JP2004331631A - 口腔内投与製剤 - Google Patents

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Junichi Saito
純一 齋藤
Masaaki Ito
雅章 伊藤
Akinori Hanatani
昭徳 花谷
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Abstract

【課題】唾液等の水分による脱落がなく、かつ安定した薬物送達が可能である口腔内投与製剤を提供すること。
【解決手段】略U字状を呈するベース部材の相対する両末端部のそれぞれの内側のうち、少なくとも一方に粘着性膏体層が設けられた構造を有しており、該粘着性膏体層の少なくとも一方に薬物が含有されている、口腔内投与製剤。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔内に適用され、口腔内での薬物投与を行う際に用いられる投与製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、口腔内での薬物の投与方法としては、液剤、軟膏剤、ゼリー剤、スプレー剤、トローチ剤、バッカル錠、舌下錠等を用いたものが知られている。
【0003】
近年、唾液等の水分で濡れた口腔粘膜でも良好な接着性を有する貼付製剤として、水溶性または水膨潤性の高分子を、薬物を含む接着剤層の基剤とする口腔内貼付製剤が提案されている。例えば、基材上にアルギン酸のエステル及び薬物を含有する粘膜接着性接着剤層を有する粘膜付着用製剤(特許文献1を参照)、ヒドロキシプロピルセルロースを主成分とし、医薬品を含有してなる外用フィルム製剤(特許文献2を参照)、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子物質及び酢酸ビニル等の水不溶性または水膨潤性高分子物質からなる粘着層に生理活性成分を配合してなる歯肉適用型局所麻酔貼付剤(特許文献3を参照)、ポリアクリル酸塩とカルボキシビニルポリマーを含有する液、及びポリビニルアルコールを含有する液を流延し、乾燥して2層構造膜とした口腔内適用基剤(特許文献4を参照)等がある。しかしながら、これらの製剤は、水分の吸収による接着力の増強によって、時として剥離時に痛みを伴ったり、口腔粘膜の損傷を引き起こしたりする場合がある。また、これらの製剤は、水分吸収による膨潤度の違いによって薬物の放出量が異なるので、安定した薬物送達が困難になる場合がある。
【0004】
また、近年、外皮を経由して薬物を投与する手段として、感圧性接着剤を用いた経皮吸収型の医薬品が種々考案され、広く用いられるようになってきている。このような経皮吸収型の医薬品にはさまざまな形態のものがあるが、代表的なものとして、薬物を含有する疎水性の感圧性接着剤層と支持体層とよりなる粘着シート型の貼付製剤が挙げられる。ここでいう「疎水性」とは、実質的に水に溶解しないこと、若しくは実質的に水を吸収しないことを意味する。
【0005】
しかしながら、上記経皮吸収型の製剤で広く用いられている疎水性の感圧性接着剤層を有する粘着シート型の貼付製剤は、湿潤面(すなわち、水で濡れた被着体)に対して接着性を示さないという理由から、口腔内に適用しようとする試みはみられなかった。しかしながら、貼付部位の水分をある程度除去した場合、非水溶性の感圧性接着剤層を有する貼付製剤が適度な接着性を示し、安定した薬物送達が可能となることが提案されている(特許文献5および6を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−30516号公報
【特許文献2】
特開昭62−63513号公報
【特許文献3】
特開平1−272521号公報
【特許文献4】
特開平5−310561号公報
【特許文献5】
特開2000−256189号公報
【特許文献6】
特開2002−068968号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
但し、上記のような非水溶性の感圧性接着剤層を有する貼付製剤であっても、唾液等の水分が粘膜と接着剤層との界面に浸入した場合、接着性が低下する。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、唾液等の水分による脱落がなく、かつ安定した薬物送達が可能である口腔内投与製剤を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】
(1)略U字状を呈するベース部材の相対する両末端部のそれぞれの内側のうち、少なくとも一方に粘着性膏体層が設けられた構造を有しており、該粘着性膏体層の少なくとも一方に薬物が含有されている、口腔内投与製剤。
(2)両末端部の両方の内側に粘着性膏体層が設けられている、上記(1)に記載の口腔内投与製剤。
(3)両方の粘着性膏体層に薬物が含有されている、上記(2)に記載の口腔内投与製剤。
(4)粘着性膏体層が支持層を介して設けられている、上記(1)または(2)に記載の口腔内投与製剤。
(5)ベース部材が合成樹脂からなる、上記(1)に記載の口腔内投与製剤。
(6)粘着性膏体層が、実質的に水に溶解しないかもしくは実質的に水を吸収しない感圧性接着剤を含有する、上記(1)に記載の口腔内投与製剤。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の口腔内投与製剤は、略U字状を呈するベース部材の相対する両末端部のそれぞれの内側のうち、少なくとも一方に粘着性膏体層が設けられた構造を有しており、該粘着性膏体層の少なくとも一方に薬物が含有されている。ここで、粘着性膏体層が設けられている両末端部とは、略U字状を呈するベース部材の、開口側の相対する両末端部である。
【0012】
本発明による口腔内投与製剤の一実施態様の構造例を、図1(a)の側面図および図1(b)の上面図に模式的に示す。本発明の口腔内投与製剤1は、略U字状(図1(a)ではコの字状)を呈するベース部材2の開口側の相対する両末端部のそれぞれの内側に、支持層3を介して粘着性膏体層4が設けられた構造を有している。ベース部材2の開口側の相対する両末端部は、それぞれ方形の形状を有しており、また、開口側の末端部から略U字側の末端部まで、幅は一定である(図1(b)を参照)。
【0013】
上記構成とすることによって、歯茎(歯肉部)を裏表から挟む状態で本発明の口腔内投与製剤を口腔内投与した際(図1に示す本発明の口腔内投与製剤の一投与形態を、図3(a)の正面図および図3(b)の側面図に模式的に示す)、唾液等の水分が適用部位に到達した場合でも粘膜と粘着性膏体層との界面に浸入しにくく、仮に浸入して粘着性膏体層の接着性が低下したとしても、ベース部材が両側から粘着性膏体層を押さえつけているため製剤が剥離・脱落しにくく、それゆえ、安定した経粘膜的な薬物送達が可能となる。
【0014】
本発明の口腔内投与製剤におけるベース部材は、例えば、コの字状、V字状、円弧状などの総じて略U字状の形状を呈している。また、本発明の口腔内投与製剤において、ベース部材は、用時に略U字状の形状を呈するような形態であってもよい。粘着性膏体層が設けられる開口側の相対する両末端部は、粘着性膏体層を保持することができ、かつ製剤の剥離・脱落を防止するのに十分な力で歯肉部を挟み込むことができれば、その形状は特に限定されるものではなく、例えば、方形、円弧形などの任意の形状をとることができるが、口腔粘膜の損傷を回避するという観点から、先端部が丸みを帯びた形状であることが好ましい。この開口側の末端部の幅は、好ましくは3mm〜100mmであり、より好ましくは5mm〜50mmである。末端部の幅が3mm未満であると、製剤の剥離・脱落を防止するのに十分な力で歯肉部を挟み込むことができないため、粘着性膏体層がずれたり、製剤が脱落するおそれがあり、また、十分な薬物送達に必要な面積を有する粘着性膏体層を保持するのが困難となる。一方、末端部の幅が100mmを超えると、実質的に口腔内での適用が困難となり、もし適用したとしても著しい違和感が生じるおそれがある。また、実質的に口腔内で使用可能であれば、開口側の末端部から略U字側の末端部まで、幅は一定であっても変化してもよく、例えば、図2(a)および(b)に上面図で示すように、開口側の末端部の幅と略U字側の末端部の幅とが異なっていてもよく、また、開口側の末端部から略U字側の末端部に向かって幅がテーパー状に変化していてもよい。しかしながら、製造コストや操作性の観点から、開口側の末端部から略U字側の末端部まで、幅は一定であるのが好ましい。なお、ベース部材の開口側の相対する両末端部は、好ましくは、そこに形成される粘着性膏体層および支持層と同じ幅であるが、必要に応じて異なる幅であってもよい。
【0015】
略U字状を呈するベース部材の、開口側の相対する両末端部のそれぞれの内側に設けられる粘着性膏体層の数は、1つに限定されることはなく、複数の粘着性膏体層が設けられてもよい。その配置パターンは、十分な粘着性および十分な薬物送達が確保できれば、特に限定されるものではなく、例えば、複数の粘着性膏体層を並列に配置するパターン等が挙げられる。
【0016】
略U字状を呈するベース部材の、開口側の相対する両末端部間の間隔と、略U字側の相対する両末端部間の間隔とは、実質的に口腔内で使用可能であれば同じであっても異なっていてもよいが、歯肉部を両側から押える力をできるだけ均一にするためには同じであるのが好ましい。粘着性膏体層が設けられる開口側の相対する両末端部間の間隔は、製剤の剥離・脱落を防止するのに十分な力で歯肉部を両側から挟み込むことができるような間隔であればよく、好ましくは1mm〜50mmであり、より好ましくは2mm〜30mmであり、適用部位に応じて上記範囲内で適宜決定すればよい。この間隔が1mm未満であると、粘着性膏体層(および支持層)の形成自体が困難となり、また、形成できたとしても適用時に製剤が脱落しやすくなる。一方、この間隔が50mmを超えると、適用時に著しい違和感を生じたり、製剤の剥離・脱落を防止するのに十分な力で歯肉部を両側から押さえつけることができなくなる。
【0017】
略U字状を呈するベース部材は、実質的に口腔内で使用可能であればその材質は特に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂、金属、紙などが挙げられるが、耐水性、加工性、製造コスト、安全性の観点から、ベース部材は合成樹脂からなるのが好ましい。合成樹脂としては、一定の機械的強度と物理化学的安定性とを有する任意の合成樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート(アクリル)、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−ポリテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアセタール(ポリオキシメチレン)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ケイ素樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。具体的なベース部材の例としては、例えば、上記合成樹脂からなる合成樹脂板を略U字に折り曲げてなるもの、上記合成樹脂を略U字を呈するように成形してなるもの、等が挙げられる。
【0018】
略U字状を呈するベース部材の厚みは、例えば、合成樹脂板の場合、好ましくは100μm〜5000μmであり、より好ましくは200μm〜2000μmであり、さらに好ましくは300μm〜1500μmである。しかし、ベース部材の部分に応じて厚さを上記範囲内で適切に調整してもよく、例えば、粘着性膏体層が設けられる開口側の相対する両末端部は、適用時の違和感を軽減するという観点から相対的に薄くし、一方、略U字側の相対する両末端部は、強度の観点から相対的に厚くしてもよい。
【0019】
略U字状を呈するベース部材の、粘着性膏体層が設けられる開口側の相対する両末端部は、製剤の剥離・脱落を防止するために適度な力で歯肉部を両側から押える必要がある。この適度な力は、開口側の相対する両末端部を、初期の間隔からその2倍の間隔まで押し広げるのに要する力(末端部の幅1cm当たりの力)で表され、好ましくは0.05N/cm(幅)〜1.5N/cm(幅)であり、より好ましくは0.1N/cm(幅)〜1N/cm(幅)である。この力が0.05N/cm(幅)未満であると、歯肉部を両側から押えつける力が十分ではないので、粘着性膏体層がずれたり、製剤が剥離・脱落するおそれがあり、一方、1.5N/cm(幅)を超えると、歯肉部を両側から押えつける力が強すぎるために、痛みを伴ったり、粘膜に損傷を与えるおそれがある。
【0020】
なお、上記の開口側の相対する両末端部を初期の間隔からその2倍の間隔まで押し広げるのに要する力は、以下のようにして測定することができる。まず、開口側の相対する両末端部に対して、末端部と同じ幅の補助紙の一方の端部をベース部材に対して平行となるように、それぞれ貼り付け、次いで、補助紙の他方の端部を、それぞれ引張試験機のチャック部に、相対する両末端部の間隔が初期の状態になるように取り付ける。その後、50mm/hrの速度で補助紙を引張り、その間隔が初期値の2倍になったときの応力(N/cm)を読み取る。
【0021】
粘着性膏体層は、略U字状を呈するベース部材の、開口側の相対する両末端部のそれぞれの内側のうち、いずれか一方にのみ設けられているか、または両方に設けられている。また、粘着性膏体層には薬物が含有されているが、粘着性膏体層が両末端部のそれぞれの内側に設けられている場合、薬物はいずれか一方の粘着性膏体層にのみ含有されていてもよく、両方の粘着性膏体層に含有されていてもよい。さらに、両方の粘着性膏体層に薬物が含有されている場合、その薬物は同じ種類であっても、異なる種類であってもよい。
【0022】
粘着性膏体層は、歯肉部に実質的に貼付可能なもの、例えば、常温または体温付近で感圧粘着性を有するものであれば特に限定されるものではないが、安定した薬物放出および適度な粘着性の点から、実質的に水に溶解しないかもしくは実質的に水を吸収しない感圧性接着剤を含有することが好ましい。中でも、アクリル系重合体からなる粘着剤、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエンなどのゴム系粘着剤、シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベースなどのシリコーン粘着剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル系粘着剤、酢酸ビニル−エチレン共重合体などのビニルエステル系粘着剤、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレートなどのカルボン酸成分とエチレングリコールなどの多価アルコール成分とからなるポリエステル系粘着剤等の感圧性接着剤が好ましく用いられる。
【0023】
本発明において、「実質的に水に溶解しないか若しくは実質的に水を吸収しない感圧性接着剤」とは、20℃での十分量の水に対する溶解量が5重量%以下で、かつ常温で感圧接着性を示す粘着性高分子、および/または20℃での十分量の水に対する吸収量が5重量%以下で、かつ常温で感圧接着性を示す粘着性高分子を意味する。
【0024】
上記アクリル系重合体からなる粘着剤とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分として、これに官能性単量体を共重合して得られる粘着剤である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、具体的には、そのアルキル基がブチル、ペンチル、へキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルなどの炭素数4〜13の直鎖アルキル基や分岐アルキル基である(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、これらは一種もしくは二種以上用いることができる。
【0025】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合させる官能性単量体としては、共重合反応に関与する不飽和二重結合を分子内に少なくとも一個有するとともに、官能基を側鎖に有するものが使用できる。かかる官能性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステルなどのヒドロキシル基含有単量体;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などのスルホ基含有単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルアミノエチルエステルなどのアミノ基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミドなどのアミド基含有単量体;(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリルエステルなどのアルコキシル基含有単量体等が挙げられる。また、これら以外に共重合できる単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどが挙げられる。
【0026】
また、本発明の特性を変化させない範囲であれば、炭素数1〜3或は炭素数14以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを共重合してもよい。
【0027】
本発明においては、アクリル系重合体からなる粘着剤としては、粘着特性としての感圧粘着性や凝集性、粘着性膏体層中に含有する薬物の放出性などに特に優れる点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル65〜99重量%と(メタ)アクリル酸1〜35重量%とを重合して得られる共重合体が好ましい。
【0028】
本発明において、粘着性膏体層を構成する粘着性高分子(粘着剤)は、薬物の投与目的に応じて選定される。すなわち、短時間投与を目的とする場合は、含有する薬物の放出性に優れる粘着性高分子を選定し、長時間投与を目的とする場合は、含有する薬物に対して、比較的徐放性に富む粘着性高分子を選定することが望ましい。
【0029】
粘着性膏体層の厚みは、通常5μm〜500μmであり、好ましくは10μm〜250μmである。粘着性膏体層の厚みが5μm未満であると、口腔粘膜に対する貼着力が不十分になる恐れがあり、一方、500μmを超えると、内部凝集力が低下したり、経済的に不利になったりする。
【0030】
粘着性膏体層に含有される薬物は、経粘膜吸収されるものであれば特に限定されない。短時間投与を目的とする場合は、例えば、リドカイン等の局所麻酔剤、塩酸テトラサイクリン等の歯科用抗生物質、塩化セチルピリジニウム等の殺菌消毒剤、塩酸クロルヘキシジン等の口腔内感染予防治療剤、アズレン等の消炎剤等の局所性薬物を含有させることができる。特に、本発明の口腔内投与製剤は、局所麻酔剤を含有させた場合、歯科治療での表面麻酔の適応における、▲1▼浸潤麻酔、伝達麻酔時の注射針刺入部位粘膜の麻酔、▲2▼表在性小範囲の歯肉膿瘍切開部位の麻酔、▲3▼歯石除去または歯周ポケット掻爬時のポケット内壁の麻酔、▲4▼歯肉縁付近におよぶ充填または歯冠補綴時、▲5▼交換期乳歯などの高度な動揺歯抜歯時、歯牙破折除去時の麻酔処置等、歯肉部の表裏に表面麻酔処置を行う場合に、同時に処置することができるという利点を有する。
【0031】
また、口腔内の適用部位における唾液等の水分を継続的に適度に拭き取れば、製剤はその適用部位に、薬物の経粘膜吸収に十分な時間は付着しており、全身性薬物の効果発現が期待できる。さらに、膨潤や溶解による剥離・脱落や薬物の漏出流去が生じ難いため、薬物の利用効率もよい。
【0032】
また、比較的長時間投与を目的とする場合は、例えば、コルチコステロイド類、鎮痛消炎剤、催眠鎮静剤、精神安定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、全身麻酔剤、抗菌剤、抗真菌剤、ビタミン剤、冠血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗鬱剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗腫瘍剤、生体医薬等の全身性薬物を含有させることができる。
【0033】
粘着性膏体層中のこれらの局所性および全身性薬物の含有量は、薬物の種類、投与目的などに応じて適宜設定することができるが、通常、1重量%〜80重量%、好ましくは2重量%〜70重量%程度である。含有量が1重量%未満の場合、治療や予防に有効な量の薬物放出が期待できず、また、80重量%を超えると、接着性が低下して十分に貼着しなくなるために治療や予防効果に限界が生じると共に経済的にも不利である。
【0034】
薬物は、その薬効(使用用途)に応じて、粘着性膏体層に溶解状態、過飽和結晶析出状態もしくは分散状態にて含有させる。これにより、各種疾患の治療及び/または予防を目的とした口腔内貼付製剤とすることができる。
【0035】
上記粘着性膏体層には、必要に応じて、種々の添加剤を配合してもよい。添加剤としては、粘着性をさらに向上させるための粘着性付与剤(例えば、ロジン、変性ロジン、石油系樹脂、ポリテルペン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブテン樹脂、液状ポリイソブチレンなど)、可塑剤(例えば、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピルなど)、粘着性膏体層内での薬物の溶解性および拡散性を高めるための吸収促進剤(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、オリーブ油、ヒマシ油、スクアラン、ラノリンなどの油脂類など)、界面活性剤(例えば、ショ糖脂肪酸グリセリン、ステアリルアルコール、トリオレイン酸ソルビタン、セバシン酸ジエチル、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、コレステロールなど)、充填剤(例えば、カオリン、酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸塩、珪酸、アルミニウム水和物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムなど)などが挙げられる。
【0036】
本発明の口腔内投与製剤において、粘着性膏体層は支持層を介してベース部材に設けられてもよい。
支持層は、粘着性膏体層をベース部材に固定し、かつ、口腔内での適用時に粘着性膏体層を粘膜に良く密着させて違和感や痛みを少なくするために用いることができる。支持層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、可塑化ポリ塩化ビニル、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸セルロース、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、アイオノマー樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等からなる無孔性または多孔性のフィルムまたはシート、不織布、織布、編布、およびこれらの組み合わせから得られる積層物が挙げられる。中でも、ポリオレフィン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体またはポリテトラフルオロエチレンからなるフィルムまたはシート、ならびにポリエステル繊維および/またはポリプロピレン繊維からなる不織布、織布、編布が好ましく使用される。
【0037】
支持層の厚みは、粘着性膏体層との十分な投錨性を有し、かつ、口腔内での使用時に違和感をきたしにくい貼着性を実現できるレベルであればよく、通常100μm〜3000μmであり、好ましくは、フィルムまたはシートの場合、100μm〜1000μmであり、不織布、織布、編布、および積層物の場合、200μm〜2000μmである。支持層の厚みが100μm未満であると、十分な強度が得られず、また加工が困難となり、3000μmを超えると、使用時に違和感を生じる。
【0038】
支持層は、例えば、溶剤による接合、熱による接合、接着剤による接合等、任意の方法によってベース部材に固定される。中でも、接着剤による接合が好ましく用いられる。この接合に用いられる接着剤としては、アクリル系重合体からなる粘着剤、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエンなどのゴム系粘着剤、シリコーンゴム、ジメチルシロキサンベース、ジフェニルシロキサンベースなどのシリコーン粘着剤、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル系粘着剤、酢酸ビニル−エチレン共重合体などのビニルエステル系粘着剤、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレートなどのカルボン酸成分とエチレングリコールなどの多価アルコール成分とからなるポリエステル系粘着剤等の感圧性粘着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
【0039】
上記接着剤による接合によって形成される接着剤層の厚みは、通常5μm〜500μmであり、好ましくは10μm〜250μmである。この接着剤層の厚みが5μm未満であると、十分な固定性が得られず、500μmを超えても特性上不要であり、また経済的にも不利である。
【0040】
粘着性膏体層および支持層は、形状および表面積を同一にするのが好ましいが、必要に応じて異なる形状および表面積としてもよい。粘着性膏体層および支持層の形状は、実質的に口腔内での適用が可能であれば、特に限定されるものではなく、例えば、三角形、方形、矩形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等の任意の形状とすることができる。また、粘着性膏体層および支持層の表面積は、好ましくは0.1cm〜20cmであり、より好ましくは0.2cm〜10cmである。表面積が0.1cm未満であると、粘着性膏体層および支持層の形成自体が困難となり、また形成できたとしても、粘膜への貼着性が低下する、十分な薬物送達が困難となる等の問題がある。一方、表面積が20cmを超えると、貼付時に著しい違和感を生じたり、実質的に貼付が困難となる。
【0041】
本発明の口腔内投与製剤は、製造時、運搬時または保存時に、粘着性膏体層が、予期せず、器具、容器などに接触して接着してしまうことを防止するために、また粘着性膏体層の接着性及び薬物の劣化を防止するために、投与直前まで、粘着性膏体層の露出面を離型ライナーで被覆保護することが望ましい。本発明の口腔内投与製剤は、投与直前まで粘着性膏体層の露出面を離型ライナーで被覆保護し、投与時に離型ライナーを剥離して粘着性膏体層を露出し、投与することができる。
【0042】
離型ライナーとしては、使用時に粘着性膏体層から容易に剥離されるものであれば、その材質は特に限定されない。例えば、粘着性膏体層と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂などを塗布することによって剥離処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィンなどの合成樹脂フィルム、上質紙、グラシン紙などの紙、あるいは上質紙またはグラシン紙等とポリオレフィンフィルムとのラミネートフィルム等、が用いられる。該離型ライナーの厚みは、通常10μm〜200μm、好ましくは50μm〜100μmである。
【0043】
本発明の口腔内投与製剤の製造方法は特に限定されない。例えば、合成樹脂を公知の射出成形、圧縮成形、真空成形、トランスファー成形等によって成形加工して、あるいは切削加工して一定の形状の平板を得、次いで、該平板の両末端部に支持層を介して粘着性膏体層を形成し、続いて、粘着性膏体層を設けた側が内側になるように、加熱等の手段によって該平板をその中央部付近で略U字状に折り曲げる方法、2枚の合成樹脂板のそれぞれ一方の末端部に支持層を介して粘着性膏体層を形成し、次いで、この2枚の合成樹脂板の粘着性膏体層を形成していない他方の末端部同士を、粘着性膏体層を内側にして、略U字状を呈するように、適切な方法(例えば、該他方の末端部同士を加熱して溶融一体化させたのち、成形加工して略U字状にする)によって結合する方法、等が挙げられる。なお、粘着性膏体層は、例えば、薬物、粘着性高分子等を溶媒に溶解または分散させて得られた溶液または分散液を、支持層の片面に塗布し、乾燥する方法、あるいは、上記の溶液または分散液を保護用の離型ライナー上に塗布し、乾燥して離型ライナー上に粘着性膏体層を形成し、この離型ライナー上の粘着性膏体層と支持層とを貼り合わせる方法等によって形成することができる。
【0044】
本発明では、短時間投与を目的とする製剤とした場合及び長時間投与を目的とする製剤とした場合のいずれにおいても、粘着性膏体層が膨潤したり溶解したりせず、剥離脱落や薬物の漏出流去が生じ難いため、薬物の利用効率が良い。さらに、粘着性膏体層の膨潤による変形が無いため、貼付状態において違和感を生じることもほとんどない。
【0045】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、以下の記載において、部は重量部を意味する。
【0046】
(粘着剤A溶液の調製)
不活性ガス雰囲気下で、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル95部及びアクリル酸5部とを酢酸エチル中で共重合させて、粘着剤A溶液を調製した。
【0047】
(実施例1)
粘着剤A溶液70部(固形分)にリドカイン30部を加えて混合溶解し、得られた溶液をポリエステル製セパレーター(離型ライナー:厚み75μm)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、乾燥して薬物を含む粘着性膏体層を作製した。次いで、この粘着性膏体層をポリプロピレンおよびポリエステル混合繊維製不織布(支持層:厚み約500μm、目付90g/m)に貼り合わせた。また、粘着剤A溶液をポリエステル製セパレーター(離型ライナー:厚み75μm)上に乾燥後の厚みが約10μmとなるように塗布、乾燥して支持層固定用接着剤層を作製した。続いて、上記不織布の粘着性膏体層非形成面に上記支持層固定用接着剤層を貼り合わせた後、10mm×10mmの矩形(四隅にそれぞれ半径1mmのRを有する)に2枚打抜き、セパレーター(離型ライナー)、薬物を含む粘着性膏体層、不織布(支持層)、接着剤層およびセパレーター(離型ライナー)が順に積層された積層物を作製した。
【0048】
上記とは別に、厚さ400μmの硬質塩化ビニル平板を幅10mm×長さ50mmの矩形(四隅にそれぞれ半径1mmのRを有する)に打抜いた。次いで、上記で作製した積層物の接着剤層上のセパレーターを剥離し、露出した接着剤層を得られた矩形の平板の両末端部に貼り付けた。続いて、この矩形の平板の中央部を加熱し、両末端部に貼り付けられた積層物が内側にくるように半径5mmの半円状に折り曲げ、口腔内投与製剤(開口側の相対する両末端部間の間隔:10mm)を得た。
【0049】
(実施例2)
粘着剤A溶液70部(固形分)にリドカイン30部を加えて混合溶解し、得られた溶液をポリエステル製セパレーター(離型ライナー:厚み75μm)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、乾燥して薬物を含む粘着性膏体層を作製した。次いで、この粘着性膏体層をポリプロピレンおよびポリエステル混合繊維製不織布(支持層:厚み約500μm、目付90g/m)に貼り合わせた。また、粘着剤A溶液をポリエステル製セパレーター(離型ライナー:厚み75μm)上に乾燥後の厚みが約10μmとなるように塗布、乾燥して支持層固定用接着剤層を作製した。続いて、上記不織布の粘着性膏体層非形成面に上記支持層固定用接着剤層を貼り合わせた後、15mm×10mmの矩形(四隅にそれぞれ半径1mmのRを有する)に2枚打抜き、セパレーター(離型ライナー)、薬物を含む粘着性膏体層、不織布(支持層)、接着剤層およびセパレーター(離型ライナー)が順に積層された積層物を作製した。
【0050】
上記とは別に、厚さ800μmの硬質塩化ビニル平板を幅15mm×長さ60mmの矩形(四隅にそれぞれ半径1mmのRを有する)に打抜いた。次いで、上記で作製した積層物の接着剤層上のセパレーターを剥離し、露出した接着剤層を得られた矩形の平板の両末端部に貼り付けた。続いて、この矩形の平板の中央部を加熱し、両末端部に貼り付けられた積層物が内側にくるように半径7.5mmの半円状に折り曲げ、口腔内投与製剤(開口側の相対する両末端部間の間隔:15mm)を得た。
【0051】
(比較例1)
粘着剤A溶液70部(固形分)にリドカイン30部を加えて混合溶解し、得られた溶液をポリエステル製セパレーター(離型ライナー:厚み75μm)上に乾燥後の厚みが約20μmとなるように塗布、乾燥して薬物を含む粘着性膏体層を作製した。次いで、この粘着性膏体層をポリプロピレンおよびポリエステル混合繊維製不織布(支持層:厚み約500μm、目付90g/m)に貼り合わせた後、10mm×10mmの矩形(四隅にそれぞれ半径1mmのRを有する)に2枚打抜き、セパレーター(離型ライナー)、粘着性膏体層および不織布(支持層)が順に積層された口腔内貼付製剤を作製した。
【0052】
上記で作製した実施例1および2、ならびに比較例1の製剤について、立位姿勢の成人男子の口腔内に10分間適用した時の、唾液の到達度、固定性、使用感、薬理効果、および開口側の両末端部を初期の間隔からその2倍の間隔まで押し広げるのに要する力(実施例1および2の製剤について)を、評価した。その結果を表1に示す。なお、適用部位は、製剤の適用前に予め脱脂綿で唾液を拭い取った。
【0053】
【表1】
Figure 2004331631
【0054】
表1から、実施例1および2の製剤は、適用部位まで唾液が到達したにもかかわらず、移動や剥離することなく適用部位に十分に固定されていたこと、また、使用感や薬理効果についても良好な結果を示した(すなわち、口腔内への適用に際して違和感がほとんどなく、良好な局所麻酔作用を示した)ことが分かる。
【0055】
【発明の効果】
本発明の口腔内投与製剤は、略U字状を呈するベース部材の相対する両末端部のそれぞれの内側のうち、少なくとも一方に粘着性膏体層が設けられた構造を有しており、該粘着性膏体層の少なくとも一方に薬物が含有されている。このような構成とすることによって、歯茎(歯肉部)を裏表から挟む状態で本発明の製剤を口腔内投与した際、唾液等の水分が適用部位に到達した場合でも粘膜と粘着性膏体層との界面に浸入しにくく、仮に浸入して粘着性膏体層の接着性が低下したとしても、ベース部材が両側から粘着性膏体層を押さえつけているため製剤が剥離・脱落しにくく、それゆえ、安定した経粘膜的な薬物送達が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による口腔内投与製剤の構造例を示す模式図であり、(a)は側面図、(b)は上面図である。
【図2】本発明による口腔内投与製剤の別の構造例を示す模式図であり、(a)は略U字状を呈するベース部材の開口側の相対する両末端部の形状が方形である場合の上面図、(b)は円弧形である場合の上面図である。
【図3】図1に示す本発明の口腔内投与製剤の一投与形態を示す模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 口腔内投与製剤
2 ベース部材
3 支持層
4 粘着性膏体層
5 歯茎
6 歯

Claims (6)

  1. 略U字状を呈するベース部材の相対する両末端部のそれぞれの内側のうち、少なくとも一方に粘着性膏体層が設けられた構造を有しており、該粘着性膏体層の少なくとも一方に薬物が含有されている、口腔内投与製剤。
  2. 両末端部の両方の内側に粘着性膏体層が設けられている、請求項1に記載の口腔内投与製剤。
  3. 両方の粘着性膏体層に薬物が含有されている、請求項2に記載の口腔内投与製剤。
  4. 粘着性膏体層が支持層を介して設けられている、請求項1または2に記載の口腔内投与製剤。
  5. ベース部材が合成樹脂からなる、請求項1に記載の口腔内投与製剤。
  6. 粘着性膏体層が、実質的に水に溶解しないかもしくは実質的に水を吸収しない感圧性接着剤を含有する、請求項1に記載の口腔内投与製剤。
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