JP2002086602A - 防水シートおよびそれを用いた防水部材、防水構造、防水施工方法ならびに防水シートの製造方法 - Google Patents
防水シートおよびそれを用いた防水部材、防水構造、防水施工方法ならびに防水シートの製造方法Info
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Abstract
とを防止し、十分な防水性能を長期間維持し得る防水シ
ートおよびそれを用いた防水部材、防水構造、防水施工
方法ならびに防水シートの製造方法を提供する。 【解決手段】本発明は、ポリ塩化ビニル樹脂製の表面層
2および裏面層3間に、中間層4が介装された防水シー
ト1を対象とする。中間層4がポリエステル繊維の不織
布により構成される。中間層4の表層部分および裏層部
分にポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルが含浸されて表
面接着層20および裏面接着層30が形成される。表面
層2および裏面層3と、表面接着層20および裏面接着
層30とが融着一体化される。中間層4の内部に、樹脂
が含浸されない可塑剤移行防止用の遮断層41が設けら
れる。
Description
やベランダに敷設される防水シート、およびそれを用い
た防水部材、防水構造、防水施工方法ならびに防水シー
トの製造方法に関するものである。
ビニル樹脂等の軟質合成樹脂からなるものが最も一般的
であるが、諸物性の向上を図るために、内部に、表裏樹
脂層とは異なる材質の中間層を介装させた積層構造のも
のが提案されている。
ては、例えば、中間層として、不織布、織布、金属箔、
合成樹脂フィルムなどを用いたものが知られている(例
えば、特公昭62−6504号公報、特開昭58−21
1449号公報、特開平7−251482号公報、特開
平11−333958号公報、実公昭61−203号公
報参照)。
水シートのうち、中間層として金属箔や合成樹脂フィル
ムを用いた防水シートの場合、層間剥離を生じやすくな
るといった不都合を有する。
防水シートの場合、表面層側および裏面層側の合成樹脂
が中間層に含浸して互いに連続一体化するため、裏面層
中に含まれる可塑剤成分が表面層側に移行して大気中に
揮発されることとなり、表面層だけではなく裏面層まで
耐候劣化しやすくなる。表面層側に発生したクレージン
グやクラックが裏面層側まで達することとなる。したが
って、このような防水シートは、いささか耐久性に劣
り、十分な防水性能を長期間維持できないという不都合
を有することとなる。
であって、各層間の接着強度を十分に確保しつつ、裏面
層中の可塑剤成分が表面層側へ移行することを防止で
き、十分な防水性能を長期間維持し、耐久性に優れた防
水シート、およびそれを用いた防水部材、防水構造、防
水施工方法ならびに防水シートの製造方法を提供するこ
とを目的としている。
の本発明の防水シートは、合成樹脂からなる表面層およ
び裏面層の間に、不織布からなる中間層が介装された防
水シートにおいて、中間層内に、表面層側および裏面層
側の樹脂が含まれない可塑剤移行防止用の遮断層が形成
されてなるものである。
よび裏面層と接する中間層の境界部分に、表面層および
裏面層と同種の樹脂が含浸された表面接着層および裏面
接着層が設けられ、中間層における表面接着層および裏
面接着層の樹脂が含浸されない領域が遮断層として構成
されるとともに、表面接着層および裏面接着層が表面層
および裏面層に融着接合一体化されてなるものである。
ル繊維の不織布をもって構成されてなるものであっても
よい。上記防水シートは、中間層が、目付が80〜20
0g/m2 の不織布をもって構成されてなるものであっ
てもよい。上記防水シートは、表面層および裏面層が、
ポリ塩化ビニル樹脂をもって構成されてなるものであっ
てもよい。
防水部材は、上記防水シートを用いて構成されたもので
ある。
の防水構造は、上記防水シートを用いて構成されたもの
である。
の防水施工方法は、上記防水シートを用いたものであ
る。
の防水シートの製造方法は、表面層用シートおよび裏面
層用シートの間に、不織布からなる中間層用シートを挟
み込み、加熱加圧ラミネートを用いて積層する積層工程
を含み、この積層工程において、中間層用シートの厚さ
方向の中間に、表面層用シートおよび裏面層用シートの
樹脂成分が含浸しない非含浸層を、可塑剤移行防止用の
遮断層として残存させるものである。
は、不織布からなる中間層用シートの上下両面にペース
ト状合成樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、ペースト状合
成樹脂と同種の合成樹脂からなる表面層用シートおよび
裏面層用シートの間に、前記中間層用シートを挟み込ん
だ状態で、表面層用シートおよび裏面層用シートをペー
スト状合成樹脂に融着させることにより、これら各シー
トを積層化する積層工程とを含み、前記樹脂塗布工程を
行うにあたって、中間層用シートの厚さ方向の中間に、
ペースト状合成樹脂が含浸しない非含浸層を形成してお
き、その非含浸層を、可塑剤移行防止用の遮断層として
残存させるものである。
を参照して説明する。
している。
と裏面層3との間に不織布からなる中間層4を有してお
り、中間層4内における厚さ方向中間に、表面接着樹脂
20および裏面接着樹脂30が含浸していない可塑剤移
行防止用の遮断層41が設けられている。
れば、材質は特に限定されるものではなく、例えばポリ
塩化ビニル樹脂の他、ポリエチレン樹脂やポリプロピレ
ン樹脂等のポリオレフィン系樹脂も採用することができ
るが、汎用性や接着性の面からポリ塩化ビニル樹脂を採
用するのが望ましい。
水シート1や中間層4の厚さを考慮して、適宜定められ
る。表面層2および裏面層3の厚さは、同じである必要
はなく、異なる厚さとすることもできる。
中間に遮断層41が形成され、この遮断層41の両面
が、それぞれ表面接着層42、裏面接着層43となされ
ている。表面接着層42および裏面接着層43は、表面
層2および裏面層3と接することとなる中間層4の表面
および裏面に、表面層2および裏面層3と同種の表面接
着樹脂20および裏面接着樹脂30を、一部含浸させる
ことによって形成され、この樹脂20、30を含浸させ
なかった中間層4の厚さ方向の中間部は、遮断部41と
なされる。
は、特に限定されず、例えば、ポリプロピレン繊維、ポ
リエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維等が適用
されるが、製造コストの面から汎用的なポリエステル繊
維が好ましい。
ず、例えばニードルパンチタイプ、レジンボンドタイ
プ、スパンボンドタイプ等のものを用いることができる
が、中でも強度の高いスパンボンドタイプのものを用い
るのが好ましい。
量が80〜200g /m2 程度のものを使用するのが好
ましい。 すなわち、80g /m2 未満のものを使用する
と、繊維密度が低下して、合成樹脂が不織布内に過度に
含浸し、表面層2側の樹脂20と裏面層3側の樹脂30
が連続一体化する恐れが大きくなり、遮断層41が形成
されなくなる可能性があるため好ましくない。 一方、2
00g /m2 を超えるものを使用すると、嵩高くなって
中間層4の厚みが厚くなり、それに伴いシート全体の厚
みも厚くなるため、所定サイズに巻回した状態でのシー
ト長さが短くなる。つまり施工単位としての防水シート
一本あたりのシート長さが短くなり、所定の施工面積に
対する防水シートの使用本数が増カロするので、施工に手
間がかかる可能性がある。さらにシート厚みが厚くなる
と、折り曲げるのが困難になり、折り曲げ溶着部分の角
だし等に不便であり、一段と施工が困難になる可能性が
あるため好ましくない。本発明において、最も好ましい
上記目付量は、100g /m2 〜180g /m2 であ
る。
2および裏面接着層43に介在する表面接着樹脂20お
よび裏面接着樹脂30を、表面層2および裏面層3と融
着一体化することにより、これら表面層2および裏面層
3と中間層4との間に十分高い接着強度が得られ、例え
ば層間剥離の発生を有効に防止することができることと
なる。
さは、1.0〜2.5mmの範囲とすることが好まし
い。この厚さが1.0mm未満であると、防水シート1
の強度、耐久性が低下する恐れがあることから好ましく
ない。
コスト面の不利に加えて、防水シート1の取り扱いが困
難となるから好ましくない。最も好ましくは、上記防水
シート1の厚さは、1.3mm〜2.3mmにするのが
良い。
mmの範囲とするのが好ましい。
層2側の表面接着樹脂20と裏面層3側の裏面接着樹脂
30が連続一体化し、遮断層41が形成されない恐れが
あることから好ましくない。
製造が困難となり施工の際に取り扱いが困難になるばか
りか、中間層4の内部に形成される遮断層41も厚くな
り、その遮断層内での凝集破壊が生じる恐れがあること
からも、好ましくない。
0.5mm〜1.0mmにするのが良い。
て述べる。
裏面に、表面接着樹脂20および裏面接着樹脂30とな
るポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルを塗布する。
塗布量は、100〜250g /m2に設定するのが好ま
しい。この塗布量が250g /m2 を超えると、このペ
ーストゾルが中間層4全体に含浸され、遮断層41を形
成し得なくなる可能性があるため好ましくない。逆に塗
布量が100g /m2 未満の場合、所望の表面接着層4
2および裏面接着層43を形成できないことがあり、表
面層2および裏面層3と中間層4との接着強度を十分確
保できない恐れが生じる。本発明において、最も好まし
いペーストゾルの塗布量は、150g /m2 〜200g
/m2 である。
塗布量は、固形成分での塗布量を示すものであり、後述
するように、ペーストゾルを塗布して乾燥固化させた状
態での塗布量を示すものである。
を塗布する方法は、特に限定されるものではなく、例え
ば、ナイフコーター方式、ロールコーター方式等を好適
に用いることができるが、不織布シートへの塗布量の調
整を精度良く行えるナイフコーター方式を用いるのが好
ましい。
ゾルを塗布して含浸させた後、このペーストゾルを乾燥
固化させて表面接着層42および裏面接着層43を形成
する。
表面層2および裏面層3としての軟質ポリ塩化ビニル樹
脂シートの間に挟み込み、加圧加熱下にてラミネーティ
ングを行う。これにより表面接着層42および裏面接着
層43を構成する表面接着樹脂20および裏面接着樹脂
30と、表面層2および裏面層3としてのポリ塩化ビニ
ル樹脂シートとが融着一体化して防水シート1が形成さ
れる。
樹脂のペーストゾルを不織布シートに塗布しておくこと
により、ポリ塩化ビニル樹脂の含浸量を調節することが
できる。このため、過剰な含浸による表面層2側の樹脂
と裏面層3側の樹脂との連続一体化を防止して、シート
全域にわたって、確実に遮断層41を形成しつつ、中間
層4に表面層2と裏面層3とを十分な接着強度で積層す
ることができる。
は、上記の方法だけに限られず、例えば、中間層4とし
ての不織布シートをあらかじめポリ塩化ビニル樹脂のペ
ーストゾルで表面処理することなく、表面層2および裏
面層3としての軟質ポリ塩化ビニル樹脂シートの間に挟
み込み、上記と同様に加熱加圧ラミネート等を用いて積
層するようにしても良い。この場合、表面層2および裏
面層3の樹脂を中間層4に含浸させて所定の接着強度を
確保するようにしても良く、さらに表面層2および裏面
層3の樹脂を中間層4に含浸させずに、中間層4の表裏
面の毛羽に付着させて所定の接着強度を確保するように
しても良い。
ば、中間層4として不織布を用いているため、表面層
2、裏面層3および中間層4の各層間の接着性を向上で
きる。
て表面層2内の可塑剤成分が減少してきても、中間層4
としての不織布内に遮断層41を設けているため、裏面
層3内の可塑剤成分が表面層2内に移行するのを防止で
きることとなる。
る表面層2の耐候劣化によって、表面層2にクラックが
発生しても、中間層4としての不織布内に遮断層41を
設けているので、このクラックが裏面層3にまで伝播さ
れるのを防止できることとなる。
防止したり、裏面層3の可塑剤成分が減少するのを防止
したり、裏面層3にクラックが発生するのを防止して長
期にわたり耐久性を発揮でき、十分な防水性能を長期間
維持することができる。
2への可塑剤の移行を防止したり、表面層2に発生した
クラックが裏面層3へ伝播するのを防止するためには、
表面層2と裏面層3との間を完全に遮断するものである
ことが理想的には好ましいが、実質的には、ラミネート
時に溶融した樹脂成分が毛細管現象によって不織布間を
流れ、表面層2と裏面層3との間に、極微小ではあるが
連続する部位を形成する可能性があることは否めない。
しかし、遮断層41は、このような極微小に連続する部
位が形成されたからといって、上記した効果が得られな
くなるようなものではない。したがって、遮断層41
は、表面層2と裏面層3との間を完全に遮断するものに
限定されるものではなく、上記した効果が得られる範囲
で、実質的に表面層2と裏面層3との間を遮断するもの
であればよい。
うに、各種立体形状に賦形した防水部材10として構成
されたものであってもよい。この防水部材10は、防水
シート1を敷設することが困難なコーナー部分などに設
けられる。
は、主たる用途として建築物の屋上の陸屋根やベランダ
等の防水に用いたものが挙げられる。
体の下地面上の適宜位置に、開脚釘等を用いて、帯板状
または円盤状の固定具を固定した後、防水シート1を敷
き込み、必要箇所のみ上記固定具に部分的に有機溶剤あ
るいはホットウェルダーを用いて接合一体化し、他の部
分は遊離状態のまま放置して完成させる工法が挙げられ
る。
築物躯体の下地面上に防水シート1を敷き込んだ後、こ
の防水シート1の上から固定具を取り付け、さらにその
上に増し貼り用の防水シート1を接合一体化して固定具
を被覆して完成させる工法が挙げられる。
建築物躯体の下地面に直接接着剤で防水シート1を接着
して完成させる工法が挙げられる。
は、中間層4として目付量158g /m2 のポリエステ
ル繊維からなるニードルパンチタイプにより製造した厚
さ0.7mmの不織布シートを用いた。この不織布シー
トを平面に複写し、画像処理により、透孔部の割合(開
口率)を測定したところ、透孔部は確認できず、開口率
は0%であった。
ポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルを150g /m
2 (固形成分)の塗布量でナイフコーター方式により塗
布し、一部含浸させた後、乾燥固化させて表面接着層4
2および裏面接着層43を形成した。
半硬質のポリ塩化ビニル樹脂シ−卜(可塑剤20ph
r)と、裏面層3としての厚さ0.7mmの軟質のポリ
塩化ビニル樹脂シート(可塑剤60phr)との間に、
前記不織布シートを中間層4として挟み、これらを加熱
加圧下でラミネーティングを行い、各層2、3、4を積
層一体化して、厚さ1.7mmの合成樹脂製の防水シー
ト1を作製した。
トの全体に渡って一様に表面層2側の樹脂および裏面層
3側の樹脂であるポリ塩化ビニル樹脂が、中間層4とし
ての不織布に均一、且つ、適度に含浸し、表面接着層4
2および裏面接着層43を形成しているのが確認でき
た。さらに、中間層4の厚さ方向中間に、表面層2側の
樹脂および裏面層3側の樹脂であるポリ塩化ビニル樹脂
が含浸していない可塑剤移行防止用の遮断層41が、均
一に形成しているのが確認できた。
は、中間層4として目付量107g /m2 のスパンボン
ドタイプにより製造した厚さ0.7mmの不織布シート
を用いたものとした以外は、実施例1と全く同様にして
厚さ1.7mmの合成樹脂製の防水シート1を作製し
た。
同様、0%であった。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、遮断層41
が確認できた。
は、中間層4として目付量176g /m2 、厚さ1.0
mm、開口率0%の不織布シートを用い、該不織布シー
トの表裏両面にポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルを塗
布することなく各層2、3、4を積層一体化した以外
は、実施例1と全く同様にして厚さ2.0mmの合成樹
脂製の防水シート1を作製した。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、遮断層41
が確認できた。
は、中間層4としてポリプロピレン繊維のスパンボンド
タイプにより構成され、目付量83g /m2 、厚さ0.
6mm、開口率0%の不織布シートを用い、該不織布シ
ートの表裏両面にポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルを
塗布することなく、各層2、3、4を積層一体化したも
のとした以外は、実施例1と全く同様にして厚さ1.7
mmの合成樹脂製の防水シート1を作製した。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、遮断層41
が確認できた。
は、中間層4として目付量50g /m2 、厚さ0.2m
m、開口率14%の不織布シートを用い、該不織布シー
トの表裏両面にポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルを塗
布することなく各層2、3、4を積層一体化したものと
した以外は、実施例1と全く同様にして厚さ1.3mm
の合成樹脂製の防水シート1を作製した。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、該防水シー
ト1の一部において、表面層2側の樹脂と裏面層3側の
樹脂とが連続一体化しており、遮断層41を形成してい
ないことが確認できた。
は、中間層4として、不織布シートではなく、平織りに
より製造した格子状織物シートを用い、該格子状織物シ
ートの表裏両面にポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾルを
塗布することなく、各層2、3、4を積層一体化したも
のとした以外は、実施例1と全く同様にして厚さ1.3
mmの合成樹脂製の防水シート1を作製した。
7%であった。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、シートのほ
ぼ全体おいて表面層2側の樹脂と裏面層3側の樹脂が連
続一体化しており、遮断層41を形成していないことが
確認できた。
は、中間層4として、不織布シートではなく、からみ織
りにより製造した格子状織物シートを用い、該格子状織
物シートの表裏両面にポリ塩化ビニル樹脂のペーストゾ
ルを塗布することなく各層2、3、4を積層一体化した
ものとした以外は、実施例1と全く同様にして厚さ1.
3mmの合成樹脂製の防水シート1を作製した。
3%であった。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、シートの大
半において表面層2側の樹脂と裏面層3側の樹脂が連続
一体化しており、遮断層41を形成していないことが確
認できた。
は、中間層4を設けることなく、表面層2および裏面層
3を積層一体化したものとした以外は、実施例1と全く
同様にして厚さ1.3mmの合成樹脂製の防水シート1
を作製した。
ないため、開口率は100%である。
いて、実施例1と同様に、観察したところ、シートの全
域において表面層2側の樹脂と裏面層3側の樹脂が連続
一体化してることが確認できた。
較例の性能比較を行う。性能比較は、実施例1ないし4
と比較例1ないし4について可塑剤移行防止性および接
着性に関するものである。
恒温オーブンで加熱促進試験を実施する事により行われ
た。
イズに裁断して試験体とした。
していれば、可塑剤の移行があったものであり、表面層
2の可塑剤の濃度に変化がなければ、可塑剤の移行はな
かったものと判断する。
残試料を用い、JIS K 6854『接着剤の剥離接
着強さ試験方法」に準じT型剥離試験を行った。
は接着性は良好であると判定し、表面接着層42または
裏面接着層43の表面または裏面において界面破壊した
場合には接着性は不良であると判定した。
性の試験の結果を表1、表2に示す。
3から表面層2の可塑剤の移行を有効に抑制するが、比
較例1ないし4については可塑剤の移行を十分に抑制す
ることができなかった。
ものは全て良好であり、中でも特に実施例1および2に
ついては最良の接着性が得られた。これは中間層4内に
合成樹脂が適度に、且つ、均一に含浸しているためのと
考えられ、特に、実施例1および2に係る防水シート
は、中間層への樹脂含浸量が最も適切であると考えられ
る。
ているが、これは防水シートの全域にわたって表面層お
よび裏面層の樹脂が、中間層を透過して連続一体化して
いるためである。
ト、防水部材、防水構造および防水施工方法によると、
防水層の層間剥離を防止したり、裏面層の可塑剤成分が
減少するのを防止したり、裏面層にクラックが発生する
のを防止することができるので、長期にわたり耐久性を
発揮でき、十分な防水性能を長期間維持することができ
る。
ると、上記の効果を有する防水シートを製造することが
できる。
ける積層前段階における部分断面図、(b)は同防水シ
ートの製造完了状態での部分断面図である。
の各種形状を示す斜視図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 合成樹脂からなる表面層および裏面層の
間に、不織布からなる中間層が介装された防水シートに
おいて、 中間層内に、表面層側および裏面層側の樹脂が含まれな
い可塑剤移行防止用の遮断層が形成されてなることを特
徴とする防水シート。 - 【請求項2】 表面層および裏面層と接する中間層の境
界部分に、表面層および裏面層と同種の樹脂が含浸され
た表面接着層および裏面接着層が設けられ、中間層にお
ける表面接着層および裏面接着層の樹脂が含浸されない
領域が遮断層として構成されるとともに、 表面接着層および裏面接着層が表面層および裏面層に融
着接合一体化されてなる請求項1記載の防水シート。 - 【請求項3】 中間層が、ポリエステル繊維の不織布を
もって構成されてなる請求項1または2記載の防水シー
ト。 - 【請求項4】 中間層が、目付が80〜200g /m2
の不織布をもって構成されてなる請求項1ないし3のい
ずれか一に記載の防水シート。 - 【請求項5】 表面層および裏面層が、ポリ塩化ビニル
樹脂をもって構成されてなる請求項1ないし5のいずれ
か一に記載の防水シート。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一に記載の
防水シートを用いて構成された防水部材。 - 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか一に記載の
防水シートを用いて構成された防水構造。 - 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれか一に記載の
防水シートを用いた防水施工方法。 - 【請求項9】 表面層用シートおよび裏面層用シートの
間に、不織布からなる中間層用シートを挟み込み、加熱
加圧ラミネートを用いて積層する積層工程を含み、 この積層工程において、中間層用シートの厚さ方向の中
間に、表面層用シートおよび裏面層用シートの樹脂成分
が含浸しない非含浸層を、可塑剤移行防止用の遮断層と
して残存させるものとした防水シートの製造方法。 - 【請求項10】 不織布からなる中間層用シートの上下
両面にペースト状合成樹脂を塗布する樹脂塗布工程と、 ペースト状合成樹脂と同種の合成樹脂からなる表面層用
シートおよび裏面層用シートの間に、前記中間層用シー
トを挟み込んだ状態で、表面層用シートおよび裏面層用
シートをペースト状合成樹脂に融着させることにより、
これら各シートを積層化する積層工程とを含み、 前記樹脂塗布工程を行うにあたって、中間層用シートの
厚さ方向の中間に、ペースト状合成樹脂が含浸しない非
含浸層を形成しておき、その非含浸層を、可塑剤移行防
止用の遮断層として残存させるものとした防水シートの
製造方法。
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