JP4252497B2 - 上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤 - Google Patents

上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤 Download PDF

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Description

本発明は、内視鏡検査の直前に咽頭部を局所麻酔して、内視鏡を咽頭部に挿入する際に生ずる咽頭反射を抑制する上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤に関する。
胃や食道における腫瘍が発生しているか否かを主として検査するための検査手段として、上部消化管内視鏡が医療機関などにおいて広く利用されている。このような上部消化管内視鏡を用いた検査において、被験者が最も苦痛を感じるのは、内視鏡を咽頭部に挿入する際に生ずる咽頭反射である。この咽頭反射を抑制するために行われる一般的な処置としては、内視鏡検査の直前に局所麻酔薬ビスカスを被験者の口腔内に一定時間含ませることによって咽頭部を麻痺させることが挙げられる。
しかし、上記のような局所麻酔薬ビスカスには香料や甘味剤が含まれているとはいえ、局所麻酔薬が極めて強い苦味を有するため、十分な麻酔効果が得られる前に、局所麻酔薬ビスカスを口内に含む被験者が苦味に対する苦痛に耐え切れずに吐き出してしまうおそれがある。
また、局所麻酔薬ビスカス自体がそれほど大径ではないので、局所麻酔薬ビスカスを口腔内に含んだ状態と含んでいない状態とを外見上から判別することが困難な場合がある。さらには、局所麻酔薬ビスカスは無色透明であるため、被験者が子供等のコミュニケーションがとりにくい者である場合に、口腔内に局所麻酔薬ビスカスが入っていないことを確認しても、未投与であるために口腔内にないのか、誤飲食したために口腔内にないのかを判別することが困難であるという問題がある。
また、上記の局所麻酔薬ビスカスは、数分間にわたって口腔内に含んだ後は、吐き出されるため、局所麻酔薬ビスカスの一杯分のうち、局所麻酔薬として利用されるのが一部のみであり殆どが吐き出されることになるため、局所麻酔薬の利用率は高いとはいい難い。
局所麻酔薬ビスカスのように所定時間、口腔内に含ませるもののほか、局所麻酔薬スプレーを、直接咽頭部に吹き付ける方法もあるが、その操作が煩雑である上、局所麻酔薬スプレーの複数被験者間での使い回しによる感染が起こる危険性も否定できない。
一方、チューインガム基材中に麻酔薬を含有させた麻酔薬含有チューインガム組成物によって、炎症を起こした咽喉を麻痺鎮痛させる部材が提案されている(特許文献1)。
しかし、この部材を使用して効果を発現させるためには、一定時間咀嚼する必要があり、口腔内の炎症により歯痛等が発生している場合や歯がない場合などのときには、その使用が制限される。
その他、局所麻酔薬を含有する口腔内投与製剤として、基材上にアルギン酸のエステル及び薬剤を含有する粘膜接着剤層を有する粘膜付着用製剤(特許文献2)、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子物質及び酢酸ビニル等の水不溶性または水膨潤性高分子物質からなる粘着層に生理活性成分を含有した歯肉適用型局所麻酔貼付剤(特許文献3)、ポリアクリル酸塩とカルボキシビニルポリマー、及びポリビニルアルコールを含有する液を流延、乾燥して2層構造膜とした口腔内適用基材(特許文献4)、自動接着性の口内経粘膜薬剤投与剤(特許文献5)等が提案されているが、これらは、内視鏡検査前処置の際に適用できないか、または、要求特性を十分に満たさない。
従って、医療現場では、使用時の識別性が良好であり、かつ、局所麻酔薬の薬物利用率を向上させるような、上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤が強く求められているのが現状である。
特許第2729056号公報 特開昭61−30516号公報 特開平1−272521号公報 特開平5−310561号公報 特表2002−531393号公報
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、使用時の識別性が良好であり、かつ、局所麻酔薬の薬物利用率を向上させるような、上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、上記目的を達成する上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤を完成するに至った。
即ち、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、剛軟度が40〜150mmである長尺状の支持体と、該支持体の長尺方向の一端部の片面または両面において形成され、少なくとも局所麻酔薬および粘着性高分子を含有する膏体層とを有することを特徴とし、そのことにより上記目的が達成される。
また、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、前記支持体の長尺方向の他端部において形成され、前記膏体層が口腔内の局所麻酔薬を作用させる部位に支持されるように把持するとともに、該膏体層に含有される局所麻酔薬の使用を識別できる使用識別把持部をさらに有することが好ましい。
前記支持体は、合成樹脂フィルム、布帛、及び、布帛に合成樹脂フィルムを積層した積層体から選択される材料により形成されることが好ましい。
前記支持体の膏体層側は、先端方向にいくに従って短尺方向と平行になっていく所定の湾曲曲線に沿って短尺方向の長さが短くなる湾曲形状になっていることが好ましい。このような湾曲形状としては、例えば、半円形状が挙げられる。
前記使用識別把持部は、直接印刷する処理を施して形成されるか、印刷処理が施されたフィルムあるいはシートを積層することによって形成されることが好ましい。
前記支持体は、長方形状に形成されていることが好ましい。
前記支持体は、短尺が10〜60mm、長尺が50〜120mmであることが好ましく、短尺が20〜50mm、長尺が60〜110mmであることがより好ましい。
前記膏体層は、香料、甘味料、可塑剤、及び吸収促進剤から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含有することが好ましい。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、長尺状の支持体の一端に形成された膏体層が口腔内の作用部位において局所麻酔薬が作用しているときに、長尺状の支持体の他端の把持部に設けられた使用識別部により局所麻酔薬の使用を識別できるので、使用時の識別性が良好であり、また、膏体層が口腔内の作用部位に接触して局所麻酔を作用させるので、局所麻酔薬の利用効率を向上させることができる。また、支持体の剛軟度が40〜150mmであるので、被験者に苦痛を与えることがない。このため、本発明は、内視鏡検査の前処置用局所麻酔製剤に適用され得る。
以下、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤について詳細に説明する。
図1は、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤の一例を示しており、(a)はその平面図、(b)はその側面図である。なお、図1では、本発明の構成の概要を理解しやすいように各構成を誇張して示しており、実際には、把持部等は薄く、また、支持体は、長尺方向に長くなっている。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、図1に示すように、長尺状の支持体10を有している。この支持体10の長尺方向の一端部には、その片面又は両面に、少なくとも局所麻酔薬および粘着性高分子を含有する膏体層20が形成されている。また、支持体の長尺方向の他端部には、膏体層20が口腔内の局所麻酔薬を作用させる部位に支持されるように把持するとともに、膏体層20に含有される局所麻酔薬の使用を識別できる使用識別把持部30が形成されている。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、被験者の口腔内に挿入した場合に、被験者の口腔内の湾曲形状に沿って局所麻酔の作用部位である舌の付根付近にまでその一端部を到達させるために、支持体は、長尺方向に一定の強度を有する必要があるが、その反面、強度が過度に大きすぎると、被験者に苦痛を与えることになるので、適度な強度を有する必要がある。本発明では、被験者の口腔内に挿入する支持体に適した強度に関して、剛軟度を指標として用いる。
ここで、剛軟度とは、JIS規格の不織布しん地試験方法(L10851992)5.7剛軟度に記載されるA法(45°カンチレバー法)又はB法(ガーレ法)で測定される、曲げ変形に対する抵抗の度合いのことであり、布帛やフィルムの撓り易さの評価指標の一つである。また、45°カンチレバー法とは、2cm×15cmサイズの試験片をカンチレバ形試験装置で一端が45°の斜面をもつ表面が滑らかな水平台の上に、短辺をスケール基線に合わせて置いた後、試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて、試験片の一端が中央の斜面と接したとき、試験片の他端の位置をスケールによって読む方法であり、剛軟度は、この試験片が押し出された長さ(mm)で表される。
本発明では、支持体は、JIS規格L1085−5.7記載の方法に準じて測定する剛軟度が、40mm〜150mmであり、好ましくは、60mm〜140mmである。剛軟度が40mm未満であると、支持体が柔軟すぎて、口腔内への挿入が困難になる。また、剛軟度が150mmを越えるような場合(45°カンチレバー法では、試料の長辺方向の長さが150mmと規定されてはいるが、150mmを超える試料であってもカンチレバ形試験装置を用いて測定することは不可能ではなく、剛軟度が150mmを越える状態でも上記方法で測定することは可能である)は、支持体が硬すぎて舌面や上顎の凹凸への形状追従性が悪くなり、使用時に違和感をきたし易くなる。
本発明に使用される支持体は、剛軟度が上記範囲を満足し、口腔内で使用可能なものであれば特に制限されないが、合成樹脂フィルム、布帛(不織布、織布、編布等)、または、合成樹脂フィルムと布帛との積層物が挙げられる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂を用いて形成されたものが挙げられる。また、布帛としては、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ジアセテート、トリアセテート、プロミックス、ナイロン、ビニロン、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、ポリウレタン、ベンゾエート、ポリクラール等を用いて形成されたものが挙げられる。積層物は、上記に挙げた合成樹脂フィルムに上記に挙げた布帛を積層したものが挙げられる。
これらの中でも、安全性、経済性、加工性、風合い、形状追従性の観点からポリエステル又はポリオレフィンの繊維を素材とする布帛、又はこのような素材の布帛に合成樹脂フィルムを積層した積層物を用いることが好ましい。特に、前記の布帛に合成樹脂フィルムを積層した積層物を使用した場合には、良好な風合いを有しながら適度な剛軟度を有する支持体を調製することが比較的容易であり、かつ合成樹脂フィルム面を膏体層非形成面とし、合成樹脂フィルム面を舌上面に接する側になるように使用すれば、苦味を感じる味らいが、ある程度は合成樹脂フィルムにより被覆されるため、膏体層の局所麻酔薬による苦味が軽減された状態での処置が可能になる。
支持体10が合成樹脂フィルムから形成される場合、その厚みは、取扱い性、加工性、強度、形状追従性等の観点から、1μm〜200μmであることが好ましく、2μm〜100μmであることがより好ましい。支持体の厚みが1μm未満であると、強度が不十分になり、製造時や使用時に破損するおそれがあり、200μmを超える場合は、硬くなりすぎて使用時に口腔内で違和感が生じたり、角部で口腔内を損傷し兼ねない。
また、支持体10が布帛や布帛と合成樹脂フィルムとの積層物から形成される場合、その厚みは、取扱い性、強度、風合い、形状追従性等の観点から、100μm〜3000μmであることが好ましく、200μm〜2000μmであることがより好ましい。支持体の厚みが100μm未満であると、強度が不十分であるために、取扱い性が悪くなり、また合成樹脂フィルムとの積層がしにくくなる。他方、支持体の厚みが3000μmを超えると、厚すぎて使用時に口腔内で違和感を生じ、加工性も低下する。
支持体が布帛から形成される場合、その単位面積あたりの質量は強度、取扱い性、コシの観点から、30〜1000g/mであることが好ましく、50〜800g/mであることがより好ましい。単位面積あたりの質量が30g/m未満であると、強度が不十分になるために、取扱い性が悪くなり、また、フィルムとの積層がしにくくなる。また、単位面積あたりの質量が1000g/mを越えると、厚すぎるために、柔軟性が低下しすぎることにより、口腔内の凹凸への追従性が低下し、違和感を催しやすくなる。
また、支持体の形状は、適応部位や用途から略長方形であることが好ましい。また、そのサイズは、ヒトの口及び口腔内形状を考慮し、短尺方向の長さが10〜60mm、長尺方向の長さが50〜120mmであることが好ましく、さらには、短尺方向の長さが20〜50mm、長尺方向の長さが60〜110mmであることがさらに好ましい。
膏体層20は、前述のように、少なくとも局所麻酔薬及び粘着性高分子を含有し、支持体10の長尺方向の一端部の片面又は両面に形成される(図1では、片面にのみ膏体層20が形成される場合を例示として示している)。
膏体層20に含有される局所麻酔薬は、具体的には、コカイン、プロカイン、クロロプロカイン、テトラカイン、ベンゾカイン、リドカイン、メピバカイン、プリロカイン、プピバカイン、ジブカイン、プロポキシカイン、エチドカイン、ジクロニンおよびこれらの薬理学的に許容される塩から選択される1つ以上である。選択された各薬物の膏体層20における含有量は、膏体層20の厚みや面積に応じて適宜選択することができるが、通常、1〜80重量%、好ましくは2〜70重量%程度が含有される。局所麻酔薬の含有量が1重量%に満たない場合には、局所麻酔に有効な量の薬物放出が期待できず、また80重量%を越えると、支持体10に十分に保持されずに膏体層20が脱落するおそれがあり、また、必要な量を超える局所麻酔薬が含有されることになるので、経済的に不利なことにもなる。
膏体層20に含有される粘着性高分子は、上記選択される局所麻酔薬を溶解、過飽和、結晶析出、分散状態等の状態で保持し、局所麻酔薬の作用部位である、口腔内の上顎部や舌部に密着或いは弱接着させることが可能で、口腔内で局所麻酔薬が適度に放出されるものであれば特に制限されないが、「実質的に水に溶解しない」ことおよび「実質的に水を吸収しない」ことの少なくとも一方を満たす粘着性高分子であれば、口腔内で適度な密着性、薬物放出性、保形性を達成するので好ましい。ここで、「実質的に水に溶解しない粘着性高分子」とは、20℃の十分量の水に対する溶解量が5重量%以下で、かつ常温で感圧接着性を示す粘着性高分子を意味し、また、「実質的に水を吸収しない粘着性高分子」とは、20℃での十分量の水に対する吸収量が5重量%以下でかつ常温で感圧接着性を示す粘着性高分子を意味し、「実質的に水に溶解しない」ことおよび「実質的に水を吸収しない」ことの少なくとも一方を満たす粘着性高分子とは、上記性質のいずれかまたは双方を有する粘着性高分子を主体として形成された接着剤組成物を意味する。
ここで、上記の「実質的に水に溶解しない」ことおよび「実質的に水を吸収しない」ことの少なくとも一方を満たす粘着性高分子としては、具体的には、アクリル系重合体からなる粘着性高分子、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエンなどのゴム系粘着性高分子、シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベースなどのシリコーン粘着性高分子、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどの粘着性高分子、酢酸ビニル−エチレン共重合体などのビニルエステル系粘着性高分子、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレートなどのカルボン酸成分とエチレングリコールなどの多価アルコール成分からなるポリエステル系粘着性高分子などが挙げられる。これらの中でも支持体10との投錨性、適度な粘膜粘着性、薬物安定性などの点から、アクリル系重合体からなる粘着性高分子が好ましい。
また、膏体層20には、必要に応じて、様々な添加剤を添加してもよい。添加剤としては、香料、甘味料、可塑剤、吸収促進剤などを用いることができる。特に局所麻酔薬による苦味を低減するために、香料や甘味料が添加されることが好ましい。香料としては、例えば、ペパーミント、スペアミントのようなミント類、メントール、人工バニラ、シナモン、オレンジ、レモン、バナナ、アップル、ナシ、ブルーベリー、ストロベリー、チェリー、グレープのような天然及び合成香料の適量が使用される。また、甘味料としては、例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、フラクトース等の糖類、サッカリンおよびその塩、サイクラミン酸およびその塩、アスパルテーム等のアミノ酸系およびジペプチド系甘味料、ジヒドロカルコン化合物、スクラロース、グリチルリチン、ステビオサイド、レバウディオサイド、ソルビトール、マンニトール、キシリトール等の糖アルコールの適宜が使用される。また、必要に応じて、公知の方法で支持体10自体に香料や甘味料を含ませてもよい。
膏体層20に可塑剤が添加されていると、粘着性高分子を可塑化することによって、舌上面や硬口蓋又は軟口蓋に対する粘着力を調整することができる。可塑剤としては、例えば、ジイソプロピルアジペート、ジアセチルセパゲート等が例示され、これらの1種若しくは2種以上を用いることができる。
膏体層20に添加される吸収促進剤としては、膏体層20の粘着性高分子内での局所麻酔薬の溶解性や拡散性を向上する機能を有する化合物などが用いられる。このような吸収促進剤としては、具体的には、次のような化合物を挙げることができる。例えば、主に薬物溶解性を高める化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、主に薬物拡散性を高める化合物として、オリーブ油、ヒマシ油、スクアラン、ラノリンなどの油脂類などが挙げられる。その他流動パラフィンのような炭化水素類、各種界面活性剤、エトキシ化ステアリルアルコール、オレイン酸モノグリセリド、カプリル酸モノグリセリド、ラウリル酸モノグリセリドのようなグリセリンモノエステル類、あるいはグリセリンジエステル、グリセリントリエステルまたはそれらの混合物、ラウリル酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソトリデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、アジピン酸ジイソプロピルのような高級脂肪酸エステル、オレイン酸、カプリル酸のような高級脂肪酸、その他N−メチルピロリドン、1,3−ブタンジオールなどを挙げることができる。
また、必要に応じて、唾液の分泌を促進させるために、アスコルビン酸、クエン酸等を少量添加しても良い。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、膏体層20に含まれる粘着性高分子や添加剤の種類や組成比により口腔内での局所麻酔薬の薬物放出性を広い範囲で調整することができ、局所麻酔薬の薬物利用率を極めて良好にすることが可能である。
一般に使用されている塩酸リドカイン2%含有ビスカス3mLを口腔内に3分間含漱して吐き出した場合の残存量から算出される薬物利用率は5〜15%程度であり、薬物の殆どは利用されずに廃棄されているのが現状である。これに対し、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、同様に3分間口腔内に投与した場合の残存量から算出される薬物利用率は60〜90%程度と極めて高いものである。このため、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、従来に比べて少量の薬物で十分な麻酔効果が可能になるため、誤飲時でも薬物量が少ないので安全性が高く、また、薬物利用率が高いので、使用後の上記製剤に残存する有害化学品の廃棄量が少なく、さらには、局所麻酔剤に要する医療費の削減の観点からも優れた製剤である。
一方、しばしば咽喉麻酔に使用されるポンプスプレー型の表面麻酔剤は、薬物利用率は高いが、患部に正確に投与するのが難しい上にノズル管が詰まるおそれ、患者間の使いまわしによる感染のおそれが否定できないが、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤では、このような問題がない。
膏体層20が形成される支持体10の形状は、使用感や咽喉部で刺激性を低くする観点から、先端方向にいくに従って短尺方向と平行になっていく所定の湾曲曲線に沿って短尺方向の長さが短くなる湾曲形状になっていること、具体的には、例えば、略半円形であることが好ましく、膏体層20は、支持体10の周縁形状に沿って、支持体10の湾曲形状になっている部分にのみ形成されているか、若しくは、このような湾曲形状の部分とこのような湾曲形状に引き続いて短尺方向の寸法が一定になっている長方形の部分の一部とにわたって形成されていてもよい。
支持体10の一端部の形状が略半円形であり、この略半円形部分に膏体層20を形成する場合、略円形部の半径は5〜30mmであることが好ましく、10〜25mmであることがより好ましい。略半円形部分とこの略半円形部分に連続する長方形部分の一部とにわたって膏体層20を形成する場合には、略円形部の半径は5〜30mmであることが好ましく、10〜25mmであることがより好ましく、長方形部分の一部は、略半円形部分から長方形部分への接続点から支持体10の中央部分に向けて2〜30mmの部分であることが好ましく、5〜20mmの部分であることが好ましい。
また、膏体層20の面積は、1〜45cmであることが好ましく、4〜35cmであることがより好ましい。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤の膏体層20は、支持体10の一端部において片面側のみに形成してもよいし、両面に形成してもよい。両面に形成すれば、局所麻酔薬の濃度を変化させずに投与量を増大することができる。また、膏体層20が支持体10の両面に形成される場合には、各面に形成される膏体層20の形状および大きさおよび組成は、同一に形成されてもよいし、異なるように形成されてもよい。
例えば、支持体10の一方の面には、局所麻酔薬を含有する膏体層を形成し、他方の面には、局所麻酔薬の苦味を低減するために香料や甘味料をさらに添加した膏体層を形成してもよい。
膏体層20は、製造、運搬または保存中に、いたずらに器具、容器などに接着することを防止するために、また膏体層20に含有される局所麻酔薬等の劣化を防止するために、使用の直前までは膏体層20の表面が露出されることがないように、表面を離型ライナーにて被覆、保護することが望ましい。このようにした場合、使用時には、この離型ライナーを剥離して、膏体層20の面を露出させ、口腔内に挿入し投与する。離型ライナーとしては、使用時に膏体層20から容易に剥離されるものであれば、特に限定されず、例えば、膏体層20と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂などを塗布することによって剥離処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレートなどのフィルム、上質紙、グラシン紙などの紙、あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルムなどが用いられる。
離型ライナーの厚みは、10〜200μmであることが好ましく、25〜100μmであることがより好ましい。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤の支持体の他端に形成される使用識別把持部30は、本製剤の支持体10の一端部を口腔内に挿入する際に、本製剤を使用する者等の手(指先)に把持されて、口腔内の所望の部分に挿入しやすいように機能する。また、口腔内に挿入されて局所麻酔の処置している際には、口の外に出てあって、外部から目で識別することを可能になっている。
使用識別把持部30は、使用時に容易に把持することができ、口腔内にスムーズに挿入することができ、且つ、終了時に口腔内から容易に引き出すことが可能であり、局所麻酔処置時に外部から識別できるようになっていれば、特に限定はなく、識別用の文字、記号、数値或いは色彩を直接印刷する処理を施して、支持部10の他端部をそのまま使用識別把持部30としてもよいし、或いは、別途識別用の文字、記号、数値或いは色彩の印刷処理が施されたフィルム或いはシートを支持体10の他端部に積層することによって形成してもよい。また、使用識別用把持部30には、図2に一例を示すように、例えば、文字、記号、数値、用途、薬物名、薬物量、薬物濃度、注意事項等を記載してもよく、また、全体の色調により薬物量や投与回数を区別するようにしてもよい。
支持体10上に直接印刷を施して使用識別把持部30とする場合、支持体10上への印刷方法としては、一般に使用される方法を用いることができる。例えば、グラビアコート、ロールコート、ナイフコート、スプレイコート、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷法などが挙げられる。
支持体10上にフィルムあるいはシートを積層する場合、支持体10への接着方法としては、ドライラミネート接着法や熱融着法等がある。使用識別把持部30に使用されるフィルム或いはシートの材質は、口腔内に挿入するときに把持することができれば特に制限はないが、安全性、経済性、加工性、操作性の観点からポリエステル又はポリオレフィンを素材とするものが好ましく用いられる。また、その形状は、特に制限はなく、略方形、略長方形、略半円形、略半楕円系などの形状をとることができるが、加工性、膏体層20との識別性の観点から、その形状は略方形、略長方形であることが好ましい。使用識別把持部30が略方形である場合、その一辺は10〜60mmであることが好ましく、20〜50mmであることがより好ましい。使用識別把持部30が略長方形である場合は、支持体10の短尺方向と同一方向を略長方形の長径とすることが好ましく、その長径は10〜60mmであることが好ましく、20〜50mmであることがより好ましい。また、その長方形の短径は10〜40mmであることが好ましく、15〜30mmであることがより好ましい。
使用識別把持部30に使用されるフィルム或いはシートの厚みは、素材の性質や形状、面積によって適宜選択されるが、5〜1000μmとするのが好ましく、10〜500μmとするのがより好ましい。また、使用識別把持部30の角部は口腔内への挿入時あるいは処置時に皮膚又は粘膜を引っ掻くのを防ぐために適当な曲率半径の円弧形状にしても良い。また、使用識別把持部30には挿入時や引き出し時の操作性を向上させるために窪み、切れ目、空隙を設けても良い。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、必要に応じて、微生物非透過性材料で包装した後、一般に知られるガス、電子線、放射線などによる方法で滅菌しても良い。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、通常、局所麻酔薬等による苦味を回避するために、局所麻酔薬を含む膏体層20を硬口蓋から軟口蓋に接するように上向きにして口腔内に挿入し、支持体10の一端部が軟口蓋の適当な位置に到達したところで停止させる。そのまま口を閉じた状態で30秒〜5分間、好ましくは1〜4分間、立位或いは座位の状態で安静にすることにより、粘膜内での伝達麻酔効果及び唾液への薬物の沁み出しによる拡散効果が発現し、内視鏡挿入時に生じる咽喉反射を抑制可能な局所麻酔効果が得られる。特に麻酔時にうがいをするように上を向いた姿勢をすることでより高い麻酔効果を得ることができる。本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、使用識別用把持部30が使用中に口腔外へ露出しているため、処置状態を容易に把握することが可能であり、また使用識別用把持部30の記載内容や色調により、処置内容、薬物名、薬物量、薬物濃度、処置回数などを識別することができる。
以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。なお、以下の文中で部とあるのは全て重量部を意味するものである。また剛軟度はJIS L1085−5.7の方法に準じて測定した。
(実施例1)
厚み6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムにポリエステルウレタンポリオール樹脂72部、芳香族ポリイソシアネート8部、酢酸エチル240部を混合溶解させた配合液をコートした後、乾燥して、厚さ10μmのドライラミネート接着剤層を形成し、50%ポリエチレンテレフタレート及び50%ポリプロピレンからなる断面が底辺5μm、高さ10μmの略三角形状の複合繊維から作製した質量が90g/m、厚さ約420μmのスパンレース不織布(剛軟度115mm)をラミネートし、その後、これを短辺30mm、長辺が80mmの正方形に切断してシート状の支持体10を得た。またシリコン離型処理を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに、アクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部及びリドカイン60部の酢酸エチル混合溶液の乾燥後の厚みが31g/mとなるように塗布乾燥し、シート状の膏体層20を得た。膏体層20を半径15mmの半円形に切り取り、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合せ、膏体層20の角の膏体非形成部を切り落とした。青地に白文字で薬物名、薬物量、用途を印刷した縦20mm、横30mmの50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記のドライラミネートと同様の方法にして支持体10の他端部の不織布露出面にラミネートさせて使用識別用把持部30とし、本発明の上部消化管内視鏡検査前処置用麻酔製剤を得た。図2にその平面図を示す。
(実施例2)
実施例1と同様にして、短辺20mm、長辺が80mmの長方形のシート状の支持体10を得た。シリコン離型処理を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部及びリドカイン60部の酢酸エチル混合溶液を、乾燥後の厚みが70g/mとなるように塗布乾燥しシート状にし、これを半径10mmの半円形に切り取り、支持体10の一部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合わせ、その後、支持体10の角の膏体形成部を切り落とした。緑地に白文字で薬物名、薬物量、用途をグラビア印刷した縦20mm、横20mmの50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記のドライラミネートと同様の方法にして支持体10の他端部の不織布露出面にラミネートさせ本発明の上部消化管内視鏡検査前処置用麻酔製剤を得た。
(実施例3)
実施例1と同様にして、短辺40mm、長辺が100mmの長方形のシート状の支持体10を得た。シリコン離型処置を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに、アクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部及びリドカイン60部の酢酸エチル混合溶液を乾燥後の厚みが18g/mとなるように塗布乾燥し、さらにこれを半径20mmの半円形に切り取り、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合わせ、その後、支持体10の角の膏体非形成部を切り落とした。橙色に白文字で薬物名、薬物量、用途を印刷した縦20mm、横40mmの50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記のドライラミネートと同様の方法にして、支持体10の他端部の不織布露出面にラミネートさせ本発明の上部消化管内視鏡検査前処置用麻酔製剤を得た。
(実施例4)
実施例1と同様にして、短辺30mm、長辺が100mmの長方形のシート状の支持体10を得た。シリコン離型処理を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部及びリドカイン60部の酢酸エチル混合溶液を乾燥後の厚みが31g/mとなるように塗布乾燥し、さらに、これを半径15mmの半円形に切り取り、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合わせた。次にシリコン離型処理を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部、ポリビニルエステル共重合体40部、ポリビニルピロリドン55部、ステビオサイド(甘味料)4部、バニリン(香料)1部の酢酸エチル混合分散液を乾燥後の10g/mとなるように塗布乾燥したものを、半径15mmの半円形に切り取り、支持体10の一端部のラミネートフィルム露出面に、円弧が外側になるように膏体面を貼り合わせた。支持体10の角部の膏体形成部を切り落とした。紫地に白文字で薬物名、薬物量、用途を印刷した縦20mm、横30mmの50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記のドライラミネートと同様の方法にして支持体10の他端部の不織布露出面にラミネートさせ本発明の上部消化管内視鏡検査前処置用麻酔製剤を得た。
(比較例1)
繊維径20μmで断面が円形のポリエステル繊維から作製した質量が98g/m、厚さ約400μmの丸編ニット(剛軟度15mm)を短辺30mm、長辺が80mmの長方形に切断してシート状の支持体10を得た。またシリコン離型処理を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部及びリドカイン60部の酢酸エチル混合溶液を乾燥後の厚みが31g/mとなるように塗布乾燥し、さらに、これを半径15mmの半円形に切り取り、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合わせ、支持体10の角部の膏体非形成部を切り落とした。青地に白文字で薬物名、薬物量、用途を印刷した縦20mm、横30mmの50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記のドライラミネートと同様の方法にして支持体10の他端部の不織布露出面にラミネートさせ比較用の麻酔製剤を得た。
(比較例2)
レーヨン・アクリルバインダー製の質量が185g/m、厚さ約2.3mmの不織布(剛軟度17mm)を短辺30mm、長辺が80mmの長方形に切断してシート状の支持体10を得た。またシリコン離型処理を施した75μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムにアクリル酸/アクリル酸オクチルエステル共重合体40部及びリドカイン60部の酢酸エチル混合溶液を乾燥後の厚みが31g/mとなるように塗布乾燥し、さらに、これを半径15mmの半円形に切り取り、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合わせ、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧が外側になるように膏体面を貼り合わせ、支持体10の一端部の不織布露出面に、円弧部が外側になるように膏体面を貼り合わせ、支持体10の角部の膏体非形成部を切り落とした。青地に白文字で薬物名、薬物量、用途を印刷した縦20mm、横30mmの50μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムを、上記のドライラミネートと同様の方法にして支持体10の他端部の不織布露出面にラミネートさせ比較用の麻酔製剤を得た。
(比較例3)
塩酸リドカイン2%を含有する表面麻酔用ビスカス製剤を比較として使用した。
上記実施例1、2、3及び比較例1、2、3の製剤についてボランティアにより実用試験を行った。すなわち実施例1、2、3及び比較例1、2の製剤をボランティアの口腔内に膏体層20の先端が軟口蓋に達するまで挿入し、3分間維持した後、除去した試験における、操作性、投与中の識別性、投与中の違和感、投与時の苦味、薬物利用率、投与後の麻酔性を評価した。また比較例3についてもボランティアの口腔内にプラスティックシリンジで3mLを口腔内に注入し、3分間維持した後、除去した試験における、操作性、投与中の識別性、投与時の違和感、投与時の苦味、薬物利用率、投与後の麻酔性を評価した。その結果を下記の表1に示す。
Figure 0004252497
表1に示すように、本発明に係る実施例1〜3は、操作性、識別性において良好であり、違和感、投与時の苦味についても問題がなく、薬物利用率も高い。これに対して、比較例1〜3は、操作性、識別性の複数の項目のうち少なくともいずれかにおいて問題があり、本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤の優位性が明らかになった。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤は、内視鏡検査の直前に咽頭部を局所麻酔して、内視鏡を咽頭部に挿入する際に生ずる咽頭反射を抑制する上部消化管内視鏡検査前処置用局所麻酔製剤に関するものであり、使用時の識別性が良好であり、かつ、局所麻酔薬の薬物利用率を向上させることができ、医療現場において、好適に利用することができる。
本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤の一例を示しており、(a)はその平面図、(b)は、その側面図である。 本発明の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤の具体例を示す平面図である。
符号の説明
10 支持体
20 膏体層
30 使用識別把持部

Claims (6)

  1. 剛軟度が40〜150mmである長尺状の支持体と、
    該支持体の長尺方向の一端部の片面または両面において形成され、少なくとも局所麻酔薬および粘着性高分子を含有する膏体層と
    を有することを特徴とする上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤。
  2. 前記支持体の長尺方向の他端部において形成され、前記膏体層が口腔内の局所麻酔薬を作用させる部位に支持されるように把持するとともに、該膏体層に含有される局所麻酔薬の使用を識別できる使用識別把持部をさらに有する、上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤。
  3. 前記支持体は、合成樹脂フィルム、布帛、及び、布帛に合成樹脂フィルムを積層した積層体から選択される材料により形成される、請求項1または2に記載の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤。
  4. 前記支持体の膏体層側は、先端方向にいくに従って短尺方向と平行になっていく所定の湾曲曲線に沿って短尺方向の長さが短くなる湾曲形状になっている、請求項1〜3のいずれかに記載の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤。
  5. 前記使用識別把持部は、直接印刷する処理を施して形成される、請求項2に記載の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤。
  6. 前記使用識別把持部は、印刷処理が施されたフィルムあるいはシートを積層することによって形成される、請求項2に記載の上部消化管内視鏡前処置用局所麻酔製剤。
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