JP2002155276A - 希土類燐酸塩蛍光体の製造方法 - Google Patents

希土類燐酸塩蛍光体の製造方法

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JP2002155276A JP2000352355A JP2000352355A JP2002155276A JP 2002155276 A JP2002155276 A JP 2002155276A JP 2000352355 A JP2000352355 A JP 2000352355A JP 2000352355 A JP2000352355 A JP 2000352355A JP 2002155276 A JP2002155276 A JP 2002155276A
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phosphorus
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Uletto Lengoro Ignatius
ウレット レンゴロ イグナティウス
Kikuo Okuyama
喜久夫 奥山
Naoto Kijima
直人 木島
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Mitsubishi Chemical Corp
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Kasei Optonix Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粒度分布が狭く凝集粒子が少なく、球状で高
純度で化学組成が均一であり、発光特性の優れ、陰極線
管、蛍光ランプ、PDP、及びFEDなどの塗布膜の形
成に適した希土類燐酸塩蛍光体を安価に製造する方法を
提供しようとするものである。 【解決手段】 La、Gd及びYから選ばれる少なくと
も1種類の希土類元素、P、Ce並びにTbを溶解した
蛍光体原料水溶液を調製し、これを液滴状にした後、こ
の液滴をキャリアガスとともに熱分解反応炉内に導入し
て800℃〜1900℃の範囲内の加熱温度で1秒間〜
10分間加熱して希土類燐酸塩蛍光体を製造する方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管、蛍光ラ
ンプ、プラズマディスプレーパネル(PDP)、フィー
ルドエミッションディスプレー(FED)などに用いる
ことが可能な希土類燐酸塩蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管、蛍光ランプ、PDP、FED
などに用いられる複合酸化物蛍光体は、従来、原料粉末
を混合したものを坩堝などの焼成容器に入れた後、高温
で長時間加熱することにより固相反応を起こさせ、それ
をボールミルなどで微粉砕することにより製造されてき
た。
【0003】しかし、この方法で製造された蛍光体は、
不規則形状粒子が凝集した粉末からなっており、この蛍
光体を前記用途に適用すると、蛍光膜が不均質となり充
填密度が低下するため、発光強度が低かった。また、固
相反応後、ボールミルなどによる微粉砕処理中に蛍光体
に物理的・化学的な衝撃が加えられるため、蛍光体粒子
内や粒子表面に欠陥が発生して発光強度が低下するとい
う不都合があった。
【0004】さらには、坩堝などの焼成容器に入れて高
温で長時間加熱するため、坩堝からの不純物が混入して
発光強度が低下する。また、原料粉末の粒度によっては
固相反応が十分に進行せず、不純物相が混在して発光強
度の低下を招くことがあった。また、高温で長時間加熱
するため、消費エネルギーが大きくなり、蛍光体の製造
コストを高くしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消し、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状
で、高純度で、化学組成が均一であり、発光特性の優れ
た希土類燐酸塩蛍光体を安価に製造する方法を提供しよ
うとするものである。本発明で製造される蛍光体は、陰
極線管、蛍光ランプ、PDP、FEDなどの蛍光体塗布
膜の形成に適した均質で緻密な高輝度蛍光膜を形成する
ことを可能にしたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
採用することにより上記の課題の解決を可能にした。 (1) ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)及びイッ
トリウム(Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類
元素、リン(P)、セリウム(Ce)並びにテルビウム
(Tb)を溶解した蛍光体原料水溶液を調製し、これを
液滴状にした後、この液滴をキャリアガスとともに熱分
解反応炉内に導入して800℃〜1900℃の範囲内の
加熱温度で1秒間〜10分間加熱することを特徴とする
希土類燐酸塩蛍光体の製造方法。 (2) 前記加熱温度が900℃〜1600℃の範囲内にあ
ることを特徴とする前記(1) 記載の希土類燐酸塩蛍光体
の製造方法。
【0007】(3) 前記ランタン(La)、ガドリニウム
(Gd)及びイットリウム(Y)から選ばれる1種類の
希土類元素、セリウム(Ce)、並びにテルビウム(T
b)のそれぞれの元素の化合物として酸化物若しくは硝
酸塩を用い、前記リン(P)の元素の化合物が燐酸若し
くは燐酸二水素アンモニウムを用いることを特徴とする
前記(1) 又は(2) 記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方
法。
【0008】(4) 前記蛍光体原料水溶液におけるランタ
ン(La)、ガドリニウム(Gd)及びイットリウム
(Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類元素、セ
リウム(Ce)、テルビウム(Tb)並びにリン(P)
の混合モル比を、下記式を満たすように調整することを
特徴とする前記(1) 〜(3) のいずれか1つに記載の希土
類燐酸塩蛍光体の製造方法。 0.25≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.80 0.15≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40 0.05≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.35 0.90≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.10 (ここで、Ml、Mc、Mt及びMpは、前記希土類元
素、セリウム元素、テルビウム元素及びリン元素のモル
数を示す。)
【0009】(5) 前記蛍光体原料水溶液におけるランタ
ン(La)、ガドリニウム(Gd)及びイットリウム
(Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類元素、セ
リウム(Ce)、テルビウム(Tb)並びにリン(P)
の混合モル比を、下記式を満たすように調整することを
特徴とする前記(4) 記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方
法。 0.30≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.70 0.20≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40 0.10≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.30 0.95≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.05
【0010】(6) 前記蛍光体原料水溶液におけるランタ
ン(La)、ガドリニウム(Gd)及びイットリウム
(Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類元素、セ
リウム(Ce)、テルビウム(Tb)並びにリン(P)
の溶質濃度Cが、下記式を満たすことを特徴とする前記
(1) 〜(5) のいずれか1つに記載の希土類燐酸塩蛍光体
の製造方法。 0.01≦C≦5 (ここで、Cは、水溶液1リットルに含有される、ラン
タン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる1種
類の希土類元素、セリウム、テルビウム並びにリンの合
計のモル数である。)
【0011】(7) 前記蛍光体原料水溶液中にリン元素
(P)のモル数に対して1〜500ppmのアルミニウ
ム(Al)を含有させることを特徴とする前記(1) 〜
(6) のいずれか1つに記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造
方法。 (8) 前記蛍光体原料水溶液の液滴化手段として超音波を
利用した噴霧方法を採用することを特徴とする前記(1)
〜(7) のいずれか1つに記載の希土類燐酸塩蛍光体の製
造方法。
【0012】(9) 前記キャリアガスとして還元性ガスを
使用することを特徴とする前記(1)〜(8) のいずれか1
つに記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方法。 (10)前記キャリアガスとして水素含有窒素ガスを使用す
ることを特徴とする前記(9) 記載の希土類燐酸塩蛍光体
の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、予め蛍光体原料水溶液
を調製した後、これを液滴状にしてキャリアガスととも
に熱分解炉で加熱分解して希土類燐酸塩蛍光体を製造す
るところから、蛍光体原料のランタン(La)、ガドリ
ニウム(Gd)、イットリウム(Y)、リン(P)、セ
リウム(Ce)及びテルビウム(Tb)の各金属元素の
化合物は水溶性を有し、かつ高温で加熱することにより
分解して稀土類燐酸塩を形成するものであればその種類
を問わない。
【0014】本発明の蛍光体の合成を容易にするために
は、前記元素のうち、ランタン(La)、ガドリニウム
(Gd)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)及び
テルビウム(Tb)の化合物は、水溶性の酸化物若しく
は硝酸塩が適しており、具体的には酸化ランタン、酸化
ガドリニウム、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化
テルビウム、硝酸ランタン、硝酸ガドリニウム、硝酸イ
ットリウム、硝酸セリウム、硝酸テルビウムなどを使用
することができる。また、前記元素のうち、リン(P)
の化合物はリン酸、リン酸水素アンモニウムを使用する
ことができる。なお、良好な発光特性を得るためには、
キラーセンターとなる鉄やニッケルなどの不純物元素の
少ない原料が好ましい。
【0015】本発明では、液滴状にする前の蛍光体原料
水溶液中の、ランタン、ガドリニウム、イットリウム等
の希土類元素、セリウム、テルビウム、リンの混合モル
比は、下記式を満たすように調整することが好ましい。 0.25≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.80 0.15≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40 0.05≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.35 0.90≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.10 (ここで、Ml、Mc、Mt及びMpは、それぞれ前記
希土類元素、セリウム元素、テルビウム元素及びリン元
素のモル数を示す。)
【0016】前記の〔Ml/(Ml+Mc+Mt)〕、
〔Mc/(Ml+Mc+Mt)〕、〔Mt/(Ml+M
c+Mt)〕及び〔Mp/(Ml+Mc+Mt)〕の各
モル比がそれぞれ上記範囲を外れると、得られる蛍光体
の発光輝度が低下するので好ましくない。
【0017】前記蛍光体原料水溶液中の、ランタン、ガ
ドリニウム、イットリウム等の希土類元素、セリウム、
テルビウム、リンの混合モル比は、下記式のように限定
することにより、一層の良好な発光特性を得ることがで
きる。 0.30≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.70 0.20≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40 0.10≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.30 0.95≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.05
【0018】これらの原料は、水に投入し攪拌して十分
に溶解する。溶液内の前記元素濃度は、蛍光体原料水溶
液から液滴を形成するときに、液滴直径に関係し、最終
的に得られる蛍光体粒子の直径に関係する。蛍光体粒子
直径に対する液滴直径の比が大きければ、溶液内の溶質
濃度を低くし、その比が小さければ溶質濃度を高く調整
する。良好な蛍光体を合成するためには、水溶液内の前
記稀土類元素、セリウム、テルビウム、及びリンの溶質
濃度Cが、 0.01≦C≦5 の範囲内であることが好ましい。ここで、Cは、水溶液
1リットルに含有される前記希土類元素、セリウム、テ
ルビウム、及びリンの合計のモル数である。
【0019】本発明では、希土類燐酸塩蛍光体中に特定
量のアルミニウム(Al)を含有させることにより、蛍
光体の温度消光を改善することができ、かつ、蛍光膜の
形成に際し、塗布性が良好となる。これらの効果を得る
ために、原料水溶液中のリン元素(P)のモル数に対し
て1〜500ppmのAlを含有させることが好まし
い。Alの含有量が1ppmを下回ると温度消光が顕著
になり、500ppmを上回ると発光輝度が低下する。
なお、Alの含有量のより好ましい範囲は10〜450
ppmの範囲である。
【0020】本発明では、蛍光体原料水溶液中に少量の
フラックスを添加することが好ましい。フラックスの添
加は、熱分解反応時に比較的低温度で短時間で結晶性に
優れた蛍光体球状粒子を生成できる利点がある。具体的
には、燐酸リチウム、硝酸リチウム等のリチウム化合物
や、ホウ酸等のホウ素化合物などのフラックスを水溶液
中に溶解させることができる。
【0021】液滴の形成は、様々な噴霧方法により実施
可能である。例えば、加圧空気で液体を吸い上げながら
噴霧して1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電結晶
からの2MHz程度の超音波を利用して4〜10μmの
液滴を形成する方法、孔径が10〜20μmのオリフィ
スが振動子により振動し、そこへ一定の速度で供給され
ている液体が振動数に応じて一定量ずつ孔から放出され
5〜50μmの液滴を形成する方法、回転している円板
上に液を一定速度で落下させて遠心力によってその液か
ら20〜100μmの液滴を形成する方法、液体表面に
高い電圧を印加して0.5〜10μmの液滴を発生する
方法などが採用できる。陰極線管、蛍光ランプ、PD
P、FEDなどの蛍光膜に適したサブミクロンからミク
ロンオーダーの粒径の揃った希土類燐酸塩蛍光体の製造
には、液滴径の比較的均一な4〜10μmの液滴を形成
できる超音波を利用する噴霧方法が好ましい。
【0022】形成された液滴は、キャリアガスとともに
熱分解反応炉に導入し加熱して熱分解されて蛍光体粒子
を得る。溶液の種類、キャリアガスの種類、キャリアガ
ス流量、熱分解反応炉内の温度など加熱速度に影響を与
える因子を調整することにより、中空の球、ポーラス、
中の詰まった粒子、破砕された粒子など、生成粒子の形
態及び表面状態を調整することができる。
【0023】キャリアガスとしては、窒素、アルゴン、
少量の水素若しくは一酸化炭素を含む窒素やアルゴンな
どが使用できるが、良好な発光特性を得るためには、少
量の水素若しくは一酸化炭素を含む窒素やアルゴンなど
の還元性ガスが好ましい。製造コストを下げるために
は、10体積%以下の少量の水素を含む窒素がより好ま
しい。
【0024】熱分解反応は、800℃以上1900℃以
下の範囲内の温度で1秒間以上10分間以下の範囲内の
滞留時間で行われる。熱分解反応温度が800℃未満と
低すぎたり、反応時間が1秒間未満と短すぎると、結晶
性が低下するとともにセリウムやテルビウムが結晶を十
分に付活することができず発光強度が低くなる。一方、
熱分解反応温度が1900℃を超えて高すぎたり、反応
時間が10分間を超えて長すぎると、不要なエネルギー
を消費することになる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 (実施例1)蛍光体の化学組成がLa0.55Ce0.30Tb
0.15PO4 となるように硝酸ランタン、硝酸セリウム、
及び硝酸テルビウムを水に溶解し、少量の硝酸を添加し
て完全に溶解した後に、リン酸を添加して、溶質濃度C
が0.6の均質な溶液を調製した。なお、その際の〔M
l/(Ml+Mc+Mt)〕のモル比は0.55、〔M
c/(Ml+Mc+Mt)〕のモル比は0.30、〔M
t/(Ml+Mc+Mt)〕のモル比は0.15、〔M
p/(Ml+Mc+Mt)〕のモル比は1.0であっ
た。この液を1.7MHzの振動子を有する超音波噴霧
器に入れて液滴を形成し、5体積%の水素を含有する窒
素をキャリアガスとして使用し、1550℃の最高温度
に保持した管状熱分解反応炉内に前記液滴を導入して4
秒間熱分解反応を行って蛍光体粒子を得た。
【0026】得られた蛍光体は、CuKα線を照射して
粉末X線回折パターンを調べたところ、良好な結晶性を
示した。また、この蛍光体の形状は、図1の走査型電子
顕微鏡写真に示すように表面が滑らかで粒径の揃った球
状であり、その平均粒径は0.7μmだった。なお、平
均粒径は電子顕微鏡の写真画像から画像解析を行って求
めた。254nm紫外線照射下で発光スペクトルを測定
したところ、543nm近傍の波長域に発光スペクトル
のピークを有し、25℃における相対発光強度が90の
緑色発光を示すことが分かった。また、この蛍光体の2
00℃における相対発光強度は80だった。
【0027】(実施例2〜5)実施例1において、熱分
解反応温度を800〜1400℃の範囲で200℃おき
に変更した以外は実施例1と同一の条件で蛍光体を合成
した。得られた蛍光体は、単一相からなり、良好な結晶
性を示した。また、蛍光体の形状は、粒径の揃った球状
であり、その平均粒径は0.7μmだった。254nm
紫外線照射下で発光スペクトルを測定したところ、表1
に示すように、熱分解反応の温度によって発光強度に差
があるものの、いずれの蛍光体も実施例1の蛍光体と同
様に543nm近傍に発光スペクトルのピークを有する
色純度の良好な緑色発光を示すことが分かった。
【0028】(実施例6)実施例1において、管状熱分
解反応炉内での反応時間を45秒間とした以外は実施例
1と同一の条件で蛍光体を合成した。得られた蛍光体
は、単一相からなり、良好な結晶性を示した。また、こ
の蛍光体の形状は、粒径の揃った球状であり、その平均
粒径は0.7μmだった。254nm紫外線照射下で発
光スペクトルを測定したところ、543nm近傍に発光
スペクトルのピークを有する色純度の良好な緑色発光を
示し、25℃における相対発光強度は105で、200
℃にける相対発光強度は95であった。
【0029】(実施例7)実施例1において、アルミナ
含有量が300ppmとなるようにアルミナゾルを前記
蛍光体原料水溶液中に添加した以外は実施例1と同一の
条件で蛍光体を合成した。得られた蛍光体は、単一相か
らなり、良好な結晶性を示した。また、この蛍光体の形
状は、粒径の揃った球状であり、その平均粒径は0.7
μmだった。254nm紫外線照射下で発光スペクトル
を測定したところ、543nm近傍に発光スペクトルの
ピークを有する色純度の良好な緑色発光を示すことが分
かった。また、この蛍光体の相対発光強度は25℃にお
けるものも、200℃に昇温させたものも、ともに10
5であり、温度上昇に伴う発光強度の低下はほとんど認
められなかった。
【0030】(比較例1)実施例1において、熱分解反
応温度を600℃に変更した以外は実施例1と同一の条
件で蛍光体を合成した。得られた蛍光体は、粒径の揃っ
た球状であるものの、結晶性が低かった。そして、25
4nm紫外線照射下で発光スペクトルを測定して発光の
有無を確認したところ、ほとんど発光しなかった。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明は、前記構成を採用することによ
り、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、球状であるた
めに、陰極線管、蛍光ランプ、PDP、FEDなどに用
いる際に均質で緻密な高輝度蛍光膜を形成することが可
能であり、しかも、高純度で化学組成が均一であるため
に発光特性の優れた希土類燐酸塩蛍光体を安価に製造で
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の蛍光体の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 61/44 H01J 61/44 N (72)発明者 木島 直人 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4H001 CA04 CF02 XA08 XA15 XA39 XA57 XA58 XA64 XA65 5C040 GG08 GG09 MA26 5C043 AA02 AA11 CC09 DD28 EB04 EC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ランタン(La)、ガドリニウム(G
    d)及びイットリウム(Y)から選ばれる少なくとも1
    種類の希土類元素、リン(P)、セリウム(Ce)並び
    にテルビウム(Tb)を溶解した蛍光体原料水溶液を調
    製し、これを液滴状にした後、この液滴をキャリアガス
    とともに熱分解反応炉内に導入して800℃〜1900
    ℃の範囲内の加熱温度で1秒間〜10分間加熱すること
    を特徴とする希土類燐酸塩蛍光体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱温度が900℃〜1600℃の
    範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の希土類燐
    酸塩蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ランタン(La)、ガドリニウム
    (Gd)及びイットリウム(Y)から選ばれる1種類の
    希土類元素、セリウム(Ce)、並びにテルビウム(T
    b)のそれぞれの元素の化合物として酸化物若しくは硝
    酸塩を用い、前記リン(P)の元素の化合物として燐酸
    若しくは燐酸二水素アンモニウムを用いることを特徴と
    する請求項1又は2記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記蛍光体原料水溶液におけるランタン
    (La)、ガドリニウム(Gd)及びイットリウム
    (Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類元素、セ
    リウム(Ce)、テルビウム(Tb)並びにリン(P)
    の混合モル比を、下記式を満たすように調整することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の希土類
    燐酸塩蛍光体の製造方法。 0.25≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.80 0.15≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40 0.05≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.35 0.90≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.10 (ここで、Ml、Mc、Mt及びMpは、前記希土類元
    素、セリウム元素、テルビウム元素及びリン元素のモル
    数を示す。)
  5. 【請求項5】 前記蛍光体原料水溶液におけるランタン
    (La)、ガドリニウム(Gd)及びイットリウム
    (Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類元素、セ
    リウム(Ce)、テルビウム(Tb)並びにリン(P)
    の混合モル比を、下記式を満たすように調整することを
    特徴とする請求項4記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方
    法。 0.30≦Ml/(Ml+Mc+Mt)≦0.70 0.20≦Mc/(Ml+Mc+Mt)≦0.40 0.10≦Mt/(Ml+Mc+Mt)≦0.30 0.95≦Mp/(Ml+Mc+Mt)≦1.05
  6. 【請求項6】 前記蛍光体原料水溶液におけるランタン
    (La)、ガドリニウム(Gd)及びイットリウム
    (Y)から選ばれる少なくとも1種類の希土類元素、セ
    リウム(Ce)、テルビウム(Tb)並びにリン(P)
    の溶質濃度Cが、下記式を満たすことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか1項に記載の希土類燐酸塩蛍光体の
    製造方法。 0.01≦C≦5 (ここで、Cは、水溶液1リットルに含有される、ラン
    タン、ガドリニウム及びイットリウムから選ばれる1種
    類の希土類元素、セリウム、テルビウム並びにリンの合
    計のモル数である。)
  7. 【請求項7】 前記蛍光体原料水溶液中にリン元素
    (P)のモル数に対して1〜500ppmのアルミニウ
    ム(Al)を含有させることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記蛍光体原料水溶液の液滴化手段とし
    て超音波を利用した噴霧方法を採用することを特徴とす
    る請求項1〜7のいずれか1項に記載の希土類燐酸塩蛍
    光体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記キャリアガスとして還元性ガスを使
    用することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に
    記載の希土類燐酸塩蛍光体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記キャリアガスとして水素含有窒素
    ガスを使用することを特徴とする請求項9記載の希土類
    燐酸塩蛍光体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005179182A (ja) * 2003-12-17 2005-07-07 Patent Treuhand Ges Elektr Gluehlamp Mbh ランタノイドのリン酸塩の製造方法およびリン酸塩
JP2013528554A (ja) * 2010-04-12 2013-07-11 ロデイア・オペラシヨン コア/シェル型ランタンセリウムテルビウムリン酸塩、および改善された熱安定性を有し前記リン酸塩を含有する蛍光体

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