JP4135510B2 - 電子制御装置およびプログラム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用ナビゲーション装置などの電子制御装置における、電源電圧が低下した際にデータをバックアップする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば車両の走行に伴ってGPS等により現在位置を検出し、その現在位置をディスプレイ上に道路地図と共に表示することにより、円滑に目的地に到達させたり、現在地から目的地までの適切な経路を設定して案内を行ったりする車載用ナビゲーション装置が知られており、より円滑なドライブに寄与している。
【0003】
このような車載用ナビゲーション装置は、車両に搭載されたバッテリからの電力を受けて動作するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す。)を備えており、そのマイコンが、通常時には、不揮発性メモリに格納されたデータにより構成される制御プログラムに従って、経路設定や案内などの各種処理を行う。そして、上述のマイコンは、使用者が設定した経路に関する情報である経路設定情報や案内情報などを構成するデータを不揮発性メモリに保存する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、このような車載用ナビゲーション装置の中には、当該装置内に大容量のコンデンサを設けて、当該装置への車載バッテリからの電力供給が一時的に低下若しくは遮断されても、そのコンデンサからの電力供給により、上述の経路設定などの各種処理を行ったり、上述の経路設定情報などを構成するデータを保存したりするよう構成されているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−134349号公報(第2頁、図1)
【特許文献2】
特開平11−53271号公報(第4頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような車載用ナビゲーション装置は、経路設定情報などを構成するデータなど保存すべきデータ量が多いため、その保存処理に要する時間が長い。また、一般的に不揮発性メモリは、揮発性メモリなど他のデータ保存装置に比べてデータの保存処理に要する時間が長い。すると、車載用ナビゲーション装置において、例えばマイコンが不揮発性メモリへデータを保存している最中に、当該装置への車載バッテリからの電力供給が著しく低下したり遮断したりすると、その保存処理が中断されてしまい、不揮発性メモリ内のデータが不完全な状態(つまり、新たなデータが書き込まれた記憶領域と、データが消去された記憶領域と、旧来のデータが残っている記憶領域とが混在した状態)となる問題があった。この場合、不揮発性メモリに保存されなかったデータは破棄されてしまう。
【0007】
なお、こうした問題は、車載用ナビゲーション装置内に設けるコンデンサの容量をより大きくすることにより防止できるが、このためには、当該装置に組み込むコンデンサの容量を大きくする必要があるため、当該装置の小型化の妨げになり、また、当該装置のコストアップを招く、という問題がある。
【0008】
また、このようなことは車載用ナビゲーション装置に限られず、車載バッテリから電力供給を受ける車載の電子制御装置においても同様の問題が生じると考えられる。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、電子制御装置において、当該装置への車載バッテリからの電力供給が著しく低下したり遮断したりしても、データを確実に保存することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の電子制御装置は、例えばバッテリと電子制御装置との間の接続が外れた場合や長時間の使用によりバッテリの出力電圧が低下した場合など、当該装置へのバッテリからの電力供給が著しく低下したり遮断したりした場合、データを揮発性メモリに一旦高速で保存し、その後不揮発性メモリに保存する。
【0011】
たがって、当該装置へのバッテリからの電力供給が著しく低下したり遮断したりしてもデータを確実に保存することができる。
【0012】
そして、特に、本発明を、上述した車載用ナビゲーション装置に適用すれば、地図データや経路計算結果など保存すべきデータ量が多く、その保存処理に要する時間が長いため、例えばマイコンが不揮発性メモリ内のデータを保存している最中に当該装置へのバッテリからの電力供給が著しく低下したり遮断したりしても、その保存処理が中断されてしまって不揮発性メモリ内のデータが不完全な状態となることがなく、データを確実に保存する信頼性が高い車載用ナビゲーション装置を提供できることになる。
【0015】
また、このように構成すれば、揮発性メモリに一旦保存したデータをコンデンサからの電力供給により不揮発性メモリに保存させる際に、メイン回路および内蔵電源回路コンデンサの電力を消費することがない。したがって、保存すべきデータが多いときでも、全てのデータを不揮発性メモリに確実に保存できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうることは言うまでもない。
【0017】
[車載用ナビゲーション装置の構成]
図1は、実施例の車載用ナビゲーション装置の構成を表す構成図である。図1に示すように、本実施例の車載用ナビゲーション装置は、経路設定や案内などの各種処理を行うメイン回路1、メイン回路1で利用された各種データを保存するバックアップ回路2、内蔵電源回路4、電源監視装置5、スイッチ6およびコンデンサ7を備えている。これらのうちメイン回路1およびバックアップ回路2は互いにバスラインで接続されている。
【0018】
[メイン回路1の構成]
ここで、メイン回路1は、上述のように、経路設定や案内などの各種処理を行うものであり、本発明のデータ処理手段として機能する。このため、メイン回路1には、周辺回路11、CPU12およびバッファ13が備えられている。
【0019】
このうち周辺回路11は、車両の現在位置を検出する位置検出器、地図データなどを入力するための地図データ入力器、使用者による各種入力操作を受け付ける操作スイッチ群、不揮発性メモリで構成され、運転者が設定した経路など各種の情報などを記憶する外部メモリ、地図データ入力器より入力された地図データなどを表示する表示装置、使用者による各種入力操作をリモコンを介して受け付けるリモコンセンサ、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどを備えている。なお、周辺回路11が備えるこれら位置検出器などの構成は公知技術に従っているので、詳細な説明は省略する。
【0020】
また、CPU12は、周辺回路11の各部構成を制御して経路設定などの各種処理を実行するものである。具体的には、CPU12は、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器を介して読み込んだ現在位置付近の地図等を表示装置に表示する地図表示処理や、地図データ入力器に格納された地点データに基づき、操作スイッチ群やリモコン等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路(目的地経路)を自動的に求める経路計算処理を行う。このように自動的に最適な経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、CPU12は、経路設定や案内などの各種処理に利用された各種データをバックアップ回路2に保存させる。なお、「各種データ」とは、メイン回路1にて各種処理を実行するための制御プログラムを構成するデータや、メイン回路1が繰り返して利用する可能性があるために保存すべきデータなどを云い、一例を挙げれば、経路設定や案内などの各種処理を実行するための制御プログラムや、使用者が設定した経路に関する情報である経路設定情報などを構成するデータなどが挙げられる。この各種データは、特許請求の範囲における「保存すべきデータ」に該当する。
【0021】
さらに、バッファ13は、メイン回路1とバックアップ回路2とを接続するバスライン上に設けられている。このバッファ13は次のように作用する。すなわち、バッファ13が内部電源回路4などから電力供給を受けている場合には、バッファ13は、メイン回路1またはバックアップ回路2の何れかから他方へバスライン上を流れる各種データを一旦内部に保存してから他方へ向けて送出する。一方、バッファ13が電力供給を受けていない場合には、バッファ13は作動せず、メイン回路1またはバックアップ回路2の何れかから他方へバスライン上を流れる各種データを一旦内部に保存したり他方へ向けて送出したりしない。そのため、バッファ13が電力供給を受けていない場合には、バッファ13によってメイン回路1とバックアップ回路2との間が電気的に遮断されることとなる。
【0022】
[バックアップ回路2の構成]
一方、バックアップ回路2は、上述の各種データを保存するためのものであり、このため、バックアップ回路2には、揮発性メモリ21、フラッシュメモリ22および専用制御素子23が備えられている。
【0023】
このうち、揮発性メモリ21は、フリップフロップ回路で構成されて高速でデータの書き込みが可能なメモリであり、電力供給を受けている間はデータを保持することができる。なお、この揮発性メモリ21は、低消費電力型であることが望ましい。この揮発性メモリ21は、CPU12の制御により、メイン回路1から転送されてきた各種データを記憶する。また、フラッシュメモリ22は、電力供給を受けなくても記憶内容を自己保持可能なメモリである。なお、このフラッシュメモリ22は、低消費電力型であることが望ましい。このフラッシュメモリ22は不揮発性メモリに該当する。さらに、専用制御素子23は、上述のCPU12よりも低消費電力で作動する低消費電力型のマイコンによって構成されている。この専用制御素子23は、揮発性メモリ21に保存された各種データをフラッシュメモリ22に転送させて保存させる。なお、専用制御素子23の消費電力は、後述するコンデンサ7の容量と関連して、専用制御素子23が、コンデンサ7からの電力供給により揮発性メモリ21に一旦保存された各種データをフラッシュメモリ22に転送して保存させることが可能に設定されている。なお、専用制御素子23は最終データ保存制御手段に該当し、さらに、一時データ保存制御手段であるCPU12とともにデータ保存制御手段に該当する。
【0024】
[その他の構成、およびバッテリ電源3の構成]
また、実施例の車載用ナビゲーション装置には、この当該装置が搭載されている車両に備えられているバッテリ電源(車載バッテリ)3が接続されている。具体的には、メイン回路1には、内蔵電源回路4を介してバッテリ電源3が接続されるとともに、バックアップ回路2には、内蔵電源回路4およびスイッチ6を介してバッテリ電源3が接続されている。また、スイッチ6とバックアップ回路2との間にはコンデンサ7が接続されている。さらに、内蔵電源回路4には電源監視装置5が接続されている。このうち、バッテリ電源3は、その車両の車載電子制御装置などの各部に電力を供給する周知のものである。また、内蔵電源回路4は、バッテリ電源3の電源電圧を変換して出力するよう構成されており、メイン回路1、バックアップ回路2およびコンデンサ7に電力を供給する。また、電源監視装置5は、内蔵電源回路4の出力電圧に応じてスイッチ6を開閉制御するよう構成されている。具体的には、電源監視装置5は、内蔵電源回路4の出力電圧が下限値以上である場合にはスイッチ6を閉鎖し、一方、内蔵電源回路4の出力電圧が下限値未満である場合にCPU12が各種データを揮発性メモリ21へ一旦保存したときにはスイッチ6を開放する。なお、上述の「下限値」とは、バッテリ電源3の電源電圧が、CPU12がデータ処理を実行できる下限の値を云い、他の構成を考慮して予め実験等によって規定されている。なお、電源監視装置5は、電源電圧判断手段に該当し、さらに、スイッチ6およびバッファ13とともに、遮断手段に該当する。また、コンデンサ7は電力を蓄積する周知のものである。なお、コンデンサ7は蓄電手段に該当する。
【0025】
[車載用ナビゲーション装置の始動処理の説明]
次に、上述のように構成された車載用ナビゲーション装置が実行する始動処理について、図3のタイミングチャートを参照して説明する。まず、バッテリ電源3から内部電源回路4へ電力が供給されると、内部電源回路4ではバッテリ電源3の電源電圧が変換され、この電圧変換後の電力がメイン回路1および電源監視装置5へ供給される。ここで、内蔵電源回路4の出力電圧が下限値以上であると電源監視装置5が判断すれば、電源監視装置5は、開放していたスイッチ6を閉鎖し、バックアップ回路2およびコンデンサ7に内部電源回路4から電力が供給される(図3の時刻T4)。すると、コンデンサ7には、内部電源回路4から供給された電力が蓄電される。また、メイン回路1のCPU12は、各種データをフラッシュメモリ22から読み出し(図3の「開始処理」が相当する。時間T4〜T0)、上述の経路設定や案内などの各種処理(図3の「通常処理」が相当する。時間T0〜T1)を実行する。
【0026】
[バックアップ処理の説明]
次に、上述の車載用ナビゲーション装置が実行するバックアップ処理について、CPU12、電源監視装置5および専用制御素子23が実行する処理を、それぞれ図2(a)、図2(b)、図2(c)の各フローチャートを参照して説明する。また、図3は、実施例の車載用ナビゲーション装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【0027】
図2(a)に示すバックアップ処理の最初のステップ110(以下、「ステップ」を単に「S」と記す。)では、CPU12が通常処理(具体的には、上述の経路設定や案内などの各種処理)を実行する。なお、この通常処理は、内蔵電源回路4の出力電圧が下限値未満である旨の通知を電源監視装置5から受け取るまで実行される(S120:NO)。
【0028】
さて、図2(b)に示す電源監視処理のS210では、電源監視装置5が内蔵電源回路4の出力電圧が下限値未満であるか否かを判断する。ここで、内蔵電源回路4の出力電圧が下限値以上であれば(S210:NO)、CPU12が通常の処理速度で上述の通常処理を実行できる状態にあると判断して再びS210を繰り返す(図3の時間T0〜T1)。一方、バッテリ電源3が外れたり長時間の使用でバッテリ電源3の出力電圧が低下したりすることにより内蔵電源回路4の出力電圧が下限値未満に低下していれば(S210:YES)、CPU12が通常の処理速度で通常処理を実行できない状態にあると判断し、内蔵電源回路4の出力電圧が下限値未満である旨をCPU12に通知する(S220、図3の時刻T1)。そしてS230(後述)に移行する。
【0029】
図2(a)に戻り、通常処理を実行するCPU12では、電源監視装置5からの通知(S220)を受け取ると(S120:YES)、各種データを揮発性メモリ21へバスラインおよびバッファ13経由で送信する。この際、バッファ13は、各種データを一旦保存してから揮発性メモリ21側へ送出する。そして、内蔵電源回路4からの電力供給がなくなるまでに、内蔵電源回路4からの電力供給により各種データを揮発性メモリ21へ一旦保存する(S130、図3の時間T1〜T2)。そして、この保存が終了したらその旨を電源監視装置5へ通知し(S140、図3の時刻T2)、この処理を終了する。
【0030】
図2(b)に戻り、電源監視装置5では、先のS220にて内蔵電源回路4の出力電圧が下限値未満である旨をCPU12に通知した後、S230に移行しており、揮発性メモリ21への各種データの保存終了を待ち受けている(S230:NO)。ここで、揮発性メモリ21への各種データの保存終了の通知(S140)をCPU12から受け取ると(S230:YES)、S240に移行する。
【0031】
S240では、電源監視装置5が、スイッチ6を閉鎖から開放へ切り替える(図3の時刻T2)。このことによりバックアップ回路2およびコンデンサ7への内蔵電源回路4からの電力供給が停止する。すると、バッファ13が、メイン回路1またはバックアップ回路2の一方から他方へバスライン上を流れる各種データを一旦内部に保存したり他方へ向けて送出したりしなくなるので、バッファ13によってメイン回路1とバックアップ回路2との間が電気的に遮断されることとなる。そして、コンデンサ7が蓄積した電力は、バックアップ回路2のみに供給されることとなる。
【0032】
続くS250では、スイッチ6を閉鎖から開放へ切り替えた旨を専用制御素子23に通知する(図3の時刻T2)。そして、この電源監視処理を終了する。
さて、図2(c)に示すバックアップ処理のS310では、専用制御素子23が、電源監視装置5からのスイッチ6を閉鎖から開放へ切り替えた旨の通知を待ち受けている(S310:NO、図3の時間T0〜T2)。ここで、スイッチ6を開放した旨の通知を受け取ると(S310:YES)、先の130にて揮発性メモリ21に一旦保存された各種データを、コンデンサ7からの電力供給により揮発性メモリ21からフラッシュメモリ22へ転送して保存させる(S320、図3の時間T2〜T3)。そして、このバックアップ処理を終了する。
【0033】
また、例えば外れていたバッテリ電源3が元の位置に戻されたりバッテリ電源3が充電されたりすることにより内部電源回路4の出力電圧が下限値以上に回復すると(図3の時刻T4)、車載用ナビゲーション装置は、上述の始動処理と同様の処理を実行し、通常処理を再開する。なお、上述のような内部電源回路4の出力電圧の回復が、メイン回路1からバックアップ回路2へ各種データを保存している最中である場合には、その保存処理を中止して上述の開始処理を実行してもよい。この場合、CPU12は各種データを揮発性メモリ21およびフラッシュメモリ22の双方から読み出すこととなる。また、各種データを全てフラッシュメモリ22へ保存したのちに、開始処理を実行してもよい。
【0034】
[効果]
このように、本実施例の車載用ナビゲーション装置によれば、バッテリ電源3の電源電圧が下限値未満に低下すると、各種データを揮発性メモリ21に一旦保存し、その後フラッシュメモリ22に保存する。したがって、当該装置へのバッテリ電源3からの電力供給が著しく低下したり遮断したりしても各種データを確実に保存することができる。
【0035】
[別実施例]
(1)上記実施例のバックアップ処理は、車載用ナビゲーション装置に適用しているが、車両に搭載される他の電子制御装置に適用してもよい。また、例えばノートパソコンや携帯電話など、バッテリからの電力供給を受けてデータのバックアップ処理を行うものに適用してもよい。
(2)上記実施例の揮発性メモリ21は、高速でデータの書き込みが可能なメモリであり、電力供給を受けている間はデータを保持することができるものであれば他の構成でもよく、例えばSRAM(Static Random Access Memory)でもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0036】
また、上記実施例のフラッシュメモリ22は、電力供給を受けなくても記憶内容を自己保持可能なものであれば他の構成でもよく、例えばメモリカードなどでもよい。このように構成しても上記実施例と同様の作用効果を奏する。
(3)上記実施例では、CPU12と専用制御素子23とが別体に構成されており、メイン回路1から揮発性メモリ21への各種データの保存処理をCPU12が実行しているが、上述の保存処理を専用制御素子23が実行するよう構成してもよい。このように構成すれば、CPU12の負担を軽減することができる。
【0037】
また、上記実施例では、揮発性メモリ21からフラッシュメモリ22への各種データの保存処理を専用制御素子23が実行しているが、専用制御素子23やバッファ13の機能をCPU12の中に構成してもよい。このようにすれば、専用制御素子23を設ける必要がなくなり、その分バックアップ回路2を小型化することができる。
(4)上記実施例では、メイン回路1とバックアップ回路2とを接続するバスライン上にバッファ13が設けられているが、上述のように各種データをメイン回路1から揮発性メモリ21に一旦保存したときに、メイン回路1とバックアップ回路2との間を電気的に遮断する構成であればこれには限られない。例えば、メイン回路1とバックアップ回路2との間のバスライン上にスイッチを設け、上述のように各種データをメイン回路1から揮発性メモリ21に一旦保存したときには、そのスイッチを開放してメイン回路1とバックアップ回路2との間を電気的に遮断してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の車載用ナビゲーション装置の構成を表す構成図である。
【図2】(a)はCPUが実行するバックアップ処理を説明するフローチャートであり、(b)は電源監視装置が実行する電源監視処理を説明するフローチャートであり、(c)は専用制御素子が実行するバックアップ処理を説明するフローチャートである。
【図3】実施例の車載用ナビゲーション装置の各部の動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…メイン回路、2…バックアップ回路、3…バッテリ電源、
4…内蔵電源回路、5…電源監視装置、6…スイッチ、7…コンデンサ、
11…CPU、12…周辺回路、13…バッファ、21…専用制御素子、
22…揮発性メモリ、23…フラッシュメモリ

Claims (2)

  1. 各種処理を行うメイン回路と、
    前記メイン回路とバスラインで接続され、前記メイン回路で利用された各種データを保存するバックアップ回路と、
    バッテリ電源の電源電圧を変換して出力するよう構成され、前記メイン回路および前記バックアップ回路に電力を供給する内蔵電源回路と、
    前記内蔵電源回路と前記バックアップ回路との間に接続され、開閉可能なスイッチと、 前記スイッチと前記バックアップ回路の間に接続され、電力を蓄積するコンデンサと、 前記内蔵電源回路に接続され、前記内蔵電源回路の出力電圧が、前記メイン回路が通常の処理速度で各種処理を実行できる下限値(以下、単に「下限値」と称す。)未満であるか否かを判断する電源監視装置と、を備え、
    前記メイン回路は、各種処理を行うCPUと、前記バスライン上に設けられ、電力供給を受けている場合に前記CPUまたは前記バックアップ回路の何れかから他方へ前記バスライン上を各種データが流れるのを許可し、電力供給を受けていない場合に前記CPUと前記バックアップ回路との間を電気的に遮断する遮断手段と、を有しており、
    一方、前記バックアップ回路は、電力供給を受けなくても記憶内容を自己保持可能な不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリよりも高速でデータの書き込みが可能な揮発性メモリと、前記メイン回路の前記CPUよりも低消費電力で作動する専用制御素子と、を有しており、
    前記電源監視装置は、前記内蔵電源回路の出力電圧が前記下限値以上であれば前記スイッチを閉鎖し、一方、前記内蔵電源回路の出力電圧が前記下限値未満に低下していればその旨を前記メイン回路の前記CPUまたは前記バックアップ回路の前記専用制御素子に通知し、
    前記電源監視装置からの通知を受け取った前記メイン回路の前記CPUまたは前記バックアップ回路の前記専用制御素子は、前記内蔵電源回路からの電力供給がなくなるまでに、前記内蔵電源回路からの電力供給により各種データを前記メイン回路から前記バスラインおよび前記遮断手段経由で前記バックアップ回路の前記揮発性メモリへ送信して一旦保存させ、保存が終了したらその旨を前記電源監視装置へ通知し、
    前記遮断手段は、前記内蔵電源回路からの電力供給がなくなったら前記CPUと前記バックアップ回路との間を電気的に遮断し、
    前記電源監視装置は、前記メイン回路の前記CPUまたは前記バックアップ回路の前記専用制御素子からの通知を受け取ると前記スイッチを閉鎖から開放へ切り替え、その旨を前記バックアップ回路の前記専用制御素子に通知し、
    前記バックアップ回路の前記専用制御素子は、前記電源監視装置からの通知を受け取ると、前記揮発性メモリに一旦保存された各種データを、前記コンデンサからの電力供給により前記揮発性メモリから前記不揮発性メモリに転送させて保存させること
    を特徴とする電子制御装置。
  2. 請求項1に記載の電子制御装置において、
    前記遮断手段は、前記バスライン上に設けられ、電力供給を受けている場合に前記CPUまたは前記バックアップ回路の何れかから他方へ前記バスライン上を流れる各種データを一旦内部に保存してから他方へ向けて送出し、電力供給を受けていない場合に前記CPUと前記バックアップ回路との間を電気的に遮断するバッファを有することを特徴とする電子制御装置。
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