JPWO2005087894A1 - ケイ酸塩系蛍光体、ケイ酸塩系蛍光体前駆体、これらの製造方法及びケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置 - Google Patents
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Abstract
発光強度が大であり、残光時間の短いケイ酸塩系緑色蛍光体およびその製造方法を提供する。第1の流路にケイ素化合物を含む懸濁液を供給し、第2の流路にケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成することが可能な金属化合物を含む溶液を供給し、第3の流路において、前記懸濁液と前記溶液とを混合して、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、前記第3の流路から前記混合液を排出することにより蛍光体前駆体を製造する。
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル等の表示装置や細管型蛍光ランプ等の照明装置等のデバイス、電子機器および各種蛍光体使用物品に幅広く使用できる蛍光体の製造技術に関する。
蛍光体は、励起線(紫外線、可視光、赤外線、熱線、電子線、X線および放射線等)を照射することにより、前記励起線のエネルギーを光(紫外線、可視光および赤外線等)に変換する材料である。前記蛍光体を用いたデバイスとしては、蛍光ランプ、電子管、冷陰極ディスプレイ、蛍光表示管、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスパネル、シンチレーション検出器、X線イメージインテンシファイア、熱蛍光線量計およびイメージングプレート等が挙げられる(例えば、「蛍光体ハンドブック」、蛍光体同学会編、オーム社参照)。これらのデバイスは、いずれも、電気エネルギーを前記励起線のエネルギーに変換し、さらに、前記励起線のエネルギーを前記光に変換するデバイスである。このようなデバイスと、電子回路または機器部品(照明器具、コンピュータ、キーボード、蛍光体を用いていない電子機器等)とを組み合わせた電子機器は、照明装置や表示装置等として広く用いられている。また、蛍光体を用いた蛍光体使用物品としては、粉末状の蛍光体と、水もしくは有機溶媒等の液体、樹脂、プラスチック、金属またはセラミクス材料等の蛍光体以外の物質とを組み合わせた蛍光体含有物があり、これらは、例えば、蛍光体塗料等の液状物やペースト状物、灰皿などの固形物、案内板や誘導用物品等の表示物、シール、文房具、アウトドア用品、安全標識等として広く用いられている。
近年、特にPDPは画面の大型化および薄型化が可能なことから、陰極線管(CRT)に代わり得るフラットパネルディスプレイとして注目されている。PDPは多数の微小放電空間(以下「表示セル」と略すことがある)をマトリックス状に配置して構成した表示素子であり、各表示セル内には放電電極が設けられ、各表示セルの内壁には蛍光体が塗布されている。各表示セル内の空間にはHe−Xe、Ne−Xe、Ar等の希ガスが封入されており、放電電極に電圧を印加することにより、表示セル内で希ガスの放電が起こり、真空紫外線が放射される。この真空紫外線により蛍光体が励起され、可視光を発する。表示素子において信号が入力した位置の表示セルの蛍光体の発光によって画像が表示される。各表示セルに用いられる蛍光体としてそれぞれ、青、緑、赤に発光する蛍光体を用い、これらをマトリクス状に塗り分けることにより、フルカラーの表示を行うことができる。
現在PDP用蛍光体として主に使用されているものは、赤色蛍光体として(Y,Gd)BO3:Eu蛍光体、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn蛍光体、青色蛍光体としてBaMgAl10O17:Eu蛍光体などである。これらのうち、白色輝度を向上させるためには、特に視感度の高い緑色蛍光体の発光強度を高めることが重要である。このような点から、緑色蛍光体の真空紫外線励起による発光強度をさらに向上させることが強く求められている。
さらには、Zn2SiO4:Mnをはじめとするマンガン付活の蛍光体では残光時間が長いことが問題視されている。このような点に対して、Mn量を増加させることで残光時間が短くなることが知られているが、Mn濃度を増加させると輝度が低下してしまう。このように、現状では残光時間と輝度がトレードオフの関係になっている。
このようなことから、前記ケイ酸塩系蛍光体の輝度低下を抑制しつつ、残光時間を短くすることが重要な課題となっている。
従来、前記蛍光体の一般的な製造方法としては、蛍光体母体を構成する元素を含む化合物と付活剤元素を含む化合物を所定量混合し、所定の温度で焼成して固相間反応により蛍光体を得る固相法による製造方法(「蛍光体ハンドブック」参照)が広く採用されていた。
しかしながら、固相法では純粋に化学量論的な組成を有する蛍光体を製造することは難しく、固相間反応の結果、反応しない余剰の不純物や反応によって生ずる副塩等が残留し、化学量論的に高純度な蛍光体を得ることが難しい。その結果として、蛍光体の輝度低下等の問題点が指摘されている。
一方、組成的に均一で高純度な微粒子蛍光体を得るには、固相法よりも液相法の方が適していることが知られている。従来の液相法による蛍光体の製造方法としては、反応晶析法、ゾルゲル法、共沈法、水熱合成法等により合成し、これらを回収、洗浄、乾燥、焼成等により酸化物とする方法などが知られている。
また、特許文献1には、蛍光体を構成する一部の元素を含む化合物表面に、その他の元素を有機酸の塩として析出させることにより前駆体を形成する方法が開示されている。しかしながら、この方法は、アルミニウム化合物を用いたアルミン酸塩蛍光体に関するものであり、緑色蛍光体であるケイ酸塩系蛍光体の製造するための知見を特許文献1からうることはできない。
また、また特許文献2についても、同様にケイ酸塩系蛍光体を製造するための知見を得ることが出来ないのみならず、特許文献2には反応管による蛍光体前駆体粒子の形成方法が開示されているが、反応時のレイノルズ数の定義がなく、反応の観点から不十分であり、更に、反応管の内部の摩耗性による問題について考慮されていない。
特開2001−172621号公報
特開2003−138253号公報
本発明の目的は、従来の製造法では成し得なかった、発光強度に優れ、なおかつ残光時間の短い蛍光体の製造方法及び蛍光体、ならびに前記蛍光体を用いたデバイス、電子機器および蛍光体使用物品を提供することを目的とする。
前記した本発明の目的は、下記の発明により達成される。
(構成1)ケイ素化合物を含む懸濁液と金属化合物を含む溶液によってケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成する製造方法であって、第1の流路の前記懸濁液と第2の流路の前記溶液とを連続的に混合し、第3の流路において、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、連続的に前記第3の流路から排出する方法。
(構成2)第一の流路、該第1の流路に液を送る第1の送液手段、第2の流路、該第2の流路に液を送る第2の送液手段及び前記第1、第2の流路の合流部から延長された第3の流路を有し、前記第1、第2の送液手段は、前記第1の流路にケイ素化合物を含む懸濁液を、前記第2の流路にケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成する金属化合物を含む溶液をそれぞれ送液して、前記第3の流路に連続的に送り込むことにより、前記懸濁液と前記溶液とを連続的に混合し、前記第3の流路において、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、連続的に前記第3の流路から排出するケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置。
(構成3)前記構成1に記載の製造方法により作製したケイ酸塩系蛍光体前駆体。
(構成4)少なくとも前記第3流路が前記懸濁液、前記溶液及び前記混合液に対して摩耗性の少ない材料で構成された前記構成1に記載のケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造方法。
(構成5)少なくとも前記第3流路が前記懸濁液、前記溶液及び前記混合液に対して摩耗性の少ない材料で構成された前記構成2に記載のケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置。
(構成6)排出された液を脱液した後に、脱液して得られた蛍光体前駆体を焼成する構成1に記載のケイ酸塩系蛍光体の製造方法。
(構成7)構成6に記載の製造方法で製造されたケイ酸塩系蛍光体。
(構成8)平均粒径が1μm以下で粒子の変動係数が50%以内である前記構成7に記載のケイ酸塩系蛍光体。
(構成9)ナトリウム及び鉄の合計含有量が100ppm以下である前記構成7又は構成8に記載のケイ酸塩系蛍光体。
(構成1)ケイ素化合物を含む懸濁液と金属化合物を含む溶液によってケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成する製造方法であって、第1の流路の前記懸濁液と第2の流路の前記溶液とを連続的に混合し、第3の流路において、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、連続的に前記第3の流路から排出する方法。
(構成2)第一の流路、該第1の流路に液を送る第1の送液手段、第2の流路、該第2の流路に液を送る第2の送液手段及び前記第1、第2の流路の合流部から延長された第3の流路を有し、前記第1、第2の送液手段は、前記第1の流路にケイ素化合物を含む懸濁液を、前記第2の流路にケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成する金属化合物を含む溶液をそれぞれ送液して、前記第3の流路に連続的に送り込むことにより、前記懸濁液と前記溶液とを連続的に混合し、前記第3の流路において、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、連続的に前記第3の流路から排出するケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置。
(構成3)前記構成1に記載の製造方法により作製したケイ酸塩系蛍光体前駆体。
(構成4)少なくとも前記第3流路が前記懸濁液、前記溶液及び前記混合液に対して摩耗性の少ない材料で構成された前記構成1に記載のケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造方法。
(構成5)少なくとも前記第3流路が前記懸濁液、前記溶液及び前記混合液に対して摩耗性の少ない材料で構成された前記構成2に記載のケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置。
(構成6)排出された液を脱液した後に、脱液して得られた蛍光体前駆体を焼成する構成1に記載のケイ酸塩系蛍光体の製造方法。
(構成7)構成6に記載の製造方法で製造されたケイ酸塩系蛍光体。
(構成8)平均粒径が1μm以下で粒子の変動係数が50%以内である前記構成7に記載のケイ酸塩系蛍光体。
(構成9)ナトリウム及び鉄の合計含有量が100ppm以下である前記構成7又は構成8に記載のケイ酸塩系蛍光体。
本発明者等は、上記記載の問題点を種々検討した結果、蛍光体の製造方法において、請求項1に記載のように、ケイ素化合物を含む懸濁液と、焼成することによりケイ酸塩系蛍光体を形成しうる金属化合物を含む溶液とを混合して前駆体を形成し、焼成する方法を用いることにより、従来の製造法では成し得なかった、発光強度に優れ、なおかつ残光時間の短い蛍光体の製造方法、及びこのような蛍光体ならびに前記蛍光体を用いたデバイス、電子機器および蛍光体使用物品を提供することが出来ることを見出した。
本発明に係るケイ酸塩系蛍光体の結晶母体の好ましい例としては、例えば、Y2SiO5、Zn2SiO4等が挙げられる。
これら結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はない。以下に本発明に係るケイ酸塩系蛍光体の化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。[青色発光無機蛍光化合物]Y2SiO5:Ce3+[緑色発光無機蛍光体](Ba,Mg)2SiO4:Eu2+Y2SiO5:Ce3+,Tb3+Sr2Si3O8−2SrCl2:Eu2+Zr2SiO4,MgAl11O19:Ce3+,Tb3+Ba2SiO4:Eu2+Zn2SiO4:Mn2+Y2SiO5:Ce3+,Tb3+[赤色発光無機蛍光体](Ba,Mg)2SiO4:Eu3+Ca2Y8(SiO4)6O2:Eu3+LiY9(SiO4)6O2:Eu3+本発明においてはケイ素化合物が用いられるが、ここにケイ素化合物とは、ケイ素を含む固体であって、使用される溶液に対して実質的に不溶であればいかなるものでも良く、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)などが挙げられ、これらのうちシリカを用いることが好ましい。シリカとしては、気相法シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ等があげられる。
これら結晶母体及び賦活剤または共賦活剤は、同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、とくに元素組成に制限はない。以下に本発明に係るケイ酸塩系蛍光体の化合物例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。[青色発光無機蛍光化合物]Y2SiO5:Ce3+[緑色発光無機蛍光体](Ba,Mg)2SiO4:Eu2+Y2SiO5:Ce3+,Tb3+Sr2Si3O8−2SrCl2:Eu2+Zr2SiO4,MgAl11O19:Ce3+,Tb3+Ba2SiO4:Eu2+Zn2SiO4:Mn2+Y2SiO5:Ce3+,Tb3+[赤色発光無機蛍光体](Ba,Mg)2SiO4:Eu3+Ca2Y8(SiO4)6O2:Eu3+LiY9(SiO4)6O2:Eu3+本発明においてはケイ素化合物が用いられるが、ここにケイ素化合物とは、ケイ素を含む固体であって、使用される溶液に対して実質的に不溶であればいかなるものでも良く、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)などが挙げられ、これらのうちシリカを用いることが好ましい。シリカとしては、気相法シリカ、湿式シリカ、コロイダルシリカ等があげられる。
本発明におけるケイ素化合物のBET比表面積は、50m2/g以上が好ましく、より好ましくは100m2/g以上、更に好ましくは200m2/g以上である。
本発明におけるケイ素化合物の1次粒径または2次凝集粒径は、1μm以下が好ましく、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。
本発明における金属化合物中の金属元素とは、焼成することによりケイ酸塩系蛍光体を構成しうるものであればいかなるものでもよく、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、EuおよびTbからなる群から選ばれる一種以上の金属元素であることが好ましい。例えば、緑色蛍光体(Zn2SiO4:Mn等)を製造する場合は、Zn、Mnを含むものを用いればよい。前記金属元素は、使用される溶液に対して実質的に不溶な固体でもよいし、塩化物や硝酸塩等で構成され、使用される溶液に溶解するものでもよい。
本発明における金属化合物中の金属元素とは、焼成することによりケイ酸塩系蛍光体を構成しうるものであればいかなるものでもよく、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、EuおよびTbからなる群から選ばれる一種以上の金属元素であることが好ましい。例えば、緑色蛍光体(Zn2SiO4:Mn等)を製造する場合は、Zn、Mnを含むものを用いればよい。前記金属元素は、使用される溶液に対して実質的に不溶な固体でもよいし、塩化物や硝酸塩等で構成され、使用される溶液に溶解するものでもよい。
Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、Eu、Tbからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素はケイ素化合物の周囲に析出していることが好ましい。更に、沈殿剤として有機酸または水酸化アルカリ等を使用し、それらと反応して有機酸塩または水酸化物としてケイ素化合物の周囲に析出していることがより好ましい。用いる有機酸または水酸化アルカリの量としては、好ましくはケイ素以外の金属元素が有機酸塩または水酸化物として析出するのに必要な化学量論量の1倍以上が好ましい。
本発明において、ケイ素化合物を含む懸濁液を構成する溶液とは、上述の通り、ケイ素化合物を実質的に溶解しなければどのようなものでもよく、水またはアルコール類またはそれらの混合物であることが好ましい。アルコール類としては、ケイ素化合物を分散させるものならばいかなるものであっても良く、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。これらのうち、比較的ケイ素化合物が分散しやすいエタノールが好ましい。
本発明におけるケイ素化合物を含む懸濁液と、焼成することによりケイ酸塩系蛍光体を形成しうる金属化合物を含む溶液との混合方法は、いかなる方法でもよく、例えば撹拌による混合方法が制御しやすく、低コストであるので好ましい。また、混合方法としては、バッチ式、連続式、外部循環混合等どのような方法でもよく、例えば、ケイ素化合物を含む溶液を母液とし、母液を撹拌しながらその中にもう一方を含む溶液を添加する方法、あるいは母液を外部循環させ、外部循環経路中にもうけた混合器にもう一方の液を添加する方法などがケイ素化合物の分散という観点から好ましい。更に、沈殿剤を添加する場合においても混合方法は、いかなる方法、順序に従ってもよく、例えば、ケイ素化合物を含む溶液を母液とし、母液を撹拌しながらその中に他の液をダブルジェットで同時に添加する方法、あるいは母液を外部循環させ、外部循環経路中にもうけた混合器に他の液をダブルジェットで同時に添加する方法が好ましい。また溶液の添加位置は母液表面でも母液中でもどちらでもよく、より均一な混合という観点から母液中が好ましい。更に撹拌レイノルズ数は、1×103以上、好ましくは3×103以上、より好ましくは5×103以上で撹拌すること均一混合という観点から好ましい。
レイノルズ数が1×103より低いと、混合状態が悪化し、蛍光体粒子の均一性が低下する。
また、本発明におけるケイ素化合物を含む溶液と、焼成することによりケイ酸塩系蛍光体を形成しうる金属化合物を含む溶液との混合方法は、少なくとも第一の流路から送り込まれるシリカを含む懸濁液と第二の流路から送り込まれる原料溶液及び懸濁液とを連続的に混合させてから第三の流路に連続的に送り込むとともに、その混合液をレイノルズ数3×103〜1×106で1×10−3〜3.6×103秒間送液した後に連続的に吐出させるように構成した事を特徴とする蛍光体前駆体製造装置を用いる事がより好ましく、そのレイノルズ数の下限は5×103であることがさらに好ましく、1×104であることが最も好ましい。また、上記送液時間の下限は1×10−3秒が好ましく、1×10−2秒がより好ましく、1×10−1秒が最も好ましい。
レイノルズ数とは、流れの中にある物体の代表的な長さをD,速度をU、密度をρ、粘性率をηとしたとき、以下の式により得られる無次元数である。
レイノルズ数とは、流れの中にある物体の代表的な長さをD,速度をU、密度をρ、粘性率をηとしたとき、以下の式により得られる無次元数である。
Re=ρDU/η
送液時間が1×10−3秒より短いと、混合が十分でなく、蛍光体粒子の均一性が低下する。
送液時間が1×10−3秒より短いと、混合が十分でなく、蛍光体粒子の均一性が低下する。
本発明においては、ケイ素化合物を含む懸濁液をあらかじめ調整することが好ましい。本発明における調整とは、ケイ素化合物を含む懸濁液中での粒径及び分散状態をあらかじめ調整し、所望の状態を得ることを示す。調整方法の一例として、ケイ素化合物を含む懸濁液に対する撹拌回転数と時間の組み合わせでもよく、より効果的な方法としてケイ素化合物を含む懸濁液を超音波分散することが好ましい。その際、必要に応じて界面活性剤や分散剤を添加してもよい。また調整は溶液温度、50℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは10℃以下で行うことがケイ素化合物の再凝集による粘度上昇を防ぐ上で好ましい。凝集粒径としては、1μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下に調整しておくことがより微少な蛍光体を得る上で好ましい。
また、本発明においては、懸濁液中での粒径及び分散状態があらかじめ調製されたコロイダルシリカを使用しても良い。コロイダルシリカはアニオン性のものが好ましく、その粒径としては、1μm以下、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.1μm以下であることがより微少な蛍光体を得る上で好ましい。
本発明の方法において、ケイ素化合物を含む懸濁液と、焼成することによりケイ酸塩系蛍光体を形成しうる金属化合物を含む溶液とを混合したものを焼成用の前駆体とするには、直接乾燥するか、あるいは必要に応じて不溶な塩類の除去を既存の方法、例えば濾過水洗、膜分離等により行い、更にその後、濾過や遠心分離等の方法により固体を液体から分離した後に乾燥することが好ましい。乾燥温度は20〜300℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは90〜200℃である。直接乾燥させる方法としては、エバポレーションや、顆粒化しながら乾燥させるスプレードライを挙げることができる。
次に、ケイ酸塩系蛍光体の前駆体を焼成する方法はいかなる方法によってもよく、例えば、前駆体をアルミナボートに充填し、所定のガス雰囲気中で所定の温度で焼成することで所望の蛍光体を得ることができる。例えば、緑色蛍光体(Zn2SiO4:Mn等)の前駆体を焼成する場合は、不活性雰囲気中で400〜1400℃の温度範囲、0.5〜40時間の範囲で1回以上焼成するのが好ましい。更に必要に応じて、大気雰囲気(もしくは酸素雰囲気)、還元雰囲気を組み合わせてもよい。還元雰囲気を組み合わせる場合には、結晶中からの亜鉛の蒸発を防止するために800℃以下の温度で焼成することが好ましい。還元性雰囲気を得る方法として、前駆体の充填されたボート内に黒鉛の塊を入れる方法、窒素−水素の雰囲気中、あるいは希ガス・水素の雰囲気中で焼成する方法等が挙げられる。これらの雰囲気に水蒸気が含まれていてもよい。焼成後に得られたケイ酸塩系蛍光体に、分散、水洗、乾燥、篩い分け等の処理を行ってもよい。
本発明では必要に応じて沈殿剤を使用することが好ましく、その際使用する沈殿剤としては、有機酸または水酸化アルカリが好ましい。
有機酸としては、−COOH基を有する有機酸が好ましく、例えば、シュウ酸、蟻酸、酢酸、酒石酸等が挙げられる。特に、シュウ酸を用いた場合、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、Eu、Tbの陽イオンと反応しやすく、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、Eu、Tbの陽イオンがシュウ酸塩として析出しやすいため、より好ましい。また、沈殿剤として、加水分解等によりシュウ酸を生ずるもの、例えばシュウ酸ジメチル等を使用してもよい。
有機酸としては、−COOH基を有する有機酸が好ましく、例えば、シュウ酸、蟻酸、酢酸、酒石酸等が挙げられる。特に、シュウ酸を用いた場合、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、Eu、Tbの陽イオンと反応しやすく、Zn、Mn、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Zr、Al、Ga、La、Ce、Eu、Tbの陽イオンがシュウ酸塩として析出しやすいため、より好ましい。また、沈殿剤として、加水分解等によりシュウ酸を生ずるもの、例えばシュウ酸ジメチル等を使用してもよい。
本発明における水酸化アルカリとしては、−OH基を有するもの、あるいは水と反応して−OH基を生じたり、加水分解により−OH基を生じたりするものであればいかなるものでもよく、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、尿素等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属を含まないアンモニアがよい。
また、本発明において、作製された前駆体は遠心分離等の適当な手段を用いて濾別し、乾燥する。その後、特定雰囲気下で焼成を行い、蛍光体を作製する。この時、好ましい態様としては、1000℃〜1400℃の範囲で酸化雰囲気(例えば窒素−酸素(21%))焼成を行うことである。更に焼成雰囲気・時間・温度・焼成回数等を適宜変えることにより粒子表面のユーロピウム濃度を所望の濃度に制御することができる。例えば1200〜1400℃付近の高温度域で酸化雰囲気(例えば窒素−酸素(21%))焼成を行った後、800〜1000℃付近の低温度域で不活性雰囲気焼成を行う方法等が好ましい態様のひとつである。
また、焼成で得られた蛍光体を酸で洗浄した後、乾燥することが好ましい。酸洗浄することにより粒子表面状態の変化や焼成工程で持ち込まれた不純物等の溶解に起因すると思われる発光輝度の改善が見られる。酸の種類について特に制限はないが、塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸が挙げられる。また、ギ酸、酢酸、酪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シュウ酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、プロピオール酸、クロトン酸などのカルボン酸も有効である。酸濃度や洗浄時間、温度等は蛍光体作製方法にも依存するが、おおよそ0.01〜1規定で5〜60分間攪拌・洗浄し、20〜30℃付近で処理することが好適である。
また、焼成で得られた蛍光体を酸で洗浄した後、乾燥することが好ましい。酸洗浄することにより粒子表面状態の変化や焼成工程で持ち込まれた不純物等の溶解に起因すると思われる発光輝度の改善が見られる。酸の種類について特に制限はないが、塩酸、硝酸、硫酸等の鉱酸が挙げられる。また、ギ酸、酢酸、酪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、シュウ酸、アジピン酸、マレイン酸、フマール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、プロピオン酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、プロピオール酸、クロトン酸などのカルボン酸も有効である。酸濃度や洗浄時間、温度等は蛍光体作製方法にも依存するが、おおよそ0.01〜1規定で5〜60分間攪拌・洗浄し、20〜30℃付近で処理することが好適である。
本発明の蛍光体は、蛍光ランプ、蛍光表示管、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のデバイス、あるいは、蛍光塗料、灰皿、案内板や誘導物等の表示物、シール、文房具、アウトドア用品、安全標識等の蛍光体使用物品に使用することが好ましい。
上記反応装置で沈殿を合成する際には、ステンレス製の配管で装置を構成するのが一般的である。しかしながら、ステンレス製の配管を用いた場合、蛍光体の発光効率が減少してしまうという自体がしばしば起こった。
本発明者らの鋭意検討の結果、蛍光体前駆体の硬度が高いため攪拌中にベッセルおよび攪拌翼が磨耗して、ステンレス紛が前駆体中に混入することが問題点であることをつきとめた。このようにステンレス粉が混入した前駆体を焼成すると蛍光体結晶の内部にNa、Fe、Cr、Ni、Mo、Ti、Nb等が混入することで蛍光体の性能に悪影響を及ぼすことが明らかとなった。このため、ステンレス製配管内部をテフロン(登録商標)でコーティングする事が好ましく、或いは配管自体をポリプロピレン等の樹脂で構成する事がより好ましい。
蛍光体の平均粒径は1μm以下である事が好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることが最も好ましい。
変動係数とは、粒子サイズの標準偏差を平均粒径で割ったものである。蛍光体粒子の変動係数は50%以下である事が好ましく、30%以下であることがより好ましく、15%以下であることが最も好ましい。
(1)蛍光体S1の製造(図1参照)
純水2000mlをA液とし、二酸化ケイ素45gを含むコロイダルシリカとアンモニア水(28%)219gを純水に混合して液量を500mlに調整したものをB液とした。また、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製、純度99.0%)424gと硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製、純度98.0%)21.5gを純水に溶解して液量を500mlに調整したものをC液とした。図1のステンレス製反応容器1にA液を入れ温度を40℃に保ち、直径5cmの攪拌翼を用いて900rpmの攪拌を行って、レイノズル数0.0375とした。その状態で同じく40℃に保ったB液と、C液をA液の入った容器の液面より60ml/minの速度で等速添加を行った。反応により得られた沈殿物を、加圧ろ過を行い固液分離した。次いで、100℃、12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体を得た。次に、得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1200℃、3時間焼成して比較例である蛍光体S1を得た。尚、レイノルズ数(Re)のコントロールは、流速や混合部の管径をコントロールすることで可能となる。混合部の管径は0.1mm〜15mmが好ましく、より好ましくは0.5mm〜10mmである。流速は0.5〜30L/minが好ましい。混合する液の濃度は0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.1〜1.0mol/Lがより好ましい。
(2)蛍光体S2の製造(図2参照)
二酸化ケイ素45gを含むコロイダルシリカとアンモニア水(28%)219gを純水に混合して液量を1500mlに調整したものをA液とした。同時に、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製、純度99.0%)424gと硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製、純度98.0%)21.5gを純水に溶解して液量を1500mlに調整したものをB液とした。
純水2000mlをA液とし、二酸化ケイ素45gを含むコロイダルシリカとアンモニア水(28%)219gを純水に混合して液量を500mlに調整したものをB液とした。また、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製、純度99.0%)424gと硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製、純度98.0%)21.5gを純水に溶解して液量を500mlに調整したものをC液とした。図1のステンレス製反応容器1にA液を入れ温度を40℃に保ち、直径5cmの攪拌翼を用いて900rpmの攪拌を行って、レイノズル数0.0375とした。その状態で同じく40℃に保ったB液と、C液をA液の入った容器の液面より60ml/minの速度で等速添加を行った。反応により得られた沈殿物を、加圧ろ過を行い固液分離した。次いで、100℃、12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体を得た。次に、得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1200℃、3時間焼成して比較例である蛍光体S1を得た。尚、レイノルズ数(Re)のコントロールは、流速や混合部の管径をコントロールすることで可能となる。混合部の管径は0.1mm〜15mmが好ましく、より好ましくは0.5mm〜10mmである。流速は0.5〜30L/minが好ましい。混合する液の濃度は0.005〜5.0mol/Lが好ましく、0.1〜1.0mol/Lがより好ましい。
(2)蛍光体S2の製造(図2参照)
二酸化ケイ素45gを含むコロイダルシリカとアンモニア水(28%)219gを純水に混合して液量を1500mlに調整したものをA液とした。同時に、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製、純度99.0%)424gと硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製、純度98.0%)21.5gを純水に溶解して液量を1500mlに調整したものをB液とした。
A液とB液を40℃に保温した後、第1送液手段であるローラーポンプ10及び第2の送液手段であるローラーポンプ11を使って1800ml/minの添加速度でステンレス製Y字形反応装置12に供給した。Y字形反応装置12は、図示のように、A液が供給される第1の流路13、B液が供給される第2の流路14及びA液とB液とが混合し、混合液の流れを形成する第3の流路15を有する。第3の流路15から排出され、容器16で集積された液中に含まれる液反応により得られた沈殿物を、加圧ろ過を行い固液分離した。次いで、100℃、12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体を得た。次に、得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1200℃、3時間焼成して本発明に係る蛍光体S2を得た。尚、この場合、管径は1mmでレイノルズ数は38274である。
(3)蛍光体S3の製造(図2参照)
二酸化ケイ素45gを含むコロイダルシリカとアンモニア水(28%)219gを純水に混合して液量を1500mlに調整したものをA液とした。同時に、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製、純度99.0%)424gと硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製、純度98.0%)21.5gを純水に溶解して液量を1500mlに調整したものをB液とした。
(3)蛍光体S3の製造(図2参照)
二酸化ケイ素45gを含むコロイダルシリカとアンモニア水(28%)219gを純水に混合して液量を1500mlに調整したものをA液とした。同時に、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製、純度99.0%)424gと硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製、純度98.0%)21.5gを純水に溶解して液量を1500mlに調整したものをB液とした。
A液とB液を40℃に保温した後、ローラーポンプ10、11を使って1800ml/minの添加速度で図2に示すステンレスにテフロン(登録商標)コーティングを施したY字形反応装置12に供給した。反応により得られた沈殿物を純水で希釈後、加圧ろ過を行い固液分離した。次いで、100℃、12時間乾燥を行い、乾燥済み前駆体3を得た。次に、得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1200℃、3時間焼成して本発明に係る蛍光体S3を得た。
〔評価〕
上記の(1)〜(3)で得られた蛍光体S1〜S3について、発光強度、残光時間及び組成の分析を行った。
1.発光強度の評価
蛍光体S1〜S3にそれぞれ0.1〜1.5Paの真空槽内でエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射して、蛍光体から緑色光を発光させた。次に、得られた緑色光を検出器(MCPD−3000(大塚電子株式会社製))を用いてその強度を測定した。そして、発光のピーク強度を、蛍光体S1を100とした相対値で求めた。蛍光体の平均粒径と合わせて得られた結果を表1に示す。
〔評価〕
上記の(1)〜(3)で得られた蛍光体S1〜S3について、発光強度、残光時間及び組成の分析を行った。
1.発光強度の評価
蛍光体S1〜S3にそれぞれ0.1〜1.5Paの真空槽内でエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射して、蛍光体から緑色光を発光させた。次に、得られた緑色光を検出器(MCPD−3000(大塚電子株式会社製))を用いてその強度を測定した。そして、発光のピーク強度を、蛍光体S1を100とした相対値で求めた。蛍光体の平均粒径と合わせて得られた結果を表1に示す。
2.組成分析
蛍光体の組成はケイ素についてはアルカリ溶融法で、ケイ素以外の元素についてはフッ酸による溶解の後、誘導結合プラズマ発光分光法にて定量を行った。
蛍光体の組成はケイ素についてはアルカリ溶融法で、ケイ素以外の元素についてはフッ酸による溶解の後、誘導結合プラズマ発光分光法にて定量を行った。
アルカリ溶融法は白金るつぼに蛍光体を各0.1g秤量した後、2.5gの炭酸ナトリウム(和光純薬製、特級)を添加、電気炉にて1000℃で1時間溶融した後、超純水を添加、加熱溶解した。不溶物がある場合は適宜濾過した後、50mlに定容する。別途2.5gの炭酸ナトリウムのみを溶解した液を調整し、これに関東化学製ケイ素標準原液(原子吸光光度分析用)を添加した標準濃度溶液を調整する。
フッ酸による溶解は、テフロン(登録商標)製ビーカーに蛍光体を各0.1g秤量した後、フッ化水素酸(関東化学製超高純度)を10ml添加し、加熱乾燥した。これを2回繰り返した後、硝酸(関東化学製超高純度)を10ml添加し溶解、50ml定容とした。これを被検液とする。
元素の定性、定量にはセイコー電子工業製誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS4000あるいはVGエレメンタル社製誘導結合プラズマ質量分析装置QP−Ωを用いた。定量の際には別途関東化学製の標準原液及び硝酸(関東化学製超高純度)を添加した基準濃度液を調整し、検量線法で定量を行った。
蛍光体組成以外の不純物含有量を表1に示す。表1より、本発明の蛍光体は短い残光時間で、且つ、発光強度が向上するという結果が得られた。
構成1〜9のいずれかの発明により、発光強度が向上した蛍光体が得られる結果、視感度の高い緑色の強度を高めることが可能となり、フルカラーPDPの白色輝度を向上することが可能となる。
構成4又は5の発明により、反応容器から摩耗により、ナトリウム、鉄等の不純物の溶出が防止される結果、これらの不純物による発光強度の低下等が防止された高い発光強度を有する蛍光体を製造することが可能となる。
構成8の発明により、粒径の揃った蛍光体が製造され、均一な品質の蛍光体が製造される。
構成9の発明により、発光強度を低下させる不純物の含有量が少なく、高い発光強度を持った蛍光体が製造される。
Claims (9)
- ケイ素化合物を含む懸濁液と金属化合物を含む溶液によってケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成する製造方法であって、第1流路の前記懸濁液と第2流路の前記溶液とを連続的に混合し、第3の流路において、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、連続的に前記第3の流路から排出する方法。
- 第一の流路、該第1の流路に液を送る第1の送液手段、第2の流路、該第2の流路に液を送る第2の送液手段及び前記第1、第2の流路の合流部から延長された第3の流路を有し、前記第1、第2の送液手段は、前記第1の流路にケイ素化合物を含む懸濁液を、前記第2の流路にケイ素化合物とともにケイ酸塩系蛍光体前駆体を形成する金属化合物を含む溶液をそれぞれ送液して、前記第3の流路に連続的に送り込むことにより、前記懸濁液と前記溶液とを連続的に混合し、前記第3の流路において、レイノルズ数3×103〜1×106の混合液の流れを形成した後に、連続的に前記第3の流路から排出するケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置。
- 請求の範囲第1項に記載の製造方法により作製したケイ酸塩系蛍光体前駆体。
- 少なくとも前記第3流路が前記懸濁液、前記溶液及び前記混合液に対して摩耗性の少ない材料で構成された請求の範囲第1項に記載のケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造方法。
- 少なくとも前記第3流路が前記懸濁液、前記溶液及び前記混合液に対して摩耗性の少ない材料で構成された請求の範囲第2項に記載のケイ酸塩系蛍光体前駆体の製造装置。
- 排出された液を脱液した後に、脱液して得られた蛍光体前駆体を焼成する請求の範囲第1項に記載のケイ酸塩系蛍光体の製造方法。
- 請求の範囲第6項に記載の製造方法で製造されたケイ酸塩系蛍光体。
- 平均粒径が1μm以下で粒子の変動係数が50%以内である請求の範囲第7項に記載のケイ酸塩系蛍光体。
- ナトリウム及び鉄の合計含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求の範囲第7項又は第8項に記載のケイ酸塩系蛍光体。
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