JP2002070612A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JP2002070612A JP2000267033A JP2000267033A JP2002070612A JP 2002070612 A JP2002070612 A JP 2002070612A JP 2000267033 A JP2000267033 A JP 2000267033A JP 2000267033 A JP2000267033 A JP 2000267033A JP 2002070612 A JP2002070612 A JP 2002070612A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転状態の変化と空燃比制御の切り換えとを
連動させ、該切り換えをより迅速に行ってその制御性を
高め、空燃比制御の信頼性の向上を図ることができるエ
ンジンの空燃比制御装置を提供する。 【解決手段】 排気管内の排気ガスの実空燃比をリニア
に測定するリニア空燃比センサを備えたエンジンの空燃
比制御装置であって、該空燃比制御装置は、エンジンの
運転状態に応じて目標空燃比を切り換えるとともに、前
記目標空燃比と前記実空燃比とに基づく空燃比制御量で
フィードバック制御を行うものであって、前記目標空燃
比が切り換えられた場合には、該目標空燃比の切り換え
時からの所定の時間の間、前記空燃比制御量を所定の固
定値にしてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの空燃比
制御装置に係り、特に、運転状態の切り換えに伴う空燃
比制御の悪化を防止することができるエンジンの空燃比
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン制御において、HC、、CO、
NOx等の排気ガス成分のレベルを低減させるには、燃
焼室内の空気量と燃料量との比率を正確な理論空燃比に
なるように制御することが必要である。一方、前記空気
量及び燃料量の計測には誤差があることから、前記比率
を理論空燃比にするために排気ガスの酸素残量を検出
し、その残量に応じてフィードバック制御を行い、前記
比率の補正を行っている。
【0003】従来、この排気ガスの酸素残量は、酸素の
過剰又は不足の2信号を検出するO2センサで行わせて
いたが、近年の排気ガス規制では、前記排気ガス成分を
一層低減させることが要求されており、酸素残量の有無
を検出する前記O2センサのみでは、酸素がどの程度残
存しているかを定量的に測ることができず、前記排気ガ
ス成分の低減を図ることが困難になっている。そこで、
現在では、酸素量に比例した空燃比を測定できるリニア
空燃比センサを用いて空燃比フィードバック制御が行わ
れている。
【0004】ここで、前記排気ガス成分のレベル低減及
び燃費の向上等のために、エンジンの運転状態に応じて
目標となる空燃比(目標空燃比)を適宜切り換え、各目
標空燃比に対する空燃比制御が一般に行われている。例
えば、空燃比センサの信号に基づいてクローズドループ
モードによる空燃比フィードバック制御と、非空燃比フ
ィードバック制御によるオープン空燃比制御とを、所望
の運転条件に応じて行っている。
【0005】この場合に、これら各目標空燃比の切り換
え時には前記センサの応答遅れがあり、空燃比制御性が
悪化するという問題があることから、この問題を解決す
るために、目標空燃比を変化させつつ、空燃比制御を行
う内燃機関の空燃比制御装置の技術が提案されている
(例えば、特許第3023614号公報参照)。
【0006】該特許第3023614号公報所載の空燃
比制御装置の技術は、非空燃比フィードバック制御から
空燃比フィードバック制御への移行に対して、内燃機関
の目標空燃比を切り換えて所定の空燃比で運転する場合
には、その状態移行時からリニア空燃比センサがリッチ
状態を出力する、又は所定時間が経過するまでのうち、
いずれか早く終了するまでの間は、空燃比の補正量の演
算を禁止し、該補正量を固定するものである。また、空
燃比制御装置の他の技術としては、特開平11−247
654号公報、特開平8−177571号公報、特開平
6−42387号公報等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、運
転状態の変化に応じて目標空燃比を切り換えて所定の空
燃比で運転する場合において、前記目標空燃比を切り換
えた直後における排気管内の空燃比と燃焼室内の空燃比
とが異なっており、空燃比センサ、特に、リニア空燃比
センサを用いて目標空燃比の切り換えを行う場合には、
理論空燃比からリーン側への移行、若しくはリッチ側へ
の移行に対して前記異なる空燃比に対処することが必要
になる。
【0008】すなわち、本発明者は、運転状態の変化に
応じて、内燃機関の目標空燃比を切り換えて所望の空燃
比で運転を行う場合には、前記目標空燃比の切り換え直
後における、空燃比制御量を排気管内の空燃比と燃焼室
内の空燃比との違いを考慮した制御量に設定し、クロー
ズドループモードたる空燃比フィードバック制御を迅速
に再開させることが必要である、つまり、前記考慮の対
応としてオープン制御を一時的に行った後、迅速にフィ
ードバック制御に切り換えることにより、排気エミッシ
ョンの一層の向上を図ることができるとの新たな知見を
得たものである。前記従来の技術には、非空燃比フィー
ドバック制御から空燃比フィードバック制御への移行に
ついて示唆されているが、その他の目標空燃比への切り
換え時の制御についていずれも格別な配慮がなされてい
ない。
【0009】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、運転状態
の変化と空燃比制御の切り換えとを連動させ、該切り換
えをより迅速に行ってその制御性を高め、空燃比制御の
信頼性の向上を図ることができるエンジンの空燃比制御
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明に係るエンジンの空燃比制御装置は、基本的に
は、排気管内の排気ガスの実空燃比をリニアに測定する
リニア空燃比センサを備えたエンジンの空燃比制御装置
であり、該空燃比制御装置は、エンジンの運転状態に応
じて目標空燃比を切り換えるとともに、前記目標空燃比
と前記実空燃比とに基づく空燃比制御量でフィードバッ
ク制御を行うものであって、前記目標空燃比が切り換え
られた場合には、該目標空燃比の切り換え時からの所定
の時間の間、前記空燃比制御量を所定の固定値にするこ
とを特徴としている。
【0011】前記の如く構成された本発明のエンジンの
空燃比制御装置は、目標空燃比が切り換えられた場合に
は、空燃比制御量を一時的に所定の固定値にして、待ち
時間及び実空燃比と目標空燃比との差に応じてフィード
バック制御を行う、すなわち、運転状態の変化と空燃比
制御の切り換えとを連動させ、できるだけ早くフィード
バック制御を再開させているので、リニア空燃比センサ
を用いた運転状態の変化に対する空燃比制御の制御性を
一層高めて、空燃比制御の信頼性の向上を図ることがで
きる。
【0012】また、本発明に係るエンジンの空燃比制御
装置の具体的態様は、前記目標空燃比の切り換え時から
の所定の時間は、あらかじめ定められた時間と、前記目
標空燃比と前記実空燃比との差が所定値以下になる時間
のうち、いずれか短い方の時間であること、又は前記空
燃比制御装置は、前記エンジンの運転状態に応じて燃焼
モードを設定する手段と、空燃比制御量を演算する手段
とを備え、該空燃比制御量を演算する手段は、前記燃焼
モードを設定する手段及び前記リニア空燃比センサの出
力信号に基づいて前記空燃比制御量を演算する一方で、
前記燃焼モードを設定する手段からの前記目標空燃比の
切り換え信号に基づいて前記空燃比制御量を固定値とす
る時間を演算することを特徴としている。
【0013】さらにまた、本発明に係るエンジンの空燃
比制御装置の他の具体的態様は、前記排気管に触媒を備
え、該触媒内に吸着、吸蔵等捕捉されたNOxが放出又
は還元(浄化)され、前記目標空燃比が一時的にリッチ
側に切り換えられた場合には、該リッチ側に切り換えら
れている間、前記空燃比制御量を所定の固定値にするも
のであること、若しくは前記排気管の触媒内に吸着、吸
蔵等捕捉されたNOxが放出又は還元(浄化)され、前
記目標空燃比が一時的にリッチ側に切り換えられた場合
には、前記NOxの放出の終了後からの所定時間と、前
記NOxの放出の終了後から前記目標空燃比と前記実空
燃比との差が所定値以下になる時間のうち、いずれかが
終了するまでの間、前記空燃比制御量を所定の固定値に
するものであることを特徴としている。
【0014】さらに、本発明に係るエンジンの空燃比制
御装置の他の具体的態様は、前記排気管の触媒の温度を
測定若しくは推定する手段を備え、前記目標空燃比が切
り換えられた場合には、前記触媒の温度の変化量が所定
値に達するまでの間、前記空燃比制御量を所定の固定値
にするものであることを特徴としている。
【0015】また、前記エンジンは、前記リニア空燃比
センサを前記排気管の触媒の上流側に備えるとともに、
第二の空燃比センサを前記触媒の下流側に備え、前記空
燃比制御装置は、前記第二の空燃比センサの出力信号に
基づいて前記目標空燃比を補正する手段を備えること、
若しくは前記空燃比制御装置は、空燃比制御が異常と診
断された場合には、前記空燃比制御量を変更して前記フ
ィードバック制御を行うこと、若しくは前記目標空燃比
と前記実空燃比との差が所定値以下に達するまでの時間
が、前記目標空燃比の切り換え時から所定の経過時間よ
りも長い場合には、前記空燃比制御の異常と診断される
こと、又は前記空燃比制御装置は、前記目標空燃比と前
記実空燃比との比率若しくは差分に応じた燃料噴射量の
補正係数を求め、前記フィードバック制御を行うことを
特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明に係る
エンジンの空燃比制御装置の実施形態を詳細に説明す
る。図1は、本実施形態のエンジンの空燃比制御装置を
備えたエンジンシステムの全体構成図である。エンジン
100は3気筒からなり、各気筒107に導入される空
気は、エアクリーナ106から取り入れられて吸気管1
08内に入る。該吸気管108には、吸入空気量Qaを
調整するスロットル弁104と、前記吸気管108内の
圧力を検出する吸気管圧力センサ114とが、各々の適
宜位置に配置される。また、吸気管108には、前記ス
ロットル弁104をバイパスし、エンジン100のアイ
ドル運転時のエンジン回転数が目標回転数になるように
制御するアイドルスピードコントロールバルブ(ISC
バルブ)105が適宜位置に配置される。
【0017】燃料は、燃料タンク1014から燃料ポン
プ1011を介して燃圧制御弁1012に輸送され、該
燃圧制御弁1012で一定の燃料圧力とされる。前記ス
ロットル弁104で流量調整された空気は、前記気筒1
07の上流側に配設される燃料噴射弁(インジェクタ)
101から噴射された燃料と混合されて各気筒107に
供給・燃焼される。
【0018】該各気筒107で燃焼した燃料の排ガス
は、排気管109を通じて触媒118に導かれ、浄化さ
れた後に排出される。排気管109には、排気空燃比
(酸素濃度)に対してリニアな空燃比信号を出力するリ
ニア空燃比センサ116と、酸素の過剰又は不足の2信
号を検出するO2センサ119とが、前記触媒118の
上流側と下流側に各々配置されている。さらに、エンジ
ン回転数を検出するクランク角センサ111、及びエン
ジン冷却水温を検出する水温センサ110等が、前記エ
ンジン100の各々の適宜位置に配置されている。
【0019】前記吸気管圧力センサ114、吸入空気流
量計115、前記リニア空燃比センサ116、リア側の
O2センサ119、スロットルポジションセンサ11
3、前記水温センサ110、前記クランク角センサ11
1並びにカム角センサ112等からの各出力信号は、後
述する空燃比制御装置120Aを備えたエンジン制御装
置120に各々入力される。
【0020】該エンジン制御装置120は、車室あるい
はエンジンルーム内に配置され、前記種々のセンサから
出力される電気的な信号に基づいて、所定の演算処理を
行い、運転状態に最適な制御を行うべく、前記インジェ
クタ101の開閉、点火コイル103を介した点火プラ
グ102の駆動、及び前記ISCバルブ105の開閉等
を行う信号を各々出力する。
【0021】図2は、前記エンジン制御装置120の内
部構成を示したものである。該エンジン制御装置120
の内部は、マイクロコンピュータ401、多数の制御プ
ログラム及びデータを格納させたROM402、計算結
果等が一時的に格納されるRAM403、前記エンジン
100の各種センサからの信号を取り込む入力回路40
4、前記マイクロコンピュータ401に所定時間割り込
みを発生させるタイマ又はクロック回路(図示省略)、
前記マイクロコンピュータ401の指令によりオンオフ
可能な出力回路406等から構成される。
【0022】具体的には、エンジン制御装置120は、
吸気管圧力センサ114又は吸入空気流量計115の出
力を取り込み、センサ信号電圧を所定のテーブル変換に
基づいて単位時間当たりの実際の吸入空気量Qaを算出
するとともに、クランク角センサ111のパルス信号を
計測し、所定時間内のパルス数又はパルスエッジの時間
間隔TDATAに応じてエンジン100の回転数NDA
TAを計算する。そして、前記吸入空気量Qaを前記回
転数NDATAで除し、さらに気筒数で除することによ
り、1気筒の1回毎の吸入空気量Qacylを計算す
る。
【0023】次に、該吸入空気量Qacylにインジェ
クタ101の流量特性から求められる所定の係数KTI
を乗じて、該吸入空気量Qacylで燃焼できる燃料噴
射量TIが求められ、空燃比制御補正量ALPHAnを
含んだ補正係数COEFnを乗じてインジェクタ101
を所定時間開弁させることにより、必要とする燃料量を
噴射して、1燃焼毎の混合気を生成する。なお、燃料噴
射量TIの算出は、次の式(1)に基づいて行われる。
【0024】
【数1】 TI=COEFn×KTI×Qacyl (1) ここで、COEFnは補正係数であり、該補正係数CO
EFnの算出は、次の式(2)に基づいて行われる。
【0025】
【数2】 COEFn=1+ALPHAn+増量補正項 (2) なお、添え字nは気筒番号であり、気筒107別に制御
する場合には、nを1から気筒番号毎に別々のパラメー
タとする。また、前記吸入空気量Qacylは、エンジ
ン100の出力に比例するので、前記吸入空気量Qac
ylに乗数を乗じて最大の出力時を100%とする負荷
率LDATAに換算することができる。
【0026】リニア空燃比センサ116は、排気管10
9の排気ガス中に含まれる残存酸素量を検出、排気ガス
の実空燃比(RABFn)を測定し、その酸素濃度に応
じた電圧信号をエンジン制御装置120に出力する。そ
して、気筒107別に前記実空燃比と目標空燃比(TA
BFn)とを比較し、実空燃比が目標空燃比よりも高い
場合(リーン状態)には、前記空燃比補正係数ALPH
Anを大きく、一方、低いとき(リッチ状態)には、前
記空燃比補正係数ALPHAnを小さく補正する。な
お、測定するタイミングは、エンジン100のクランク
軸の回転に同期したレファレンスセンサ割り込み毎、又
は一定の時間毎に行っており、例えば、基準角度パルス
としてのクランク角センサ111の出力信号、又は気筒
判別パルスとしてのカム角センサ112の出力信号に基
づいて、波形整形入力回路405を介してマイクロコン
ピュータ401に割込みを発生させて行われる。
【0027】また、リア側のO2センサ119は、触媒
118の下流側の排気ガスレベルを検出し、その信号を
エンジン制御装置120に出力して前記目標空燃比の補
正に用いられている。そして、前記計算結果は、アウト
プットコンペア回路4061で現在の時間に計算値を加
算してコンペアマッチを起こさせて、必要燃料量に対応
した時間分のインジェクタ101を開弁させ、同時に、
前記回転数NDATA及び前記負荷率LDATAによっ
て設定される点火時期を求めて点火出力を出し、パルス
出力により点火コイル103を介して点火プラグ102
を駆動させる。さらに、出力ポート4062を介して後
述するセンサ動作切換手段362に信号を出力する。な
お、前記エンジン制御装置120は、通信手段407を
備えており、該通信手段407によりマイクロコンピュ
ータ401内の制御パラメータをモニタすることがで
き、後述する異常診断の結果を表示することができる。
【0028】図3は、前記リニア空燃比センサ116の
構成とその特性を示す図であり、該リニア空燃比センサ
116は、(a)に示すように、所定の酸素濃度に保た
れた大気導入室1161と、排気ガスに曝された排ガス
測定室1162とからなり、両端に空燃比測定用の電流
(空燃比測定電流)を流して、大気導入室1161と排
ガス測定室1162との酸素濃度比が一定になるように
される。
【0029】すなわち、排ガス測定室1162の酸素濃
度が大気導入室1161の酸素濃度よりも小さい場合に
は、前記空燃比測定電流を排ガス測定室1162から大
気導入室1161に向けて流し、大気導入室1161内
の酸素を排ガス測定室1162に移動させて、排ガス測
定室1162の酸素濃度を増やす。一方、排ガス測定室
1162の酸素濃度が大気導入室1161の酸素濃度よ
りも大きい場合には、前記空燃比測定電流を大気導入室
1161から排ガス測定室1162に向けて流し、排ガ
ス測定室1162内の酸素を大気導入室1161に移動
させて、大気導入室1161の酸素濃度を増やす。
【0030】そして、大気導入室1161と排ガス測定
室1162との酸素濃度比に応じたリニア空燃比センサ
116の出力電圧が一定になるように、前記空燃比測定
電流をフィードバックさせることにより、該空燃比測定
電流が排気空燃比に比例することになる。なお、大気導
入室1161の酸素濃度を大気基準とする場合には、大
気との酸素濃度比を測定するので、酸素をため込む部屋
を必要としないが、大気導入室1161の酸素濃度を大
気の酸素濃度よりも微小の酸素濃度とする場合には、大
気又は排気ガスに含まれる酸素から所定の酸素濃度を作
成するので、酸素をため込む部屋が必要になる。このと
きには、大気導入室1161の酸素濃度を一定にするた
めに、空燃比測定電流とは異なる一定の電流を流して酸
素濃度を保つことになる。
【0031】ここで、前記リニア空燃比センサ116の
排気空燃比に対する空燃比測定電流は、(b)に示すよ
うに、大気導入室1161の酸素濃度をストイキ点相当
の微小の酸素濃度にすると、空燃比測定電流が、前記ス
トイキ点よりもリッチ側では小さく、前記ストイキ点よ
りもリーン側では大きくなるという特性が得られ、酸素
量に比例した値になる。
【0032】図4は、前記エンジン制御装置における空
燃比制御装置120Aの制御ブロック図である。該空燃
比制御装置120Aは、空燃比制御手段120A0、目
標空燃比計算手段301、燃料噴射量補正手段307、
燃料噴射量計算手段305、駆動回路たる燃料噴射手段
306を備え、さらに、後述するリニア空燃比センサ診
断手段302、リニア空燃比センサ異常時切替手段30
3、回転変動計算手段304を備えている。
【0033】前記目標空燃比計算手段301は、吸気管
圧力センサ114又は吸入空気流量計115のデータ3
20に基づいた負荷率LDATAと、クランク角センサ
111のデータ311に基づいた回転数NDATAとか
ら、エンジン100の運転領域を検出し、目標空燃比T
ABFnを計算する。
【0034】そして、該目標空燃比TABFnは、前記
エンジン100の運転状態に応じて切り換えられて設定
される。すなわち、エンジン負荷が小さい場合には、前
記目標空燃比をリーンにしてリーンバーンが行われる。
なお、リーンバーンを行う場合にはNOxが出るので、
触媒118には、NOxの排出を抑えるために、NOx
を吸蔵できるものが用いられている。
【0035】また、中負荷の場合には、前記目標空燃比
をストイキにして触媒118の3元点付近に空燃比を制
御して排気ガスの浄化が行われる。さらに、高負荷の場
合には、前記目標空燃比をリッチにしてパワーをねらう
とともに、排気ガスが異常に高温となることを防いでい
る。なお、触媒118の温度が低い場合には、浄化機能
が発揮され難いため、少なくともHCの排出量を抑える
ために、空燃比をリーンにしている。
【0036】前記空燃比制御手段120A0の空燃比測
定手段120A1は、カム角信号から一定の時間毎にリ
ニア空燃比センサ116の信号を取り込み、回転数ND
ATA、負荷率LDATA又は吸入空気量Qaに応じて
前記排気ガスの移動遅れ時間に見合ったタイミング時点
でのデータを該当気筒107の実空燃比RABFnとす
る。そして、該実空燃比RABFnの信号は、前記空燃
比制御手段120A0の空燃比制御量演算手段120A
3にて前記目標空燃比TABFnと比較して燃料噴射量
補正手段307に出力され、該燃料噴射量補正手段30
7で前記空燃比補正係数ALPHAnを補正し、該空燃
比補正係数ALPHAnに基づいて燃料噴射量計算手段
305で燃料噴射量TIが求められ、該燃料噴射量TI
に基づいて燃料噴射手段306を介してインジェクタ1
01を駆動させる。
【0037】また、前記空燃比制御手段120A0の触
媒温度を推定する手段120A5は、 排気管109と
触媒118との熱容量の差があるため、排気ガス温度を
そのまま触媒温度にすることができず、時間的に遅れが
生ずることを鑑みて、エンジン始動後の経過時間に応じ
た補正を加えており、負荷率LDATAと回転数NDA
TAとから、触媒118の温度を推定し、前記空燃比制
御手段120A0の燃焼モードを設定する手段120A
2に出力する。そして、該燃焼モードを設定する手段1
20A2では、前記触媒温度、負荷率LDATA及び回
転数NDATAに基づいて、理論空燃比での燃焼と希薄
燃焼(リーンバーン)とを切り換え、この燃焼モードに
応じた目標空燃比の切り換え信号を空燃比制御量演算手
段120A3に出力する。
【0038】そして、該空燃比制御量演算手段120A
3は、前記目標空燃比と前記実空燃比との差に基づい
て、燃焼モード設定手段120A2及び空燃比を測定す
る手段120A1の出力信号に基づいて前記空燃比制御
量を演算する一方で、燃焼モード設定手段120A2か
らの前記目標空燃比の切り換え信号に基づいて前記空燃
比制御量を固定値とする時間を演算している。すなわ
ち、燃焼モード設定手段120A2及び空燃比を測定す
る手段120A1の出力信号に基づいて、通常状態にお
いては、リニア空燃比センサ116の信号に基づいてフ
ィードバック制御(クローズドループモード)し、一
方、該クローズドループモードにおいて前記目標空燃比
がリーン側に切り換えられた場合には、後述するよう
に、リニア空燃比センサ116の信号を検出しつつもオ
ープン制御(オープンループモード)を一時的に行い、
該モードにおいて空燃比制御量を所定の固定値にすると
ともに、前記目標空燃比の切り換え時から予め定められ
た所定の待ち時間と、前記目標空燃比と前記実空燃比と
の差を検出し、その差が所定値以下になる時間とを制御
要素として、一定時間の経過後に前記クローズドループ
モードを再開させるべく機能する。
【0039】ここで、触媒118の浄化効率は触媒温度
だけでなく、経年変化による貴金属の劣化の影響をも受
ける。つまり、触媒118が劣化すると、該触媒118
内で浄化できる排気ガスの空燃比が変化する。したがっ
て、本実施形態の空燃比制御装置120Aは、こうした
触媒118の浄化効率の変化を補正するために、触媒1
18の下流側の排気ガスレベルが所定値となるように、
前記リアO2センサ119出力に応じて前記目標空燃比
を補正している。すなわち、リア側のO2センサ119
からの信号は、前記空燃比制御手段120A0の目標空
燃比補正手段120A4に入力されて前記目標空燃比を
補正し、これが燃料噴射量補正手段307に反映されて
いる。
【0040】また、前記リニア空燃比センサ診断手段3
02は、後述するリニア空燃比センサ116の異常を診
断するものであり、該診断結果が異常を示したときに
は、前記リニア空燃比センサ異常時切替手段303に信
号が出力される。そして、該リニア空燃比センサ異常時
切替手段303を介して前記回転変動計算手段304に
異常時の信号が出力され、前記目標空燃比計算手段30
1及び前記燃料噴射量補正手段302に回転変動が出力
される。なお、前記回転変動計算手段304は、エンジ
ン100の負荷が小さい場合には、前記目標空燃比計算
手段301及び前記燃料噴射量補正手段302に回転変
動を出力している。なお、本実施形態の空燃比制御装置
120Aは、後述するように、リニア空燃比センサ11
6の異常を診断するほか、空燃比制御の異常をも診断し
ている。
【0041】図5は、前記リニア空燃比センサ116の
信号の取り込みを示す図である。前記リニア空燃比セン
サ116からの信号は、各気筒107毎に行われ、前記
カム角センサ112による各気筒107の基準角度位置
信号(カム角センサ信号)を起動タイミングとし、回転
数NDATA、負荷率LDATA又は吸入空気量Qaに
応じて各気筒107毎のディレイ時間を設け、その時点
のデータを該当気筒107の空燃比として取り込んでお
り、これにより、排気弁117からリニア空燃比センサ
116の取付位置までの排気ガスの移動時間遅れを補償
することができる。
【0042】図6は、空燃比制御の切り換えタイミング
を示したものである。上記のように、前記目標空燃比は
エンジンの運転状態に応じて設定されている。つまり、
エンジン出力が比較的小さい場合には、燃焼に必要な燃
料量は少なくて済むので、大量の空気又は大量のEGR
をかけることによってリーンバーンを行い、燃焼時のポ
ンピングロスを低減させている。一方、エンジン出力が
大きい場合には、燃焼に必要な燃料と空気との比率(当
量比)を理論燃空比に相当する値(ストイキ)として燃
焼効率を高める。当量比の逆数を前記目標空燃比とす
る。
【0043】これらの場合において、排気ガスの目標空
燃比の変化が比較的小さければ、実空燃比と目標空燃比
とのずれは、空燃比制御によって無くすべく制御される
のであるが、(a)に示す前記ストイキと前記リーンバ
ーンとのように、前記各目標空燃比の差が大きいときに
は、運転状態に応じて目標空燃比を切り換えたときの目
標空燃比の変化に実空燃比が追従できず、空燃比制御の
制御性が悪化する。
【0044】このため、前記目標空燃比が変化した場合
において、特に、運転状態の変化による目標空燃比の違
いが生じたときには、空燃比制御の制御量の逸脱を防止
する必要があることから、本実施形態の空燃比制御装置
120Aは、(b)に示すように、目標空燃比が切り換
えられたときには、オープンループモードの空燃比制御
を一時的に行い、前記目標空燃比の切り換え時からの所
定の時間WDABFが経過するまで、又は前記目標空燃
比と前記実空燃比との差が所定値以下に達するまでの時
間のうち、いずれか短い方の時間の経過後に、例えば、
前記所定の時間WDABF内に実空燃比が目標空燃比に
近づけば、再びクローズドループの空燃比制御に切り換
えている。
【0045】図7は、空燃比制御装置120Aによるク
ローズドループモードとオープンループモードとの切り
換えについて説明したものである。例えば、理論空燃比
によるクローズドループモードの空燃比制御が行われて
いる場合に、燃焼モードがストイキからリーンバーンに
変化すると、空燃比制御装置120Aは、(c)に示す
ように、一時的にオープンループモードに切り換え、
(b)に示すように、前記目標空燃比の切り換え時から
の待ち時間WDABFを設定するとともに、空燃比制御
量(フィードバック係数)を所定時間の間、所定の固定
値にし、(a)に示すように、リニア空燃比センサ11
6の信号を取り込んで実空燃比を検出している。そし
て、前記待ち時間WDABFが経過した時又は実空燃比
と目標空燃比とが所定差内になった時のいずれか早い時
点にて、リーン空燃比によるクローズドループモードを
再開させている。
【0046】つまり、(b)に示すように、前記待ち時
間WDABF内に実空燃比が目標空燃比に近づいた場合
には、あらかじめ定められた前記待ち時間WDABFが
経過する前に空燃比制御を開始し、その一方で、前記実
空燃比が目標空燃比に近づくことなく前記待ち時間WD
ABFが経過したときには、そのときの実空燃比から空
燃比制御を行っている。なお、前記空燃比制御装置12
0Aは、上記のように、触媒118の温度を考慮してお
り、前記目標空燃比が切り換えられた場合に、前記触媒
の温度の変化量が所定値に達するまでの間には、前記空
燃比制御量を固定している。
【0047】また、リーンバーンを行う場合にはNOx
が排出されることから、触媒118でNOxをトラップ
して、このトラップ量が所定値に達したら、排気に含ま
れる炭化水素でNOxを分解する必要がある。すなわ
ち、触媒118に炭化水素を供給するため、リーンバー
ンの途中に一時的にリッチ運転状態に切り換えるリッチ
スパイクが存在する(図6(a)参照)。したがって、
リッチスパイクを行う場合には、該リッチスパイクの実
行中にて一時的にオープンループモードにして前記空燃
比制御量を固定し、前記リッチスパイクが終了後からの
待ち時間WDABFが経過した時若しくは実空燃比が目
標空燃比に近づいた時のいずれか早い時点にて、クロー
ズドループモードを再開している。
【0048】図8は、空燃比制御装置120Aの動作フ
ローチャートであり、空燃比制御を行っている間は、該
フローに従って実行される。ステップ301では、1回
前の制御周期時点での運転状態と現在の運転状態とを比
較し、これが一致しているか否か判定し、前回と現在の
運転状態が一致している場合、すなわちYESのときに
は、ステップ303に進む。一方、前回と現在の運転状
態が一致していないときには、ステップ302に進んで
待ち時間をセットし、ステップ306に進む。
【0049】ステップ303では、待ち時間WDABF
がセットされているか否かを判定し、セットされている
場合、すなわちYESのときには、ステップ303aに
進んでその待ち時間を減算した後にステップ304に進
む。一方、ステップ303で待ち時間がセットされてい
ないときにはステップ304に進む。
【0050】ステップ304では、前記実空燃比と前記
目標空燃比との差(ずれ)が所定値以下であるか否かを
判定し、該ずれが所定値以下の場合、すなわちYESの
ときには、ステップ305に進んで前記待ち時間をゼロ
にリセットしてステップ306に進む。一方、ステップ
304で前記実空燃比と目標空燃比とのずれが所定値以
下ではないときには、ステップ306に進む。ステップ
306では、前記待ち時間がゼロになっているか否かを
判定し、ゼロになっている場合、すなわちYESのとき
には、ステップ306aに進んでクローズドループに
し、該モードの空燃比制御を再開してステップ307に
進む。
【0051】一方、ステップ306では、前記待ち時間
がゼロではないときには、ステップ306bに進んで前
記空燃比制御量を固定し、空燃比制御をオープンループ
とし、ステップ307に進む。そして、ステップ307
では、現在の運転状態を1回前の制御周期時点での制御
状態として記憶し、一連の動作を終了する。
【0052】図9は、前記空燃比制御装置120Aの空
燃比制御を示したものである。該空燃比制御装置120
Aでは、空燃比センサ116によるリニアな酸素量の検
出信号に基づいて前記実空燃比RABFnを取り込んで
おり、該実空燃比RABFnと前記目標空燃比計算手段
301の各運転状態に応じた目標空燃比TABFnとを
比較してその差分DABFn(TABFn−RABF
n)を求め、該差分DABFnに基づいて、前記実空燃
比RABFnが前記目標空燃比TABFnに一致するよ
うにPID制御を行う。すなわち、式(3)に示すよう
に、比例部の係数KP、積分部の係数KI、微分部の係
数KDをそれぞれ求め、差分DABFnに基づいて空燃
比補正量ALPHAnを求め、燃料噴射量補正手段30
7に出力されている。
【0053】
【数3】 ALPHAn=KP×DABFn +KI×IDABFn+KD×DDABFn (3) ここで、IDABFnはDABFnの積算値であり、式
(4)のように示される。
【0054】
【数4】 IDABFn=DABFn+IDABFn(i−1) (4) また、DDABFnはDABFnの前回値との差分であ
り、式(5)のように示される。
【0055】
【数5】 DDABFn=DABFn−DABFn(i−1) (5) なお、比例部の係数KP、積分部の係数KI、微分部の
係数KDは、それぞれ運転状態からマップ又はテーブル
検索により求められる値である。
【0056】図10及び図11は、前記目標空燃比計算
手段301による目標空燃比TABFnの補正等につい
て示したものであり、該目標空燃比TABFnは各気筒
117毎に設定される。ここで、エンジン100の負荷
が小さい場合、一般にリーン領域では、回転変動が大き
く、運転性に悪影響を与えることになるので、このとき
には、リニア空燃比センサ116の出力によらず、前記
回転変動計算手段304で回転変動を求め、目標空燃比
補正手段120A4に出力し、目標空燃比TABFnを
補正することが必要になる。
【0057】まず、図10は、前記回転変動の算出につ
いて示す図であり、該回転変動は、各気筒107の基準
角度位置の時間間隔TDATAを測定することにより算
出される。まず、各気筒107のTDATA[i]
(i:1〜気筒数)に基づいて、式(6)に示すように
前記時間間隔TDATAと所定値KDATAとから回転
数NELEを求める。
【0058】
【数6】 NELE=KDATA/TDATA (6) そして、回転変動率dNは、前記回転数NELEの関数
とされ、該算出関数f(NELE)は、次のように計算
される。
【0059】例えば、IIRフィルタ形式により算出す
る場合には、式(7)に示すように、前記回転数NEL
Eにki0を乗じた値を入力とし、過去の演算値dNt
emp[i−1]、dNtemp[i−2]にそれぞれ
係数ki1、ki2を乗じて和を新規の演算値dNte
mpとする。
【0060】
【数7】 dNtemp=ki0×NELE +ki1×dNtemp[i−1] +ki2×dNtemp[i−2] (7) そして、式(8)に示すように、これらの演算値に係数
ko1、ko2を乗じて和を回転変動率dNとする。
【0061】
【数8】 dN=dNtemp +ko1×dNtemp[i−1] +ko2×dNtemp[i−2] (8) なお、計算方法はIIRに限定されるものではなく、F
IR形でもよく、また、前記時間間隔TDATAから直
接計算してもよい。
【0062】図11は、回転変動がある場合の前記目標
空燃比TABFnの補正を示したものであり、(a)に
示すように、前記回転変動率dNに応じて目標空燃比T
ABFnをストイキ又はリッチ状態に補正する。また、
同時に点火時期についても補正を行う。
【0063】なお、リーン状態で運転している場合には
着火性が悪いため、前記点火時期を基準角度位置(TD
C)付近にする必要があることから、各気筒107毎の
点火時期については、TDC方向への遅角側にはすぐに
点火時期が変化し、進角側には単位時間又は単位クラン
ク回転当たり所定の変化量のみ点火時期を進めるダイナ
ミックリミテーションを施すこととする。
【0064】すなわち、(b)、(c)に示すように、
リーン状態にある気筒107には遅角側の点火時期と
し、その後、ストイキに戻っても前記点火時期を通常位
置に戻すのではなく、所定の回転数に亘りΔDLS分だ
け前記点火時期を進めるようにして、着火性を確保しな
がら前記回転変動を抑えることができる。
【0065】次に、前記空燃比制御装置120Aにおけ
る空燃比制御の診断を説明する。図12は、前記空燃比
制御装置120Aの前記リニア空燃比センサ診断手段3
02の一例を示したものであり、診断項目には、リニア
空燃比センサ116自体の異常検出と制御値の異常検出
とがあり、この診断結果は、前記リニア空燃比センサ異
常時切替手段303に出力される。
【0066】まず、ケース(1)に示すように、リニア
空燃比センサ116からの信号電圧が、正常範囲(上限
値から下限値)外の場合、又はケース(2)に示すよう
に、各気筒107毎に空燃比を変えて運転しているとき
にもリニア空燃比センサ116の信号出力が変化しない
場合には、センサ116の異常と判定される。この場合
には、各気筒107毎に空燃比を変えて制御することを
中止してストイキで運転させる。
【0067】次に、ケース(3)に示すように、燃料カ
ット時にリニア空燃比センサ116の出力がリーン状態
を示さない場合には、リーン側異常と診断され、さら
に、ケース(4)に示すように、スロットル全開時若し
くは低水温時に燃料増量を行っているときに、リニア空
燃比センサ116の出力がリッチ状態を示さない場合に
は、リッチ側の異常と診断される。
【0068】図13は、前記空燃比制御装置120Aに
よる空燃比制御の診断を示したものであり、診断項目に
は、後述するリニア空燃比センサ116の電圧が正常範
囲外の場合、空燃比センサ116の電圧が変化しない場
合、後述する診断タイマーの時間TMDABnが所定時
間を超えている場合、空燃比を制御する気筒番号のリッ
チ・リーン状態と該当気筒107のリニア空燃比センサ
出力による空燃比とが一致しない場合、排気系又は排気
管109に異常がある場合とがある。そして、このよう
に、空燃比制御の異常と診断されたときには、前記空燃
比制御装置120Aは、燃焼モードをストイキに限定
し、オープン空燃比制御にする。
【0069】図14は、図13の診断タイマーの時間T
MDABnに関する空燃比制御の診断を示したものであ
る。上記のように、空燃比制御量演算手段120A3
は、前記目標空燃比と前記実空燃比との差を見ている
が、この差が所定値以下に達するまでの時間が、前記目
標空燃比が切り換え時から所定の経過時間よりも長い場
合、例えば、図示のように、クローズドループからオー
プンループに目標空燃比を切り換えた際に、診断タイマ
ーをセットして、目標空燃比と実空燃比と差DABFn
がゼロになるまでの時間TMDABnを計測し、該時間
TMDABnが所定時間以上の場合には、空燃比センサ
116の応答遅れが初期値よりも大きくなっている等と
判定することができ、前記空燃比制御の異常と診断さ
れ、前記空燃比制御装置120Aは、前記空燃比制御量
をより小さな値に変更して前記クローズドループモード
の空燃比制御を行っている。
【0070】さらに、目標空燃比と実空燃比とが一致し
ない状態が継続する場合には、両者の比率又は差分を求
めて、比率の逆数又は差分の符号反転値を演算し、燃料
噴射量への係数に乗じることで、空燃比制御のクローズ
ドループモードを続けることも可能である。なお、この
場合に係数の演算を行うには、運転状態が一定の状態が
所定時間以上継続しているときに、徐々に行うことが望
ましい。
【0071】さらにまた、リニア空燃比センサ116の
大気導入室1161内の酸素を大気中の酸素としている
場合には、大気の酸素濃度が大気圧力に依存するため、
大気圧センサによって大気導入量を補正する。大気圧が
所定値以下の場合、大気導入量が確保されないので、リ
ニア空燃比センサ出力を使った空燃比制御を停止する。
【0072】なお、大気導入量をリニア空燃比センサ内
に溜めた構造の場合には、大気導入量に応じた酸素電池
電圧を診断し、酸素電池電圧が異常に高いときには、大
気導入室内の酸素濃度が高いことを示すので、リニア空
燃比センサ出力はリッチ側異常となる。一方、酸素電池
電圧が異常に低いときには、大気導入室内の酸素濃度が
低いことを示すので、リニア空燃比センサ出力はリーン
側異常となる。そして、酸素濃度比は排気ガスに含まれ
る酸素に依存するので、運転状態が一定の状態で診断が
行われる。
【0073】図15は、図13のリニア空燃比センサ1
16の電圧に関する空燃比制御の診断を示したものであ
り、回転数と負荷が所定の範囲に入っている場合におい
て、リニア空燃比センサ116の大気導入室1161と
排ガス測定室1162との酸素濃度比によって発生する
酸素電池電圧たる大気導入室電圧が、正常の範囲外に所
定時間以上留まっている場合には、大気導入量が異常と
診断される。
【0074】図16は、前記リニア空燃比センサ診断手
段302からの信号に基づく空燃比制御を示しており、
リニア空燃比センサ116が正常の場合には、該センサ
116及び前記PID制御側において制御が行われるの
に対し、センサ116が異常の場合には、前記センサ異
常時切替手段303を介して前記大気導入室電圧及びス
キップ・積分制御側に切り換えられ、リニア空燃比セン
サ116の動作を切り換えて大気導入室1161の信号
電圧を従来のO2センサ信号と同等に扱う。そして、前
記大気導入室電圧が後述する正常範囲内にあるときに
は、スキップと積分による空燃比補正をし、空燃比制御
を行う。
【0075】さらに、前記空燃比制御装置120Aにお
けるフェイルセーフについて説明する。図17は、空燃
比制御装置120Aにおけるフェイルセーフ時の燃料補
正について説明した図である。リニア空燃比センサ11
6が異常と診断された場合には、リニア空燃比センサ1
16の信号による空燃比制御を停止する。そして、この
ときの目標空燃比は、ストイキ又はリッチとし、リーン
バーンを停止する。
【0076】そして、リニア空燃比センサ116の大気
導入室1161内の酸素濃度と排ガス測定室1162内
の濃度比によって発生する酸素電池電圧をリッチ・リー
ン判定に使い、酸素電池電圧をストイキに相当する電圧
VRLで判定し、リッチ側とリーン側に判別する。ここ
で、もし、燃料カット時に酸素電池電圧がリーン状態を
示せば、少なくともリーン側のフェイルセーフは可能で
あり、また、加速時のまたは全開運転時に酸素電池電圧
がリッチ状態を示せば、リッチ側のフェイルセーフが可
能である。
【0077】さらに、電圧VRLは、リニア空燃比セン
サ116の異常状態によって変化させる。すなわち、リ
ニア空燃比センサ116がリーン側異常の場合には、電
圧VRLをリッチ側にシフトさせて、リッチ・リーン判
定の機会を平衡させる。逆に、リニア空燃比センサ11
6がリッチ側異常の場合、電圧VRLをリーン側にシフ
トさせて、リッチ・リーン判定の機会を平衡させる。そ
して、(a)に示すように、前記電圧VRLを基準に
(b)に示す前記リッチ・リーン判定結果に基づき、リ
ッチ状態であれば燃料補正量を所定の変化量でリーンに
し、リーン状態であれば燃料補正量を所定の変化量でリ
ッチ側に補正する。なお、変化を与える間隔は、一定時
間毎又はカム角信号毎に行う。
【0078】このような補正により、リッチ状態からリ
ーン状態、若しくはリーン状態からリッチ状態に変化し
た場合には、(c)に示すように、燃料補正量に大きな
スキップ分の変化を与えて、ストイキ付近でのスイッチ
ングを行うこととする。なお、前記フェイルセーフは、
目標空燃比を一定にし、燃料補正量を変化させたが、実
空燃比に変化を与えてもよいものである。
【0079】この場合、前記リッチ・リーン判定結果に
基づき、センサ異常を検出したときに初期値として実空
燃比をストイキとし、リッチ状態であれば実空燃比を所
定の変化量でリーンとする。リーン状態であれば実空燃
比をリッチ側とする。そして、リッチ状態からリーン状
態、若しくはリーン状態からリッチ状態に変化した時に
は、実空燃比に大きなスキップ変化を与え、このフェイ
ルセーフ時の実空燃比がストイキである目標空燃比に一
致するように空燃比制御を行う。
【0080】また、前記ヒータたる加熱手段を有する場
合のリニア空燃比センサによる空燃比測定においては、
前記ヒータが断線している場合、若しくはエンジン制御
装置内のヒータ電流駆動トランジスタの不具合の場合に
は、リニア空燃比センサは動作しないが、エンジンの運
転状態が高負荷状態であれば排気ガス温度が高いので、
ヒータが断線してもリニア空燃比センサが加熱されるの
で、空燃比測定が可能である。なお、ヒータ断線又はト
ランジスタ不具合を検出したときには、ヒータ駆動を停
止し、エンジンの運転状態が低負荷状態であればリニア
空燃比センサの空燃比測定を禁止する。
【0081】さらに、リニア空燃比センサが異常と診断
される場合には、該リニア空燃比センサの温度が原因の
場合もあるので、少なくともリニア空燃比センサの温度
を確保するために、リニア空燃比センサのヒータに印可
する電圧を一定又は運転状態に応じて変化させて、セン
サ温度を保つようにすることも考えられる。この場合、
運転状態に応じたセンサ温度を推定し、リニア空燃比セ
ンサ出力に温度に応じた補正を加えてもよいものであ
る。
【0082】さらにまた、キャニスタパージを行ってい
る場合には、キャニスタに蓄えられた蒸発燃料が少量吸
入管側に導入されたとき、導入された空気に含まれる燃
料濃度がリッチ状態であれば、吸入空気はリッチ側にな
り排気ガスには未燃焼分のHCが多くなるので、一時的
にリーン側にならなくなり、リーン側異常と誤診断され
る可能性がある。一方、キャニスタからの燃料濃度がリ
ーンであれば逆にリッチ側異常と誤診断されることにな
る。
【0083】よって、キャニスタパージを行った場合
に、リッチ状態又はリーン状態になれば、キャニスタパ
ージ量を減らして目標空燃比をそれぞれリーン側又はリ
ッチ側にし、キャニスタパージを行わない場合の空燃比
をストイキからずらして、さらにキャニスタパージを継
続することもできる。この他、EGR制御、スワールコ
ントロール制御、タンブル制御等の補助弁制御によって
燃焼状態が変化した場合にも一時的に空燃比制御を異常
と診断されることがあるが、前記補助弁制御を開始する
前後の所定時間の診断を禁止することにより、誤診断を
防止できる。そして、リニア空燃比センサの診断を再度
行う。
【0084】また、リニア空燃比センサが異常と診断さ
れた場合には、目標空燃比をストイキとしたが、目標空
燃比を設定せず、運転状態に応じた混合比でエンジンを
制御し、目標空燃比に実空燃比を一致させる空燃比制御
を停止し、オープンループ制御としてもよく、この場合
には、混合比をリーンにすることもでき、回転変動を検
出することでリーンにする度合を補正する。すなわち、
回転変動がなければ混合比を徐々にリーンとし、回転変
動が生じればリッチに補正する方式がある。以上のよう
に、本発明の前記実施形態は、上記の構成によって次の
機能を奏するものである。
【0085】すなわち、前記実施形態のエンジンの空燃
比制御装置120Aは、目標空燃比設定手段301と、
エンジン100の運転状態に応じて燃焼モードを設定す
る手段120A2と、該燃焼モードを設定する手段12
0A2及び空燃比を測定する手段120A1の出力信号
に基づいて、エンジン100の運転状態に応じた目標空
燃比となるように空燃比制御量を演算する手段120A
3とを備え、クローズドループモードにおいて前記目標
空燃比が切り換えられた場合には、オープンループモー
ドの空燃比制御を一時的に行うとともに、該オープンル
ープモードにおいて前記目標空燃比の切り換え時からの
所定時間又は前記目標空燃比と前記実空燃比との差に応
じて、クローズドループモードを再開させ、空燃比制御
の切り換えを迅速に行うことができるので、排気エミッ
ションの一層の向上を図ることができる。
【0086】そして、空燃比制御装置120Aは、リニ
ア空燃比センサ116を用いて目標空燃比の切り換えを
行う場合には、ストイキとリーンバーンとの切り換え及
びリッチスパイク等、異なる空燃比に対応する場合に
は、オープンループモードの空燃比制御が途中に必要に
なり、該オープンループモードにて空燃比制御量を固定
し、リニア空燃比センサ116の出力とエンジン100
の運転状態の相関を見て、運転状態の変化と燃焼モード
の切り換えとを連動させているので、空燃比制御性を高
めることができ、排気ガス成分を低減させて、空燃比制
御の信頼性の向上を図ることができる。また、空燃比制
御装置120Aは、リア側のO2センサ119の信号に
基づいて前記目標空燃比を補正しているので、触媒11
8の浄化効率の変化にも的確に応ずることができ、空燃
比制御性及びその信頼性の更なる向上を図ることができ
る。
【0087】以上、本発明の一実施形態について詳述し
たが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱す
ることなく、設計において種々の変更ができるものであ
る。例えば、触媒温度を知るには、温度センサを用いて
もよく、また、運転領域に応じて排気ガス温度を予め測
定しておき、触媒の熱容量を考慮したフィルタを用いて
計算式から推定することも可能であり、この場合にも前
記と同様の効果を得ることができる。
【0088】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係るエンジンの空燃比制御装置は、運転状態の変化
に伴った空燃比制御を行い、排気ガスレベルの悪化を迅
速、かつ、確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の空燃比制御装置を備えたエンジン
システムの全体構成図。
【図2】図1のエンジン制御装置の内部構成図。
【図3】図1のリニア空燃比センサの構成及び特性を示
す図。
【図4】図1の空燃比制御装置の制御ブロック図。
【図5】図1のリニア空燃比センサによる空燃比取り込
みタイミングを示す図。
【図6】図1の空燃比制御装置における運転状態に応じ
て空燃比制御を切り換えるタイミングの説明図。
【図7】図1の空燃比制御装置における目標空燃比を切
り換えた際の空燃比の再開の説明図。
【図8】図1の空燃比制御装置における運転状態切り換
え時の空燃比制御の動作フローチャート。
【図9】図1の空燃比制御装置のPID動作説明図。
【図10】図1の空燃比制御装置の回転変動算出を示す
図。
【図11】図1の空燃比制御装置の回転変動検出時にお
ける目標空燃比及び点火時期の補正を示す図。
【図12】図1の空燃比制御装置におけるリニア空燃比
センサの異常検出を示す図。
【図13】図1の空燃比制御装置における空燃比制御の
応答異常等検出の説明図。
【図14】図13の空燃比制御の異常検出の説明図。
【図15】図13の大気導入室電圧の異常検出の説明
図。
【図16】図1の空燃比制御装置におけるリニア空燃比
センサ異常時の切り換えを示す図。
【図17】図1の空燃比制御装置におけるフェイルセー
フ時の燃料補正の説明図。
【符合の説明】
100 エンジン 109 排気管 116 リニア空燃比センサ 118 触媒 119 リア側のO2センサ(第二の空燃比セン
サ) 120A 空燃比制御装置 120A1 実空燃比を測定する手段 120A2 燃焼モードを設定する手段 120A3 空燃比制御量を演算する手段 120A4 目標空燃比を補正する手段 120A5 触媒の温度を推定する手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 45/00 368 F02D 45/00 368G 368H Fターム(参考) 3G084 AA04 BA09 BA13 BA17 CA00 DA04 DA30 DA31 DA33 EB16 EB22 EC04 FA01 FA07 FA10 FA11 FA20 FA26 FA30 FA34 FA38 3G301 HA01 JA03 JA11 JB01 JB02 JB03 JB08 JB09 KA11 MA01 NA03 NA04 NA05 NA09 NB14 NC02 ND01 ND14 ND16 NE11 NE13 NE14 NE15 NE16 NE23 PA01Z PA07Z PA09Z PA11Z PB03A PB03Z PD04A PD04Z PD06A PD06Z PD09A PD09Z PD12Z PD13Z PE02Z PE03Z PE08Z PE09Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気管内の排気ガスの実空燃比をリニア
    に測定するリニア空燃比センサを備えたエンジンの空燃
    比制御装置において、 該空燃比制御装置は、エンジンの運転状態に応じて目標
    空燃比を切り換えるとともに、前記目標空燃比と前記実
    空燃比とに基づく空燃比制御量でフィードバック制御を
    行うものであって、 前記目標空燃比が切り換えられた場合には、該目標空燃
    比の切り換え時からの所定の時間の間、前記空燃比制御
    量を所定の固定値にすることを特徴とするエンジンの空
    燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 前記目標空燃比の切り換え時からの所定
    の時間は、あらかじめ定められた時間と、前記目標空燃
    比と前記実空燃比との差が所定値以下になる時間のう
    ち、いずれか短い方の時間であることを特徴とする請求
    項1記載のエンジンの空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 前記空燃比制御装置は、前記エンジンの
    運転状態に応じて燃焼モードを設定する手段と、空燃比
    制御量を演算する手段とを備え、該空燃比制御量を演算
    する手段は、前記燃焼モードを設定する手段及び前記リ
    ニア空燃比センサの出力信号に基づいて前記空燃比制御
    量を演算する一方で、前記燃焼モードを設定する手段か
    らの前記目標空燃比の切り換え信号に基づいて前記空燃
    比制御量を固定値とする時間を演算することを特徴とす
    る請求項1又は2記載のエンジンの空燃比制御装置。
  4. 【請求項4】 前記空燃比制御装置は、前記排気管に触
    媒を備え、該触媒内に吸着、吸蔵等捕捉されたNOxが
    放出又は還元(浄化)され、前記目標空燃比が一時的に
    リッチ側に切り換えられた場合には、該リッチ側に切り
    換えられている間、前記空燃比制御量を所定の固定値に
    するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか一項に記載のエンジンの空燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 前記空燃比制御装置は、前記排気管に触
    媒を備え、該触媒内に吸着、吸蔵等捕捉されたNOxが
    放出又は還元(浄化)され、前記目標空燃比が一時的に
    リッチ側に切り換えられた場合には、前記NOxの放出
    の終了後からの所定時間と、前記NOxの放出の終了後
    から前記目標空燃比と前記実空燃比との差が所定値以下
    になる時間のうち、いずれかが終了するまでの間、前記
    空燃比制御量を所定の固定値にするものであることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジ
    ンの空燃比制御装置。
  6. 【請求項6】 前記空燃比制御装置は、前記排気管の触
    媒の温度を測定若しくは推定する手段を備え、前記目標
    空燃比が切り換えられた場合には、前記触媒の温度の変
    化量が所定値に達するまでの間、前記空燃比制御量を所
    定の固定値にするものであることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか一項に記載のエンジンの空燃比制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記エンジンは、前記リニア空燃比セン
    サを前記排気管の触媒の上流側に備えるとともに、第二
    の空燃比センサを前記触媒の下流側に備え、前記空燃比
    制御装置は、前記第二の空燃比センサの出力信号に基づ
    いて前記目標空燃比を補正する手段を備えることを特徴
    とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエンジン
    の空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】 前記空燃比制御装置は、空燃比制御が異
    常と診断された場合には、前記空燃比制御量を変更して
    前記フィードバック制御を行うことを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれか一項に記載のエンジンの空燃比制御
    装置。
  9. 【請求項9】 前記目標空燃比と前記実空燃比との差が
    所定値以下に達するまでの時間が、前記目標空燃比の切
    り換え時から所定の経過時間よりも長い場合には、前記
    空燃比制御が異常と診断されることを特徴とする請求項
    8記載のエンジンの空燃比制御装置。
  10. 【請求項10】 前記空燃比制御装置は、前記目標空燃
    比と前記実空燃比との比率若しくは差分に応じた燃料噴
    射量の補正係数を求め、前記フィードバック制御を行う
    ことを特徴とする請求項8又は9記載のエンジンの空燃
    比制御装置。
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