JP2007224135A - マンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、その製造方法及びプラズマディスプレイパネル - Google Patents

マンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、その製造方法及びプラズマディスプレイパネル Download PDF

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Kazuya Tsukada
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秀樹 星野
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Abstract

【課題】発光輝度が高く、かつ発光寿命が長い、マンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、その製造方法及び該蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
【解決手段】結晶子サイズが1〜100nmであることを特徴とするマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、発光輝度が高く、かつ発光寿命が長いマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、その製造方法及び該蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、プラズマディスプレイパネル(PDP)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロルミネッセンス(EL)パネルのようなフラットパネルディスプレイが次世代のディスプレイ装置として注目されている。これら次世代のディスプレイ装置の分野においては、大画面、高解像度への期待が大きく、その中でも特にPDPでは高速表示、画面の大型化及び薄型化が容易である点から、陰極線管(CRT)に代わり得る次世代のディスプレイ装置の主流として研究が盛んに進められている。
PDPは多数の微小放電空間(放電セルまたは表示セルともいう。)をマトリックス状に配置して構成した表示素子であり、各放電セル内には放電電極が設けられ、各放電セルの内壁には蛍光体が塗布されている。各放電セル内の空間にはHe−Xe、Ne−Xe、Ar等の希ガスが封入されており、放電電極に電圧を印加することにより、放電セル内で希ガスの放電が起こり、プラズマ状態になり、真空紫外線が放射される。この真空紫外線により蛍光体が励起され、可視光を発する。表示素子において信号が入力した位置の放電セルの蛍光体の発光によって画像が表示される。各放電セルに用いられる蛍光体としてそれぞれ、赤(R)、緑(G)、青(B)に発光する蛍光体を用い、これらをマトリックス状に塗り分けることにより、フルカラーの表示を行うことができる。
なお、一般的PDPにおいては、背面板のガラス基板上にアドレス用の電極を形成し、その上に隔壁層を形成する。さらに、バインダー樹脂中に蛍光体粒子を分散させた蛍光体ペーストを用いて、スクリーン印刷法等の方法により所望のパターンに塗布した後、バインダー樹脂成分を空気中500℃程度の温度で焼成除去して蛍光体層を形成する。
PDPにおいて信号が入力した位置の放電セル内の希ガスの放電に伴い放出された真空紫外線により3色のRGB蛍光体層を励起し、発光させることにより、3色の蛍光体の色度点とそれらの加色混合で決まる色空間範囲内のカラー表示を行っている。
PDP用の緑(G)に発光する蛍光体としては、(Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+、Sr4Al1425:Eu2+、(Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+、(Ba,Mg)2SiO4:Eu2+、Y2SiO5:Ce3+,Tb3+、Sr227−Sr225:Eu2+、(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu2+、Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+、Zr2SiO4,MgAl1119:Ce3+,Tb3+、Ba2SiO4:Eu2+、ZnS:Cu,Al、(Zn,Cd)S:Cu,Al、ZnS:Cu,Au,Al、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Ag,Cu、(Zn,Cd)S:Cu、ZnS:Cu、Gd22S:Tb、La22S:Tb、Y2SiO5:Ce,Tb、Zn2GeO4:Mn、CeMgAl1119:Tb、SrGa24:Eu2+、ZnS:Cu,Co、MgO・nB23:Ce,Tb、LaOBr:Tb,Tm、La22S:Tb、SrGa24:Eu2+,Tb3+,Sm2+等が知られている。
中でも、マンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体(マンガン賦活ケイ酸亜鉛蛍光体)は優れた蛍光体であるが、さらに発光輝度が高く、かつ発光寿命が長いマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体が求められている。
このような課題を解決するために、蛍光体の製造方法が検討されている。特許文献1では、メタケイ酸ナトリウムと塩化亜鉛を混合し、ケイ酸亜鉛前駆体を得る方法についての記載があるが、メタケイ酸ナトリウムを酸性に調整する技術については記載がない。特許文献2では、亜鉛イオンを予めアンモニア錯体の形にしてケイ酸イオンを含む水溶液と反応させる方法についての記載があるが、水溶液のpHについての記載がなく、本発明とは異なる。メタケイ酸ナトリウムは、水に溶解した状態では強アルカリ性を示す物質であるが、この水溶液をpH3以下に調整する技術についてはいずれの特許にも開示されていない。
特開平5−24819号公報 特開昭60−11219号公報
本発明の目的は、発光輝度が高く、かつ発光寿命が長いマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、その製造方法及び該蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
1.結晶子サイズが1〜100nmであることを特徴とするマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体。
2.原料に用いるケイ酸アルカリ金属の溶液をカチオン交換樹脂で処理することを特徴とするマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
3.前記カチオン交換樹脂で処理した後の溶液中のアルカリ金属濃度が、5×10-4mol/L以下であることを特徴とする2に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
4.前記カチオン交換樹脂で処理した後の溶液中のアルカリ金属濃度が、5×10-6mol/L以下であることを特徴とする3に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
5.前記ケイ酸アルカリ金属の溶液と亜鉛、マンガン含有溶液をpH4以下で混合した後、アニオン交換樹脂で処理することにより前駆体を析出させることを特徴とする2〜4のいずれか1項に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
6.前記前駆体の析出の際の反応温度を60℃以上100℃未満とすることを特徴とする5に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
7.前記前駆体の析出の際の反応温度を80℃以上100℃未満とすることを特徴とする6に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
8.前記前駆体の析出の際の反応液中に保護コロイドを用いることを特徴とする5〜7のいずれか1項に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
9.1に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、または2〜8のいずれか1項に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法で得られたマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
本発明によれば、発光輝度が高く、かつ発光寿命が長いマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、その製造方法及び該蛍光体を用いたプラズマディスプレイパネルを提供することができる。
本発明者は鋭意検討の結果、ケイ酸アルカリ溶液と、亜鉛、マンガン含有水溶液を反応させてマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体前駆体を形成する際に、アルカリ金属イオンが存在しない、または非常に少ない条件下において反応を行うことで、高輝度で、かつ発光寿命が長いマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体(以後、単に蛍光体ともいう)を製造できることを見出した。
さらに、この蛍光体の結晶子サイズを測定したところ、他の製造方法に比較して結晶子サイズが小さくなっていることが明らかとなった。前駆体が小粒径であり、かつ、アルカリ金属が不純物として含まれないことが、結晶子サイズが小さくなった理由であると思われる。
ここで結晶子とは、単結晶とみなせる最大の集まりをいい、一個の粒子は複数の結晶子によって構成される。結晶子サイズが小さくなるということは、一個の粒子の中で、結晶子の数が増え、結晶子一つ当たりの回折格子の数が少なくなる。すなわち、ある回折角度において完全にブラッグの条件を満たす格子の数が減り、入射X線の幅が広がりにより、僅かに異なるθ角を有する結晶子の情報が多く存在することになる。結晶子サイズは、Scherrerの式より求められる。
このように結晶子サイズが小さな蛍光体は、驚くべきことに高輝度であり、かつ、輝度劣化が起こり難いということが明らかになった。結晶子サイズが小さくなることにより結晶内の欠陥が減少し、高輝度を達成できると考えられる。
〔蛍光体の製造方法〕
蛍光体の製造方法は、まず、ケイ酸アルカリ金属溶液をカチオン交換樹脂で脱イオン化する。脱イオン化した溶液中のアルカリ金属濃度は、5×10-4mol/L以下が好ましく、5×10-6mol/L以下がより好ましく、下限は0mol/Lである。脱イオン化し、pH3以下に調整した後に、亜鉛イオンとマンガンイオン含有水溶液を混合する。混合時のpHは4以下、1以上が好ましい。さらに、混合液をアニオン交換樹脂で処理することで、溶液pHを5〜8としてマンガン含有ケイ酸亜鉛を析出させる。
この際、反応温度を60℃以上100℃未満とすることが好ましく、80℃以上100℃未満とすることがさらに好ましい。反応温度が高くなることで、焼成後の蛍光体の発光強度が上昇し、結晶子サイズが小さくなることが明らかとなった。
(前駆体の形成工程)
また、保護コロイド存在下で前駆体析出を行うことで、さらに、焼成後の蛍光体の発光強度が上昇し、結晶子サイズが小さくなることが明らかとなった。
保護コロイドとしては、天然、人工を問わず各種高分子化合物を用いることができるが、中でもタンパク質を好ましく使用することができる。
タンパク質としては、例えば、ゼラチン、水溶性タンパク質、水溶性糖タンパク質が挙げられる。具体的には、アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質、遺伝子工学的に合成されたタンパク質等を挙げることができる。
ゼラチンとしては、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンを挙げることができ、これらを併用してもよい。さらにこれらのゼラチンの加水分解物、これらのゼラチンの酵素分解物を用いてもよい。
また、保護コロイドは、単一の組成である必要はなく、各種バインダーを混合してもよい。具体的には、例えば、上記ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマーを用いることができる。
なお、保護コロイドの重量平均分子量は10,000以上が好ましく、10,000〜300,000がより好ましく、10,000〜30,000が特に好ましい。
保護コロイドは、原料溶液の一つ以上に添加することができる。原料溶液の全てに添加してもよい。保護コロイドの添加量や、反応液の添加速度により、前駆体の粒径を制御することができる。
保護コロイドの存在下で、蛍光体前駆体を形成することにより、蛍光体前駆体同士が凝集するのを防ぎ、蛍光体前駆体を十分小さくすることができる。
以上のように液相法で前駆体を合成した後、必要に応じてろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で回収した後に好ましくは洗浄、脱塩処理工程を行う。
(脱塩処理工程)
脱塩処理工程は蛍光体前駆体から副塩等の不純物を取り除くための工程であり、各種膜分離法、凝集沈降法、電気透析法、イオン交換樹脂を用いた方法、ヌーデル水洗法等を適用することができる。
本発明においては、蛍光体前駆体の生産性向上、かつ、副塩や不純物を十分に除去し、粒子の粗大化や粒子径分布の拡大を防止する観点から、前駆体脱塩後の電気伝導度が0.01〜20mS/cmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜10mS/cmであり、特に好ましくは0.01〜5mS/cmである。
上記のような電気伝導度になるように調整することにより、最終的に得られる蛍光体の発光輝度の向上にも効果がある。なお、電気伝導度の測定方法はどのような方法を用いることも可能であるが、市販の電気伝導度測定器を使用すればよい。
脱塩処理工程終了後、さらに乾燥工程を行ってもよい。
(焼成工程)
次に、本発明に係る焼成工程について説明する。
本発明に係る蛍光体は、上記各工程により得られた蛍光体前駆体を焼成処理することにより得られる。
蛍光体前駆体の焼成は、いかなる方法を用いてもよく、焼成温度や時間は最も性能が高くなるように調整すればよい。例えば、大気中で600〜1,800℃の間で適当な時間焼成することにより、目的の組成の蛍光体を得ることができる。また、800℃程度で焼成を行い有機物を酸化した後に、1,100℃で90分大気中で焼成するという方法も有効である。
焼成装置(焼成容器)は現在知られているあらゆる装置を使用することができる。例えば箱型炉、坩堝炉、円柱管型、ボート型、ロータリーキルン等が好ましく用いられる。雰囲気も前駆体組成に合わせて酸化性、還元性、不活性ガス等を用いることができ、適宜選択することができる。さらに、必要に応じて焼成の後に還元処理または酸化処理等を施してもよい。
また、焼成時に必要に応じて焼結防止剤を添加してもよい。焼結防止剤を添加する場合は、蛍光体前駆体形成時にスラリーとして添加することができる。また、粉状のものを乾燥済前駆体と混合して焼成してもよい。
焼結防止剤は特に限定されるものではなく、蛍光体の種類、焼成条件によって適宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域によって800℃以下での焼成にはTiO2等の金属酸化物が、1000℃以下での焼成にはSiO2が、1700℃以下での焼成にはAl23が、それぞれ好ましく使用される。
なお、蛍光体の組成や反応条件等によっては、例えば乾燥工程等において結晶化が進み、焼成を行う必要がない場合がある。その場合は焼成工程を省いても構わない。
焼成工程後、冷却工程、表面処理工程等の諸工程を施してもよく、分級してもよい。
冷却工程では、焼成工程で得られた焼成物を冷却する処理を行う。冷却処理は特に限定されないが、公知の冷却方法より適宜選択することができ、例えば、焼成物を前記焼成装置に充填したまま冷却することができる。また、放置により温度低下させてもよいし、冷却機を用いて温度制御しながら強制的に温度低下させてもよい。
本発明で製造される蛍光体は、種々の目的で吸着・被覆等の表面処理を施すことができる。どの時点で表面処理を施すかはその目的によって異なり、適宜適切に選択するとその効果がより顕著になる。例えば、後述するように本発明に係る蛍光体ペーストを調製する際に、蛍光体の分散性を良好にするため表面処理を行うことが好ましい。以上により、蛍光体を製造することができる。
〔プラズマディスプレイパネル〕
次に、図1を参照して、本発明に係るプラズマディスプレイパネル(PDP)を説明する。なお、PDPには、電極の構造及び動作モードから大別すると、直流電圧を印加するDC型と、交流電圧を印加するAC型のものとがあるが、図1には、AC型PDPの構成概略の一例を示した。
図1に示すPDP1は、電極11、21が設けられた2枚の基板10、20と、これらの基板10、20の間に設けられた隔壁30と、この隔壁30によって所定形状に区画される複数の微少放電空間(以下、放電セルという)31とを有している。図1に示した放電セル31は、いわゆるストライプ型と呼ばれるもので、基板10、20を水平に配置したときに、隔壁30が所定間隔毎に平行に(すなわち、ストライプ状に)設けられたものである。なお、放電セルの構造は、このストライプ型のものに限定されるものではなく、図2に示すように隔壁40を平面視において格子状に設けた格子型の放電セル41であってもよいし、図3に示すように互いに対象な屈曲した一組の隔壁50によりハニカム状(八角形状)の放電セル51を構成してもよい。
各放電セル31R、31G、31Bには赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体から構成された蛍光体層35R、35G、35Bが設けられている。各放電セル31の内側には、放電ガスが封入されており、平面視において前記電極11、21が交差する点が少なくとも一つ設けられている。本発明に係るPDP1は、蛍光体層35R、35G、35Bを本発明に係る蛍光体を用いて製造したものである。
以下、PDP1の各構成要素について説明する。
まず、2枚の基板のうち、表示側に配置される前面板10側の構成について説明する。前面板10は、放電セル31から発せられる可視光を透過し、基板上に各種の情報表示を行うもので、PDP1の表示画面として機能する。
前面板10として、ソーダライムガラス(青板ガラス)等の可視光を透過する材料を好ましく使用できる。前面板10の厚さとしては、1〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mmである。
前面板10には、表示電極11、誘電体層12、保護層13等が設けられている。表示電極11は、前面板10の背面板20と対向する面に複数設けられ、規則正しく配置されている。表示電極11は、透明電極11aとバス電極11bとを備え、幅広の帯状に形成された透明電極11a上に、同じく帯状に形成されたバス電極11bが積層された構造となっている。なお、バス電極11bの幅は、透明電極11aよりも狭く形成されている。また、表示電極11は、平面視において前記した隔壁30と直交している。なお、表示電極11は所定の放電ギャップをあけて対向配置された2つで一組となっている。
前記透明電極11aとしては、ネサ膜等の透明電極が使用でき、そのシート抵抗は、100Ω以下であることが好ましい。透明電極7の幅としては、10〜200μmの範囲が好ましい。
前記バス電極11bは、抵抗を下げるためのものであり、Cr/Cu/Crのスパッタリング等により形成できる。バス電極11bの幅としては、5〜50μmの範囲が好ましい。
前記誘電体層12は、前面板10の表示電極11が配された表面全体を覆っている。誘電体層12は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層12の厚さとしては、20〜30μmの範囲が好ましい。
上記の誘電体層12の表面は保護層13により全体的に覆われる。保護層13は、MgO膜を使用することができる。保護層13の厚さとしては、0.5〜50μmの範囲が好ましい。
次に、2枚の基板10、20のうち、他方である背面板20側の構成について説明する。背面板20には、アドレス電極21、誘電体層22、隔壁30、蛍光体層35R、35G、35B等が設けられている。
背面板20は、前面板10と同様に、ソーダライムガラス(青板ガラス)等が使用できる。背面板20の厚さとしては、1〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mm程度である。
上記のアドレス電極21は、背面板20の、前面板20と対向する面に複数設けられている。アドレス電極21も、透明電極11aやバス電極11bと同様に帯状に形成されている。アドレス電極21は、平面視において、前記表示電極11と直交するように、所定間隔毎に複数設けられる。
アドレス電極21は、Ag厚膜電極等の金属電極を使用することができる。アドレス電極21の幅は、100〜200μmの範囲が好ましい。
なお、表示に際して、アドレス電極21と一組の表示電極11、11のうちいずれか一方の表示電極との間で選択的にトリガー放電を行わせることにより、表示を行う放電セルを選択する。その後、選択された放電セル内において一組の表示電極11、11間でサステイン放電を行わせることにより放電ガスに起因する紫外線を生じさせ、蛍光体層35R、35G、35Bから可視光を生じさせることができる。
前記誘電体層22は、背面板20のアドレス電極21が配された表面全体を覆っている。この誘電体層22は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層22の厚さとしては、20〜30μmの範囲が好ましい。
上記の誘電体層22上に、背面板20側から前面板10側に突出するように、前記隔壁30が設けられる。隔壁30は長尺に形成され、アドレス電極21の両側方に設けられ、上記したように平面視においてストライプ状に放電セル31を形成する。
隔壁30は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。隔壁30の幅は、10〜500μmの範囲が好ましく、100μm程度がより好ましい。隔壁30の高さ(厚み)としては、通常、10〜100μmの範囲であり、50μm程度が好ましい。
放電セル31には、上述のように各色に発光する蛍光体層35R、35G、35Bのいずれかが規則正しい順序で設けられている。各蛍光体層35R、35G、35Bの厚さは特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲が好ましい。
蛍光体層35R、35G、35Bの形成に当たっては、上記で製造した蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤等の混合物に分散し、適度な粘度に調整された蛍光体ペーストを放電セル31に塗布または充填し、その後乾燥または焼成(ベーキング)することにより隔壁側面30a及び底面30aに蛍光体が付着した蛍光体層35R、35G、35Bを形成する。
(蛍光体ペーストの調製)
本発明に係る蛍光体ペーストとは、蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤等の混合物に分散し、適度な粘度に調整したものである。蛍光体ペースト中の蛍光体の含有量としては30〜60質量%の範囲にするのが好ましい。
蛍光体ペースト中の蛍光体と非揮発成分との割合を変化することによって、蛍光体層中の蛍光体の充填率を制御することができる。なお、ここで言う非揮発成分とは、蛍光体ペーストから蛍光体及び溶剤を除いたその他の成分である。
蛍光体ペーストの調製に際しては、ペースト中の蛍光体粒子の分散性を向上させるために、蛍光体粒子の表面に酸化物、有機高分子化合物、フッ化物を付着あるいはコーティングする等の表面処理を施すと好ましい。これら表面処理を施す際の被覆層の厚さや被覆率等は、適宜任意に制御することができる。
酸化物として、Si、Ti、Al、Zr、Zn、In、Snから選択される少なくとも1種の元素を含むものを挙げることができる。フッ化物としては、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)を挙げることができる。
酸化物やフッ化物で蛍光体の表面を被覆すると、分散処理時における蛍光体の結晶性の低下を抑制でき、さらに蛍光体の表面欠陥に励起エネルギーが捕獲されることを防ぐことにより、発光輝度の低下を抑制できる。
一方、有機高分子化合物等で蛍光体の表面を被覆すると、耐候性等の特性が向上し、耐久性に優れた蛍光体を得ることができる。
次に、蛍光体ペーストを調製する際に、蛍光体と混合するバインダ、溶剤、分散剤等について説明する。
蛍光体粒子を良好に分散させるのに適したバインダとしては、エチルセルロースあるいはポリエチレンオキサイド(エチレンオキサイドのポリマ)が挙げられ、特に、エトキシ基(−OC25)の含有率が49〜54%のエチルセルロースを用いるのが好ましい。また、バインダとして感光性樹脂を用いることも可能である。バインダの含有量としては0.15〜10質量%の範囲内が好ましい。なお、隔壁30間に塗布される蛍光体ペーストの形状を整えるため、バインダの含有量は、ペースト粘度が高くなり過ぎない範囲内で多めに設定するのが好ましい。
溶剤としては、水酸基(OH基)を有する有機溶剤を混合したものを用いるのが好ましく、その有機溶剤の具体例としては、ターピネオール(C1018O)、ブチルカルビトールアセテート、ペンタンジオール(2,2,4−トリメチルペンタンジオールモノイソブチレート)、ジペンテン(Dipentene、別名Limonen)、ブチルカルビトール等が挙げられる。これらの有機溶剤を混合した混合溶剤は、上記のバインダを溶解させる溶解性に優れており、蛍光体ペーストの分散性が良好になり好ましい。
蛍光体ペースト中の蛍光体粒子の分散安定性を向上させるために、分散剤として、界面活性剤を添加すると好ましい。蛍光体ペースト中の界面活性剤の含有量としては、分散安定性の向上効果あるいは後述する除電効果等を効果的に得る観点から、0.05〜0.3質量%が好ましい。
界面活性剤の具体例としては、(a)アニオン性界面活性剤、(b)カチオン性界面活性剤、(c)ノニオン性界面活性剤を用いることができ、それぞれ具体的には下記のようなものがある。
(a)アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸、エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸ポリカルボン酸高分子等が挙げられる。
(b)カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルベタイン、アミンオキサイド等が挙げられる。
(c)ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
さらに、蛍光体ペーストに除電物質を添加すると好ましい。上記挙げた界面活性剤は、一般的に蛍光体ペーストの帯電を防止する除電作用も有しており、除電物質に該当するものが多い。ただし、蛍光体、バインダ、溶剤の種類によって除電作用も異なるので、いろいろな種類の界面活性剤について試験を行って、結果の良好なものを選択するのが好ましい。
除電物質としては、界面活性剤の他に、導電性の材料からなる微粒子も挙げることができる。導電性微粒子としては、カーボンブラックをはじめとするカーボン微粉末、グラファイトの微粉末、Al、Fe、Mg、Si、Cu、Sn、Agといった金属の微粉末、並びにこれらの金属酸化物からなる微粉末が挙げられる。このような導電性微粒子の添加量は、蛍光体ペーストに対して0.05〜1.0質量%の範囲とするのが好ましい。
蛍光体ペーストに除電物質を添加することによって蛍光体ペーストの帯電により、例えば、パネル中央部のアドレス電極の切れ目における蛍光体層35R、35G、35Bの盛り上がりや、放電セル31R、31G、31B内に塗布される蛍光体ペーストの量や溝への付着状態に若干のばらつきが生じる等の蛍光体層35R、35G、35Bの形成不良を防ぎ、各放電セル31R、31G、31B内毎に均質な蛍光体層35R、35G、35Bを形成することができる。
なお、上記のように除電物質として界面活性剤やカーボン微粉末を用いた場合には、蛍光体ペーストに含まれている溶剤やバインダを除去するベーキング工程において除電物質も蒸発あるいは焼失されるので、焼成後の蛍光体層35R、35G、35B中には除電物質が残存しない。従って、蛍光体層35R、35G、35B中に除電物質が残存することによってPDP1の駆動(発光動作)に支障が生じる可能性もない。
蛍光体を上記各種混合物に分散する際には、例えば高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、ボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミル等媒体メディアを装置内で運動させてその衝突(crush)及び剪断力の両方により微粒化するもの、またはカッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等を用いることができる。
上記のように調製した蛍光体ペーストを放電セル31R、31G、31Bに塗布または充填する際には、スクリーン印刷法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法等種々の方法で行うことができる。
なお、本発明に係るプラズマディスプレイパネルには、上記の本発明の緑色蛍光体の他に、下記の蛍光体等を好ましく併用することができるが、これらに限定されるものではない。
赤色蛍光体としては、例えば、(Y1-xEux23(0.025≦x≦0.060)、(Y1-xEux)BO3(0.025≦x≦0.060)、Y2SiO4Eu、(Y,Gd,Eu)BO3、Y(P,V)O4:Eu、GdBO3:Eu、ScBO3:Eu、一般式Lm23:R(Lmは、Gd、Y、La、Luのうち少なくとも1種であり、RはEu、Tb、Pr、Dy、Tm、Ce、Ybのうち少なくとも1種である。)で表される群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
緑色蛍光体としては、例えば、Zn2SiO4:0.7〜7Mn、BaMgAl1219:Mn、BaAl1219:Mn、YBO3:Tb、(Ba,Sr,Mg)O・5Al23:Mn、BaMgAl1626:Eu,Mn、一般式(1−a)(bMO・6Al23)・a(MMg1-cMncAl1017)(Mは、Ba,Srのうち少なくとも1種であり、a、b、cは、それぞれ0.05≦a≦1.0、0.64≦b≦0.86、0.05≦c≦1.0、0.05≦a・c≦0.3の条件を満たす数)のMn賦活アルミン酸塩、一般式(MxCeyTbz)PO4(Mは、La、Y、Cdのうち少なくとも1種であり、x、y、zはそれぞれ0.50≦x≦0.90、0≦y≦0.3、0.04≦z≦0.16)の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
青色蛍光体としては、例えば、BaMgAl1423:Eu、Ba1-xEuxAl1017(0.045≦x≦0.25)、Ba1-x-ySrxEuyMgAl1017(0.1≦x+y≦0.6)、3(Ba,Mg)O・8Al23:Eu、CaWO4:Pb、Y2SiO5:Ce、YPVO4の群から選ばれた少なくとも1種を挙げることができる。
また、mM1O・nM2O・(M3 2-2XxAlx)O4(M1は、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1種であり、M2は、Mg、Znのうち少なくとも1種であり、M3は、Si、Geのうち少なくとも1種であり、m、n、xはそれぞれ、0.5≦m≦3.5,0.5≦n≦2.5,0<x≦0.2)で表される化合物と、賦活剤として挙げられるCe、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Mnからなる群から選ばれた少なくとも1種とを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
〔蛍光体の作製〕
(蛍光体1の作製)
関東化学社製メタケイ酸ナトリウムNa2SiO361.03gを純水に溶解し1Lとし、これをA液とする。
関東化学社製塩化亜鉛6水和物135.63gと、塩化マンガン4水和物0.99gを純水に溶解し1Lとし、これをB液とする。
A液、B液を50℃に調整した後、A液を攪拌しながら、B液をゆっくりと全量加えこれをC液とする。
C液をアニオン交換樹脂(三菱化学社製ダイヤイオンアニオン交換樹脂・ダイヤイオンSA10A)で処理を行うと、C液中に前駆体が析出した。その後、加圧ろ過法により固液分離を行い、得られた前駆体を大気中で1260℃、3時間焼成して蛍光体1を得た。
(蛍光体2の作製)
関東化学社製メタケイ酸ナトリウムNa2SiO361.03gを純水に溶解し1Lとし、これをA液とする。A液をNa濃度が10-3mol/Lとなるまでカチオン交換樹脂(三菱化学社製ダイヤイオンカチオン交換樹脂・ダイヤイオンSK1B)で処理を行った。
関東化学社製塩化亜鉛6水和物135.63gと、塩化マンガン4水和物0.99gを純水に溶解し1Lとし、これをB液とする。
A液、B液を50℃に調整した後、A液を攪拌しながら、B液をゆっくりと全量加えこれをC液とする。
C液をアニオン交換樹脂(三菱化学社製ダイヤイオンアニオン交換樹脂・ダイヤイオンSA10A)で処理を行うと、C液中に前駆体が析出した。その後、加圧ろ過法により固液分離を行い、得られた前駆体を大気中で1260℃、3時間焼成して蛍光体2を得た。
(蛍光体3の作製)
蛍光体2の作製において、A液のカチオン交換樹脂処理後のNa濃度が5×10-4mol/Lであること以外は同様にして、蛍光体3を得た。
(蛍光体4の作製)
蛍光体2の作製において、A液のカチオン交換樹脂処理後のNa濃度が5×10-6mol/Lであること以外は同様にして、蛍光体4を得た。
(蛍光体5の作製)
蛍光体4の作製において、C液の温度を70℃としたこと以外は同様にして、蛍光体5を得た。
(蛍光体6の作製)
蛍光体5の作製において、C液の温度を90℃としたこと以外は同様にして、蛍光体6を得た。
(蛍光体7の作製)
蛍光体5の作製において、C液に低分子量ゼラチン(重量平均分子量約1万5千)50gを添加したこと以外は同様にして、蛍光体7を得た。
〔蛍光体の評価〕
作製した蛍光体について、以下の評価を行った。
(結晶子サイズ)
結晶子サイズの測定は、RIGAKU社製 RINT2000を用いてScherrer法で行った。
(発光強度)
蛍光体の発光強度の評価は、0.1〜1.5Paの真空槽内でエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射して、蛍光体から緑色光を得た。この緑色光を検出器(MCPD−3000(大塚電子株式会社製))を用いて測定した。発光強度は、蛍光体1を100とした相対値で表した。
評価の結果を表1に示す。
Figure 2007224135
表1から、アルカリ金属濃度が低い条件、反応温度が高い条件、ゼラチン存在下での反応では、いずれも結晶子サイズが小さく、発光強度が高いことが分かる。
実施例2
実施例1で得た蛍光体1、蛍光体6を用いて蛍光体ペーストを調製した。
(緑色発光蛍光体ペースト1の調製)
蛍光体1を用いて、下記の組成で蛍光体懸濁液を調合して、スターラーで撹拌し、緑色発光蛍光体組成物とした。
蛍光体1 45質量%
ターピネオール,ペンタンジオールの1:1混合液 545.5質量%
エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量%
次に、組成物をIKA JAPAN社製ホモジナイザを用いて下記の条件の下で、予備分散を行った。
(予備分散条件)
翼径 :20mm
回転数 :8000rpm
予備分散時間:2分
続いて、横型連続式メディア分散機(VMA−GETZMANN社製DISPERMATT SL−C5)を用いて下記の分散条件により本分散処理を行い、緑色発光蛍光体ペースト1を得た。
(分散条件)
ディスク回転数:5,520rpm
ビーズ種 :ジルコニア
ビーズ径 :0.3mm
ビーズ充填率 :70%
流量 :120ml/min
分散時間 :3分間
(緑色発光蛍光体ペースト2の調製)
緑色発光蛍光体ペースト1の調製において、蛍光体1を蛍光体6に代えたこと以外は同様にして緑色発光蛍光体ペースト2を得た。
(赤色発光蛍光体1の作製)
保護コロイドの存在下で反応晶析法により赤色発光蛍光体前駆体を形成した。まず、水1000mlに低分子量ゼラチン(重量平均分子量約1万5千)をその濃度が10質量%となるように溶解しA液とした。また、水500mlに硝酸イットリウムのイオン濃度が0.4659mol/L、ガドリニウムのイオン濃度が0.2716mol/L、ユーロピウムのイオン濃度が0.0388mol/Lとなるように、硝酸イットリウム6水和物、硝酸ガドリニウム、硝酸ユーロピウム6水和物を溶解しB液とした。
さらに、水50mlにホウ素のイオン濃度0.7763mol/Lとなるようにホウ酸を溶解しC液とした。
次に、反応容器にA液を入れ温度を60℃に保ち、攪拌翼を用いて攪拌を行った。その状態で同じく60℃に保ったB液、C液をA液の入った反応容器下部ノズルより60ml/minの速度で等速添加を行った。添加後10分間熟成を行い、赤色発光前駆体を得た。その後、赤色発光前駆体を濾過、乾燥(105℃、16時間)し、乾燥赤色発光蛍光体前駆体を得た。さらに、乾燥赤色発光蛍光体前駆体を1,200℃酸化条件下で2時間焼成して、平均粒径0.15μmの赤色発光蛍光体1を得た。
(赤色発光蛍光体ペースト1の調製)
緑色発光蛍光体ペースト1の調製において、蛍光体1を赤色発光蛍光体1に代えたこと以外は同様にして赤色発光蛍光体ペースト1を得た。
(青色発光蛍光体1の作製)
上記の赤色発光蛍光体1と同様に、水1000mlに低分子量ゼラチン(重量平均分子量約1万5千)をその濃度が10質量%となるように溶解しA液とした。水500mlにバリウムのイオン濃度が0.090mol/L、マグネシウムのイオン濃度が0.100mol/L、ユウロピウムのイオン濃度が0.010mol/Lとなるように塩化バリウム2水和物、塩化マグネシウム6水和物、塩化ユウロピウムを溶解しB液とした。
水500mlにアルミニウムのイオン濃度が1.000mol/L、となるように塩化アルミニウム6水和物、塩化ユウロピウム6水和物を溶解しC液とした。
上記のように調製したA液、B液、C液を上記の赤色発光蛍光体1で示した方法と同様に反応晶析法により青色発光蛍光体前駆体を形成し、1600℃2時間還元雰囲気下で焼成を行い、青色発光蛍光体1を得た。
(青色発光蛍光体ペースト1の調製)
緑色発光蛍光体ペースト1の調製において、蛍光体1を青色発光蛍光体1に代えたこと以外は同様にして青色発光蛍光体ペースト1を得た。
次に、上記で調製した緑色発光蛍光体ペースト1、2及び青色発光蛍光体ペースト1、赤色発光蛍光体ペースト1を用いて、以下のようにして図1に示すストライプ型のセル構造をもつ交流面放電型のPDPを製造した。
(PDP1の製造)
まず、前面板10となるガラス基板上の所定の位置に、透明電極11aとして透明電極を配置した。次に、Cr−Cu−Crをスパッタリングし、フォトエッチングを行うことによりバス電極11bを透明電極11a上に形成し、表示電極11とした。そして、前記表面ガラス基板10上に、表示電極11を覆うように低融点ガラスを印刷し、これを500〜600℃で焼成することにより誘電体層12を形成した。さらに誘電体層12の上に、MgOを電子ビーム蒸着して保護膜13を形成した。
一方、背面板20上には、Ag厚膜を印刷し、これを焼成することにより、アドレス電極21を形成した。そして、前記背面板20上で、かつ、アドレス電極21の両側方に隔壁30を形成した。隔壁30は、低融点ガラスをピッチ0.2mmで印刷し、焼成することにより形成した。さらに、前記隔壁30により区画された放電セル31内に上記緑色蛍光体ペースト1と、青色発光蛍光体ペースト1、赤色発光蛍光体ペースト1をスクリーン塗布法により塗布した。このとき、一つの放電セル31につき、一色の蛍光体ペーストを用いた。その後、蛍光体ペーストを乾燥または焼成して、ペースト中の有機成分を除去し、放電セル31R、31G、31Bにそれぞれ発光色が異なる蛍光体層35R、35G、35Bを形成した。
そして、前記電極11、21等が配置された前記前面板10と背面板20とを、それぞれの電極配置面が向き合うように位置合わせし、約1mmのギャップを保った状態で、その周辺をシールガラス(図示略)により封止した。そして、前記基板10、20間に、放電により紫外線を発生するキセノン(Xe)と主放電ガスのネオン(Ne)とを混合したガスを封入して気密密閉した後、エージングを行った。以上によって、PDP1を得た。
(PDP2の製造)
PDP1の製造において、緑色蛍光体層を形成する際に、緑色蛍光体ペースト1の代わりに、緑色蛍光体ペースト2を用いることによりPDP2を得た。
(PDP2の評価)
上記で製造したPDP1、2を点灯させ、パネルの発光強度を測定した。また、1万時間点灯後の発光強度を測定した。発光強度はPDP1の点灯直後の発光強度を100とする相対値で表した。評価の結果を表2に示す。
Figure 2007224135
表2から、本発明の製造方法で得られた蛍光体を用いたPDP2は発光強度が高く、発光寿命が長いことが分かる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル(PDP)の一例を示した斜視図である。 放電セルの構造の一例を示した要部斜視図である。 放電セルの構造の一例を示した要部斜視図である。
符号の説明
1 プラズマディスプレイパネル
10 基板
20 基板
30 隔壁
31 放電セル
35R、35G、35B 蛍光体層
40 隔壁
41 放電セル
50 隔壁
51 放電セル

Claims (9)

  1. 結晶子サイズが1〜100nmであることを特徴とするマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体。
  2. 原料に用いるケイ酸アルカリ金属の溶液をカチオン交換樹脂で処理することを特徴とするマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  3. 前記カチオン交換樹脂で処理した後の溶液中のアルカリ金属濃度が、5×10-4mol/L以下であることを特徴とする請求項2に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  4. 前記カチオン交換樹脂で処理した後の溶液中のアルカリ金属濃度が、5×10-6mol/L以下であることを特徴とする請求項3に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  5. 前記ケイ酸アルカリ金属の溶液と亜鉛、マンガン含有溶液をpH4以下で混合した後、アニオン交換樹脂で処理することにより前駆体を析出させることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  6. 前記前駆体の析出の際の反応温度を60℃以上100℃未満とすることを特徴とする請求項5に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  7. 前記前駆体の析出の際の反応温度を80℃以上100℃未満とすることを特徴とする請求項6に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  8. 前記前駆体の析出の際の反応液中に保護コロイドを用いることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法。
  9. 請求項1に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体、または請求項2〜8のいずれか1項に記載のマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体の製造方法で得られたマンガン含有ケイ酸亜鉛蛍光体を用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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