JP3469425B2 - 蛍光体およびその製造方法 - Google Patents
蛍光体およびその製造方法Info
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Description
製造方法に関する。
体は、電子線や紫外線によって励起したときの発光効率
の観点から数μmの粒径が必要とされている。この程度
の粒径を有する結晶粒からなる蛍光体を得るためには、
通常、フラックスを用いた固相反応による合成法が採用
される。しかし、フラックスを用いて合成された蛍光体
の形状は完全な球形ではなく、原料粒子の形状や結晶構
造を反映して多面体に近い形となる。こうした蛍光体を
用いて例えば陰極線管の蛍光面を形成した場合、電子線
励起によって生じる発光が蛍光面からの光出力としては
必ずしも十分に利用されないという欠点がある。すなわ
ち、蛍光体粒子の形状が多面体に近いと、緻密な蛍光膜
が得られず空隙が生じるうえ、光反射膜としてのアルミ
バックの表面にも凹凸が生じる。このため、発光した光
の乱反射が大きくなり、これが光の損失の原因となる。
同様に前記のような蛍光体を蛍光ランプに用いた場合に
も、緻密な蛍光膜が得られないため、紫外線励起による
発光が十分有効に利用されない。したがって、光の散乱
を少なくし、かつ最密充填を得るためには、蛍光体粒子
の形状が球状であることが望ましい。
201989号公報(特公平7−45655号公報)に
は、高温プラズマ中において浮遊または落下状態の蛍光
体原料を、その表面が溶融する温度以上に加熱した後に
冷却する方法が開示されている。この公報には具体的な
製造方法として、高周波熱プラズマを用いることが開示
されている。また、原料を造粒して用いること、供給す
る原料の凝集を防ぐために原料に同じ電荷を与えて分離
させること、細粒子原料の分散や付活剤の被覆のために
ポリアクリル酸アンモニウム塩などの分散剤やポリビニ
ルアルコールなどのバインダーを用いることなども開示
されている。さらに、この方法で得られた蛍光体は、透
明で真球に近い形状の粒子からなるため、蛍光膜を構成
した場合に輝度およびコントラストが優れていることが
開示されている。しかし、本発明者らがこの方法を追試
したところ、以下に示すような種々の問題点があること
が判明した。
のみからなる蛍光体原料を用いた場合、得られる蛍光体
の粒径は30μm以上であることが示されている(実施
例1、第1表)。すなわち、この方法で蛍光体原料とし
て蛍光体母体および付活剤のみを用いた場合には、実用
上有用な粒径0.5〜15μmの蛍光体を得ることはで
きない。一方、蛍光体母体および付活剤を分散剤を用い
て分散させ、バインダーを用いて蛍光体母体の表面に付
活剤を被覆させた蛍光体原料を用いれば、得られる蛍光
体の粒径は10μm以下であることが示されている(実
施例3、第2表)。しかし、本発明者らの実験によれ
ば、上記のような有機物を用いた場合には得られる蛍光
体が着色しており、市販の蛍光体に比べて輝度が劣ると
いう問題点があった。しかも、この方法では個々の原料
粒について混合物の組成を厳密に制御することが困難で
あるため、所望の蛍光体組成以外に異相が生成したり、
得られた蛍光体の粒子ごとに付活剤濃度が異なるという
問題が生じる。
ように複雑な組成を有する蛍光体粒子を熱プラズマを用
いて球状化する場合にも、良好な特性を有する球状蛍光
体が得られないことが多い。すなわち、これらの蛍光体
粒子が高温のプラズマに触れると、蛍光体母体成分が蒸
発し、分解や組成変動により異相が生成し、原料蛍光体
とは組成の異なる蛍光体となる。この結果、着色が起こ
り、輝度が低下する原因となる。
を円滑にするための分散性を改善する方法として、原料
粉を帯電させる方法が用いられる。しかし、この方法で
は原料粉を帯電させるために静電高圧発生器という特別
な装置を必要とする。しかも、原料粉をキャリアガスに
分散させて熱プラズマ中に供給する際に、原料粉の経路
(樹脂や金属の管)が原料粉との摩擦によって帯電する
ため、原料粉を帯電させてもその効果がなくなる。この
結果、原料粉が目詰まりを起こし、初期の粉体供給量を
維持することが不可能になり、長時間処理しても総処理
量を増加させることができなくなるという問題がある。
法では、真球に近い粒子形状の蛍光体を得ることができ
るものの、実用蛍光体として有用な0.5〜15μmの
粒径を有し、かつ輝度が高い蛍光体を高い収量で製造す
ることはできなかった。
定することができれば、表面近傍からの発光の寄与が大
きくなるため、粒子内部の付活剤濃度が多少低くとも、
十分な発光特性が得られると考えられる。この場合、全
体としては高価な付活剤元素量を少なくすることができ
るので、コストを低減することができる。
た蛍光体の表面に付活剤を付着させて再焼成すれば表面
の付活剤濃度を変えることも可能である。しかし、上述
したようにフラックス法では真球に近い形状を有する蛍
光体を得ることはできないので、光の乱反射や最密充填
が得られないことによる影響が大きく、陰極線管や蛍光
ランプに用いた場合に輝度の高い蛍光面を得ることは困
難である。
線管や蛍光ランプに用いた場合に、緻密かつ均質で高輝
度の蛍光面を形成できる、真球に近い形状を持ち粒径が
数μmの蛍光体を提供することにある。本発明の他の目
的は、このような蛍光体を高い収率で製造することがで
きる方法を提供することにある。
O 3 :Eu、Y 2 O 2 S:Eu、Gd 2 O 2 S:Prまたは
下記一般式 Ln 3 M 5 O 12 :R、もしくはLn 2 SiO 5 :R (ここで、LnはY,Gd,LaおよびLuからなる群
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。)で
表され、平均粒径が0.5〜15μmで、長径と短径と
の比が1.0〜1.5の球状粒子からなり、粒子表面か
ら0.1μm以内の付活剤濃度が、それより内側の付活
剤濃度に対して20%以上大きいことを特徴とする。
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。)で
表され、平均粒径が0.5〜15μmで、長径と短径と
の比が1.0〜1.5の球状粒子からなり、所望の蛍光
体の各金属イオンの化学量論組成比に対する、粒子表面
から粒径の5%以内の表面領域における各金属イオンの
組成比の差が30%以内であり、前記表面領域より内部
の各金属イオンの組成比の差が50%以上であることを
特徴とする。
と付活剤とを含有する蛍光体粉を、熱プラズマ中におい
て蛍光体成分の一部が気化する温度で加熱し冷却して球
状蛍光体粉を得る工程と、得られた球状蛍光体粉を13
00〜1600℃で熱処理する工程とを有する。
母体と付活剤とを含有する蛍光体粉を、熱プラズマ中に
おいて蛍光体成分の一部が気化する温度で加熱し冷却し
て球状蛍光体粉を得る工程と、得られた球状蛍光体粉に
蛍光体母体を構成する元素の酸化物の微粒子を混合し、
1200〜1700℃で熱処理する工程とを有する。
する。本発明の蛍光体の製造方法において用いられる原
料は、目的とする蛍光体と同一の母体と付活剤とを含有
するものである。したがって、不可避の不純物を除き、
分散剤やバインダーなど所望の蛍光体を構成する元素以
外のものを含まない。なお、原料中の付活剤濃度と得ら
れる蛍光体中の付活剤濃度とは必ずしも一致する必要は
ない。また、母体が多元化合物である場合には、原料の
構成元素と得られる蛍光体の構成元素の種類が一致して
いればよく、両者の比は必ずしも一致する必要はない。
料蛍光体粉を熱プラズマ処理した後、さらに1200〜
1700℃で熱処理する。このような温度で熱処理すれ
ば、熱プラズマ中での処理により引き起こされる蛍光体
の特性の低下を回復することができる。具体的には、例
えばテルビウム付活イットリウムアルミニウムガーネッ
ト蛍光体を熱プラズマにより製造すると異相が生成する
が、熱プラズマ処理後の1200〜1700℃での熱処
理によって異相を有効に低減させることができる。ま
た、熱プラズマ中での処理により生成した欠陥に起因す
る蛍光体の着色を効果的に回復できる。より好ましい熱
処理の温度範囲は1300〜1600℃である。
ズマ処理により母体組成が変動するような場合には、蛍
光体母体と付活剤とを含有する蛍光体粉を、熱プラズマ
中において蛍光体成分の一部が気化する温度で加熱し冷
却して球状蛍光体粉を得た後、得られた球状蛍光体粉に
蛍光体母体を構成する元素の酸化物の微粒子を混合し、
1200〜1700℃で熱処理することが有効である。
化物のように複雑な組成を有する蛍光体に対して有効で
ある。具体的には、下記一般式で表される蛍光体の特性
を改善するのに有効である。
5 :R (ただし、LnはY,Gd,LaおよびLuからなる群
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。) なお、フラックス法などにより製造された通常の蛍光体
を1200〜1700℃の温度で熱処理した場合には粒
子の成長や粒子どうしの焼結が起こり、蛍光体の分散性
が損なわれてしまう。ところが、熱プラズマにより製造
した球形の粒子形状をもつ蛍光体は、1200〜170
0℃という高温で熱処理しても、顕著な焼結は起きな
い。ただし、1700℃を超える温度で熱処理した場合
には、熱プラズマにより製造した蛍光体でも焼結を起こ
すようになる。
だって原料となる蛍光体粉を酸で洗浄した後、乾燥する
ことが好ましい。本発明者らは酸洗浄により原料粉の表
面状態が変化し、流動性が向上し、キャリアガスへの分
散が良好になり、粉体供給路への原料粉の付着も少なく
なって、熱プラズマ処理時に原料供給量を一定に保つこ
とが容易になることを見い出した。ここで好適に用いら
れる酸としては、塩酸を含むものが挙げられる。また、
ギ酸、酢酸、酪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アク
リル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノ
レン酸、シュウ酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール
酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、
フタル酸、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル
酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、プロピオール酸、クロ
トン酸などのカルボン酸も有効である。酸の濃度は洗浄
時間や温度にも依存するが、おおよそ0.01〜1規定
が好適である。
ラズマ中への蛍光体原料の供給量は2〜50g/分とす
ることが好ましい。供給量が2g/分より少ないと、長
時間の熱処理を行っても製造できる蛍光体の量が少な
く、コストが上昇するうえ、原料粉のうち気化して微粒
子になる割合が多くなるため球状の粒子として得られる
量がさらに少なくなる。一方、供給量が50g/分より
多いと、熱プラズマ中への供給量に脈動が見られ、完全
な球形でない粒子が増加したり、原料粉の密度が高くな
って凝集状態となるために、得られる蛍光体の粒径が予
想以上に大きくなったり、目詰まりを起こしやすくなる
などの製造の不安定さが増す。また、熱プラズマを発生
させるための電力は5〜100kWとすることが好まし
い。5kWより小さい電力では、球形でない粒子が多く
なり、プラズマの不安定さも増す。一方、100kWよ
り大きい電力では、原料粉のうち気化して微粒子になっ
てしまう割合が多くなるため、好ましい粒径を持つ球状
粒子の量が少なくなる。
発明の蛍光体の平均粒径は、0.5〜15μmの範囲に
ある。平均粒径が0.5μmより小さいと、陰極線管な
どの蛍光面に用いた場合、蛍光面内での光の散乱が大き
くなり、発光を有効に利用できなくなるために蛍光面の
輝度が低くなる。一方、15μmより大きいと、陰極線
管などの蛍光面に用いた場合、解像度が悪くなる。ま
た、本発明の蛍光体は透明球状粒子である。球状粒子の
目安は、粒子表面に光の波長と同等の大きさの凹凸がな
く、長径と短径との比(アスペクト比)が1.5以下で
あることである。透明粒子の定義は、粒子内部に光と相
互作用を起こすような気孔、界面、異相などが存在しな
いことである。さらに、本発明の蛍光体は、付活剤を構
成する少なくとも1種の元素の濃度または母体を構成す
る金属イオンの比が、粒子表面と粒子内部とで異なって
いる。
布が生じるメカニズムは以下の通りである。すなわち、
熱プラズマにより一部が気化する温度で加熱すると、粒
子表面に付活剤濃度が高い微粒子が付着した粒子が得ら
れることがある。このような粒子を1200〜1700
℃で熱処理すると、球状粒子を溶融させることなく微粒
子を球状粒子に融合させることができるので、表面の付
活剤濃度を高くすることができる。なお、付活剤濃度が
高い微粒子で被覆されているのは蛍光体表面のごく一部
だけであるので、1200℃より低い温度で熱処理を行
った場合には微粒子の拡散が不十分となり、表面全体の
付活剤濃度を高くすることはできない。このため、粒子
内部を含む粒子全体の付活剤濃度を最適値にする必要が
生じ、高価な付活剤元素の使用量が多くなる。一方、1
700℃より高い温度で熱処理した場合には、上述した
ように粒子どうしの焼結が起こってしまい、分散性や球
形の粒子形状が損なわれてしまう。この方法によれば、
粒子表面から0.1μm以内の付活剤濃度が、それより
内側の付活剤濃度に対して20%以上大きい蛍光体が得
られる。このように粒子表面の付活剤濃度が高い蛍光体
は、特に電子線で励起した場合に表面近傍の発光の寄与
が大きいため、粒子表面で最適な付活剤濃度が実現され
ていれば、粒子内部の付活剤濃度が多少低くとも、発光
色や輝度などの発光特性を十分に保つことができる。し
たがって、全体としては高価な付活剤元素量を少なくし
ても十分な発光特性が得られるので、蛍光体のコストを
低減できる。ただし、付活剤の種類にもよるが、表面近
傍の付活剤濃度が15重量%を超えるような高濃度にな
ると濃度消光のために発光特性が損なわれてしまう。
イやプラズマディスプレイなどのように、蛍光体材料に
よる励起エネルギーの吸収係数が大きい励起方法が用い
られる発光ディスプレイにおいては、蛍光体粒子の中で
主に発光に寄与するのは表面近傍となる。このような励
起条件下においては、粒子内部の付活剤は発光にほとん
ど寄与しないばかりか、濃度が高すぎると付活剤イオン
どうしの相互作用により発光を妨げる。これに対して、
表面近傍の付活剤濃度が高い蛍光体は、表面付近での十
分な発光を得るとともに、粒子内部での光損失を少なく
することができる。その結果、発光ディスプレイの輝度
を改善することができる。
金属イオンの組成比に分布が生じるメカニズムは以下の
通りである。所望の蛍光体が複雑な組成を有している場
合、原料が数千℃から1万℃以上に達するプラズマに触
れると、蛍光体母体の構成元素のうち特に蒸気圧の高い
特定の元素が蒸発する。この結果、得られる蛍光体粒子
では、分解、組成変動、異相の生成などが起こる。特定
元素の蒸発は粒子が溶融している間に起こるため、得ら
れる球状粒子の全体に均一に異相が存在する。一方、蒸
発した元素は、冷却凝固して別個に微粒子として捕集さ
れる。
蛍光体を例に取ると、(Y+Tb):(Al+Ga)の
モル比が、化学量論比である3:5の相以外に、上記モ
ル比が1:1や1:2になっている異相が生成する。こ
のような異相が生成するのは、主にGaが他の元素より
蒸発しやすいためであると考えられる。
うため、蛍光体の発光特性の観点からは、好ましくな
い。このような異相の生成を避けるためには、プラズマ
のパワーを下げて、異相が生成しない条件で熱プラズマ
処理を行うことが考えられる。しかし、パワーを下げた
場合、球状蛍光体を得ることが困難になる。
をなくすために、熱プラズマ処理により得られた球状粒
子に不足した元素を含む酸化物の微粒子を加え、熱処理
により反応させ、球状粒子の表面領域において金属元素
の組成比を調整する。この方法にれば、所望の蛍光体の
各金属イオンの化学量論組成比に対する、粒子表面から
粒径の5%以内の表面領域における各金属イオンの組成
比の差が30%以内であり、前記表面領域より内部の各
金属イオンの組成比の差が50%以上である蛍光体が得
られる。なお、表面領域における各金属イオンの組成比
は化学量論組成比と一致していてもよいことはもちろん
である。
粒子中に均一に拡散して再結合反応により所定の化学量
論組成を回復させるためには、微粒子は粒径が小さいこ
とが好ましい。平均粒径が1μm以下、好ましくは0.
5μm以下の微粒子を使用すると、反応温度を低下し反
応時間を短縮でき、しかも反応むらを少なくできる。一
方、微粒子の粒径が大きくなると、上記の再結合反応よ
りも、粒子間の焼結が起こる確率が高くなる。
線回折(XRD)パターンから得られる所望の蛍光体の
主ピーク値および異相の主ピーク値の比に基づいて決定
することができる。なお、熱プラズマの条件(粉体供給
量、プラズマガスの種類や供給量、パワーなど)、原料
蛍光体の特性(組成、粒径、粒子形状、流動性)によっ
ても、得られる球状粒子の特性(粒径、異相の種類や割
合)も変化するため、その都度、添加する微粒子の種類
や量を決定することが好ましい。混合する微粒子として
は、球状粒子と別個に捕集された微粒子を用いてもよい
が、添加すべき元素を含む市販の試薬を用いることが好
ましい。混合方法に関しては、球状粒子の表面に微粒子
を均一に付着させるために、微粒子を十分に分散させた
後、ビーズミルや攪拌などにより球状粒子と混合するこ
とが好ましい。
700℃で10分〜30時間とすることが好ましい。1
200℃未満の温度で熱処理を行った場合、球状粒子の
内部に微粒子中の元素が十分に拡散せず、異相を効果的
になくすことができない。1700℃を超える温度で熱
処理を行った場合、微粒子中の元素の拡散は十分に起こ
るが、球状粒子どうしの焼結が起こり、真球状の粒子形
状が得られなくなる。熱処理時間についても同様のこと
がいえる。
は、同一のサイトを占めるイオンの群を一まとめにして
考え、それぞれの群の総モル数どうしの比として求め
る。例えば、Y3 (Al,Ga)5 O12:Tbの場合に
は、YとTbは同じサイトを占め、AlとGaは同じサ
イトを占めるので、(Y+Tb)/(Al+Ga)のモ
ル比を金属イオンの比とみなす。そして、Y3 (Al,
Ga)5 O12:Tb蛍光体の(Y+Tb)/(Al+G
a)の化学量論比3/5に対する、実際に得られた蛍光
体粒子における各金属イオンの比の差が求められる。
たは化学組成の変化を分析するには、以下のような方法
を用いることができる。例えば、エッチングによって粒
子表面から徐々に溶解させ、ICPなどの手法で溶液を
定量分析する方法が挙げられる。この方法では、溶液の
定量分析により溶解した部分の付活剤濃度や化学組成を
求めることができ、同時にこのときの重量変化を測定す
ることにより溶解した部分の厚みを推算できる。したが
って、エッチングと分析を何段階かに分けて実施するこ
とにより付活剤濃度分布または組成の変化を知ることが
できる。また、蛍光体粒子を薄片化し、EDX(エネル
ギー分散型X線分析) などの分析装置を備えた電子顕微
鏡で観察することにより、粒子内の化学組成分布を測定
できる。この方法は、精度は劣るが、個々の粒子内の分
布を測定することもできる。
施例においては、図1に製造装置を用いた。図1におい
て、10はプラズマガス供給ボンベ、11は電磁フィー
ダを改良した粉体供給器、12はキャリアガス供給ボン
ベ、13は粉体供給口(ノズル構造は略す)、14は高
周波発振器、15は高周波コイル、16はプラズマフレ
ーム、17は反応容器、18はサイクロン、19はプラ
ズマ発生部外囲円筒、20は冷却ガス供給ボンベを示
す。
蛍光体の平均粒径をブレーン法により測定したところ
4.5μmであった。また、原料粉を洗浄するために、
濃塩酸をイオン交換水で60倍に希釈した溶液を調製し
た。原料粉を、塩酸溶液中で20分間撹拌した後、洗
浄、ろ過、乾燥した。
むアルゴンガスを供給し、周波数4MHz、出力15k
Wの条件で高周波熱プラズマを発生させた。上記の原料
粉を15L/分の流量のアルゴンガスに分散させ、並列
に4本設置した内径2mmのテフロンチューブを通じて
高周波熱プラズマ中に供給した。原料粉の供給量を10
g/分として、60分間熱プラズマ処理を行った。この
熱プラズマ処理により、総量で550gの蛍光体を得る
ことができた。さらに得られた蛍光体を電気炉に入れ、
大気雰囲気中、1300℃で5時間の熱処理を行った。
密度1μA/cm2 の電子線で励起して粉体輝度を測定
したところ、原料蛍光体の103%の輝度を示した。ま
た、電子顕微鏡でこの蛍光体を観察したところ、粒子形
状はほぼ球状で、平均粒径は6.0μmであり、陰極線
管や蛍光ランプの用途に好適なものであった。
いた。予めこの原料粉に何ら処理を施すことなく、特開
昭62−201989号公報の方法にしたがって以下の
ように熱プラズマ処理を行った。
応容器17との間のテフロンチューブの周囲に静電高圧
発生器を設けた装置を用い、15%の酸素を含むアルゴ
ンガスを供給し、周波数4MHz、出力15kWの条件
で高周波熱プラズマを発生させた。原料粉を30L/分
の流量のアルゴンガスに分散させ、静電高圧発生器によ
り−7kVの電圧を加えて蛍光体を帯電させながら、内
径2mmのテフロンチューブ4本を通じて高周波熱プラ
ズマ中に供給した。この場合、最初は原料粉の供給量を
100g/分としたが、処理開始後まもなく熱プラズマ
への粉体供給量が少なくなり、熱プラズマ処理が継続不
能になった。この結果、熱プラズマ処理により得られた
蛍光体の総量はわずかに20gであった。熱プラズマ処
理後に原料供給用のテフロンチューブを観察すると目詰
まりを起こしていた。
ろ、原料蛍光体の90%であった。また、電子顕微鏡で
この蛍光体を観察したところ、粒子形状が真球状ではな
いものが体積比で70%以上含まれ、粒径が20μm以
上のものも体積比で20%以上存在していた。このよう
な蛍光体は、陰極線管や蛍光ランプの用途に不適であ
る。
いた。この比較例1−2では、粉体を造粒によりおおよ
そ75μmの粒径としたものを原料として用いた。
波熱プラズマ中に供給し、10g/分の原料供給速度で
60分間の熱プラズマ処理を行った。この熱プラズマ処
理により得られた蛍光体の総量は250gであった。
体色を呈し、粉体輝度は原料蛍光体の60%と低かっ
た。また、電子顕微鏡でこの蛍光体を観察したところ、
平均粒径は62μmであり、陰極線管や蛍光ランプの用
途には不適なものであった。
l5 O12:Tbを用いた。この蛍光体の平均粒径をブレ
ーン法により測定したところ3.7μmであった。
て純アルゴンガスを用いた以外は実施例1と同様にして
熱プラズマ処理を行った。すなわち、周波数4MHz、
出力15kWの条件で高周波熱プラズマを発生させた。
原料粉を15L/分の流量のアルゴンガスに分散させ、
内径2mmのテフロンチューブ4本を通じて高周波熱プ
ラズマ中に供給した。原料粉の供給量を10g/分とし
て、60分間熱プラズマ処理を行った。
ころ、立方晶のY3 Al5 O12相以外に、正方晶のY3
Al5 O12相、YAlO3 相、Y4 Al2 O9 相などの
回折線も認められた。これらの異相のうち最も大きいY
AlO3 相の主回折線の強度はY3 Al5 O12相の主回
折線の強度とほぼ同等であった。また、粉体輝度は原料
として用いた市販のY3 Al5 O12:Tb蛍光体の18
%であった。
囲気中、1500℃で2時間の熱処理を行った。得られ
た蛍光体をX線回折により分析したところ、異相のX線
回折強度はY3 Al5 O12相の主回折線の強度の5%未
満であり、ほとんどがY3 Al5 O12:Tbとなってい
ることがわかった。この蛍光体を電子顕微鏡で観察した
ところ、平均粒径は6.2μmであり、球状の蛍光体の
体積比は約97%であった。得られた蛍光体の粉体輝度
を測定したところ、原料蛍光体の93%にまで回復して
いた。
およびバインダーを用いて蛍光体母体の表面に付活剤を
被覆したものを原料として用いた。具体的には、イオン
交換水1Lに対して塩化テルビウム0.002モルを溶
解し、この水溶液に酸化イットリウム3モルおよびアル
ミナ5モルを分散させ、さらに40体積%ポリアクリル
酸アンモニウム溶液を固形分に対して0.01重量%添
加して十分に混合した後、蒸発乾固したものを500メ
ッシュのふるいを通して得た粉体を原料として用いた。
この原料粉を用いて実施例2と同一の条件で熱プラズマ
処理を行った。
ところ、目的とする立方晶のY3 Al5 O12相以外に、
正方晶のY3 Al5 O12相、YAlO3 相、Y4 Al2
O9相、Al2 O3 などの回折線も認められた。特に、
YAlO3 相の主回折線の強度は、Y3 Al5 O12相の
主回折線の強度の2.2倍になっており、異相がかなり
生成していることがわかった。粉体輝度を測定したとこ
ろ、市販のY3 Al5O12:Tb蛍光体の7%と低かっ
た。
S:Eu蛍光体を作製した。この蛍光体の平均粒径をブ
レーン法により測定したところ、4.1μmであった。
実施例1と同様に、原料を洗浄するために、濃塩酸をイ
オン交換水で60倍に希釈した溶液を調製した。原料粉
を塩酸溶液中で20分間撹拌した後、洗浄、ろ過、乾燥
した。実施例2と同様に、図1に示す装置を用い、プラ
ズマガスとして純アルゴンガスを用い、周波数4MH
z、出力15kWの条件で高周波熱プラズマを発生させ
た。原料粉を15L/分の流量のアルゴンガスに分散さ
せ、内径2mmのテフロンチューブ4本を通じて高周波
熱プラズマ中に供給した。原料粉の供給量を10g/分
として、60分間熱プラズマ処理を行った。この熱プラ
ズマ処理により得られた粉体の総量は500gであっ
た。
アルゴン雰囲気中、800℃という比較的低温で1時間
熱処理して蛍光体を得た(比較例3)。電子顕微鏡で観
察すると表面に0.2μm以下の微粒子が半ば溶融して
付着しているのが認められた。この蛍光体の発光色は、
Eu濃度が5.0重量%の市販のY2 O2 S:Eu蛍光
体と比較して、黄色味を帯びていた。
行って得られた粉体を5重量%の硫黄とともに、アルゴ
ン雰囲気中、1400℃で2時間熱処理して蛍光体を得
た(実施例3)。この蛍光体の平均粒径は4.8μmで
あった。電子顕微鏡で観察すると、表面の微粒子はほと
んど消失しており、微粒子の割合はわずか2%以下とな
っていた。この蛍光体の粉体輝度は原料として用いた蛍
光体の102%と高かった。
から徐々に溶解させていき、溶液に含まれる希土類元素
の濃度を順次測定することにより、この蛍光体粒子内の
Euの濃度分布を調べた。この結果、表面から0.1μ
m以内の濃度は5.2重量%、それより内側では濃度は
ほとんど一定で2.1重量%であり、表面において付活
剤濃度が高いことが確かめられた。また、電子線励起下
でこの蛍光体の発光色を観察したところ、市販のY2 O
2 S:Euとほぼ同じであった。
のY2 O3 :Eu蛍光体を、0.5Nの酢酸水溶液中で
30分間撹拌した後、ろ過、流水洗浄したものを原料と
して用いた。30L/分の流量のアルゴンガスに蛍光体
を分散させ、内径2mmのテフロンチューブ4本を通じ
て、15%の酸素を含むアルゴン雰囲気、4MHz、1
5kWの高周波熱プラズマ中に供給した。60分間で熱
プラズマ処理できた蛍光体の総量は600gであった。
処理後に原料供給用のテフロンチューブに目詰まりはな
かった。また、得られた蛍光体粒子の平均粒径は5μm
であった。球状化率(プラズマ処理後の粒子のうち、球
状となった粒子の数の割合)は98%と高かった。この
蛍光体に実施例1と同様に1300℃、5時間の熱処理
を施し、粉体輝度を測定したところ、原料蛍光体の10
1%であった。
のY2 O3 :Eu蛍光体を、0.1Nのギ酸水溶液中で
30分間撹拌した後、ろ過、流水洗浄したものを原料と
して用いた。30L/分の流量のアルゴンガスに蛍光体
を分散させ、内径2mmのテフロンチューブ4本を通じ
て、15%の酸素を含むアルゴン雰囲気、4MHz、1
5kWの高周波熱プラズマ中に供給した。60分間で熱
プラズマ処理できた蛍光体の総量は700gであった。
処理後に原料供給用のテフロンチューブに目詰まりはな
かった。また、得られた蛍光体粒子の平均粒径は5μm
であった。球状化率は93%と高かった。熱処理を施し
た後の粉体輝度は原料蛍光体の98%であった。
のY2 O3 :Eu蛍光体を、0.1Nの酪酸水溶液中で
30分間撹拌した後、ろ過、流水洗浄したものを原料と
して用いた。30L/分の流量のアルゴンガスに蛍光体
を分散させ、内径2mmのテフロンチューブ4本を通じ
て、15%の酸素を含むアルゴン雰囲気、4MHz、1
5kWの高周波熱プラズマ中に供給した。60分間で熱
プラズマ処理できた蛍光体の総量は600gであった。
処理後に原料供給用のテフロンチューブに目詰まりはな
かった。また、得られた蛍光体粒子の平均粒径は5μm
であった。球状化率は90%と高かった。熱処理を施し
た後の粉体輝度は原料蛍光体の100%であった。
のY2 O3 :Eu蛍光体粉を、0.1Nのメタクリル酸
水溶液中で30分間撹拌した後、ろ過、流水洗浄したも
のを原料として用いた。30L/分の流量のアルゴンガ
スに蛍光体粉を分散させ、内径2mmのテフロンチュー
ブ4本を通じて、15%の酸素を含むアルゴン雰囲気、
4MHz、30kWの高周波熱プラズマ中に供給した。
60分間で熱プラズマ処理できた蛍光体粉の総量は10
00gであった。処理後に原料供給用のテフロンチュー
ブに目詰まりはなかった。また、得られた蛍光体粒子の
平均粒径は5μmであった。球状化率は88%と高かっ
た。熱処理を施した後の粉体輝度は原料蛍光体の98%
であった。
2 通常のフラックス法により製造されたY3 (Al,G
a)5 O12:Tb蛍光体粉を用意した。図2にこの蛍光
体粉の走査型電子顕微鏡写真を示す。この写真に示され
るように、蛍光体粉は不定形の粒子の凝集体からなって
いる。図4にこの蛍光体粉のX線回折(XRD)パター
ンを示す。この蛍光体粉はガーネット構造の立方晶Y3
Al5 O12型化合物(c−YAG)のみからなってい
る。
の酸素を含むアルゴンガス雰囲気、周波数4MHz、出
力30kWの条件で、熱プラズマ処理を行い、球状蛍光
体粉(比較例8−1)を得た。図3に得られた蛍光体粉
の走査型電子顕微鏡写真を示す。この写真から求めた球
状粒子の平均粒径は8.3μmであった。図5にこの蛍
光体粉のXRDパターンを示す。この蛍光体粉は、c−
YAGのほかに、正方晶Y3 Al5 O12型化合物(te
tra)、ペロブスカイト構造のYAlO3 型化合物
(YAP)、および単斜晶Y4 Al2 O9 型化合物(Y
AM)を含んでいる。c−YAGの主ピーク値を100
として各相のXRDピーク値を比較すると、tetra
が28、YAPが23、YAMが5であった。この蛍光
体の粉体輝度は、原料蛍光体と比べて約50%であっ
た。
℃で2時間処理した。図6に得られた蛍光体粉(比較例
8−2)のXRDパターンを示す。この蛍光体粉は、c
−YAGのほかに、tetraおよびYAMを含んでい
る。c−YAGの主ピーク値を100として各相のXR
Dピーク値を比較すると、tetraが32、YAMが
9であった。この蛍光体の粉体輝度は、原料蛍光体と比
べて約75%であった。
部に、市販のGa2 O3 微粒子12重量部を混合した
後、1450℃で2時間処理した。この際、Ga2 O3
微粒子の混合量は、比較例8−1のXRDパターンの結
果を参考にして決定した。得られた蛍光体粉(実施例
8)は、熱処理前の蛍光体粉に比べ、粒子形状や粒子表
面の様子に変化は見られなかった。この蛍光体粉のXR
Dパターンは、図5と比較して、tetraとYAMの
ピーク強度が低下し、c−YAGのピーク強度が増加し
ていた。この蛍光体の粉体輝度は、原料蛍光体に比べて
98%であった。
チングし、その都度溶液のICP分析を行い、構成元素
の濃度を測定した結果を表1に示す。なお、Wsはエッ
チングにより溶解した蛍光体の重量%であり、ts /d
0 は最初の平均粒径d0 に対するエッチングされた領域
の表面からの深さts の比率を示す。
a)のモル比を求めた。ここで、化学量論組成を有する
Y3 (Al,Ga)5 O12:Tb蛍光体の(Y+Tb)
/(Al+Ga)のモル比は0.6である。表面から粒
径の5%の深さまでの領域のモル比は0.76であり、
化学量論比からのずれは30%未満である。表面から粒
径の5〜10%の深さの領域のモル比は0.93、表面
から粒径の10%より深い領域のモル比は0.95であ
り、いずれも化学量論比からのずれが50%以上であっ
た。
3 :Eu蛍光体粉を、15%の酸素を含むアルゴンガス
雰囲気中において、周波数4MHz、出力30kWの条
件で高周波熱プラズマ処理した。得られた蛍光体粉は、
平均粒径2.4μmの球状粒子からなっていた。この蛍
光体粉を1400℃で3時間熱処理した。
でエッチングし、溶液のICP分析からEu濃度を測定
したところ5.2wt%であった。残った蛍光体粉をす
べて溶解し、同様にEu濃度を測定したところ3.4w
t%であった。
を分散させ、透明導電膜をコートしたガラス基板上に
2.5mg/cm2 のコーティングウェイトで蛍光膜を
形成した。加速電圧3kV、電流密度10μA/cm2
の条件で電子線励起して輝度を測定した。市販のY2 O
3 :Euの120%の輝度を示した。
2 O2 S:Pr蛍光体粉を、15%の酸素を含むアルゴ
ンガス雰囲気中において、周波数4MHz、出力30k
Wの条件で高周波熱プラズマ処理した。得られた蛍光体
粉は、平均粒径4.9μmの球状粒子からなっていた。
この蛍光体粉に5wt%の硫黄を添加し、アルゴン雰囲
気中において、1300℃で2時間熱処理した。
でエッチングし、溶液のICP分析からPr濃度を測定
したところ0.085wt%であった。残った蛍光体粉
をすべて溶解し、同様にPr濃度を測定したところ、
0.059wt%であった。
を分散させ、透明導電膜をコートしたガラス基板上に
2.5mg/cm2 のコーティングウェイトで蛍光膜を
形成した。加速電圧3kV、電流密度10μA/cm2
の条件で電子線励起して輝度を測定した。原料のGd2
O2 S:Prの105%の輝度を示した。
SiO5 :Ce蛍光体粉を、アルゴンガス雰囲気中にお
いて、周波数4MHz、出力20kWの条件で高周波熱
プラズマ処理した。得られた蛍光体粉は、平均粒径4.
7μmの球状粒子からなっていた。この蛍光体粉に15
wt%のSiO2 を添加し、大気中において、1450
℃で3時間熱処理した。
領域までエッチングし、溶液のICP分析から構成元素
の濃度を測定したところ、(Lu+Ce)/Siのモル
比は2.3:1であった。残った蛍光体粉をすべて溶解
し、同様に構成元素の濃度を測定したところ、(Lu+
Ce)/Siのモル比は3.5:1であった。
を分散させ、透明導電膜をコートしたガラス基板上に
2.5mg/cm2 のコーティングウェイトで蛍光膜を
形成した。加速電圧3kV、電流密度10μA/cm2
の条件で電子線励起して輝度を測定した。原料のLu2
SiO5 :Ceの120%の輝度を示した。
極線管や蛍光ランプに用いた場合に、緻密かつ均質で高
輝度の蛍光面を形成できる、真球に近い形状を持ち粒径
が数μmの蛍光体を提供でき、このような蛍光体を高い
収率で製造することができる方法を提供できる。
装置の構成図。
Claims (12)
- 【請求項1】 Y 2 O 3 :Eu、Y 2 O 2 S:Eu、Gd 2
O 2 S:Prまたは下記一般式 Ln 3 M 5 O 12 :R、もしくはLn 2 SiO 5 :R (ここで、LnはY,Gd,LaおよびLuからなる群
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。)で
表され、平均粒径が0.5〜15μmで、長径と短径と
の比が1.0〜1.5の球状粒子からなり、粒子表面か
ら0.1μm以内の付活剤濃度が、それより内側の付活
剤濃度に対して20%以上大きい ことを特徴とする蛍光
体。 - 【請求項2】 粒子表面から0.1μm以内の付活剤濃
度が、15重量%以下であることを特徴とする請求項1
記載の蛍光体。 - 【請求項3】 下記一般式 Ln 3 M 5 O 12 :R、またはLn 2 SiO 5 :R (ここで、LnはY,Gd,LaおよびLuからなる群
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。)で
表され、平均粒径が0.5〜15μmで、長径と短径と
の比が1.0〜1.5の球状粒子からなり、所望の蛍光
体の各金属イオンの化学量論組成比に対する、粒子表面
から粒径の5%以内の表面領域における各金属イオンの
組成比の差が30%以内であり、前記表面領域より内部
の各金属イオンの組成比の差が50%以上であることを
特徴とする蛍光体。 - 【請求項4】 蛍光体母体と付活剤とを含有する蛍光体
粉を、熱プラズマ中において蛍光体成分の一部が気化す
る温度で加熱し冷却して球状蛍光体粉を得る工程と、得
られた球状蛍光体粉を1300〜1600℃で熱処理す
る工程とを有することを特徴とする蛍光体の製造方法。 - 【請求項5】 蛍光体が、Y 2 O 3 :Eu、Y 2 O 2 S:E
u、Gd 2 O 2 S:P rまたは下記一般式 Ln 3 M 5 O 12 :R、もしくはLn 2 SiO 5 :R (ここで、LnはY,Gd,LaおよびLuからなる群
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。)で
表されることを特徴とする請求項4記載の蛍光体の製造
方法。 - 【請求項6】 熱プラズマ処理の前に、蛍光体母体と付
活剤とを含有する蛍光体粉を酸で洗浄し乾燥することを
特徴とする請求項4記載の蛍光体の製造方法。 - 【請求項7】 蛍光体母体と付活剤とを含有する蛍光体
粉を、熱プラズマ中において蛍光体成分の一部が気化す
る温度で加熱し冷却して球状蛍光体粉を得る工程と、得
られた球状蛍光体粉に蛍光体母体を構成する元素の酸化
物の微粒子を混合し、1200〜1700℃で熱処理す
る工程とを有することを特徴とする蛍光体の製造方法。 - 【請求項8】 1300〜1600℃で熱処理すること
を特徴とする請求項7記載の蛍光体の製造方法。 - 【請求項9】 前記熱処理時間が10分〜30時間であ
ることを特徴とする請求項7記載の蛍光体の製造方法。 - 【請求項10】 蛍光体が、下記一般式 Ln3M5O12:R、またはLn2SiO5:R (ここで、LnはY,Gd,LaおよびLuからなる群
より選択される少なくとも1種の元素、MはAlおよび
Gaからなる群より選択される少なくとも1種の元素、
Rはランタニド族ならびにCr,TiおよびFeからな
る群より選択される少なくとも1種の元素である。)で
表されることを特徴とする請求項7記載の蛍光体の製造
方法。 - 【請求項11】 蛍光体母体を構成する元素の酸化物の
微粒子の粒径が1μm以下であることを特徴とする請求
項7記載の蛍光体の製造方法。 - 【請求項12】 熱プラズマ処理の前に、蛍光体母体と
付活剤とを含有する蛍光体粉を酸で洗浄し乾燥すること
を特徴とする請求項7記載の蛍光体の製造方法。
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