JP3680852B2 - マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の課題は、より高輝度で残光が短く、かつ、熱処理耐性および紫外線耐性に優れたマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法を提供することである。
蛍光体粒子が角のない形状の粒子であることにより、蛍光体ペーストを調整する際の分散工程において、「欠け」などの機械的ダメージを受けることを防止し、蛍光体に応力が加わることにより発光効率の低下等の原因となる格子欠陥等の発生を防止することができる。さらに、蛍光体層作製時のベーキング工程における熱処理耐性や、放電セル内における放電時の紫外線耐性についても改善することができる。さらに、蛍光体粒子が角のない粒子であることにより、インクジェットノズルを利用して蛍光体ペーストを吐出する際にもよりスムーズに行うことができる。
ここで、本発明における小粒径、粒径分布、形状の3つのパラメータが必要条件となる理由について各項目につき説明する。
まず、発光強度については、粒径分布、形状の双方が上記範囲内に入っていない場合には発光強度が低くなるからである。これは、付活剤である例えばマンガンが粒子間で均一に分布しているためであると考えられる。
また、インクジェットノズルにおける蛍光体ペーストの吐出については、粒径が小さく、粒径分布が狭く、さらに形状が角なしであることの上記3つのパラメータがそろうことによって吐出不良が改善される。また、粒径が小さく、形状が角なしであっても、粒径分布が広いことで吐出不良が生じてしまう。さらに、粒径が小さく、粒径分布が狭くても、形状が不定形であれば、吐出不良が生じてしまう。
また、蛍光体ペーストのベーキング工程における熱処理耐性を改善するためには、粒径分布が狭く、形状が角なしであることが必要である。これは、粒径分布と形状の2つのパラメータのどちらか一方が、本発明の範囲から外れることによって熱処理耐性が悪くなるためである。また、粒径分布、形状の2つのパラメータ条件を満たしていれば、粒径が大きくなるにつれて熱処理耐性は改善される方向になる。
PDPのパネル輝度については、小粒径で粒径分布が狭く、形状が角なしであるという3つのパラメータ条件がそろったときに、最も高いパネル輝度を得ることができる。したがって、粒径分布と形状のどちらか一方が、本発明の条件を満たさない場合はパネル輝度が低くなる。なお、粒径が500nmを越えることによってパネル輝度は低くなるが、500nm〜2μmまではその水準が維持される。しかし、2μm以上になると急激にパネル輝度が低くなる。これは、500nm〜2μmまでの間で、粒径分布と形状とがそろっている粒子については、熱処理耐性が改善されるプラスの効果と、充填率が低下するマイナスの効果とが相殺して、パネル輝度が維持されているものと考えられる。
以上の点から、小粒径、粒径分布、形状の3つのパラメータの条件がそろうことにより、本発明の効果を最大に発揮することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法において、前記マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の平均粒径が10nm以上400nm以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の平均粒径が10nm以上400nm以下であるので、ノズルの目詰まりを防止し、さらにスムーズに蛍光体ペーストを吐出することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法において、前記マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の全粒子の90質量%以上が平均粒径の±20%以内の粒径を有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の全粒子の90質量%以上が平均粒径±20%以内の粒径を有するので、蛍光体層に蛍光体粒子を密に充填することができ、PDPの発光強度の向上を図ることができる。また、粒子サイズが均一であることにより、ムラのない秀麗な発光を行わせることができる。
また、蛍光体ペーストを調整する際の分散工程において、「欠け」などの機械的ダメージを受けることを防止され、発光効率の低下を防ぐことができる。さらに、蛍光体層作製時のベーキング工程における熱処理耐性や、放電セル内における放電時の紫外線耐性についても改善することができる。
請求項5に記載の発明によれば、マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の平均粒径が10nm以上400nm以下であるので、ノズルの目詰まりを防止し、さらにスムーズに蛍光体ペーストを吐出することができる。
請求項6に記載の発明によれば、マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の全粒子の90質量%以上が平均粒径±20%以内の粒径を有するので、蛍光体層に蛍光体粒子を密に充填することができ、PDPの発光強度の向上を図ることができる。また、粒子サイズが均一であることにより、ムラのない秀麗な発光を行わせることができる。
まず、本発明に係る蛍光体について説明する。本発明に係る蛍光体の平均粒径は10nm以上2μm以下であり、全粒子の90質量%以上が平均粒径の±30%以内の粒径を有し、全粒子に占める角のない粒子の割合が個数で80%以上である。
(BL−1) :Sr2P2O7:Sn4+
(BL−2) :Sr4Al14O25:Eu2+
(BL−3) :BaMgAl10O17:Eu2+
(BL−4) :SrGa2S4:Ce3+
(BL−5) :CaGa2S4:Ce3+
(BL−6) :(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al10O17:Eu2+
(BL−7) :(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(BL−8) :ZnS:Ag
(BL−9) :CaWO4
(BL−10):Y2SiO5:Ce
(BL−11):ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12):Ca2B5O9Cl:Eu2+
(BL−13):BaMgAl14O23:Eu2+
(BL−14):BaMgAl10O17:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(BL−15):BaMgAl14O23:Sm2+
(BL−16):Ba2Mg2Al12O22:Eu2+
(BL−17):Ba2Mg4Al8O18:Eu2+
(BL−18):Ba3Mg5Al18O35:Eu2+
(BL−19):(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al10O17:Eu2+
(GL−1) :(Ba,Mg)Al16O27:Eu2+,Mn2+
(GL−2) :Sr4Al14O25:Eu2+
(GL−3) :(Sr,Ba)Al2Si2O8:Eu2+
(GL−4) :(Ba,Mg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) :Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) :Sr2P2O7−Sr2B2O5:Eu2+
(GL−7) :(Ba,Ca,Mg)5(PO4)3Cl:Eu2+
(GL−8) :Sr2Si3O8−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) :Zr2SiO4,MgAl11O19:Ce3+,Tb3+
(GL−10):Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11):ZnS:Cu,Al
(GL−12):(Zn,Cd)S:Cu,Al
(GL−13):ZnS:Cu,Au,Al
(GL−14):Zn2SiO4:Mn
(GL−15):ZnS:Ag,Cu
(GL−16):(Zn,Cd)S:Cu
(GL−17):ZnS:Cu
(GL−18):Gd2O2S:Tb
(GL−19):La2O2S:Tb
(GL−20):Y2SiO5:Ce,Tb
(GL−21):Zn2GeO4:Mn
(GL−22):CeMgAl11O19:Tb
(GL−23):SrGa2S4:Eu2+
(GL−24):ZnS:Cu,Co
(GL−25):MgO・nB2O3:Ce,Tb
(GL−26):LaOBr:Tb,Tm
(GL−27):La2O2S:Tb
(GL−28):SrGa2S4:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(RL−1) :Y2O2S:Eu3+
(RL−2) :(Ba,Mg)2SiO4:Eu3+
(RL−3) :Ca2Y8(SiO4)6O2:Eu3+
(RL−4) :LiY9(SiO4)6O2:Eu3+
(RL−5) :(Ba,Mg)Al16O27:Eu3+
(RL−6) :(Ba,Ca,Mg)5(PO4)3Cl:Eu3+
(RL−7) :YVO4:Eu3+
(RL−8) :YVO4:Eu3+,Bi3+
(RL−9) :CaS:Eu3+
(RL−10):Y2O3:Eu3+
(RL−11):3.5MgO,0.5MgF2GeO2:Mn
(RL−12):YAlO3:Eu3+
(RL−13):YBO3:Eu3+
(RL−14):(Y,Gd)BO3:Eu3+
反応晶析法とは、晶析現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液を液相中で混合することによって蛍光体前駆体を作製する方法をいう。晶析現象とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的又は化学的な環境の変化、或は化学反応によって混合系の状態に変化を生じる場合等に液相中から固相が析出する現象を指す。本発明における反応晶析法による蛍光体前駆体の製造方法は、上記の様な晶析現象発生の誘因となりえる物理的、化学的操作による製造方法を意味する。
このシリカ等のケイ素系材料を蛍光体結晶の母核としたシリカ母核法により前駆体を形成するには、ケイ素系材料を液体に分散させたケイ素系液状物と、金属元素を液体に陽イオンの状態で溶解させたもの、あるいは液体に金属元素を固体のまま分散させた金属系液状物とを混合する。
なお、緑色蛍光体であるZn2SiO4:Mn蛍光体の前駆体の製造には、コロイダルシリカを用いることが最も好ましい。この場合、コロイダルシリカは、表面のシラノール基のマイナス荷電により粒子が安定に溶液中に分散されていることが特徴的であり、このシラノール基が他の構成元素と反応し、水酸化亜鉛や水酸化マンガンを形成することで前駆体の均一性が高くなり、分布が狭く、角のない形状の蛍光体を得ることが可能となる。
一方、気相法シリカを用いた場合には、純水に分散したときにシリカ粒子同士の凝集が起こりやすく、その結果、水酸化亜鉛、水酸化マンガンと均一に混合されにくくなり、分布や形状ともに、本発明の範囲内の蛍光体を得ることができない。
特に、上記したコロイダルシリカを用いる場合にも、上記と同様に、1次粒径又は2次凝集粒径は好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。頃威樽シリカの1次粒径又は2次凝集粒径が0.1μm以下であると、より微小な蛍光体を得ることができる点で好ましい。
また、上記したコロイダルシリカを用いる場合には、液体中での粒径および分散状態があらかじめ調製されているので、適宜、適切なものを使用すればよい。
金属元素を溶解又は分散させる液体は、ケイ素系材料を実質的に溶解しなければどのようなものでもよく、上記と同様に、水若しくはアルコール類又はそれらの混合物であることが好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。特に、エタノールが好ましい。
このときにケイ素の原料がコロイダルシリカであれば、前駆体の表面のZn2+イオンとシリカ表面のシラノール基が結合することで、水酸化亜鉛とシリカ粒子が均一に混合する効果が得られる。この結果、本発明のような粒径、分布、形状に関して好ましい蛍光体を得ることができる。
水酸化物を析出させる際には、平均混合時間を短くすることのできる添加方法、例えば、ダブルジェット法を用いることが好ましい。ダブルジェット法とは母液中に2種類の反応溶液を別々のノズルで同時に添加する方法であり、本発明の場合には反応溶液である、亜鉛、マンガンイオン溶液とアンモニア溶液を別々のノズルで母液であるゼラチン水溶液中に同時に添加することに相当する。
反応晶析法での難溶性塩の沈殿の形成速度は非常に高速であり、添加液を添加後母液内が均一になるまでの時間(平均混合時間)が長いと、濃度局在の部分で反応が起こり様々な粒径・形状の前駆体が形成されてしまい、結果として分布が広くなってしまう。
迅速な混合は、分布の狭い前駆体を形成する上では欠く事のできない要素である。
本発明の分布、すなわち全粒子の90質量%以上が±30%以内の粒径となるようにするには、平均混合時間を10sec以下とすることが好ましい。より好ましくは1sec以下であり、さらに好ましくは100msec以下である。
粒径は、母液内の過飽和度によりコントロールされる。過飽和度ρは、溶質の溶液濃度Cと溶質の飽和度Ceから決まり、ρ=(C−Ce)/Ceであらわされる。過飽和度は、例えば添加濃度が濃く、母液の量が少なく、速度が速いと過飽和度が高くなり、粒径が小さくなる。また、反応温度も重要な因子であり、母液の温度が低くなると過飽和度が高くなる。
さらに、本発明で過飽和度をコントロールする際の指標として、過飽和度指数ρkを定義する。溶液濃度指数Ckを、Ck=[(核発生が起こるまでの時間)×(添加液濃度)×(単位時間あたりの添加量)]/(母液量)とすると、ρk=(Ck−Ce)/Ceであらわされる。なお、核発生が起こるまでの時間とは、大塚電子製MCPD−3000を用いて、添加開始から母液の透過濃度を測定し、濃度に変化が見られるまでの時間を核発生が起こるまでの時間と定義する。また、Ck(溶液濃度指数)の単位は濃度であるが、過飽和度指数ρkは、ディメンジョンレスになっており、時間・体積・濃度は、どの単位を使っても同じ値になる。
本発明の粒径、すなわち平均粒径10nm以上2μ以下とするためには、過飽和度指数を0.2以上50以下とすることが好ましい。さらに、好ましくは10以上50以下である。
添加濃度、母液量、添加時間は、生産スケールに応じて決定される量で、過飽和度指数を満たし、かつ平均混合時間が範囲に入るようにコントロールすることができる。
温度は、溶媒の融点以上沸点以下であれば良く、この中で適宜選択することができる。
保護コロイドを用いることは、球状の粒子を形成するために必要な因子である。保護コロイドは粒子の表面に吸着して、表面の成長を均一に行わせる役割がある。
一方で、保護コロイドが十分でない場合には、粒子間での吸着量にムラができ、粒子間での成長速度に差ができてしまい、分布を広げてしまうため、保護コロイドの量には注意が必要である。
本発明の形状、すなわち全粒子に占める角のない粒子の割合が個数で80%以上とするためには、保護コロイドの量は、好ましくは2.5%〜15%、より好ましくは4%〜7%である。
本発明に係る蛍光体は、上記蛍光体形成工程により得た蛍光体前駆体を焼成処理することにより得られる。
各放電セル31の内側には、放電ガスが封入されており、平面視において前記電極11、21が交差する点が少なくとも一つ設けられている。本発明に係るPDP1は、蛍光体層35R、35G、35Bを本発明に係る蛍光体を用いて製造したものである。
まず、2枚の基板のうち、表示側に配置される前面板10側の構成について説明する。前面板10は、放電セル31から発せられる可視光を透過し、基板上に各種の情報表示を行うもので、PDP1の表示画面として機能する。
表示電極11は、前面板10の背面板20と対向する面に複数設けられ、規則正しく配置されている。表示電極11は、透明電極11aとバス電極11bとを備え、幅広の帯状に形成された透明電極11a上に、同じく帯状に形成されたバス電極11bが積層された構造となっている。なお、バス電極11bの幅は、透明電極11aよりも狭く形成されている。また、表示電極11は、平面視において前記した隔壁30と直交している。なお、表示電極11は所定の放電ギャップをあけて対向配置された2つで一組となっている。
蛍光体ペーストとは、蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤などの混合物に分散し、適度な粘度に調整したものである。蛍光体ペースト中の蛍光体の含有量としては30質量%〜60質量%の範囲にするのが好ましい。
酸化物やフッ化物で蛍光体の表面を被覆すると、分散処理時における蛍光体の結晶性の低下を抑制でき、さらに蛍光体の表面欠陥に励起エネルギーが捕獲されることを防ぐことにより、発光輝度及び発光強度の低下を抑制できる。
(b)カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられる。
(c)ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
本実施例1では、本発明に係る蛍光体1−4、本発明の参考例として蛍光体1−1〜1−3、1−5、1−6を製造し、粒径、粒径の分布、角のない粒子の割合について比較例1−1〜1−5とともに評価した。
低分子ゼラチン5%水溶液1000ccをA液とする。硝酸亜鉛6水和物35.33gと、硝酸マンガン6水和物1.79gを純水に溶解し、500ccとし、これをB液とする。28%アンモニア水18.25gを純水と混合し500ccとし、これをC液とする。クラリアントジャパン社製コロイダルシリカ 30R25 粒径20nm 30%水溶液12.52gを純水と混合し200ccとし、これをD液とする。
塩化バリウム2水和物22.0g、塩化マグネシウム6水和物20.33g、塩化アルミニウム6水和物421.4g、塩化ユーロピウム6水和物3.66gを純水500ccに溶解しA液とした。アンモニア水溶液1mol/L500ccをB液、蓚酸(シュウ酸)水溶液1mol/L500ccをC液とする。
低分子ゼラチン5%溶液1000ccをA液とする。水500ccに硝酸イットリウム6水和物0.078mol、硝酸ガドリニウム0.045molを溶解した液をB液、硝酸ユーロピウム0.0065molを水50ccに溶解した液をc液、水500ccにほう酸0.123molを溶解しD液とした。
A液中に形成した白色沈殿をろ過、乾燥の後、1400℃大気中で2時間焼成し蛍光体1−3を得た。
蛍光体1のA液を1000ccの純水としたほかは、蛍光体1−1と同様にしてB液〜D液を調整する。10℃においてA液を激しく攪拌した中にB液とD液を30分かけて等速で添加する。添加終了後、C液を60分かけて等速で添加を行った後、加圧ろ過法により固液分離を行った。次いで、回収されたケーキを1000℃24hrで乾燥し乾燥済み前駆体を得た。得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1200℃3時間焼成を行い、緑色発光の蛍光体1−4を得た。
低分子ゼラチン5%水溶液1000ccをA液とする。硝酸亜鉛6水和物141.78gと、硝酸マンガン6水和物7.18gを純水に溶解し、500ccとし、これをB液とする。28%アンモニア水72.99gを純水と混合し500ccとし、これをC液とする。クラリアントジャパン社製コロイダルシリカ 30R25 粒径20nm 30%水溶液50.07gを純水と混合し200ccとし、これをD液とする。
蛍光体1−5のA液を5000ccとしたほかは、蛍光体1−5と同様にして蛍光体1−6を得た。過飽和度指数は0.42であった。
実施例1及び参考例1と比較するため、比較例としての緑色発光の蛍光体(Zn2SiO4:Mn2+)を製造した。
(1)比較例1−1の製造
蛍光体1のA液を1000ccの純水としたほかは、蛍光体1−1と同様にして比較例1−1を得た。
蛍光体1のA液を低分子ゼラチン1%水溶液としたほかは、蛍光体1−1と同様にして比較例1−2を得た。
蛍光体1−6のA液の温度を80℃としたほかは、蛍光体1−6と同様にして比較例1−3を得た。過飽和度指数は0.11であった。
蛍光体1−5のA液を5000ccの純水としたほかは、同様にしてB液〜D液を調整する。60℃においてA液を激しく攪拌した中にC液とB液を100分間かけて等速で添加する。添加終了後、D液を4分かけてA液中で添加を行いそのまま60分間攪拌を続けた。その後、加圧ろ過法により固液分離を行った。次いで、回収されたケーキを1000℃24hrで乾燥し乾燥済み前駆体を得た。得られた前駆体を窒素100%の雰囲気中で1200℃3時間焼成を行い、緑色発光の比較例1−4を得た。
蛍光体1−6のA液を1%低分子ゼラチンとしたほかは、蛍光体1−6と同様にして比較例1−5を得た。
本実施例で用いた装置の平均混合時間は、1Lの時に2sec、5Lの時に5secであった。
(1)平均粒径、粒径の分布、形状の観察
上記で得た蛍光体1−1〜1−6および比較例1−1〜1−5の蛍光体について、走査型電子顕微鏡で平均粒径、粒径の分布を測定するとともに、形状を観察した。測定結果および観察結果を表2に示す。
なお、ここで、粒径の分布とは、全粒子の90質量%が、平均粒径の±何%以内に入るかを指す。また、角のない粒子の割合とは、全粒子に対する個数%である。
次に、蛍光体1−1、蛍光体1−4〜1−6、比較例1−1〜1−5にそれぞれ0.1〜1.5Paの真空槽内でエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射して、蛍光体から緑色光を得た。この緑色光を検出器(MCPD−3000(大塚電子株式会社製))を用いてその強度を測定した。そして、発光のピーク強度を、蛍光体1−1を100とした相対値で求めた。結果を表3に示す。
次に、上記実施例1で得た蛍光体1−4、参考例1で得た蛍光体1−1〜1−3、1−5、1−6を用いて蛍光体ペーストを調整した。
まず、蛍光体1−1を用いて、下記の組成で蛍光体懸濁液を調合して、スターラーで撹拌し、緑色発光蛍光体組成物とした。
蛍光体1−1 45質量%
ターピネオール,ペンタンジオールの1:1混合液 545.5質量%
エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量%
(予備分散条件)
翼径 :20mm
回転数 :8000rpm
予備分散時間:2分
RMATT SL−C5)を用いて下記の分散条件により本分散処理を行い、蛍光体ペースト2−1を得た。
(分散条件)
ディスク回転数:5,520rpm
ビーズ種 :ジルコニア
ビーズ径 :0.3mm
ビーズ充填率 :70%
流量 :120ml/min
分散時間 :3分間
上記(1)において蛍光体1−1を蛍光体1−2〜1−6に変えること以外は同様にして、蛍光体ペースト2−2〜2−6を調整した。
(1)蛍光体ペーストの熱処理耐性(ベーキング耐性)
蛍光体ペースト2−1、蛍光体ペースト2−4〜2−6と比較例2−1〜2−5で調整した蛍光体ペーストを500℃でベーキングし、樹脂部分を蒸発させた後に発光強度の測定を行った。なお、発光強度の測定は〔評価1〕の(2)に準じて行った。また、発光強度はそれぞれベーキング前の蛍光体の発光強度をそれぞれ100とした。結果を表4に示す。
次に、蛍光体ペースト2−1〜2−4と比較例2−1〜2−2をインクジェットノズルから吐出した時の吐出状態について観察した。吐出は10個のノズルを用い、それぞれのノズルからペースト30ccを吐出しその状態を観察した。結果を表5に示す。
次に、上記で調整した参考例としての蛍光体ペースト2−1、2−5、2−6(緑色発光)と、蛍光体ペースト2−2(青色発光)、蛍光体ペースト2−3(赤色発光)を用いて、以下のように図1に示すストライプ型のセル構造をもつ交流面放電型のPDPを製造した。
まず、前面板10となるガラス基板上の所定の位置に、透明電極11aとして透明電極を配置する。次に、Cr−Cu−Crをスパッタリングし、フォトエッチングを行うことによりバス電極11bを透明電極11a上に形成し、表示電極11とする。そして、前記表面ガラス基板10上に、表示電極11を覆うように低融点ガラスを印刷し、これを500〜600℃で焼成することにより誘電体層12を形成する。さらに誘電体層12の上に、MgOを電子ビーム蒸着して保護膜13を形成する。
(1)と同様にして、緑色蛍光体層を形成する際に、蛍光体ペースト2−1の代わりに、蛍光体ペースト2−5、2−5をそれぞれ用いることにより、PDP3−5、3−6を製造した。
(1)と同様にして、緑色蛍光体層を形成する際に、実施例2で調整した蛍光体ペーストの代わりに、比較例2−1〜2−3で調整した蛍光体ペーストを用いることにより、PDPとしての比較例3−1、3−2、3−3を製造した。
上記で製造したPDP3−1、3−5、3−6と比較例3−1〜3−3のPDPの発光強度を測定した。測定の方法は〔評価1〕の(2)に準じて行った。なお、PDP3−1の発光強度を100とした場合の相対発光強度を表6に示す。
10 基板
20 基板
30 隔壁
31 放電セル
35R、35G、35B 蛍光体層
40 隔壁
41 放電セル
50 隔壁
51 放電セル
Claims (6)
- マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法において、亜鉛イオン及びマンガンイオンを含有する水溶液と、コロイダルシリカを含有する分散液とを、母液に同時に添加する工程の後に、沈殿剤を前記母液に添加する工程を有することを特徴とするマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法。
- 前記亜鉛イオン及びマンガンイオンを含有する水溶液と、コロイダルシリカを含有する分散液とを、母液に同時に添加する工程において、前記母液の温度を室温以下とすることを特徴とする請求項1に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法。
- 前記マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の平均粒径が10nm以上500nm以下であり、全粒子の90質量%以上が平均粒径の±30%以内の粒径を有し、全粒子に占める角のない粒子の割合が個数で80%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法。
- 前記角のない粒子が、球形であることを特徴とする請求項3に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法。
- 前記マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の平均粒径が10nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法。
- 前記マンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の全粒子の90質量%以上が平均粒径の±20%以内の粒径を有することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載のマンガン含有珪酸亜鉛蛍光体の製造方法。
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