JP2002086888A - 印刷済み製缶用金属板材の製造方法 - Google Patents

印刷済み製缶用金属板材の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷済み製缶用金属板材を製造するに際し
て、一つの版により印刷する数量が少ない小口印刷のよ
うな場合に、経済性を考えてオフセット印刷を採用する
にあたり、生産性を大幅に低下させるようなことのない
ようにする。 【解決手段】 印刷済み製缶用金属板材の製造方法にお
いて、帯状の金属板に対して、その両面に熱可塑性樹脂
フィルムを連続して貼着した後で、フィルム貼着済みの
帯状金属板を所定の大きさのシート状に切断してから、
各シート状金属板のそれぞれに対して、缶の外面となる
側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印刷を施
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷や保護被膜が
予め施されている製缶用の金属板材を製造するための方
法に関し、特に、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルム
が貼着されて、オフセット印刷による印刷が熱可塑性樹
脂フィルムの上に施されている印刷済み製缶用金属板材
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3ピース溶接缶では、その缶胴を形成す
るための鋼板に対して、缶の外面となる側に所望のデザ
インを予め印刷しておくと共に、缶の内面となる側に内
容物保護のための耐食性の保護被膜を予め形成しておく
ために、所定数の缶胴分に相当する所定の大きさに切断
されたシート状の鋼板に対して、各シート単位毎に、鋼
板の両面に塗装を片面ずつ施してから、その缶外面側と
なる面にオフセット印刷を主体とする印刷を施すという
ことが従来から一般的に行われている。
【0003】一方、上記のような各シート単位毎の塗装
・印刷の方式では、各シート毎にゲージ合わせを行う必
要があり、高速化して生産効率の向上を図ることが難し
いことから、最近では、金属コイルから解かれて走行し
ている帯状の鋼板に対して、予め印刷が施された帯状の
熱可塑性樹脂フィルムを連続して貼着(ラミネート)し
てから、所定の大きさのシート状鋼板に切断するという
方法が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように印刷済み
の樹脂フィルムを貼着して製缶用の鋼板材を製造するこ
とにより、個々のシート状鋼板毎に印刷するのではな
く、多数のシート分の帯状フィルムに対して予め連続し
て印刷しておくことで、印刷を大幅に高速化することが
できると共に、帯状鋼板の缶外面側に印刷済み樹脂フィ
ルムを貼着する際に、それと同時に帯状鋼板の缶内面側
に保護被膜となる熱可塑性樹脂フィルムを貼着すること
により、塗装やその後の乾燥の工程を省略することがで
きて、生産性を大幅に向上させることができる。
【0005】また、熱可塑性樹脂フィルムを缶内面側に
保護被膜として貼着することにより、環境ホルモンであ
るビスフェノールAを含むエポキシフェノール系樹脂の
塗装による保護被膜を形成しないことから、環境ホルモ
ンの対策としても効果的である。
【0006】ところで、上記のような印刷済み樹脂フィ
ルムによる方法では、樹脂フィルムに対して予め印刷す
る方法として、フレキソ印刷やグラビア印刷が考えられ
るが、印刷の鮮明性から一般的にはグラビア印刷が用い
られており、グラビア印刷を行うことで、製版や版替え
の費用はオフセット印刷と比べてアップするものの、印
刷速度が大幅に上がるため、一つの版により大量に印刷
する大口の印刷の場合には、総合的にみて生産性・経済
性に優れたものとなっている。
【0007】しかしながら、一つの版により印刷する数
量が少ない小口の印刷の場合(例えば、一つの版による
印刷が2万m以下の場合)には、一つの版について十分
に印刷稼働しないまま、次の版替えを行わなければなら
ず、また、オフセット版よりも高価なグラビア版を小口
の印刷銘柄毎に数多く準備しなければならないことか
ら、経済性が悪いものになってしまう。
【0008】この点について、経済性を考えると小口の
印刷についてはオフセット印刷にすることが望ましいの
であるが、オフセット印刷の場合には、帯状の熱可塑性
樹脂フィルムに対して予め印刷を連続的に施すことが実
際上は困難であって、印刷済みの樹脂フィルムを予め製
造しておくことが難しいことから、上記のような印刷済
み樹脂フィルムによる方法を採用することは難しい。
【0009】そこで、シート状の鋼板に対して、その両
面に塗装を片面ずつ施してから(シート状の鋼板の両面
に同時に塗装することは実際上はできない)、その片面
にオフセット印刷を施すという従来からの方法を採用し
た場合には、内面側に塗装された保護被膜に含まれるビ
スフェノールAが内容物に溶け出すことで環境ホルモン
の問題が起きるというだけでなく、塗装に手間が掛かる
上に乾燥工程も必要となることから生産性が大幅に低下
することとなる。
【0010】本発明は、上記のような問題の解消を課題
とするものであり、具体的には、印刷済み製缶用金属板
材を製造するに際して、一つの版により印刷する数量が
少ない小口印刷のような場合に、経済性を考えてオフセ
ット印刷を採用するにあたり、生産性を大幅に低下させ
るようなことのないようにすることを課題とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、印刷済み製缶用金属板材の製造
方法において、帯状の金属板に対して、その両面に熱可
塑性樹脂フィルムを連続して貼着した後で、フィルム貼
着済みの帯状金属板を所定の大きさのシート状に切断し
てから、各シート状金属板のそれぞれに対して、缶の外
面となる側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印
刷を施すようにしたことを特徴とするものである。
【0012】上記のような方法によれば、帯状の熱可塑
性樹脂フィルムに対して予めオフセット印刷を連続的に
施すことが困難であっても、シート状に切断された金属
板に貼着されている状態の熱可塑性樹脂フィルムに対し
て印刷していることで、製版や版替えの費用が安価であ
るオフセット印刷により、熱可塑性樹脂フィルムの上に
良好に印刷を施すことができると共に、金属板の両面に
熱可塑性樹脂フィルムを貼着することで、金属板の両面
に塗装を施す場合と比べて、金属板の両面の処理を略同
時に行うことができて、乾燥工程を設ける必要もないこ
とから、生産性を向上させることができる。
【0013】なお、金属板の両面に塗装を施す場合に
は、内面側に塗装された保護被膜に含まれるビスフェノ
ールAが内容物に溶け出すことで環境ホルモンが問題と
なるが、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着す
る場合には、少なくとも金属板の缶内面側に貼着する樹
脂フィルムをビスフェノールAを含まない樹脂製とする
ことで、環境ホルモン対策としての効果も維持できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の印刷済み製缶用金
属板材の製造方法の実施形態について詳細に説明する。
【0015】本発明の3ピース溶接缶用の印刷済み鋼板
材の製造方法の一実施形態について以下に説明すると、
素材として使用する鋼板は、従来から3ピース溶接缶の
缶胴素材として使用している板厚が0.10〜0.25
mm程度の表面処理鋼板であって、例えば、金属クロム
と水和酸化クロムの2層被膜を有するティンフリースチ
ール系鋼板、錫メッキとクロメート処理を施したブリキ
系鋼板、ニッケルメッキとクロメート処理を施したニッ
ケルメッキ系鋼板等の適宜の製缶用表面処理鋼板を使用
している。
【0016】鋼板の両面に貼着する熱可塑性樹脂フィル
ムは、従来から印刷済み樹脂フィルムとして使用してい
る厚さが10〜30μm程度の熱可塑性樹脂フィルムで
あって、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂等のビスフェノ
ールAを含まない適宜の樹脂によるフィルムであるが、
耐熱性の面からポリエステルフィルムが最も望ましい。
また、この熱可塑性樹脂フィルムは、単層構造のフィル
ムであっても複層構造のフィルムであっても良い。
【0017】熱可塑性樹脂フィルムの鋼板への貼着につ
いては、フィルム自体(単層フィルムの場合はフィルム
全体、複層フィルムの場合は鋼板と接着する内層のフィ
ルム)を熱接着性のものとしても良いし、フィルムに対
して熱硬化性樹脂の接着層を設けるようにしても良く、
例えば、ポリエステルフィルムの場合には、融点の低い
熱接着性の共重合ポリエステルによりフィルム(全体又
は内層)を形成しても良いし、融点の高いホモポリエス
テルのフィルムに対して、エポキシ/ポリエステルブロ
ック共重合樹脂でアミノ硬化の接着剤や、エポキシ樹脂
でフェノール硬化の接着剤を用いて、フィルムの内面側
(鋼板と接着する側)に接着層を設けるようにしても良
い。
【0018】なお、鋼板の缶外面側に貼着する熱可塑性
樹脂フィルムについては、予め印刷インキの接着性を上
げるための処理を施しておくことが望ましく、例えば、
ホモポリエステルフィルムに対しては、3%を超えない
範囲でポリエステル系の熱可塑性エラストマー(例え
ば、商品名ペルプレン:東洋紡績株式会社製)を加えた
り、或いは、フィルム製膜時の縦延伸前に水溶性のポリ
エステル樹脂を塗布したり、更には、印刷前の外面フィ
ルムにコロナ放電処理又は火炎処理を施したりすること
で、フィルム表面張力を34dyn/cm以上(好まし
くは40dyn/cm以上)とし、印刷インキ(具体的
には、アクリル系樹脂をビヒクルとしたUV硬化タイ
プ、或いは、アルキド系樹脂を使用した酸化重合タイプ
の金属平板印刷インキ)との接着性が良くなるようにし
ている。なお、フィルム表面張力の測定はJIS K6
768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬ
れ試験方法」によるものである。
【0019】また、鋼板の缶外面側に貼着する熱可塑性
樹脂フィルムについて、熱接着性のある共重合ポリエス
テルを使用する場合には、単層フィルムでは、ガラス転
移温度(Tg)が60℃以上であることが望ましく、複
層フィルムでは、内層(鋼板と接着する層)に使用する
共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は規制し
ないが、接着層とは反対側の外層は、ガラス転移温度
(Tg)が70℃以上であって、ホモポリエステルを使
用していることが望ましい。
【0020】すなわち、3ピース溶接缶では、内容物を
充填した後で、スチール製の蓋を巻締めて密封すること
が殆どで、この蓋の巻締めの際に、巻締めロールの押圧
(特にロールグルーブ下部の押圧)が強くなるため、こ
の押圧力により缶胴にプレッシャーリッジと呼ばれるダ
メージ(フィルム割れ)が発生し、その結果、ダメージ
が発生した部分で発錆の問題を引き起こすこととなる。
【0021】上記のようなダメージ(フィルム割れ)
は、アルミ製蓋に較べてスチール製蓋で激しいことや、
内容物の充填が90℃前後で行われるため、フィルムの
ガラス転移温度(Tg)が低い場合に顕著であることが
判明していて、上記のように巻締め時に押圧力を受ける
缶外面側のフィルム(特にその外面側)について、ガラ
ス転移温度(Tg)を高く設定したり、ホモポリエステ
ルとすることにより、ダメージ(フィルム割れ)の発生
を防止することができる。
【0022】また、鋼板の缶外面側に貼着する熱可塑性
樹脂フィルムについては、透明な状態で鋼板に貼着させ
るだけでなく、鋼板の地金色を隠して印刷色を引き立た
せるために白色の状態で鋼板に貼着させることがあり、
そのために、フィルム自体、又はフィルムに塗装される
接着剤、或いはその両方に対して酸化チタン等の白色顔
料を必要に応じて含有させることがあって、例えば、白
色ホモポリエステルフィルムでは酸化チタンを15〜2
5%含有させている。
【0023】さらに、鋼板の両面に貼着する熱可塑性樹
脂フィルムのそれぞれにおいて、製缶工程での缶内外面
の滑り性を持たせることは重要であるが、缶外面側の樹
脂フィルムでは、そのフィルム上に印刷及び滑剤含有の
オーバーコートを施すため、フィルム自体の滑り性はあ
まり考慮しなくても良く、一方、缶内面側の樹脂フィル
ムでは、樹脂フィルム自体に充分な滑り性が必要となっ
てくるため、缶外面側の樹脂フィルムよりも滑剤を多く
含有させている。
【0024】上記のような製缶用鋼板と熱可塑性樹脂フ
ィルムを使用して実施される本実施形態の印刷済み製缶
用鋼板材の製造方法については、先ず、金属コイル(帯
状鋼板のコイル巻き)から解かれて連続的に走行してい
る間に所定温度に加熱された帯状の鋼板に対して、その
上下両側でコイル巻きから解かれて連続的に走行してい
る帯状の熱可塑性樹脂フィルムを、帯状鋼板の両面に略
同時に、缶の溶接部となるフィルム部分をスリット除去
しながら、所定幅で複数条に連続して貼着した後で、両
面にフィルムが貼着(ラミネート)された帯状鋼板を、
所定の大きさ(複数個の缶胴分)のシート状に切断して
から、各シート状鋼板のそれぞれに対して、缶の外面と
なる側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印刷を
施すようにしている。
【0025】帯状の熱可塑性樹脂フィルムを、缶の溶接
部となるフィルム部分をスリット除去しながら、所定幅
で複数条に連続して鋼板に貼着するための具体的な手段
については、詳細な説明は省略するが、例えば、印刷済
みフィルムの連続ラミネート方法として特開昭4−91
949号公報中に示されているような従来公知の手段を
用いており、本実施形態の方法では、鋼板の片面だけで
なく両面で、印刷されていない状態のフィルムを貼着す
るようにしている。
【0026】シート状鋼板に貼着された状態の熱可塑性
樹脂フィルムに対しては、グラビア印刷,フレキソ印
刷,オフセット印刷等の各種の印刷方法の適用が可能で
あるが、本実施形態の方法では、小口の印刷の場合の経
済性を考慮した上で、製版や版替えの費用が安価なオフ
セット印刷を行うようにしている。
【0027】上記のような本実施形態の方法において、
熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを使
用する場合について、鋼板の両面にそれぞれ貼着するポ
リエステルフィルムの組み合わせの具体例の幾つかを以
下に挙げると、 (1) 白色タイプの接着剤を片面に塗装した白色タイ
プ又は透明タイプのホモポリエステルフィルムを鋼板の
缶外面側に貼着すると共に、透明タイプの接着剤を片面
に塗装したホモポリエステルフィルムを鋼板の缶内面側
に貼着する。 (2) 透明タイプの接着剤を片面に塗装した白色タイ
プ又は透明タイプのホモポリエステルフィルムを鋼板の
缶外面側に貼着すると共に、透明タイプの接着剤を片面
に塗装したホモポリエステルフィルムを鋼板の缶内面側
に貼着する。 (3) ガラス転移温度(Tg)が60℃以上である熱
接着性の白色タイプ又は透明タイプの共重合ポリエステ
ルフィルムを鋼板の缶外面側に貼着すると共に、透明タ
イプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステルフィル
ムを鋼板の缶内面側に貼着する。 (4) 外層(鋼板貼着面とは反対側の層)がガラス転
移温度(Tg)が70℃以上のホモポリエステルであ
り、内層(鋼板貼着面となる層)が熱接着性の共重合ポ
リエステルであって、外層の厚みが全体の厚みの50%
以上である2層フィルムを鋼板の缶外面側に貼着すると
共に、透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエ
ステルフィルムを鋼板の缶内面側に貼着する。 (5) 上記の(1)〜(4)に示した各例において、
鋼板の缶外面側には上記の(1)〜(4)に示したポリ
エステルフィルムをそのまま貼着し、一方、鋼板の缶内
面側に貼着するポリエステルフィルムについては、上記
の透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステ
ルフィルムに替えて、何れも熱接着性で透明タイプの共
重合ポリエステルフィルムを貼着する。 (6) 上記の(1)〜(5)に示した各例において、
鋼板の缶内面側に貼着する樹脂フィルムを、鋼板の缶外
面側に貼着する樹脂フィルムよりも滑剤を多く含有する
ものとする。
【0028】なお、上記のような本実施形態の方法によ
ってシート状鋼板に貼着された熱可塑性樹脂フィルムの
上に印刷を施した後には、印刷層を覆うようにオーバー
コートを塗布することとなるが、このオーバーコート
は、エポキシ−アミノ系樹脂,エポキシ−メラミン系樹
脂,ポリエステル−アミノ系樹脂などの熱硬化性樹脂に
対して、シリコンやワックスなどの滑剤を0.1〜3重
量%配合させたものであって、厚さ1μm程度となるよ
うに塗布している。
【0029】上記のような本実施形態の印刷済み製缶用
鋼板材の製造方法によれば、オフセット印刷の場合は帯
状の熱可塑性樹脂フィルムに対して予め印刷を連続的に
施すことが実際上は困難であっても、シート状に切断さ
れた鋼板に貼着された状態の熱可塑性樹脂フィルムに対
して印刷していることで、オフセット印刷により熱可塑
性樹脂フィルムの上に良好に印刷を施すことができて、
グラビア印刷を施す場合と較べて、製版や版替えの費用
を安価に抑えることができる。
【0030】また、鋼板の両面に熱可塑性樹脂フィルム
を貼着していることで、鋼板の両面の処理を略同時に行
うことができて、乾燥工程を設ける必要もないことか
ら、鋼板の両面に片方ずつ塗装を施す場合と比べて、生
産性を向上させることができると共に、鋼板の缶内面側
に貼着する樹脂フィルムをビスフェノールAを含まない
樹脂製としていることで、ビスフェノールAを含む塗料
の使用を避けることができて、環境ホルモン対策として
の効果も維持できる。
【0031】以上、本発明の印刷済み製缶用金属板材の
製造方法の一実施形態について説明したが、本発明の方
法は、上記のような実施形態に限定されるものではな
く、例えば、使用する熱可塑性樹脂フィルムについて
は、上記の実施形態に示したようにポリエステルフィル
ムが耐熱性の面からは最も望ましいが、その他の熱可塑
性樹脂フィルムによって実施することも可能である。
【0032】また、上記の実施形態に示したような3ピ
ース缶用の鋼板材に限らず、絞り加工により浅めの2ピ
ース缶を製造するために使用するアルミ合金板や表面処
理鋼板の製缶用金属板材についても実施可能なものであ
り、その場合には、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィル
ムを貼着するに際して、缶の溶接部となるフィルム部分
をスリット除去しながら所定幅で複数条に連続して貼着
するような必要はなく、また、金属板の製造時に、圧延
や焼鈍等の加工処理により金属板の伸び率が方向によっ
て異なる異方性が生じるため、絞り加工後の印刷の歪み
を考慮して、予め金属板に歪曲した図柄を印刷すること
となる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したような本発明の印刷済み製
缶用金属板材の製造方法によれば、金属板の両面に熱可
塑性樹脂フィルムを貼着していることで、金属板の両面
に塗装を施す場合と較べて、生産性の大幅な低下を防止
することができると共に、オフセット印刷によっても熱
可塑性樹脂フィルムの上に良好に印刷を施すことができ
ることから、一つの版により印刷する数量が少ない小口
印刷の際に、オフセット印刷を採用して製版や版替えの
費用を安価に抑えることができる。また、少なくとも金
属板の缶内面側に貼着するフィルムの樹脂を選択するこ
とで、ビスフェノールAによる環境ホルモンの問題を解
消することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 淳 神奈川県相模原市西橋本5−5−1 大和 製罐株式会社技術開発センター内 Fターム(参考) 2H113 AA06 BA05 BB08 CA25 DA47 DA48 DA57 DA63 FA04 4F100 AB01A AB03A AK01B AK01C AK41B AK41D AK41J AL01B BA03 BA04 BA07 BA10B BA10D BA13 BA13C EC032 EJ192 EJ302 EJ422 GB16 HB31 JA05B JA05D JA20D JB16B JB16C JB16D JL02 JL12B YY00B YY00D

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の金属板に対して、その両面に熱可
    塑性樹脂フィルムを連続して貼着した後で、フィルム貼
    着済みの帯状金属板を所定の大きさのシート状に切断し
    てから、各シート状金属板のそれぞれに対して、缶の外
    面となる側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印
    刷を施すようにしたことを特徴とする印刷済み製缶用金
    属板材の製造方法。
  2. 【請求項2】 金属板の少なくとも缶内面側に貼着する
    熱可塑性樹脂フィルムとして、環境ホルモンの問題がな
    い樹脂フィルムを使用することを特徴とする請求項1に
    記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
  3. 【請求項3】 帯状金属板の両面に熱可塑性樹脂フィル
    ムを貼着するに際して、帯状の熱可塑性樹脂フィルム
    を、缶の溶接部となるフィルム部分をスリット除去しな
    がら、所定幅で複数条に連続して貼着するようにしたこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷済み製缶用
    金属板材の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属板の缶外面側に貼着される熱可塑性
    樹脂フィルムに対して、予め印刷インキの接着性を上げ
    るための処理が施されていることを特徴とする請求項1
    乃至3に記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属板の缶外面側に貼着される熱可塑性
    樹脂フィルムが、熱接着性の共重合ポリエステルからな
    る単層フィルムであって、共重合ポリエステルのガラス
    転移温度が60℃以上であることを特徴とする請求項1
    乃至4に記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属板の缶外面側に貼着される熱可塑性
    樹脂フィルムが、熱接着性の共重合ポリエステルによる
    内層と、ガラス転移温度が70℃以上のホモポリエステ
    ルによる外層とからなる複層フィルムであって、外層の
    厚みが全体の厚みの50%以上であることを特徴とする
    請求項1乃至4に記載の印刷済み製缶用金属板材の製造
    方法。
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