JP4683586B2 - 印刷済み製缶用金属板材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷や保護被膜が予め施されている製缶用の金属板材を製造するための方法に関し、特に、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムが貼着されて、オフセット印刷による印刷が熱可塑性樹脂フィルムの上に施されている印刷済み製缶用金属板材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
3ピース溶接缶では、その缶胴を形成するための鋼板に対して、缶の外面となる側に所望のデザインを予め印刷しておくと共に、缶の内面となる側に内容物保護のための耐食性の保護被膜を予め形成しておくために、所定数の缶胴分に相当する所定の大きさに切断されたシート状の鋼板に対して、各シート単位毎に、鋼板の両面に塗装を片面ずつ施してから、その缶外面側となる面にオフセット印刷を主体とする印刷を施すということが従来から一般的に行われている。
【0003】
一方、上記のような各シート単位毎の塗装・印刷の方式では、各シート毎にゲージ合わせを行う必要があり、高速化して生産効率の向上を図ることが難しいことから、最近では、金属コイルから解かれて走行している帯状の鋼板に対して、予め印刷が施された帯状の熱可塑性樹脂フィルムを連続して貼着(ラミネート)してから、所定の大きさのシート状鋼板に切断するという方法が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように印刷済みの樹脂フィルムを貼着して製缶用の鋼板材を製造することにより、個々のシート状鋼板毎に印刷するのではなく、多数のシート分の帯状フィルムに対して予め連続して印刷しておくことで、印刷を大幅に高速化することができると共に、帯状鋼板の缶外面側に印刷済み樹脂フィルムを貼着する際に、それと同時に帯状鋼板の缶内面側に保護被膜となる熱可塑性樹脂フィルムを貼着することにより、塗装やその後の乾燥の工程を省略することができて、生産性を大幅に向上させることができる。
【0005】
また、熱可塑性樹脂フィルムを缶内面側に保護被膜として貼着することにより、環境ホルモンであるビスフェノールAを含むエポキシフェノール系樹脂の塗装による保護被膜を形成しないことから、環境ホルモンの対策としても効果的である。
【0006】
ところで、上記のような印刷済み樹脂フィルムによる方法では、樹脂フィルムに対して予め印刷する方法として、フレキソ印刷やグラビア印刷が考えられるが、印刷の鮮明性から一般的にはグラビア印刷が用いられており、グラビア印刷を行うことで、製版や版替えの費用はオフセット印刷と比べてアップするものの、印刷速度が大幅に上がるため、一つの版により大量に印刷する大口の印刷の場合には、総合的にみて生産性・経済性に優れたものとなっている。
【0007】
しかしながら、一つの版により印刷する数量が少ない小口の印刷の場合(例えば、一つの版による印刷が2万m以下の場合)には、一つの版について十分に印刷稼働しないまま、次の版替えを行わなければならず、また、オフセット版よりも高価なグラビア版を小口の印刷銘柄毎に数多く準備しなければならないことから、経済性が悪いものになってしまう。
【0008】
この点について、経済性を考えると小口の印刷についてはオフセット印刷にすることが望ましいのであるが、オフセット印刷の場合には、帯状の熱可塑性樹脂フィルムに対して予め印刷を連続的に施すことが実際上は困難であって、印刷済みの樹脂フィルムを予め製造しておくことが難しいことから、上記のような印刷済み樹脂フィルムによる方法を採用することは難しい。
【0009】
そこで、シート状の鋼板に対して、その両面に塗装を片面ずつ施してから(シート状の鋼板の両面に同時に塗装することは実際上はできない)、その片面にオフセット印刷を施すという従来からの方法を採用した場合には、内面側に塗装された保護被膜に含まれるビスフェノールAが内容物に溶け出すことで環境ホルモンの問題が起きるというだけでなく、塗装に手間が掛かる上に乾燥工程も必要となることから生産性が大幅に低下することとなる。
【0010】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、印刷済み製缶用金属板材を製造するに際して、一つの版により印刷する数量が少ない小口印刷のような場合に、経済性を考えてオフセット印刷を採用するにあたり、生産性を大幅に低下させるようなことのないようにすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、印刷済み製缶用金属板材の製造方法において、帯状の金属板に対して、その両面に帯状の熱可塑性樹脂フィルムを貼着した後で、フィルム貼着済みの帯状金属板を所定の大きさのシート状に切断してから、各シート状金属板のそれぞれに対して、缶の外面となる側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印刷を施すようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
上記のような方法によれば、帯状の熱可塑性樹脂フィルムに対して予めオフセット印刷を連続的に施すことが困難であっても、シート状に切断された金属板に貼着されている状態の熱可塑性樹脂フィルムに対して印刷していることで、製版や版替えの費用が安価であるオフセット印刷により、熱可塑性樹脂フィルムの上に良好に印刷を施すことができると共に、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着することで、金属板の両面に塗装を施す場合と比べて、金属板の両面の処理を略同時に行うことができて、乾燥工程を設ける必要もないことから、生産性を向上させることができる。
【0013】
なお、金属板の両面に塗装を施す場合には、内面側に塗装された保護被膜に含まれるビスフェノールAが内容物に溶け出すことで環境ホルモンが問題となるが、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着する場合には、少なくとも金属板の缶内面側に貼着する樹脂フィルムをビスフェノールAを含まない樹脂製とすることで、環境ホルモン対策としての効果も維持できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の印刷済み製缶用金属板材の製造方法の実施形態について詳細に説明する。
【0015】
本発明の3ピース溶接缶用の印刷済み鋼板材の製造方法の一実施形態について以下に説明すると、素材として使用する鋼板は、従来から3ピース溶接缶の缶胴素材として使用している板厚が0.10〜0.25mm程度の表面処理鋼板であって、例えば、金属クロムと水和酸化クロムの2層被膜を有するティンフリースチール系鋼板、錫メッキとクロメート処理を施したブリキ系鋼板、ニッケルメッキとクロメート処理を施したニッケルメッキ系鋼板等の適宜の製缶用表面処理鋼板を使用している。
【0016】
鋼板の両面に貼着する熱可塑性樹脂フィルムは、従来から印刷済み樹脂フィルムとして使用している厚さが10〜30μm程度の熱可塑性樹脂フィルムであって、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂等のビスフェノールAを含まない適宜の樹脂によるフィルムであるが、耐熱性の面からポリエステルフィルムが最も望ましい。また、この熱可塑性樹脂フィルムは、単層構造のフィルムであっても複層構造のフィルムであっても良い。
【0017】
熱可塑性樹脂フィルムの鋼板への貼着については、フィルム自体(単層フィルムの場合はフィルム全体、複層フィルムの場合は鋼板と接着する内層のフィルム)を熱接着性のものとしても良いし、フィルムに対して熱硬化性樹脂の接着層を設けるようにしても良く、例えば、ポリエステルフィルムの場合には、融点の低い熱接着性の共重合ポリエステルによりフィルム(全体又は内層)を形成しても良いし、融点の高いホモポリエステルのフィルムに対して、エポキシ/ポリエステルブロック共重合樹脂でアミノ硬化の接着剤や、エポキシ樹脂でフェノール硬化の接着剤を用いて、フィルムの内面側(鋼板と接着する側)に接着層を設けるようにしても良い。
【0018】
なお、鋼板の缶外面側に貼着する熱可塑性樹脂フィルムについては、予め印刷インキの接着性を上げるための処理を施しておくことが望ましく、例えば、ホモポリエステルフィルムに対しては、3%を超えない範囲でポリエステル系の熱可塑性エラストマー(例えば、商品名ペルプレン:東洋紡績株式会社製)を加えたり、或いは、フィルム製膜時の縦延伸前に水溶性のポリエステル樹脂を塗布したり、更には、印刷前の外面フィルムにコロナ放電処理又は火炎処理を施したりすることで、フィルム表面張力を34dyn/cm以上(好ましくは40dyn/cm以上)とし、印刷インキ(具体的には、アクリル系樹脂をビヒクルとしたUV硬化タイプ、或いは、アルキド系樹脂を使用した酸化重合タイプの金属平板印刷インキ)との接着性が良くなるようにしている。なお、フィルム表面張力の測定はJIS K6768「ポリエチレン及びポリプロピレンフィルムのぬれ試験方法」によるものである。
【0019】
また、鋼板の缶外面側に貼着する熱可塑性樹脂フィルムについて、熱接着性のある共重合ポリエステルを使用する場合には、単層フィルムでは、ガラス転移温度(Tg)が60℃以上であることが望ましく、複層フィルムでは、内層(鋼板と接着する層)に使用する共重合ポリエステルのガラス転移温度(Tg)は規制しないが、接着層とは反対側の外層は、ガラス転移温度(Tg)が70℃以上であって、ホモポリエステルを使用していることが望ましい。
【0020】
すなわち、3ピース溶接缶では、内容物を充填した後で、スチール製の蓋を巻締めて密封することが殆どで、この蓋の巻締めの際に、巻締めロールの押圧(特にロールグルーブ下部の押圧)が強くなるため、この押圧力により缶胴にプレッシャーリッジと呼ばれるダメージ(フィルム割れ)が発生し、その結果、ダメージが発生した部分で発錆の問題を引き起こすこととなる。
【0021】
上記のようなダメージ(フィルム割れ)は、アルミ製蓋に較べてスチール製蓋で激しいことや、内容物の充填が90℃前後で行われるため、フィルムのガラス転移温度(Tg)が低い場合に顕著であることが判明していて、上記のように巻締め時に押圧力を受ける缶外面側のフィルム(特にその外面側)について、ガラス転移温度(Tg)を高く設定したり、ホモポリエステルとすることにより、ダメージ(フィルム割れ)の発生を防止することができる。
【0022】
また、鋼板の缶外面側に貼着する熱可塑性樹脂フィルムについては、透明な状態で鋼板に貼着させるだけでなく、鋼板の地金色を隠して印刷色を引き立たせるために白色の状態で鋼板に貼着させることがあり、そのために、フィルム自体、又はフィルムに塗装される接着剤、或いはその両方に対して酸化チタン等の白色顔料を必要に応じて含有させることがあって、例えば、白色ホモポリエステルフィルムでは酸化チタンを15〜25%含有させている。
【0023】
さらに、鋼板の両面に貼着する熱可塑性樹脂フィルムのそれぞれにおいて、製缶工程での缶内外面の滑り性を持たせることは重要であるが、缶外面側の樹脂フィルムでは、そのフィルム上に印刷及び滑剤含有のオーバーコートを施すため、フィルム自体の滑り性はあまり考慮しなくても良く、一方、缶内面側の樹脂フィルムでは、樹脂フィルム自体に充分な滑り性が必要となってくるため、缶外面側の樹脂フィルムよりも滑剤を多く含有させている。
【0024】
上記のような製缶用鋼板と熱可塑性樹脂フィルムを使用して実施される本実施形態の印刷済み製缶用鋼板材の製造方法については、先ず、金属コイル(帯状鋼板のコイル巻き)から解かれて連続的に走行している間に所定温度に加熱された帯状の鋼板に対して、その上下両側でコイル巻きから解かれて連続的に走行している帯状の熱可塑性樹脂フィルムを、帯状鋼板の両面に略同時に、缶の溶接部となるフィルム部分をスリット除去しながら、所定幅で複数条に連続して貼着した後で、両面にフィルムが貼着(ラミネート)された帯状鋼板を、所定の大きさ(複数個の缶胴分)のシート状に切断してから、各シート状鋼板のそれぞれに対して、缶の外面となる側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印刷を施すようにしている。
【0025】
帯状の熱可塑性樹脂フィルムを、缶の溶接部となるフィルム部分をスリット除去しながら、所定幅で複数条に連続して鋼板に貼着するための具体的な手段については、詳細な説明は省略するが、例えば、印刷済みフィルムの連続ラミネート方法として特開昭4−91949号公報中に示されているような従来公知の手段を用いており、本実施形態の方法では、鋼板の片面だけでなく両面で、印刷されていない状態のフィルムを貼着するようにしている。
【0026】
シート状鋼板に貼着された状態の熱可塑性樹脂フィルムに対しては、グラビア印刷,フレキソ印刷,オフセット印刷等の各種の印刷方法の適用が可能であるが、本実施形態の方法では、小口の印刷の場合の経済性を考慮した上で、製版や版替えの費用が安価なオフセット印刷を行うようにしている。
【0027】
上記のような本実施形態の方法において、熱可塑性樹脂フィルムとしてポリエステルフィルムを使用する場合について、鋼板の両面にそれぞれ貼着するポリエステルフィルムの組み合わせの具体例の幾つかを以下に挙げると、
(1) 白色タイプの接着剤を片面に塗装した白色タイプ又は透明タイプのホモポリエステルフィルムを鋼板の缶外面側に貼着すると共に、透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステルフィルムを鋼板の缶内面側に貼着する。
(2) 透明タイプの接着剤を片面に塗装した白色タイプ又は透明タイプのホモポリエステルフィルムを鋼板の缶外面側に貼着すると共に、透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステルフィルムを鋼板の缶内面側に貼着する。
(3) ガラス転移温度(Tg)が60℃以上である熱接着性の白色タイプ又は透明タイプの共重合ポリエステルフィルムを鋼板の缶外面側に貼着すると共に、透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステルフィルムを鋼板の缶内面側に貼着する。
(4) 外層(鋼板貼着面とは反対側の層)がガラス転移温度(Tg)が70℃以上のホモポリエステルであり、内層(鋼板貼着面となる層)が熱接着性の共重合ポリエステルであって、外層の厚みが全体の厚みの50%以上である2層フィルムを鋼板の缶外面側に貼着すると共に、透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステルフィルムを鋼板の缶内面側に貼着する。
(5) 上記の(1)〜(4)に示した各例において、鋼板の缶外面側には上記の(1)〜(4)に示したポリエステルフィルムをそのまま貼着し、一方、鋼板の缶内面側に貼着するポリエステルフィルムについては、上記の透明タイプの接着剤を片面に塗装したホモポリエステルフィルムに替えて、何れも熱接着性で透明タイプの共重合ポリエステルフィルムを貼着する。
(6) 上記の(1)〜(5)に示した各例において、鋼板の缶内面側に貼着する樹脂フィルムを、鋼板の缶外面側に貼着する樹脂フィルムよりも滑剤を多く含有するものとする。
【0028】
なお、上記のような本実施形態の方法によってシート状鋼板に貼着された熱可塑性樹脂フィルムの上に印刷を施した後には、印刷層を覆うようにオーバーコートを塗布することとなるが、このオーバーコートは、エポキシ−アミノ系樹脂,エポキシ−メラミン系樹脂,ポリエステル−アミノ系樹脂などの熱硬化性樹脂に対して、シリコンやワックスなどの滑剤を0.1〜3重量%配合させたものであって、厚さ1μm程度となるように塗布している。
【0029】
上記のような本実施形態の印刷済み製缶用鋼板材の製造方法によれば、オフセット印刷の場合は帯状の熱可塑性樹脂フィルムに対して予め印刷を連続的に施すことが実際上は困難であっても、シート状に切断された鋼板に貼着された状態の熱可塑性樹脂フィルムに対して印刷していることで、オフセット印刷により熱可塑性樹脂フィルムの上に良好に印刷を施すことができて、グラビア印刷を施す場合と較べて、製版や版替えの費用を安価に抑えることができる。
【0030】
また、鋼板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着していることで、鋼板の両面の処理を略同時に行うことができて、乾燥工程を設ける必要もないことから、鋼板の両面に片方ずつ塗装を施す場合と比べて、生産性を向上させることができると共に、鋼板の缶内面側に貼着する樹脂フィルムをビスフェノールAを含まない樹脂製としていることで、ビスフェノールAを含む塗料の使用を避けることができて、環境ホルモン対策としての効果も維持できる。
【0031】
以上、本発明の印刷済み製缶用金属板材の製造方法の一実施形態について説明したが、本発明の方法は、上記のような実施形態に限定されるものではなく、例えば、使用する熱可塑性樹脂フィルムについては、上記の実施形態に示したようにポリエステルフィルムが耐熱性の面からは最も望ましいが、その他の熱可塑性樹脂フィルムによって実施することも可能である。
【0032】
また、上記の実施形態に示したような3ピース缶用の鋼板材に限らず、絞り加工により浅めの2ピース缶を製造するために使用するアルミ合金板や表面処理鋼板の製缶用金属板材についても実施可能なものであり、その場合には、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着するに際して、缶の溶接部となるフィルム部分をスリット除去しながら所定幅で複数条に連続して貼着するような必要はなく、また、金属板の製造時に、圧延や焼鈍等の加工処理により金属板の伸び率が方向によって異なる異方性が生じるため、絞り加工後の印刷の歪みを考慮して、予め金属板に歪曲した図柄を印刷することとなる。
【0033】
【発明の効果】
以上説明したような本発明の印刷済み製缶用金属板材の製造方法によれば、金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着していることで、金属板の両面に塗装を施す場合と較べて、生産性の大幅な低下を防止することができると共に、オフセット印刷によっても熱可塑性樹脂フィルムの上に良好に印刷を施すことができることから、一つの版により印刷する数量が少ない小口印刷の際に、オフセット印刷を採用して製版や版替えの費用を安価に抑えることができる。また、少なくとも金属板の缶内面側に貼着するフィルムの樹脂を選択することで、ビスフェノールAによる環境ホルモンの問題を解消することができる。
Claims (6)
- 帯状の金属板に対して、その両面に帯状の熱可塑性樹脂フィルムを貼着した後で、フィルム貼着済みの帯状金属板を所定の大きさのシート状に切断してから、各シート状金属板のそれぞれに対して、缶の外面となる側で熱可塑性樹脂フィルムの上にオフセット印刷を施すようにしたことを特徴とする印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
- 金属板の少なくとも缶内面側に貼着する熱可塑性樹脂フィルムとして、環境ホルモンの問題がない樹脂フィルムを使用することを特徴とする請求項1に記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
- 帯状金属板の両面に熱可塑性樹脂フィルムを貼着するに際して、帯状の熱可塑性樹脂フィルムを、缶の溶接部となるフィルム部分をスリット除去しながら、所定幅で複数条に連続して貼着するようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
- 金属板の缶外面側に貼着される熱可塑性樹脂フィルムに対して、予め印刷インキの接着性を上げるための処理が施されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
- 金属板の缶外面側に貼着される熱可塑性樹脂フィルムが、熱接着性の共重合ポリエステルからなる単層フィルムであって、共重合ポリエステルのガラス転移温度が60℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
- 金属板の缶外面側に貼着される熱可塑性樹脂フィルムが、熱接着性の共重合ポリエステルによる内層と、ガラス転移温度が70℃以上のホモポリエステルによる外層とからなる複層フィルムであって、外層の厚みが全体の厚みの50%以上であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の印刷済み製缶用金属板材の製造方法。
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