JP2002068967A - 口腔内貼付製剤 - Google Patents

口腔内貼付製剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 唾液等による薬物の漏出流去が起こりにく
く、それゆえ患者が不必要に苦味等を感じることが少な
く、かつ薬物の利用効率が低下しない口腔内貼付製剤を
提供すること。 【解決手段】 布帛からなる支持体と、当該支持体の片
面に形成された薬物を含有する感圧性粘着剤層とを含ん
でなる口腔内貼付製剤であって、32℃の水中に20分
間浸漬したときの、当該支持体の感圧性粘着剤層非形成
面からの当該薬物の水溶出率が、当該薬物の全含有量の
25重量%以下である、口腔内貼付製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、口腔内に適用さ
れ、口腔内での薬物投与を行う際に用いられる貼付製剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、口腔内での薬物の投与用製剤
としては、液剤、軟膏剤、ゼリー剤、スプレー剤、トロ
ーチ剤、バッカル錠、舌下錠等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の製剤においては、液剤はその流動、軟膏剤やゼリー剤
は基剤の溶解、スプレー剤は過剰な噴霧等によって、唾
液への薬物の無意味な漏出流去や不要部位への薬物の移
行を避けることが困難であった。このため、患者が不必
要に苦味等で不快な思いをする、薬物の利用率が低下し
て十分な薬効が得られない等の問題があった。
【0004】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、唾液等による薬物の漏出流
去等が起こりにくく、それゆえ患者が不必要に苦味等を
感じることが少なく、かつ薬物の利用効率が低下しない
口腔内貼付製剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に対して鋭意検討した結果、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0006】本発明の口腔内貼付製剤は、布帛からなる
支持体と、当該支持体の片面に形成された薬物を含有す
る感圧性粘着剤層とを含んでなり、32℃の水中に20
分間浸漬したときの、当該支持体の感圧性粘着剤層非形
成面からの当該薬物の水溶出率は、当該薬物の全含有量
の25重量%以下である。そのことにより、上記目的が
達成される。
【0007】好適な実施態様においては、布帛の質量は
20〜150g/m2であり、かつ/または布帛の厚み
は0.1〜1.0mmである。
【0008】好適な実施態様においては、布帛は不織布
であり、より好適には、不織布は、スパンレース法によ
り製造されたものであり、かつ/またはポリオレフィン
繊維を主体としてなるものである。
【0009】また、好適な実施態様においては、薬物は
局所麻酔薬である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の口腔内貼付製剤は、布帛からなる
支持体と、当該支持体の片面に形成された薬物を含有す
る感圧性粘着剤層とを含んでなるものである。
【0012】本発明における支持体としては、以下の理
由から、ある程度の厚みがあって扱い易く、かつ柔軟性
に富んで凹凸への追従性にも優れ、実質的に口腔内での
適用が可能となる布帛が選択される。その理由とは、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム等の高分子フィルム
は厚みが薄いために取り扱い性に劣り、さらにその剛性
が高い場合には、凹凸のある口腔内の適用部位に対する
追従性が不十分であるため、薬物を含有する感圧性粘着
剤層が適用部位に密着せず、従って十分な薬効が期待で
きない場合があり、また、適用部位で著しい違和感を生
じる場合もあるということである。
【0013】布帛を構成する繊維としては特に限定され
ず、具体的には、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレ
ーヨン、ジアセテート、トリアセテート、ナイロン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアルキレン
パラオキシベンゾエート、ポリクラール(塩化ビニルと
ポリビニルアルコールとの1:1混合物)等の1種以上
から得られる合成繊維;および綿、羊毛、絹、麻等の天
然繊維等が挙げられる。上記の繊維の中でも疎水性であ
る点から、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン繊維が好ましい。これらの繊維は、単独で使用し
ても2種以上組み合わせて使用してもよい。また、異な
る二種の成分からなる分割繊維を用いてもよい。分割繊
維とは、二種の成分、例えばポリプロピレンとポリエス
テルを口金で複合して紡糸した複合繊維を分割したもの
であり、この複合繊維は、一方の成分を抽出すること、
あるいは強い衝撃を与えることにより、みかんを輪切り
にした時に房が別れるが如く分割してより細い繊維(す
なわち分割繊維)を与えることができる。
【0014】布帛の形態としては、編布、織布、不織布
等が挙げられ、経済性等の点から、不織布が好ましく、
特にポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
繊維からなる不織布が好ましい。
【0015】不織布の製法は、特に限定されないが、メ
ディカル製品で用いられる乾式バインダー法、サーマル
ボンド法、スパンボンド法、スパンレース法、エアレイ
プロセス法、ニードルパンチ法、TCF法、ベンリーゼ
法、湿式法、メルトブローン法等があり、絡合の度合
い、安全性等の点からスパンレース法で製造されたもの
が好ましく用いられる。スパンレース不織布は、通常ス
パンレース、ウォーターパンチ、ウォータージェット、
ジェットボンド等で表現されるバインダーを使わずに繊
維を交絡させる製造方法によって製造される。
【0016】布帛は、JIS−L1085に規定する質
量が20g/m2〜150g/m2のものが好ましく、5
0g/m2〜120g/m2のものがより好ましい。質量
が上記範囲よりも小さい場合、概ね軟らかくなり過ぎて
貼付製剤の取り扱い性が低下する傾向を示し、また、感
圧性粘着剤層を構成する粘着性高分子の種類によってそ
の程度は異なるが、薬物を含む感圧性粘着剤層が支持体
から裏抜けする(支持体を構成する繊維の隙間からはみ
出してくる)危険性がある。逆に上記範囲よりも大きい
場合は、クッション性は大きくなるものの概ね全体的に
固くなり異物感を生じやすい傾向となる。さらに、質量
が上記範囲よりも小さい場合、唾液等により薬物が支持
体の裏面から漏出流去する危険性が増す(すなわち、支
持体の感圧性粘着剤層非形成面からの薬物の水溶出率が
高くなる)。
【0017】布帛の質量が上記範囲内でも、その繊維密
度が高すぎると伸縮性が低下して、凹凸面への追従性が
低下する傾向を示し、また低すぎると繊維の交絡が不十
分となって、繊維の脱落が起き易くなる。布帛は、JI
S−L1085に規定する厚みが0.1mm〜1.0m
mであるのが好ましく、0.2mm〜0.8mmである
のがより好ましい。厚みが上記範囲よりも小さい場合、
唾液等により薬物が支持体の裏面から漏出流去する危険
性が増す(すなわち、支持体の感圧性粘着剤層非形成面
からの薬物の水溶出率が高くなる)。
【0018】また、布帛はそのJIS−L1085に規
定する剛軟度(45°カンチレバ法による)が10mm
〜80mmであるのが好ましく、30mm〜70mmで
あるのがより好ましい。剛軟度がこの数値範囲にあるこ
とにより、貼付製剤が好ましい剛性を有するものとな
り、貼付作業時の取り扱い性及び貼付製剤の凹凸面への
密着性がより一層向上する。
【0019】上記布帛は、後述するような、本発明の口
腔内貼付製剤を32℃の水中に20分間浸漬したとき
の、支持体の感圧性粘着剤層非形成面からの薬物の水溶
出率が、薬物の全含有量の25重量%以下となるように
選択される。
【0020】感圧性粘着剤層に含有させる薬物として
は、実質的に口腔内で経粘膜投与が可能なものであれ
ば、特に限定されない。例えば、全身性薬物としては、
コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神
安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、全身麻酔
剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗
ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改
善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、酵素剤、生体医薬等が挙げら
れる。局所性薬物としては、例えば、リドカイン等の局
所麻酔剤、塩酸テトラサイクリン等の歯科用抗生物質、
塩化セチルピリジニウム等の殺菌消毒剤、塩酸クロルヘ
キシジン等の口腔内感染予防治療剤、ジメチルイソプロ
ピルアズレン等の消炎剤、酢酸ヒドロコルチゾン等の副
腎皮質ホルモン等が挙げられる。好ましくは、コカイ
ン、プロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、ベ
ンゾカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイ
ン、プピバカイン、ジブカイン、プロポキシカイン、エ
チドカイン、ジクロニン、オキシブプロカイン、テーカ
イン、アメトカイン、プロピトカイン、ピペロカイン、
カタカイン、ブタニカイン、ヘキソチオカイン、メプリ
ルカイン、エピロカイン、アミロカイン、イソブカイ
ン、トリカイン、パレトキシカイン、ピロカイン、ヘキ
シルカイン、メタブトキシカイン、キシロカイン、メタ
ブテタミン、オキセサゼイン、ピリドキシン、ブロモキ
シン、ジメチソキン、アミノ安息香酸エチル、ピペリジ
ノアセチルアミノ安息香酸エチル、ベンジルアルコー
ル、クロロブタノールおよびこれらの薬理学的に許容さ
れる塩からなる群より選択される少なくとも1種の局所
麻酔薬が用いられ、より好ましくは、リドカイン、塩酸
リドカイン、塩酸プロカイン、塩酸メピバカイン、塩酸
ジブカイン、塩酸プピバカイン、塩酸プロピトカイン、
塩酸テトラカイン、塩酸トリカインが用いられる。
【0021】感圧性粘着剤層中のこれらの薬物の含有量
は、薬物の種類、投与目的などに応じて適宜設定するこ
とができるが、通常、1〜80重量%、好ましくは2〜
70重量%程度である。含有量が1重量%未満の場合、
治療や予防に有効な量の薬物放出が期待できず、また、
80重量%を超えると、接着性が低下して十分に貼着し
なくなるために治療や予防効果に限界が生じると共に経
済的にも不利である。
【0022】薬物は、その薬効(使用用途)に応じて、
感圧性粘着剤層に溶解状態、過飽和結晶析出状態もしく
は分散状態にて含有させる。これにより、各種疾患の治
療及び/または予防を目的とした口腔内貼付製剤とする
ことができる。
【0023】感圧性粘着剤層は、実質的に口腔内粘膜に
貼付可能なものであれば特に限定されず、常温で感圧粘
着性を有するあらゆる高分子を基剤とする粘着剤等を用
いて形成されるが、実質的に水に溶解しないか若しくは
実質的に水を吸収しない感圧性粘着剤層が好ましい。本
発明において、「実質的に水に溶解しないか若しくは実
質的に水を吸収しない感圧性粘着剤層」とは、20℃で
の十分量の水に対する溶解量が5重量%以下で、かつ常
温で感圧接着性を示す粘着性高分子、および/または、
20℃での十分量の水に対する吸収量が5重量%以下
で、かつ常温で感圧接着性を示す粘着性高分子、を主体
として形成された感圧性粘着剤層を意味する。このよう
な実質的に水に溶解しないか若しくは実質的に水を吸収
しない感圧性粘着剤層に用いられる粘着剤としては、例
えば、アクリル系粘着剤;スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレ
ン、ポリブタジエンなどのゴム系粘着剤;シリコーンゴ
ム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサン
ベースなどのシリコーン系粘着剤;ポリビニルメチルエ
ーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブ
チルエーテルなどのビニルエーテル系粘着剤;酢酸ビニ
ル−エチレン共重合体などのビニルエステル系粘着剤;
ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジ
メチルフタレートなどのカルボン酸成分とエチレングリ
コールなどの多価アルコール成分とからなるポリエステ
ル系粘着剤等が挙げられる。中でも、布帛との投錨性、
粘膜貼着性、薬物溶解性、薬物安定性などの点から、ア
クリル系粘着剤が好ましい。
【0024】上記アクリル系粘着剤とは、(メタ)アク
リル酸アルキルエステルを主成分として、これに官能性
単量体を共重合して得られる粘着剤である。(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、その
アルキル基がブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、
オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウン
デシル、ドデシル、トリデシルなどの炭素数4〜13の
直鎖アルキル基や分岐アルキル基である(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルであり、これらは一種もしくは二
種以上用いることができる。
【0025】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合させる官能性単量体としては、共重合反応に関
与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有する
とともに、官能基を側鎖に有するものが使用できる。か
かる官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシ
ル基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル
エステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエス
テルなどのヒドロキシル基含有単量体;スチレンスルホ
ン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アク
リレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスル
ホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸など
のスルホ基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル
エステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノ
エチルエステルなどのアミノ基含有単量体;(メタ)ア
クリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−
メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプ
ロパン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミ
ドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸メト
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリ
コールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレ
ングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポ
リエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メ
トキシポリプロピレングリコールエステル、(メタ)ア
クリル酸テトラヒドロフリルエステルなどのアルコキシ
ル基含有単量体等が挙げられる。また、これら以外に共
重合できる単量体としては、例えば、(メタ)アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニ
ル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニル
ピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニ
ルピペラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、
ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモ
ルホリンなどが挙げられる。
【0026】また、本発明の特性を変化させない範囲で
あれば、炭素数1〜3或は炭素数14以上のアルキル基
を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合
してもよい。
【0027】本発明においては、アクリル系粘着剤とし
ては、粘着特性としての感圧粘着性や凝集性、感圧性粘
着剤層中に含有する薬物の放出性などに特に優れる点か
ら、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)ア
クリル酸との共重合体、特に(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル65〜99重量%と(メタ)アクリル酸1〜
35重量%とを重合して得られる共重合体が好ましい。
【0028】本発明において、感圧性粘着剤層を構成す
る粘着性高分子(粘着剤)は、薬物の投与目的に応じて
選定される。すなわち、短時間投与を目的とする場合
は、含有する薬物の放出性に優れる粘着性高分子を選定
し、長時間投与を目的とする場合は、含有する薬物に対
して、比較的徐放性に富む粘着性高分子を選定すること
が望ましい。
【0029】上記感圧性粘着剤層には、必要に応じて、
種々の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、可
塑剤、吸収促進剤、酸化防止剤、粘着性付与剤、充填剤
などが挙げられる。可塑剤は、感圧性粘着剤層を可塑化
することによって、口腔粘膜に対する貼着力を調整する
ことができる。このような可塑剤としては、例えば、流
動パラフィンなどの炭化水素類、ジイソプロピルアジペ
ート、ジアセチルセパゲートなどが挙げられ、これらは
1種または2種以上が使用される。吸収促進剤とは、感
圧性粘着剤層内での薬物の溶解性および拡散性を高める
機能を有する化合物であり、例えば、主に薬物の溶解性
を高める化合物として、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコールなどのグリコール類など、主に薬物の拡散性を
高める化合物として、オリーブ油、ヒマシ油、スクアラ
ン、ラノリンなどの油脂類などが挙げられる。酸化防止
剤としては、アスコルビン酸、酢酸トコフェロール、ブ
チルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエ
ン、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンズイミダゾ
ールなどが挙げられる。粘着性付与剤としては、ロジ
ン、変性ロジン、石油系樹脂、ポリテルペン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリブテン樹脂、液状ポリイソブチレン
などが挙げられる。充填剤としては、カオリン、酸化チ
タン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪
酸塩、珪酸、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、アルミ
ニウム水和物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどが挙
げられる。その他の添加剤としては、各種界面活性剤、
エトキシ化ステアリルアルコール、オレイン酸モノグリ
セリド、カプリル酸モノグリセリド、ラウリル酸モノグ
リセリドなどのグリセリンモノエステル類、あるいはグ
リセリンジエステル、グリセリントリエステルまたはそ
れらの混合物、ラウリル酸エチル、ミリスチン酸イソプ
ロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸オ
クチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチ
ル、アジピン酸ジイソプロピルなどの高級脂肪酸エステ
ル、オレイン酸、カプリル酸などの高級脂肪酸、N−メ
チルピロリドン、1,3−ブタンジオールなどが挙げら
れる。
【0030】本発明の口腔内貼付製剤の製造方法は特に
限定されない。例えば、薬物、粘着性高分子等を溶媒に
溶解または分散させ、得られた溶液または分散液を支持
体の片面に塗布し、乾燥して感圧性粘着剤層を支持体の
片面に形成する方法などが挙げられる。また、上記の溶
液または分散液を保護用の離型ライナー上に塗布し、乾
燥して離型ライナー上に感圧性粘着剤層を形成し、この
離型ライナー上の感圧性粘着剤層と支持体とを貼り合わ
せる方法によって製造することができる。この場合、製
造時、運搬時または保存時に、感圧性粘着剤層が、予期
せず、器具、容器などに接触して接着してしまうことを
防止できる。また、口腔内の粘膜に貼付を行う直前ま
で、感圧性粘着剤層の露出面を離型ライナーで被覆保護
し、口腔内の粘膜への貼付時に離型ライナーを剥離して
感圧性粘着剤層を露出し、貼付を行うことができるの
で、感圧性粘着剤層の接着性及び薬物の劣化を防止でき
る。
【0031】離型ライナーとしては、使用時に感圧性粘
着剤層から容易に剥離されるものであれば、その材質は
特に限定されない。例えば、感圧性粘着剤層と接触する
面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂などを塗布することに
よって剥離処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレー
トなどの合成樹脂フィルム、上質紙、グラシン紙などの
紙、あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィ
ンフィルムとのラミネートフィルム等、が用いられる。
該離型ライナーの厚みは、通常10〜200μm、好ま
しくは50〜100μmである。
【0032】感圧性粘着剤層の厚みは、通常、10μm
〜200μm、好ましくは15μm〜150μmであ
る。
【0033】本発明の口腔内貼付製剤の形状は、実質的
に貼付が可能な形状であればよく、特に制限は無いが、
例えば、円形、楕円形、長方形、正方形、三角形、亀甲
形等が挙げられ、特に、製造上および使用上の利点か
ら、楕円形、長方形または正方形が好ましい。その大き
さは口腔内での貼付に適した大きさであり、例えば、楕
円形の場合、一般に短径が0.5cm〜2cm、長径が
1cm〜5cm、好ましくは、短径が0.8cm〜1.
5cm、長径が2cm〜4cmである。長方形の場合、
一般に短辺が0.5cm〜2cm、長辺が1cm〜5c
m、好ましくは、短辺が0.8cm〜1.5cm、長辺
が2cm〜4cmである。また、正方形の場合、一般に
一辺が0.5cm〜2cm、好ましくは0.8cm〜
1.5cmである。
【0034】本発明の口腔内貼付製剤は、32℃の水中
に20分間浸漬したときの、支持体の感圧性粘着剤層非
形成面からの薬物の水溶出率が、薬物の全含有量の25
重量%以下、好ましくは10重量%以下である。薬物の
水溶出率が25重量%を超えると、唾液等による薬物の
漏出流去が起こり易くなるため、患者が不必要に苦味等
で不快な思いをすること、薬物の利用効率が低下して十
分な薬効が得られないこと等の問題がある。本発明にお
いて、「支持体の感圧性粘着剤層非形成面」とは、支持
体の感圧性粘着剤層形成面と反対の面および支持体の側
面をいう。なお、上記水溶出率は、日本薬局方記載の溶
出試験法(パドル法)に準じて測定される値である。
【0035】薬物の水溶出率を上記範囲とするには、例
えば、布帛の形態(例えば、不織布)、材質(例えば、
ポリオレフィン)、厚み、質量、粘着剤の種類(例え
ば、アクリル系粘着剤)、感圧性粘着剤層の厚み等を適
宜選択する等の方法が採用される。
【0036】本発明の口腔内貼付製剤は、取り扱い性と
使用感のバランスの点から、JIS−L1085に規定
する剛軟度(45°カンチレバ法による)が15mm〜
60mmであることが好ましく、20mm〜50mmで
あることがより好ましい。剛軟度が、この範囲を外れて
小さい場合、取り扱い性が低下する傾向を示し、例え
ば、歯部、舌部等により複雑で狭隘な空間配置を呈して
いる口腔内での貼付操作がしずらくなる場合があり、こ
の範囲を外れて大きい場合、貼付時の異物感を感じやす
い傾向となる。
【0037】本発明の口腔内貼付製剤を局所性薬物を含
む口腔内貼付製剤とした場合、主として歯肉部に貼付さ
れ、直ちに薬効が発現する。本発明の口腔内貼付製剤を
全身性薬物を含む口腔内貼付製剤とした場合、頬粘膜、
唇内側粘膜、舌下、歯肉部等に貼付され、数十分から数
時間程度、薬効が持続する。さらに本発明の全身性薬物
を含む口腔内貼付製剤を上唇内側粘膜又は上顎歯肉部外
側に貼付すれば、唾液との接触が少なく、唇と歯茎とで
押さえられるために剥離しにくく、より長時間、薬効が
持続する。
【0038】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、
以下の記載において、部は重量部を意味し、不織布の厚
みおよび質量は、JIS−L1085に規定する方法で
測定した値である。
【0039】(粘着剤A溶液の調製)不活性ガス雰囲気
下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部及
びアクリル酸5部とを酢酸エチル中で共重合させて、粘
着剤A溶液を調製した。
【0040】(実施例1)粘着剤A溶液40部(固形
分)にリドカイン60部を加えて混合溶解し、得られた
溶液を剥離処理したポリエステルフィルム(厚み75μ
m)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、
乾燥して感圧性粘着剤層を作製した。次いで、この感圧
性粘着剤層を、スパンレース法により作製した伸縮性ポ
リプロピレン製不織布(厚み0.6mm、質量100g
/m2)に貼り合わせて口腔内貼付製剤を作製した。
【0041】(実施例2)粘着剤A溶液40部(固形
分)にリドカイン60部を加えて混合溶解し、得られた
溶液を剥離処理したポリエステルフィルム(厚み75μ
m)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、
乾燥して感圧性粘着剤層を作製した。次いで、この感圧
性粘着剤層を、複合繊維(ポリプロピレン含量:55重
量%、ポリエステル含量:45重量%)を分割して得ら
れた分割繊維をスパンレース法により絡合させて作製し
た分割繊維製不織布(厚み0.42mm、質量90g/
2)に貼り合わせて口腔内貼付製剤を作製した。
【0042】(比較例1)粘着剤A溶液40部(固形
分)にリドカイン60部を加えて混合溶解し、得られた
溶液を剥離処理したポリエステルフィルム(厚み75μ
m)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、
乾燥して感圧性粘着剤層を作製した。次いで、この感圧
性粘着剤層を、スパンレース法により作製した伸縮性ポ
リエステル製不織布(厚み約0.6mm、質量100g
/m2)に貼り合わせて口腔内貼付製剤を作製した。
【0043】(比較例2)粘着剤A溶液40部(固形
分)にリドカイン60部を加えて混合溶解し、得られた
溶液を剥離処理したポリエステルフィルム(厚み75μ
m)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、
乾燥して感圧性粘着剤層を作製した。次いで、この感圧
性粘着剤層を、ポリエステル製不織布(厚み0.035
mm、質量12g/m2)に貼り合わせて口腔内貼付製
剤を作製した。
【0044】(比較例3)粘着剤A溶液40部(固形
分)にリドカイン60部を加えて混合溶解し、得られた
溶液を剥離処理したポリエステルフィルム(厚み75μ
m)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、
乾燥して感圧性粘着剤層を作製した。次いで、この感圧
性粘着剤層を、ポリプロピレン製不織布(厚み0.2m
m、質量18g/m2)に貼り合わせて口腔内貼付製剤
を作製した。
【0045】上記実施例1、2および比較例1、2、3
で得られた口腔内貼付製剤について、1cm2(1cm
×1cm)のサイズに切断した試験片を用いて下記
(1)および(2)の性能評価を行った。その結果を表
1および2に示す。
【0046】(1)薬物の水溶出率 上記製剤について、日本薬局方記載の溶出試験法(パド
ル法)に準じて、薬物の水溶出率を測定した。まず、溶
出試験器(NTR−VS6P;富山産業社製)に容器
(図1参照)をセットした後、この容器に溶出液として
水500mLを入れた。次いで、溶出試験器を32℃に
設定し、恒温化させた後、ポリエステルフィルムを剥し
た試験片を、直径41.2mm、厚さ3.3mmのステ
ンレス鋼板上の中心に、薬物を含有する感圧性粘着剤層
を下に向けて両面テープ(No.500;日東電工社
製)で固定して、容器中の水中に浸漬した。次に、パド
ル(図2参照)を容器中に配置し、25回転/分で回転
させて溶出液を攪拌し、20分経過後に、容器から溶出
液5mLを採取した。採取した溶出液中の薬物の溶出量
を、液体クロマトグラフィーで測定し、初期薬物含有量
に対する溶出率を算出した。
【0047】
【表1】
【0048】(2)唾液による薬物の漏出流去 ポリエステルフィルムを剥した試験片を、5人のボラン
ティアの予め脱脂綿で軽く水分を拭き取った上顎歯肉部
内側に貼付け、使用時の苦味および薬理効果に関して下
記の要領で点数評価した。
【0049】(使用時の苦味)貼付後30秒毎に3分ま
で、唾液で先端が濡れた舌先で製剤の試験片の支持体を
舐め、薬物による苦味について下記の点数段階で評価し
た。 0点:貼付1分以内に苦味を感じた 1点:貼付1分後から3分以内に苦味を感じた 2点:貼付3分後でも苦味を感じなかった。
【0050】(薬理効果)製剤の試験片を貼付3分後に
剥離し、貼付部位を注射針で刺激し、その麻酔効果につ
いて下記の点数段階で評価した。 0点:痛みを感じた 1点:僅かに痛みを感じた 2点:痛みを感じなかった。
【0051】
【表2】
【0052】表1および2から、実施例1および2の製
剤は、薬物の水溶出率が低く、そのため、唾液による薬
物の漏出流去がほとんどなく、よって苦味を感じること
も少なく、薬理効果も十分であったことが分かる。一
方、比較例1の製剤は不織布がポリエステル製であった
ため、比較例2の製剤は不織布の厚みと質量が小さかっ
たため、また比較例3の製剤は不織布の質量が小さかっ
たため、薬物の水溶出率が高く、それゆえ唾液により薬
物が漏出流去し、よって苦味を感じ、薬理効果も十分で
なかった。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、布帛からなる支持体
と、当該支持体の片面に形成された薬物を含有する感圧
性粘着剤層とを含んでなる口腔内貼付製剤を得ることが
できる。本発明の口腔内貼付製剤は、32℃の水中に2
0分間浸漬したときの、当該支持体の他方の面および側
面からの当該薬物の水溶出率が、当該薬物の全含有量の
25重量%以下であるため、唾液等による薬物の漏出流
去が起こりにくく、それゆえ患者が不必要に苦味等を感
じることが少なく、かつ薬物の利用効率が低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薬物の水溶出率の測定に用いら
れる容器の断面図である。
【図2】本発明における薬物の水溶出率の測定に用いら
れるパドルを示す図であり、(a)は正面図であり、
(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 容器 2 パドル 3 回転軸 4 攪拌翼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // A61K 31/167 A61M 35/00 Z Fターム(参考) 4C076 AA74 AA78 BB22 CC01 CC03 CC04 CC11 CC17 CC22 CC27 CC31 EE03A EE09 EE10 EE22A EE24A EE26A FF02 FF05 FF17 FF56 GG16 4C081 AA03 AA13 AC05 BA15 BB01 BB04 CA021 CA041 CA051 CA052 CA062 CA082 CA091 CA122 CA161 CA162 CA191 CA211 CA231 CA272 CC01 CC02 CD021 CE02 CE07 CE10 DA02 DA05 DC03 DC05 4C084 AA17 MA32 MA57 NA10 ZA082 ZA671 4C206 AA01 GA31 KA01 MA02 MA05 MA52 MA77 NA10 ZA08 ZA67

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛からなる支持体と、当該支持体の片
    面に形成された薬物を含有する感圧性粘着剤層とを含ん
    でなる口腔内貼付製剤であって、32℃の水中に20分
    間浸漬したときの、当該支持体の感圧性粘着剤層非形成
    面からの当該薬物の水溶出率が、当該薬物の全含有量の
    25重量%以下である、口腔内貼付製剤。
  2. 【請求項2】 布帛の質量が20〜150g/m2であ
    る、請求項1記載の口腔内貼付製剤。
  3. 【請求項3】 布帛の厚みが0.1〜1.0mmであ
    る、請求項1または2記載の口腔内貼付製剤。
  4. 【請求項4】 布帛が不織布である、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の口腔内貼付製剤。
  5. 【請求項5】 不織布がスパンレース法により製造され
    たものである、請求項4記載の口腔内貼付製剤。
  6. 【請求項6】 不織布がポリオレフィン繊維を主体とし
    てなるものである、請求項4または5記載の口腔内貼付
    製剤。
  7. 【請求項7】 薬物が局所麻酔薬である、請求項1〜6
    のいずれかに記載の口腔内貼付製剤。
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