JPWO2006022150A1 - 蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマデイスプレイパネル - Google Patents

蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマデイスプレイパネル Download PDF

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Abstract

エッチング液に起因する蛍光体本体の損傷の抑制を図る。蛍光体粒子の粉砕処理を行う粉砕処理工程と、エッチング液を添加することにより、溶媒中に分散する蛍光体粒子に対して表面処理を行う表面処理工程とを具備する蛍光体の製造方法において、エッチング液の添加速度が、蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minである。

Description

本発明は、蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルに係り、特に溶媒中に分散する蛍光体に対して酸による表面処理を行う蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルに関する。
近年、CRT(Cathode Ray Tube)に代替する新たな映像表示方式を利用した表示装置として、液晶パネルを利用した液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)現象を利用したELディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(以下、PDP:Plasma Display Panel)を利用したプラズマディスプレイ等が開発されている。
このうち、プラズマディスプレイは、薄型軽量化、構造の簡素化及び大画面化を図ることが可能であると共に、視覚可能な範囲、いわゆる視野角が、水平及び垂直方向ともそれぞれ160度以上に及ぶため、液晶パネルと比較すると、上下左右の広範囲から鮮明な画像を見ることも可能である。また、ドットマトリックスによる固定画素での映像表示方式であるため、色ズレの発生や、画面の歪みを抑制し、大画面であっても高画質映像を映しだすことも可能である。
これらプラズマディスプレイに用いられるPDPは、電極を備えた2枚のガラス基板と、基板間に設けられた隔壁とによって形成される多数の放電セルが備えられ、これら放電セルの内部には、蛍光体が塗布された蛍光体層が形成されている。このように構成されたPDPは、電極間に電圧を印加して放電セルを選択的に放電させることによって、放電セルの内部に封入された放電ガスに起因する真空紫外線(以下、VUV:Vacuum Ultraviolet)を発生させ、このVUVにより、蛍光体が励起されて可視光を発光するようになっている。
上記した蛍光体の一般的な製造方法として、蛍光体母体を構成する元素を含む化合物と、賦活剤元素を含む化合物とを所定量混合した後に焼成して固体間反応を行う固相法と、蛍光体母体を構成する元素を含む蛍光体原料溶液と、賦活剤元素を含む蛍光体原料溶液とを混合し、得られた蛍光体前駆体沈殿を固液分離してから焼成を行う液相法とがある。
近年、より鮮明かつ高画質な映像を実現するために、PDPの高微細化が進められており、高微細化されたPDPには、小粒径であって、高い発光強度を有する蛍光体が求められている。しかし、固相法によって得られる蛍光体粒子は、大粒径であり、粒径が小さくなるほど、発光効率及び発光強度が低下するという問題が生じている。
一方、液相法によって蛍光体を製造した後に、粉砕処理を行うことにより、蛍光体粒子を微細化し、VUVを効率的に受光して発光強度の向上を図る方法が開発されているが、粉砕処理により、蛍光体の表面層が損傷してしまうことで発光強度が低下すると共に、粒子径分布が広範になるという問題も生じている。
また、焼成後の蛍光体粒子の表面に、未反応物及び副生成物等の不純物が付着することにより、放電によって発生したVUVが吸収されて、発光強度が低下するという別の問題も生じている。
そこで、蛍光体の発光効率の向上を図ることが可能な蛍光体及びその製造方法として、液相法によって蛍光体合成した後に、蛍光体表面に対して硝酸や、塩酸等のエッチング液による化学的処理を行うことにより、損傷を受けた蛍光体粒子の表面層や、蛍光体粒子の表面に付着した未反応物及び副生成物等の不純物を除去する蛍光体の製造方法が開発されている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
特開2000−226577号公報 特開2001−172622号公報 特開2003−292950号公報
しかしながら、上述した蛍光体の製造方法の場合、蛍光体をエッチング液に浸漬させた際に、蛍光体本体がエッチング液に侵食され、さらにVUVが照射されることにより、蛍光体本体が損傷し、発光強度が低減するという問題が生じている。
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、エッチング液に起因する蛍光体本体の損傷の抑制を図ることが可能な蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルを提供することを目的とする。本発明の構成は下記構成のいずれかを採ることにより、達成されることがわかった。
以上の課題を解決するために、構成1に記載の発明に係る蛍光体の製造方法は、前記蛍光体粒子の粉砕処理を行う粉砕処理工程を行い、エッチング液を添加することにより、溶媒中に分散する前記蛍光体粒子に対して表面処理を行う次の表面処理工程を通して作製する蛍光体の製造方法において、前記エッチング液の添加速度が、前記蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであることを特徴とする。
(構成1)エッチング液の添加速度が、蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであるので、エッチング液の添加速度を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とを均一に混合することができる。
(構成2)前記エッチング液の添加量が、蛍光体1g当たり0.001〜0.005molである蛍光体の製造方法。
また、エッチング液の添加量が、蛍光体1g当たり0.001〜0.005molであるので、エッチング液の添加量を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することができる。
(構成3)前記エッチング液の添加温度が、20〜60℃である蛍光体の製造方法。
また、エッチング液の添加温度が、20〜60℃であるので、エッチング液の添加温度を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することができる。
(構成4)前記エッチング液が、前記蛍光体粒子が分散する溶媒中に添加される蛍光体の製造方法。
また、エッチング液が、蛍光体粒子が分散する溶媒中に添加されるので、エッチング液の添加位置を変えることにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することができる。
(構成5)
前記表面処理工程後、洗浄処理工程と乾燥工程を行う請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
(構成6)第1の流路から供給される前記蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給される前記エッチング液とが、液中に同時に吐出されるように構成された装置を用いる蛍光体の製造方法。
また、第1の流路から供給される蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給されるエッチング液とが、液中に同時に吐出されるように構成された装置が用いられているので、使用する装置の形態を変化させることにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することができる。
(構成7)少なくとも、第1の流路から供給される前記蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給される前記エッチング液とを連続的に衝突及び混合させてから第3の流路に連続的に供給すると共に、衝突及び混合後の溶液を、前記蛍光体粒子が分散する溶媒及びエッチング液の流速よりも大きい流速で供給した後に、該第3の流路から連続的に吐出されるように構成された装置を用いる蛍光体の製造方法。
また、少なくとも、第1の流路から供給される蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給されるエッチング液とを連続的に衝突及び混合させてから第3の流路に連続的に供給すると共に、衝突及び混合後の溶液を、蛍光体粒子が分散する溶媒及びエッチング液の流速よりも大きい流速で供給した後に、第3の流路から連続的に吐出されるように構成された装置が用いられているので、使用する装置の形態を変化させることにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することができる。
(構成8)前記表面処理工程が、前記粉砕処理工程よりも後続で行われる蛍光体の製造方法。
また、表面処理工程が、粉砕処理工程よりも後続で行われるので、蛍光体粒子の表面に付着した未反応物及び副生成物等の不純物と、粉砕処理工程において損傷を受けた表面層とを、同時に除去することができる。
(構成9)構成1から8のいずれか一項に記載の製造方法により製造された蛍光体。
また、構成1から8のいずれか一項に記載の製造方法により製造されているので、エッチング液に起因する蛍光体本体の損傷を防止することができる。
(構成10)構成9に記載の蛍光体を含有する放電セルを有するプラズマディスプレイパネル。
また、構成9に記載の蛍光体が、放電セルの蛍光体層に含有されていることで、放電セルの発光強度の向上を図ることができることができる。
Y字型反応装置を示す概略図である。 一般的な反応装置を示す概略図である。 ダブルジェット反応装置を示す概略図である。 本発明に係るプラズマディスプレイパネルの一例を示す斜視図である。 他の放電セルの構造を示す斜視図である。 他の放電セルの構造を示す斜視図である。 図2に示す反応装置の他の使用態様を示す概略図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1から図7を参照しながら、本発明に係る蛍光体の製造方法、蛍光体及びプラズマディスプレイパネルの詳細についてそれぞれ説明する。
まず始めに、本発明に係る蛍光体について説明する。
本発明に係る蛍光体は、表面層付近の組成により発光強度の影響を特に受けやすい真空紫外線励起蛍光体(以下、蛍光体)であって、これら蛍光体粒子表面に対してエッチング処理が施されることで、表面に付着している不純物や、蛍光体粒子の表面層等(以下、不純物等)が除去され、効率的にVUVが受光されることにより、発光強度の向上が図られている。具体的には、エッチング処理が施される蛍光体粒子が、液相法により製造されており、平均粒径が20nm以上5μm以下であって、粒径分布が平均粒径の±50%以内であることが好ましい。
ここで、表面に付着している不純物とは、後述する焼成工程において、反応せずに残存した未反応物や、焼成で生じた蛍光体組成以外の微量な物質を指す。
また、平均粒径とは、電子顕微鏡(例えば、日立製作所(株)製、S−900等)を用いて、蛍光体粒子300個の粒径を測定した平均値をいう。また、ここでいう粒径とは、蛍光体粒子が立方体、八面体のいわゆる正常晶の場合には、蛍光体粒子の綾の長さをいう。正常晶でない場合、例えば、蛍光体粒子が球状、棒状あるいは平板状粒子の場合には、蛍光体粒子の体積と同等な球を考えたときの直径のことを指す。
なお、エッチング処理は、蛍光体粒子の表面における不純物等を除去するために行われ、表面に付着した不純物のみを除去するようにしてもよいし、蛍光体粒子表面の発光効率の低い表面層を不純物と共に除去するようにしてもよい。ここで、蛍光体粒子表面の発光効率の低い表面層とは、表面から直径の約0%以上20%以内までの範囲のことをいい、1.5mol%以上20mol%未満であることが好ましい。
このような本発明の蛍光体として使用される無機蛍光体の具体的な化合物例を以下に示す。
[青色発光蛍光体化合物]
(BL−1) :Sr227:Sn4+
(BL−2) :Sr4Al1425:Eu2+
(BL−3) :BaMgAl1017:Eu2+
(BL−4) :SrGa24:Ce3+
(BL−5) :CaGa24:Ce3+
(BL−6) :(Ba,Sr)(Mg,Mn)Al1017:Eu2+
(BL−7) :(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2:Eu2+
(BL−8) :ZnS:Ag
(BL−9) :CaWO4
(BL−10):Y2SiO5:Ce
(BL−11):ZnS:Ag,Ga,Cl
(BL−12):Ca259Cl:Eu2+
(BL−13):BaMgAl1423:Eu2+
(BL−14):BaMgAl1017:Eu2+,Tb3+,Sm2+
(BL−15):BaMgAl1423:Sm2+
(BL−16):Ba2Mg2Al1222:Eu2+
(BL−17):Ba2Mg4Al818:Eu2+
(BL−18):Ba3Mg5Al1835:Eu2+
(BL−19):(Ba,Sr,Ca)(Mg,Zn,Mn)Al1017:Eu2+
[緑色発光蛍光体化合物]
(GL−1) :(Ba,Mg)Al1627:Eu2+,Mn2+
(GL−2) :Sr4Al1425:Eu2+
(GL−3) :(Sr,Ba)Al2Si28:Eu2+
(GL−4) :(Ba,Mg)2SiO4:Eu2+
(GL−5) :Y2SiO5:Ce3+,Tb3+
(GL−6) :Sr227−Sr225:Eu2+
(GL−7) :(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu2+
(GL−8) :Sr2Si38−2SrCl2:Eu2+
(GL−9) :Zr2SiO4,MgAl1119:Ce3+,Tb3+
(GL−10):Ba2SiO4:Eu2+
(GL−11):ZnS:Cu,Al
(GL−12):(Zn,Cd)S:Cu,Al
(GL−13):ZnS:Cu,Au,Al
(GL−14):Zn2SiO4:Mn2+
(GL−15):ZnS:Ag,Cu
(GL−16):(Zn,Cd)S:Cu
(GL−17):ZnS:Cu
(GL−18):Gd22S:Tb
(GL−19):La22S:Tb
(GL−20):Y2SiO5:Ce,Tb
(GL−21):Zn2GeO4:Mn
(GL−22):CeMgAl1119:Tb
(GL−23):SrGa24:Eu2+
(GL−24):ZnS:Cu,Co
(GL−25):MgO・nB23:Ce,Tb
(GL−26):LaOBr:Tb,Tm
(GL−27):La22S:Tb
(GL−28):SrGa24:Eu2+,Tb3+,Sm2+
[赤色発光蛍光体化合物]
(RL−1) :Y22S:Eu3+
(RL−2) :(Ba,Mg)2SiO4:Eu3+
(RL−3) :Ca28(SiO462:Eu3+
(RL−4) :LiY9(SiO462:Eu3+
(RL−5) :(Ba,Mg)Al1627:Eu3+
(RL−6) :(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu3+
(RL−7) :YVO4:Eu3+
(RL−8) :YVO4:Eu3+,Bi3+
(RL−9) :CaS:Eu3+
(RL−10):Y23:Eu3+
(RL−11):3.5MgO,0.5MgF2GeO2:Mn
(RL−12):YAlO3:Eu3+
(RL−13):YBO3:Eu3+
(RL−14):(Y,Gd)BO3:Eu3+
なお、本発明に係る蛍光体には、上記(GL−14)Zn2SiO4:Mn2+の適用が好ましい。
次に、上述した蛍光体の製造方法について説明する。
本発明に係る蛍光体の製造方法は、蛍光体の前駆体を形成する前駆体形成工程と、前駆体形成工程により得られた前駆体を焼成して蛍光体粒子を得る焼成工程と、焼成工程において得られた蛍光体粒子に分散処理を施して粒径を小さくする分散処理工程と、分散処理工程において得られた蛍光体粒子の表面にエッチング処理を施して不純物等を除去する表面処理工程とから構成される。
前駆体形成工程では、液相法により蛍光体の中間生成物である前駆体が合成され、後続の焼成工程において、前駆体が所定の温度で焼成されることにより、蛍光体粒子を得ることができる。
液相法とは、液体の存在下又は液中で前駆体を合成する方法のことであり、液相合成法とも呼ばれる。液相法では、蛍光体原料を液相中で反応させるので、蛍光体を構成する元素イオン間での反応が行われ、化学量論的に高純度な蛍光体が得やすい。また、固相間反応と粉砕工程とを繰り返し行いながら蛍光体を製造する固相法と比較して、粉砕工程を行わずに微少な粒径の粒子を得ることが可能であるため、粉砕時にかかる応力による結晶中の格子欠陥を防ぎ、発光効率の低下を防止することができる。
なお、本実施形態における液相法には、冷却晶析を代表とする一般的な晶析法や、共沈法が用いられるが、特に反応晶析法を好ましく用いることができる。
反応晶析法とは、晶析現象を利用して、蛍光体の原料となる元素を含む溶液若しくは原料ガスを、液相又は気相中で混合させることによって前駆体を作製する方法のことである。ここで、晶析現象とは、冷却、蒸発、pH調節、濃縮等による物理的若しくは化学的な環境の変化、または化学反応により混合系の状態に変化を生じる場合等に液相中から固相が析出してくる現象のことをいい、反応晶析法においては、このような晶析現象の発生に起因する物理的、化学的操作による製造方法のことをいう。
なお、反応晶析法を適用する際の溶媒は、反応原料が溶解すれば何れの溶液も適用可能であるが、過飽和度に対する制御の容易性の観点から、水が好ましい。また、複数の反応原料を用いる場合、原料を添加する順序は、同時であっても異なっていてもよく、活性に応じて適切な順序を適宜選択することが可能である。
また、前駆体の形成においては、より微少で粒径分布の狭い蛍光体を製造するために、反応晶析法を含め、2液以上の原料溶液を保護コロイドの存在下で貧溶媒中に液中添加することが好ましい。
本実施形態における反応晶析法には、図1に示すように、具備された複数の流路の形態が、平面視においてY字型となる、いわゆるY字型反応装置1が用いられる。このうち、Y字型反応装置1には、一の蛍光体原料溶液Aが貯留される第1タンク3と、他の蛍光体原料溶液Bが貯留される第2タンク4とが備えられており、第1タンク3及び第2タンク4には、第1流路5及び第2流路6の一端がそれぞれ接続されている。これら第1流路5及び第2流路6の中途部には、各蛍光体原料溶液A,Bを供給するためのポンプP1,P2がそれぞれ設けられている。また、各流路5,6の他端は、接続部Cを介して第3流路7が接続されており、接続部Cにおいて、各流路5,6を介して連続的に供給される蛍光体原料溶液A,Bが衝突及び混合されるようになっている。
第3流路7は、混合後の混合溶液を、第3流路7の吐出口の下方に設置された熟成用容器2に連続的に供給するようになっており、第1流路5及び第2流路6によって供給される各溶液の流速よりも、混合溶液の流速の方が大きくなるようになっている。
熟成用容器2には、内部に貯留される混合溶液を撹拌するための撹拌翼8が具備され、この撹拌翼8は、回転動力源である駆動装置9と接続されている。
なお、使用される製造装置は、Y字型反応装置1に限定されず、流路の形態のみが相違し、平面視においてT字型となる、いわゆるT字型製造装置であってもよい。
第1、第2及び第3流路5,6,7は、円筒形状に成型されており、各流路5,6,7の径寸法は、約1mmに形成されている。
なお、第3流路7の径寸法及び長さは、本実施形態に限定されず、接続部Cにおける衝突混合によって即時に形成される粒子が、ほぼ安定状態となるまでの時間、いわゆる安定時間を満すことが可能であれば、何れの径寸法及び長さであってもよい。ここで、本実施例における安定時間は、0.001秒以上と設定されている。
また、Y字型反応装置1の内部を移動しながら滞留する時間、いわゆる移動時間は、0.001秒以上が好ましく、0.01秒以上がより好ましく、0.1秒以上が特に好ましい。
さらに、ポンプP1,P2は、従来公知のポンプであれば何れのポンプも適用可能であるが、無脈動ポンプであることが好ましい。
さらに、接続部Cには、動的撹拌機構が具備されていないが、本実施形態に限定されず、目的に応じて、撹拌翼等の動的撹拌機構が具備されていてもよい。
一方、熟成用容器2は、上記したY字型反応装置1における第3流路7の吐出口の下方に設置されている。この熟成用容器2には、内部に貯留される混合溶液を撹拌するための撹拌翼8が具備され、この撹拌翼8は、回転動力源である駆動装置9と接続されている。
なお、各蛍光体原料溶液A,Bは、第1及び第2流路を介して供給されるに当たり、接続部Cの周辺における逆流を防止し、より均一な混合を行わせるために、実質的に乱流であることが好ましい。
また、蛍光体の種類により、反応中の温度、添加速度、攪拌速度、pH等、諸物性を調整することがより好ましく、反応中に超音波を照射してもよい。また、粒径制御のために界面活性剤やポリマーなどを添加してもよい。さらに、原料を添加した後、必要に応じて溶液の濃縮及び熟成、あるいは濃縮若しくは熟成のいずれか一方のみを行ってもよい。
保護コロイドは、微粒子化した前駆体粒子同士の凝集を防ぐために機能するもので、天然、人工を問わず各種高分子化合物を用いることができるが、中でもタンパク質を好ましく使用することができる。
なお、タンパク質としては、例えば、ゼラチン、水溶性タンパク質、水溶性糖タンパク質が挙げられる。具体的には、アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質、遺伝子工学的に合成されたタンパク質等を挙げることができる。
また、ゼラチンとしては、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンを挙げることができ、これらを併用してもよい。さらに、これらのゼラチンの加水分解物、これらのゼラチンの酵素分解物を用いてもよい。
保護コロイドは、単一の組成である必要はなく、各種バインダを混合してもよい。具体的には、例えば、上記したゼラチンと、他の高分子とのグラフトポリマーを用いることができる。
なお、保護コロイドの平均分子量は、10,000以上が好ましく、10,000〜300,000がより好ましく、10,000〜30,000が特に好ましい。また、保護コロイドは、原料溶液の一つ以上に添加することができ、原料溶液の全てに添加してもよく、保護コロイドを添加する量や、反応液の添加速度により、前駆体の粒径を制御することができる。
また、焼成後の蛍光体粒子の粒径、粒径分布、発光特性等の蛍光体の諸特性は、前駆体の性状に大きく左右されるため、前駆体形成工程において、前駆体の粒径制御を行うことにより、前駆体を十分小さくすることが好ましい。また、前駆体を微粒子化すると、前駆体同士の凝集が起こり易くなるため、保護コロイドを添加することにより前駆体同士の凝集を防いだ上で、前駆体を合成することは極めて有効であり、粒径制御が容易になる。なお、保護コロイドの存在下で反応を行う場合には、前駆体の粒径分布の制御や副塩等の不純物排除に十分配慮することが必要である。
このような前駆体形成工程において、適宜、粒径制御等が行われ、前駆体を合成した後、必要に応じて、ろ過、蒸発乾固、遠心分離等の方法で前駆体を回収し、その後に好ましくは洗浄、脱塩処理工程が行われてもよい。
脱塩処理工程は、前駆体から副塩などの不純物を取り除くための工程であり、各種膜分離法、凝集沈降法、電気透析法、イオン交換樹脂を用いた方法、ヌーデル水洗法などを適用することができる。
本発明においては、前駆体の生産性の向上を図る観点や、副塩又は不純物を十分に除去し、粒子の粗大化と、粒径分布の拡大とを防止する観点から、前駆体脱塩後の電気伝導度が0.01〜20mS/cmの範囲とすることが好ましく、0.01〜10mS/cmの範囲がより好ましく、0.01〜5mS/cmの範囲が特に好ましい。
電気伝導度は、上記した範囲内に収まるように調整されることで、最終的に得られる蛍光体の発光強度の向上が図られる。なお、電気伝導度の測定方法には、従来公知の方法が適用可能であり、例えば、市販の電気伝導度測定器を使用することができる。
なお、脱塩処理工程後、さらに乾燥工程を行ってもよい。乾燥工程は、洗浄後又は脱塩後に行われることが好ましく、真空乾燥、気流乾燥、流動層乾燥、噴霧乾燥等の何れの方法も適用可能である。このうち乾燥温度は、特に限定されないが、使用される溶媒が気化する温度付近以上の温度であることが好ましく、乾燥温度が高過ぎると、乾燥と同時に焼成が施されて、後続の焼成処理が行われることなく蛍光体が得られるため、50〜300℃の範囲であることがより好ましい。
次に、焼成工程について説明する。
希土類ホウ酸塩蛍光体、珪酸塩蛍光体及びアルミン酸蛍光体等は、各々の前駆体が焼成処理されることにより得られる。以下、焼成処理の条件について説明する。
焼成処理には、従来公知の方法が適用可能であり、焼成温度及び時間は、適宜調整されればよい。例えば、前駆体をアルミナボートに充填させ、所定のガス雰囲気中において所定の温度で焼成することにより、所望の蛍光体を得ることができる。ガス雰囲気として、前駆体の組成に応じて、還元雰囲気下、酸化雰囲気下、硫化物存在下、不活性ガス等の条件から適宜選択することができる。
好ましい焼成条件の例としては、大気中で600℃〜1800℃の間で適当な時間焼成することがある。また、800℃程度で焼成を行い、有機物を酸化した後に、1100℃で90分大気中で焼成するという方法も有効である。
焼成装置又は焼成容器には、従来公知の装置が適用可能であり、箱型炉、坩堝炉、円柱管型、ボート型、ロータリーキルン等の装置が好ましく用いられる。
また、焼成時には、必要に応じて焼結防止剤が添加されてもよい。焼結防止剤を添加する場合は、前駆体形成時にスラリーとして添加されてもよく、粉状の焼結防止剤を乾燥済前駆体と混合させて焼成されてもよい。
焼結防止剤は、特に限定されず、蛍光体の種類や、焼成条件によって適宜選択される。例えば、蛍光体の焼成温度域により、800℃以下での焼成にはTiO2等の金属酸化物が、1000℃以下での焼成にはSiO2が、1700℃以下での焼成にはAl23が、それぞれ好ましく使用される。
さらに、焼成工程の後に、必要に応じて還元処理又は酸化処理等が施されても良い。また、焼成工程の後に、冷却処理、表面処理等が施されてもよく、分級処理が行われてもよい。
冷却処理は、焼成工程で得られた焼成物を冷却させる処理であり、これら焼成物を焼成装置に充填したまま冷却させることが可能である。また、冷却処理は、特に限定されないが、放置により温度低下させる方法や、冷却機を用いて温度制御しながら強制的に温度低下させる方法等の従来公知の冷却方法から適宜選択することが可能である。
表面処理は、焼成工程で得られた焼成物の表面を吸着又は被覆等させる処理であり、どの時点で表面処理を施すかは、その目的によって異なり、適宜選択することが可能である。例えば、後続の分散処理工程前における何れかの時点において、Si、Ti、Al、Zr、Zn、In、Snから選択される少なくとも1種の元素を含む酸化物で蛍光体の表面を被覆すると、分散処理時における蛍光体の結晶性の低下を抑制でき、さらに蛍光体の表面欠陥に励起エネルギーが捕獲されることを防止することにより、発光強度の低下を抑制できる。また、分散処理工程後の何れかの時点で有機高分子化合物等により蛍光体の表面を被覆すると、耐候性等の特性が向上し、耐久性に優れた蛍光体を得ることができる。これら表面処理を施す際の被覆層の厚さや被覆率等は、適宜任意に制御することができる。
次に、分散処理工程について説明する。
分散処理に用いられる装置としては、例えば高速攪拌型のインペラー型の分散機、コロイドミル、ローラーミル、またはボールミル、振動ボールミル、アトライタミル、遊星ボールミル、サンドミルなど媒体メディアを装置内で運動させ、その衝突及び剪断力の両方により微粒化する装置、またはカッターミル、ハンマーミル、ジェットミル等の乾式型分散機、超音波分散機、高圧ホモジナイザー等が挙げられる。
このうち、本発明では、特にメディアである媒体を使用する湿式メディア型分散機を使用することが好ましく、連続的に分散処理が可能な連続式湿式メディア型分散機を使用することがより好ましい。また、複数の連続式、湿式メディア型分散機を直列に接続する態様等も適用可能である。
ここで、「連続的に分散処理が可能」とは、少なくとも蛍光体及び分散媒体を、時間当たり一定の量比で途切れることなく分散機に供給しながら分散処理すると同時に、分散機内で製造された分散物を供給に押し出される形で途切れることなく分散機より吐出する形態を指す。蛍光体の製造方法における分散処理工程としてメディアである媒体を使用する湿式メディア型分散機を用いる場合には、その分散室容器、いわゆるベッセルは、縦型でも横型でも適宜選択することが可能である。
上記した焼成工程において得られた蛍光体粒子は、前駆体形成工程において液相法により前駆体を形成することにより、組成が均一で、かつ、未反応物の残量が少ないものとすることができる。また、前駆体形成工程において適宜粒径制御等を行うことにより、平均粒径が20nm以上5μm以下の微粒子の蛍光体を、平均粒径の±50%以下の粒径分布を有する蛍光体粒子を得ることができる。尚、蛍光体分散溶液中の蛍光体粒子の含有量(重量%)は5〜30%で、好ましくは10〜20%である。
蛍光体粒子が微粒であり、かつ、狭い粒径分布を有することにより、PDPに設けられる蛍光体層に、蛍光体粒子を密に充填することができ、PDPの発光強度の向上を図ることができる。また、粒子サイズが均一であることによりムラのない秀麗な発光を行わせることができる。
なお、蛍光体粒子は、微粒子で、かつ、粒径分布の狭い蛍光体粒子を得る観点から、液相法を用いて製造されることが好ましいが、本発明に係る蛍光体の製造方法は、これに限定されず、蛍光体粒子の平均粒径が20nm以上2μm以下または蛍光体粒子の粒径分布が平均粒径の±50%以内の蛍光体が得られる方法であれば、従来公知の方法を用いて製造されてもよく、液相法に限定されず固相法が用いられてもよい。
最後に、表面処理工程について説明する。
表面処理は、エッチング処理によって行われるが、蛍光体粒子の表面の不純物等に応じて適宜選択することが可能である。例えば、微粒子や、イオンスパッタ等により、表面を削る物理的な方法であってもよいが、エッチング液に蛍光体粒子を浸して表面の不純物等を溶解する等の化学的な方法が効果的である。この際、エッチング液が蛍光体粒子本体を侵食すると発光強度は低くなってしまうため、エッチングは注意深く行う必要がある。
エッチング処理には、図2に示す反応装置11が用いられ、タンク12に貯留されたエッチング液が、ポンプP3により、流路13を介して、容器14に貯留された蛍光体分散溶液に添加されるようになっている。また、上記したY字型反応装置1と同様に、駆動装置15に接続された撹拌翼16が具備されて、混合後の溶液を撹拌するようになっている。
なお、使用される反応装置は、図2に示す反応装置11に限定されず、上記したY字型反応装置1であってもよいし、図3に示すように、液中に2種類の反応溶液を別々のノズルで同時に添加するダブルジェット法を利用したダブルジェット反応装置21であってもよい。
ダブルジェット反応装置21には、第1タンク22と、第2タンク23とが備えられており、これら第1タンク22及び第2タンク23には、第1流路24及び第2流路25の一端がそれぞれ接続されている。また、第1流路24及び第2流路25の中途部には、ポンプP4,P5がそれぞれ設けられている。
第1流路24及び第2流路25の他端の下方には、反応容器26が設けられており、第1タンク22及び第2タンク23に貯留された溶液が供給されるようになっている。また、反応容器26には、駆動装置27と接続された撹拌翼28が具備されて、混合後の溶液を撹拌するようになっている。
なお、本発明に係る蛍光体には、電界発光型蛍光体のように、表面の凸部により発光強度を向上させるという役割がないため、蛍光体粒子を蛍光体層に密に充填するという観点及び蛍光体粒子の表面に対して均一にエッチング処理を施すという観点から、粒子表面における凸部が少ない、または凸部がない蛍光体粒子に対してエッチング処理を施すことが好ましい。
また、撹拌時間は、酸の添加が終了した後、5分以上2時間未満であることが好ましく、20分以上1時間未満であることがより好ましい。この範囲を外れると、発光強度が低下してしまうからである。
さらに、エッチング液の添加量は、蛍光体1g当たり0.001〜0.005molであることが好ましく、約0.002molであることがより好ましい。
さらに、エッチング液の添加速度は、蛍光体の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであることが好ましく、2.0×10-16〜5.0×10-15mol/minであることがより好ましい。
さらに、エッチング液の温度は、20〜60℃であることが好ましく、30〜50℃であることがより好ましい。
さらに、エッチング液の種類は、不純物等に応じて決定され、酸性若しくはアルカリ性であってもよく、水溶液若しくは有機溶剤であってもよい。この際、酸性の水溶液を用いた場合には、効果が顕著に現れるため、特に強酸が用いられることが好ましい。
なお、強酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、過塩素酸等が適用可能であるが、塩酸、硝酸、硫酸が好ましく、塩酸が特に好ましい。
強酸は、濃度が高くなるにつれて、溶出する物質の濃度が高くなり、エッチング処理中に除去した物質が粒子表面に再吸着するおそれ生じると共に、除去される蛍光体粒子の表面層の量が増加するため、工業的効率が低下する。また、エッチングの際に濃度局在が起こりやすくなり、粒子間にエッチング処理を均一に施すことが困難となり、発光強度に対する効果は低くなる。
一方、強酸の濃度を薄くすると蛍光体粒子表面の不純物等を除去する量が少なくなり粒子表面に不純物等が残存する結果、発光強度における効果が低減する。
また、蛍光体粒子に対してエッチング処理に必要な強酸の液量が増加することから工業的に取り扱いが困難になる。したがって、強酸の濃度は状況に応じて最も好ましい値に調整することが望ましい。
これら強酸がエッチング液に用いられた場合、そのエッチング液の濃度は、0.001N以上6N未満であることが好ましく、0.001N以上2.5N未満であることがより好ましく、0.001N以上0.25N未満であることが特に好ましい。0.001N以上6N未満の強酸を用いてエッチング処理を施すことにより所望の効果を得ることができ、特に0.001N以上0.25N未満の強酸を用いると、不純物のみを効率的に溶解することができ、溶出する物質の濃度が低く、粒子表面に除去した物質の再吸着が困難になる。また、エッチングの際に、強酸の濃度局在を抑制させることができ、粒子表面を均一にエッチング処理させることができる。
例えば、塩酸を用いてZn2SiO4:Mn2+に対してエッチング処理を施した場合、下記の反応式に従って、Zn2SiO4が塩酸に溶解し、蛍光体粒子の表面層が除去される。Zn2SiO4+4HCl→2ZnCl2+SiO2+2H2
上記の反応式より、蛍光体の単位モルあたりに反応させる強酸の量を変化させることにより、溶解されるZn2SiO4量、すなわちエッチング処理により除去される量をコントロールすることが可能であることが分かる。例えば、1molの蛍光体粒子の2%を溶解させたい場合、すなわちエッチング処理により除去したい場合、0.08molの塩酸と反応させればよい。
なお、エッチング処理により蛍光体粒子の表面を溶解させて除去する量は、蛍光体粒子の1.5mol%以上20mol%未満であることが好ましい。また、エッチング後は、水洗処理等を行い、エッチング液を除去することが好ましい。
以上より、本発明に係る蛍光体の製造方法は、表面処理工程におけるエッチング液の添加速度が、蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであるので、エッチング液の添加速度を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とを均一に混合することが可能となり、これによって、均一な表面処理を行うことができる。
また、本発明に係る蛍光体の製造方法により製造された蛍光体は、均一な表面処理が施されているので、エッチング液に起因する蛍光体本体の損傷を防止することが可能となり、これによって、蛍光体の発光強度の向上を図ることができる。
最後に、上述した蛍光体を利用したPDPについて説明する。
一般的に、PDPは、電極の構造及び動作モードから、直流電圧を印加するDC型と、交流電圧を印加するAC型とに大別されるが、本実施形態では、図4に示すようなAC型のPDPを参照しながら、以下詳細について説明する。
本実施形態におけるPDP101は、図4に示すように、平板状に成型された前面板102と、前面板102と略同一形状であって、前面板102の一面と対向する位置に配置された背面板103とを備えて構成されている。これら基板102,103のうち、前面板102は、放電セルから発せられる可視光を透過し、基板上に各種の情報表示を行うようになっており、PDP101の表示画面として機能する。
この前面板102には、ソーダライムガラス、いわゆる青板ガラス等の可視光を透過する材料が好適に用いられ、その厚さ寸法は、1〜8mmの範囲が好ましく、2mmであることがより好ましい。
また、前面板102には、前面板102の背面板103と対向する面に複数の表示電極104が、一定の間隔毎に配置されている。これら表示電極104には、幅広の帯状に形成された透明電極105と、透明電極105と同一形状に形成されたバス電極106とが備えられ、透明電極105の上面に、バス電極106が積層された構造となっている。
表示電極104は、平面視において隔壁112と直交しており、所定の放電ギャップを設けて対向する位置関係に配置された2つで一組となっている。
透明電極105としては、ネサ膜等の透明電極が適用可能であり、そのシート抵抗は、100Ω以下であることが好ましい。また、透明電極5の幅寸法は、10〜200μmの範囲が好ましい。
バス電極106は、抵抗を下げるためのものであり、Cr/Cu/Crのスパッタリング等により形成される。また、バス電極106の幅寸法は、透明電極105よりも小さく形成されており、5〜50μmの範囲が好ましい。
前面板102に配設された表示電極104は、その表面全体が誘電体層107により被覆されている。この誘電体層7は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することが可能であり、厚さ寸法は、20〜30μmの範囲が好ましい。
誘電体層107の上面は、その表面全体が保護層108により被覆されている。この保護層108は、MgO膜が適用可能であり、その厚さ寸法は、0.5〜50μmの範囲が好ましい。
一方、前面板102の一面と対向する位置に配置された背面板103は、前面板102と同様に、ソーダライムガラス、いわゆる青板ガラス等が適用可能であり、その厚さ寸法は、1〜8mmの範囲が好ましく、2mm程度がより好ましい。
この背面板103の前面板102と対向する面には、複数のアドレス電極109が配設されている。これらアドレス電極109は、透明電極105及びバス電極106と同一の形状に形成されており、平面視において、上記した表示電極104と直交するように、一定の間隔毎に設けられている。また、アドレス電極109は、Ag厚膜電極等の金属電極が適用可能であり、その幅寸法は、100〜200μmの範囲が好ましい。
さらに、アドレス電極109は、その表面全体が誘電体層110により被覆されており、この誘電体層110は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することが可能であり、その厚さ寸法は、20〜30μmの範囲が好ましい。
誘電体層110の上面には、背面板3に対して垂直方向に突出した形状の隔壁111が配設されている。これら隔壁111は、長尺に形成されており、アドレス電極109の両側であって、隣接する隔壁111の長手方向が互いに平行となるように配置されている。また、隔壁111により、所定形状に区画された複数の微少放電空間(以下、放電セル112)は、平面視において、ストライプ状に形成されている。
隔壁111は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することが可能であり、その幅寸法は、10〜500μmの範囲が好ましく、100μm程度がより好ましい。また、隔壁111の高さ寸法は、通常10〜100μmの範囲であり、50μm程度が好ましい。
本実施形態における放電セル112は、前面板102及び背面板103が水平に配置されたときに、隔壁111が所定の間隔毎に平行に、すなわちストライプ状に配設されていることから、ストライプ型と呼ばれている。
なお、放電セルの構造は、このようなストライプ型のものに限定されるものではなく、図5に示すように、隔壁113を平面視において格子状に設けた格子型の放電セル114であってもよいし、図6に示すように互いに対象な屈曲した一組の隔壁115によりハニカム状(八角形状)の放電セル116であってもよい。
各放電セル112R,112G,112Bには、本実施例において製造された赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体から構成された蛍光体層117R,117G,117Bのいずれかが一定の順序で設けられている。また、各放電セル112R,112G,112Bの内部中空には、放電ガスが封入されており、平面視において、表示電極104と、アドレス電極109とが交差する点が少なくとも一つ設けられている。さらに、各蛍光体層117R,117G,117Bの厚さ寸法は、特に限定されず、5〜50μmの範囲が好ましい。
各蛍光体層117R,117G,117Bは、隔壁の側面や、底面に形成されている。これら蛍光体層117R,117G,117Bは、まず始めに、上記した蛍光体をバインダ、溶剤、分散剤などの混合物に分散させることで蛍光体ペーストが作製される。そして、これら蛍光体ペーストが適度な粘度に調整され、対応する各放電セル112R,112G,112Bに塗布又は充填されて、最後に乾燥又は焼成されることにより形成されている。
なお、蛍光体ペーストの調整は、従来公知の方法により行うことが可能である。また、蛍光体ペーストを放電セル112R,112G,112Bに塗布又は充填する方法としては、スクリーン印刷法、フォトレジストフィルム法、インクジェット法など種々の方法が適用可能である。
上記した構成からなるPDP101は、表示に際して、アドレス電極109と、一組の表示電極104,104のうちいずれか一方の表示電極104との間で選択的にトリガー放電を行わせることにより、表示を行う放電セルが選択される。その後、選択された放電セルの内部において、一組の表示電極104,104の間でサステイン放電を行わせることにより、放電ガスに起因する紫外線を生じさせ、蛍光体層117R,117G,117Bから可視光を生じさせるようになっている。
以上より、本発明に係るPDP1は、本発明に係る製造方法により得た蛍光体が、各放電セル112R,112G,112Bの蛍光体層117R,117G,117Bに含有されていることで、放電セル112R,112G,112Bの発光強度の向上を図ることが可能となり、これによって、PDP1の発光強度の向上を図ることができる。
次に、本発明に係る蛍光体の製造方法及び蛍光体の実施例について説明する。
[実施例1]
本実施例では、Zn2SiO4:Mn2+を原料に用いた緑色蛍光体として蛍光体1を合成し、得られた蛍光体1に対してエッチング液による表面処理を施すことにより、表面処理後の蛍光体2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13を得て、これら各蛍光体1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13におけるVUV照射前後の相対発光強度に基づいて評価を行った。
まず始めに、蛍光体1の合成方法について説明する。
二酸化ケイ素45gが含有されたコロイダルシリカ(扶桑化学工業株式会社製:PL−3)と、濃度28%アンモニア水219gと、純水とを混合させ、液量を1500ccに調整したものをA液とした。
一方、硝酸亜鉛6水和物(関東化学株式会社製:純度99.0%)424gと、硝酸マンガン6水和物(関東化学株式会社製:純度98.0%)21.5gとを純水に溶解させて、液量を1500ccに調整したものをB液とした。
これらA液及びB液は、図1に示すように、Y字型反応装置1の各タンク3,4にそれぞれ貯留され、40℃の温度で保温させた。そして、A液及びB液を、ポンプP1,P2により、1200cc/minの速度で熟成用容器2に供給し、反応により得られた沈殿物を、純水で希釈させた後、加圧ろ過法により固液分離し、さらに100℃の温度で12時間乾燥させることにより、乾燥済み前駆体を得た。
最後に、得られた前駆体を、窒素100%の雰囲気中において1200℃の温度で、7時間焼成させることにより、蛍光体1が得られた。
続いて、上記した蛍光体1は、等量の純水が加えられた後、ポットミルによる解砕及び分散処理が行われ、微小粒子及び巨大粒子を除去するために、さらに篩による分級処理を行った。
そして、分級後の蛍光体分散溶液及び2N塩酸を、図2に示す反応装置11の反応容器14と、タンク12とにそれぞれ貯留させ、40℃の温度で保温し、ポンプP3により、2N塩酸を、蛍光体分散液の液中に添加させた。このとき、塩酸の添加速度を、蛍光体の比表面積1m2当たり1.2×10-16mol/minに、また塩酸の添加量を、蛍光体1g当たり0.001molに調整した。
添加終了後、得られた混合溶液を20分間撹拌し、純水よる洗浄処理を行った後、100℃の温度で12時間乾燥させて、蛍光体2を得た。
上記した蛍光体の製造方法において、塩酸の添加速度を、蛍光体の比表面積1m2当たり1.0×10-16、5.0×10-16、5.0×10-15、7.0×10-15、7.5×10-15mol/minに変化させると共に、塩酸の添加量を、蛍光体1g当たり0.002、0.003、0.005、0.0055molに変化させ、これら塩酸の添加速度及び添加量を組み合わせることにより得られた蛍光体を、蛍光体3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13とし、各蛍光体における塩酸の添加速度及び添加量を表1に示した。
次に、VUV照射前後における相対発光強度の評価方法について説明する。
まず始めに、得られた蛍光体1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13を、0.1〜1.5Paの真空槽の内部に導入し、エキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いてVUVを照射させた。そして、照射によって得られた緑色光のピーク強度を、検出器(大塚電子株式会社製:MCPD−3000)を用いて測定し、表面処理前の発光強度を100とした時の相対値である相対発光強度を算出した。ここで、このとき算出された相対発光強度を、「放電前の相対発光強度」とし、表1に示した。
また、各蛍光体1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13を、厚さ0.5mmのMgF2板によって被覆し、ネオンに対してキセノンガスを5%混合したガスで満された放電空間の内部に導入した後、1時間放電して、上記した方法により、相対発光強度を算出した。ここで、このとき算出された相対発光強度を、「放電後の相対発光強度」とし、表1に示した。
さらに、上記した放電後の相対発光強度を、放電前の相対発光強度で除し、百分率に換算した値を維持率(%)とし、表1に示した。この維持率は、数値が高いほど、VUVによる発光強度の低減が抑制されている、すなわち、塩酸が蛍光体本体を損傷させることなく、粉砕処理により損傷した表面層や、表面に付着した不純物等を除去しており、数値が低いほど、塩酸が蛍光体本体を損傷させている、または表面層や、不純物が除去されていないことになる。
Figure 2006022150
その結果、塩酸による表面処理が施されていない蛍光体1の維持率は、表面処理が施された蛍光体2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13の維持率と比較すると、塩酸の添加量及び添加速度にかかわらず下回っていることが判明した。また、塩酸の添加速度が、1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minの範囲内に調整された蛍光体2,4,5,6,8,10,12の維持率は、この範囲を外れた1.0×10-16若しくは7.5×10-15mol/minに調整された蛍光体1,3,7,9,11,13の維持率と比較すると、塩酸の添加量にかかわらず上回っており、塩酸の添加量が同一の蛍光体同士に限定して比較すると、維持率の値は、約10〜20上回っていることが判明した。さらに、上記した蛍光体2,4,5,6,8,10,12に注目すると、塩酸の添加量が、0.0055molに調整された蛍光体12の維持率は、85%であるのに対し、0.001〜0.005molの範囲内に調整された蛍光体2,4,5,6,8,10の維持率は、すべて90%以上であることが判明した。
[実施例2]
表面処理時における塩酸の温度を15℃、25℃、40℃、55℃、65℃と変化させ、それ以外の条件は、実施例1における蛍光体6と同一の条件下で表面処理を行い、蛍光体21,22,23,24,25を得た。得られた蛍光体21,22,23,24,25について、実施例1と同様の方法により、VUV照射前後における相対発光強度を算出し、維持率と共に表2に示した。
Figure 2006022150
その結果、塩酸の温度が、15℃及び65℃に調整された蛍光体21,25の維持率は、それぞれ82%及び88%であるのに対し、25℃、40℃、55℃に調整された蛍光体22,23,24の維持率は、すべて90%以上であることが判明した。
[実施例3]
図2及び図7に示すように、反応容器11に貯留された蛍光体分散溶液に対する塩酸の添加位置を、液中(図2)及び液面(図7)とに区別させた以外は、実施例1における蛍光体6と同一の条件下で表面処理を行い、蛍光体31,32を得た。得られた蛍光体31,32について、実施例1と同様の方法により、VUV照射前後における相対発光強度を算出し、維持率と共に表3に示した。
Figure 2006022150
その結果、蛍光体分散溶液に対する塩酸の添加位置が、液面に調整された蛍光体31の維持率が88%であるのに対し、液中に調整された蛍光体32の維持率は93%であり、液中添加により製造された蛍光体32の方が、放電後の発光強度の減少が抑制されていることが判明した。
[実施例4]
図3に示すダブルジェット反応装置21の反応容器26に純水を貯留させ、40℃の温度で保温させた。また、第1タンク22及び第2タンク23に、実施例1における分級後の蛍光体分散液と、2N塩酸とをそれぞれ貯留し、40℃の温度で保温させた。そして、ポンプP4,P5により、反応容器26に貯留された純水に、分級後の蛍光体分散液と、2N塩酸とを同時に供給した。このとき、塩酸の添加速度が、蛍光体の比表面積1m2当たり5.0×10-15mol/minとなるように、また塩酸の添加量が、蛍光体1g当たり0.002molとなるように調整した。
供給終了後、得られた混合溶液を20分間撹拌した後、純水による洗浄処理を行い、さらに100℃の温度で、12時間乾燥させ、蛍光体41を得た。
得られた蛍光体41について、実施例1と同様の方法により、VUV照射前後における相対発光強度を算出し、維持率と共に表4に示した。また、比較例として、塩酸の添加速度及び添加量が同一で、使用した装置の形態のみが相違する、実施例1における蛍光体4の相対発光強度及び維持率を、表4に併せて示した。
Figure 2006022150
その結果、反応装置11を用いて製造された実施例1における蛍光体4の維持率が95%であるのに対し、ダブルジェット反応装置21を用いて製造された蛍光体41の維持率は96%であり、ダブルジェット反応装置21を用いて製造された蛍光体41の方が、放電後の発光強度の減少が抑制されていると判明した。
[実施例5]
図1に示すY字型反応装置1のタンク3及びタンク4に、蛍光体分散液と、2N塩酸とをそれぞれ貯留させ、40℃の温度で保温した。そして、ポンプP1,P2により、蛍光体分散液及び2N塩酸を、熟成用容器2に同時に供給した。このとき、塩酸の添加速度が、蛍光体の比表面積1m2当たり5.0×10-15mol/minとなるように、また塩酸の添加量が、蛍光体1g当たり0.002molとなるように調整した。
供給終了後、得られた混合溶液を20分間撹拌した後、純水による洗浄処理を行い、さらに100℃の温度で、12時間乾燥させ、蛍光体51を得た。
得られた蛍光体51について、実施例1と同様の方法により、VUV照射前後における相対発光強度を算出し、維持率と共に表5に示した。また、比較例として、塩酸の添加速度及び添加量が同一で、使用した装置の形態のみが相違する、実施例1における蛍光体4の相対発光強度及び維持率を、表4に併せて示した。
Figure 2006022150
その結果、反応装置11を用いて製造した実施例1における蛍光体4の維持率が95%であるのに対し、Y字型反応装置1を用いて製造した蛍光体51の維持率は98%であり、Y字型反応装置1を用いて製造された蛍光体51の方が、放電後の発光強度の減少が抑制されていると判明した。
以上より、本発明に係る蛍光体の製造方法及び蛍光体並びにプラズマディスプレイパネルによれば、蛍光体粒子の粉砕処理を行う粉砕処理工程と、エッチング液を添加することにより、溶媒中に分散する蛍光体粒子に対して表面処理を行う表面処理工程とを行う粉砕処理工程とを具備する蛍光体の製造方法において、エッチング液の添加速度が、蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであるので、エッチング液の添加速度を制御することで安定した表面処理を行うことが可能となり、これによって、均一な表面処理が行われ、エッチング液に起因する蛍光体本体の損傷を抑制し、蛍光体及びプラズマディスプレイパネルの発光強度の向上を図ることができる。
構成1に記載の発明によれば、蛍光体粒子の粉砕処理を行う粉砕処理工程と、エッチング液を添加することにより、溶媒中に分散する蛍光体粒子に対して表面処理を行う表面処理工程とを具備する蛍光体の製造方法において、エッチング液の添加速度が、蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであるので、エッチング液の添加速度を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とを均一に混合することが可能となり、これによって、均一な表面処理を行うことができる。
構成2に記載の発明によれば、エッチング液の添加量が、蛍光体1g当たり0.001〜0.005molであるので、エッチング液の添加量を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することが可能となり、これによって、より好ましい効果を得ることができる。
構成3に記載の発明によれば、エッチング液の添加温度が、20〜60℃であるので、エッチング液の添加温度を制御することにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することが可能となり、これによって、より好ましい効果を得ることができる。
構成4に記載の発明によれば、エッチング液が、蛍光体粒子が分散する溶媒中に添加されるので、エッチング液の添加位置を変えることにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合するが可能となり、これによって、より好ましい効果を得ることができる。
構成6に記載の発明によれば、第1の流路から供給される蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給されるエッチング液とが、液中に同時に吐出されるように構成された装置が用いられているので、使用する装置の形態を変化させることにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することが可能となり、これによって、より好ましい効果を得ることができる。
構成7に記載の発明によれば、少なくとも、第1の流路から供給される蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給されるエッチング液とを連続的に衝突及び混合させてから第3の流路に連続的に供給すると共に、衝突及び混合後の溶液を、蛍光体粒子が分散する溶媒及びエッチング液の流速よりも大きい流速で供給した後に、第3の流路から連続的に吐出されるように構成された装置が用いられているので、使用する装置の形態を変化させることにより、蛍光体粒子が分散した溶媒と、エッチング液とをより均一に混合することが可能となり、これによって、より好ましい効果を得ることができる。
構成8に記載の発明によれば、表面処理工程が、粉砕処理工程よりも後続で行われるので、蛍光体粒子の表面に付着した未反応物及び副生成物等の不純物と、粉砕処理工程において損傷を受けた表面層とを、同時に除去することが可能となり、これによって、工程数を減少させ、作業者負担の軽減を図ることができる。
構成9に記載の発明によれば、請求項1から8のいずれか一項に記載の製造方法により製造されているので、エッチング液に起因する蛍光体本体の損傷を防止することが可能となり、これによって、蛍光体の発光強度の向上を図ることができる。
構成10に記載の発明によれば、請求項9に記載の蛍光体が、放電セルの蛍光体層に含有されていることで、放電セルの発光強度の向上を図ることが可能となり、これによって、PDPの発光強度の向上を図ることができる。

Claims (10)

  1. 前記蛍光体粒子の粉砕処理を行う粉砕処理工程を行い、
    エッチング液を添加することにより、溶媒中に分散する前記蛍光体粒子に対して表面処理を行う次の表面処理工程を通して作製する蛍光体の製造方法において、
    前記エッチング液の添加速度は、前記蛍光体粒子の比表面積1m2当たり1.2×10-16〜7.0×10-15mol/minであることを特徴とする蛍光体の製造方法。
  2. 前記エッチング液の添加量は、蛍光体1g当たり0.001〜0.005molであることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  3. 前記エッチング液の添加温度は、20〜60℃であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  4. 前記エッチング液は、前記蛍光体粒子が分散する溶媒中に添加されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  5. 前記表面処理工程後、洗浄処理工程と乾燥工程を行う請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  6. 第1の流路から供給される前記蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給される前記エッチング液とが、液中に同時に吐出されるように構成された装置を用いることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  7. 少なくとも、第1の流路から供給される前記蛍光体粒子が分散する溶媒と、第2の流路から供給される前記エッチング液とを連続的に衝突及び混合させてから第3の流路に連続的に供給すると共に、衝突及び混合後の溶液を、前記蛍光体粒子が分散する溶媒及びエッチング液の流速よりも大きい流速で供給した後に、該第3の流路から連続的に吐出されるように構成された装置を用いることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  8. 前記表面処理工程は、前記粉砕処理工程よりも後続で行われることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の蛍光体の製造方法。
  9. 請求の範囲第1項に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする蛍光体。
  10. 請求の範囲第9項に記載の蛍光体を含有する放電セルを有することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
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