JP2002063984A - 面状発熱体 - Google Patents

面状発熱体

Info

Publication number
JP2002063984A
JP2002063984A JP2000249399A JP2000249399A JP2002063984A JP 2002063984 A JP2002063984 A JP 2002063984A JP 2000249399 A JP2000249399 A JP 2000249399A JP 2000249399 A JP2000249399 A JP 2000249399A JP 2002063984 A JP2002063984 A JP 2002063984A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
heating element
crystal polyester
copolymer
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000249399A
Other languages
English (en)
Inventor
Takazo Yamaguchi
登造 山口
Hiroaki Kumada
浩明 熊田
Motonobu Furuta
元信 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2000249399A priority Critical patent/JP2002063984A/ja
Publication of JP2002063984A publication Critical patent/JP2002063984A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Resistance Heating (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、耐薬品性、機械的強度、柔軟性などが
良好で、電気絶縁性に優れ、軽量で薄く、しかも安価な
面状発熱体を提供する。 【解決手段】〔1〕(A)液晶ポリエステルを連続相と
し、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を
有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組
成物からなるフィルムを用いてなる面状発熱体。 〔2〕上記に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物からな
るフィルム上に、ヒーター線を積層してなる面状発熱
体。 〔3〕上記〔1〕に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物
からなるフィルム上に、発熱体層を積層してなる面状発
熱体。 〔4〕発熱体層が、金属箔または金属蒸着膜である
〔3〕に記載の面状発熱体。 〔5〕発熱体層が、導電性物質を含有する層である
〔3〕に記載の面状発熱体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ポリエステル
樹脂組成物を基材として用いてなる面状発熱体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プリンター、コピー機などにおけ
るトナーの定着用として、計測器、モーターなどの保温
用として、半導体のホットプレートや分析機器の熱源と
して、さらには、計測器やタンクローリーの保温用とし
てなど、産業界の多方面において樹脂フィルムを用いて
なる面状発熱体が用いられている。しかしながら、従来
の面状発熱体は、市場からの要求を十分には満たしてい
ないのが現状である。例えば、特開平1―128389
号公報には、ポリエステル層、金属箔層などを積層して
なる面状発熱体に関して記載されているが、ポリエステ
ルの耐熱性が十分ではないという問題点があった。特開
平5―234666号公報、特開平6―290859号
公報などにはポリイミドフィルムと金属箔との積層体か
らなる面状発熱体に関して記載されているが、ポリイミ
ドフィルムは非常に高価であり、また、吸水率が大であ
り、多湿下で変形しやすいという点が問題であった。特
開平11―297458号公報には、光学的異方性を形
成するポリマーと発熱体層からなるフレキシブルヒータ
ーに関して開示されているが、用途によっては該ポリマ
ーの耐熱性や柔軟性などが十分ではないという問題があ
った。耐熱性、耐薬品性、機械的強度、柔軟性などが良
好で、電気絶縁性に優れ、吸水率が低く、軽量で薄く、
しかも安価な面状発熱体は市場から強く要求されるとこ
ろであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、耐薬品性、機械的強度、柔軟性などが良好で、電気
絶縁性に優れ、軽量で薄く、しかも安価な面状発熱体を
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決すべく鋭意検討を続け本発明に到達した。
即ち本発明は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、
(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
る共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物
からなるフィルムを用いてなる面状発熱体に係るもので
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリマーは、種
々知られており、例えば全芳香族系のポリエステル、ポ
リイミド、ポリエステルアミドなどや、それらを含有す
る樹脂組成物などが挙げられる。本発明においては、か
かる液晶性ポリマーとして(A)液晶ポリエステルを連
続相とし、(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル
樹脂組成物が用いられる。
【0006】ここでいう液晶ポリエステルは、サーモト
ロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
具体的には、(1)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオー
ルと芳香族ヒドロキシカルボン酸との組み合わせからな
るもの、(2)異種の芳香族ヒドロシカルボン酸の組み
合わせからなるもの、(3)芳香族ジカルボン酸と核置
換芳香族ジオールとの組み合わせからなるもの、(4)
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルに芳香
族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるもの、な
どが挙げられ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形
成するものである。なお、これらの芳香族ジカルボン
酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸の
代わりに、それらのエステル形成性誘導体が使用される
こともある。
【0007】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0008】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位:
【0009】
【0010】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0011】
【0012】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位:
【0013】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くは該繰り返し構造単位を少なくとも全体の30モル%
以上含むものである。具体的には繰り返し構造単位の組
み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのものが好ま
しい。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】該液晶ポリエステル(I)〜(VI)の製法
については、例えば特公昭47−47870号公報、特
公昭63−3888号公報、特公昭63−3891号公
報、特公昭56−18016号公報、特開平2−515
23号公報などに記載されている。これらの中で好まし
くは(I)、(II)または(IV)の組合せであり、さら
に好ましくは(I)または(II)の組み合せが挙げられ
る。
【0021】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物において、高い耐熱性が要求される分野には成分
(A)の液晶ポリエステルとして、下記の繰り返し単位
(a’)が30〜80モル%、繰り返し単位(b’)が
0〜10モル%、繰り返し単位(c’)が10〜25モ
ル%、繰り返し単位(d’)が10〜35モル%からな
る液晶ポリエステルが好ましく使用される。
【0022】 (式中、Arは2価の芳香族基である。)
【0023】本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に用
いられる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体である。かかる液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエス
テルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オキ
サゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられ、好ま
しくはエポキシ基である。エポキシ基等は、他の官能基
の一部として存在していてもよく、そのような例として
は例えばグリシジル基が挙げられる。
【0024】共重合体(B)において、かかる官能基を
共重合体中に導入する方法としては特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えば共重
合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合に
より導入することも可能であるし、共重合体に該官能基
を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0025】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
としては、不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0026】不飽和カルボン酸グリシジルエステルは好
ましくは一般式 (Rはエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の
炭化水素基である。)で表される化合物であり、また不
飽和グリシジルエーテルは好ましくは一般式 (R’はエチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜18
の炭化水素基であり、Xは−CH2−O−または である。)で表される化合物である。
【0027】具体的には、不飽和カルボン酸グリシジル
エステルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グ
リシジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエス
テル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、
p−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げ
ることができる。不飽和グリシジルエーテルとしては、
例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエ
ーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタク
リルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエ
ーテル等が例示される。
【0028】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0029】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0030】さらに好ましくは、上記の液晶ポリエステ
ルと反応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、
結晶の融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また
共重合体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のも
のが好ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜
25のものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度
は、JIS K6300に準じて100℃ラージロータ
ーを用いて測定した値をいう。これらの範囲外である
と、組成物の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好
ましくない。
【0031】ここでいうゴムとは、新版高分子辞典(高
分子学会編、1988年出版、朝倉書店)による室温に
てゴム弾性を有する高分子物質に該当するものであり、
その具体例としては、天然ゴム、ブタジエン重合体、ブ
タジエン−スチレン共重合体(ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体(SEBSゴムまたはSBSゴム等を含
む)、グラフト共重合体などすべて含まれる)又はその
水素添加物、イソプレン重合体、クロロブタジエン重合
体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソブチ
レン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体ゴム、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル−エチレン系共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共
重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレン
−プロピレン−スチレン共重合体ゴム、スチレン−イソ
プレン共重合体ゴム、スチレン−ブチレン共重合体、ス
チレン−エチレン−プロピレン共重合体ゴム、パーフル
オロゴム、ふっ素ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴ
ム、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体ゴム、チオールゴム、多硫化ゴム、ポリウ
レタンゴム、ポリエーテルゴム(例えばポリプロピレン
オキシド等)、エピクロルヒドリンゴム、ポリエステル
エラストマー、ポリアミドエラストマー等が挙げられ
る。中でも、アクリル酸エステル−エチレン系共重合体
が好ましく用いられ、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン系共重合体ゴムがさらに好ましい。
【0032】これらのゴムは、いかなる製造法(例えば
乳化重合法、溶液重合法等)、いかなる触媒(例えば過
酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウ
ム、ニッケル系触媒等)でつくられたものでもよい。
【0033】そして本発明においては、共重合体(B)
としてのゴムは、上記のようなゴムにおいて、液晶ポリ
エステルと反応性を有する官能基を有するゴムである。
かかるゴムにおいて、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基をゴム中に導入する方法としては、特に限定さ
れるものではなく、周知の方法で行うことができる。例
えばゴムの合成段階で、該官能基を有する単量体を共重
合により導入することも可能であるし、ゴムに該官能基
を有する単量体をグラフト共重合することも可能であ
る。
【0034】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例として、エポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0035】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0036】好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル
単位が40重量%を超え97重量%未満、さらに好まし
くは45〜70重量%、エチレン単位が3重量%以上5
0重量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不
飽和カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または
不飽和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上記の範
囲外であると、得られるフィルムまたはシート等の成形
体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合があり、
好ましくない。
【0037】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法、フリー
ラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力500k
g/cm2以上、温度40〜300℃の条件により製造
することができる。
【0038】本発明の共重合体(B)に使用できるゴム
として他には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能
基を有するアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性
を有する官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−
共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示すること
ができる。
【0039】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。)、一般式(2) (式中、R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基、R3
は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。)、および
一般式(3) (式中、R4は水素原子またはメチル基、R5炭素原子数
3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20の
アルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示
す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の
単量体を主成分とするものが挙げられる。
【0040】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、アクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0041】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの1種あ
るいは2種以上を該アクリルゴムの主成分として用いる
ことができる。
【0042】かかるアクリルゴムの構成成分として、必
要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表される化合
物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合可能な
不飽和単量体を用いることができる。このような不飽和
単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、
アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニ
トリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナ
フタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレー
ト、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸
などが挙げられる。
【0043】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一
般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少な
くとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0
〜30.0重量%である。該アクリルゴムの構成成分比
が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、
成形加工性が良好であり好ましい。
【0044】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0045】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとして好ましくは、(a)
ビニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、ま
たは該ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得ら
れるゴムである。
【0046】ビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の
方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23
798号公報、特開昭59−133203号公報等に記
載されている。
【0047】芳香族炭化水素化合物としては、例えば、
スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレン
などを挙げることができ、中でもスチレンが好ましい。
共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソ
プレン、ピレリレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0048】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0049】共重合体(B)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0050】また、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例として、エポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては(a)エチレン単位
が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシジ
ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
ル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20
重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が
0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合
体を挙げることができる。
【0051】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0052】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0053】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100F−10分、更に好ましくは2
〜50F−10分である。メルトインデックスはこの範
囲外であってもよいが、メルトインデックスが100F
−10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点で
好ましくなく、0.5F−10分未満では成分(A)の
液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0054】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があ
る。
【0055】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても作られる。
【0056】本発明で用いる液晶ポリエステル樹脂組成
物は、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液
晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有する共重合
体を分散相とする樹脂組成物である。液晶ポリエステル
が連続相でない場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物
を用いてなるフィルムの、耐熱性、耐薬品性などが著し
く低下し、好ましくない。
【0057】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)と
の間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成すると
ともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の
成形性が向上するものと考えられる。
【0058】かかる液晶ポリエステル樹脂組成物の一実
施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9
重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さらに
好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.
0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重量
%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組
成物である。成分(A)が56.0重量%未満であると
該組成物から得られるフィルムの、耐熱性や耐薬品性な
どが低下する場合がある。また成分(A)が99.9重
量%を超えると該組成物の成形加工性が低下する場合が
あり、また価格的にも高価なものとなる。
【0059】かかる液晶ポリエステル樹脂組成物を製造
する方法としては周知の方法を用いることができる。た
とえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発させる
か、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業的見地
からみると溶融状態で各成分を混練する方法が好まし
い。溶融混練には一般に使用されている一軸または二軸
の押出機、各種のニーダー等の混練装置を用いることが
できる。特に二軸の高混練機が好ましい。溶融混練に際
しては、混練装置のシリンダー設定温度は200〜36
0℃の範囲が好ましく、さらに好ましくは230〜35
0℃である。
【0060】混練に際しては、各成分は予めタンブラー
もしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を均
一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、混
練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いること
ができる。
【0061】本発明に使用する液晶ポリエステル樹脂組
成物においては、必要に応じて、帯電防止剤、有機充填
剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、
無機または有機系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍
光剤、表面平滑剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの
離型改良剤などの各種の添加剤を製造工程中あるいはそ
の後の加工工程において添加することができる。
【0062】本発明で用いる液晶ポリエステル樹脂組成
物からなる層としては、かかる液晶ポリエステル樹脂組
成物を、例えば、Tダイから溶融樹脂を押出し巻き取る
Tダイ法や、環状ダイスを設置した押出し機から溶融樹
脂を円筒状に押出し、冷却し巻き取るインフレーション
成膜法により得られたフィルムまたはシート、熱プレス
法または溶媒キャスト法により得られたフィルムまたは
シート、あるいは射出成形法や押出し法で得られたシー
トをさらに一軸延伸または二軸延伸して得られたフィル
ムまたはシートを用いることもできる。射出成形、押出
成形などの場合にはあらかじめ混練の工程を経ることな
く、成分のペレットを成形時にドライブレンドして溶融
成形して、フィルムまたはシートを得ることもできる。
【0063】Tダイ法では、Tダイを通して押出した溶
融樹脂を巻き取り機方向(長手方向)に延伸しながら巻
き取って得られる一軸延伸フィルム、または二軸延伸フ
ィルムが好ましく用いられる。
【0064】一軸延伸フィルムの成膜時における押出機
の設定条件は、組成物の組成に応じて適宜設定できる
が、シリンダー設定温度は200〜360℃の範囲が好
ましく、230〜350℃の範囲がさらに好ましい。こ
の範囲外であると組成物の熱分解が生じたり、成膜が困
難となる場合がある。
【0065】Tダイのスリット間隔は、0.2〜2.0
mmが好ましく、0.2〜1.2mmがさらに好ましい。
一軸延伸フィルムのドラフト比は、1.1〜40の範囲
のものが好ましく、さらに好ましくは10〜40であ
り、特に好ましくは15〜35である。
【0066】ここでいうドラフト比とは、Tダイスリッ
トの断面積を長手方向に垂直な面のフィルム断面積で除
した値をいう。ドラフト比が1.1未満であるとフィル
ム強度が不十分であり、ドラフト比が45を越すとフィ
ルムの表面平滑性が不十分となる場合があり、好ましく
ない。ドラフト比は、押出機の設定条件、巻き取り速度
などを制御して設定することができる。
【0067】二軸延伸フィルムは、一軸延伸フィルムの
成膜と同様の押出機の設定条件、すなわちシリンダー設
定温度が好ましくは200〜360℃の範囲、さらに好
ましくは230〜350℃の範囲、Tダイのスリット間
隔が好ましくは0.2〜1.2mmの範囲で該組成物の
溶融押出しを行い、Tダイから押出した溶融体シートを
長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時
に延伸する方法、またはTダイから押出した溶融体シー
トをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同
一工程内で100〜300℃の高温下でテンターより横
手方向に延伸する逐次延伸の方法などにより得られる。
【0068】二軸延伸フィルムを得る際、その延伸比は
長手方向に1.2〜20倍、横手方向に1.2〜20倍
の範囲が好ましい。延伸比が上記の範囲外であると、該
組成物フィルムの強度が不十分となったり、または均一
な厚みのフィルムを得るのが困難となる場合があり好ま
しくない。
【0069】円筒形のダイから押出した溶融体シートを
インフレーション法で成膜して得られる、インフレーシ
ョンフィルムなども好ましく用いられる。
【0070】すなわち、上記の方法により得られた液晶
ポリエステル樹脂組成物は、環状スリットのダイを備え
た溶融混練押出機に供給され、シリンダー設定温度20
0〜360℃、好ましくは230〜350℃で溶融混練
を行って押出機の環状スリットから筒状フィルムは上方
または下方へ溶融樹脂が押出される。環状スリット間隔
は通常0.1〜5mm、好ましくは0.2〜2mm、環
状スリットの直径は通常20〜1000mm、好ましく
は25〜600mmである。
【0071】溶融押出しされた溶融樹脂フィルムに長手
方向(MD)にドラフトをかけるとともに、この筒状フ
ィルムの内側から空気または不活性ガス、例えば窒素ガ
スなどを吹き込むことにより長手方向と直角な横手方向
(TD)にフィルムを膨張延伸させる。
【0072】インフレーション成形(成膜)において、
好ましいブロー比は1.5〜10、好ましいMD延伸倍
率は1.5〜40である。インフレーション成膜時の設
定条件が上記の範囲外であると厚さが均一でしわの無い
高強度の液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムを得るの
が困難となる場合があり好ましくない。膨張させたフィ
ルムは通常、その円周を空冷あるいは水冷させた後、ニ
ップロールを通過させて引き取る。
【0073】インフレーション成膜に際しては液晶ポリ
エステル樹脂組成物の組成に応じて、筒状の溶融体フィ
ルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条
件を選択することができる。本発明における液晶ポリエ
ステル樹脂組成物からなる層の厚みには特に制限はない
が、好ましくは3〜1000μm、さらに好ましくは5
〜200μmである。
【0074】かかる方法により得られる液晶ポリエステ
ル樹脂組成物は、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優
れ、軽量で薄肉化が可能であり、吸水率が低く、機械的
強度が良好であり、柔軟性があり、しかも安価なもので
ある。
【0075】本発明の面状発熱体は、上記の、(A)液
晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリエステル
と反応性を有する官能基を有する共重合体を分散相とす
る液晶ポリエステル樹脂組成物を用いてなることを特徴
とする。本発明の面状発熱体は、具体的には、該液晶ポ
リエステル樹脂組成物からなるフィルム上に、ヒーター
線を積層してなる面状発熱体である。また、本発明の面
状発熱体は、該液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフ
ィルム上に、発熱体層を積層してなる面状発熱体であ
る。該発熱体層としては、金属箔または金属蒸着膜が挙
げられる。さらに、該発熱体層としては、導電性物質を
含有する層が挙げられる。
【0076】本発明におけるヒーター線とは特に限定す
るものではなく、ニクロム線、銅線、ニッケル線、ステ
ンレス線、合金線などを目的に応じて選ぶことができ
る。本発明における金属箔としては、電気抵抗の高い金
属が好ましく用いられ、例えば、銅箔、金箔、アルミニ
ウム箔、ステンレス箔、あるいは、ニッケル−クロム、
銅―ニッケルなどの合金箔などを挙げることができる。
本発明における金属蒸着膜としては、特に限定するもの
ではなく、電気抵抗の高い金属蒸着膜を適宜目的に応じ
て選択することができる。かかる金属蒸着膜の例として
は、銅、アルミニウム、金、銀、ステンレス、あるい
は、NiCr、Ta2Nのような合金の蒸着膜を挙げる
ことができる。本発明においては、かかる金属箔または
金属蒸着膜に、目的に応じて回路を形成することができ
る。
【0077】本発明における導電性物質を含有する発熱
体層としては、特に限定するものではないが、例えば、
導電性塗料膜、カーボンブラックを含浸させた織布、樹
脂マトリックス中に金属粉やカーボンブラックなどの導
電性物質を分散させた構造体、炭素繊維を含有する混抄
シート類などが挙げられる。
【0078】本発明における、金属箔、金属蒸着膜、導
電性物質を含有する層などの発熱体層は、通常、該発熱
体層上に電極が設置され、外部からの通電により、発熱
するが、その際、サイリスターなども合わせて設置さ
れ、温度制御を行うことができる。
【0079】本発明における面状発熱体の構成は、例え
ば、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム/発
熱体層、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム
/発熱体層/液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィ
ルム、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム/
発熱体層/熱可塑性樹脂(但し液晶性ポリマーを除く)
からなるフィルム、熱可塑性樹脂(但し液晶性ポリマー
を除く)からなるフィルム/液晶ポリエステル樹脂組成
物からなるフィルム/発熱体層/液晶ポリエステル樹脂
組成物からなるフィルム/熱可塑性樹脂(但し液晶性ポ
リマーを除く)からなるフィルム、などの組み合わせが
挙げられる。なかでも、発熱体層/液晶ポリエステル樹
脂組成物からなるフィルム、液晶ポリエステル樹脂組成
物からなるフィルム/発熱体層/液晶ポリエステル樹脂
組成物からなるフィルム、の構成が好ましい。
【0080】本発明において、液晶ポリエステル樹脂組
成物からなるフィルムや熱可塑性樹脂(但し液晶性ポリ
マーを除く)からなるフィルムの表面にあらかじめ表面
処理を施すことができる。このような表面処理法として
は、例えばコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、
スパッタリング処理、溶剤処理、紫外線処理、研磨処
理、赤外線処理、オゾン処理などが挙げられる。
【0081】本発明においては、面状発熱体の各構成成
分間に接着剤層を介在させることができる。かかる接着
剤としては、ドライラミネーション用接着剤、溶融押し
出し用接着剤もしくは樹脂など、目的に応じて用いるこ
とができる。具体的には、液晶ポリエステル樹脂組成物
からなるフィルムと、ヒーター線との間に、接着剤層が
介在する構成や、液晶ポリエステル樹脂組成物からなる
フィルムと、発熱体層との間に、接着剤層が介在する構
成や、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム
と、金属箔または金属蒸着膜との間に、接着剤層が介在
する構成が挙げられる。
【0082】本発明における面状発熱体を使用する際の
形態は特に限定するものではなく、例えば、リボン状、
連続フィルム状、A4版などのカットフィルム状、ある
いはカットフィルムを巻いたロール状のいずれの形態で
も使用することができる。
【0083】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 (1)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型
撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌
しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間に
副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しなが
ら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷
却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマ
ーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを
更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃
で3時間処理することによって、流動温度が324℃の
粒子状の下記の繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリ
エステルを得た。ここで、流動温度とは、島津社製高化
式フローテスターCFT−500型を用いて、4℃/分
の昇温速度で加熱された樹脂を、荷重100kgf/c
2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから
押し出すときに、溶融粘度が48000ポイズを示す温
度のことをいう。以下該液晶ポリエステルをA−1と略
記する。このポリマーは加圧下で340℃以上で光学異
方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返し構造
単位は、次の通りである。
【0084】
【0085】(2)成分(B) (i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記
載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリ
シジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3
(重量比)、ムーニー粘度=15、結晶の融解熱量<1
J/gのゴムを得た。以下該ゴムをB−1と略称するこ
とがある。ここでムーニー粘度は、JIS K6300
に準じて100℃、ラージローターを用いて測定した値
である。また結晶の融解熱量は、DSCを使用し、試料
を−150℃から100℃まで20℃/分で昇温して求
めた。
【0086】(3)物性測定法 得られたフィルムに関し、以下の要領で測定を行った。 (i)引張り物性:JIS Z1727に従い、2号形
試験片を用いてMD方向、TD方向の引張り物性を測定
した。 (ii)耐屈曲性:積層フィルムのMD方向、TD方向に
積層材料を切り出し、それぞれについて東洋精機(株)
製MIT屈曲試験機 Folding Enduran
ce Tester MIT−D型を使用し、JIS−
p−8115に基づいて荷重1Kgf、折り曲げ角 1
35度、折り曲げ面曲率半径 1mm、折り曲げ速度1
75回/minで屈曲試験を行った。 (iii)加熱永久ひずみ:循環式熱風炉中にフィルムを
置き、200℃で30分フィルムを加熱後のフィルム長
を測定した。 (iv)吸水率:ASTM D570に基づき、23℃、
24hr後でのフィルム中での吸水率を求めた。 (v)表面抵抗率:ASTM D527に基づき、測定
温度23℃、湿度30%、印加電圧 100V×1mi
nでフィルムの表面抵抗率を求めた。
【0087】実施例1 A−1 80重量%、B−1 20重量%を、日本製鋼
(株)製TEX−30型二軸押出機を用いてシリンダー
設定温度350℃、スクリュー回転数200rpmで溶
融混練を行って組成物を得た。該組成物の流動開始温度
は328℃であった。また、該組成物は340℃以上で
光学的異方性を示した。この組成物のペレットを円筒ダ
イを備えた60mmφの単軸押出機に供給して、シリン
ダー設定温度350℃、回転数60rpmで溶融混練
し、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設定温
度355℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出し、そ
の際この筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入して筒
状フィルムを膨張させ、次に冷却させたのちニップロー
ルに通して引取速度75m/minで引取り、面状発熱
体に用いる、液晶性ポリマーからなるフィルムを得た。
【0088】この際フィルムMD方向の延伸倍率は2
0.5、ブロー比は4.1、フィルム厚みは12μmで
あった。以下該フィルムを G−1と略称することがあ
る。G−1の引張り強度は、MD 30Kg/mm2
TD 10Kg/mm2、伸張率は、MD 3%,TD
9%であった。また、G−1のMIT屈曲試験では、
10万回屈曲後でも、MD、TDともにフィルムは破断
しなかった。G−1の加熱試験では、200℃、30分
加熱後でもフィルム長はMD、TD共変化しなかった。
また、G−1の吸水率は0.04%であり、その表面抵
抗率は、5×1013Ωであった。
【0089】次に、G−1を構成成分とする面状発熱体
の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は本発明に
おける面状発熱体の1実施形態を示すものであり、1は
液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム(G−
1)であり、2は金属箔(ステンレス箔)である。ま
た、図2は本発明における面状発熱体の別の実施形態を
示すものであり、1はG−1、3は接着剤層(ドライラ
ミネーション法によりG−1上に塗布された、セメダイ
ン(株)製、エポキシ樹脂系弾性接着剤 EP−001
の層)、4は導電性物質を含有する層であり、フェノー
ル樹脂をマトリックスに、カーボンブラックを分散相と
した層である。
【0090】比較例1 成分(B)を用いなかったほかは実施例1と同様にして
成分(A)の溶融混練を行った。次に、実施例1と同様
にしてインフレーション成膜を試みたが、膜厚のふれが
著しく、せん孔も多いフィルムしか得ることができなか
った。また、該フィルムの5個所について屈曲試験を行
ったが、どの個所も、MD、TDとも1000回屈曲以
内で破断した。
【0091】
【発明の効果】本発明により、耐熱性、耐薬品性、機械
的強度、柔軟性などが良好で、電気絶縁性に優れ、吸水
率が低く、軽量で薄く、しかも安価な面状発熱体を提供
することが可能となり、計測器、モーターなどの保温用
や半導体のホットプレート用、分析機器の熱源用、さら
には、計測器やタンクローリー保温用など、産業界の多
方面において本面状発熱体を適用していくことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状発熱体の1実施形態を示す断面
図。
【図2】本発明の面状発熱体の1実施形態を示す断面
図。
【符号の説明】
1・・・液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム 2・・・金属箔 3・・・接着剤層 4・・・導電性物質を含有する層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 29/10 C08L 29/10 33/14 33/14 67/00 67/00 67/04 67/04 101/02 101/02 101/06 101/06 H05B 3/10 H05B 3/10 C 3/12 3/12 A (72)発明者 古田 元信 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 3K034 AA02 AA06 BA08 BA13 BB08 BB13 BC16 BC17 JA09 3K092 PP18 PP20 QA05 QB01 QB02 QB31 QB65 QB70 QB78 RF02 RF13 RF26 RF27 TT27 VV04 VV06 VV09 VV31 VV34 VV40 4F071 AA10X AA12X AA13X AA42 AA43X AA76X AF02 AF13 AF21 AF39 AF45 AH12 BA01 BB06 BB09 BC01 4J002 AC03X AC06X AC07X AC08X AC11X BB07X BB18X BC05X BG04X BG05X BG06X CD19X CF18W CL00X CN02X CP01X GF00 GQ00 GQ01

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)液晶ポリエステルを連続相とし、
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
    る共重合体を分散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物
    を用いてなる面状発熱体。
  2. 【請求項2】液晶ポリエステル樹脂組成物が、(A)液
    晶ポリエステル56.0〜99.9重量%、および
    (B)液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
    る共重合体44.0〜0.1重量%を溶融混練して得ら
    れる組成物であることを特徴とする請求項1記載の面状
    発熱体。
  3. 【請求項3】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    が、オキサゾリル基、エポキシ基またはアミノ基である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の面状発熱体。
  4. 【請求項4】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシジ
    ルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテ
    ル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面状発
    熱体。
  5. 【請求項5】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、結晶の融解熱量が3J/g
    未満の共重合体であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の面状発熱体。
  6. 【請求項6】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)のムーニー粘度が、3〜70の
    範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の面状発熱体。ここでいうムーニー粘度は、JIS
    K6300に準じて100℃でラージローターを用い
    て測定した値をいう。
  7. 【請求項7】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
    を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有するゴムで
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の
    面状発熱体。
  8. 【請求項8】エポキシ基を有するゴムが、(メタ)アク
    リル酸エステル−エチレン−(不飽和カルボン酸グリシ
    ジルエステルおよび/または不飽和グリシジルエーテ
    ル)共重合体ゴムからなることを特徴とする請求項7記
    載の面状発熱体。
  9. 【請求項9】(メタ)アクリル酸エステルが、メチルア
    クリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリ
    レート、n−ブチルメタクリレート、tert−ブチル
    アクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−
    エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタ
    クリレートから選ばれる少なくとも1種を含むものであ
    ることを特徴とする請求項8記載の面状発熱体。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有する熱可
    塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    かに記載の面状発熱体。
  11. 【請求項11】エポキシ基を有する熱可塑性樹脂が、
    (a)エチレン単位が50〜99重量%、(b)不飽和
    カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
    和グリシジルエーテル単位が0.1〜30重量%、
    (c)エチレン系不飽和エステル化合物単位が0〜50
    重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重合体である
    ことを特徴とする請求項10に記載の面状発熱体。
  12. 【請求項12】液晶ポリエステル(A)が、下記の繰り
    返し構造単位を少なくとも全体の30モル%含むもので
    あることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載
    の面状発熱体。
  13. 【請求項13】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項1〜11のいずれかに記載の面状発熱体。
  14. 【請求項14】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸の組み合わせを反応させて得ら
    れるものであることを特徴とする請求項1〜11のいず
    れかに記載の面状発熱体。
  15. 【請求項15】請求項1〜14のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム上に、ヒータ
    ー線を積層してなる面状発熱体。
  16. 【請求項16】請求項1〜14のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物からなるフィルムと、ヒーター
    線との間に、接着剤層が介在することを特徴とする請求
    項15記載の面状発熱体。
  17. 【請求項17】請求項1〜14のいずれかに記載の液晶
    ポリエステル樹脂組成物からなるフィルム上に、発熱体
    層を積層してなる面状発熱体。
  18. 【請求項18】発熱体層が、金属箔または金属蒸着膜で
    あることを特徴とする請求項16に記載の面状発熱体。
  19. 【請求項19】金属箔または金属蒸着膜が回路を形成す
    ることを特徴とする請求項18に記載の面状発熱体。
  20. 【請求項20】発熱体層が、導電性物質を含有する層で
    あることを特徴とする請求項17に記載の面状発熱体。
  21. 【請求項21】液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフ
    ィルムと、発熱体層との間に、接着剤層が介在すること
    を特徴とする請求項17に記載の面状発熱体。
JP2000249399A 2000-08-21 2000-08-21 面状発熱体 Pending JP2002063984A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000249399A JP2002063984A (ja) 2000-08-21 2000-08-21 面状発熱体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000249399A JP2002063984A (ja) 2000-08-21 2000-08-21 面状発熱体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002063984A true JP2002063984A (ja) 2002-02-28

Family

ID=18739140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000249399A Pending JP2002063984A (ja) 2000-08-21 2000-08-21 面状発熱体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002063984A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051674A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 The Furukawa Electric Co., Ltd. 絶縁電線及び樹脂分散体
WO2008053580A1 (fr) * 2006-11-02 2008-05-08 Swcc Showa Device Technology Co., Ltd. Élément chauffant réticulaire pour volant de direction
JP2010165518A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 面状発熱体の製造方法および面状発熱体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004051674A1 (ja) * 2002-11-29 2004-06-17 The Furukawa Electric Co., Ltd. 絶縁電線及び樹脂分散体
CN100377262C (zh) * 2002-11-29 2008-03-26 古河电气工业株式会社 绝缘导线和树脂分散体
EP1580766A4 (en) * 2002-11-29 2009-04-29 Furukawa Electric Co Ltd ISOLATED WIRE AND RESIN DISPERSION
US8652635B2 (en) 2002-11-29 2014-02-18 The Furukawa Electric Co., Ltd. Insulated wire and resin dispersion
WO2008053580A1 (fr) * 2006-11-02 2008-05-08 Swcc Showa Device Technology Co., Ltd. Élément chauffant réticulaire pour volant de direction
JP2008114680A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Swcc Showa Device Technology Co Ltd ステアリング・ホイール用網状ヒータ
JP4638858B2 (ja) * 2006-11-02 2011-02-23 昭和電線デバイステクノロジー株式会社 ステアリング・ホイール用網状ヒータ
US8946598B2 (en) 2006-11-02 2015-02-03 Swcc Showa Device Technology Co., Ltd. Reticulate heater for steering wheel
JP2010165518A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 面状発熱体の製造方法および面状発熱体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4797272B2 (ja) 太陽電池用外装体
JP3949215B2 (ja) 積層体、積層体の製造方法および多層基板
JP2002064030A (ja) フィルムコンデンサー
JP2006224319A (ja) 成形体
JP3493983B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物、それを用いてなるシートもしくはフィルム、および該シートもしくはフィルムの製造方法
TWI240672B (en) Elastomer molded product
JP4524861B2 (ja) 多孔質フィルムの製造方法
JP2002063984A (ja) 面状発熱体
JP3358495B2 (ja) 積層材料及び該材料から形成されるプリント配線用基板
JP2000071376A (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP2002064213A (ja) 太陽電池
JP2000080254A (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物、並びに、液晶ポリエステル樹脂組成物フィルムおよびその製造方法
JP2000006351A (ja) 積層フィルム、並びに、磁気記録媒体およびその製造方法
JPH11181116A (ja) 絶縁フィルムおよび該絶縁フィルムよりなるtabテープ用基材フィルム
JP3949216B2 (ja) 積層体の製造方法
JP2001301081A (ja) 積層体
JP3927658B2 (ja) 積層フィルムおよびその製造方法
JP2004345355A (ja) 積層体の製造方法
JP3539145B2 (ja) 管状成形体
JPH11302407A (ja) 帯電防止フィルム
JP3915616B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物、その製造方法、およびその成形体
JP2000334906A (ja) 蒸着フィルム
JPH11302402A (ja) 遮光性フィルム
JP3391647B2 (ja) 液晶ポリエステル樹脂組成物、それよりなる射出成形品およびフィルム
JP2000309648A (ja) フィルム