JP2005002157A - 蛍光体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均質で緻密な高輝度蛍光膜、蛍光層を形成可能な蛍光体、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズとして用いる蛍光体の製造方法を提供する。
【解決手段】蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、焼成して得られた焼成粒子を水含有溶媒で洗浄することにより蛍光体を製造する方法において、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することを特徴とする蛍光体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、焼成して得られた焼成粒子を水含有溶媒で洗浄することにより蛍光体を製造する方法において、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することを特徴とする蛍光体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラウン管、フィールドエミッションディスプレー(FED)、プラズマディスプレーパネル(PDP)、固体照明素子、固体照明器具、蛍光灯、蛍光表示管、夜光塗料、X線増感紙などの蛍光膜、蛍光層、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズ等に用いられる蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラウン管、フィールドエミッションディスプレー(FED)、プラズマディスプレーパネル(PDP)、固体照明素子、固体照明器具、蛍光灯、蛍光表示管、夜光塗料、X線増感紙などの蛍光膜、蛍光層、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズ等に用いられる蛍光体は、従来、原料粉末を混合したものを坩堝などの焼成容器に入れた後、高温で長時間加熱することにより固相反応を起こさせ、それをボールミルなどで微粉砕することにより製造されてきた。
【0003】
しかし、この方法で製造された蛍光体は、不規則形状粒子が凝集した粉末からなるため、この蛍光体を塗布して得られる蛍光膜は不均質で充填密度の低いものとなり、発光特性が低かった。また、固相反応後のボールミルなどによる微粉砕処理中に蛍光体に物理的及び化学的な衝撃が加えられるために、粒子内や表面に欠陥が発生して発光強度が低下するという不都合もあった。さらには、坩堝などの焼成容器に入れて高温で長時間加熱するために、坩堝からの不純物が混入して発光特性が低下したり、原料粉末の粒度によっては固相反応が十分に進行せずに不純物相が混在して発光特性の低下を招くことがあった。また、高温で長時間加熱すると、消費エネルギーが大きくなり、蛍光体の製造コストを高くする要因となっていた。
【0004】
これらの問題を解消するために、蛍光体の構成金属元素含有溶液を超音波ネブライザーで同伴気体中に噴霧して微液滴を形成した後、これを乾燥して金属塩粒子や金属錯体粒子とし、この金属塩粒子や金属錯体粒子を同伴気体とともに熱分解合成炉に導入して加熱することにより、熱分解合成を行って蛍光体を得る方法が提案されている。しかしながら、この方法では、熱分解合成炉内での滞留時間を十分に長く取れないために、比較的低温度で合成した場合には、蛍光体の結晶性が低い上に付活剤イオンを結晶内に均一に付活することができず、結果として発光特性の良好な蛍光体を得られないという問題があった。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液を同伴気体中に噴霧して微液滴を形成した後、前記微液滴を乾燥して固体状蛍光体原料粒子となし、該固体状蛍光体原料粒子を加熱することにより前記蛍光体の前駆体を生成させ、該蛍光体前駆体を更に加熱して前記蛍光体の結晶相を主相とする焼成粒子となし、この焼成粒子を経由して蛍光体を製造する方法において、前記蛍光体と化学的に反応しにくい溶融状態の化合物と前記蛍光体前駆体とを接触させながら前記加熱を継続し、前記同伴気体中に浮遊する前記分散媒体の粒子内に前記蛍光体前駆体から蛍光体を生成させ、水や酸を使用し水洗することで前記分散媒体や蛍光体表面に残存する不純物を除去して蛍光体を得る方法が特許文献1に開示されている。
【0006】
しかしながら、この方法で水洗すると、前記化合物だけでなく蛍光体の種類によっては水洗中に蛍光体の表面の一部も溶解し発光特性が低下する不都合が発生することがあった。
【0007】
【特許文献1】特開2002−322471号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ブラウン管、FED、PDP、固体照明素子、固体照明器具、蛍光灯、蛍光表示管、夜光塗料、X線増感紙などに適用する際に均質で緻密な高輝度蛍光膜、蛍光層を形成可能な蛍光体、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズとして用いる蛍光体、特に、従来より医薬品開発効率の高いハイスループット新薬スクリーニングシステムを得ることができるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズとして用いる蛍光体の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、焼成粒子を、水含有溶媒で洗浄する際、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することにより、結晶性が高く、凝集粒子が少なく、表面に不純物の少ない蛍光体微粒子を製造することができ、前記課題の解決に成功した。
即ち、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、焼成して得られた焼成粒子を水含有溶媒で洗浄することにより蛍光体を製造する方法において、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することを特徴とする蛍光体の製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の蛍光体の製造方法において、蛍光体の構成金属元素としては、特に制限はないが、Y、Sc、ランタノイド元素等の希土類元素、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属元素、Al、Zn、Mn等の各種元素が挙げられる。
蛍光体の構成金属元素を含有する蛍光体原料は、水に可溶性を有し、高温に加熱するときに酸化物や硫化物を生成し得る無機塩や有機金属化合物などを使用する。また、蛍光体の構成金属元素の酸化物を酸に溶解して使用することも可能である。さらに蛍光体原料としては、陽イオンとなり得るSi、Al、P等も使用することができる。なお、良好な発光特性を得るためには、キラーセンターとなる鉄やニッケルなどの不純物元素の含有量の少ない蛍光体原料を使用することが好ましい。
【0011】
上記蛍光体原料を水や酸で溶解し、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液とする。この際、攪拌等をして十分に溶解する。溶液内の蛍光体原料構成金属元素濃度は、水溶液内の金属元素の溶質濃度Cが0.01≦C≦5の範囲にあることが好ましい。ここで、Cは、水溶液1リットルに含有される全ての金属元素の合計のモル数である。溶質濃度が0.01より低いと、乾燥除去される水分量に対して合成できる蛍光体量が少ないために生産性が低くなる。一方、溶質濃度が5より高いと、液滴が生成しにくくなる。
【0012】
蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴は、通常、同伴気体中に形成する。同伴気体中で蛍光体の構成金属元素を含有する溶液を微液滴にする方法としては、特に制限はないが、例えば、加圧空気で液体を吸い上げながら噴霧して1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電結晶からの2MHz程度の超音波を利用して4〜10μmの液滴を形成する方法、穴径が10〜20μmのオリフィスが振動子により振動し、そこへ一定の速度で供給される液体が振動数に応じて一定量ずつ穴から放出され5〜50μmの液滴を形成する方法、回転している円板上に液を一定速度で落下させて遠心力によって20〜100μmの液滴を形成する方法、液体表面に高い電圧を引加して0.5〜10μmの液滴を発生する方法などが挙げられる。
【0013】
同伴気体としては、空気、酸素、窒素、水素、少量の一酸化炭素や水素や硫化水素を含む窒素やアルゴンなどが使用できる。良好な発光特性を得るためには、蛍光体の化学組成と発光に関与する付活剤イオンの種類により気体を選択することが重要である。例えば、酸化雰囲気で原子価を保ちやすいEu3+等を付活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、空気や酸素などの酸化性ガスが好ましく、還元雰囲気で原子価を保ちやすいEu2+等を付活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴンなどの還元性ガスが好ましい。また、硫化物蛍光体や酸硫化物蛍光体を合成する際には、硫化水素を含有する同伴気体を使用することが好ましい。
【0014】
形成された微液滴は、同伴気体流により乾燥器内に導入されて固体状蛍光体原料粒子となる。溶液の種類、気体の種類、気体流量、熱分解合成炉内の温度などの加熱速度に影響を与える因子の調整により、中空の球、ポーラス、中の詰まった粒子、破砕された粒子など、生成する固体状蛍光体原料粒子の形態及び表面状態を制御することができる。
【0015】
熱分解合成炉での蛍光体の生産効率を上げるために、分級器を使用して微液滴を同伴した気体の単位体積当たりの微液滴体積を濃縮することが好ましい。分級器としては、重力分級器、遠心分級器、慣性分級器などが使用し得る。しかし、微液滴を同伴した気体から、気体の一部と共に上記の微液滴径の下限未満の微液滴を除去して、微液滴を同伴した気体の単位体積当たりの微液滴体積を濃縮するためには、慣性分級器が好適である。
【0016】
微液滴の乾燥方法としては、特に制限はないが、凍結乾燥、減圧乾燥、拡散乾燥、加熱乾燥などが採用できるが、工業的生産性において加熱乾燥が優れている。
乾燥して得られる固体状蛍光体原料粒子は、後に加熱して熱分解合成をするが、熱分解前に固体状蛍光体原料粒子の温度を100℃以上に保持することが好ましい。この温度が熱分解前に100℃未満になると乾燥時に発生した水蒸気が凝縮して固体状蛍光体原料粒子を部分的に再溶解するため、所望の形状や粒径の蛍光体を得難くなる。
【0017】
固体状蛍光体原料粒子を加熱して熱分解をする際、その熱分解合成反応系内に生成する蛍光体に対して結晶成長促進剤として作用する化合物を共存させておくことが好ましい。この化合物やその前駆体を前記の蛍光体原料と共に溶解して溶液を形成してこれを同伴気体中に噴霧して乾燥し引き続き加熱を行うことで、蛍光体の粒成長を容易に行うことができる。
【0018】
また、微液滴を乾燥して形成される固体状蛍光体原料粒子を加熱して、これを熱分解し、生成する該蛍光体の前駆体(以下、「蛍光体前駆体」と言う)を結晶成長促進剤からなる分散媒体に分散させた状態で熱分解に続く加熱(焼成)を継続することが好ましい。この方法を採用することにより、前記蛍光体前駆体から生成した多数の蛍光体を、粒子状の前記分散媒体に内包させて同伴気体と共に反応系外に取り出し、その後に分散媒体を洗浄除去して所望の蛍光体を合成できるが、この分散媒体やその前駆物質を前記の蛍光体原料と共に溶解して溶液を形成してこれを同伴気体中に噴霧して乾燥し引き続き加熱を行うことで、蛍光体前駆体から蛍光体結晶核が生成する際、その周囲に介在する分散媒体が溶融状態となり蛍光体前駆体が相互に直接接触することが妨げられ、蛍光体結晶核の結晶成長の過程での粒子同志の凝集を防止し、個々の粒子が実質的に独立した粒子形態を保持した蛍光体を容易に得ることができるため、高純度で化学組成の均一な、微小かつ分散性の極めて良好な蛍光体を安価に製造することが可能になる。
【0019】
本発明で使用可能な結晶成長促進剤や分散媒体は、熱分解合成時に溶融して、蛍光体前駆体を経由して生成してくる蛍光体の成長を促進するか又は分散系を構成する物質であればよく、蛍光体と化学的に反応しにくい物質を使用することが好ましい。また、結晶成長促進剤や分散媒体の前駆物質を用いて熱分解合成時に前記の結晶成長促進剤や分散媒体が生成される物質を使用することも可能である。
【0020】
そして、結晶成長促進剤や分散媒体又はその前駆物質は、前述の様に予め蛍光体原料溶液中に添加して両者を含有する微液滴を形成する方法と、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液を同伴気体中に噴霧して微液滴を形成し乾燥して固体状蛍光体原料粒子とした後に、高温に加熱して溶融状態又は気体状態にした結晶成長促進剤や分散媒体を、前記同伴気体中の前記固体状蛍光体原料粒子表面上に噴霧して、前記固体状蛍光体原料粒子を内包若しくはこれに付着する粒子を形成する方法のいずれを選択してもよい。
【0021】
結晶成長促進剤や分散媒体、又はその前駆物質としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属ハロゲン化物、ハロゲン化亜鉛、及びアルカリ金属化合物の群から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することができ、その中でもアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、ベリリウムを除くアルカリ土類金属の塩化物、臭化マグネシウム、フッ化亜鉛、硫化リチウム、硫化ナトリウム、及び硫化カリウムの群から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが好ましい。
【0022】
結晶成長促進剤の使用量は、通常、蛍光体の体積に対して0.01〜10倍である。使用量の比率が低いと蛍光体の結晶性が十分に向上しない傾向にあるため、下限としては、0.05倍以上が好ましい。一方、使用量の比率が高いと、蛍光体の結晶性は十分に向上するものの、生産性が低下する傾向にあるため、上限としては2倍以下が好ましい。
【0023】
一方、分散媒体として使用する場合、その使用量は、蛍光体の体積に対して、通常、1〜100倍である。使用量の比率が低いと、合成蛍光体の凝集を回避することができない傾向にあるため、下限としては、2倍以上が好ましい。一方、使用量の比率が高いと、蛍光体の結晶性は十分に向上するものの、分散媒体粒子中に生成する蛍光体単結晶の量が少なくなり、生産性が低下する傾向にあるため、上限としては20倍以下が好ましい。
【0024】
本発明において、固体状蛍光体原料粒子を加熱(熱分解)するときの温度は、通常、300〜1200℃である。温度が低すぎると熱分解に伴う蛍光体の合成反応が進まないので、下限としては400℃以上が好ましい。温度が高すぎると不要なエネルギーが消費されるので、上限としては1100℃以下が好ましい。
また、加熱時間は通常、0.01秒〜10分である。加熱時間が短すぎると、十分に熱分解せず、蛍光体が生成しないことがあるため、下限としては0.1秒以上が好ましく、加熱時間が長すぎると、生産性が低下するので、上限としては1分以下が好ましい。
【0025】
次に、蛍光体前駆体を焼成して焼成粒子とするが、その加熱温度は、通常、600〜1900℃である。下限としては700℃以上、上限としては1850℃以下が好ましい。温度が高すぎると不要なエネルギーを消費する。結晶成長促進剤や分散媒体の存在下で行う場合、それらを溶融状態で使用するため、少なくとも該固体状蛍光体原料粒子の熱分解により生じた蛍光体前駆体の加熱時には結晶成長促進剤や分散媒体の融点以上の温度で行う必要がある。蛍光体前駆体の加熱時間は、最高温度域での滞留時間が、通常、0.01秒間〜10分の範囲となるように実施する。滞留時間が短すぎると、結晶性が向上しにくく、付活剤イオンを結晶内部まで確実に付活させることができず発光特性が低くなる傾向にあるため、下限としては0.1秒以上が好ましい。滞留時間が長すぎると、不要なエネルギーを浪費することにもなるため、上限としては、1分以下が好ましい。
【0026】
前述の、▲1▼微液滴を乾燥する工程、▲2▼乾燥して得られた固体状蛍光体原料粒子を加熱(熱分解)して蛍光体前駆体とする工程、▲3▼蛍光体前駆体を更に加熱(焼成)して焼成粒子とする工程は、それぞれ独立して行ってもよいが、▲1▼と▲2▼の工程や、▲2▼と▲3▼の工程を連続して行ってもよく、また、▲1▼〜▲3▼の工程を全て連続して行ってもよい。以下の方法に限定されるものではないが、例えば、▲2▼の工程で得られた蛍光体前駆体を一旦取り出した後に焼成する場合は、蛍光体前駆体を坩堝などの容器に入れてバッチ式の炉で加熱し、焼成粒子を得ることもできる。また、▲1▼〜▲3▼の工程を全て連続して行う場合は、管状炉等を熱分解合成炉等として用い、連続的に加熱しながら、乾燥、熱分解を行い、炉の最高温度域で焼成する方法が挙げられる。
【0027】
得られた焼成粒子は、発光強度の改善を目的として等、必要に応じて、再加熱処理をしてもよい。再加熱処理温度は通常、600〜1900℃、裁可熱処理時間は通常、0.1秒〜100時間である。再加熱処理により、結晶性を向上させ、発光強度を高くすることができるが、温度が低すぎてもあまり効果はなく、高すぎると凝集粒子が多数生成して蛍光体の塗布特性を劣化させるので、蛍光膜としたときの輝度を定価させる傾向にある。また、時間が短すぎてもあまり効果はなく、長すぎても効果は飽和し、不要なエネルギーを消費するのみである。
【0028】
焼成粒子は、発光特性を確保するため、水含有溶媒で洗浄して、不純物や、結晶成長促進剤や分散媒体を使用した場合はそれらを除去する。結晶成長促進剤や分散媒体の存在は、蛍光体を励起する際に使用する入射電子や紫外線を吸収したり、蛍光体からの発光を吸収するため、発光特性を低下させる要因となる場合があるからである。
結晶成長促進剤や分散媒体として水溶性の無機塩を使用するときには、水含有溶媒中で結晶成長促進剤や分散媒体を溶解して容易に除去することができ、微小蛍光体の回収が容易となる。
水含有溶媒は水を含んでいれば特に制限はないが、水を主体とした溶媒や、水−アルコール溶媒等が挙げられ、pHをコントロールするための溶質を含む溶媒である。なかでも、水を主体とした溶媒が好ましい。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。
【0029】
本発明において、洗浄時の水含有溶媒のpHは、6以上14以下に保持している。pHが6未満の場合には蛍光体が水に溶解して発光特性が低下することがあり、pHが14を越えると分散媒体の洗浄除去の効率が低下する。同様の理由でpHを保持する範囲の下限としては、7以上が好ましく、7.5以上が更に好ましい。また、上限としては13以下が好ましく、11以下が更に好ましい。
【0030】
水含有溶媒のpHを保持する方法としては、アルカリ土類金属化合物など各種化合物の水溶液を使用する方法などがあるが、アルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物の水溶液を用いることにより、溶媒のpHを容易に調整できるので好ましい。
また、前記アルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウムの少なくともいずれか1種を使用することが、溶媒のpHを容易により安価に調整できるので更に好ましい。
洗浄方法としては、ろ過ケーク状の焼成粒子に大量の水含有溶媒を通過させて洗浄する方法、水含有溶媒に焼成粒子を浸漬して洗浄する方法等が挙げられるが、その他の方法でもよい。洗浄により、水含有溶媒のpHが変動する場合は、上述のアルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物やそれらの水溶液により適宜pHを調整するとよい。
なお、通常、工業的に洗浄水として用いられる水のpHは6前後であるが、その使用環境により変動し、特に注意を払わない限り、6未満となることが多い。従って、上述のとおりpHを調整する必要がある。
この様な洗浄方法による蛍光体の製造方法は、pHの低い水に溶解しやすい蛍光体に好適である。pHの低い水に溶解しやすい蛍光体としては、Y2O3:Eu、Gd2O3:Tb、(La,Y)2O3:Euなどの蛍光体が挙げられる。
【0031】
本発明の蛍光体の粒径は、通常1nm〜20μmである。また、蛍光体を構成する一次粒子のメジアン径は、通常1nm〜10μmであるが、メジアン径が1nm以上3μm以下の際に、蛍光体の特性を顕著に改善できるので好ましい。一次粒子のメジアン径が1nmより小さいと、比表面積が大きすぎるために本発明の製造方法によっても蛍光体の溶解に伴う蛍光特性低下を招くおそれがある。同様の理由により、本発明が有効に適用できる蛍光体は、それを構成する一次粒子のメジアン径が、2nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。一方、一次粒子のメジアン径が3μmより大きいと、比表面積が小さいために本発明の製造方法の効果が小さい。同様の理由により、本発明が有効に適用できる蛍光体は、それを構成する一次粒子のメジアン径が、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
蛍光体の化学組成がY1.88Eu0.12O3となるように硝酸イットリウム0.282モルと硝酸ユーロピウム0.018モルを水に溶解し、更に結晶成長促進剤の原料として硝酸リチウム0.3モルを水に溶解し、少量の硝酸を添加して1リットルとした。
【0033】
同伴気体として空気を使用し、この金属塩水溶液を1.7MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて微小液滴を形成した。次に、この微小液滴を最高温度が1600℃の電気炉内に導入し、乾燥、熱分解の後、最高温度域で滞留時間が10秒間となるように焼成し、生成した焼成粒子を200℃に保持しつつバッグフィルターで捕集した。
【0034】
この焼成粒子を水酸化リチウムでpHを9に調整した水に入れ、撹拌してpHが8より低くならないように、水酸化リチウムで調整しながら洗浄し、粒子を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。この洗浄操作を3回実施した後、120℃の乾燥器で乾燥して蛍光体を得た。
この蛍光体に、波長254nmの紫外線を照射したところ、良好な赤色発光を示した。また、そのときに測定した蛍光体の輝度を100とした。この蛍光体の重量平均粒子径D50をレーザー回折法により測定したところ1.0μmだった。
また、蛍光体を電子顕微鏡で観察したところ、粒子の表面には溶解、析出等の痕跡が観測されなかった。
(比較例1)
実施例1で得られた焼成粒子を、塩酸でpHを1.0に調整した水を使用して洗浄し、粒子を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。次いで、pHが5.6の水を使用して洗浄し、粒子を遠心分離し、上澄み液を廃棄する操作を2回行い、120℃の乾燥器で乾燥して蛍光体を得た。
【0035】
この蛍光体の波長254nmの紫外線照射下での輝度を測定したところ、実施例1の蛍光体の輝度を100とした場合に85と低かった。また、この蛍光体を電子顕微鏡で観察したところ、粒子の表面には溶解、析出等の痕跡が観測された。
(実施例2)
蛍光体の化学組成がY1.88Eu0.12O3となるように酸化イットリウムY2O3と酸化ユーロピウムEu2O3を硝酸溶液に溶解し、さらにY1.88Eu0.12O3蛍光体の固体体積に対して10倍の固体体積となるように分散媒体成分である塩化カリウムを添加して溶解し、硝酸イットリウムユーロピウムとして溶質濃度Cが0.1モル/kgの均質な水溶液を調製した。同伴気体として空気を使用し、この水溶液を1.7MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて噴霧を行い平均粒径5μmの微液滴を形成させた。この微液滴を最高温度850℃の電気炉の中に同伴ガスとともに導入し、乾燥、熱分解の後、最高温度域で滞留時間が0.3秒間となるように焼成し、生成した蛍光体及び分散媒体成分の混合物粉体粒子(焼成粒子)を電気集塵機にて捕集した。
【0036】
得られた焼成粒子を、PH8.5に調整したLi2CO3水溶液を用いてpHを8.0以上に保持しつつ洗浄を繰り返し、洗浄溶液中に残存する分散媒体成分がないことをIPC(誘導結合プラズマ発光分析法)で確認した後、乾燥し微粉末を得た。
得られた微粉末を粉末X線回折法で測定した所、所望のY1.88Eu0.12O3結晶のみからなると同定された。得られた微粉末の粒子表面を電子顕微鏡で観察した所、溶解、析出等の痕跡が観測されず、平均一次粒子径は15nm程度であり、蛍光体ナノ粒子が得られていた。この蛍光体ナノ粒子について、波長254nmの紫外線を照射したところ良好な赤色発光を示した。
(実施例3)
pH8.0に調整した水酸化アンモニウム水溶液を用いてpH7.0以上に保持しつつ洗浄を繰り返したこと以外は、実施例2と同様にして微粉末を得た。
【0037】
得られた微粉末を粉末X線回折法で測定した所、所望のY1.88Eu0.12O3結晶のみからなると同定された。得られた微粉末の粒子表面を電子顕微鏡で観察した所、溶解、析出等の痕跡が観測されず、平均一次粒子径は15nm程度であり、蛍光体ナノ粒子が得られていた。この蛍光体ナノ粒子について、波長254nmの紫外線を照射したところ良好な赤色発光を示した。その赤色発光強度は実施例2で得られた蛍光体の発光強度を100とした場合に105となった。
(比較例2)
pH5.6の水を用いて洗浄を繰り返したこと以外は、実施例2と同様にして微粉末を得た。
【0038】
得られた微粉末を粉末X線回折法で測定した所、所望のY1.88Eu0.12O3結晶のみからなると同定された。得られた微微粉末の粒子表面を電子顕微鏡で観察した所、溶解、析出等の痕跡と見られる不定形物質が観察された。この微粉末について、波長254nmの紫外線を照射したところ赤色発光を示したものの、その赤色発光強度は実施例2で得られた蛍光体の発光強度を100とした場合に65と低かった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の上記の構成を採用することにより、結晶性が良好であり、凝集粒子が少なく、高純度で化学組成が均一で、発光特性の優れた微小蛍光体を得ることが可能となり、ブラウン管、蛍光ランプやPDPなどに適用するときに均質で緻密な高輝度蛍光膜を安価に提供する。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラウン管、フィールドエミッションディスプレー(FED)、プラズマディスプレーパネル(PDP)、固体照明素子、固体照明器具、蛍光灯、蛍光表示管、夜光塗料、X線増感紙などの蛍光膜、蛍光層、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズ等に用いられる蛍光体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブラウン管、フィールドエミッションディスプレー(FED)、プラズマディスプレーパネル(PDP)、固体照明素子、固体照明器具、蛍光灯、蛍光表示管、夜光塗料、X線増感紙などの蛍光膜、蛍光層、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズ等に用いられる蛍光体は、従来、原料粉末を混合したものを坩堝などの焼成容器に入れた後、高温で長時間加熱することにより固相反応を起こさせ、それをボールミルなどで微粉砕することにより製造されてきた。
【0003】
しかし、この方法で製造された蛍光体は、不規則形状粒子が凝集した粉末からなるため、この蛍光体を塗布して得られる蛍光膜は不均質で充填密度の低いものとなり、発光特性が低かった。また、固相反応後のボールミルなどによる微粉砕処理中に蛍光体に物理的及び化学的な衝撃が加えられるために、粒子内や表面に欠陥が発生して発光強度が低下するという不都合もあった。さらには、坩堝などの焼成容器に入れて高温で長時間加熱するために、坩堝からの不純物が混入して発光特性が低下したり、原料粉末の粒度によっては固相反応が十分に進行せずに不純物相が混在して発光特性の低下を招くことがあった。また、高温で長時間加熱すると、消費エネルギーが大きくなり、蛍光体の製造コストを高くする要因となっていた。
【0004】
これらの問題を解消するために、蛍光体の構成金属元素含有溶液を超音波ネブライザーで同伴気体中に噴霧して微液滴を形成した後、これを乾燥して金属塩粒子や金属錯体粒子とし、この金属塩粒子や金属錯体粒子を同伴気体とともに熱分解合成炉に導入して加熱することにより、熱分解合成を行って蛍光体を得る方法が提案されている。しかしながら、この方法では、熱分解合成炉内での滞留時間を十分に長く取れないために、比較的低温度で合成した場合には、蛍光体の結晶性が低い上に付活剤イオンを結晶内に均一に付活することができず、結果として発光特性の良好な蛍光体を得られないという問題があった。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液を同伴気体中に噴霧して微液滴を形成した後、前記微液滴を乾燥して固体状蛍光体原料粒子となし、該固体状蛍光体原料粒子を加熱することにより前記蛍光体の前駆体を生成させ、該蛍光体前駆体を更に加熱して前記蛍光体の結晶相を主相とする焼成粒子となし、この焼成粒子を経由して蛍光体を製造する方法において、前記蛍光体と化学的に反応しにくい溶融状態の化合物と前記蛍光体前駆体とを接触させながら前記加熱を継続し、前記同伴気体中に浮遊する前記分散媒体の粒子内に前記蛍光体前駆体から蛍光体を生成させ、水や酸を使用し水洗することで前記分散媒体や蛍光体表面に残存する不純物を除去して蛍光体を得る方法が特許文献1に開示されている。
【0006】
しかしながら、この方法で水洗すると、前記化合物だけでなく蛍光体の種類によっては水洗中に蛍光体の表面の一部も溶解し発光特性が低下する不都合が発生することがあった。
【0007】
【特許文献1】特開2002−322471号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、ブラウン管、FED、PDP、固体照明素子、固体照明器具、蛍光灯、蛍光表示管、夜光塗料、X線増感紙などに適用する際に均質で緻密な高輝度蛍光膜、蛍光層を形成可能な蛍光体、及び、医薬品開発に使用されるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズとして用いる蛍光体、特に、従来より医薬品開発効率の高いハイスループット新薬スクリーニングシステムを得ることができるラジオイムノアッセイ用の蛍光ビーズとして用いる蛍光体の製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、焼成粒子を、水含有溶媒で洗浄する際、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することにより、結晶性が高く、凝集粒子が少なく、表面に不純物の少ない蛍光体微粒子を製造することができ、前記課題の解決に成功した。
即ち、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、焼成して得られた焼成粒子を水含有溶媒で洗浄することにより蛍光体を製造する方法において、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することを特徴とする蛍光体の製造方法に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の蛍光体の製造方法において、蛍光体の構成金属元素としては、特に制限はないが、Y、Sc、ランタノイド元素等の希土類元素、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ土類金属元素、Al、Zn、Mn等の各種元素が挙げられる。
蛍光体の構成金属元素を含有する蛍光体原料は、水に可溶性を有し、高温に加熱するときに酸化物や硫化物を生成し得る無機塩や有機金属化合物などを使用する。また、蛍光体の構成金属元素の酸化物を酸に溶解して使用することも可能である。さらに蛍光体原料としては、陽イオンとなり得るSi、Al、P等も使用することができる。なお、良好な発光特性を得るためには、キラーセンターとなる鉄やニッケルなどの不純物元素の含有量の少ない蛍光体原料を使用することが好ましい。
【0011】
上記蛍光体原料を水や酸で溶解し、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液とする。この際、攪拌等をして十分に溶解する。溶液内の蛍光体原料構成金属元素濃度は、水溶液内の金属元素の溶質濃度Cが0.01≦C≦5の範囲にあることが好ましい。ここで、Cは、水溶液1リットルに含有される全ての金属元素の合計のモル数である。溶質濃度が0.01より低いと、乾燥除去される水分量に対して合成できる蛍光体量が少ないために生産性が低くなる。一方、溶質濃度が5より高いと、液滴が生成しにくくなる。
【0012】
蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴は、通常、同伴気体中に形成する。同伴気体中で蛍光体の構成金属元素を含有する溶液を微液滴にする方法としては、特に制限はないが、例えば、加圧空気で液体を吸い上げながら噴霧して1〜50μmの液滴を形成する方法、圧電結晶からの2MHz程度の超音波を利用して4〜10μmの液滴を形成する方法、穴径が10〜20μmのオリフィスが振動子により振動し、そこへ一定の速度で供給される液体が振動数に応じて一定量ずつ穴から放出され5〜50μmの液滴を形成する方法、回転している円板上に液を一定速度で落下させて遠心力によって20〜100μmの液滴を形成する方法、液体表面に高い電圧を引加して0.5〜10μmの液滴を発生する方法などが挙げられる。
【0013】
同伴気体としては、空気、酸素、窒素、水素、少量の一酸化炭素や水素や硫化水素を含む窒素やアルゴンなどが使用できる。良好な発光特性を得るためには、蛍光体の化学組成と発光に関与する付活剤イオンの種類により気体を選択することが重要である。例えば、酸化雰囲気で原子価を保ちやすいEu3+等を付活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、空気や酸素などの酸化性ガスが好ましく、還元雰囲気で原子価を保ちやすいEu2+等を付活イオンとする酸化物を主相とする蛍光体を合成する場合には、水素、少量の水素を含む窒素やアルゴンなどの還元性ガスが好ましい。また、硫化物蛍光体や酸硫化物蛍光体を合成する際には、硫化水素を含有する同伴気体を使用することが好ましい。
【0014】
形成された微液滴は、同伴気体流により乾燥器内に導入されて固体状蛍光体原料粒子となる。溶液の種類、気体の種類、気体流量、熱分解合成炉内の温度などの加熱速度に影響を与える因子の調整により、中空の球、ポーラス、中の詰まった粒子、破砕された粒子など、生成する固体状蛍光体原料粒子の形態及び表面状態を制御することができる。
【0015】
熱分解合成炉での蛍光体の生産効率を上げるために、分級器を使用して微液滴を同伴した気体の単位体積当たりの微液滴体積を濃縮することが好ましい。分級器としては、重力分級器、遠心分級器、慣性分級器などが使用し得る。しかし、微液滴を同伴した気体から、気体の一部と共に上記の微液滴径の下限未満の微液滴を除去して、微液滴を同伴した気体の単位体積当たりの微液滴体積を濃縮するためには、慣性分級器が好適である。
【0016】
微液滴の乾燥方法としては、特に制限はないが、凍結乾燥、減圧乾燥、拡散乾燥、加熱乾燥などが採用できるが、工業的生産性において加熱乾燥が優れている。
乾燥して得られる固体状蛍光体原料粒子は、後に加熱して熱分解合成をするが、熱分解前に固体状蛍光体原料粒子の温度を100℃以上に保持することが好ましい。この温度が熱分解前に100℃未満になると乾燥時に発生した水蒸気が凝縮して固体状蛍光体原料粒子を部分的に再溶解するため、所望の形状や粒径の蛍光体を得難くなる。
【0017】
固体状蛍光体原料粒子を加熱して熱分解をする際、その熱分解合成反応系内に生成する蛍光体に対して結晶成長促進剤として作用する化合物を共存させておくことが好ましい。この化合物やその前駆体を前記の蛍光体原料と共に溶解して溶液を形成してこれを同伴気体中に噴霧して乾燥し引き続き加熱を行うことで、蛍光体の粒成長を容易に行うことができる。
【0018】
また、微液滴を乾燥して形成される固体状蛍光体原料粒子を加熱して、これを熱分解し、生成する該蛍光体の前駆体(以下、「蛍光体前駆体」と言う)を結晶成長促進剤からなる分散媒体に分散させた状態で熱分解に続く加熱(焼成)を継続することが好ましい。この方法を採用することにより、前記蛍光体前駆体から生成した多数の蛍光体を、粒子状の前記分散媒体に内包させて同伴気体と共に反応系外に取り出し、その後に分散媒体を洗浄除去して所望の蛍光体を合成できるが、この分散媒体やその前駆物質を前記の蛍光体原料と共に溶解して溶液を形成してこれを同伴気体中に噴霧して乾燥し引き続き加熱を行うことで、蛍光体前駆体から蛍光体結晶核が生成する際、その周囲に介在する分散媒体が溶融状態となり蛍光体前駆体が相互に直接接触することが妨げられ、蛍光体結晶核の結晶成長の過程での粒子同志の凝集を防止し、個々の粒子が実質的に独立した粒子形態を保持した蛍光体を容易に得ることができるため、高純度で化学組成の均一な、微小かつ分散性の極めて良好な蛍光体を安価に製造することが可能になる。
【0019】
本発明で使用可能な結晶成長促進剤や分散媒体は、熱分解合成時に溶融して、蛍光体前駆体を経由して生成してくる蛍光体の成長を促進するか又は分散系を構成する物質であればよく、蛍光体と化学的に反応しにくい物質を使用することが好ましい。また、結晶成長促進剤や分散媒体の前駆物質を用いて熱分解合成時に前記の結晶成長促進剤や分散媒体が生成される物質を使用することも可能である。
【0020】
そして、結晶成長促進剤や分散媒体又はその前駆物質は、前述の様に予め蛍光体原料溶液中に添加して両者を含有する微液滴を形成する方法と、蛍光体の構成金属元素を含有する溶液を同伴気体中に噴霧して微液滴を形成し乾燥して固体状蛍光体原料粒子とした後に、高温に加熱して溶融状態又は気体状態にした結晶成長促進剤や分散媒体を、前記同伴気体中の前記固体状蛍光体原料粒子表面上に噴霧して、前記固体状蛍光体原料粒子を内包若しくはこれに付着する粒子を形成する方法のいずれを選択してもよい。
【0021】
結晶成長促進剤や分散媒体、又はその前駆物質としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属ハロゲン化物、ハロゲン化亜鉛、及びアルカリ金属化合物の群から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することができ、その中でもアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属ハロゲン化物、ベリリウムを除くアルカリ土類金属の塩化物、臭化マグネシウム、フッ化亜鉛、硫化リチウム、硫化ナトリウム、及び硫化カリウムの群から選ばれる少なくとも一種の化合物を使用することが好ましい。
【0022】
結晶成長促進剤の使用量は、通常、蛍光体の体積に対して0.01〜10倍である。使用量の比率が低いと蛍光体の結晶性が十分に向上しない傾向にあるため、下限としては、0.05倍以上が好ましい。一方、使用量の比率が高いと、蛍光体の結晶性は十分に向上するものの、生産性が低下する傾向にあるため、上限としては2倍以下が好ましい。
【0023】
一方、分散媒体として使用する場合、その使用量は、蛍光体の体積に対して、通常、1〜100倍である。使用量の比率が低いと、合成蛍光体の凝集を回避することができない傾向にあるため、下限としては、2倍以上が好ましい。一方、使用量の比率が高いと、蛍光体の結晶性は十分に向上するものの、分散媒体粒子中に生成する蛍光体単結晶の量が少なくなり、生産性が低下する傾向にあるため、上限としては20倍以下が好ましい。
【0024】
本発明において、固体状蛍光体原料粒子を加熱(熱分解)するときの温度は、通常、300〜1200℃である。温度が低すぎると熱分解に伴う蛍光体の合成反応が進まないので、下限としては400℃以上が好ましい。温度が高すぎると不要なエネルギーが消費されるので、上限としては1100℃以下が好ましい。
また、加熱時間は通常、0.01秒〜10分である。加熱時間が短すぎると、十分に熱分解せず、蛍光体が生成しないことがあるため、下限としては0.1秒以上が好ましく、加熱時間が長すぎると、生産性が低下するので、上限としては1分以下が好ましい。
【0025】
次に、蛍光体前駆体を焼成して焼成粒子とするが、その加熱温度は、通常、600〜1900℃である。下限としては700℃以上、上限としては1850℃以下が好ましい。温度が高すぎると不要なエネルギーを消費する。結晶成長促進剤や分散媒体の存在下で行う場合、それらを溶融状態で使用するため、少なくとも該固体状蛍光体原料粒子の熱分解により生じた蛍光体前駆体の加熱時には結晶成長促進剤や分散媒体の融点以上の温度で行う必要がある。蛍光体前駆体の加熱時間は、最高温度域での滞留時間が、通常、0.01秒間〜10分の範囲となるように実施する。滞留時間が短すぎると、結晶性が向上しにくく、付活剤イオンを結晶内部まで確実に付活させることができず発光特性が低くなる傾向にあるため、下限としては0.1秒以上が好ましい。滞留時間が長すぎると、不要なエネルギーを浪費することにもなるため、上限としては、1分以下が好ましい。
【0026】
前述の、▲1▼微液滴を乾燥する工程、▲2▼乾燥して得られた固体状蛍光体原料粒子を加熱(熱分解)して蛍光体前駆体とする工程、▲3▼蛍光体前駆体を更に加熱(焼成)して焼成粒子とする工程は、それぞれ独立して行ってもよいが、▲1▼と▲2▼の工程や、▲2▼と▲3▼の工程を連続して行ってもよく、また、▲1▼〜▲3▼の工程を全て連続して行ってもよい。以下の方法に限定されるものではないが、例えば、▲2▼の工程で得られた蛍光体前駆体を一旦取り出した後に焼成する場合は、蛍光体前駆体を坩堝などの容器に入れてバッチ式の炉で加熱し、焼成粒子を得ることもできる。また、▲1▼〜▲3▼の工程を全て連続して行う場合は、管状炉等を熱分解合成炉等として用い、連続的に加熱しながら、乾燥、熱分解を行い、炉の最高温度域で焼成する方法が挙げられる。
【0027】
得られた焼成粒子は、発光強度の改善を目的として等、必要に応じて、再加熱処理をしてもよい。再加熱処理温度は通常、600〜1900℃、裁可熱処理時間は通常、0.1秒〜100時間である。再加熱処理により、結晶性を向上させ、発光強度を高くすることができるが、温度が低すぎてもあまり効果はなく、高すぎると凝集粒子が多数生成して蛍光体の塗布特性を劣化させるので、蛍光膜としたときの輝度を定価させる傾向にある。また、時間が短すぎてもあまり効果はなく、長すぎても効果は飽和し、不要なエネルギーを消費するのみである。
【0028】
焼成粒子は、発光特性を確保するため、水含有溶媒で洗浄して、不純物や、結晶成長促進剤や分散媒体を使用した場合はそれらを除去する。結晶成長促進剤や分散媒体の存在は、蛍光体を励起する際に使用する入射電子や紫外線を吸収したり、蛍光体からの発光を吸収するため、発光特性を低下させる要因となる場合があるからである。
結晶成長促進剤や分散媒体として水溶性の無機塩を使用するときには、水含有溶媒中で結晶成長促進剤や分散媒体を溶解して容易に除去することができ、微小蛍光体の回収が容易となる。
水含有溶媒は水を含んでいれば特に制限はないが、水を主体とした溶媒や、水−アルコール溶媒等が挙げられ、pHをコントロールするための溶質を含む溶媒である。なかでも、水を主体とした溶媒が好ましい。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等が挙げられる。
【0029】
本発明において、洗浄時の水含有溶媒のpHは、6以上14以下に保持している。pHが6未満の場合には蛍光体が水に溶解して発光特性が低下することがあり、pHが14を越えると分散媒体の洗浄除去の効率が低下する。同様の理由でpHを保持する範囲の下限としては、7以上が好ましく、7.5以上が更に好ましい。また、上限としては13以下が好ましく、11以下が更に好ましい。
【0030】
水含有溶媒のpHを保持する方法としては、アルカリ土類金属化合物など各種化合物の水溶液を使用する方法などがあるが、アルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物の水溶液を用いることにより、溶媒のpHを容易に調整できるので好ましい。
また、前記アルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウムの少なくともいずれか1種を使用することが、溶媒のpHを容易により安価に調整できるので更に好ましい。
洗浄方法としては、ろ過ケーク状の焼成粒子に大量の水含有溶媒を通過させて洗浄する方法、水含有溶媒に焼成粒子を浸漬して洗浄する方法等が挙げられるが、その他の方法でもよい。洗浄により、水含有溶媒のpHが変動する場合は、上述のアルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物やそれらの水溶液により適宜pHを調整するとよい。
なお、通常、工業的に洗浄水として用いられる水のpHは6前後であるが、その使用環境により変動し、特に注意を払わない限り、6未満となることが多い。従って、上述のとおりpHを調整する必要がある。
この様な洗浄方法による蛍光体の製造方法は、pHの低い水に溶解しやすい蛍光体に好適である。pHの低い水に溶解しやすい蛍光体としては、Y2O3:Eu、Gd2O3:Tb、(La,Y)2O3:Euなどの蛍光体が挙げられる。
【0031】
本発明の蛍光体の粒径は、通常1nm〜20μmである。また、蛍光体を構成する一次粒子のメジアン径は、通常1nm〜10μmであるが、メジアン径が1nm以上3μm以下の際に、蛍光体の特性を顕著に改善できるので好ましい。一次粒子のメジアン径が1nmより小さいと、比表面積が大きすぎるために本発明の製造方法によっても蛍光体の溶解に伴う蛍光特性低下を招くおそれがある。同様の理由により、本発明が有効に適用できる蛍光体は、それを構成する一次粒子のメジアン径が、2nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。一方、一次粒子のメジアン径が3μmより大きいと、比表面積が小さいために本発明の製造方法の効果が小さい。同様の理由により、本発明が有効に適用できる蛍光体は、それを構成する一次粒子のメジアン径が、2μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
蛍光体の化学組成がY1.88Eu0.12O3となるように硝酸イットリウム0.282モルと硝酸ユーロピウム0.018モルを水に溶解し、更に結晶成長促進剤の原料として硝酸リチウム0.3モルを水に溶解し、少量の硝酸を添加して1リットルとした。
【0033】
同伴気体として空気を使用し、この金属塩水溶液を1.7MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて微小液滴を形成した。次に、この微小液滴を最高温度が1600℃の電気炉内に導入し、乾燥、熱分解の後、最高温度域で滞留時間が10秒間となるように焼成し、生成した焼成粒子を200℃に保持しつつバッグフィルターで捕集した。
【0034】
この焼成粒子を水酸化リチウムでpHを9に調整した水に入れ、撹拌してpHが8より低くならないように、水酸化リチウムで調整しながら洗浄し、粒子を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。この洗浄操作を3回実施した後、120℃の乾燥器で乾燥して蛍光体を得た。
この蛍光体に、波長254nmの紫外線を照射したところ、良好な赤色発光を示した。また、そのときに測定した蛍光体の輝度を100とした。この蛍光体の重量平均粒子径D50をレーザー回折法により測定したところ1.0μmだった。
また、蛍光体を電子顕微鏡で観察したところ、粒子の表面には溶解、析出等の痕跡が観測されなかった。
(比較例1)
実施例1で得られた焼成粒子を、塩酸でpHを1.0に調整した水を使用して洗浄し、粒子を遠心分離し、上澄み液を廃棄した。次いで、pHが5.6の水を使用して洗浄し、粒子を遠心分離し、上澄み液を廃棄する操作を2回行い、120℃の乾燥器で乾燥して蛍光体を得た。
【0035】
この蛍光体の波長254nmの紫外線照射下での輝度を測定したところ、実施例1の蛍光体の輝度を100とした場合に85と低かった。また、この蛍光体を電子顕微鏡で観察したところ、粒子の表面には溶解、析出等の痕跡が観測された。
(実施例2)
蛍光体の化学組成がY1.88Eu0.12O3となるように酸化イットリウムY2O3と酸化ユーロピウムEu2O3を硝酸溶液に溶解し、さらにY1.88Eu0.12O3蛍光体の固体体積に対して10倍の固体体積となるように分散媒体成分である塩化カリウムを添加して溶解し、硝酸イットリウムユーロピウムとして溶質濃度Cが0.1モル/kgの均質な水溶液を調製した。同伴気体として空気を使用し、この水溶液を1.7MHzの振動子を有する超音波噴霧器に入れて噴霧を行い平均粒径5μmの微液滴を形成させた。この微液滴を最高温度850℃の電気炉の中に同伴ガスとともに導入し、乾燥、熱分解の後、最高温度域で滞留時間が0.3秒間となるように焼成し、生成した蛍光体及び分散媒体成分の混合物粉体粒子(焼成粒子)を電気集塵機にて捕集した。
【0036】
得られた焼成粒子を、PH8.5に調整したLi2CO3水溶液を用いてpHを8.0以上に保持しつつ洗浄を繰り返し、洗浄溶液中に残存する分散媒体成分がないことをIPC(誘導結合プラズマ発光分析法)で確認した後、乾燥し微粉末を得た。
得られた微粉末を粉末X線回折法で測定した所、所望のY1.88Eu0.12O3結晶のみからなると同定された。得られた微粉末の粒子表面を電子顕微鏡で観察した所、溶解、析出等の痕跡が観測されず、平均一次粒子径は15nm程度であり、蛍光体ナノ粒子が得られていた。この蛍光体ナノ粒子について、波長254nmの紫外線を照射したところ良好な赤色発光を示した。
(実施例3)
pH8.0に調整した水酸化アンモニウム水溶液を用いてpH7.0以上に保持しつつ洗浄を繰り返したこと以外は、実施例2と同様にして微粉末を得た。
【0037】
得られた微粉末を粉末X線回折法で測定した所、所望のY1.88Eu0.12O3結晶のみからなると同定された。得られた微粉末の粒子表面を電子顕微鏡で観察した所、溶解、析出等の痕跡が観測されず、平均一次粒子径は15nm程度であり、蛍光体ナノ粒子が得られていた。この蛍光体ナノ粒子について、波長254nmの紫外線を照射したところ良好な赤色発光を示した。その赤色発光強度は実施例2で得られた蛍光体の発光強度を100とした場合に105となった。
(比較例2)
pH5.6の水を用いて洗浄を繰り返したこと以外は、実施例2と同様にして微粉末を得た。
【0038】
得られた微粉末を粉末X線回折法で測定した所、所望のY1.88Eu0.12O3結晶のみからなると同定された。得られた微微粉末の粒子表面を電子顕微鏡で観察した所、溶解、析出等の痕跡と見られる不定形物質が観察された。この微粉末について、波長254nmの紫外線を照射したところ赤色発光を示したものの、その赤色発光強度は実施例2で得られた蛍光体の発光強度を100とした場合に65と低かった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の上記の構成を採用することにより、結晶性が良好であり、凝集粒子が少なく、高純度で化学組成が均一で、発光特性の優れた微小蛍光体を得ることが可能となり、ブラウン管、蛍光ランプやPDPなどに適用するときに均質で緻密な高輝度蛍光膜を安価に提供する。
Claims (5)
- 蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、焼成して得られた焼成粒子を水含有溶媒で洗浄することにより蛍光体を製造する方法において、洗浄時の水含有溶媒のpHを6以上14以下に保持することを特徴とする蛍光体の製造方法。
- 蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、加熱して蛍光体前駆体となし、該蛍光体前駆体を結晶成長促進剤の存在下で焼成して焼成粒子を得ることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
- 蛍光体の構成金属元素を含有する溶液の微液滴を乾燥した後、加熱して蛍光体前駆体となし、該蛍光体前駆体を焼成する際、蛍光体前駆体が、結晶成長促進剤からなる分散媒体中に分散している状態で焼成して焼成粒子を得ることを特徴とする請求項1に記載の蛍光体の製造方法。
- 水含有溶媒がアルカリ金属化合物及び/又はアンモニウム化合物の水溶液であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光体の製造方法。
- 前記蛍光体を構成する一次粒子のメジアン径が1nm以上3μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光体の製造方法。
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2003
- 2003-06-10 JP JP2003164778A patent/JP2005002157A/ja active Pending
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