JPH11141413A - 内燃機関の制御装置及び内燃機関の故障診断装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置及び内燃機関の故障診断装置

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JPH11141413A
JPH11141413A JP30558097A JP30558097A JPH11141413A JP H11141413 A JPH11141413 A JP H11141413A JP 30558097 A JP30558097 A JP 30558097A JP 30558097 A JP30558097 A JP 30558097A JP H11141413 A JPH11141413 A JP H11141413A
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Shigeaki Kakizaki
成章 柿崎
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幹雄 松本
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】パージの影響度が大きい或いはパージ制御弁が
開固着故障等している状況下ではリーン運転への移行を
禁止し、燃焼性等を良好に維持する。 【解決手段】S17 において、パージ導入時のアイドル運
転中に取得された乗算補正項Lαの基準値からの偏差DV
ILαが所定値を越えたときには、リーン燃焼への移行を
禁止する。これにより、パージ処理によるリーン燃焼へ
の悪影響を回避することが可能となる。また、S18 にお
いて、パージ非導入時のアイドル運転中に取得された加
算補正項LTS の基準値からの偏差DVILTSが所定値を越え
たときにもリーン燃焼への移行を禁止する。これによ
り、パージ制御弁25の開固着等の惧れのある状況下でリ
ーン運転への移行が許可され、以って空燃比がリーンと
なり過ぎるような事態を確実に防止できる。即ち、DVIL
αとDVILTSのうち少なくとも一方が所定値を越えた場合
には、リーン運転への移行を禁止するようにしたので、
パージが燃焼性等に悪影響を及ぼす惧れを未然に防止す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸発燃料パージ処
理制御装置と、空燃比学習制御装置と、を備えた内燃機
関の制御装置及び故障診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、リーン運転(以下、リーン燃
焼とも言う)エンジンでもコストや信頼性の面で勝る酸
素センサ(O2 センサ)を利用する空燃比制御装置が考
案されており、従来この種の装置としては、例えば特開
昭61−87935号公報に記載の装置が知られてい
る。
【0003】即ち、ストイキ運転(以下、ストイキ燃焼
とも言う)中に、酸素センサの空燃比検出結果(リッチ
・リーン反転信号)に基づいて、実際の空燃比がストイ
キとなるように空燃比フィードバック補正量を介して燃
料噴射量(空燃比制御対象)をフィードバック制御する
ものにおいて、運転領域(横軸Ne,縦軸TP)を複数
の領域に分割し(例えば4×4学習マップを備え)、各
運転領域毎に、前記空燃比フィードバック補正量と中央
値(ストイキ相当値)との偏差(空燃比学習値。以下、
単に学習値とも言う)を学習し、リーン燃焼時には、こ
の学習値を用いて空燃比をフィードフォワード制御する
ものである。
【0004】更に、前記4×4学習マップをパージ状態
{非導入時(パージ停止中)または導入時(パージ実行
中)}に応じて個別に持ち、所定領域におけるパージ非
導入時の学習値とパージ導入時の学習値との偏差が所定
値以下のときに、リーン燃焼への移行を許可するように
したものも提案されている。即ち、リーン燃焼時には空
燃比フィードバック制御が行なえないため、前記学習値
を用いたフィードフォワード制御を行なうが、パージ導
入時と非導入時とで学習値に大きな差があると、パージ
処理の進行に伴うパージ濃度変化(延いては空燃比変
化)が大きいため、パージ処理によるリーン燃焼への悪
影響が生じる惧れがあるため、かかる惧れを抑制するた
めに、パージ処理のリーン燃焼への影響が小さい範囲で
のみ、リーン運転への移行を許可するようにするもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、機関の燃焼
室内に直接燃料を噴射するようにすると共に、通常は吸
気行程中に燃料を噴射して均質混合気(燃焼内全体に均
等に燃料が分散している状態)で燃焼を行わせ、所定運
転状態(低・低負荷状態等)において、圧縮行程中に燃
料を噴射し、燃焼室内に点火栓により着火可能な可燃混
合比の混合気からなる層(1)と、EGRを含む空気層
或いは点火栓による着火は困難であるが前記(1)層で
の燃焼火炎を受け燃焼可能な可燃混合比の混合気からな
る層(2)の、層からなる成層混合気を形成し、極希薄
な空燃比(リーン限界近傍の空燃比)で燃焼を実現し、
ポンピングロスの低減効果等による燃費等の向上を図る
ようにした内燃機関(燃焼室内直接燃料噴射式内燃機
関)がある(特開昭62−191622号公報や特開平
2−169834号公報等参照)。
【0006】上記の燃焼室内直接燃料噴射式内燃機関
(以下、直噴式内燃機関とも言う)における成層リーン
燃焼は、空燃比のリッチ側への制御誤差があると、燃料
が比較的狭い範囲に偏在していることから均質燃焼に比
べて燃焼性に与える影響が大きく、例えば、排気スモー
ク濃度の増大や燃費の悪化、リッチ失火等を招く惧れが
高くなる。
【0007】また、パージ制御弁が開固着故障等してい
ても、パージ導入時と非導入時とで学習値には差がない
ので、従来のように単にパージ導入時と非導入時との学
習値の偏差が所定値以下であることに基づいて成層リー
ン燃焼への移行を許可してしまうものでは、パージ処理
の進行に伴うパージ濃度のリーン化によって空燃比が希
薄になりすぎ、排気性能や運転性が従来に増して阻害さ
れる(リーン失火等が生じる)惧れがある。
【0008】一方で、前記4×4学習マップをパージ状
態(非導入時または導入時)に応じて個別に持つもので
は、以下のような惧れがある。即ち、ストイキ運転から
リーン運転への移行のための前提条件として、前記4×
4学習マップの全ての領域において学習値が取得できて
いることが要求されるため、前記4×4学習マップをパ
ージ状態(非導入時または導入時)に応じて個別に持つ
場合、当該前提条件をクリアするには、始動後長期間を
要することになるため、なかなかリーン運転への移行が
許可されないという惧れがある。
【0009】このため、前記学習値を、燃料噴射量に対
する乗算補正項と加算補正項とに分け{即ち、燃料噴射
量を、乗算補正項×基本燃料噴射量(TP)+加算補正
項により求める}、前者を中負荷領域、後者をアイドル
領域で学習する方式(線学習方式)とし、これにより始
動後急速に学習を完了させ、リーン運転への移行を始動
後早期から許可できるようにしたものが提案されている
(特開平7−259604号公報等参照)。
【0010】しかし、この方式(線学習)の場合、学習
精度向上や学習早期完了等のため、アイドル運転中にお
ける加算補正項の取得中は、パージ非導入(パージ禁
止)としていたため、パージの影響度を迅速に把握する
ことができないものであった。本発明は、かかる従来の
実情に鑑みなされたもので、パージの影響度が大きいと
判断される状況下やパージ制御弁が開固着故障等してい
る惧れがある状況下ではリーン運転への移行を禁止する
ことで、燃焼性、排気性能、運転性などを良好に維持で
きるようにした内燃機関の制御装置を提供することを目
的とする。
【0011】また、蒸発燃料パージ処理装置の故障の有
無を高精度に診断できるようにした内燃機関の故障診断
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明では、図1に示すように、燃料供給系内で発生
した蒸発燃料を吸着した後、該蒸発燃料を空気と共に吸
気系に吸入させてパージする蒸発燃料パージ処理制御装
置と、実際の空燃比と、目標空燃比と、の偏差を空燃比
学習値として記憶する空燃比学習制御装置と、を含んで
構成された内燃機関の制御装置であって、パージ実行中
に取得された空燃比学習値と、パージ停止中に取得され
た空燃比学習値と、の何れか一方の基準値からの偏差が
所定値を越えた場合に、リーン運転への移行を禁止する
第1リーン運転移行禁止手段を含んで構成するようにし
た。
【0013】かかる構成とすれば、パージ実行中に取得
された空燃比学習値が所定値を越えた場合にリーン運転
への移行を禁止するので、パージのリーン燃焼への影響
度が高い状況下でのリーン運転への移行を禁止させるこ
とができるので、例えば、リッチ方向への空燃比制御誤
差に伴う排気スモーク濃度の増大や燃費の悪化、リッチ
失火等を招く惧れを回避することができることとなる。
【0014】また、パージ停止中に取得された空燃比学
習値が所定値を越えた場合にリーン運転への移行を禁止
するので、蒸発燃料パージ処理制御装置のパージ制御弁
が開固着故障等している惧れがある状況下でのリーン運
転への移行を禁止させることができるので、以って空燃
比がリーンとなり過ぎるような事態を確実に防止でき、
リーン燃焼への悪影響等を回避することが可能となる。
【0015】即ち、パージの影響度が大きいと判断され
る状況下やパージ制御弁が開固着故障等している惧れが
ある状況下ではリーン運転への移行を禁止することがで
きるので、燃焼性、排気性能、運転性などを良好に維持
することが可能となる。請求項2に記載の発明では、図
2に示すように、燃料供給系内で発生した蒸発燃料を吸
着した後、該蒸発燃料を空気と共に吸気系に吸入させて
パージする蒸発燃料パージ処理制御装置と、実際の空燃
比と、目標空燃比と、の偏差を空燃比学習値として記憶
する空燃比学習制御装置と、を含んで構成された内燃機
関の制御装置であって、パージ停止中に取得された空燃
比学習値の基準値からの偏差が所定値を越えた場合に、
リーン運転への移行を禁止する第2リーン運転移行禁止
手段を含んで構成するようにした。
【0016】かかる構成とすれば、パージ停止中に取得
された空燃比学習値が所定値を越えた場合にリーン運転
への移行を禁止するので、蒸発燃料パージ処理制御装置
のパージ制御弁が開固着故障等している惧れがある状況
下でのリーン運転への移行を確実に禁止させることがで
きるので、以って空燃比がリーンとなり過ぎるような事
態を確実に防止でき、リーン燃焼への悪影響等を回避す
ることが可能となり、以って燃焼性、排気性能、運転性
などを良好に維持することが可能となる。
【0017】請求項3に記載の発明では、前記空燃比学
習制御装置が、空燃比学習値を加算補正項と乗算補正項
とに分け、パージ停止中において、アイドル運転領域で
前記加算補正項を学習すると共にアイドル運転領域以外
で前記乗算補正項を学習するようにした空燃比学習制御
装置を含んで構成された場合に、前記第2リーン運転移
行禁止手段を、前記加算補正項と前記乗算補正項との何
れか一方の基準値からの偏差が所定値を越えた場合に、
リーン運転への移行を禁止するように構成した。
【0018】かかる構成とすれば、空燃比学習値として
乗算補正項と加算補正項とを備えたことで、急速学習
(始動後早期に学習を完了してリーン運転への移行を許
可できるようにすること)を可能にすると共に、パージ
停止中に学習した加算補正項と乗算補正項の何れかの基
準値からの偏差が所定値を越えたときに、リーン運転へ
の移行を禁止するようにしたので、パージ制御弁が開固
着故障等している惧れがある状況下でのリーン運転を未
然に禁止することができるので、燃焼性、排気性能、運
転性などを良好に維持することができる。
【0019】請求項4に記載の発明では、前記空燃比学
習制御装置が、空燃比学習値を加算補正項と乗算補正項
とに分け、アイドル運転領域で前記加算補正項を学習
し、アイドル運転領域以外で前記乗算補正項を学習する
ようにした空燃比学習制御装置を含んで構成された場合
に、アイドル運転領域において、パージ停止中に前記加
算補正項の学習を行なわせ、該学習が完了したら該加算
補正項を基準値に固定すると共にパージを実行させ、該
パージ実行中に前記乗算補正項の学習を行なわせるパー
ジ状態切換前後空燃比学習制御手段を備えて構成すると
共に、前記第1リーン運転移行禁止手段を、前記パージ
状態切換前後空燃比学習制御手段により前記加算補正項
と前記乗算補正項とが学習され、前記加算補正項と前記
乗算補正項との何れか一方の基準値からの偏差が所定値
を越えた場合に、リーン運転への移行を禁止するように
構成した。
【0020】かかる構成では、空燃比学習値として乗算
補正項と加算補正項とを備えたものにおいて、パージ停
止中のアイドル運転領域において加算補正項の学習更新
処理が完了したら、該加算補正項の学習更新処理を停止
(加算補正項を例えば中央値にクランプ)して、強制的
にパージを導入させて、アイドル運転領域において、従
来アイドル運転領域では学習(取得)の対象となってい
なかった乗算補正項の学習(取得)を行なわせるように
する。
【0021】そして、前記加算補正項と前記乗算補正項
との何れか一方の基準値からの偏差が所定値を越えたこ
とに基づいて、前記影響度が大きい(パージ濃度が高
い)と判断される状況下やパージ制御弁が開固着故障等
している惧れがある状況下を検知するようにする。これ
により、学習値として乗算補正項と加算補正項とを備え
たものにおいて、簡単な構成でありながら、パージの影
響度を迅速かつ高精度に把握できると共に、前記影響度
が大きい(パージ濃度が高い)と判断される状況下やパ
ージ制御弁が開固着故障等している惧れがある状況下で
はリーン運転への移行を禁止できる一方、正常時にはリ
ーン燃焼中に精度良くパージ処理を行なわせることがで
きるので、以って燃焼性、排気性能、運転性などを良好
に維持しつつパージ処理能力を高く維持することができ
る。しかも、ストイキ運転からリーン運転への移行許可
判定を始動後早期に完了させること(急速学習)も可能
である。
【0022】請求項5に記載の発明では、前記空燃比学
習制御装置が、空燃比学習値を加算補正項と乗算補正項
とに分け、アイドル運転領域で前記加算補正項を学習
し、アイドル運転領域以外で前記乗算補正項を学習する
ようにした空燃比学習制御装置を含んで構成された場合
に、アイドル運転領域において、パージ停止中に前記加
算補正項の学習を行なわせ、該学習が完了したら該加算
補正項を基準値に固定すると共にパージを実行させ、該
パージ実行中に前記乗算補正項の学習を行なわせるパー
ジ状態切換前後空燃比学習制御手段を備えて構成すると
共に、前記第2リーン運転移行禁止手段を、前記パージ
状態切換前後空燃比学習制御手段により前記加算補正項
が学習され、前記加算補正項の基準値からの偏差が所定
値を越えた場合に、リーン運転への移行を禁止するよう
に構成した。
【0023】かかる構成では、空燃比学習値として乗算
補正項と加算補正項とを備えたものにおいて、パージ停
止中のアイドル運転領域において加算補正項の学習更新
処理が完了したら、該加算補正項の学習更新処理を停止
(加算補正項を例えば中央値にクランプ)して、強制的
にパージを導入させて、アイドル運転領域において、従
来アイドル運転領域では学習(取得)の対象となってい
なかった乗算補正項の学習(取得)を行なわせるように
する。
【0024】そして、前記加算補正項の基準値からの偏
差が所定値を越えたことに基づいて、パージ制御弁が開
固着故障等している惧れがある状況下を検知するように
する。これにより、空燃比学習値として乗算補正項と加
算補正項とを備えたものにおいて、簡単な構成でありな
がら、パージの影響度を迅速かつ高精度に把握できると
共に、パージ制御弁が開固着故障等している惧れがある
状況下ではリーン運転への移行を禁止できる一方、正常
時にはリーン燃焼中に精度良くパージ処理を行なわせる
ことができるので、以って燃焼性、排気性能、運転性な
どを良好に維持しつつパージ処理能力を高く維持するこ
とができる。しかも、ストイキ運転からリーン運転への
移行許可判定を始動後早期に完了させること(急速学
習)も可能である。
【0025】請求項6に記載の発明では、前記内燃機関
が直噴式内燃機関であることとする。直噴式内燃機関は
その特有の燃焼形態のために、パージの燃焼性への悪影
響が大きいものであるが、本発明によれば、パージの制
御誤差やパージ制御弁の開固着故障等による悪影響を確
実に回避することができるので、直噴式内燃機関にとっ
て、本発明は特に有効な技術となる。
【0026】請求項7に記載の発明では、図3に示すよ
うに、燃料供給系内で発生した蒸発燃料を吸着した後、
該蒸発燃料を空気と共に吸気系に吸入させてパージする
蒸発燃料パージ処理制御装置と、実際の空燃比と、目標
空燃比と、の偏差を空燃比学習値として記憶する空燃比
学習制御装置と、を含んで構成された内燃機関の故障診
断装置であって、パージ停止中に取得された空燃比学習
値の基準値からの偏差が所定値を越えた場合に、前記蒸
発燃料パージ処理制御装置に故障が生じていると診断す
る故障診断手段を含んで構成するようにした。
【0027】かかる構成とすれば、パージ停止中に取得
された空燃比学習値が所定値を越えたことに基づいて、
蒸発燃料パージ処理制御装置のパージ制御弁が開固着故
障等している惧れがあると診断することができる。そし
て、例えば、このような状況下でのリーン運転への移行
を未然に禁止させることができるので、以って空燃比が
リーンとなり過ぎるような事態を確実に防止でき、リー
ン燃焼への悪影響等を回避することが可能となり、以っ
て燃焼性、排気性能、運転性などを良好に維持すること
が可能となる。
【0028】請求項8に記載の発明では、前記空燃比学
習制御装置が、空燃比学習値を加算補正項と乗算補正項
とに分け、パージ停止中において、アイドル運転領域で
前記加算補正項を学習すると共にアイドル運転領域以外
で前記乗算補正項を学習するようにした空燃比学習制御
装置を含んで構成された場合に、前記故障診断手段を、
前記加算補正項と前記乗算補正項との何れか一方の基準
値からの偏差が所定値を越えた場合に、前記蒸発燃料パ
ージ処理制御装置に故障が生じていると診断するように
構成した。
【0029】かかる構成とすれば、空燃比学習値として
乗算補正項と加算補正項とを備えたことで、急速学習
(始動後早期に学習を完了してリーン運転への移行を許
可できるようにすること)を可能にすると共に、パージ
停止中に学習した加算補正項と乗算補正項の何れかの基
準値からの偏差が所定値を越えたことに基づいて、パー
ジ制御弁が開固着故障等している惧れがあると診断する
ことができる。
【0030】そして、例えば、このような状況下でのリ
ーン運転への移行を未然に禁止させることが可能で、以
って空燃比がリーンとなり過ぎるような事態を確実に防
止でき、リーン燃焼への悪影響等を回避することが可能
となり、以って燃焼性、排気性能、運転性などを良好に
維持することが可能となる。請求項9に記載の発明で
は、前記空燃比学習制御装置が、空燃比学習値を加算補
正項と乗算補正項とに分け、アイドル運転領域で前記加
算補正項を学習し、アイドル運転領域以外で前記乗算補
正項を学習するようにした空燃比学習制御装置を含んで
構成された場合に、アイドル運転領域において、パージ
停止中に前記加算補正項の学習を行なわせ、該学習が完
了したら該加算補正項を基準値に固定すると共にパージ
を実行させ、該パージ実行中に前記乗算補正項の学習を
行なわせるパージ状態切換前後空燃比学習制御手段を備
えて構成すると共に、前記故障診断手段を、前記パージ
状態切換前後空燃比学習制御手段により前記加算補正項
が学習され、前記加算補正項の基準値からの偏差が所定
値を越えた場合に、前記蒸発燃料パージ処理制御装置に
故障が生じていると診断するように構成した。
【0031】かかる構成では、空燃比学習値として乗算
補正項と加算補正項とを備えたものにおいて、パージ停
止中のアイドル運転領域において加算補正項の学習更新
処理が完了したら、該加算補正項の学習更新処理を停止
(加算補正項を例えば中央値にクランプ)して、強制的
にパージを導入させて、アイドル運転領域において、従
来アイドル運転領域では学習(取得)の対象となってい
なかった乗算補正項の学習(取得)を行なわせるように
する。
【0032】そして、前記加算補正項の基準値からの偏
差が所定値を越えたことに基づいて、パージ制御弁が開
固着故障等している惧れがある状況下を診断するように
する。これにより、空燃比学習値として乗算補正項と加
算補正項とを備えたものにおいて、簡単な構成でありな
がら、パージの影響度を迅速かつ高精度に把握できると
共に、パージ制御弁が開固着故障等している惧れがある
状況下を高精度に診断することが可能となる。しかも、
ストイキ運転からリーン運転への移行許可判定を始動後
早期に完了させること(急速学習)も可能である。
【0033】そして、例えば、パージの影響度が大きい
と判断される状況下や、パージ制御弁が開固着故障等し
ている惧れがある状況下ではリーン運転への移行を禁止
できる一方、正常時にはリーン燃焼中に精度良くパージ
処理を行なわせることが可能で、以って燃焼性、排気性
能、運転性などを良好に維持しつつパージ処理能力を高
く維持することが可能となる。
【0034】請求項10に記載の発明では、前記内燃機
関が直噴式内燃機関であることとする。直噴式内燃機関
はその特有の燃焼形態のために、パージの燃焼性への悪
影響が大きいものであるが、本発明によれば、パージ制
御弁の開固着故障等の有無を高精度に診断できるので、
パージ制御弁の開固着故障等による燃焼性等への悪影響
を未然に回避すること等が可能となるので、直噴式内燃
機関にとって、本発明は特に有効な技術となる。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、パージ
の影響度が大きいと判断される状況下や蒸発燃料パージ
処理制御装置のパージ制御弁が開固着故障等している惧
れがある状況下ではリーン運転への移行を禁止すること
ができる一方、正常時にはリーン燃焼中に精度良くパー
ジ処理を行なわせることができるので、以って燃焼性、
排気性能、運転性などを良好に維持しつつパージ処理能
力を高く維持することができる。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、蒸発燃料
パージ処理制御装置のパージ制御弁が開固着故障等して
いる惧れがある状況下でのリーン運転への移行を確実に
禁止させることができるので、以って空燃比がリーンと
なり過ぎるような事態を確実に防止でき、燃焼性、排気
性能、運転性などを良好に維持することができる。請求
項3に記載の発明によれば、空燃比学習値として乗算補
正項と加算補正項とを備えたことで、急速学習(始動後
早期に学習を完了してリーン運転への移行を許可できる
ようにすること)を可能にすると共に、パージ停止中に
学習した加算補正項と乗算補正項の何れかの基準値から
の偏差が所定値を越えたときに、リーン運転への移行を
禁止するようにしたので、パージ制御弁が開固着故障等
している惧れがある状況下でのリーン運転を未然に禁止
することができるので、燃焼性、排気性能、運転性など
を良好に維持することができる。
【0037】請求項4に記載の発明によれば、空燃比学
習値として乗算補正項と加算補正項とを備えたものにお
いて、簡単な構成でありながら、パージの影響度を迅速
かつ高精度に把握できると共に、前記影響度が大きい
(パージ濃度が高い)と判断される状況下やパージ制御
弁が開固着故障等している惧れがある状況下ではリーン
運転への移行を禁止できる一方、正常時にはリーン燃焼
中に精度良くパージ処理を行なわせることができるの
で、以って燃焼性、排気性能、運転性などを良好に維持
しつつパージ処理能力を高く維持することができる。し
かも、ストイキ運転からリーン運転への移行許可判定を
始動後早期に完了させること(急速学習)も可能であ
る。
【0038】請求項5に記載の発明によれば、空燃比学
習値として乗算補正項と加算補正項とを備えたものにお
いて、簡単な構成でありながら、パージの影響度を迅速
かつ高精度に把握できると共に、パージ制御弁が開固着
故障等している惧れがある状況下ではリーン運転への移
行を禁止できる一方、正常時にはリーン燃焼中に精度良
くパージ処理を行なわせることができるので、以って燃
焼性、排気性能、運転性などを良好に維持しつつパージ
処理能力を高く維持することができる。しかも、ストイ
キ運転からリーン運転への移行許可判定を始動後早期に
完了させること(急速学習)も可能である。
【0039】請求項6に記載の発明によれば、直噴式内
燃機関の最適化技術が促進され、採用可能性等を一層促
進できる。請求項7に記載の発明によれば、パージ停止
中に取得された空燃比学習値が所定値を越えたことに基
づいて、蒸発燃料パージ処理制御装置のパージ制御弁が
開固着故障等している惧れがあると診断することができ
る。従って、例えば、このような状況下でのリーン運転
への移行を未然に禁止させることができるので、以って
空燃比がリーンとなり過ぎるような事態を確実に防止で
き、リーン燃焼への悪影響等を回避することが可能とな
り、以って燃焼性、排気性能、運転性などを良好に維持
することが可能となる。
【0040】請求項8に記載の発明によれば、空燃比学
習値として乗算補正項と加算補正項とを備えたことで、
急速学習(始動後早期に学習を完了してリーン運転への
移行を許可できるようにすること)を可能にすると共
に、パージ停止中に学習した加算補正項と乗算補正項の
何れかの基準値からの偏差が所定値を越えたことに基づ
いて、パージ制御弁が開固着故障等している惧れがある
と診断することができる。
【0041】従って、例えば、このような状況下でのリ
ーン運転への移行を未然に禁止させることが可能で、以
って空燃比がリーンとなり過ぎるような事態を確実に防
止でき、リーン燃焼への悪影響等を回避することが可能
となり、以って燃焼性、排気性能、運転性などを良好に
維持することが可能となる。請求項9に記載の発明によ
れば、空燃比学習値として乗算補正項と加算補正項とを
備えたものにおいて、簡単な構成でありながら、パージ
の影響度を迅速かつ高精度に把握できると共に、パージ
制御弁が開固着故障等している惧れがある状況下を高精
度に診断することが可能となる。しかも、ストイキ運転
からリーン運転への移行許可判定を始動後早期に完了さ
せること(急速学習)も可能である。
【0042】従って、例えば、パージの影響度が大きい
と判断される状況下や、パージ制御弁が開固着故障等し
ている惧れがある状況下ではリーン運転への移行を禁止
できる一方、正常時にはリーン燃焼中に精度良くパージ
処理を行なわせることが可能で、以って燃焼性、排気性
能、運転性などを良好に維持しつつパージ処理能力を高
く維持することが可能となる。
【0043】請求項10に記載の発明によれば、直噴式
内燃機関の最適化技術が促進され、採用可能性等を一層
促進できる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を、
添付の図面に基づいて説明する。図4において、機関1
1の吸気通路12には、図示しないエアクリーナを介し
て導入される吸入空気流量 (単位時間当りの吸入空気
量) Qaを検出するエアフロメータ13及び機関吸入空
気流量Qaを制御するスロットル弁14が設けられ、気
筒毎に燃焼室に臨んで電磁式の燃料噴射弁15が設けら
れている。
【0045】前記燃料噴射弁15は、マイクロコンピュ
ータ等を内蔵したコントロールユニット50からの噴射
パルス信号によって開弁駆動され、燃料を直接燃焼室内
に噴射供給する。なお、スロットル弁14には、スロッ
トル開度を検出するスロットルセンサ或いはスロットル
弁14の全閉状態を検出するアイドルスイッチ16等が
備えられる。
【0046】また、排気通路17には、マニホールド部
分18の集合部に排気中酸素濃度を検出することによっ
て吸入混合気の空燃比を検出する手段としての空燃比セ
ンサ{以下、酸素(O2 )センサと言う}19が設けら
れている。また、図示しないディストリビュータには、
クランク角センサ20が内蔵されており、該クランク角
センサ20から機関回転と同期して出力されるクランク
単位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク基
準角信号の周期を計測して機関回転速度Neを検出す
る。更に、冷却水温度TWを検出する水温センサ21が
設けられている。
【0047】一方、燃料タンク(図示せず)の上部空間
に溜まる蒸発燃料は、蒸発燃料通路22を介してキャニ
スタ23に導かれ、該キャニスタ23内の活性炭等の吸
着剤により一時的に吸着されるようになっている。キャ
ニスタ23の上層の空間部は、吸気通路12のスロット
ル弁14下流に形成されたパージポート12Aにパージ
通路24を介して連通される。このパージ通路24に
は、コントロールユニット50によって開度制御(例え
ば、デューティ比制御)されるパージ制御弁25が介装
されている。
【0048】なお、本実施形態におけるコントロールユ
ニット50が、以下に説明するように、本発明にかかる
蒸発燃料パージ処理制御装置、空燃比学習制御装置、第
1リーン運転移行禁止手段、第2リーン運転移行禁止手
段、故障診断手段手段としての機能をソフトウェア的に
備えるものである。ここで、本実施形態におけるコント
ロールユニット50が行なう空燃比学習制御(リーン運
転許可判定制御、パージ制御弁の故障診断制御も含む)
について、図5のフローチャートに従って説明する。
【0049】即ち、ステップ(図では、Sと記してあ
る。以下、同様)1では、運転状態{Ne,負荷(Q
a,TP,アイドルスイッチ16の全閉信号など)}を
読み込む。ステップ2では、イドルスイッチ16の全閉
信号などに基づいて、アイドル学習領域(アイドル運転
中)か否かを判定する。
【0050】YESであればステップ3へ進み、NOで
あれば本フローを終了する。ステップ3では、パージ非
導入ストイキ燃焼アイドル学習カウンタ(加算補正項L
TSの学習カウンタ)CLTS1が、所定値NLTST
D以下か否かを判定する。YESであればステップ4へ
進み、NOであればステップ10ヘ進む。ステップ4で
は、パージ制御弁25に対する目標開度出力EVPOU
Tを0にセットして(パージ制御弁25を全閉として;
パージ非導入として)、ステップ5へ進む。
【0051】ステップ5では、乗算補正項Lαを、1.
0にセットして、ステップ6へ進む。ステップ6では、
空燃比フィードバック制御(λ制御)中か否かを判定す
る。YESであればステップ7へ進み、NOであればス
テップ9へ進む。ステップ7では、加算補正項LTSを
学習更新して、ステップ8へ進む。
【0052】ステップ8では、前記CLTS1を1イン
クリメントしてステップ9へ進む。ステップ9では、リ
ーン移行許可フラグFCPLENを0として(リーン移
行禁止として)、リターンする。即ち、パージ非導入
(パージ停止中)ストイキ燃焼によるアイドル運転状態
が検出されている間においては、乗算補正項Lαを1.
0に固定(クランプ)した空燃比フィードバック制御に
より加算補正項LTSを学習更新する。
【0053】一方、ステップ3で、前記CLTS1が所
定値NLTSTDを越えている(即ち、加算補正項LT
Sを良好に取得できた)と判定された場合には、ステッ
プ10へ進む。当該ステップ10では、パージ導入中ス
トイキ燃焼アイドル学習カウンタCLTS2が、所定値
NLTSTD以下か否かを判定する。
【0054】YESであればステップ11へ進み、NO
であればステップ15ヘ進む。ステップ11では、パー
ジ制御弁25に対する目標開度出力EVPOUTを目標
値(EVPOUT0)にセットして(パージ制御弁25
を目標開度として;パージ導入として)、ステップ12
へ進む。ステップ12では、空燃比フィードバック制御
(λ制御)中か否かを判定する。
【0055】YESであればステップ13へ進み、NO
であればステップ9へ進む。ステップ13では、加算補
正項LTSを固定し、乗算補正項Lαを学習(取得、特
に更新する必要はない)して、ステップ14へ進む。
ステップ14では、前記CLTS2を1インクリメント
してステップ9へ進む。ステップ9では、前記同様、リ
ーン移行許可フラグFCPLENを0として(リーン移
行禁止として)、リターンする。
【0056】即ち、パージ非導入ストイキ燃焼によるア
イドル運転により加算補正項LTSが良好に学習更新さ
れた後は、パージを導入し、パージ導入中ストイキ燃焼
によるアイドル運転状態において、加算補正項LTSを
固定した空燃比フィードバック制御により乗算補正項L
αを学習(取得、特に更新する必要はない)する。そし
て、ステップ10で、前記CLTS2が所定値NLTS
TDを越えたときには、ステップ15へ進む。
【0057】該ステップ15では、ステップ13で学習
された乗算補正項Lαの基準値(例えば、1.0)から
の偏差DVILαを求める(DVILα=|Lα−1.
0|)。続くステップ16では、ステップ7で学習され
た加算補正項LTSの基準値(例えば、1.0)からの
偏差DVILTSを求める(DVILTS=|LTS−
1.0|)。
【0058】ステップ17では、DVILαが、学習値
異常しきい値LENLRN以下であるか否かを判定す
る。YESであれば、ステップ18へ進む。一方、NO
であれば、乗算補正項Lαの値が大きく、所定以上のパ
ージ濃度となっており、パージ処理による成層リーン燃
焼への悪影響(リッチ方向への制御誤差)が生じる惧れ
が高いとして、成層リーン燃焼への移行を禁止すべく、
ステップ9へ進み、前記同様、リーン移行許可フラグF
CPLENを0として(リーン移行禁止として)、リタ
ーンする。
【0059】ステップ18では、DVILTSが、TS
学習異常しきい値LKCHK以下であるか否かを判定す
る。YESであれば、乗算補正項Lαの値は小さく、か
つ、加算補正項LTSの値も異常ではないので、パージ
制御弁25が開固着故障等している惧れはなく、かつ、
パージ処理による成層リーン燃焼への悪影響は小さいと
判断して、成層リーン燃焼への移行を許可すべく、ステ
ップ19へ進み、リーン移行許可フラグFCPLENを
1として(リーン移行許可として)、リターンする。
【0060】一方、ステップ18で、NOであれば、加
算補正項LTSの値が異常でありパージ制御弁25が開
固着故障等している惧れが高いと判断して、成層リーン
燃焼への移行を禁止すべく、ステップ9へ進み、リーン
移行許可フラグFCPLENを0として(リーン移行禁
止として)、リターンする。そして、ステップ19にお
いて、リーン移行許可フラグFCPLENが1にセット
されたら、成層リーン燃焼へ移行させるが、このとき、
空燃比フィードバック制御を停止して、乗算補正項Lα
と、加算補正項LTSと、の偏差(当該偏差はパージ濃
度に相当する値となる)を利用したフィードフォワード
制御によって、燃料供給を行なうことになる。
【0061】なお、本実施形態では、概略、以下のよう
にして燃料供給(空燃比)制御を行なうようになってい
る。即ち、図6は、本実施形態における燃料噴射パルス
幅算出ルーチンを示し、例えば10msec毎に実行される。
まず、S101では、エアフローメータ13からの信号
に基づいて検出される吸入空気流量Qaと、クランク角
センサ20からの信号に基づいて検出される機関回転数
NEとから、次式に従って、ストイキ空燃比に対応する
基本噴射パルス幅TPを算出する。
【0062】 TP=K・Qa/NE (但し、Kは定数) S102では、次式に従って、各種補正係数TFBYA
を算出する。 TFBYA=DML+KAS+KTW+KHOT DMLは燃空比補正係数(目標空燃比を達成するための
補正係数。言い換えれば、成層リーン燃焼、ストイキ燃
焼等を達成するための補正係数。)で、運転条件{スト
イキ燃焼毎或いはリーン燃焼毎のTP(或いは目標トル
ク)やNE等}に応じて設定される空燃比設定マップ等
を参照することで設定される。KASは始動後増量係
数、KTWは低水温増量係数、KHOTは高水温増量係
数である。
【0063】S103では、それぞれ別ルーチンにより
設定されているフィードバック補正量としての空燃比フ
ィードバック補正係数α、無効パルス幅TS、フィード
フォワード補正量(学習値)としての乗算補正項Lα及
び加算補正項LTSを読込む。なお、空燃比フィードバ
ック補正係数αは、空燃比フィードバック制御手段によ
り、O2 センサ19からの信号に基づき周知の比例積分
制御により設定される(図7参照)。
【0064】即ち、従来同様に、O2 センサ19の出力
電圧VO2 とスライスレベルSLO 2 とを比較してリッ
チ・リーンを判定し、リッチ→リーンの反転時には空燃
比フィードバック補正係数αを所定の比例分P増大さ
せ、引き続くリーン時には空燃比フィードバック補正係
数αを時間経過と共に所定の積分分Iずつ増大させる
(但しI<<P)。そして、リーン→リッチの反転時には
空燃比フィードバック補正係数αを所定の比例分P減少
させ、引き続くリッチ時には空燃比フィードバック補正
係数αを時間経過と共に所定の積分分Iずつ減少させ
る。但し、かかる空燃比フィードバック制御は、ストイ
キ運転時のみ行われ、リーン運転時には、α=1.0 にク
ランプされて、空燃比フィードバック制御が停止され
る。
【0065】そして、無効パルス幅TSは、バッテリ電
圧に基づいて設定されている。なお、乗算補正項Lα
は、本来は、従来技術である特開平7−259604号
公報に開示されると同様、アイドル運転領域以外の運転
領域(図8参照)で学習更新される学習値であり、アイ
ドル運転領域以外の運転領域でストイキ運転中に行なわ
れる空燃比フィードバック制御における空燃比フィード
バック補正係数αの平均値ALPの中央値(図7参照)
からの偏差に相当する値である。該平均値ALPの算出
方法については後述する。
【0066】しかし、前記特開平7−259604号公
報に開示されたものでは、アイドル運転中は、この乗算
補正項Lαが有効に活用されていなかった。そこで、本
実施形態では、既述したように、この乗算補正項Lα
を、パージ導入時(パージ処理実行中)のストイキ運転
中のアイドル運転時の学習値(更新しなくてもよい)と
して有効に活用することとしたものである。
【0067】加算補正項LTSは、アイドル運転領域
(図8参照)で学習更新される学習値であり、パージ非
導入時(パージ処理禁止中)のストイキ運転中のアイド
ル運転中に行なわれる空燃比フィードバック制御におけ
る空燃比フィードバック補正係数αの平均値ALPの中
央値(図7参照)からの偏差に相当する値である。な
お、平均値ALPは、概略以下のようにして求める。
【0068】即ち、図7に示すように、空燃比フィード
バック補正係数αの半周期最小値と半周期最大値とを過
去の所定回数NLRC(但し、NLRC≦NJRC)に
わたって記憶しておいたデータ(α1 ,α2 ,… ,α
NLRC)を用いて、それらの最小値aと最大値bとを次式
により求める。
【0069】a=Min(α1 ,α2 ,… ,αNLRC) b=Max(α1 ,α2 ,… ,αNLRC) なお、例えば、半周期最小値と半周期最大値とに交互に
番号を振ったとき、最小値aは、α1 ,α3 ,… ,α
i ,αNLRCのうち最も小さな値、最大値bは、α2 ,α
4 ,… ,αi+1 のうち最も大きな値である。
【0070】そして、この求められた最小値aと最大値
bとを用いて、空燃比フィードバック補正係数αの平均
値ALPを次式により算出することになる。ALP=
(a+b)/2続く、S104では、次式に従って、基
本噴射パルス幅TP、各種補正係数TFBYA、空燃比
フィードバック補正係数α、乗算補正項Lα、無効パル
ス幅TS及び加算補正項LTSから、燃料噴射パルス幅
(量)Tiを算出する。
【0071】Ti=TP・TFBYA・(α+Lα−1.
0 )+TS+LTS 尚、αは 1.0中心、Lαは 1.0中心、LTSは 0.0中心
である。ただし、上式は一般的な場合であって、成層リ
ーン燃焼中のアイドル運転時であってパージ処理中にお
いては、図5のフローチャートにおけるステップ7で更
新学習された加算補正項LTSと、ステップ13で学習
(取得)された乗算補正項Lαと、が使用されると共
に、上式は、下式のように変形されて用いられる。
【0072】即ち、 Ti=TP・TFBYA・α+TS+(LTS−Lα) この場合、αは1.0 にクランプ、LTSはパージ非導入
時のアイドル運転中の学習値、Lαはパージ導入時のア
イドル運転中の学習値であり、(LTS−Lα)は、パ
ージ濃度ということになる。即ち、本実施形態では、パ
ージ濃度に応じて、燃料噴射パルス幅Ti(空燃比制御
対象)を補正することで、パージ処理を実行しながら、
高精度に目標リーン空燃比を達成することができること
となる。
【0073】そして、S105では、算出された燃料噴
射パルス幅Tiを出力レジスタに転送する。これによ
り、Tiのパルス幅の燃料噴射パルス信号が機関回転に
同期した所定のタイミングで燃料噴射弁15に出力さ
れ、燃料噴射が行われる。以上のように、本実施形態に
よれば、学習値として乗算補正項と加算補正項とを備え
たものにおいて、パージ非導入時のアイドル運転領域に
おいて加算補正項LTSの学習更新処理が完了したら、
該加算補正項LTSの学習更新処理を停止(加算補正項
LTSを例えば中央値にクランプ)して、強制的にパー
ジを導入させて、アイドル運転領域において、従来アイ
ドル運転領域では学習(取得)の対象となっていなかっ
た乗算補正項Lαの学習(取得)を行なわせるようにす
る。
【0074】これにより、学習値として乗算補正項と加
算補正項とを備えた直噴式内燃機関の制御装置におい
て、簡単な構成でありながら、パージの影響度を迅速か
つ高精度に把握できると共に、前記影響度が大きい(パ
ージ濃度が高い)と判断される状況下やパージ制御弁が
開固着故障等していると判断される状況下ではリーン運
転への移行を禁止しながら、正常時には成層リーン燃焼
中に精度良くパージ処理を行なわせることができるの
で、以って燃焼性、排気性能、運転性などを良好に維持
しつつパージ処理能力を高く維持することができる。し
かも、ストイキ運転からリーン運転への移行を始動後早
期から許可することも維持されるものである。
【0075】また、本実施形態では、ステップ17にお
いて、パージ導入時のアイドル運転中に取得された乗算
補正項Lαの基準値(例えば、1.0)からの偏差が所
定値を越えたときには、リーン燃焼への移行を禁止する
ようにしたので、パージ処理によるリーン燃焼への悪影
響等を回避することが可能となる。例えば、リッチ方向
への空燃比制御誤差に伴う排気スモーク濃度の増大や燃
費の悪化、リッチ失火等を招く惧れを回避することがで
きることとなる。
【0076】また、ステップ18において、パージ非導
入時のアイドル運転中に取得された加算補正項LTSの
基準値(例えば、1.0)からの偏差が所定値を越えた
ときには、リーン燃焼への移行を禁止するようにしたの
で、パージ制御弁25の開固着故障等の惧れが高い状況
下でリーン運転への移行が許可され、以って空燃比がリ
ーンとなり過ぎるような事態を確実に防止でき、リーン
燃焼への悪影響等を回避することが可能となる。
【0077】即ち、本実施形態によれば、リーン運転へ
の許可判定を始動後早期に完了させることができ、か
つ、パージの影響度を迅速に把握することができ、更
に、パージの影響度が大きいと判断される状況下やパー
ジ制御弁が開固着故障等していると判断される状況下で
はリーン運転への移行を禁止することで、燃焼性、排気
性能、運転性などを良好に維持することが可能となる。
【0078】なお、本実施形態におけるステップ18に
おける判断は、パージ制御弁25の開固着故障等を診断
することができるものであり、故障診断手段として機能
することができるものである。ところで、上記実施形態
では、従来アイドル運転領域では学習(取得)の対象と
なっていなかった乗算補正項Lαを、パージ処理中の学
習値(実際の空燃比の中央値からの偏差量)として利用
する構成として説明したが、本発明はこれに限定される
ものではない。
【0079】即ち、パージ非導入時に、従来の特開平7
−259604号公報に開示されるものと同様にして、
加算補正項(アイドル運転領域)と乗算補正項(アイド
ル運転領域以外の運転領域)とで空燃比を学習する構成
とし、パージ導入時は、別に備えた4×4マップに学習
値を記憶させる構成とし、何れか一方(パージ非導入時
の加算補正項や乗算補正項と、パージ導入時の4×4マ
ップの学習値)のの基準値からの偏差が所定値を越えた
場合に、パージ影響度が大きい(パージ濃度が高い)と
判断される状況下やパージ制御弁が開固着故障等してい
ると判断することができるものである。或いは、加算補
正項(アイドル運転領域)と乗算補正項(アイドル運転
領域以外の運転領域)とで空燃比を学習する構成を備え
ず、パージ非導入時とパージ導入時とで、別々の4×4
マップを備える構成の場合にも、この考え方は適用でき
るものである。
【0080】つまり、パージ非導入中であるにも拘わら
ず、パージ非導入中の学習値の基準値からの偏差が所定
値を越えた場合には、パージ制御弁が開固着故障等して
いる惧れが高いものと判断できるものであるし、パージ
導入中の学習値の基準値からの偏差が所定値を越えた場
合には、パージ濃度が高く燃焼性への影響が大きくなる
惧れが高いものと判断できるものである。
【0081】また、パージ導入中の学習値の基準値から
の偏差を考慮せず、パージ非導入中の学習値の基準値か
らの偏差が所定値を越えた場合には、パージ制御弁が開
固着故障等している惧れが高いものと診断して、リーン
運転への移行を禁止する構成とすることもできる(即
ち、パージ非導入中の学習値の基準値からの偏差に基づ
いて、パージ制御弁の開固着故障等の故障診断すること
ができる)。
【0082】この場合は、例えば、従来の特開平7−2
59604号公報に開示されるものと同様の手法によ
り、パージ非導入中に学習される加算補正項LTS(ア
イドル運転領域)と、パージ非導入中に学習される乗算
補正項Lα(アイドル運転領域以外の運転領域)と、を
用い、図9に示すようなフローチャートを実行すること
で、パージ制御弁25が開固着故障等している状況下を
判断(診断)することができる。
【0083】即ち、ステップ201で、パージ非導入中
にアイドル運転領域で従来同様にして学習された加算補
正項LTSを読み込み、該加算補正項LTSの基準値
(例えば、1.0)からの偏差DVILTSを求める
(DVILTS=|LTS−1.0|)。
【0084】ステップ202では、PTR(運転領域番
号;図9参照)=1にセットする。ステップ203で
は、PTRが15以下であるか否かを判断する。YES
であればステップ204へ進み、NOであればステップ
206へ進む。ステップ204では、現在セットされて
いるPTRに応じた運転領域においてパージ非導入中に
従来同様にして学習された乗算補正項Lα(PTR)を
読み込み、該乗算補正項Lα(PTR)の基準値(例え
ば、1.0)からの偏差DVILα(PTR)を求め
{DVILα(PTR)=|Lα(PTR)−1.0
|}、これを順次記憶する。なお、(PTR)は、1〜
15の間で変化する変数である。
【0085】ステップ205では、現在セットされてい
るPTRを1インクリメントして、ステップ203へリ
ターンする。これにより、すべての運転領域(1〜1
5)においてパージ非導入中に従来同様にして学習され
た乗算補正項Lα(PTR)の基準値(例えば、1.
0)からの偏差DVILα(PTR)の演算・記憶処理
が終了するまで、ステップ203〜ステップ205が繰
り返されることになる。
【0086】そして、ステップ203で、PTRが15
を越えたと判断されたときには、ステップ206へ進む
が、ステップ206では、ステップ201で求めた偏差
DVILTSが、TSCHK(TS学習値異常しきい
値)より大きいか否かを判断する。YESであれば、加
算補正項LTSの値が異常でありパージ制御弁25が開
固着故障等している惧れが高いと判断して、成層リーン
燃焼への移行を禁止すべく、ステップ211へ進み、リ
ーン移行許可フラグFCPLENを0として(リーン移
行禁止として)、リターンする。
【0087】NOであれば、ステップ207以降へ進ん
で、すべての運転領域で学習された乗算補正項Lα(P
TR)のうち何れかの値が異常であるか否かを判断す
る。即ち、ステップ207では、PTR(運転領域番
号;図9参照)=1にセットする。ステップ208で
は、PTRが15以下であるか否かを判断する。
【0088】YESであればステップ209へ進み、N
Oであれば、以下に説明するように、ステップ209に
おいて、偏差DVILα(PTR)がLαCHK(学習
値異常しきい値)を越えた場合がなく、乗算補正項Lα
は正常値であり、パージ制御弁25が開固着故障等して
いる惧れはないとして、ステップ210へ進ませる。ス
テップ209では、現在セットされているPRTに対応
する偏差DVILα(PRT)がLαCHK(学習値異
常しきい値)を越えているか否かを判断する。
【0089】YESであれば、乗算補正項Lαの値が異
常でありパージ制御弁25が開固着故障等している惧れ
が高いと判断して、リーン燃焼への移行を禁止すべく、
ステップ211へ進み、リーン移行許可フラグFCPL
ENを0として(リーン移行禁止として)、リターンす
る。NOであれば、ステップ208へリターンし、PT
Rが15を越えるまで、即ちすべての運転領域における
乗算補正項Lαの値の異常判定が終了するまで、ステッ
プ208、ステップ209を繰り返す。
【0090】なお、ステップ210では、算補正項Lα
と加算補正項LTSの何れもが正常であるので、パージ
制御弁25が開固着故障等している惧れはないとして、
リーン移行許可フラグFCPLENを1として(リーン
移行許可として)、リターンする。ステップ211で
は、算補正項Lαと加算補正項LTSの何れかが異常で
あるので、パージ制御弁25が開固着故障等している惧
れが高いと判断して、リーン燃焼への移行を禁止すべ
く、ステップ211へ進み、リーン移行許可フラグFC
PLENを0として(リーン移行禁止として)、リター
ンする。
【0091】このようにすると、アイドル運転領域で学
習された加算補正項(パージ非導入)と、アイドル運転
領域以外の運転領域で学習された乗算補正項(パージ非
導入)のすべてを用い、これら学習値のうちの何れか
が、所定値(異常判定しきい値)を越えたときには、リ
ーン運転への移行を禁止するようにしたので、パージ制
御弁25の開固着故障等を高精度に検知(診断)でき、
以ってパージ制御弁25の開固着故障等による悪影響を
未然に防止することが可能となる。
【0092】即ち、機関運転状態によってスロットル弁
14の前後差圧が異なり、これによって吸入空気流量に
対するパージ流量比率が異なり、延いてはパージの影響
が学習値に反映される度合いが異なることになるので、
例えば全吸入空気流量に対するパージ流量比率が小さい
領域では、空燃比の誤差(学習値の基準値からの偏差)
は小さくなるが、全吸入空気流量に対するパージ流量比
率が大きい領域では、空燃比の誤差(学習値の基準値か
らの偏差)は大きくなる。
【0093】従って、あらゆる運転領域で、学習値(空
燃比の誤差)の異常の有無を把握しなければ、高精度に
パージ制御弁25の開固着故障等は検知できないことに
なる。例えば、アイドル領域では少量のパージ流量のた
め精度よくその異常を検知できない惧れがあったり、他
の運転領域では、パージ流量比率が高く、パージ制御弁
25の開固着を高精度に検知できる場合があるのであ
り、図8のフローチャートのように、あらゆる運転領域
で学習された学習値のうちの何れか1つでも所定値を越
えたときには、パージ制御弁25の開固着故障等が生じ
ている惧れが高いと診断すべきであり、これによってパ
ージ制御弁25の開固着故障等による悪影響を未然に防
止することが可能となるのである。
【0094】ところで、上記の説明では、直噴式内燃機
関について説明してきたが、例えば吸気通路内燃料供給
式内燃機関の場合であっても、同様に適用することがで
きるものである。従って、上記で説明したリーン燃焼
は、均質リーン燃焼も含むものであり、成層リーン燃焼
に限られるものでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に記載の発明の構成を示すブロック
図。
【図2】 請求項2に記載の発明の構成を示すブロック
図。
【図3】 請求項7に記載の発明の構成を示すブロック
図。
【図4】 本発明の一実施形態のシステム構成図。
【図5】 同上実施形態における空燃比学習制御(リー
ン運転移行許可判定制御、故障診断制御も含む)を説明
するフローチャート。
【図6】 同上実施形態における燃料供給制御を説明す
るフローチャート。
【図7】 同上実施形態における酸素センサの出力変
化、空燃比フィードバック補正係数αの変化、平均値A
LPを説明するタイミングチャート。
【図8】 同上実施形態におけるアイドル領域と、アイ
ドル領域以外の領域を説明するための図。
【図9】 同上実施形態におけるリーン運転移行許可判
定制御(故障診断制御)を説明するフローチャート。
【図10】 同上実施形態における運転領域番号(PT
R)を説明するための図。
【符号の説明】
11 機関 12 吸気通路 13 エアフロメータ 14 スロットル弁 15 燃料噴射弁 16 アイドルスイッチ 17 排気通路 19 酸素センサ 20 クランク角センサ 23 キャニスタ 24 パージ通路 25 パージ制御弁 50 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/16 F02D 41/16 G 41/22 301 41/22 301Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料供給系内で発生した蒸発燃料を吸着し
    た後、該蒸発燃料を空気と共に吸気系に吸入させてパー
    ジする蒸発燃料パージ処理制御装置と、 実際の空燃比と、目標空燃比と、の偏差を空燃比学習値
    として記憶する空燃比学習制御装置と、 を含んで構成された内燃機関の制御装置であって、 パージ実行中に取得された空燃比学習値と、パージ停止
    中に取得された空燃比学習値と、の何れか一方の基準値
    からの偏差が所定値を越えた場合に、リーン運転への移
    行を禁止する第1リーン運転移行禁止手段を含んで構成
    したことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 【請求項2】燃料供給系内で発生した蒸発燃料を吸着し
    た後、該蒸発燃料を空気と共に吸気系に吸入させてパー
    ジする蒸発燃料パージ処理制御装置と、 実際の空燃比と、目標空燃比と、の偏差を空燃比学習値
    として記憶する空燃比学習制御装置と、 を含んで構成された内燃機関の制御装置であって、 パージ停止中に取得された空燃比学習値の基準値からの
    偏差が所定値を越えた場合に、リーン運転への移行を禁
    止する第2リーン運転移行禁止手段を含んで構成したこ
    とを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 【請求項3】前記空燃比学習制御装置が、空燃比学習値
    を加算補正項と乗算補正項とに分け、パージ停止中にお
    いて、アイドル運転領域で前記加算補正項を学習すると
    共にアイドル運転領域以外で前記乗算補正項を学習する
    ようにした空燃比学習制御装置を含んで構成された場合
    に、 前記第2リーン運転移行禁止手段を、前記加算補正項と
    前記乗算補正項との何れか一方の基準値からの偏差が所
    定値を越えた場合に、リーン運転への移行を禁止するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機
    関の制御装置。
  4. 【請求項4】前記空燃比学習制御装置が、空燃比学習値
    を加算補正項と乗算補正項とに分け、アイドル運転領域
    で前記加算補正項を学習し、アイドル運転領域以外で前
    記乗算補正項を学習するようにした空燃比学習制御装置
    を含んで構成された場合に、 アイドル運転領域において、パージ停止中に前記加算補
    正項の学習を行なわせ、該学習が完了したら該加算補正
    項を基準値に固定すると共にパージを実行させ、該パー
    ジ実行中に前記乗算補正項の学習を行なわせるパージ状
    態切換前後空燃比学習制御手段を備えて構成すると共
    に、 前記第1リーン運転移行禁止手段を、前記パージ状態切
    換前後空燃比学習制御手段により前記加算補正項と前記
    乗算補正項とが学習され、前記加算補正項と前記乗算補
    正項との何れか一方の基準値からの偏差が所定値を越え
    た場合に、リーン運転への移行を禁止するように構成し
    たことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装
    置。
  5. 【請求項5】前記空燃比学習制御装置が、空燃比学習値
    を加算補正項と乗算補正項とに分け、アイドル運転領域
    で前記加算補正項を学習し、アイドル運転領域以外で前
    記乗算補正項を学習するようにした空燃比学習制御装置
    を含んで構成された場合に、 アイドル運転領域において、パージ停止中に前記加算補
    正項の学習を行なわせ、該学習が完了したら該加算補正
    項を基準値に固定すると共にパージを実行させ、該パー
    ジ実行中に前記乗算補正項の学習を行なわせるパージ状
    態切換前後空燃比学習制御手段を備えて構成すると共
    に、 前記第2リーン運転移行禁止手段を、前記パージ状態切
    換前後空燃比学習制御手段により前記加算補正項が学習
    され、前記加算補正項の基準値からの偏差が所定値を越
    えた場合に、リーン運転への移行を禁止するように構成
    したことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の制御
    装置。
  6. 【請求項6】前記内燃機関が直噴式内燃機関であること
    を特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の
    内燃機関の制御装置。
  7. 【請求項7】燃料供給系内で発生した蒸発燃料を吸着し
    た後、該蒸発燃料を空気と共に吸気系に吸入させてパー
    ジする蒸発燃料パージ処理制御装置と、 実際の空燃比と、目標空燃比と、の偏差を空燃比学習値
    として記憶する空燃比学習制御装置と、 を含んで構成された内燃機関の故障診断装置であって、 パージ停止中に取得された空燃比学習値の基準値からの
    偏差が所定値を越えた場合に、前記蒸発燃料パージ処理
    制御装置に故障が生じていると診断する故障診断手段を
    含んで構成したことを特徴とする内燃機関の故障診断装
    置。
  8. 【請求項8】前記空燃比学習制御装置が、空燃比学習値
    を加算補正項と乗算補正項とに分け、パージ停止中にお
    いて、アイドル運転領域で前記加算補正項を学習すると
    共にアイドル運転領域以外で前記乗算補正項を学習する
    ようにした空燃比学習制御装置を含んで構成された場合
    に、 前記故障診断手段を、前記加算補正項と前記乗算補正項
    との何れか一方の基準値からの偏差が所定値を越えた場
    合に、前記蒸発燃料パージ処理制御装置に故障が生じて
    いると診断するように構成したことを特徴とする請求項
    7に記載の内燃機関の故障診断装置。
  9. 【請求項9】前記空燃比学習制御装置が、空燃比学習値
    を加算補正項と乗算補正項とに分け、アイドル運転領域
    で前記加算補正項を学習し、アイドル運転領域以外で前
    記乗算補正項を学習するようにした空燃比学習制御装置
    を含んで構成された場合に、 アイドル運転領域において、パージ停止中に前記加算補
    正項の学習を行なわせ、該学習が完了したら該加算補正
    項を基準値に固定すると共にパージを実行させ、該パー
    ジ実行中に前記乗算補正項の学習を行なわせるパージ状
    態切換前後空燃比学習制御手段を備えて構成すると共
    に、 前記故障診断手段を、前記パージ状態切換前後空燃比学
    習制御手段により前記加算補正項が学習され、前記加算
    補正項の基準値からの偏差が所定値を越えた場合に、前
    記蒸発燃料パージ処理制御装置に故障が生じていると診
    断するように構成したことを特徴とする請求項7に記載
    の内燃機関の故障診断装置。
  10. 【請求項10】前記内燃機関が直噴式内燃機関であること
    を特徴とする請求項7〜請求項9の何れか1つに記載の
    内燃機関の故障診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6932068B2 (en) 2003-06-12 2005-08-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Evaporative emission control system and method
US7017558B2 (en) 2003-06-27 2006-03-28 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Evaporative emission control system
CN112855370A (zh) * 2019-11-27 2021-05-28 丰田自动车株式会社 发动机装置

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