JP2002069441A - 酸硫化物蛍光体の製造方法 - Google Patents

酸硫化物蛍光体の製造方法

Info

Publication number
JP2002069441A
JP2002069441A JP2000265368A JP2000265368A JP2002069441A JP 2002069441 A JP2002069441 A JP 2002069441A JP 2000265368 A JP2000265368 A JP 2000265368A JP 2000265368 A JP2000265368 A JP 2000265368A JP 2002069441 A JP2002069441 A JP 2002069441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphor
producing
carrier gas
particles
synthesis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000265368A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Kijima
直人 木島
Tetsuharu Umehara
徹治 梅原
Yasuo Shimomura
康夫 下村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kasei Optonix Ltd, Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Kasei Optonix Ltd
Priority to JP2000265368A priority Critical patent/JP2002069441A/ja
Publication of JP2002069441A publication Critical patent/JP2002069441A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)
  • Conversion Of X-Rays Into Visible Images (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状の
酸硫化物蛍光体の製造を可能にし、蛍光膜の製造に際
し、均質で緻密な高輝度蛍光膜の形成を容易にし、しか
も、高純度で化学組成が均一で発光特性に優れた酸硫化
物蛍光体を安価に製造できる方法を提供しようとするも
のである。 【解決手段】 Y,L,Gd,Lu の金属元素と、Ce,Pr,Nd,Sm,
Eu,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Mg,Mn,Tiの金属元素とを含有する溶
液をキャリアガス中に噴霧して微小液滴を得た後、これ
を乾燥して金属塩粒子又は金属錯体粒子とし、さらに熱
分解合成を行って酸硫化物蛍光体を製造するもので、熱
分解合成時のキャリアガス中に硫化水素を含有させる酸
硫化物蛍光体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラウン管やX線
増感紙などの蛍光膜の作製に適した酸硫化物蛍光体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラウン管やX線増感紙などに用いられ
る蛍光体は、従来、原料粉末を混合して坩堝などの焼成
容器に入れ、高温で長時間加熱することにより固相反応
で蛍光体を生成させ、ボールミルなどで微粉砕し分級し
て得てきた。
【0003】しかし、このようにして製造された蛍光体
は、不規則形状粒子が凝集した粉末からなるため、その
蛍光体スラリーを塗布して蛍光膜を形成すると、不均質
で充填密度が低く、発光強度の低い蛍光膜しか得られな
かった。また、固相反応後の微粉砕処理で蛍光体は物理
的及び化学的な衝撃を受け、蛍光体粒子内や表面に欠陥
が発生し、発光強度が低下するという不都合があった。
さらに、坩堝などの焼成容器中で長時間高温加熱するた
めに、容器から不純物が蛍光体中に混入して発光強度を
低下したり、原料粉末の粒度によっては固相反応が十分
に進行せず、不純物相が混在して発光強度の低下を招く
ことがあった。また、高温で長時間加熱するため消費エ
ネルギーが大きく、蛍光体の製造コストを高くしてい
た。
【0004】そこで、蛍光体の構成金属元素を含有する
溶液を超音波ネブライザーなどを用いてキャリアガス中
に噴霧して微小液滴を形成し、乾燥して金属塩粒子や金
属錯体粒子とし、その後、熱分解合成して蛍光体を得る
方法が主として酸化物系の蛍光体を中心に提案されてき
た。しかしながら、金属塩粒子や金属錯体粒子を大気な
どの酸化性雰囲気ガス中や水素などの還元性雰囲気ガス
中で熱分解しても酸硫化物を合成することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解消し、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状の
酸硫化物蛍光体の製造を可能にし、特にブラウン管やX
線増感紙などの蛍光膜の製造に際し、均質で緻密な高輝
度蛍光膜の形成を容易にし、しかも、高純度で化学組成
が均一で発光強度に優れた酸硫化物蛍光体を安価に製造
できる方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
採用することにより、上記課題の解決に成功した。 (1) Y、La、Gd及びLuの群から選ばれる少なくと
も1種の金属元素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mg、Mn及び
Tiの群から選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含
有する溶液をキャリアガス中に噴霧して微小液滴を得た
後、これを乾燥して金属塩粒子又は金属錯体粒子とし、
さらに熱分解合成を行って酸硫化物蛍光体を製造する方
法であって、熱分解合成時のキャリアガス中に硫化水素
を含有させることを特徴とする酸硫化物蛍光体の製造方
法。
【0007】(2) 上記熱分解合成時のキャリアガスの硫
化水素含有量を0.1〜60体積%に、酸素含有量を5
体積%以下に調整することを特徴とする上記(1) 記載の
酸硫化物蛍光体の製造方法。 (3) 上記熱分解合成時のキャリアガスの硫化水素含有量
を0.5〜20体積%に、酸素含有量を0.5体積%以
下に調整することを特徴とする上記(2) 記載の酸硫化物
蛍光体の製造方法。 (4) 上記熱分解合成時のキャリアガスが少なくとも水
素、硫黄及び硫化水素を含有することを特徴とする上記
(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の酸硫化物蛍光体の製
造方法。
【0008】(5) 上記の金属元素含有溶液が硝酸塩水溶
液であることを特徴とする上記(1)〜(4) のいずれか1
つに記載の酸硫化物蛍光体の製造方法。 (6) 上記の金属元素含有溶液にチオ尿素又はチオアセト
アミドを添加することを特徴とする上記(1) 〜(5) のい
ずれか1つに記載の酸硫化物蛍光体の製造方法。
【0009】(7) 上記熱分解合成工程では、1000〜
1300℃の温度で0.5秒間〜10分間加熱して熱分
解合成することを特徴とする上記(1) 〜(6) のいずれか
1つに記載の酸硫化物蛍光体の製造方法。 (8) 上記熱分解合成工程では、1100〜1300℃の
温度で0.5秒間〜10分間加熱して熱分解合成するこ
とを特徴とする上記(7) 記載の酸硫化物蛍光体の製造方
法。
【0010】(9) 上記熱分解合成後のキャリアガスから
少なくとも硫黄の一部分を除去した後、上記の蛍光体を
前記キャリアガス中で、冷却することを特徴とする上記
(1)〜(8) のいずれか1つに記載の酸硫化物蛍光体の製
造方法。 (10)上記熱分解合成工程で得た蛍光体粒子を、還元性雰
囲気中で150〜1300℃で1分間〜24時間加熱し
て上記蛍光体粒子表面の硫黄を除去することを特徴とす
る上記(1) 〜(8) のいずれか1つに記載の酸硫化物蛍光
体の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の酸硫化物蛍光体の製造には、Y、La、G
d及びLuの群から選択される少なくとも1種の金属元
素と、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Mg、Mn及びTiの群から選
択される少なくとも1種の金属元素とを含有する溶液が
蛍光体原料として使用される。これらの金属元素を含有
する塩や有機金属化合物の蛍光体原料は、水に可溶で、
しかも、高温に加熱するときに硫化水素と分解反応して
酸硫化物を生成するものであればその種類を問わない。
なお、蛍光体の構成金属元素の酸化物を酸に溶解して得
られる金属塩水溶液を使用することも可能である。
【0012】蛍光体を構成する金属元素の金属塩水溶液
は、蛍光体の合成を容易にするために、硝酸塩水溶液が
特に好ましい。上記金属元素の硝酸塩は水への溶解度が
高いため、高濃度の硝酸塩水溶液を原料として使用する
ときには、乾燥工程において乾燥すべき水分量を少なく
することができ、乾燥エネルギーを低く抑えることがで
きる。それ故、金属塩水溶液に溶解する金属塩の少なく
とも10重量%を硝酸塩にすることが好ましく、50重
量%以上にすることがより好ましい。
【0013】この金属塩水溶液には、種々の目的で、蛍
光体の構成金属元素以外の金属元素やその他の元素を含
有させても良い。例えば、金属塩水溶液中に少量のフラ
ックスを添加すると、熱分解反応時に比較的低温度で短
時間で結晶性の高い蛍光体球状粒子を生成することがで
きる。また、酸硫化物蛍光体の構成元素である硫黄を含
有するチオ尿素やチオアセトアミドなどの化合物を予め
水溶液中に添加すると、金属塩水溶液中で金属錯体を形
成し、熱分解合成時に酸硫化物を生成しやすくなる。な
お、良好な発光強度を得るためには、キラーセンターと
なる鉄やニッケルなどの不純物元素の含有量の少ない原
料溶液を使用することが好ましい。
【0014】上記の金属塩水溶液は、蛍光体原料を水や
酸に投入し攪拌し十分に溶解して調製する。溶液中の上
記金属元素濃度は、蛍光体粒子の目的の直径に対する、
金属塩水溶液を噴霧して形成される微小液滴の直径に対
応して調整される。即ち、蛍光体粒子直径に対する液滴
直径の比が大きければ、金属塩水溶液の溶質濃度を低く
し、その比が小さければ溶質濃度を高く調整する。良好
な蛍光体を合成するためには、金属塩水溶液中の金属元
素の溶質濃度Cが、0.01≦C≦5の範囲内であるこ
とが好ましい。ここで、溶質濃度Cは、水溶液1リット
ルに含有される全ての金属元素の合計のモル数である。
なお、溶質濃度Cのより好ましい範囲は0.1≦C≦5
である。
【0015】上記の金属塩水溶液又は金属錯体水溶液か
ら微小液滴を形成する方法としては、例えば次の様な方
法を採用できる。加圧空気で液体を吸い上げながら噴
霧して1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電結晶
からの2MHz程度の超音波を利用して4〜10μmの
液滴を形成する方法、孔径が10〜20μmのオリフ
ィスを振動子で振動させ、一定の速度でオリフィスに液
体を供給して振動数に応じて一定量ずつ孔から放出され
る5〜50μmの液滴を形成する方法、回転する円板
上に液体を一定速度で落下させ、遠心力で20〜100
μmの液滴を形成する方法、液体表面に高い電圧を引
加して0.5〜10μmの液滴を発生する方法などを挙
げることができる。
【0016】その液滴は、キャリアガス流により乾燥器
内に導入され、加熱されて金属塩粒子や金属錯体粒子と
なる。溶液の種類、気体の種類、気体流量、乾燥器内の
温度などの加熱速度に影響を与える因子を調整すること
により、中空の球、ポーラス、中実粒子、破砕粒子な
ど、生成する粒子の形態と表面状態が変化する。
【0017】上記のキャリアガスは、熱分解合成時に硫
化水素が存在することが重要である。キャリアガス中に
硫化水素が存在しないと、酸硫化物蛍光体が生成せず、
代わりに酸化物蛍光体が生成する。熱分解合成時のキャ
リアガス中の硫化水素含有量は、0.1〜60体積%に
調整することにより、良好な発光強度を有する酸硫化物
蛍光体を合成することができる。硫化水素含有量が0.
1体積%下回ると、酸硫化物蛍光体が生成せず、代わり
に酸化物が生成する。硫化水素含有量が60体積%を上
回ると、不要な硫化水素が過剰になり、副生成物の硫黄
が多量に生成し、蛍光体に付着するので好ましくない。
【0018】熱分解合成時にキャリアガス中の酸素濃度
が5体積%を超えると、酸化物が生成しやすくなり、酸
硫化物蛍光体の発光強度が低下する。したがって、酸素
濃度は低いほどよい。なお、酸素濃度は0.5体積%以
下に抑えると、良好な発光強度を有する蛍光体が合成で
きる。
【0019】熱分解合成時のキャリアガスとして、不活
性ガス、水素、硫黄及び硫化水素から成る混合ガスを用
いると、極めて良好な酸硫化物蛍光体を合成できる。不
活性ガスとしては、窒素やアルゴンなどを使用できる
が、工業的規模で比較的安価に製造するには窒素が適し
ている。
【0020】キャリアガスに硫化水素を添加するのは、
熱分解合成工程の前ならば、いずれの段階で実施しても
よい。例えば、液滴の噴霧工程の前、液滴の乾燥工程の
前、熱分解合成工程の直前など、いずれでもよい。ま
た、キャリアガスとして硫化水素を直接使用せず、不活
性ガスと水素と硫黄の混合ガスをキャリアガスとして使
用し、熱分解合成時の高温下で水素と硫黄を反応させて
硫化水素を生成させ、結果的には、不活性ガス、水素、
硫黄、硫化水素から成るキャリアガスにすることが安価
で好ましい。
【0021】蛍光体原料の水溶液は微小液滴状に噴射し
て乾燥し、金属塩粒子や金属錯体粒子を得た後、加熱し
て酸硫化物蛍光体を生成する。微小液滴は、乾燥する前
に分級して、重量平均粒子径を0.5〜20μmの範囲
に調整し、重量平均粒子径の2倍以上の大きな粒径の液
滴は全体の10重量%以下に抑えることにより、得られ
る蛍光体の粒径分布を狭くでき、蛍光膜形成時の塗布特
性を向上させることができる。乾燥前に除去した液滴
は、回収して原料の金属塩又は金属錯体水溶液にもどし
て再使用する。その結果、粒度分布の狭い蛍光体を歩留
りよく製造することができる。
【0022】重量平均粒子径が0.5μmを下回ると、
生成する蛍光体の粒径が極度に小さくなり、蛍光膜を形
成する際の蛍光体スラリーの粘度が高くなって塗布特性
が低下する。一方、20μmを超えると、生成する蛍光
体の粒径が極度に大きくなって、緻密で高精細の蛍光膜
を形成することができない。なお、微小液滴の好ましい
粒径分布は、重量平均粒子径が1〜10μmの範囲で、
重量平均粒子径の2倍以上の大きな粒径の液滴は全体の
10重量%以下に抑えることである。
【0023】熱分解工程における蛍光体の生産性を上げ
るために、金属塩又は金属錯体水溶液の微小液滴の分級
時に、キャリアガスの単位体積当たりの液滴体積を2倍
以上に濃縮することが好ましい。分級器としては、重力
分級器、遠心分級器、慣性分級器などを使用できる。な
お、その中でも慣性分級器は、微小液滴を搬送するキャ
リアガスから、気体の一部と共に上記の液滴径の下限値
0.5μ未満の液滴を除去して上記の濃縮を行うのに適
している。
【0024】液滴の乾燥方法は、凍結乾燥や減圧乾燥な
どと比較して加熱乾燥が工業的生産においては安価で好
ましい。加熱乾燥時の加熱速度は毎秒400℃以下が好
ましい。加熱速度を毎秒400℃より大きくすると、乾
燥時に液滴中央部の水分が蒸発する前に液滴表面に金属
塩又は金属錯体の膜が形成されるため、球形で中の詰ま
った蛍光体粒子が生成せずに、中空となったりそれが爆
裂して微細粒子となる。乾燥時の好ましい加熱速度は毎
秒200℃以下であり、安定して球形で中の詰まった蛍
光体を確実に製造することができる。
【0025】乾燥して得られる金属塩粒子や金属錯体粒
子の温度は、熱分解工程まで100℃以上に保持するこ
とが好ましい。この温度が熱分解前に100℃未満にな
ると乾燥時に発生した水蒸気が凝縮して金属塩粒子や金
属錯体粒子に付着してこれを部分的に溶解するため、所
望の形状や粒径の蛍光体粒子が得られない。
【0026】還元雰囲気で原子価を保ちやすいCe3+
を付活剤イオンにする蛍光体は、金属塩粒子や金属錯体
粒子を加熱して熱分解する前に予めキャリアガス中の水
蒸気濃度を下げることが好ましい。熱分解合成工程に先
立つ微小液滴の乾燥工程で水蒸気が発生するため、金属
塩粒子や金属錯体粒子を含有するキャリアガスには多量
の水蒸気が存在する。このキャリアガスとともに金属塩
粒子や金属錯体粒子を高温に加熱して熱分解すると、水
蒸気が解離してキャリアガス中の酸素分圧が高くなり、
還元雰囲気で原子価を保ちやすいCe3+等の付活剤イオ
ンの原子価が不安定になり、所望の発光強度が得られな
い。
【0027】キャリアガス中の水蒸気濃度を下げるに
は、重力分級器、遠心分級器、慣性分級器などの分級器
を使用して、金属塩粒子や金属錯体粒子を搬送するキャ
リアガスからガスの一部とともに水蒸気を除去した後、
水蒸気濃度の低いガスを加えてキャリアガス中の水蒸気
濃度の低減をはかる。水蒸気濃度の低いガスとしては、
窒素、アルゴン、水素など、酸素を含有しない新たなガ
スでもよいが、分級器で金属塩粒子や金属錯体粒子を分
離した、水蒸気を含むキャリアガスを一旦冷却して水蒸
気を凝縮し除去して、得られる気体を使用することが工
業的生産においては安価でより好ましい。
【0028】熱分解合成は、加熱温度1000〜130
0℃、加熱時間0.5秒間〜10分間の範囲に調整して
行うことが好ましい。加熱温度が低すぎるか、加熱時間
が短すぎると、金属塩や金属錯体が熱分解せず、キャリ
アガス中の硫化水素と十分に反応しないため、酸硫化物
蛍光体が生成しないか、結晶性が低く付活剤イオンが結
晶内を十分に付活できないため、発光強度が低くなる。
一方、加熱温度が高すぎるか加熱時間が長すぎると、不
要なエネルギーを浪費することになる。結晶性が高く発
光強度の良好な酸硫化物を主相とする蛍光体を製造する
には、熱分解合成を加熱温度1100℃〜1300℃、
加熱時間0.5秒〜10分の範囲に調整して行うことが
より好ましい。
【0029】熱分解合成工程の際に硫化水素が分解して
生成する硫黄は、同工程後の酸硫化物蛍光体の冷却時に
蛍光体表面に付着するために、蛍光体の発光強度や塗布
特性を悪化させる。それ故、熱分解合成工程後に酸硫化
物蛍光体を冷却する前に、蛍光体粒子と硫黄ガスを分離
してから、蛍光体粒子を冷却することが好ましい。例え
ば、酸硫化物蛍光体の流通しない場所を冷却して硫黄を
凝縮させ、系内の硫黄分圧を低減する方法などにより、
酸硫化物蛍光体表面への硫黄の付着を防止する。
【0030】また、熱分解合成工程で生成した硫黄が蛍
光体表面に付着するときには、るつぼ等に充填して還元
性雰囲気中で150〜1300℃で1分間〜24時間加
熱して上記蛍光体粒子表面の硫黄を除去することが好ま
しい。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 (実施例1)蛍光体の化学組成が(Y0.96, Eu0.04
2 2 Sとなるように硝酸イットリウムと硝酸ユーロピ
ウムをそれぞれ水に溶解し、少量の硝酸を添加して溶質
濃度Cが0.3の均質な金属塩水溶液を調製した。キャ
リアガスとして硫化水素を40体積%含有する窒素を使
用し、1.7MHzで振動する振動子を有する超音波噴
霧器で、上記の金属塩水溶液をキャリアガス中に噴霧し
て微小液滴を形成した。次に、この微小液滴を慣性分級
器で分級して、微小液滴の重量平均粒子径が5μmで、
10μm以上の液滴の含有量が10重量%である微小液
滴を得た。
【0032】この微小液滴を、加熱速度が毎秒50℃と
なるように昇温して200℃で加熱乾燥して金属塩粒子
を得た。この金属塩粒子をキャリアガスとともに熱分解
合成炉に送り、最高温度が1200℃の電気炉内に1秒
間滞留させて熱分解合成した後、キャリアガス中の硫黄
を冷却器内で除去してから、蛍光体粒子を室温まで冷却
して得た。
【0033】得られた蛍光体の粉末X線回折パターンを
調べたところ、不純物相の存在しない単相の(Y0.96,
Eu0.042 2 S蛍光体粒子が生成していることが分
かった。また、この蛍光体粒子は、表面が滑らかで粒径
の揃った球状であり、その重量中央粒径は1.0μmで
あった。この蛍光体に電子線を照射して発光スペクトル
を測定したところ、良好な赤色発光を示した。
【0034】(実施例2)蛍光体の化学組成が
(Y0.96, Eu0.042 2 Sとなるように酸化イット
リウムと酸化ユーロピウムをそれぞれ希硫酸に溶解して
溶質濃度Cが0.1の均質な金属塩水溶液を調製した。
キャリアガスとして硫化水素を20体積%含有する窒素
を使用し、1.7MHzで振動する振動子を有する超音
波噴霧器を使用して、上記の金属塩水溶液をキャリアガ
ス中に噴霧して微小液滴を形成した。この微小液滴を、
加熱速度が毎秒50℃となるように昇温して200℃で
加熱乾燥して金属塩粒子を得た。
【0035】この金属塩粒子をキャリアガスとともに熱
分解合成炉に送り、最高温度が1200℃の電気炉に1
秒間滞留させて熱分解合成して酸硫化物粒子を得た。こ
の酸硫化物粒子をアルミナ坩堝に充填し、還元雰囲気中
で500℃1時間加熱して、粒子表面の硫黄を除去して
蛍光体粒子を得た。得られた蛍光体の粉末X線回折パタ
ーンを調べたところ、不純物相は存在せず、単相の(Y
0.96, Eu0.042 2 S蛍光体粒子が生成しているこ
とが分かった。また、この蛍光体粒子は、表面が滑らか
で粒径の揃った球状であり、その重量中央粒径は0.7
μmであった。この蛍光体に電子線を照射して発光スペ
クトルを測定したところ、良好な赤色発光を示した。
【0036】(実施例3)蛍光体の化学組成が
(Y0.96, Eu0.042 2 Sとなるように酸化イット
リウムと酸化ユーロピウムをそれぞれ希硫酸に溶解して
溶質濃度Cが0.1の均質な金属塩水溶液を作成した。
この水溶液に微量の硫化ソーダ水溶液を添加して金属塩
水溶液を調製した。キャリアガスとして硫化水素を4体
積%含有する窒素を使用し、1.7MHzで振動する振
動子を有する超音波噴霧器で、上記の金属塩水溶液をキ
ャリアガス中に噴霧して微小液滴を形成した。この微小
液滴を、加熱速度が毎秒50℃となるように昇温して2
00℃で加熱乾燥して金属塩粒子を得た。
【0037】この金属塩粒子をキャリアガスとともに熱
分解合成炉に送り、最高温度が1200℃の電気炉に1
秒間滞留させて熱分解合成して酸硫化物粒子を得た。こ
の酸硫化物粒子を水で洗浄して表面から硫化ソーダを除
去した後、アルミナ坩堝に充填し、還元雰囲気中で50
0℃1時間加熱して、粒子表面の硫黄を除去して蛍光体
粒子を得た。得られた蛍光体の粉末X線回折パターンを
調べたところ、不純物相は存在せず、単相の(Y0.96,
Eu0.042 2 S蛍光体粒子が生成していることが分
かった。また、この蛍光体粒子は、表面が滑らかで粒径
の揃った球状であり、その重量中央粒径は0.7μmで
あった。この蛍光体に電子線を照射して発光スペクトル
を測定したところ、良好な赤色発光を示した。
【0038】(比較例1)実施例3において、キャリア
ガスとして硫化水素を含有しない窒素を使用した以外
は、実施例3と同様にして蛍光体粒子を得た。得られた
蛍光体の粉末X線回折パターンを調べたところ、目的の
酸硫化物蛍光体は生成しておらず、代わりに酸化物蛍光
体が生成していることが分かった。
【0039】(実施例4)実施例3において、熱分解炉
の最高温度を800℃に設定した以外は、実施例3と同
様にして蛍光体を得た。得られた蛍光体の粉末X線回折
パターンを調べたところ、不純物相の存在しない単相の
(Y0.96, Eu0.042 2 S蛍光体粒子が生成してい
ることが分かった。そして、この粒子の形状は、表面が
滑らかで粒径の揃った球状であり、その重量中央粒径は
0.7μmだった。しかし、この蛍光体に電子線を照射
して発光スペクトルを測定したところ、赤色発光を示し
た。
【0040】
【発明の効果】本発明は、上記の構成を採用することに
より、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状で、か
つ高純度で化学組成が均一であるため、発光強度に優れ
た酸硫化物蛍光体を安価に提供することが可能になり、
その結果、ブラウン管やX線増感紙に適した均質で緻密
な高輝度蛍光膜を容易に形成できるようになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 徹治 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社内 (72)発明者 下村 康夫 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オプ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G083 AA02 BB01 DD01 DD02 DD11 DD12 DD14 DD15 EE02 EE03 EE07 2G088 FF02 FF04 GG10 JJ37 LL15 4G076 AA13 AB07 BA06 BB03 BD02 CA03 CA04 DA30 4H001 CA01 CA04 CA06 CA08 CF02 XA08 XA16 XA39 XA57 XA64 XA71 YA12 YA22 YA25 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Y、La、Gd及びLuの群から選ばれ
    る少なくとも1種の金属元素と、Ce、Pr、Nd、S
    m、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、M
    g、Mn及びTiの群から選ばれる少なくとも1種の金
    属元素とを含有する溶液をキャリアガス中に噴霧して微
    小液滴を得た後、これを乾燥して金属塩粒子又は金属錯
    体粒子とし、さらに熱分解合成を行って酸硫化物蛍光体
    を製造する方法であって、上記熱分解合成時のキャリア
    ガス中に硫化水素を含有させることを特徴とする酸硫化
    物蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記熱分解合成時のキャリアガスの硫化
    水素含有量を0.1〜60体積%に、酸素含有量を5体
    積%以下に調整することを特徴とする請求項1記載の酸
    硫化物蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記熱分解合成時のキャリアガスが少な
    くとも水素、硫黄及び硫化水素を含むことを特徴とする
    請求項1又は2記載の酸硫化物蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記の金属元素含有溶液が硝酸塩水溶液
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の酸硫化物蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記の金属元素含有溶液にチオ尿素又は
    チオアセトアミドを添加することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の酸硫化物蛍光体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 上記熱分解合成工程では、1000〜1
    300℃の温度で0.5秒間〜10分間加熱して熱分解
    合成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の酸硫化物蛍光体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記熱分解合成後のキャリアガスから少
    なくとも硫黄の一部分を除去した後、上記の蛍光体を前
    記キャリアガス中で冷却することを特徴とする請求項1
    〜6のいずれか1項に記載の酸硫化物蛍光体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記熱分解合成工程で得た蛍光体粒子
    を、還元性雰囲気中で150〜1300℃で1分間〜2
    4時間加熱して上記蛍光体粒子表面の硫黄を除去するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の酸
    硫化物蛍光体の製造方法。
JP2000265368A 2000-09-01 2000-09-01 酸硫化物蛍光体の製造方法 Pending JP2002069441A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000265368A JP2002069441A (ja) 2000-09-01 2000-09-01 酸硫化物蛍光体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000265368A JP2002069441A (ja) 2000-09-01 2000-09-01 酸硫化物蛍光体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002069441A true JP2002069441A (ja) 2002-03-08

Family

ID=18752644

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000265368A Pending JP2002069441A (ja) 2000-09-01 2000-09-01 酸硫化物蛍光体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002069441A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004029657A1 (ja) * 2002-09-26 2006-01-26 株式会社東芝 放射線検出器用蛍光体シートおよびそれを用いた放射線検出器と放射線検査装置
JP2006206892A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Showa Denko Kk 蛍光体及びその製造方法並びにランプ
JPWO2013051165A1 (ja) * 2011-10-03 2015-03-30 株式会社東芝 X線検出器用増感紙、x線検出器、およびx線検査装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2004029657A1 (ja) * 2002-09-26 2006-01-26 株式会社東芝 放射線検出器用蛍光体シートおよびそれを用いた放射線検出器と放射線検査装置
JP4607587B2 (ja) * 2002-09-26 2011-01-05 株式会社東芝 放射線検出器用蛍光体シートおよびそれを用いた放射線検出器と放射線検査装置
JP2006206892A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Showa Denko Kk 蛍光体及びその製造方法並びにランプ
JPWO2013051165A1 (ja) * 2011-10-03 2015-03-30 株式会社東芝 X線検出器用増感紙、x線検出器、およびx線検査装置
JP2017120268A (ja) * 2011-10-03 2017-07-06 株式会社東芝 X線検出器用増感紙、x線検出器、およびx線検査装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6712993B2 (en) Phosphor and its production process
JP2004162057A (ja) 蛍光体
US7001537B2 (en) Phosphor and its production process
JP2002069441A (ja) 酸硫化物蛍光体の製造方法
JP2000336353A (ja) アルミン酸塩蛍光体の製造方法
JP2000087033A (ja) 蛍光体の製造方法
JP2004277543A (ja) 蛍光体粒子の製造方法
KR100481618B1 (ko) 나노 입자크기를 갖는 적색 형광체의 제조방법
JP2004256763A (ja) 蛍光体の製造方法
EP1236784A1 (en) Method for producing phosphor
JP4266488B2 (ja) 中空粒子からなる蛍光体、その製造方法及び蛍光体スラリー
JP2002322472A (ja) 蛍光体及びその製造方法
JPH03207787A (ja) 希土類ケイ酸塩蛍光体およびその製法
JP2000109825A (ja) テルビウム付活アルミン酸イットリウム蛍光体の製造方法
JP2001152144A (ja) 蛍光体の製造方法
JP2002322470A (ja) 蛍光体及びその製造方法
US20020182140A1 (en) Method for producing phosphor
JP2003201118A (ja) 無機金属化合物粉末の製造方法
JP2005002157A (ja) 蛍光体の製造方法
JP2002155276A (ja) 希土類燐酸塩蛍光体の製造方法
JP2000096048A (ja) テルビウム付活珪酸イットリウム蛍光体の製造方法
KR20020046101A (ko) 분무열분해법에 의한 pdp용 적색 형광체의 제조방법
JP2003034787A (ja) 蛍光体及びその製造方法
JP2001152146A (ja) 蛍光体の製造方法
JP2002322469A (ja) 蛍光体及びその製造方法