JP4115685B2 - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、出力値が理論空燃比相当値を含む所定範囲内であるときに空燃比に対して略線形性を有する酸素センサを用いて空燃比をフィードバック制御するエンジンの空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、酸素センサの異常を素子抵抗や出力特性等に基づいて判断し、異常診断がなされたときに、酸素センサの出力に基づく空燃比フィードバック制御を停止させるよう構成された空燃比制御装置が知られている(特開平8−271475号公報参照)。
【0003】
また、通常、理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを検出するために用いられる酸素センサの出力特性を、理論空燃比付近で空燃比に対して略線形性を有するように設定し、前記線形性を利用して実空燃比を求めて、空燃比をフィードバック制御する装置が知られている(特開平07−127505号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、理論空燃比付近で略線形性を有するように設定される酸素センサの場合、故障形態として、前記線形性を有するよう設定された領域での出力が、リッチ・リーンのみを検出するために用いられる酸素センサのように理論空燃比を中心に急変するように変化し、出力値から実空燃比を求めることができなくなる場合がある。
【0005】
しかし、上記のように出力特性の変化した場合であっても、リッチ・リーンのみを検出することは可能であるため、本来の出力が得られないことに基づいて空燃比フィードバック制御を全面的に停止させてしまうと、有効に機能し得る制御が行なわれないことで、排気性状を必要以上に悪化させることになってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、理論空燃比付近で略線形性を有するように設定される酸素センサの出力特性が変化した場合であっても、該酸素センサの検出機能を最大限に活用して、排気性状の悪化を極力軽減できるエンジンの空燃比制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明は、エンジン排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化する酸素センサであって、理論空燃比相当値を含む所定範囲においてセンサ出力値が空燃比に対して略線形性を有する酸素センサを備え、前記センサ出力値が前記所定範囲内である場合には、センサ出力値から実空燃比を検出して空燃比をフィードバック制御する一方、センサ出力値が前記所定範囲外である場合には、センサ出力値から理論空燃比に対するリッチ・リーンを検出して空燃比をフィードバック制御するエンジンの空燃比制御装置において、前記酸素センサの出力値が、前記所定範囲を内包する診断範囲を外れる状態が所定時間以上継続したときに、前記空燃比のフィードバック制御を停止させ、前記酸素センサの出力値が前記診断範囲内の値を示すときに、目標空燃比を、理論空燃比を含む所定幅で変動させ、このときに前記酸素センサの出力値が基準範囲を超える変動を示す場合に、前記所定範囲内及び前記所定範囲外の双方において、前記センサ出力値に基づいて理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを判別して空燃比をフィードバック制御する構成とした。
【0008】
かかる構成によると、通常の理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを検出する酸素センサの出力特性を、理論空燃比付近で空燃比に対して略線形性を有するように設定することで、実空燃比の検出を可能にしたものであるが、前記線形領域での出力特性が変化し、理論空燃比を境に急変する特性に変化した場合には、実空燃比の検出が行なえなくなる。
そこで、目標空燃比を、理論空燃比を含む所定幅で変動させ、そのときの出力値が、初期特性上での目標空燃比の変動に見合った値を示すか否かに基づいて、酸素センサの出力特性が、理論空燃比を境に急変する特性に変化したか否かを判断する。
そして、酸素センサの出力特性が、理論空燃比を境に急変する特性に変化すると、センサ出力値が空燃比に対して略線形性を有する所定範囲内及び前記所定範囲外の双方において、理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを検出させて、空燃比フィードバック制御を継続させる。
更に、酸素センサの出力値が最大値又は最小値に所定時間以上張り付いて動かないときには、センサ出力が実際の空燃比に対応しておらず、リッチ・リーンの検出もできない状態になっていると判断し、酸素センサの出力値に基づく空燃比フィードバック制御を禁止する。
【0010】
請求項2記載の発明では、前記センサ出力値から実空燃比が検出される場合には、前記実空燃比と理論空燃比との偏差に基づく比例制御と、前記実空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーンに基づく積分制御とによって、空燃比をフィードバック制御し、前記センサ出力から理論空燃比に対するリッチ・リーンが検出される場合には、前記センサ出力値から判別した理論空燃比に対するリッチ・リーンに基づく積分制御のみによって空燃比をフィードバック制御する構成とした。
【0011】
かかる構成によると、センサ出力値から実空燃比が検出される場合には、前記実空燃比と理論空燃比との偏差に基づく比例制御と、前記実空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーンに基づく積分制御とによって空燃比がフィードバック制御され、酸素センサの出力特性が、理論空燃比を境に急変する特性に変化して実空燃比の検出が行なえなくなると、偏差に基づく比例制御を停止させ、リッチ・リーン判別に基づく積分制御のみで空燃比をフィードバック制御させる。
【0013】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によると、酸素センサの出力特性が、理論空燃比を境に急変する特性に変化して、実空燃比の検出が行えなくなっても、リッチ・リーン判別に基づく空燃比フィードバック制御を行わせることで、空燃比制御性の大幅な低下を抑止でき、以って、排気性状の悪化を抑制できると共に、酸素センサがリッチ・リーンの判別も行なえない状態になった場合に、誤った検出結果に基づき空燃比がフィードバック制御されることを未然に防止できるという効果がある。
【0014】
請求項2記載の発明によると、酸素センサが初期特性を示すときには、空燃比偏差に応じた比例制御とリッチ・リーン判別に基づく積分制御によって応答良くかつ収束安定性良く目標空燃比に制御できる一方、酸素センサの出力からリッチ・リーンのみが判別できる状態になったときには、積分制御によって安定的に目標空燃比付近に制御することができるという効果がある。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施の形態におけるエンジンのシステム構成図である。
この図1において、車両に搭載されるエンジン1の各気筒の燃焼室には、エアクリーナ2,吸気通路3,モータで開閉駆動される電子制御式スロットル弁4を介して空気が吸入される。
【0017】
各気筒の燃焼室内に燃料(ガソリン)を直接噴射する電磁式の燃料噴射弁5が設けられており、該燃料噴射弁5から噴射される燃料と前記吸入される空気によって燃焼室内に混合気が形成される。
燃料噴射弁5は、コントロールユニット20から出力される噴射パルス信号によりソレノイドに通電されて開弁し、所定圧力に調圧された燃料を噴射する。
【0018】
燃焼室内に形成される混合気は、点火栓6により着火燃焼する。
但し、エンジン1を上記の直接噴射式ガソリンエンジンに限定するものではなく、吸気ポートに燃料を噴射する構成のエンジンであっても良い。
エンジン1からの排気は排気通路7より排出され、前記排気通路7には排気浄化用の触媒8が介装されている。
【0019】
前記触媒8は、三元触媒であって、排気中の有害3成分である一酸化炭素CO及び炭化水素HCを酸化すると共に、酸化窒素NOxを還元して、無害な二酸化炭素、水蒸気及び窒素に変換させるものである。
また、燃料タンク9にて発生した蒸発燃料を燃焼処理する蒸発燃料処理装置が設けられている。
【0020】
キャニスタ10は、密閉容器内に活性炭などの吸着剤11を充填したもので、燃料タンク9から延設される蒸発燃料導入管12が接続されている。従って、燃料タンク9にて発生した蒸発燃料は、前記蒸発燃料導入管12を通って、キャニスタ10に導かれ吸着捕集される。
また、キャニスタ10には、新気導入口13が形成されると共に、パージ配管14が導出され、前記パージ配管14には、コントロールユニット20からの制御信号によって開閉が制御されるパージ制御弁15が介装される。
【0021】
上記構成において、パージ制御弁15が開制御されると、エンジン1の吸入負圧がキャニスタ10に作用する結果、新気導入口13から導入される空気によってキャニスタ10の吸着剤11に吸着されていた蒸発燃料がパージされ、パージエアがパージ配管14を通って吸気通路3のスロットル弁4下流に吸入され、その後、エンジン1の燃焼室内で燃焼処理される。
【0022】
コントロールユニット20は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及び入出力インターフェイス等を含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種センサからの入力信号を受け、これらに基づいて演算処理して、スロットル弁4,燃料噴射弁5,点火栓6及びパージ制御弁15などの作動を制御する。
前記各種センサとして、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ21、カム軸から気筒判別信号を取り出すカムセンサ22が設けられており、前記クランク角センサ21からの信号に基づきエンジン1の回転速度が算出される。
【0023】
この他、吸気通路3のスロットル弁4上流で吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ23、アクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)APSを検出するアクセルセンサ24、スロットル弁4の開度TVOを検出するスロットルセンサ25、エンジン1の冷却水温Twを検出する水温センサ26、排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化する酸素センサ27、車速VSPを検出する車速センサ28などが設けられている。
【0024】
前記酸素センサ27は、特開平11−326266号公報に開示されるように、排気管内に突出して設けられるジルコニアチューブを有してなり、このジルコニアチューブ外側の排気中の酸素濃度と、内側の大気中の酸素濃度との比に応じた起電力を発生する酸素濃淡電池型の酸素センサである。
前記酸素センサ27の出力値Es(起電力)は、図2に示すように、理論空燃比を中心に変化し、理論空燃比よりもリッチ側では起電力が高く、理論空燃比よりもリーン側では起電力が低くなる特性を有するが、理論空燃比相当値(本実施形態では0.6V)を含む所定範囲(0.3(V)≦出力値Es≦0.8(V))において、出力値Esが空燃比に対して略線形性を有するように、出力特性が設定されている。
【0025】
前記酸素濃淡電池型の酸素センサは、通常、理論空燃比付近で出力値Esが急変する特性に設定され、理論空燃比に対する実空燃比のリッチ・リーンを判定するセンサとして用いられるが、本実施形態における酸素センサ27は、電極,ジルコニアチューブ,保護層などの特性を調整することで、図2の示すように、理論空燃比付近の所定範囲で空燃比に対して線形性を有する出力特性としてある。
【0026】
前記コントロールユニット20は、所定の空燃比フィードバック制御条件が成立したときに、前記酸素センサ27の出力値Esから検出される実空燃比が目標空燃比に一致するように、燃料噴射量を補正するための空燃比フィードバック補正係数を演算するようになっている。
図3のフローチャートは、上記空燃比フィードバック制御に用いられる酸素センサ27の故障診断を示すものであり、ここで、酸素センサ27の出力値に基づいて空燃比フィードバック制御を行えると判断されたときにのみ、後述するフローチャートに従って空燃比フィードバック制御が実行される。
【0027】
図3のフローチャートにおいて、ステップS1では、故障診断条件が成立しているか否かを判別する。
前記故障診断条件としては、燃料噴射弁5やエアフローメータ23など酸素センサ27以外の空燃比制御部品に故障がないこと、空燃比フィードバック制御が行われる所定運転領域であることなどを判別する。
【0028】
診断条件が成立している場合には、ステップS2へ進む。
ステップS2では、酸素センサ27の出力値Esが、所定値(1)を超えるか、又は、所定値(2)を下回るかを判別する。
前記所定値(1)は、0.95程度の値であって、出力値Esが最大値領域に含まれるか否かを判別し、また、前記所定値(2)は、0.02程度の値であって、出力値Esが最小値領域に含まれるか否かを判別する。
【0029】
出力値Esが、所定値(2)≦出力値Es≦所定値(1)であって、通常の出力範囲内の値を示すときには、ステップS3へ進む。
ステップS3では、目標空燃比を、理論空燃比よりも僅かにリッチな空燃比と僅かにリーンな空燃比との間で順次切り換える処理を行い、理論空燃比を挟んで目標空燃比を所定幅だけ変動させる。
【0030】
前記理論空燃比よりも僅かにリッチ・リーンな空燃比とは、例えば空気過剰率で示すと0.97,1.03程度の空燃比である。
次のステップS4では、上記目標空燃比の切り換えに伴って出力された出力値Esが、所定値(3)を超えるか、又は、所定値(4)を下回るかを判別する。換言すれば、上記目標空燃比の切り換えに伴って出力された出力値Esが、所定値(4)≦出力値Es≦所定値(3)であるか否かを判別する。
【0031】
尚、前記所定値(3),(4)は、ステップS3において切り換えられる目標空燃比に応じて設定される値であって、本実施形態では、前記所定値(3)を0.7V、前記所定値(4)を0.5Vとする。酸素センサ27の出力特性は、初期状態では、図2に示すように、理論空燃比付近の出力値Esが空燃比変化に対して比較的なだらかに変化するのに対し、経時劣化などにより出力変化がより急になり、理論空燃比を境に出力が急変するリッチ・リーンセンサの出力に近い特性(図2の感度異常時の特性)となる場合がある。
【0032】
上記のような出力特性の変化が発生すると、前記目標空燃比の変動に対応する出力値Esの変動幅が、初期状態に比べて大きくなり、係る変動幅の増大が、所定値(4)≦出力値Es≦所定値(3)を満たさない出力値Esの発生として判断されるようにしてある。従って、ステップS4で、目標空燃比の切り換えに伴って出力された出力値Esが、所定値(3)を超えるか、又は、所定値(4)を下回ると判断されたときには、理論空燃比付近での空燃比変化に対する出力値Esの変化が、初期状態に比べてより急な特性に変化していると判断し、ステップS5へ進む。
【0033】
ステップS5では、酸素センサ27の故障判定を行なうが、故障モードの中でも、特に、理論空燃比付近での出力変化がより急激になっている状態を示す感度異常の判定を行なう。
ここで、前記感度異常の発生時には、理論空燃比付近において僅かな空燃比変化で出力値Esが急変することから、理論空燃比付近であっても出力値Esから実空燃比を求めることができないが、そのときの出力特性は、理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを検出する酸素センサの特性に近いので、リッチ・リーンの判定には用いることが可能である。
【0034】
一方、ステップS4で、目標空燃比の切り換えに伴う出力値Esの変動が、所定値(3),(4)で挟まれる範囲内で発生していると判断されたときには、酸素センサ27の出力特性が、図2に示すように理論空燃比付近で出力が比較的なだらかに変化する初期状態の出力特性を維持しているものと判断し、ステップS6へ進んで、酸素センサ27の正常状態を判定する。
【0035】
また、ステップS2で、酸素センサ27の出力値Esが、所定値(1)を超えるか、又は、所定値(2)を下回っていると判別されると、ステップS7へ進む。
ステップS7では、所定値(1)を超える状態、又は、所定値(2)を下回る状態が、所定時間以上継続しているか否かを判別する。
【0036】
所定値(1)を超える状態、又は、所定値(2)を下回る状態が、所定時間以上継続しているとき、換言すれば、酸素センサ27の出力が最大値又は最小値に所定時間以上張り付いているときには、酸素センサ27が実空燃比に感応しなくなっていると判断できる。
そこで、ステップS7で、所定値(1)を超える状態、又は、所定値(2)を下回る状態が、所定時間以上継続していると判別されると、ステップS8へ進み、酸素センサ27の故障判定を行なうが、ここでは、実空燃比に感応しない故障モードとして、断線・短絡故障を判定する。
【0037】
図4のフローチャートは、上記故障診断の結果を受けて空燃比フィードバック制御を行うルーチンを示す。
ステップS11では、酸素センサ27の故障診断結果を除く、空燃比フィードバック制御条件の成立を判断する。
ステップS11で空燃比フィードバック制御条件が成立していると判別されると、ステップS12へ進み、酸素センサ27の故障が診断されているか否かを判別する。
【0038】
酸素センサ27が正常であると判別されているときには、ステップS13へ進み、通常の空燃比フィードバック制御を行う。
前記通常の空燃比フィードバック制御は、酸素センサ27の出力値Esに基づいて実空燃比を求め、この実空燃比と目標空燃比との偏差に基づく比例制御と、リッチ・リーン判別に基づく積分制御とによって行なわれるようになっており、その詳細を、図5のフローチャートに従って説明する。
【0039】
図5のフローチャートにおいて、ステップS51では、前記酸素センサ27の出力値Esが、空燃比に対して略線形性を有する所定範囲内(0.3(V)≦出力値Es≦0.8(V))であるか否かを判別する。
前記ステップS51で、前記酸素センサ27の出力値Esが、空燃比に対して略線形性を有する所定範囲内であると判別されると、ステップS52へ進み、前記酸素センサ27の出力値Esを空燃比のデータに変換する処理を行う。
【0040】
前記変換は、前記出力値Esと空燃比との相関を示すテーブルに基づき行わせても良いが、より分解能を上げるべく、前記出力値Esを予め設定された計算式に基づき別の変数に置き換えた後、前記変数から空燃比のデータを求めるようにしても良い。
次のステップS53では、前記出力値Esから求めた実空燃比と、目標空燃比(理論空燃比)との偏差err(偏差err=実空燃比−目標空燃比)を求める。
【0041】
ステップS54では、前記偏差errに比例定数Kpを乗算して比例操作量P(P=err×Kp)を演算する。
ステップS55では、前記偏差errの正負を判別することで、実空燃比の目標空燃比(理論空燃比)に対するリッチ・リーンを判別する。
ステップS55で、前記偏差errが負で実空燃比が目標空燃比(理論空燃比)よりもリッチであると判別されると、ステップS56へ進む。
【0042】
ステップS56では、積分操作量Iの前回値から所定値ΔIだけ減算した結果を今回の積分操作量Iとする。
また、ステップS55で、前記偏差errが正で実空燃比が目標空燃比(理論空燃比)よりもリーンであると判別されたときには、ステップS57へ進み、積分操作量Iの前回値に所定値ΔIを加算した結果を今回の積分操作量Iとする。
【0043】
更に、ステップS55で、偏差errが略0で実空燃比が目標空燃比(理論空燃比)に略一致していると判別されたときには、ステップS56,ステップS57を迂回してステップS62へ進むことで、積分操作量Iを前回値に保持する。
ステップS62では、空燃比フィードバック補正係数αを、
α=P+I+1.0
として算出する。
【0044】
一方、ステップS51で、前記酸素センサ27の出力値Esが線形範囲外である(0.3(V)>Es又はEs>0.8(V))と判別されると、ステップS58へ進む。
ステップS58では、前記酸素センサ27の出力値Esが、前記所定範囲よりも高い側に外れているか否か、具体的には、Es>0.8(V)であるか否かを判別することで、実空燃比が理論空燃比よりもリッチであるか否かを判別する。
【0045】
ステップS58で、Es>0.8(V)であると判別され、実空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときには、ステップS59へ進み、積分操作量Iの前回値から所定値ΔIだけ減算した結果を今回の積分操作量Iとする。
一方、ステップS58でEs>0.8(V)ではないと判別されたときには、0.3(V)>EsであるためにステップS51からステップS58へ進んだ状態であって、実空燃比が理論空燃比よりもリーンであると判断される。
【0046】
この場合には、ステップ60へ進み、積分操作量Iの前回値に所定値ΔIを加算した結果を今回の積分操作量Iとする。
ステップS59,ステップS60で積分操作量Iの設定を行うと、次のステップS61では、比例操作量Pに0をセットする。
酸素センサ27の出力値Esが前記所定範囲内(0.3(V)≦Es≦0.8(V))であるときには、出力値Esが空燃比に対して略線形性を有することから、出力値Esを空燃比のデータに精度良く変換できるが、前記所定範囲を外れると空燃比を正しく求めることができない。
【0047】
但し、前記所定範囲を外れる領域であっても、理論空燃比に対するリッチ・リーンの判別は行えるので、出力値Esが所定範囲内であるときと同様に、リッチ・リーン判別に基づく積分制御を行わせる。
従って、出力値Esが所定範囲外であるときに、ステップS62へ進んだ場合は、実質的には、α=I+1.0として空燃比フィードバック補正係数αが算出される。
【0048】
上記空燃比フィードバック補正係数αを、目標空燃比相当の基本燃料噴射量Tpに乗算することで、最終的な燃料噴射量Tiが求められ、この燃料噴射量Tiに相当するパルス幅の噴射パルス信号が各気筒の燃料噴射弁5に出力される。
図4のフローチャートのステップS12で、酸素センサ27の故障が診断されていると判別されたときには、ステップS14へ進み、その故障判定が感度異常であるか断線・短絡であるかを判別する。
【0049】
感度異常の故障判定がなされているときには、出力値Esから実空燃比を求めることができないが、そのときの出力特性は、理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを検出する酸素センサの特性に近い特性を示し、リッチ・リーンの判定は可能であるので、ステップS15以降へ進んで、リッチ・リーン判別のみに基づき空燃比フィードバック制御を行わせる。
【0050】
ステップS15では、酸素センサ27の出力値Esが理論空燃比相当値(例えば0.6(V))よりも大きいか否かを判別することで、実空燃比が理論空燃比よりもリッチであるか否かを判別する。
出力値Esが理論空燃比相当値よりも大きくリッチ状態であると判別されると、ステップS16へ進み、積分操作量Iの前回値から所定値ΔIだけ減算した結果を今回の積分操作量Iとする。
【0051】
一方、ステップS15で出力値Esが理論空燃比相当値以下であり、リーン状態であると判別されると、ステップ17へ進み、積分操作量Iの前回値に所定値ΔIを加算した結果を今回の積分操作量Iとする。
ステップS16,ステップS17で積分操作量Iの設定を行うと、次のステップS18では、比例操作量Pに0をセットする。
【0052】
そして、ステップS19では、空燃比フィードバック補正係数αを、
α=P+I+1.0
として算出する。
上記ステップS15〜19の処理による空燃比フィードバック制御は、前記ステップS13(図5のフローチャート)における通常の制御に比べ、空燃比偏差に基づく比例制御が行なわれない分、目標空燃比への収束性が低下することになるが、酸素センサ27の特性変化が発生しても空燃比フィードバック制御を継続できることから、空燃比制御性を維持して排気性状の悪化を抑止できる。
【0053】
また、ステップS14で、酸素センサ27の故障診断が断線・短絡であると判別されたときには、酸素センサ27の出力値Esが実際の空燃比に感応しない状態であって、実空燃比の検出のみならず、リッチ・リーンの判別も行なえないので、ステップS20へ進んで、空燃比フィードバック制御を停止させる。
尚、酸素センサ27にヒータが付設されている場合であって、断線・短絡の診断結果に基づいて空燃比フィードバック制御が停止されるときには、前記ヒータ通電を停止させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるエンジンのシステム構成図。
【図2】実施形態における酸素センサの出力特性図。
【図3】実施形態における酸素センサの故障診断を示すフローチャート。
【図4】実施形態における故障形態別の空燃比フィードバック制御を示すフローチャート。
【図5】実施形態における酸素センサ正常時の空燃比フィードバック制御を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エンジン
4…スロットル弁
5…燃料噴射弁
6…点火栓
8…触媒
20…コントロールユニット
21…クランク角センサ
23…エアフローメータ
27…酸素センサ

Claims (2)

  1. エンジン排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化する酸素センサであって、理論空燃比相当値を含む所定範囲においてセンサ出力値が空燃比に対して略線形性を有する酸素センサを備え、
    前記センサ出力値が前記所定範囲内である場合には、センサ出力値から実空燃比を検出して空燃比をフィードバック制御する一方、センサ出力値が前記所定範囲外である場合には、センサ出力値から理論空燃比に対するリッチ・リーンを検出して空燃比をフィードバック制御するエンジンの空燃比制御装置において、
    前記酸素センサの出力値が、前記所定範囲を内包する診断範囲を外れる状態が所定時間以上継続したときに、前記空燃比のフィードバック制御を停止させ、
    前記酸素センサの出力値が前記診断範囲内の値を示すときに、目標空燃比を、理論空燃比を含む所定幅で変動させ、このときに前記酸素センサの出力値が基準範囲を超える変動を示す場合に、前記所定範囲内及び前記所定範囲外の双方において、前記センサ出力値に基づいて理論空燃比に対するリッチ・リーンのみを判別して空燃比をフィードバック制御することを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  2. 前記センサ出力値から実空燃比が検出される場合には、前記実空燃比と理論空燃比との偏差に基づく比例制御と、前記実空燃比の理論空燃比に対するリッチ・リーンに基づく積分制御とによって、空燃比をフィードバック制御し、
    前記センサ出力から理論空燃比に対するリッチ・リーンが検出される場合には、前記センサ出力値から判別した理論空燃比に対するリッチ・リーンに基づく積分制御のみによって空燃比をフィードバック制御することを特徴とする請求項1記載のエンジンの空燃比制御装置。
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