸心方向で
    の隙間によって生じる前記ハブユニットと前記等速ジョ
    イントとのがたつきを、前記ハブユニットと前記等速ジ
    ョイントの間に介装される弾性部材で規制していること
    を特徴とする車両用軸受装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用軸受装置であっ
    て、 前記弾性部材は、前記等速ジョイントと前記ハブユニッ
    トとの対向面間に介装される弾性樹脂材からなるスペー
    サで構成し、このスペーサが前記等速ジョイントと前記
    ハブユニットとを前記軸心方向で相対的に離間するよう
    付勢することでがたつき防止をしていることを特徴とす
    る車両用軸受装置。
  3. 【請求項3】 車体側に支持される複列転がり軸受に軸
    心周りで回転自在に支承した車輪取付け用のハブユニッ
    トと、該ハブユニットに前記軸心に沿うように形成され
    た挿通孔に車両インナ側からスプライン嵌合する軸部を
    一端側に設け、他端側に駆動軸を前記ハブユニットに対
    して傾動可能に連動連結する等速ジョイントとにより構
    成し、 弾性的に径方向で拡縮自在な止め輪を、前記軸部の外周
    面部に軸心周りに形成した環状溝と、前記ハブユニット
    の挿通孔の内周面部に形成した規制用段部とにそれぞれ
    係合した車両用軸受装置であって、 前記止め輪における前記軸心方向での両側面の少なくと
    も一方を、弾性樹脂材を介して前記環状溝及び/又は規
    制用段部に接当するように構成し、前記止め輪は、前記
    環状溝と規制用段部とが前記軸心方向で互いに離間する
    向きに弾性的に押圧されるよう、前記環状溝及び規制用
    段部に係合していることを特徴とする車両用軸受装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の車両用軸受装置であっ
    て、 前記止め輪は、止め輪基材に弾性樹脂材を被覆して構成
    していることを特徴とする車両用軸受装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の車両用軸受装置であて
    って、 前記止め輪は、全体が弾性樹脂材からなるリング状部材
    で構成していることを特徴とする車両用軸受装置。
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