JP2002071360A - 車載用記憶装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 常時供給できる電源を設けることなくメイン
電源の遮断直前の自車位置情報を確実に記憶保持できる
車載用記憶装置を提供すること。 【解決手段】 自車位置検出手段２３、２５、２６、３
０、２１と、車両の移動速度により車両が走行状態から
停止状態に移行したことを判定する停止判定手段２１ａ
と、書き込み内容の消去および再書き込みが可能で電源
が遮断されても書き込み内容を保持する不揮発性メモリ
２４と、停止判定手段２１ａの判定情報に基づいて車両
が停止状態に移行したときのみ車両の現在位置を不揮発
性メモリ２４に書き込む書き込み制御手段２１ｂとを備
え、メイン電源が遮断されたとき車両の現在位置が不揮
発性メモリ２４によって記憶保持されるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車載用記憶装置、
特に車載用ナビゲーションシステムにおいてメイン電源
遮断時に自車位置情報を記憶させておくのに好適な、不
揮発性メモリを有する車載用記憶装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の車載用記憶装置は、図２および図
３に示すように、車速信号、旋回角速度データおよび位
置データ等に基づいて現在の自車両の位置および方位を
算出する演算装置１と、この演算装置１に車速に応じて
周期の変化する車速信号を出力する車速センサ３と、主
プログラムを格納する電気的消去および再書き込みが可
能な読み出し専用メモリ４と、車両旋回時の旋回角速度
データを出力する角速度センサ５と、現在位置を特定す
るため複数の衛星からの電波を受信するＧＰＳ（Global
Positioning System）装置６と、演算装置１が演算を
実行する際の作業領域となるメインメモリ８と、所定領
域内の道路情報を含む地図データを格納するデータベー
ス１０と、演算装置１で算出された自車の現在位置およ
び方位などのデータをメイン電源遮断後も常時供給され
る電源によって記憶保持することができる低消費電力型
の揮発性メモリ１２とを備えている。

【０００３】この車載用記憶装置では、ＧＰＳ装置６か
らの位置データと、角速度センサ５からの角速度データ
および車速センサ３からの車速信号を用いて算出される
自車両の軌跡データと、地図データベース１０に格納さ
れた道路情報とに基づいて、自車両の現在位置および方
位が算出される。そして、算出された現在位置および方
位のデータは、車両のメイン電源遮断後、次回のメイン
電源投入時に必要となるので、メイン電源遮断後におい
ても常時供給される電源を用いて保持される。例えば、
低消費電力でのデータ記憶保持が可能な揮発性メモリ１
２に対し、数秒間隔で現在位置と方位のデータを書き込
む処理がなされ、常にメイン電源遮断に備えている。

【０００４】図３はこの車載用記憶装置における電源ブ
ロックを示す図である。

【０００５】同図に示すように、始動キーによりＯＮ／
ＯＦＦ操作される車両電源１８からのメイン電源供給に
より、電源回路１５が車載用記憶装置の動作電圧ＶDDを
出力するようになっている。また、車両自体の運動状態
検出手段の一部である車速センサ３（例えば車輪回転速
センサ）も、車両からのメイン電源１８からの電源供給
により、車速に応じた速度信号を生成する。また、この
車載用記憶装置の電源部には電池１４が設けられてお
り、電池１４は切り替え回路１７に接続されている。切
り替え回路１７は、電源回路１５からの所定動作電圧Ｖ
DDの出力があるか否かによって切り替えられ、電源回路
１５の出力電圧ＶDDが所定電圧レベルに達しないときに
は、電池１４からの電源電圧ＶBが揮発性メモリ１２等
の電源を要するブロックに供給されるようになってい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ナビゲーション装置に使用される車載用記憶装置にあっ
ては、車両からのメイン電源１８がいつ遮断されてもそ
の直前の現在位置情報が揮発性メモリ１２に記憶されて
いるように、次回メイン電源投入時に必要となる現在位
置等のデータを、車両走行中においても一定時間ごとに
揮発性メモリ１２に書き込む処理が実行されていた。

【０００７】そのため、メイン電源遮断後に位置データ
などを記憶保持するメモリとして揮発性メモリ１２を使
用する必要があり、これに低消費電力型Ｓ−ＲＡＭ等を
採用したとしても、メイン電源の遮断後は電池１４等の
常時供給できる電源を用いて揮発性メモリ１２に電源
（バックアップ用の電源）を供給する必要があった。

【０００８】そこで、本発明は、常時供給できる電源を
設けることなく、メイン電源の遮断直前の自車位置情報
を確実に記憶保持できる車載用記憶装置を提供するもの
である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の車載用記憶装置は、車両の現在位置を検出
する自車位置検出手段と、前記車両の移動速度により前
記車両が走行状態から停止状態に移行したことを判定す
る停止判定手段と、書き込み内容の消去および再書き込
みが可能で、電源が遮断されても書き込み内容を保持す
る不揮発性メモリと、前記停止判定手段の判定情報に基
づいて、前記車両が前記停止状態に移行したときのみ前
記車両の現在位置を前記不揮発性メモリに書き込む書き
込み制御手段とを備え、メイン電源が遮断されたとき前
記車両の現在位置が前記不揮発性メモリによって記憶保
持されることを特徴とする。

【００１０】この車載用記憶装置では、車速信号の周期
変化に基づいて車両が停止状態に移行したことが判定さ
れると、その停止開始の判定情報に基づいて、自車位置
情報が不揮発性メモリに書き込まれる。したがって、車
両が所定の停止状態に移行したときのみ不揮発性メモリ
への現在位置の書き込みがなされ、メイン電源の遮断直
前の位置情報が常時供給できる電源を設けることなく確
実に記憶保持できることになる。

【００１１】また、本発明の車載用記憶装置において
は、前記停止判定手段が前記移動速度に基づいて前記停
止状態に移行したことを判定する判定処理プログラムを
実行し、該判定処理プログラムが前記不揮発性メモリに
格納されたものであるのが好ましい。この構成では、判
定処理プログラムを格納する不揮発性メモリと位置デー
タの記憶保持用の不揮発性メモリを共用できるので、既
存のプログラム格納用不揮発性メモリを利用した構成の
簡素な記憶装置が実現できることになる。

【００１２】さらに、前記書き込み制御手段が、前記車
両の停止状態への移行時ごとに1回のみ前記車両の現在
位置を前記不揮発性メモリに書き込むものであるのが好
ましい。この場合、車両の停止状態への移行時ごとに1
回のみ不揮発性メモリに書き込むので、必要な書き込み
の回数を最少にしながらも書き込み時間間隔をある程度
小さくして、記憶保持する位置情報の精度向上を図るこ
とができる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明の一実施
形態に係る車載用記憶装置を搭載したナビゲーションシ
ステムの概略構成を示すそのブロック図である。

【００１４】本実施形態のナビゲーションシステムは、
図１に示すように、車速信号、旋回角速度データおよび
位置データ等に基づいて現在の自車両（自車）の位置お
よび方位を算出するマイクロコンピュータからなる演算
装置２１と、この演算装置２１に車両の移動速度に応じ
て周期の変化する車速信号を出力する車輪回転速センサ
等の車速センサ２３と、主プログラムを格納するととも
に電気的に消去および再書き込み（書き換え）が可能な
不揮発性メモリ２４と、車両の旋回時に所定時間ごとの
旋回角度を旋回角速度データとして出力する角速度セン
サ２５と、現在位置（緯度、経度）を特定するため複数
の衛星からの電波を受信するＧＰＳ装置２６と、演算装
置２１が演算を実行する際の作業領域となるメインメモ
リ２８と、所定領域内の道路情報を含む地図データを格
納するデータベース３０とを備えている。

【００１５】ここで、演算装置２１は、角速度センサ２
５からの角速度データおよび車速センサ２３からの車速
信号を用いて自車両の軌跡データを算出し、この軌跡デ
ータとＧＰＳ装置２６からの緯度、経度の位置データ
と、地図データベース１０に格納された道路情報とに基
づいて、自車両の現在位置および方位（以下、これら現
在位置および方位の情報を位置情報等という）を算出す
るようになっている。すなわち、演算装置２１は、車速
センサ２３、角速度センサ２５、ＧＰＳ装置２６および
データベース３０と協働して自車両の現在位置を検出す
る自車位置検出手段となっている。

【００１６】算出された現在位置および方位のデータ
は、メイン電源遮断後、次回のメイン電源投入時に必要
となるので、メイン電源遮断後においても記憶保持され
なければならないが、電源遮断後にこのデータを揮発性
メモリに書き込んだのでは、車載装置の電源回路に大容
量のコンデンサを搭載しなければならないし、一方、低
消費電力でのデータ記憶保持が可能な揮発性メモリに数
秒間隔で現在位置等のデータ書き込み処理を行うので
は、揮発性メモリのバックアップ用電池等の常時供給で
きる電源が必要になる。

【００１７】そこで、本実施形態においては、不揮発性
メモリ２４に対して、書換え回数を抑える書き込み制御
を実行しながら、自車両の現在位置データ等を記憶保持
させる。そのため、演算装置２１は、車速センサ２３か
らの車速信号の周期変化に基づいて車両が走行状態から
所定の停止状態に移行したことを判定する停止判定処理
を実行する停止判定手段２１ａの機能を有しており、そ
の判定処理プログラムは不揮発性メモリ２４に記憶させ
ている。

【００１８】このように演算装置２１に停止判定手段２
１ａとしての機能を持たせ、その停止判定手段２１ａと
しての演算装置２１の判定情報に基づいて、車両が所定
の停止開始状態に移行したときのみ位置情報等を１回書
き込むように不揮発性メモリ２４への書き込みを制御す
る。すなわち、演算装置２１は、不揮発性メモリ２４へ
の書き込み制御手段２１ｂとしても機能するようになっ
ている。

【００１９】上述のように構成された本実施形態の車載
用記憶装置においては、車両の停車あるいは低速走行中
に運転者が誤って始動キーを操作する等により、メイン
電源が遮断されてしまった場合でも、車両がほぼ走行を
停止する状態に移行した段階で、その状態が停止判定手
段２１ａによって判定され、その判定時の現在位置情報
が不揮発性メモリ２４に１回だけ書き込まれている。

【００２０】すなわち、車速センサ２３からの車速信号
の周期変化に基づいて車両が所定の停止状態に移行した
ことが停止判定手段２１ａによって判定されると、その
停止開始の判定情報に基づいて、実際の停止前に書き込
み制御手段２１ｂによって自車位置情報が不揮発性メモ
リ２４に書き込まれている。

【００２１】したがって、走行停止直前あるいは停車状
態で運転者が誤って始動キーを操作し、メイン電源が遮
断されてしまったような場合にあっても、不揮発性メモ
リ２４には既にメイン電源の遮断直前の位置情報等が記
憶保持されているから、再起動時に必要な位置情報など
が確実に記憶保持されていることになる。しかも、不揮
発性メモリ２４には別電源が不必要であり、この不揮発
性メモリ２４を演算や停止判定、書き込み制御等を行う
主プログラムの格納場所としているので、常時供給可能
な電源を設ける必要がないばかりでなく、既存のシステ
ムにおける不揮発性メモリを位置情報等の格納場所に共
用した、非常に簡素な構成となる。書換え回数に制限の
あるフラッシュメモリを使用することもできる。

【００２２】さらに、書き込み制御手段２１ｂが、車両
の停止状態への移行時ごとに１回のみ自車位置情報を不
揮発性メモリ２４に書き込むので、必要な書き込みの回
数を最少にしながらも、停止前の記憶情報の精度向上を
図ることができる。

【００２３】換言すれば、電気的消去および書き込みが
可能な不揮発性メモリを使用する場合に、不揮発性メモ
リの電気的消去および書き込みの回数に制限回数があっ
ても、電源投入時に必要となる現在位置情報等のデータ
を一定時間ごとに書き込むことなく、停止状態に移行し
た時に書き込むので、装置の全耐用期間（例えば５００
０時間）に書き込みが発生する頻度以上の制限回数（例
えば１０万回）でよいことになり、常時供給できる電源
を設けることなく停止前の記憶情報の精度向上を図るこ
とができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、車両が所定の停止開始
状態に移行したときのみ不揮発性メモリへの現在位置情
報の書き込みを行うので、メイン電源の遮断直前の位置
情報が常時供給できる電源を設けることなくを確実に記
憶保持でき、構成の簡素な低コストの車載用記憶装置を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る車載用記憶装置の要
部ブロック構成図

【図２】従来例の車載用記憶装置の要部ブロック構成図

【図３】従来例の車載用記憶装置の各ブロックと車両電
源との関係を示す説明図

【符号の説明】

２１ 演算装置（自車位置検出手段） ２１ａ 停止判定手段 ２１ｂ 書き込み制御手段 ２３ 車速センサ（自車位置検出手段） ２４ 不揮発性メモリ ２５ 角速度センサ（自車位置検出手段） ２６ ＧＰＳ装置（自車位置検出手段） ２８ メインメモリ ３０ データベース（自車位置検出手段）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新島 裕幸 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目３番１ 号 松下通信工業株式会社内 Ｆターム(参考） 2F029 AA01 AB01 AB07 AB09 AC02 5H180 AA01 CC12 FF04 FF05 FF22 FF27

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の現在位置を検出する自車位置検出
   手段と、 前記車両の移動速度により前記車両が走行状態から停止
   状態に移行したことを判定する停止判定手段と、 書き込み内容の消去および再書き込みが可能で、電源が
   遮断されても書き込み内容を保持する不揮発性メモリ
   と、 前記停止判定手段の判定情報に基づいて、前記車両が前
   記停止状態に移行したときのみ前記車両の現在位置を前
   記不揮発性メモリに書き込む書き込み制御手段とを備
   え、 メイン電源が遮断されたとき前記車両の現在位置が前記
   不揮発性メモリによって記憶保持されることを特徴とす
   る車載用記憶装置。
2. 【請求項２】 前記停止判定手段が前記移動速度に基づ
   いて前記停止状態に移行したことを判定する判定処理プ
   ログラムを実行し、該判定処理プログラムが前記不揮発
   性メモリに格納されたことを特徴とする請求項１に記載
   の車載用記憶装置。
3. 【請求項３】 前記書き込み制御手段が、前記車両の停
   止状態への移行時ごとに1回のみ前記車両の現在位置を
   前記不揮発性メモリに書き込むことを特徴とする請求項
   １に記載の車載用記憶装置。