JP2004043633A - 蛍光体製造方法 - Google Patents

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Hisahiro Okada
岡田 尚大
Satoshi Ito
伊藤 聡
Naoko Furusawa
古澤 直子
Takayuki Suzuki
鈴木 隆行
Hideki Hoshino
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Abstract

【課題】粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、しかも、高純度で化学組成が均一で、発光特性に優れた蛍光体を安価に製造する方法を提供する。
【解決手段】希土類硼酸塩蛍光体(珪酸塩蛍光体、アルミン酸塩蛍光体)の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
連続核発生装置を用いて前駆体含有懸濁液を形成し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蛍光体の製造方法に関し、特に陰極線管、蛍光ランプ、PDP、FED等に好適な蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
陰極線管、蛍光ランプ、PDP及びFEDなどに用いられる複合酸化物蛍光体は、従来、原料粉末を混合したものを坩堝などの焼成容器に入れた後、高温で長時間加熱することにより固相反応を起こさせ、それをボールミルなどで微粉砕することにより製造されてきた。
【0003】
しかし、この方法で製造された蛍光体は不規則形状粒子が凝集した粉末からなっており、この蛍光体を上記用途に使用した場合には、塗布して得られる蛍光膜が不均質で充填密度の低いものとなるために発光特性が低かった。又、固相反応後のボールミルなどによる微粉砕処理中に蛍光体に物理的及び化学的な衝撃が加えられるために、粒子内や表面に欠陥が発生して発光強度が低下するという不都合があった。更には、坩堝などの焼成容器に入れて高温で長時間加熱するために、坩堝からの不純物の混入による発光特性の低下が起こることや、原料粉末の粒度によっては固相反応が十分に進行せずに不純物相が混在して発光特性の低下を招くことがあった。又、高温で長時間加熱する際の消費エネルギーが大きいために、蛍光体の製造コストを高くしていた。
【0004】
これらの問題を解決するために特開2000−87033、同2000−96048、同2000−109825等に、噴霧熱分解法による蛍光体合成方法が開示されている。しかし、本発明の組成に、これらの手法を利用した例はなく、利用も前駆体の乾燥工程のみに限定されたものが多かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するために為されたものであり、その目的とするところは、粒度分布が狭く、凝集粒子が少なく、しかも、高純度で化学組成が均一で、発光特性に優れた蛍光体を安価に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の状は目的は以下の構成によって達成される。
【0007】
1)希土類硼酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0008】
2)(Y1−a−b,Gd,Eu)BO(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0009】
3)珪酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0010】
4)(Zn1−a,EuSiO(0<a<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0011】
5)アルミン酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0012】
6)(Ba1−a−b,Sr,Eu)MgAl1017(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0013】
7)連続核発生装置を用いて前駆体含有懸濁液を形成し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0014】
8)連続核発生装置を用いて希土類硼酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0015】
9)連続核発生装置を用いて(Y1−a−b,Gd,Eu)BO(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0016】
10)連続核発生装置を用いて珪酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0017】
11)連続核発生装置を用いて(Zn1−a,EuSiO(0<a<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0018】
12)連続核発生装置を用いてアルミン酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0019】
13)連続核発生装置を用いて(Ba1−a−b,Sr,Eu)MgAl1017(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱する蛍光体製造方法。
【0020】
上記によって得られる蛍光体は、粒度分布が狭く、凝集粒子が少ないので、陰極線管、蛍光ランプ、PDP、FED等に用いる際に均質で緻密な高輝度蛍光膜を形成することが可能であり、しかも、高純度で化学組成が均一であるので、発光特性に優れている。
【0021】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の蛍光体の製造方法において、必要な金属元素を含有する溶液又は反応液を作製するために用いられる原料は、これらの元素を含有する塩や有機金属化合物など、水やアルコール等に可溶であり、しかも、必要により高温に加熱した際に酸化物あるいは硫化物に分解反応する原料ならば、何れのものでも使用することができる。しかし、蛍光体の合成を容易にするためには、硝酸塩など、加熱により容易に分解する原料が好ましい。又、良好な発光特性を得るためには、キラーセンターとなる鉄やニッケル等の不純物元素の少ない原料が好ましい。
【0022】
合成される蛍光体母体組成の例としては、BaSiO、BaSiAl、YVO、ZnSiO、ZnS、CaWO、GdS、BAM、ハロ燐酸塩、硼酸塩などが挙げられる。溶液又は反応液は、これらを合成するのに必要な化学量論量付近の金属元素及び賦活剤を含有することが望ましい。溶液又は反応液中の濃度は溶解する範囲内なら幾つでもよいが、蛍光体組成換算で0.005〜3mol/Lが好ましく、0.01〜0.4mol/Lがより好ましい。上記範囲内において、所望の蛍光体粒子の直径に対する超音波噴霧等により形成される液滴の直径に従って調整される。即ち、蛍光体粒子直径に対する液滴直径の比が大きければ溶液内の溶質濃度を低くし、その比が小さければ溶質濃度を高く調整する。又、溶媒種は原料が溶解し、目的とする蛍光体が合成できれば何を用いてもよいが、アルコール、水などが特に好ましい。又、ここで言う溶液又は反応液とは、完全な溶液、ゾルゲル反応などの結果得られる懸濁液、共沈で得られる沈殿を含む液などを指す。好ましくは、溶液又は懸濁液である。更に、反応温度が高く、組成に影響し難いアルミナ等を噴霧の直前に添加し、更なる燒結防止効果を得ることも出来る。
【0023】
尚、原料溶液又は反応液中に少量のフラックスを添加すると、熱分解反応時に比較的低温度で短時間に結晶性の高い蛍光体球状粒子が生成するので、予めフラックスを原料溶液又は反応液中に溶解しておいてもよい。
【0024】
液滴の形成は、様々な噴霧方法により実施可能である。例えば、加圧空気で液体を吸い上げながら噴霧して1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電結晶からの2MHz程度の超音波を利用して4〜10μmの液滴を形成する方法、穴径が10〜20μmのオリフィスが振動子により振動し、そこへ一定の速度で供給されている液体が振動数に応じて一定量ずつ穴から放出され、5〜50μmの液滴を形成する方法、回転している円板上に液を一定速度で落下させて遠心力によってその液から20〜100μmの液滴を形成する方法、液体表面に高い電圧を印加して0.5〜10μmの液滴を発生する方法などが採用できる。
【0025】
陰極線管、蛍光ランプ、PDP、FED、インク等に用いることが可能なサブミクロンからミクロンオーダーの粒径の揃った蛍光体を製造するには、液滴径の比較的均一な1〜10μmの液滴を形成できる超音波を利用する噴霧方法が特に好ましい。
【0026】
噴霧液滴の供給は1箇所からでもよく、複数箇所からでもよい。供給位置は必要に応じて熱分解炉の何処に設けてもよい。又、その際の供給液は、反応性の違いなどにより、元素毎に分割してもよく、粒経制御のために全く同じ液を数個所から供給してもよい。
【0027】
形成した液滴は、キャリアガスにより熱分解反応炉内に導入されて加熱されることにより蛍光体粒子となる。キャリアガスの種類、キャリアガス流量、熱分解反応炉内の温度など加熱速度に影響を与える因子により、中空の球、ポーラス、中の詰まった粒子、破砕された粒子などと生成する粒子の形態及び表面状態が変化する。キャリアガスとしては不活性ガス、還元性ガス、酸化性ガス、硫黄雰囲気など、目的に合わせて選ぶことが出来る。
【0028】
熱分解反応は600〜1750℃の範囲内の温度で加熱することで行われる。この熱分解反応温度が低すぎると反応が十分に進まない。一方、熱分解反応温度が高すぎると不要なエネルギーを消費する。従って、熱分解反応炉内での加熱温度が750〜1550℃の範囲内にすると、反応の十分に進んだ中の詰まった球状粒子が得られるので好ましい。
【0029】
熱分解反応は、0.1秒〜10分の範囲内の滞留時間で行うのが好ましい。反応時間が短すぎると反応が十分に進まない。一方、反応時間が長すぎると不要なエネルギーを消費する。特に、熱分解反応炉内での滞留時間が10秒〜1分にすると、反応の十分に進んだ球状粒子を不要なエネルギーを消費することなく効率良く生産できる。
【0030】
熱分解炉は直径0.1cm〜1m、長さ1cm〜10m、厚み1〜10cmの円筒に、導入部を付けた形が望ましい。素材は石英、アルミナ等が利用できるが、急激な温度変化に耐えるために、石英、チタン酸アルミナを使うことが望ましい。
【0031】
又、熱源は、目的温度に達すれば何を用いてもよく、ニクロム線や、炭化珪素などが利用できる。応答速度、耐久性などを考え、炭化珪素を用いることが望ましい。又、炉は単独で用いてもよく、生産性を考慮して複数本並列に用いてもよい。更に、炉の強度が足りず、所望の長さが得られず、滞留時間が満たない場合は直列に使用してもよい。
【0032】
蛍光体前駆体粉末を熱分解炉に導入する方法において、前駆体合成のプロセスとしては、共沈法、ゾルゲル法などの液相法を用いることができ、反応原料は硝酸塩、炭酸塩、酸化物、塩化物、有機金属塩など一般的な物を用いることができ、反応溶媒として、水、アルコール等が用いられる。合成時のpHは特に制限はないが、アルカリ性が望ましい。
【0033】
沈殿の回収は、濾過やデカンテーション等の一般的な方法が用いられ、又、反応溶液を蒸発乾固させ、回収してもよい。得られた紛体を洗浄してもよく、乾燥後、粉砕してもよい。
【0034】
紛体の熱分解炉への導入方法は、液に懸濁させて前記方法と同様に噴霧してもよく、紛体に何らかの振動を与えてキャリアガスに乗せてもよい。
【0035】
熱分解反応炉内で加熱する工程の後、燒結防止剤を混合し、更に600〜1800℃の範囲内で0.1秒〜24時間だけ再加熱処理することができる。再加熱の温度が低すぎるか又は時間が短かすぎると、結晶性が低い上に、賦活されないために発光特性が低くなる。一方、温度が高すぎるか時間が長すぎると、凝集粒子が多数生成するために蛍光膜を形成する際に緻密にならず、所望の発光特性が得られない。そこで、再加熱温度を1000〜1500℃にすると、高い発光特性を示し、しかも凝集粒子の少ない蛍光体を得ることができるのでより好ましい。又、再加熱時間を30分〜10時間にすると、高い発光特性を示し、しかも、凝集粒子の少ない蛍光体を得ることができるので、より好ましい。
【0036】
添加する燒結防止剤は、アルミナやシリカ等の金属酸化物、界面活性剤や、ポリマー等の有機物など一般的なものが使用できる。
【0037】
又、再加熱の温度を低下し、更に凝集を防ぐ目的で、融剤を添加してもよい。以下、本発明に係る液相法について説明する。液相法としては、ゾルゲル法、晶析法が好ましい。
【0038】
ゾルゲル法とは、一般的には母体又は賦活剤又は共賦活剤に用いる元素(金属)を、例えばSi(OCHやEu3+(CHCOCHCOCH等の金属アルコキシドや金属錯体又はそれらの有機溶媒溶液に、金属単体を加えて作るダブルアルコキシド(Al(OCの2−ブタノール溶液に金属マグネシウムを加えて作るMg[Al(OC等)、金属ハロゲン化物、有機酸の金属塩、金属単体として必要量混合し、熱的又は化学的に重縮合することによる製造方法を意味する。
【0039】
又、晶析法とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的又は化学的な環境の変化、あるいは化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場合などで、液相中から固相を析出させることであり、一般に晶析現象と言われているが、この様な晶析現象発生を誘引する物理的、化学的操作を施す製造方法を意味する。
【0040】
加熱処理後の無機蛍光体の捕集方法は、フィルター、バグフィルター、電気集塵器、DMA、サイクロン、液状トラップ等、合成された蛍光体の特性に応じて、既存のあらゆる方法を用いることが出来る。
【0041】
本発明の蛍光体は、平均粒径が1.0μm以下であることが好ましく、0.8μm以下であることがより好ましく、0.5μm以下であることが更に好ましく、0.01〜0.3μmであることが最も好ましい。
【0042】
蛍光体の平均粒径は、電子顕微鏡(日立製作所社製S−900)を用いて、蛍光体中の粒子300個の粒径を測定し、その平均値である。
【0043】
本発明でいう微粒化粒子とは、粒径が1.0μm以下の粒子のことをいい、微粒化されているとは、蛍光体の平均粒径が上記の範囲にあることをいう。
【0044】
本発明の蛍光体は、粒径分布の変動係数が100%以下であることが好ましく、50%以下であることが更に好ましく、30%以下であることが最も好ましい。ここで粒子サイズの変動係数とは、下式によって定義される値である。
【0045】
(粒子サイズの標準偏差/粒子サイズの平均値)×100=粒子分布の広さ(変動係数)%
好ましく用いられる無機蛍光体化合物の組成は特に制限はないが、結晶母体であるYS、ZnSiO、Ca(POCl等に代表される金属酸化物及びZnS、SrS、CaS等に代表される硫化物に、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb等の希土類金属元素のイオンやAg、Al、Mn、Sb等の金属原子のイオンを賦活剤又は共賦活剤として組み合わせたものが好ましい。結晶母体の好ましい例を以下に列挙する。
【0046】
ZnS、YS、YAl12、YSiO、ZnSiO、Y、BaMgAl1017、BaAl1219、(Ba、Sr、Mg)O・BaAl、(Y、Gd)BO、YO、(Zn、Cd)S、SrGa、SrS、GaS、SnO、Ca10(PO(F、Cl)、(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017、(Sr、Ca、Ba、Mg)10(POCl、(La、Ce)PO、CeMgAl1119、GdMgB10、Sr、SrAl1425
【0047】
以上の結晶母体及び賦活剤、共賦活剤は同族の元素と一部置き換えたものでも構わないし、特に元素組成に制限はなく、紫外線を吸収して可視光を発するものであればよい。
【0048】
以下に本発明の蛍光体の製造方法に用いられる無機蛍光体化合物を示すが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0049】
[青色発光 無機蛍光体化合物]
BL−1)Sr:Sn4+
BL−2)SrAl1425:Eu2+
BL−3)BaMgAl1017:Eu2+
BL−4)SrGa:Ce3+
BL−5)CaGa:Ce3+
BL−6)(Ba、Sr)(Mg、Mn)Al1017:Eu2+
BL−7)(Sr、Ca、Ba、Mg)10(POCl:Eu2+
[緑色発光 無機蛍光体化合物]
GF−1)(Ba、Mg)Al1627:Eu2+、Mn2+
GF−2)SrAl1425:Eu2+
GF−3)(Sr、Ba)AlSi:Eu2+
GF−4)(Ba、Mg)SiO:Eu2+
GF−5)YSiO:Ce3+、Tb3+
GF−6)Sr−Sr:Eu2+
GF−7)(Ba、Ca、Mg)(POCl:Eu2+
GF−8)SrSi−2SrCl:Eu2+
GF−9)ZrSiO、MgAl1119:Ce3+、Tb3+
GF−10)BaSiO:Eu2+
[赤色発光 無機蛍光体化合物]
RL−1)YS:Eu3+
RL−2)(Ba、Mg)SiO:Eu3+
RL−3)(Ba、Mg)Al1627:Eu3+
RL−4)(Ba、Ca、Mg)(POCl:Eu3+
RL−5)YVO:Eu3+
RL−6)CaS:Eu3+
本発明の製造方法で得られる蛍光体は、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションディスプレイ、紫外発光有機エレクトロルミネッセンスディスプレイを初めとするフラットパネルディスプレイ用蛍光体、カラー陰極線管用蛍光体、インクジェット用インク、電子写真トナー、ハロゲン化銀写真材料等の色材・メディア用蛍光体、増感紙用蛍光体として用いられるが、用途がこれらに限定されるものではない。
【0050】
次に、無機蛍光体製造用焼成装置について述べる。
図1は、本発明の無機蛍光体の製造装置の一例を示す概略図である。図1において、無機蛍光体の製造装置1は、熱分解反応炉2、熱源3、噴霧ノズル4、粉体捕集装置5、導入管6、排出管7、粉体取出し部8を主構成として有する。
【0051】
熱分解反応炉2は熱源3によって加熱され、熱分解反応炉2内に投入された液滴状の無機蛍光体の構成元素を含有する溶液、及び/又は無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液の加熱処理が行われ、小粒径で発光強度の高い本発明の無機蛍光体が製造される。
【0052】
又、熱分解反応炉2の内部にキャリアガスと無機蛍光体の構成元素を含有する溶液、及び/又は無機蛍光体前駆体を含有する懸濁溶液を導入し得るように、導入管6が接続し、更に粉体捕集装置にはガス排出管7が接続している。
【0053】
図2は、蛍光体前駆体を合成する装置の一例を示す概略図である。反応装置11内の溶液Aに、溶液B及び溶液Cが、それぞれノズル12及び13より導入され、撹拌翼14により撹拌され反応する。必要により、外部に加熱手段や冷却手段が取り付けられるが図示してない。
【0054】
図3及び図4は蛍光体前駆体粒子を生成する反応装置の主要部(連続核発生装置)と、粒子の熟成・成長を行うための容器を模式的に示す図である。図3と図4は、後述する流路の形態が異なる(Y字型、T字型)だけであり、同じ機能を有する手段は同一数字で示してある。
【0055】
両図において、21は反応装置、22は熟成・成長用容器である。反応装置21は、蛍光体原料溶液aを取り込む為の第1流路31と、蛍光体原料溶液bを取り込むための第2流路32と、後述する第3流路33とを有する。
【0056】
前記第1流路31及び第2流路32の一端は、交点Cにおいて、それぞれの流路内に連続的に送液される溶液が衝突し、混合するように関係付けられており、又、第3流路33の一端は、衝突後の混合溶液を連続的に受け入れることができるように、交点Cにおいて前記二つの流路の一端と繋がっている。即ち、前記三つの流路の一端が集結して交点Cを形成している構成にある。
【0057】
ここで重要なことは、交点Cにおける衝突後の溶液が逆流しないように、又、衝突混合により即時に形成される粒子核が、少なくともほぼ安定状態となる迄の時間、反応装置内で(実際には第3流路33内で)送液(液の移動)し得る構成に配慮することである。ここでは、粒子が安定状態となるまでの時間を0.001秒以上と定め、第3流路33は、これを満足する径と長さを有している。
【0058】
T1及びT2は、それぞれ蛍光体原料溶液a,bを貯蔵するタンクである。前記溶液は制御手段S1,S2の制御に従って動作するポンプP1,P2により前記の各流路にレイノルズ数3000以上で送り込まれるように制御されている。混合前の前記両溶液の流速は、同じでも差があってもよい。
【0059】
前記第3流路33は、混合前の前記第1及び第2流路31,32に送り込まれる各溶液の流速以上の流速を、混合後の溶液に付与することができる。前記制御手段S1,S2は一つに纏めてもよく、又、前記ポンプP1,P2は無脈動ポンプであることが望ましい。
【0060】
熟成・成長容器22は、内部に撹拌翼41を有する。Mはモータで、前記撹拌翼41の回転動力源である。
【0061】
42は蛍光体原料溶液cを前記容器中に導入するためのノズル、43は蛍光体原料溶液dを導入するためのノズルであり、ダブルジェット法の実施を可能とする。前記溶液は、pH等の制御下に添加してもよい。
【0062】
以上のような構成に基づく作動状態を簡単に説明する。
タンクT1,T2に所定の溶液(a,b)が貯蔵されている状態において、ポンプP1,P2が制御手段S1,S2の制御の基に作動を開始すると、第1流路31、第2流路32に蛍光体原料溶液が乱流状態で送り込まれる。やがて、前記両液は交点Cに達し、そこで衝突した後、混合状態となって第3流路33に入る。前記両液の衝突・混合により蛍光体前駆体粒子核が形成される。前記混合溶液は、衝突・混合した時から0.001秒間以上、第3流路中を移動した後に、当該流路で後地から吐出され、熟成成長容器22に収容される。
【0063】
混合後の前記溶液の流速は、混合前の各溶液の流速以上であり、その流速を以て前記熟成成長容器22に吐出されてもよいし、一旦、別の容器に溜め、その後、熟成成長容器22に移送してもよい。
【0064】
熟成成長容器22に導入された蛍光体前駆体粒子核は、其処で熟成工程を経てもよく、経なくともよい。又、熟成成長容器2導入後の蛍光体前駆体粒子に対し、ノズル42,43を介して更に蛍光体原料を添加しても、しなくともよい。
【0065】
以上の実施の形態は、あくまでも一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
又、以下に変形例を含め、その周囲の技術等について述べる。
前記可溶性銀塩溶液及びハロゲン化物溶液の流路は一つずつである例を示したが、処理の効率化等から複数本ずつ存在させてもよく、又、流路の直径を大きく設定するなど、選択の自由度は広い。
【0067】
又、交点Cには動的な撹拌機能の無い例を示したが、図6のように撹拌翼等の動的撹拌機構を付与してもよい。又、複数の原料溶液を用いたり、成長抑制剤、凝集防止剤等を同時混合する目的で3種以上の溶液を混合してもよい。
【0068】
又、交点Cで原料溶液が衝突・混合され、蛍光体前駆体粒子が発生した瞬間に溶液の粘度は急激に増大ことがあり、その結果、混合前の各溶液の各流路内における流速よりも混合後の流速が低くなると、流路を形成する壁面に対して蛍光体前駆体粒子の付着が起き易くなり、溶液の流動状態が一定でなくなるので不均一な核発生が起こり易くなる。故に、流路内における混合後の溶液の流速は混合前の各溶液の流速の1.2倍以上であることが好ましく、2.0倍以上であることがより好ましく、3.0倍以上であることが最も好ましい。流速とは流路内における平均流速を言う。
【0069】
上記送液時間(反応装置内で移動しながら滞留する時間)は0.001秒以上が好ましく、0.01秒以上がより好ましく、0.1秒以上が最も好ましい。
【0070】
蛍光体原料溶液を第1及び第2流路に送液するに当たり、交点付近における逆流を防いだり、より均一な両液の混合を行わせるために、実質的に乱流であることが好ましい。
【0071】
乱流はレイノルズ(Re)数により定義される。レイノルズ数とは、流れの中にある物体の代表的な長さをD、速度をU、密度をρ、粘性率をηとした時、次式により得られる無次元数である。
【0072】
Re=ρDU/η
一般にRe<2300の時を層流、2300<Re<3000を遷移域、Re>3000の時を乱流と言う。実質的に乱流とは、Re>3000を指し、好ましくはRe>5000、より好ましくはRe>10000である。
【0073】
又、本発明における核の平均粒子サイズは0.1μm以下であるが、0.05μm以下がより好ましい。平均粒子サイズは、乳剤中に含まれる微粒子を直接メッシュに載せて、そのまま透過型電子顕微鏡によって任意に1000個以上観察することにより確認することができる。
【0074】
蛍光体原料溶液の一部もしくは全てにゼラチンや水溶性ポリマー等の保恒剤や界面活性剤を加えることができる。
【0075】
図5は耐溶剤性の高い樹脂で作った反応装置の他の例で、便宜上、中央断面で示してある。図3における機能と同じ機能を有する部分は同一の数字で示してある。図3の反応装置においては、混合溶液が上から下に送液される構成であるが、図5の構成においては、混合溶液を下から上に吹き出す構成としてある。
【0076】
第1流路31、第2流路32及び第3流路33の、それぞれ一端部が集結して交点Cを形成している構成は図3の構成と同じである。前記三つの流路は、円柱の素材を刳り抜いて形成されている。該装置における、蛍光体前駆体粒子核の生成は前述した通りであり、又、タンク、送液用のポンプ等が操作時に備えられること等、図3を利用しての説明と同じであるので、ここでの説明は省略する。
【0077】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるものではない。
【0078】
〈蛍光体1の作製〉
水1000mlをA液とした。
【0079】
水500mlに、イットイリウムのイオン濃度が0.4659mol/L、
ガドリニウムのイオン濃度が0.2716mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.0388mol/Lとなるように硝酸イットリウム6水和物、硝酸ガドリニウム、硝酸ユウロピウム6水和物を溶解しB液とした。
【0080】
水500mlに、硼素のイオン濃度が0.7763mol/Lとなるように硼酸を溶解しC液とした。
【0081】
図2の反応容器にA液を入れ温度を40℃に保ち、攪拌翼を用いて攪拌を行った。その状態で同じく40℃に保ったB、C液をA液の入った反応容器下部ノズルより100ml/minの速度で等速添加を行った。添加後10分間熟成を行い、前駆体1を得た。
【0082】
その後、前駆体1を濾過・乾燥し乾燥前駆体1を得た。更に乾燥前駆体1を1,400℃の酸化条件下で2時間焼成して比較の蛍光体1を得た。
【0083】
〈蛍光体2の作製〉
水1000mlをA液とした。
【0084】
水500mlに、イットイリウムのイオン濃度が0.4659mol/L、ガドリニウムのイオン濃度が0.2716mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.0388mol/Lとなるように硝酸イットリウム六6和物、硝酸ガドリニウム、硝酸ユウロピウム6水和物を溶解しB液とした。
【0085】
水500mlに、硼素のイオン濃度が0.7763mol/Lとなるように硼酸を溶解しC液とした。
【0086】
図2の反応容器で、A、B、C液を用いて前駆体1と全く同様にして前駆体2を得た。
【0087】
図1の熱分解反応炉2として純度90%のチタン酸アルミナから成る材質(線膨張率5.2×10−7/℃)のものを用意し、前駆体2を含む液を4MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて液滴を形成し、空気をキャリアガスとして使用して1,400℃の温度に保持した熱分解反応炉内に、この液滴を導入して15秒間熱分解反応を行い本発明の蛍光体2を得た。
【0088】
〈蛍光体3の作製〉
水500mlにイットイリウムのイオン濃度が0.4659mol/L、ガドリニウムのイオン濃度が0.2716mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.0388mol/Lとなるように硝酸イットリウム六水和物、硝酸ガドリニウム、硝酸ユウロピウム六水和物を溶解しA液とした。
【0089】
水500mlに硼素のイオン濃度が0.7763mol/Lとなるように硼酸を溶解しB液とした。
【0090】
両液共40℃に温度を保ち、図3の反応装置21(流路31、32、33の管径:何れも1mm)の31にA液を供給し、32にB液を供給し、混合及び反応を行った。両液の添加速度は150ml/minで、その際の31、32での液の線速度は3.18m/sec、Re数は3,183、33での液の線速度は6.37m/sec、Re数は6,366であった。添加後、図3の熟成・成長容器22に液を導入し10分間熟成を行い、前駆体3を得た。
【0091】
図1の熱分解反応炉2として、純度90%のチタン酸アルミナから成る材質(線膨張率5.2×10−7/℃)のものを用意し、前駆体3を含む液を4MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて液滴を形成し、空気をキャリアガスとして使用して1,400℃の温度に保持した熱分解反応炉内にこの液滴を導入して15秒間熱分解反応を行い本発明の蛍光体3を得た。
【0092】
蛍光体1〜3は赤色発光蛍光体である。
〈蛍光体4の作製〉
水1000mlをA液とした。
【0093】
水500mlに、シリコンのイオン濃度が0.5000mol/Lとなるようにメタ珪酸ナトリウムを溶解しB液とした。
【0094】
水500mlに、亜鉛のイオン濃度が0.9500mol/L、マンガンのイオン濃度が0.0500mol/Lとなるように塩化亜鉛と塩化マンガン四水和物を溶解しC液とした。
【0095】
図2の反応容器で、A、B、C液を用いて前記前駆体1と全く同様にして前駆体4を得た。
【0096】
その後、前駆体4を濾過・乾燥して乾燥前駆体4を得た。更に、乾燥前駆体4を1,200℃、窒素雰囲気条件下で2時間焼成して比較の蛍光体4を得た。
【0097】
〈蛍光体5の作製〉
水1000mlをA液とした。
【0098】
水500mlに、シリコンのイオン濃度が0.5000mol/Lとなるようにメタ珪酸ナトリウムを溶解してB液とした。
【0099】
水500mlに、亜鉛のイオン濃度が0.9500mol/L、マンガンのイオン濃度が0.0500mol/Lとなるように塩化亜鉛と塩化マンガン四水和物を溶解しC液とした。
【0100】
図2の反応容器で、A、B、C液を用いて前記前駆体1と全く同様にして前駆体5を得た。
【0101】
図1の熱分解反応炉2として純度90%のチタン酸アルミナから成る材質(線膨張率5.2×10−7/℃)のものを用意し、前駆体5を含む液を4MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて液滴を形成し、窒素をキャリアガスとして使用して1,200℃の温度に保持した熱分解反応炉内に、この液滴を導入して15秒間熱分解反応を行い、本発明の蛍光体5を得た。
【0102】
〈蛍光体6の作製〉
水500mlに、珪素のイオン濃度が0.5000mol/Lとなるようにメタ珪酸ナトリウムを溶解しA液とした。
【0103】
水500mlに、亜鉛のイオン濃度が0.9500mol/Lとなるように塩化亜鉛を溶解してB液とした。
【0104】
水500mlに、マンガンのイオン濃度が0.0500mol/Lとなるように塩化マンガン4水和物を溶解しC液とした。
【0105】
3液共60℃に温度を保ち、図3と同様の構造を持ち、図6のように供給側の管が3本の混合装置を用いて混合及び反応を行った(供給管51、51′、51″の管径:1mm、排出管53の管径:1mm)。51にA液を、51′にB液を、51″にC液を供給し混合及び反応を行った。3液の添加速度は150ml/minでその際の51、51′、51″での液の線速度は3.18m/sec、Re数は3,183、33での液の線速度は9.55m/sec、Re数は9,549であった。
【0106】
添加後、図1の熱分解反応炉2に前記混合液を導入し10分間熟成を行い、前駆体6を得た。
【0107】
図1の熱分解反応炉2として純度90%のチタン酸アルミナから成る材質(線膨張率5.2×10−7/℃)のものを用意し、前駆体6を含む液を4MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて液滴を形成し、窒素をキャリアガスとして使用して1,200℃の温度に保持した熱分解反応炉内に、この液滴を導入して15秒間熱分解反応を行い、本発明の蛍光体6を得た。
【0108】
蛍光体4〜6は緑色発色蛍光体である。
〈蛍光体7の作製〉
水1000mlをA液とした。
【0109】
水500mlに、バリウムのイオン濃度が0.0900mol/L、マグネシウムのイオン濃度が0.1000mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.01mol/Lがとなるように塩化バリウム2水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化ユーロピウム6水和物を溶解しB液とした。
【0110】
水500mlに、アルミニウムのイオン濃度が1.000mol/Lとなるように塩化アルミニウム6水和物を溶解しC液とした。
【0111】
図2の反応容器で、A、B、C液を用いて前駆体1と全く同様にして前駆体7を得た。
【0112】
その後、前駆体7を濾過・乾燥して乾燥前駆体7を得た。更に、乾燥前駆体7を1,500℃還元条件下で2時間焼成して比較の蛍光体7を得た。
【0113】
〈蛍光体8の作製〉
水1000mlをA液とした。
【0114】
水500mlに、バリウムのイオン濃度が0.0900mol/L、マグネシウムのイオン濃度が0.1000mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.01mol/Lがとなるように塩化バリウム2水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化ユーロピウム6水和物を溶解しB液とした。
【0115】
水500mlに、アルミニウムのイオン濃度が1.000mol/Lとなるように塩化アルミニウム6水和物を溶解しC液とした。
【0116】
図2の反応容器で、A、B、C液を用いて前駆体1と全く同様にして前駆体8を得た。
【0117】
図1に記載の熱分解反応炉2として純度90%のチタン酸アルミナから成る材質(線膨張率5.2×10−7/℃)のものを用意し、前駆体8を含む液を4MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて液滴を形成し、窒素−水素(98/2体積%)の混合ガスをキャリアガスとして使用して、1,500℃の温度に保持した熱分解反応炉内に、この液滴を導入して15秒間熱分解反応を行い本発明の蛍光体8を得た。
【0118】
〈蛍光体9の作製〉
水500mlに、バリウムのイオン濃度が0.0900mol/L、マグネシウムのイオン濃度が0.1000mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.01mol/Lとなるように塩化バリウム2水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化ユーロピウム6水和物を溶解しA液とした。
【0119】
水500mlに、アルミニウムのイオン濃度が1.000mol/lとなるように塩化アルミニウム6水和物を溶解しB液とした。
【0120】
両液共40℃に温度を保ち、図3の混合装置(流露31、32、33の管径:何れも1mm)の31にA液を供給し、32にB液を供給し混合及び反応を行った。両液の添加速度は150ml/minで、その際の31、32での液の線速度は、何れも3.18m/sec、Re数は3,183で、33での液の線速度は6.37m/sec、Re数は6,366であった。
【0121】
添加後、図3の熟成・成長容器22に前記混合液を導入し、10分間熟成を行い、前駆体9を得た。
【0122】
図1の熱分解反応炉2として純度90%のチタン酸アルミナから成る材質(線膨張率5.2×10−7/℃)のものを用意し、前駆体9を含む液を前記蛍光体8の製造と全く同様に処理して本発明の蛍光体9を得た。
【0123】
蛍光体7〜9は青色発色蛍光体である。
〈蛍光体の特性評価〉
得られた各蛍光体について、下記発光強度及び平均粒径を測定したところ、以下のような結果が得られた。
【0124】
《発光強度》
大塚電子社製蛍光スペクトル測定装置を用いて、147nm励起における発光強度測定を行い、比較例である蛍光体1,4,7の発光強度を、それぞれ100%とした時の蛍光体の相対発光強度を求めた。
【0125】
《平均粒径》
蛍光体粒子を走査型電子顕微鏡で観察し、粒子500個の平均粒径を求めた。
【0126】
Figure 2004043633
以上のように、本発明の蛍光体粒子は優れた特性を持つことが明らかとなった。又、平均粒径が小さくなっても、相対発光強度が減少しないという長所を持つことも判る。しかも、従来方法に比べ、加熱時間が短くて済むというコスト面でのメリットもある。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、粒度分布が狭く、発光強度に優れた蛍光体を安価に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である無機蛍光体の製造装置の一例を示す概略図。
【図2】蛍光体前駆体を合成する装置の一例を示す概略図。
【図3】蛍光体前駆体粒子を生成する反応装置の主要部を示す模式図(Y字型)ならびに該蛍光体前駆体粒子の熟成・成長を行うための容器の模式図。
【図4】蛍光体前駆体粒子を生成する反応装置の主要部を示す模式図(T字型)ならびに該蛍光体前駆体粒子の熟成・成長を行うための容器の模式図。
【図5】耐溶剤性の高い樹脂で作った図3と同型の反応装置の一例の断面図。
【図6】図3と同様であるが、供給側のノズルが3本ある場合を示す断面図。
【符号の説明】
1 無機蛍光体製造装置
2 熱分解反応炉
3 熱源
4 噴霧ノズル
5 粉体捕集装置
6 導入管
7 排出管
8 粉体取出し部
11 反応装置
12,13 溶液導入ノズル
14 撹拌翼
M モータ
21 反応装置
22 熟成・成長用容器
31 第1流路
32 第2流路
33 第3流路
C 流路の交点
T1,T2 タンク
P1,P2 ポンプ
S1,S2 制御手段
41 撹拌翼
42,43 溶液導入ノズル
51,51′,51″ 供給管
53 排出管

Claims (13)

  1. 希土類硼酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  2. (Y1−a−b,Gd,Eu)BO(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  3. 珪酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  4. (Zn1−a,EuSiO(0<a<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  5. アルミン酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  6. (Ba1−a−b,Sr,Eu)MgAl1017(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  7. 連続核発生装置を用いて前駆体含有懸濁液を形成し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  8. 連続核発生装置を用いて希土類硼酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  9. 連続核発生装置を用いて(Y1−a−b,Gd,Eu)BO(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  10. 連続核発生装置を用いて珪酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  11. 連続核発生装置を用いて(Zn1−a,EuSiO(0<a<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  12. 連続核発生装置を用いてアルミン酸塩蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
  13. 連続核発生装置を用いて(Ba1−a−b,Sr,Eu)MgAl1017(0≦a≦1,0<b<1)で表される蛍光体の前駆体含有懸濁液を作製し、キャリアガスと共に熱分解炉に導入し、加熱することを特徴とする蛍光体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007314709A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 金属酸化物蛍光体、その製造方法、及びそれを用いた放射線用シンチレータプレート
JP2012251082A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 蛍光体微粒子、該蛍光体微粒子の製造方法、蛍光体薄膜及びelデバイス

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