JP2006321692A - ケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法及びそれを用いたpdpパネル - Google Patents

ケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法及びそれを用いたpdpパネル Download PDF

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Abstract

【課題】 ケイ酸亜鉛マンガン前駆体を水系の反応晶析法により形成する方法であって、高輝度のケイ酸亜鉛マンガン蛍光体の製造方法を提供する。
【解決手段】 メタケイ酸ナトリウムと亜鉛イオン、Mnイオンを含む溶液から下記一般式(1)で表されるケイ酸亜鉛マンガン前駆体を形成する際に、混合前のメタケイ酸ナトリウム水溶液のpHが1以上3以下であることを特徴とするケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
一般式(1)
(Zn(2-x)Mnx)SiO4
式中、0<x≦0.3である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高輝度のケイ酸亜鉛マンガン蛍光体の製造方法及びそれを用いたPDPパネルに関する。
ケイ酸亜鉛マンガン蛍光体を作製する方法のひとつとして、前駆体を反応晶析法で作製する方法があり、本発明は、メタケイ酸ナトリウム水溶液と硝酸亜鉛、マンガン水溶液を用いた反応晶析法でケイ酸亜鉛マンガン前駆体を作製する方法に関するものである。
固体原料を混合し焼成する固相法に比べ、このように原料を溶液反応で沈殿させ、前駆体を作製する方法では、原料が原子レベルで均一に混合されるため粒子間、粒子内での均一性に優れるという利点がある。一方で、前駆体の組成が必ずしも添加量や化学量論比と一致しないという反応晶析法独自の問題点がある。
本発明で用いるメタケイ酸ナトリウム水溶液は、強いアルカリ性を示すが、その水溶液中では、ケイ酸イオンは、モノケイ酸SiO4及びそれ以外の組成のSi27、Si310、Si412など、さまざまな形のポリ珪酸イオンとして存在している。そのため、このような水溶液からケイ酸亜鉛化合物を沈殿させた場合にはZn2SiO4以外の化合物が生成してしまい、前駆体中のZnとSiの比が2:1にならない。さらにそのような前駆体を焼成してもウィレマイト構造以外の異なる結晶構造が混在してしまい、十分な性能が得られないという問題があった。
メタケイ酸ナトリウム水溶液と亜鉛塩溶液を混合し、ケイ酸亜鉛前駆体を得る方法において、メタケイ酸ナトリウム水溶液を室温〜110℃、好ましくは95〜110℃に加温しつつ、0.5時間以上混合する方法が記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
亜鉛イオンを予めアンモニア錯体の形にしてpH8〜12に状態において分解せず沈殿を生じない亜鉛錯体に変換し、メタケイ酸ナトリウムを含む水溶液と反応させる方法についての記載がある(例えば、特許文献2参照。)。
何れにおいても、メタケイ酸ナトリウム水溶液を酸性に調整して用いる技術については記載がない。
特開平5−24819号公報 特開昭60−11219号公報
本発明は、ケイ酸亜鉛マンガン前駆体を水系の反応晶析法により形成する方法であって、高輝度のケイ酸亜鉛マンガン蛍光体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の構成により解決することができた。
(請求項1)
メタケイ酸ナトリウムと亜鉛イオン、Mnイオンを含む溶液から下記一般式(1)で表されるケイ酸亜鉛マンガン前駆体を形成する際に、混合前のメタケイ酸ナトリウム水溶液のpHが1以上3以下であることを特徴とするケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
一般式(1)
(Zn(2-x)Mnx)SiO4
式中、0<x≦0.3である。
(請求項2)
前記ケイ酸亜鉛マンガン前駆体の形成反応を40℃以上で行うことを特徴とする請求項1に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
(請求項3)
亜鉛イオン、Mnイオンをアンモニア錯体とした上で、メタケイ酸ナトリウム水溶液と反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
(請求項4)
連続混合器を用いて、瞬時に沈殿反応を終了させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
(請求項5)
活性剤の存在下でケイ酸亜鉛マンガン前駆体の形成反応を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
(請求項6)
ゼラチンの存在下でケイ酸亜鉛マンガン前駆体の形成反応を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
(請求項7)
請求項1〜6の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法で製造した蛍光体を用いたことを特徴とするPDPパネル。
我々は、鋭意検討の結果、沈殿反応を行う前に、メタケイ酸イオン水溶液のpHを1〜3の間に調整することで、上記の課題を達成できることを見出した。
ポリ珪酸イオンは、pH1〜3の間で、モノケイ酸イオンに分解し、溶液中のケイ素がすべてSiO4 4-の組成をとる。
このため、沈殿した前駆体が前記一般式(1)となり、その前駆体を焼成した蛍光体がウイレマイト構造をとるためと考えられる。
このようにして得られた蛍光体は、従来の方法に比べて発光強度が飛躍的に改善されることが明らかとなった。
さらに、詳細な条件を述べる。pH値は、1〜3の間が必要であり、pH1〜2が好ましい。pH0.5未満の強酸性下では、前駆体のZn/Si比が化学量論からずれてしまい好ましくない。反応温度は、0℃以上100℃以下のいずれの温度でもよいが、40℃以上での反応で、焼成後の蛍光体の輝度が高くなることが検討の結果明らかとなった。反応温度を40℃以上とすることで水酸化亜鉛の生成を抑えることができ、前駆体の組成が単一になるため焼成後の蛍光体の性能が改善されるためであると考えている。
本発明の方法により、安定してケイ酸亜鉛マンガン前駆体を製造することができ、それを焼成して形成された蛍光体は発光強度が飛躍的に高いものであった。
本発明を更に詳細に説明する。
反応の手順としては、方法1としてメタケイ酸ナトリウム水溶液を酸性に調整した後、硝酸亜鉛及び硝酸マンガンと混合した液をA液、アルカリ性の水溶液をB液とし、A液とB液を混合することで、ケイ酸亜鉛マンガン化合物を沈殿させる方法がある。この方法では、メタケイ酸ナトリウムと硝酸亜鉛、硝酸マンガンを混合する際に、予め、メタケイ酸ナトリウムを酸性に調整することが重要である。pHを充分に下げずに2液の混合を行うと、A液中で水酸化亜鉛や、ポリ珪酸(亜鉛,マンガン)化合物の沈殿が生じてしまうため好ましくない。
方法2としてメタケイ酸ナトリウム水溶液を酸性に調整しA液とし、硝酸亜鉛及び硝酸マンガン水溶液にアンモニアを過剰に添加し亜鉛及びマンガンのアンモニア錯体を形成した水溶液をB液とする。
A液とB液を混合することで、沈殿を形成する方法がある。
方法1,2どちらにおいても、ケイ酸亜鉛マンガン化合物を沈殿させる際には、添加液の混合時の濃度局在が前駆体の粒径や組成に影響することが明らかになった。母液の攪拌を行っているベッセル中に、別々のノズルで原料液を添加するダブルジェット法が好ましく、さらに、Y字混合器のような連続混合器が特に好ましい。
連続混合器とは、少なくとも第1の流路から送り込まれる蛍光体原料溶液と、第2の流路から送りこまれる蛍光体原料溶液とを連続的に衝突混合させてから第3の流路に連続的に送りこむとともに衝突後の混合液をレイノズル数3000以上で0.001秒以上送液した後に、該第3の流路から連続的に吐出させるように構成したことを特徴とする装置である。
第1及び第2流路に送液するにあたり、両液の均一な混合を達成するために実質的に乱流であることが好ましい。
乱流はレイノズル数により定義される。
レイノズル数Reは、円管の直径d、断面平均流速U、動粘性係数νから次式で与えられる。
Re=Ud/ν
一般にRe<2300の時を層流、2300<Re<3000を遷移域、Re≧3000の時を乱流という。実質的に乱流とはRe≒3000をさし、好ましくは5000<Re<100,000,000,000、より好ましくは10000<Re<100,000,000である。
晶析反応を活性剤や、ゼラチン等保護コロイドの存在下で行うことも、有効な方法である。保護コロイドはダブルジェット法を用いる場合にはベッセルの母液中に存在させておくことができる。活性剤としては、例えばツイーン20(関東化学社製)を用いることができ、方法1、2ともにアルカリ性のB液中に予め添加しておくことが好ましい。活性剤は生成物の質量比5%〜40%程度を用いることで前駆体の粒径分布がシャープになる効果があり、その結果として蛍光体の性能が向上することがわかった。
保護コロイドは、同様に生成物の1%〜10%程度を添加することでその効果を得ることが出来る。好ましくは1%〜3%であり、この場合に最も蛍光体の性能が改善されることがわかった。
保護コロイドは、微粒子化した前駆体粒子同士の凝集を防ぐために機能するもので、天然、人工を問わず各種高分子化合物を用いることができるが、中でもタンパク質を好ましく使用することができる。
タンパク質としては、例えば、ゼラチン、水溶性タンパク質、水溶性糖タンパク質が挙げられる。具体的には、アルブミン、卵白アルブミン、カゼイン、大豆タンパク、合成タンパク質、遺伝子工学的に合成されたタンパク質等を挙げることができる。
ゼラチンとしては、例えば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチンを挙げることができ、これらを併用してもよい。さらに、これらのゼラチンの加水分解物、これらのゼラチンの酵素分解物を用いてもよい。
また、保護コロイドは、単一の組成である必要はなく、各種の混合物或いはそれらの反応生成物であってもよい。具体的には、例えば、上記ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマーを用いることができる。
なお、保護コロイドの平均分子量は10,000以上が好ましく、10,000〜300,000がより好ましく、10,000〜30,000が特に好ましい。
以下、本発明の実施の形態を、図面を利用しながら説明する。
図1は蛍光体前駆体粒子を生成する連続混合装置の概略構成図である。
図中、40は連続混合装置であり、T1およびT2は、それぞれ蛍光体原料溶液を貯蔵するタンクである。連続混合装置40は、タンクT1中の蛍光体原料溶液を取り込む為の第1流路41と、タンクT2中の蛍光体原料溶液を取り込むための第2流路42と、混合された液を排出する第3流路43(断面は円形)とを有し、受器44は第3流路43から排出される反応液を受ける容器である。前記第1、第2および第3流路の直径は約1mmである。
前記第1流路41および第2流路42の一端は、交点Cにおいて、それぞれの流路内に連続的に送液される溶液が衝突し、混合するように位置づけられており、また、第3流路43の一端は、衝突後の混合溶液を連続的に受け入れることができるように、交点Cにおいて前記2つの流路の一端と繋がっている。
ここで重要なことは、交点Cにおける衝突後の溶液が逆流しないように、また、衝突混合により即時に形成される粒子核が、少なくともほぼ安定状態となるまでの時間、連続混合装置内で(実際には第3流路43内で)送液(液の移動)しうる構成に配慮することが必要である。
ここでは、粒子が安定状態となるまでの時間を0.001秒以上と定め、第3流路13は、これを満足する径と長さを有している。
該蛍光体原料溶液は制御手段S1、S2の制御に従って動作するポンプP1、P2により前記の各流路にレイノルズ数3000以上で送り込まれるように制御されている。混合前の前記両溶液の流速は同じでも、差があってもよい。
前記第3流路は、混合前の前記第1及び第2流路に送り込まれる各溶液の流速以上の流速を、混合後の溶液に付与することができる。前記制御手段S1、S2は1つに纏めてもよく、また、前記ポンプP1、P2は無脈動ポンプで或ることが望ましい。
また、受器2内部には撹拌機14を有しても、有してなくてもよい。受器2内には保護コロイド性のよいゼラチン溶液が加温溶解されていても、なくてもよい。受器2に導入された蛍光体前駆体粒子核はそこで熟成工程を経ても、経なくとも良い。
図2は、本発明に用いられるダブルジェット混合装置の概略断面図である。
反応容器50は、内部に撹拌機51を有する。Mはモータで、前記撹拌機51の回転動力源である。
52は蛍光体原料溶液1を前記容器中に導入するためのノズル、53は蛍光体原料溶液2を導入するためのノズルであり、ダブルジェット法の実施を可能とする。
以上の実施の形態は、あくまでも一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
《プラズマディスプレイ》
本発明に係るプラズマディスプレイ用蛍光体ペーストを用いて作製される、PDP(プラズマディスプレイ)の一態様を図3を用いて説明する。なお、PDPには、電極の構造及び動作モードから大別すると、直流電圧を印加するDC型と、交流電圧を印加するAC型のものとがあるが、図3には、AC型PDPの構成概略の一例を示した。
図3に示すPDP1は、電極11、21が設けられた2枚の基板10、20と、これらの基板10、20の間に設けられた隔壁30と、この隔壁30によって所定形状に区画される複数の微少放電空間(以下、放電セルという)31とを有している。図3に示した放電セル31は、いわゆるストライプ型と呼ばれるもので、基板10、20を水平に配置したときに、隔壁30が所定間隔毎に平行に(すなわち、ストライプ状に)設けられたものである。
各放電セル31R、31G、31Bには赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかに発光する蛍光体から構成された蛍光体層35R、35G、35Bが設けられている。また、各放電セル31の内側には、放電ガスが封入されており、平面視において前記電極11、21が交差する点が少なくとも一つ設けられている。
本発明に係るPDP1は、上記の蛍光体層35Gを、前記した本発明に係る製造方法で製造した蛍光体を用いて形成したものである。
以下、PDP1の各構成要素について説明する。まず、2枚の基板のうち、表示側に配置される前面板10側の構成について説明する。前面板10は、放電セル31から発せられる可視光を透過し、基板上に各種の情報表示を行うもので、PDP1の表示画面として機能する。
前面板10として、ソーダライムガラス(青板ガラス)等の可視光を透過する材料を好ましく使用できる。前面板10の厚さとしては、1mm〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mmである。前面板10には、放電電極11、誘電体層12、保護層13等が設けられている。
放電電極11は、前面板10の背面板20と対向する面に複数設けられ、規則正しく配置されている。放電電極11は、走査電極11aと維持電極11bとを備え、幅広の帯状に形成された走査電極11a上に、同じく帯状に形成された維持電極11bが積層された構造となっている。なお、維持電極11bの幅は、走査電極11aよりも狭く形成されている。また、放電電極11は、平面視において前記した隔壁30と直交している。
前記走査電極11aとしては、ネサ膜等の透明電極が使用でき、そのシート抵抗は、100Ω以下であることが好ましい。走査電極11aの幅としては、10μm〜200μmの範囲が好ましい。前記維持電極11bは、抵抗を下げるためのバス電極であり、Cr/Cu/Crのスパッタリング等により形成できる。維持電極11bの幅としては、5μm〜50μmの範囲が好ましい。
前記誘電体層12は、前面板10の放電電極11が配された表面全体を覆っている。誘電体層12は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層12の厚さとしては、20μm〜30μmの範囲が好ましい。
上記の誘電体層12の表面は保護層13により全体的に覆われる。保護層13は、MgO膜を使用することができる。保護層13の厚さとしては、0.5〜50μmの範囲が好ましい。
次に、2枚の基板10、20のうち、他方である背面板20側の構成について説明する。背面板20には、アドレス電極21、誘電体層22、隔壁30、蛍光体層35R、35G、35B等が設けられている。
背面板20は、前面板10と同様に、ソーダライムガラス(青板ガラス)等が使用できる。背面板20の厚さとしては、1mm〜8mmの範囲が好ましく、より好ましくは2mm程度である。
上記のアドレス電極21は、背面板20の、前面板10と対向する面に複数設けられている。アドレス電極21も、走査電極11aや維持電極11bと同様に帯状に形成されている。アドレス電極21は、平面視において、前記放電電極11と直交するように、所定間隔毎に複数設けられる。
アドレス電極21は、Ag厚膜電極等の金属電極を使用することができる。アドレス電極21の幅は、100μm〜200μmの範囲が好ましい。
前記誘電体層22は、背面板20のアドレス電極21が配された表面全体を覆っている。この誘電体層22は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。誘電体層22の厚さとしては、20μm〜30μmの範囲が好ましい。
上記の誘電体層22上に、背面板20側から前面板10側に突出するように、前記隔壁30が設けられる。隔壁30は長尺に形成され、アドレス電極21の両側方に設けられ、上記したように平面視においてストライプ状に放電セル31を形成する。
隔壁30は、低融点ガラス等の誘電物質から形成することができる。隔壁30の幅は、10μm〜500μmの範囲が好ましく、100μm程度がより好ましい。隔壁30の高さ(厚み)としては、通常、10μm〜100μmの範囲であり、50μm程度が好ましい。放電セル31には、上述のように各色に発光する蛍光体層35R、35G、35Bのいずれかが規則正しい順序で設けられている。
各蛍光体層35R、35G、35Bのうち、緑色に発光する蛍光体層35Gは、少なくとも本発明の前記一般式(1)で示される蛍光体から構成される。このとき、蛍光体の1次粒子の長軸径が0.1μm〜0.5μmの範囲にあることが好ましい。また、長軸径と短軸径の極大値との比は、1.5〜5の範囲であることが好ましく、長軸径と短軸径の極小値との比は、1.3〜3の範囲であることが好ましい。
赤色又は青色に発光する蛍光体層35R、35Bを構成する蛍光体については、特に限定されるものではないが、赤色に発光する蛍光体層35Rに用いる蛍光体としては、例えば、組成式が(Y,Gd)BO3:Euで示されるものを好ましく使用することができる。また、青色に発光する蛍光体層35Bに用いる蛍光体としては、例えば、組成式がBaMgAl1017:Euで示されるものを好ましく使用できる。また、これらの蛍光体の平均粒径は0.1μm〜3.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは、0.1μm〜1.0μmの範囲である。なお、平均粒径とは、粒子の体積と同等な球を考えたときの直径のことをいう。
また、上記各蛍光体層35R、35G、35Bの厚さは特に限定されるものではないが、5μm〜50μmの範囲程度が好ましい。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
実施例1
〈蛍光体1の製造方法〉
関東化学社製メタケイ酸ナトリウムNa2SiO3 61.03gを純水に溶解し、硝酸を加えpH=1とし、A液とする。調整後の体積を500mlとし、60℃で1時間、スターラーで激しく攪拌する。
関東化学社製 硝酸亜鉛6水和物296gと、硝酸マンガン6水和物1.44gを純水に溶解し、500mlとしこれをB液とする。
A液、B液を60℃に調整したのち、A液を攪拌しながら、B液をゆっくりと全量加えこれをC液とする。
関東化学社製28%アンモニア水152gを純水と混合し1000mlとし、これをD液とする。
純水1000mlをE液とする。
60℃において、E液を激しく攪拌した中に、C液とD液を30分間かけて等速で添加し、白色の沈殿を得た。その後、加圧ろ過法により固液分離を行った後純水で洗浄した。得られた前駆体を大気中で1260℃、3時間焼成して蛍光体1を得た。
〈蛍光体2の製造方法〉
関東化学社製メタケイ酸ナトリウムNa2SiO3 61.03gを純水に溶解し、硝酸を加えpH=1とし、A液とする。調整後の体積を500mlとし、60℃で1時間、スターラーで攪拌する。
関東化学社製 硝酸亜鉛6水和物296gと、硝酸マンガン6水和物1.44gを純水に溶解し、300mlとし、激しく攪拌を行った中に関東化学社製アンモニア28%水溶液152gをゆっくりと添加する。添加後体積を500mlに調整し、これをB液とする。
純水1000mlをC液とし、C液を激しく攪拌した中にA液とB液を30分間かけて等速で添加し、白色の沈殿を得た。その後、加圧ろ過法により固液分離を行った。得られた前駆体を大気中で1260℃、3時間焼成して蛍光体2を得た。
〈蛍光体3の製造方法〉
蛍光体1の製造方法のうちA液のpHを2.5とし、D液のアンモニア水を122.25gとした他は同様にして蛍光体3を作製した。
〈蛍光体4の製造方法〉
蛍光体1の製造方法のうち、A液のpHを硝酸で調整を行わず、D液のアンモニア水を121.6gとした他は同様にして蛍光体4を得た。
〈蛍光体5の製造方法〉
蛍光体2の製造方法のうち、A液のpHを硝酸で調整を行わない(pH9)他は同様にして蛍光体5を得た。
〈蛍光体6の製造方法〉
蛍光体1の製造方法のうち、A ̄E液の温度を20℃とした他は同様にして蛍光体6を得た。
〈蛍光体7の製造方法〉
蛍光体1の製造方法のうち、D液に活性剤として関東化学社製ツイーン20を10g加える他は同様にして蛍光体7を得た。
〈蛍光体8の製造方法〉
蛍光体1の製造方法のうちE液を低分子ゼラチン2%溶液とした他は同様にして蛍光体8を得た。
実施例2
〈蛍光体9の製造方法〉
実施例1の蛍光体1の製造方法において、図2に示すダブルジェット混合機を用い、C液及びD液を反応容器下部の2本のノズルより添加して反応を行ない安定した微粒子の白色沈殿を得ることができた。以下蛍光体1と同様にして蛍光体9を得た。
実施例3
〈蛍光体10の製造方法〉
図1に示すような連続混合装置を用いて、前駆体の作製を行った。
実施例1の蛍光体1と同様にして、C液とD液を作製する。両液を60℃に保ち、図1の41にC液を42にD液を供給し、混合を行った。両液の添加速度は150ml/minでその際のRe数は、41,42で約3200、43で約6400であった。
混合後の液を受器44で30分間60℃で攪拌を行った後、加圧ろ過法で固液分離を行ったのち、純水で洗浄した。得られた前駆体を大気中で1260℃3時間焼成して蛍光体10を得た。
以上のようにして作製した各蛍光体の反応条件及びそれらの発光強度を表1に纏めて示す。
発光強度の測定は、1.5Paの真空槽内でエキシマ146nmランプ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射して、蛍光体から緑色光を発光させた。次に、得られた緑色光を検出器(MCPD−3000(大塚電子株式会社製))を用いてその強度を測定した。発光のピーク強度を、蛍光体4を100とした相対値で求めた。
Figure 2006321692
本発明の方法により製造した蛍光体は高い発光強度を示すことが分かる。
実施例4
実施例1で得られた蛍光体1及び4を用いて、以下に示す方法によりPDPを作製した。
1.蛍光体ペーストの調製
(1)蛍光体ペースト1の調製
本発明に係る蛍光体ペーストとして、蛍光体1を用い、下記の組成で混合し、蛍光体ペースト1の調製を行った。
蛍光体1 45質量%
ターピネオール,ペンタンジオールの1:1混合液 545.5質量%
エチルセルロース(エトキシ基の含有率50%) 0.3質量%
ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.2質量%
(2)蛍光体ペースト2の調製
蛍光体ペースト1の蛍光体を蛍光体4に変更する以外は同様にして、蛍光体ペースト2の調製を行った。
2.PDPの製造
(1)PDP1の製造
図3に示した、ストライプ型のセル構造を持つ、AC型のPDP1を以下のように製造した。
まず、前面板10となるガラス基板上の所定の位置に、透明電極11aとして透明電極を配置する。次に、Cr−Cu−Crをスパッタリングし、フォトエッチングを行うことによりバス電極11bを透明電極11a上に形成し、表示電極11とする。そして、前記表面ガラス基板10上に、表示電極11を覆うように低融点ガラスを印刷し、これを500〜600℃で焼成することにより誘電体層12を形成する。さらに誘電体層12の上に、MgOを電子ビーム蒸着して保護膜13を形成する。
一方、背面板20上には、Ag厚膜を印刷し、これを焼成することにより、アドレス電極21を形成する。そして、前記背面板20上で、且つ、アドレス電極21の両側方に隔壁30を形成する。隔壁30は、低融点ガラスをピッチ0.2mmで印刷し、焼成することにより形成できる。さらに、前記隔壁30により区画された放電セル31内に上記蛍光体ペースト1と、別に調整した赤色蛍光体ペースト、青色蛍光体ペーストをスクリーン塗布法により塗布した。このとき、一つの放電セル31につき、一色の蛍光体ペーストを用いる。その後、蛍光体ペーストを乾燥又は焼成して、ペースト中の有機成分を除去し、放電セル31R、31G、31Bにそれぞれ発光色が異なる蛍光体層35R、35G、35Bを形成した。
そして、前記電極11、21等が配置された前記前面板10と背面板20とを、それぞれの電極配置面が向き合うように位置合わせし、約1mmのギャップを保った状態で、その周辺をシールガラス(図示略)により封止する。そして、前記基板10、20間に、放電により紫外線を発生するキセノン(Xe)と主放電ガスのネオン(Ne)とを混合したガスを封入して気密密閉した後、エージングを行う。以上によって、PDPを製造し、PDP1とした。
(2)PDP2
比較例のPDP2として、上記緑色蛍光体ペースト1をペースト2に変えたこと以外はPDPと同様にしてPDP2を作製した。
3.PDPのパネル発光強度
次に、PDP1とPDP2について、それぞれPDPパネルの点灯直後の発光強度を測定した。結果を表2に示す。なお、発光強度の測定は、電極に同等維持電圧(170Vの交流電圧)を印加したときの白色輝度を測定するものとし、PDP2の発光強度を100とした場合のPDP1の相対発光強度を求めた。
Figure 2006321692
このように本発明の方法で製造した蛍光体を用いることで発光強度に優れたPDPパネルを作製することができた。
本発明に好ましく用いられる連続混合装置の概略構成図である。 本発明に用いられるダブルジェット混合装置の概略断面図である。 AC型PDPの構成概略の一例を示す図である。
符号の説明
10 基板(全面板)
20 基板(背面板)
11 放電電極
11a 走査電極
11b 維持電極
21 アドレス電極
30 隔壁
31 放電セル
35R,35G,35B 蛍光体層
40 連続混合装置
50 ダブルジェット混合装置

Claims (7)

  1. メタケイ酸ナトリウムと亜鉛イオン、Mnイオンを含む溶液から下記一般式(1)で表されるケイ酸亜鉛マンガン前駆体を形成する際に、混合前のメタケイ酸ナトリウム水溶液のpHが1以上3以下であることを特徴とするケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
    一般式(1)
    (Zn(2-x)Mnx)SiO4
    (式中、0<x≦0.3である。)
  2. 前記ケイ酸亜鉛マンガン前駆体の形成反応を40℃以上で行うことを特徴とする請求項1に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
  3. 亜鉛イオン、Mnイオンをアンモニア錯体とした上で、メタケイ酸ナトリウム水溶液と反応させることを特徴とする請求項1又は2に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
  4. 連続混合器を用いて、瞬時に沈殿反応を終了させることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
  5. 活性剤の存在下でケイ酸亜鉛マンガン前駆体の形成反応を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
  6. ゼラチンの存在下でケイ酸亜鉛マンガン前駆体の形成反応を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のケイ酸亜鉛マンガン前駆体の製造方法で製造した蛍光体を用いたことを特徴とするPDPパネル。
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