JP2000336353A - アルミン酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents

アルミン酸塩蛍光体の製造方法

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JP2000336353A
JP2000336353A JP11149360A JP14936099A JP2000336353A JP 2000336353 A JP2000336353 A JP 2000336353A JP 11149360 A JP11149360 A JP 11149360A JP 14936099 A JP14936099 A JP 14936099A JP 2000336353 A JP2000336353 A JP 2000336353A
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aqueous solution
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phosphor
aluminate
aluminate phosphor
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Uletto Lengoro Ignatius
ウレット レンゴロ イグナティウス
Kikuo Okuyama
喜久夫 奥山
Naoto Kijima
直人 木島
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Kasei Optonix Ltd
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Kasei Optonix Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状の
アルミン酸塩蛍光体を製造する方法、さらには、高純度
で化学組成が均一で、発光特性が優れたアルミン酸塩蛍
光体を安価に製造する方法を提供しようとするものであ
る。 【解決手段】 Ba、Sr及びCaから成る群より選択
される少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、Eu及
び/又はMn、Mg、並びにAlを含有する水溶液を作
成し、該水溶液からなる液滴をキャリアガスで熱分解反
応炉内に導入し、0.1秒間〜10分間、1300〜2
000℃の温度で加熱することを特徴とするアルミン酸
塩蛍光体の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光ランプ及びプ
ラズマディスプレーパネル(PDP)などの製造に適し
たアルミン酸塩蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプやPDPなどに用いる複合酸
化物蛍光体は、従来、原料粉末を混合し、坩堝などの焼
成容器中で高温で長時間加熱することにより固相反応で
生成し、ボールミルなどで微粉砕して目的の蛍光体を得
てきた。
【0003】しかし、この方法で製造された蛍光体は、
不定形状微粒子の凝集粒子からなっており、この蛍光体
を上記用途に適用すると、蛍光膜が不均質になり充填密
度が低くなるため、発光特性も低くなる。また、この蛍
光体は、固相反応後にボールミルなどにより微粉砕処理
されるが、この処理で物理的衝撃が加えられたり、結晶
表面からの元素の離脱などが起こる。その結果、蛍光体
粒子内や表面に欠陥が発生して発光強度が低下するとい
う問題があった。さらには、坩堝などの焼成容器で長時
間高温に加熱されると、坩堝から不純物が混入して発光
特性を低下させたり、原料粉末の粒度によっては固相反
応が十分に進行せず、不純物相を発生させて発光特性の
低下を招くことがあった。また、長時間高温で加熱する
ため、エネルギー消費が大きくなり、蛍光体の製造コス
トを高くしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状
のアルミン酸塩蛍光体を製造する方法、さらには、高純
度で化学組成が均一で、発光特性が優れたアルミン酸塩
蛍光体を安価に製造する方法を提供しようとするもので
ある。この蛍光体は、蛍光ランプやPDPなどに用いる
ときには、均質で緻密な高輝度蛍光膜の形成を可能にす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
採用することにより、上記の課題の解決に成功した。 (1) Ba、Sr及びCaから成る群より選択される少な
くとも一種のアルカリ土類金属元素、Eu及び/又はM
n、Mg、並びにAlを含有する水溶液を作成し、該水
溶液からなる液滴をキャリアガスで熱分解反応炉内に導
入し、0.1秒間〜10分間、1300〜2000℃の
温度で加熱することを特徴とするアルミン酸塩蛍光体の
製造方法。
【0006】(2) Ba、Sr及びCaから成る群より選
択される少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、Eu
及び/又はMn、Mg、並びにAlを含有する水溶液を
作成し、該水溶液からなる液滴をキャリアガスで熱分解
反応炉内に導入し、0.1秒間〜10分間、1300〜
2000℃の温度で加熱した後、さらに1秒間〜24時
間、1200〜1800℃の温度で再び加熱することを
特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。 (3) 上記の第1段の加熱を不活性ガス雰囲気で、第2段
の加熱を還元性ガス雰囲気で行うことを特徴とする上記
(2) 記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
【0007】(4) 上記水溶液を構成するそれぞれの可溶
性金属塩が、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、及びカ
ルボン酸塩の群から選択される一種以上の金属塩である
ことを特徴とする上記(1) 〜(3) のいずれか一つに記載
のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。 (5) 上記水溶液から得られるアルミン酸塩蛍光体が、一
般式 (M1-x ,Eux )O・ a(Mg1-y ,Mny )O・
(5.5 −0.5a)Al2 3 (式中、MはBa、Sr及びCaから成る群より選択さ
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素を表し、a
は0<a≦2の実数を表し、x及びyはそれぞれ0≦x
<1、0≦y<1の実数を表し、かつ、xとyはともに
0になることはない。)で表される化学組成となるよう
に上記水溶液中の金属元素比を調整することを特徴とす
る上記(1) 〜(4) のいずれか一つに記載のアルミン酸塩
蛍光体の製造方法。
【0008】(6) 上記(5) 記載の一般式において、x及
びyがそれぞれ0≦x≦0.5、0≦y≦0.2の実数
で、かつxとyはともに0にならないように調整するこ
とを特徴とする上記(5) 記載のアルミン酸塩蛍光体の製
造方法。 (7) 上記水溶液内のBa、Sr及びCaから成る群より
選択される少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、E
u及び/又はMn、Mg、並びにAlの溶質濃度Cを、
0.01≦C≦5 (Cは水溶液1リットルに含有され
る全ての金属元素の合計のモル数)の範囲に調整するこ
とを特徴とする上記(1) 〜(6) のいずれか一つに記載の
アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
【0009】(8) 上記水溶液の液滴化手段として、超音
波を用いる噴霧化法を採用することを特徴とする上記
(1) 〜(7) のいずれか一つに記載のアルミン酸塩蛍光体
の製造方法。 (9) 上記水溶液に、フッ素を含有する水溶性化合物をフ
ラックスとして添加することを特徴とする上記(1) 〜
(8) のいずれか1つに記載のアルミン酸塩蛍光体の製造
方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の蛍光体の製造方法において、Ba、Sr及
びCaから成る群より選択される少なくとも一種のアル
カリ土類金属元素、Eu及び/又はMn、Mg、並びに
Alを含有する水溶液を作成するために用いられる原料
は、これらの元素を含有する硝酸塩、塩化物、硫酸塩等
の無機塩や、酢酸塩等の有機金属化合物など、水に可溶
であり、しかも、高温に加熱した際に酸化物を生成する
ものであればその種類を問わない。しかし、蛍光体の合
成を容易にするためには、硝酸バリウム、硝酸ストロン
チウム、硝酸カルシウム、硝酸ユーロピウム、硝酸マン
ガン、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムなど硝酸塩
原料が加熱で容易に分解できるので特に好ましい。な
お、良好な発光特性を得るためには、キラーセンターと
なる鉄やニッケルなどの不純物元素の含有量が少ない原
料が良い。
【0011】上記水溶液を作成するときの金属元素の混
合比は、得られるアルミン酸塩蛍光体が、一般式 (M1-x ,Eux )O・ a(Mg1-y ,Mny )O・
(5.5 −0.5a)Al2 3 (式中、MはBa、Sr及びCaから成る群より選択さ
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素を表し、a
は0<a≦2の実数を表し、x及びyはそれぞれ0≦x
<1、0≦y<1の実数を表し、かつ、xとyがともに
0になることはない。)で表される化学組成となるよう
に、上記水溶液中の金属元素比を調整することが好まし
い。その中でも、x及びyを0≦x≦0.5、及び、0
≦y≦0.2の範囲にすると、さらに良い発光特性を示
す蛍光体が得られる。xが0.5を超え、又はyが0.
2を超えると輝度が低下し、aが2を超えると結晶組成
において不純物が多くなり、その結果、輝度の高い結晶
を得ることができなくなる。
【0012】これらの原料を水に投入して攪拌して十分
に溶解させる。溶液内の上記各元素濃度は、超音波噴霧
等により形成される液滴の直径を考慮して調整され、蛍
光体粒子の直径を決定する。即ち、蛍光体粒子直径に対
する液滴直径の比が大きければ、溶液内の溶質濃度を低
くし、その比が小さければ溶質濃度を高く調整する。良
好な蛍光体を合成するためには、水溶液内のBa、Sr
及びCaから成る群より選択される少なくとも一種のア
ルカリ土類金属元素、Eu及び/又はMn、Mg、並び
にAlの溶質濃度Cが、0.01≦C≦5の範囲内であ
ることが好ましい。ここで、Cは、水溶液1リットルに
含有される全ての金属元素の合計のモル数である。溶質
濃度Cが0.01を下回ると、多量の水を蒸発させる必
要があり、不要なエネルギーを消費することになる。ま
た、溶質濃度Cが5を上回ると、原料を溶解することが
できない。
【0013】水溶液中に少量のフラックスを添加する
と、熱分解反応時に比較的低温度で短時間に結晶性の優
れた蛍光体球状粒子を生成できる利点がある。フラック
スとしては、フッ素を含有する水溶性化合物が結晶性を
向上させるのに有効である。例えば、フッ化バリウム、
フッ化ストロンチウム、フッ化カルシウム、フッ化マグ
ネシウム、フッ化マンガン、フッ化アルミニウム、フッ
化ユーロピウムなど、蛍光体を構成する金属元素を含有
する化合物を使用することができる。
【0014】液滴の形成は、様々な噴霧方法により実施
可能である。例えば、加圧空気で液体を吸い上げながら
噴霧して直径1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電
結晶からの2MHz程度の超音波を利用して直径4〜1
0μmの液滴を形成する方法、穴径が10〜20μmの
オリフィスを振動子で振動させ、そこへ一定の速度で液
体を供給し、振動数に応じて一定量ずつ穴から放出さ
せ、直径5〜50μmの液滴を形成する方法、回転して
いる円板上に液体を一定速度で落下させ遠心力で直径2
0〜100μmの液滴を形成する方法、液体表面に高い
電圧を引加して直径0.5〜10μmの液滴を発生する
方法などを採用することができる。蛍光ランプやPDP
などに適したサブミクロンからミクロンオーダーの、粒
径の揃ったアルミン酸塩蛍光体を製造するには、液滴径
の比較的均一な4〜10μmの液滴を形成できる超音波
噴霧法が好適である。
【0015】形成された液滴は、キャリアガスにより熱
分解反応炉内に導入され加熱されて蛍光体粒子となる。
溶液の種類、キャリアガスの種類、キャリアガス流量、
熱分解反応炉内の温度など加熱速度に影響を与える因子
により、中空の球、ポーラス、中の詰まった粒子、破砕
された粒子など、生成する粒子の形態及び表面状態が変
化する。キャリアガスとしては、EuやMnの価数を制
御するために、窒素、水素、少量の水素を含む窒素やア
ルゴンなどを使用できるが、良好な発光特性を得るため
には、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴンなどの還
元性ガスが好ましい。
【0016】熱分解反応は、1300〜2000℃、好
ましくは1400〜1800℃の範囲の温度で行われ
る。熱分解反応温度が1300℃より低いと、結晶性が
低下する上、EuやMnが結晶内で十分に付活されず、
発光特性が低くなる。一方、熱分解反応温度が2000
℃より高くなると、不要なエネルギーが消費され、焼成
炉に対する負担が増加する。熱分解反応の滞留時間を短
縮して生産性を上げるためには、熱分解反応温度を14
00℃〜1800℃の範囲の温度にするのがより好まし
い。
【0017】熱分解反応は、0.1秒間〜10分間、好
ましくは0.5秒間〜1分間熱分解炉中に滞留させるこ
とが好ましい。反応時間が0.5秒間より短すぎると、
結晶性が低い上に、EuやMnが結晶内で十分に付活さ
れず、発光特性が低くなる。一方、反応時間が10分間
より長すぎると、不要なエネルギーが無駄に消費される
ことになる。
【0018】熱分解に際しては、先ず、熱分解反応炉に
おいて熱分解反応を行って所定の結晶相から成る蛍光体
粒子を得た後に、さらに、これを再加熱処理しても良
い。このように2段階に分けて焼成を行い、その粒子の
結晶性を高めると同時にEuやMnを結晶内で十分に付
活させることは、発光特性の良好な球状蛍光体を得るた
めに有効な手段である。その際、第1段を不活性ガス雰
囲気で加熱し、第2段を還元性雰囲気で加熱することが
好ましい。特に第2段の加熱ではEu3+→Eu2+及びM
4+→Mn2+の反応が起こるので、還元性雰囲気を保持
することが重要になる。
【0019】この2段階焼成法は、キャリアガスで液滴
を熱分解反応炉内に導入して1300〜2000℃の温
度で0.1秒間〜10分間だけ加熱した後、さらに12
00〜1800℃の温度で1秒間〜24時間再び加熱処
理すると、発光特性の良好な球状蛍光体を得ることがで
きる。再加熱処理は得られる蛍光体の発光輝度や発光色
の色純度の点で還元性雰囲気で行うことが好ましい。こ
の時、再加熱の温度が1200℃より低いか、又は熱分
解反応時間が1秒間より短いと、結晶性が低くなり、か
つEuやMnが結晶内で十分に付活されず、発光特性が
低くなる。一方、温度が1800℃より高いか、又は熱
分解反応時間が24時間より長いと、不要なエネルギー
を消費するだけでなく、凝集粒子が多数生成するため、
緻密な蛍光膜を形成することができず、所望の発光特性
が得ることができない。
【0020】また、第1の加熱工程の熱分解反応温度が
1300℃より低いか、熱分解反応時間が0.1秒より
短い場合は、結晶性が十分に良好とならず、これを第2
の加熱工程の1200〜1800℃の温度で1秒間〜2
4時間再加熱処理しても、結晶性は良好となるものの、
極めて多数の凝集粒子が生成するために、緻密な蛍光膜
を形成することはできず、所望の発光特性を得ることが
できなくなる。なお、この2段階焼成法のより好ましい
条件は、第1段の焼成を1300〜2000℃の温度で
0.1秒間〜10分間だけ加熱した後、さらに1300
〜1800℃の温度で0.5秒間〜8時間再び加熱処理
するのがよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 (実施例1)蛍光体の化学組成が(Ba0.9,Eu0.1
O・MgO・5Al2 3 となるように硝酸バリウム、
硝酸ユーロピウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウ
ムをそれぞれ水に溶解し、少量の硝酸を添加して溶質濃
度Cが0.3の均質な溶液を作成した。この液を1.7
MHzで振動する振動子を有する超音波噴霧器に入れて
液滴を形成し、窒素をキャリアガスとして使用して15
00℃の温度に保持した管状炉内にこの液滴を導入し1
秒間熱分解反応を行い蛍光体を得た。
【0022】得られた蛍光体にCuKα線を照射して粉
末X線回折パターンを調べたところ、図1の(1)に示
すように、不純物相の存在しない単相の蛍光体が生成し
ていた。この蛍光体粒子は、走査型電子顕微鏡写真で観
察すると、図2に示すように表面が滑らかで粒径の揃っ
た球状を呈しており、その平均粒径は0.6μmであっ
た。この蛍光体について波長254nmの紫外線を照射
して発光スペクトルを測定したところ、波長450nm
に発光強度2640の主発光ピークが観察され、良好な
青色発光を示すことが分かった。なお、この蛍光体は波
長がおよそ147μmの真空紫外線並びに電子線を照射
するときにも、波長254nmの紫外線を照射した場合
と同様に良好な青色発光を示した。
【0023】(実施例2)実施例1において、熱分解反
応温度を1700℃、熱分解反応時間を0.9秒に変更
した以外は実施例1と同一の条件で蛍光体を合成した。
得られた蛍光体の粉末X線回折パターンを調べたとこ
ろ、図1の(3)に示すように、単相で良好な結晶性を
示す蛍光体が生成していた。この蛍光体は、粒径の揃っ
た球状であり、その平均粒径は0.6μmだった。この
蛍光体について実施例1と同一の条件で波長254nm
の紫外線を照射して発光スペクトルを測定したところ、
波長450nmに発光強度2300の主発光ピークが観
察され、良好な青色発光を示すことが分かった。なお、
この蛍光体は波長がおよそ147μmの真空紫外線並び
に電子線を照射するときにも、波長254nmの紫外線
を照射した場合と同様に良好な青色発光を示した。
【0024】(実施例3)蛍光体の化学組成が(Ba
0.9,Eu0.1 )O・MgO・5Al2 3 となるように
硝酸バリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸マグネシウム、
硝酸アルミニウムをそれぞれ水に溶解し、少量の硝酸を
添加して溶質濃度Cが0.3の均質な溶液を作成した。
この液を1.7MHzで振動する振動子を有する超音波
噴霧器に入れて液滴を形成し、窒素をキャリアガスとし
て使用して1500℃の温度に保持した管状炉内にこの
液滴を導入し1秒間熱分解反応を行い蛍光体粒子を得
た。
【0025】この粒子をマッフル炉中に静置して還元性
雰囲気の下1300℃で3時間再加熱して蛍光体を得
た。得られた蛍光体の粉末X線回折パターンを調べたと
ころ、図1の(2)に示すように良好な結晶性を示し
た。この蛍光体は、粒径の揃った球状であり、その平均
粒径は0.6μmであった。この蛍光体について実施例
1と同一の条件で波長254nmの紫外線を照射して発
光スペクトルを測定したところ、波長450nmに発光
強度2800の主発光ピークが観察され、良好な青色発
光を示すことが分かった。なお、この蛍光体は波長がお
よそ147μmの真空紫外線並びに電子線を照射しても
波長254nmの紫外線を照射した場合と同様に良好な
青色発光を示した。
【0026】(実施例4)蛍光体の化学組成が(Ba
0.93, Eu0.07)O・MgO・5Al2 3 となるよう
に硝酸バリウム、硝酸ユーロピウム、硝酸マグネシウ
ム、硝酸アルミニウムをそれぞれ水に溶解し、少量の硝
酸を添加して溶質濃度Cが0.8の均質な溶液を作成し
た。この液を1.7MHzに振動する振動子を有する超
音波噴霧器に入れて液滴を形成し、水素を5%含む窒素
をキャリアガスとして使用して1500℃の温度に保持
した管状炉内にこの液滴を導入し2秒間熱分解反応を行
い蛍光体を得た。
【0027】得られた蛍光体の粉末X線回折パターンを
調べたところ、良好な結晶性を示した。この蛍光体は、
粒径の揃った球状であり、その平均粒径は1.0μmで
あった。この蛍光体について実施例1と同一の条件で波
長254nmの紫外線を照射して発光スペクトルを測定
したところ、波長447nmに発光強度4560の主発
光ピークが観察され、非常に良好な青色発光を示すこと
が分かった。なお、この蛍光体は波長がおよそ147μ
mの真空紫外線並びに電子線を照射しても、波長254
nmの紫外線を照射した場合と同様に良好な青色発光を
示した。
【0028】(比較例1)実施例1において、熱分解反
応温度を1200℃、熱分解反応時間を1.2秒に変更
した以外は実施例1と同一の条件で蛍光体を合成した。
得られた蛍光体は、粒径の揃った球状であったが、粉末
X線回折法で調べたところ結晶質ピークがみられず非晶
質だった。この蛍光体に波長254nmの紫外線を照射
したが、発光を示さなかった。
【0029】(比較例2)実施例3において、第1段の
焼成条件の熱分解反応温度を1200℃、熱分解反応時
間を1.2秒に変更した以外は実施例3と同一の条件で
蛍光体を合成した。得られた蛍光体は、良好な結晶性を
示したが、図3の走査型電子顕微鏡写真に示すように、
粒子同士が強く融着していた。
【0030】
【発明の効果】本発明は上記の構成を採用することによ
り、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状のアルミ
ン酸塩蛍光体を得ることができ、蛍光ランプやPDPな
どに適した均質で緻密な高輝度蛍光膜の形成が可能とな
った。また、高純度で化学組成が均一であるため、発光
特性の優れたアルミン酸塩蛍光体を安価に製造すること
が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1〜3で得た蛍光体の粉末X線回折パタ
ーンである。
【図2】実施例1で得た蛍光体の走査型電子顕微鏡写真
である。
【図3】比較例2で得た蛍光体の走査型電子顕微鏡写真
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木島 直人 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4H001 CF02 XA08 XA12 XA13 XA20 XA25 XA38 XA56 YA25 YA63

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ba、Sr及びCaから成る群より選択
    される少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、Eu及
    び/又はMn、Mg、並びにAlを含有する水溶液を作
    成し、該水溶液からなる液滴をキャリアガスで熱分解反
    応炉内に導入し、0.1秒間〜10分間、1300〜2
    000℃の温度で加熱することを特徴とするアルミン酸
    塩蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 Ba、Sr及びCaから成る群より選択
    される少なくとも一種のアルカリ土類金属元素、Eu及
    び/又はMn、Mg、並びにAlを含有する水溶液を作
    成し、該水溶液からなる液滴をキャリアガスで熱分解反
    応炉内に導入し、0.1秒間〜10分間、1300〜2
    000℃の温度で加熱した後、さらに1秒間〜24時
    間、1200〜1800℃の温度で再び加熱することを
    特徴とするアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記の第1段の加熱を不活性ガス雰囲気
    で、第2段の加熱を還元性ガス雰囲気で行うことを特徴
    とする請求項2記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記水溶液を構成するそれぞれの可溶性
    金属塩が、硝酸塩、、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、及びカ
    ルボン酸塩の群から選択される一種以上の金属塩である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    アルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記水溶液から得られるアルミン酸塩蛍
    光体が、一般式 (M1-x ,Eux )O・ a(Mg1-y ,Mny )O・
    (5.5 −0.5a)Al2 3 (式中、MはBa、Sr及びCaから成る群より選択さ
    れる少なくとも一種のアルカリ土類金属元素を表し、a
    は0<a≦2の実数を表し、x及びyはそれぞれ0≦x
    <1、0≦y<1の実数を表し、かつ、xとyはともに
    0になることはない。)で表される化学組成となるよう
    に上記水溶液中の金属元素比を調整することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルミン酸塩蛍
    光体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の一般式において、x及び
    yがそれぞれ0≦x≦0.5、0≦y≦0.2の実数
    で、かつxとyはともに0にならないように調整するこ
    とを特徴とする請求項5記載のアルミン酸塩蛍光体の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 上記水溶液内のBa、Sr及びCaから
    成る群より選択される少なくとも一種のアルカリ土類金
    属元素、Eu及び/又はMn、Mg、並びにAlの溶質
    濃度Cを、0.01≦C≦5 (Cは水溶液1リットル
    に含有される全ての金属元素の合計のモル数)の範囲に
    調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項
    に記載のアルミン酸塩蛍光体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記水溶液の液滴化手段として、超音波
    を用いる噴霧化法を採用することを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか一項に記載のアルミン酸塩蛍光体の製造
    方法。
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