JP2002062423A - 偏光性とフォトクロミック性を併せ持つ合成樹脂積層体 - Google Patents
偏光性とフォトクロミック性を併せ持つ合成樹脂積層体Info
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Abstract
な合成樹脂積層体を提供する。 【解決手段】 2個の透明な合成樹脂層と、該2個の透
明な合成樹脂層間に介在するフォトクロミック特性を有
する樹脂層、及び偏光特性を有する樹脂層と、該偏光特
性を有する樹脂層と透明な該合成樹脂層を接着する接着
材層とを有する偏光特性とフォトクロミック特性を併せ
持ち、該2個の透明な合成樹脂層の内、フォトクロミッ
ク特性を有する樹脂層と接する透明な合成樹脂層が、厚
みが50μm以上で、レターデーション値が150nm
以下、又は3000nm以上であることを特徴とする合
成樹脂積層体。
Description
ロミック性の両特性を併せ持つ合成樹脂積層体に関す
る。特にスポーツ用ゴーグル、サングラス等の防眩用途
に使用され、優れた外観性、光学特性を有するととも
に、その製造並びに加工が容易な合成樹脂積層体に関す
る。
サングラスは反射光のカット特性に優れるため、マリン
スポーツ、スキー、釣り等のアウトドアーでの活動での
有用性が広く認識されるようになり、その需要は最近急
激な伸びを示している。特にポリカーボネート製の場合
は耐衝撃性に優れるためにその傾向が顕著である。
が急速に進んでいるのに伴って、周囲の明るさに応じて
透過率が変化するプラスチックス製フォトクロミックサ
ングラスの特性の改善も著しく、やはり急速に人気を得
つつある。
率が変化するとともに、反射光を優先的にカットするよ
うな機能を同時に有する合成樹脂製の防眩材料は、アイ
デアは提案されてもいまだに実用化されていないのが現
状である。
料の具体的な構成がアイデアとして提案されても、それ
を製造するための具体的な方法が実用性にとぼしかった
り、製造プロセスとして実用性の高いものを選ぶと得ら
れる製品の特性が不充分であったりしたためである。
なポリカーボネートレンズの製造において、用いるポリ
カーボネートシートを製造する際にフォトクロミック色
素を含有させるような方法では応答速度、コントラスト
ともに不充分なレンズしか得られない。ポリカーボネー
ト以外の樹脂であっても防眩材料として使用が可能な強
度を有するシートにおいては、練りこみの際にフォトク
ロミック色素の劣化が起きたり、練りこみが厄介であっ
たり、得られる製品のコントラストや応答速度が遅い等
の問題があるのが通常である。
れるような偏光レンズの表面層をフォトクロミック色素
含有樹脂でコーティングする方法も考えられるが、採用
できるコ−ティング層の厚みに限界があるためにコント
ラストの良いレンズとするのは困難である。
ォトクロミック性に優れた特性を有し、加工性が容易な
防眩材料用の合成樹脂積層体を提供することである。
な方法に関して試行錯誤的な検討を進めた結果、2個の
透明な合成樹脂積層体にフォトクロミック性を有する樹
脂層と偏光特性を有する樹脂層を介在させた積層体は、
偏光特性、フォトクロミック特性に優れるのみならず、
曲面加工や射出成形の加工も容易にできることを見出す
とともに、この積層体は非常に単純な方法で製造可能で
あることも明らかにし、本発明を完成させたものであ
る。
層と、該2個の透明な合成樹脂層間に介在するフォトク
ロミック特性を有する樹脂層、及び偏光特性を有する樹
脂層と、該偏光特性を有する樹脂層と透明な該合成樹脂
層を接着する接着材層とを有する偏光特性とフォトクロ
ミック特性を併せ持ち、該2個の透明な合成樹脂層の
内、フォトクロミック特性を有する樹脂層と接する透明
な合成樹脂層が、厚みが50μm以上で、レターデーシ
ョン値が150nm以下、又は3000nm以上である
ことを特徴とする合成樹脂積層体である。
ーボネート樹脂が好ましいが、耐衝撃性に優れ透明性に
優れた強度のある樹脂であればポリカーボネートと同様
に使用可能である。
層は、フォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂
層であることが好ましい。上記偏光特性を有する樹脂層
は、偏光フィルムであることが好ましい。
(A)と言う)、(B)はフォトクロミック特性を有す
る樹脂層(以下(B)と言う)、(C)は偏光特性を有
する樹脂層(以下(C)と言う)、(D)は接着材層
(以下(D)と言う)及び(E)は透明な合成樹脂層
(以下(E)と言う)である。
ポーツ用ゴーグル等の防眩材として使用される場合、
(A)側が外側で、(E)側が内側として使用される。
例えば、本発明の合成樹脂積層体が適用されたサングラ
スの使用者は、サングラスのレンズ内側の(E)側から
外側の(A)側を通して対象物を見ることになる。ま
た、曲面加工する場合には(A)が凸側、(E)が凹側
になるよう加工される。更にまた、該積層体に射出成形
法等により、別の透明な樹脂を一体成形される場合(平
板状であるか曲面加工後であるかを問わず)には、射出
成形で、該積層体に合着される樹脂のUV吸収が低く透
明な場合には(A)側からでも、(E)側からでもかま
わないが、合着される樹脂にUV吸収剤や色素等の添加
材が含まれる場合には(E)側からの方が望ましい。
及び(E)の成分、濃度、厚みの組み合わせを後で述べ
るような組み合わせとした場合に光学特性が優れて、尚
且つ曲面加工や射出成形が可能なものとなるわけである
が、まず各々の層について説明する。
ーション値(以下、Re と言う)が150nm以下、又
は3000nm以上であることが好ましく、実質的に
は、波長が350nm以上の光を透過するシートである
ことが好ましい。本発明において、合成樹脂層のレター
デーション値(nm)は、下記の式によって定義された
値である。 レターデーション値(Re)(nm)=Δn×d ここで、Δnは合成樹脂層の複屈折であり、dは該合成
樹脂層の厚み(nm)である。上記範囲外のReでは、
防眩材として使用されたときに着色干渉縞が発生し好ま
しくない。(A)として、ポリカーボネートが用いられ
る場合には、厚みが50〜200μmで、且つRe が1
50nm以下、あるいは厚み300μm〜1mmで、且
つRe が3000nm以上であることが要求される。こ
の範囲以外では、下記のいずれかの問題が発生する。 (1)曲面状に加工すると干渉模様が観察されるように
なる。 (2)充分な強度がでない。 (3)外観性の良好な加工品を得られない。 (4)射出成型の際に偏光特性が損なわれる。 (5)原材料の入手が困難で実際的ではない。 本発明における前記レターデーション値を有するポリカ
ーボネートは、例えば下記の方法によって、製造でき
る。即ち、レターデーション値が150nm以下のシー
トは、キャスティング法あるいは無延伸押出法によって
製造することができる。また、レターデーション値が3
000nm以上のシートは、押出し法によってシート化
し、ガラス転移点より若干高い温度(例えば約140〜
約180℃)に加熱しながら、実質的に一方向に延伸す
ることにより製造できる。この場合、延伸倍率はレター
デーション値に影響を与える。
るウレタン系樹脂層であることが好ましい。厚みは、1
00〜250μmであることが好ましい。厚み範囲がこ
の範囲を下まわる場合、紫外線が照射された際、発色が
不十分でコントラストが低くなる。また、厚みがこの範
囲を越える場合は、コントラストは充分であるが、非常
に高価なフォトクロミック色素を多量に使用するため、
経済性が悪くなる。フォトクロミック色素はウレタン系
樹脂層との相溶性を有するものであれば特に限定されな
いが、スピロピラン系化合物、スピロオキサジン系化合
物及びナフトピラン系化合物が好ましい。
系樹脂層の形成法にも、下記のようなさまざまな方法が
適用可能である。 (1)溶剤にポリウレタン樹脂、フォトクロミック色素
を溶解させ、該溶液を(A)または(C)に塗布した後
に溶剤を揮散させ、(C)または(A)と加熱下で貼り
合わせる方法。 (2)フォトクロミック色素が練りこまれたポリウレタ
ン樹脂を、透明な樹脂板の上に厚みが一定になるよう加
熱融着させる。 (3)ポリウレタンプレポリマーにフォトクロミック色
素及び硬化剤を溶解させた樹脂液を(A)または(C)
に塗布し、溶剤を揮散させた(溶剤を含む場合)後、そ
の面を(C)または(A)と貼り合わせ、その後硬化さ
せる方法。これらどの方法も原理的には採用可能であ
る。
ルムの貼り合わせに用いられる接着剤ならばどのような
ものでもかまわないが、前記した(B)のフォトクロミ
ック特性を有する樹脂層に使用されるポリウレタン樹脂
が、接着剤として使用される。特に、ポリウレタンプレ
ポリマーと硬化剤からなる2液型のポリウレタンを使用
することが後の加工のことを考えると好ましい。厚みは
5〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは5〜
50μmである。厚みが5μm未満の場合は、充分な接
着力が得られにくい。また、100μmを越えると接着
力は充分であるが、接着層の溶媒を揮発するのに時間が
かかり、生産性や経済性が悪くなる。この層にUV吸収
剤を添加して積層体にUVカット能を持たせることも可
能である。
0μm以上の厚みが必要である。この範囲を下まわる場
合は、射出成形時にシワや亀裂が発生しやすい。また、
射出成形等の方法によって後で厚みを増す場合を除いて
は、本発明の合成樹脂積層体の全厚みが0.6mm以上
となるように(E)の厚みを選択することが強度や質感
の面から必要である。
レタン系樹脂層に含有されるスピロピラン系化合物の具
体例としては、1’,3’,3’−トリメチルスピロ
(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、
1’,3’,3’−トリメチルスピロ−8−ニトロ(2
H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、
1’,3’,3’−トリメチル−6−ヒドロキシスピロ
(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、
1’,3’,3’−トリメチルスピロ−8−メトキシ
(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、
5’−クロル−1’,3’,3’−トリメチル−6−ニ
トロスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−イン
ドリン)、6,8−ジブロモ−1’,3’,3’−トリ
メチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−イ
ンドリン)、6,8−ジブロモ−1’,3’,3’−ト
リメチルスピロ(2H−1−ベンゾピラン−2,2’−
インドリン)、8−エトキシ−1’,3’,3’,
4’,7’−ペンタメチルスピロ(2H−1−ベンゾピ
ラン−2,2’−インドリン)、5’−クロル−1’,
3’,3’−トリメチルスピロ−6,8−ジニトロ(2
H−1−ベンゾピラン−2,2’−インドリン)、3,
3,1−ジフェニル−3H−ナフト−(2,1−13)
ピラン、1,3,3−トリフェニルスピロ〔インドリン
−2,3’−(3H)−ナフト(2,1−b)ピラ
ン〕、1−(2,3,4,5,6−ペンタメチルベンジ
ル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’
−(3H)−ナフト(2,1−b)ピラン〕、1−(2
−メトキシ−5−ニトロベンジル)−3,3−ジメチル
スピロ〔インドリン−2,3’−ナフト(2,1−b)
ピラン〕、1−(2−ニトロベンジル)−3,3−ジメ
チルスピロ〔インドリン−2,3’−ナフト(2,1−
b)ピラン〕、1−(2−ナフチルメチル)−3,3−
ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−ナフト(2,
1−b)ピラン〕、1,3,3−トリメチル−6’−ニ
トロ−スピロ〔2H−1−ベンゾピラン−2,2’−
(2H)−インドール〕等が挙げられる。
レタン系樹脂層に含有されるスピロオキサジン系化合物
の具体例としては、1,3,3−トリメチルスピロ〔イ
ンドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)
(1,4)オキサジン〕、5−メトキシ−1,3,3−
トリメチルスピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナ
フト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、5−クロ
ル−1,3,3−トリメチルスピロ〔インドリノ−2,
3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサ
ジン〕、4,7−ジエトキシ−1,3,3−トリメチル
スピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,
1−b)(1,4)オキサジン〕、5−クロル−1−ブ
チル−3,3−ジメチルスピロ〔インドリノ−2,3’
−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジ
ン〕、1,3,3,5−テトラメチル−9’−エトキシ
スピロ〔インドリノ−2,3’−(3H)ナフト(2,
1−b)(1,4)オキサジン〕、1−ベンジル−3,
3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−
(4−メトキシベンジル)−3,3−ジメチルスピロ
〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−
b)(1,4)オキサジン〕、1−(2−メチルベンジ
ル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’
−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジ
ン〕、1−(3,5−ジメチルベンジル)−3,3−ジ
メチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフト
(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(4−ク
ロロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インドリン
−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)
オキサジン〕、1−(4−ブロモベンジル)−3,3−
ジメチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ナフ
ト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1−(2−
フルオロベンジル)−3,3−ジメチルスピロ〔インド
リン−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,
4)オキサジン〕、1,3,5,6−テトラメチル−3
−エチルスピロ〔インドリン−2,3’−(3H)ピリ
ド(3,2−f)(1,4)ベンゾオキサジン〕、1,
3,3,5,6−ペンタメチルスピロ〔インドリン−
2,3’−(3H)ピリド(3,2−f)(1,4)−
ベンゾオキサジン〕、6’−(2,3−ジヒドロ−1H
−インドール−1−イル)−1,3−ジヒドロ−3,3
−ジメチル−1−プロピル−スピロ〔2H−インドール
−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)(1,4)
オキサジン〕、6’−(2,3−ジヒドロ−1H−イン
ドール−1−イル)−1,3−ジヒドロ−3,3−ジメ
チル−1−(2−メチルプロピル)−スピロ〔2H−イ
ンドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)
(1,4)オキサジン〕、1,3,3−トリメチル−1
−6’−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−
イル)スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3H)
ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、1,
3,3−トリメチル−6’−(1−ピペリジル)スピロ
〔2H−インドール−2,3’−(3H)ナフト(2,
1−b)(1,4)オキサジン〕、1,3,3−トリメ
チル−6’−(1−ピペリジル)−6−(トリフルオロ
メチル)スピロ〔2H−インドール−2,3’−(3
H)ナフト(2,1−b)(1,4)オキサジン〕、
1,3,3,5,6−ペンタメチル−スピロ〔2H−イ
ンドール−2,3’−(3H)ナフト(2,1−b)
(1,4)オキサジン〕等が挙げられる。
レタン系樹脂層に含有されるナフトピラン系化合物の具
体例としては、3,3−ジフェニル−3H−ナフト
(2,1−b)ピラン、2,2−ジフェニル−2H−ナ
フト(1,2−b)ピラン、3−(2−フルオロフェニ
ル)−3−(4−メトキシフェニル)−3H−ナフト
(2,1−b)ピラン、3−(2−メチル−4−メトキ
シフェニル)−3−(4−エトキシフェニル)−3H−
ナフト(2,1−b)ピラン、3−(2−フリル)−3
−(2−フルオロフェニル)−3H−ナフト(2,1−
b)ピラン、3−(2−チエニル)−3−(2−フルオ
ロ−4−メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−
b)ピラン、3−〔2−(1−メチルピロリル)〕−3
−(2−メチル−4−メトキシフェニル)−3H−ナフ
ト(2,1−b)ピラン、スピロ〔ビシクロ(3.3.
1)ノナン−9,3’−3H−ナフト(2,1−b)ピ
ラン〕、スピロ〔ビシクロ(3.3.1)ノナン−9−
2’−3H−ナフト(2,1−b)ピラン〕、4−[4
−〔6−(4−モルフォルニル)−3−フェニル−3H
−ナフト(2,1−b)ピラン−3−イル〕フェニル]
−モルフォリン、4−〔3−(4−メトキシフェニル)
−3−フェニル−3H−ナフト(2,1−b)ピラン−
6−イル〕−モルフォリン、4−〔3,3−ビス(4−
メトキシフェニル)−3H−ナフト(2,1−b)ピラ
ン−6−イル〕−モルフォリン、4−[3−フェニル−
3−〔4−(1−ピペリジル)フェニル〕−3H−ナフ
ト(2.1−b)ピラン−6−イル]−モルフォリン、
2,2−ジフェニル−2H−ナフト(2,1−b)ピラ
ン等が挙げられる。
レタン系樹脂層に含有されるウレタン系樹脂は、生産
性、必要な装置を考慮すると、ポリウレタンプレポリマ
ーと硬化剤からなる2液型のポリウレタンを使用するこ
とが好ましい。
イソシアネートとポリオールとを一定割合で反応させた
化合物を用いる。すなわち、ポリウレタンプレポリマー
はジイソシアネートとポリオールから得られる両末端が
イソシアネート基を有する化合物である。ポリウレタン
プレポリマーに使用されるジイソシアネート化合物とし
てはジフェニルメタン-4,4'-ジイソシアネート(MD
I)が好ましい。また、ポリオールとしては5〜30の
重合度を有するポリプロピレングリコール(PPG)を
使用することが好ましい。
均分子量500〜5000のものであり、好ましくは1
500〜4000、より好ましくは2000〜3000
である。
以上有する化合物であれば特に限定されるものではな
く、ポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオー
ル、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポ
リブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール
等が例示され、その中でも特定のイソシアネートと特定
のポリオールから得られる末端に水酸基を有するポリウ
レタンポリオールが好ましい。特に、ジイソシアネート
とポリオールから誘導される少なくとも両末端基に水酸
基を有するポリウレタンポリオールが好ましく、該ジイ
ソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート(TD
I)を使用することが好ましい。また、ポリオールとし
ては重合度が5〜30のPPGを使用することが好まし
い。
〜5000であり、好ましくは1500〜4000、よ
り好ましくは2000〜3000である。
ト基(I)と硬化剤の水酸基(H)の比I/Hが0.9
〜20、好ましくは1〜10を目安として使用すること
が好ましい。
化剤は粘度調節のために酢酸エチル、テトラヒドロフラ
ン及びトルエンなどの溶媒を使用してもよい。
光フィルムでもかまわないが、透過率は30%以上の比
較的に高透過率で、厚みが10〜100μmあることが
好ましい。厚みがこの範囲を下まわる場合、強度が弱く
なったり、所望の偏光特性が得られにくい。また、この
範囲を越える場合は、厚みの均一性が得られにくく、色
ムラが発生しやすい。射出成形等の加熱を伴う加工を行
うことを考慮すればヨウ素系の偏光フィルムはあまり好
ましいと言えず、染料系の偏光フィルムが望ましい。特
に、特開昭63−311203に記載のような、金属イ
オン及びホウ酸を用いて特殊な処理を施しフィルムを安
定化させるような製造方法で作製される耐熱性の高いフ
ィルムが望ましい。更に、UVカット特性を持った偏光
フィルムを用いることは非常に好ましいことである。
製造方法は、次の通りである。フォトクロミック色素、
ポリウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む樹脂液を偏
光フィルムに塗布する。その後20〜50℃の温度で約
5〜60分間程度放置する。その後、透明な合成樹脂シ
ートと樹脂液層を貼り合わせる。こうして得られた積層
体の偏光フィルム側に溶剤を含む接着剤を塗布する。そ
の後20〜50℃の温度で約5〜60分程度放置し溶剤
を揮発させた後に、別の透明な合成樹脂層を接着剤と貼
り合わせる。該積層体は、通常60〜140℃で、2時
間〜1週間かけて加熱硬化させ、本発明の合成樹脂積層
体を製造する。
るが、本発明は以下の実施例に何らの制限を受けるもの
ではない。
て測定した。 (2)単板透過率、平行位透過率(H0 :同種の偏光性
フィルムやシート2枚をその配向方向が互いに同じ方向
になるよう重ね合わせたときの光透過率)、直交位透過
率(H90:同種の偏光性フィルムやシートを2枚その配
向方向が互いに垂直になるよう重ね合わせたときの光透
過率)は可視部400〜700nmにおける視感度補正
を行った平均値である。 (3)偏光度は次式により求めた。 (4)シートのレターデーション値は偏光顕微鏡(オー
ク製作所製:TEM−120AFT)により、測定し
た。 (5)紫外線照射下での透過率は、超モノクロ光源(日
本分光(株)製)で360nmの単一波長光を照射させ
ながら透過率を測定(照射開始後5分経過して後)し
た。
素〔3,3−ジフェニル−3H−ナフト(2,1−
b)ピラン)〕0.25g、フォトクロミック色素
〔スピロ(2H−インドール−2,3’−(3H)ナフ
ト(2,1−b)(1,4)オキサジン)−1,3−ジ
ヒドロ−1,3,3−トリメチル−6’−(1−ピペリ
ジニル)〕0.08g、ヒンダードアミン化合物〔ビス
(2,2,6,6-テトラメチル−4-ピペリジニル)セバケー
ト〕0.18g及びテトラヒドロフラン12gを均一に
なるよう混合した。但し、上記プレポリマーは、NCO
基当量重量(当量重量とは官能基1個当たりの平均分子
量)が1500のポリウレタンプレポリマー(ジフェニ
ルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)と平
均重合度15のポリプロピレングリコール(PPG)か
ら調製したものである。)である。また、上記硬化剤
は、水酸基当量重量が1050である硬化剤(トリレン
ジイソシアネートと平均重合度が10のポリプロピレン
グリコールから調製したものである。)である。
品名:クラレビニロン#7500)を、クロランチンフ
ァストレッド(C.I.:Direct Red 81)0.37g/L、
ブリリアントブルー6B(C.I.:Direct Blue 1)0.2
8g/L、ダイレクトコッパーブルー2B(C.I.:Direc
t Blue 168)0.28g/L、 プリムラブルー6GL
(C.I.:Direct Blue 202)0.93g/L、及びクリソ
フェニン(C.I.:Direct Yellow 12)0.28g/Lを含
む水溶液(染色液)中で35℃にて6分間染色した後、
染色液中で1軸方向に5倍延伸した。次いで当該フィル
ムを延伸状態を保持した状態で、酢酸ニッケル4水塩
0.30g/L、及びホウ酸 12.2g/Lを含む水
溶液(処理液)中に室温で3分間浸漬した。さらに当該
フィルムの緊張状態を保持したままで液中より取りだ
し、水洗、乾燥を行った後に110℃で7分間加熱処理
した。得られた偏光フィルムは薄いグレイ色で、厚みが
30μmであり、その光学特性は、単板透過率=41.
8%、偏光度=96.3%であった。
エチル27gを均一になるよう混合した。
フィルムに塗布厚み300μmのドクターブレード(ヨ
シミツ精機(株)製)で塗布した。その後45℃の雰囲
気下に10分放置後、該樹脂液面と厚み120μmでR
e が60nmのポリカーボネートフィルムを貼り合わせ
た。この積層体の厚みをマイクロメーターで測定したと
ころ、313μmであり、フォトクロミック特性を有す
る樹脂層の厚みが163μmであることが判った。つい
でこの積層体の偏光フィルム側にウレタン系接着剤をバ
ーコーター#24を使用して、溶剤が揮発した後の厚み
10μmとなるように塗布した。それから、溶剤を揮発
後に厚み300μmのポリカーボネートシートを貼り合
わせた。
た。得られた積層体の全厚みは620μmであった。光
を照射しないときの透過率=41.9%、偏光度=9
6.2%であり、偏光フィルムそのものの光学特性と殆
ど同じであった。色調は薄いグレイであった。一方これ
に太陽光を照射すると10秒以内に濃いかっ色に変化
し、照射をやめるともとの薄いグレイ色に10秒程度の
短時間で戻ることが判った。紫外光照射時の単板透過率
は24.5%、偏光度=96.4%であり、太陽光下で
の目視の観察結果を数値的に裏付けるものであった。ま
た積層体の外観性は非常に良好なものであった。
後、147℃の雰囲気下で加熱開始と同時に1分間で5
0mmHgまで吸引し、6分間真空成形して曲率半径8
0mmのレンズ状に加工した。得られた曲面加工品の外
観は非常に良好なものであり、干渉模様も観察されなか
った。光学特性も光照射下、非照射下を問わず加工前と
殆ど同じであった。
れた曲面加工を施したシートを、射出成形により成形品
に付着させるため、予め該曲面形状のキャビティを有す
る設定温度110℃の金型内に装着し、設定温度260
℃の成形機シリンダー内で該金型キャビティを満たすに
充分な予め120℃で6時間以上熱風乾燥機に入れてお
いたポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロン、H−
4000)を計量した後、該曲面加工を施したシートを
装着し、閉じられた金型キャビティ内へ該溶融樹脂を射
出注入し、次に、700kg/cm2 の保持圧力で30
秒間保持した後、120秒間金型内で成形品を冷却固化
させた。その後金型を開き成形品を金型内から取り出し
た。得られた成形品の表面には予め装着しておいた曲面
加工を施したシートが密着しており、良好な外観の成形
品が得られた。また、該成形品は、偏光特性とフォトク
ロミック特性を有した歪みの少ないものであった。
son社製Reversacol Flame 0.1
7gを用いる以外実施例1と同じことを行った。 (2)偏光フィルムの調製 実施例1と全く同様に行った。 (3)積層体の作製 厚さ600μmで、Re が4000nmのポリカーボネ
ートシート2枚を用いて実施例1と同様な方法で両側が
600μm厚み、全厚み約1.4mmの積層体を得た。
この積層体の色調は太陽光の照射下では濃いオレンジ色
であるが、光非照射下ではうすいグレイであり、透過率
=42.1%、偏光度=95.7%であった。
状にカットした後に、実施例2に準ずる条件で曲率半径
85mmの球状に曲面加工した。得られた曲面加工品の
色調、明るさは太陽光照射下、非照射下ともに加工前と
同様であった。また外観性も、ユガミ等が観察されるこ
となく非常に良好であり、干渉模様等も観察されなかっ
た。よって、スキーゴグル用に好適であると判断され
た。
のを使用した以外は、実施例1と同様にして積層体を作
成した。得られた積層体の厚みは622μmであった。
この積層体を用いて曲面加工を施し、レンズを作製した
が、このレンズを通して反射光を見たところ干渉模様が
観察された。
(2)で得られた偏光フィルムに塗布した後、該樹脂液
面と厚み300μmのポリカーボネートシートを貼り合
わせ、次いでこの積層体の偏光フィルム側にウレタン系
接着剤を塗布し、厚み120μmでReが60nmのポ
リカーボネートフィルムと貼り合わせた以外は、実施例
と同様にして、積層体を作成した。得られた積層体の厚
みは614μmであった。この積層体に、厚み120μ
mでReが60nmのポリカーボネートフィルム側か
ら、太陽光を照射したが、若干褐色がかった色に変化し
たが、実施例1の場合ほど顕著な発色はなく、太陽光と
同じ方向から紫外線を照射しながらの透過率は36%程
度であった。
ロミック色素を添加せずに樹脂液を調製した以外は、
実施例1と同様にして合成樹脂積層体を作成した。得ら
れた積層体の厚みは618μmであった。この積層体を
太陽光に曝しても発色はなく、また紫外光を照射しても
しなくても、透過率と偏光度は実施例1の光を照射しな
いときと同等であり、紫外光が照射された際に発色する
実施例1で作製した積層体ほどの防眩性は得られなかっ
た。
製し、厚み300μmのポリカーボネートシートに、厚
み300μmのドクターブレード(ヨシミツ精機(株)
製)で該樹脂液を塗布した。その後45℃の雰囲気下に
10分放置後、該樹脂液面と厚み120μmでReが6
0nmのポリカーボネートフィルムを貼り合わせた。得
られた積層体をマイクロメーターで測定したところ、厚
みが578μm有り、フォトクロミック樹脂層の厚みは
158μmであることが判った。その後、70℃で2日
間加熱硬化させた。得られた積層体の全厚みは、575
μmであった。この積層体に紫外光を照射しないときの
透過率は83%で、紫外光を照射した際の透過率は64
%であり、また当然ながら偏光特性は有しておらず、実
施例1の積層体ほどの防眩性は得られなかった。
ォトクロミック性を併せ持っているので、スポーツ用ゴ
ーグル、サングラス等の防眩用途に好適に使用でき、射
出成形と組み合わせることによって、合成樹脂製の度付
きサングラスの作製を容易にしたものである。
0nm以下、又は3000nm以上である透明な合成樹
脂層 B:フォトクロミック色素を含有するウレタン系樹脂層 C:偏光フィルム層 D:接着材層 E:透明な合成樹脂層
Claims (15)
- 【請求項1】 2個の透明な合成樹脂層と、該2個の透
明な合成樹脂層間に介在するフォトクロミック特性を有
する樹脂層、及び偏光特性を有する樹脂層と、該偏光特
性を有する樹脂層と透明な該合成樹脂層を接着する接着
材層とを有する偏光特性とフォトクロミック特性を併せ
持ち、該2個の透明な合成樹脂層の内、フォトクロミッ
ク特性を有する樹脂層と接する透明な合成樹脂層が、厚
みが50μm以上で、レターデーション値が150nm
以下、又は3000nm以上であることを特徴とする合
成樹脂積層体。 - 【請求項2】 接着材層と接する透明な合成樹脂層の厚
みが100μm以上である請求項1記載の合成樹脂積層
体。 - 【請求項3】 前記フォトクロミック特性を有する樹脂
層の厚みが、100μm以上250μm以下である請求
項1記載の合成樹脂積層体。 - 【請求項4】 前記2個の透明樹脂層がポリカーボネー
ト樹脂よりなる請求項1記載の合成樹脂積層体。 - 【請求項5】 前記フォトクロミック特性を有する樹脂
層が、ジイソシアネート、及びポリオールから得られた
ポリウレタンにフォトクロミック色素を添加し、該透明
樹脂層の一方、及びまたは該偏光特性を有する層にラミ
ネートした後硬化させる請求項1および4に記載の合成
樹脂積層体。 - 【請求項6】 前記フォトクロミック特性を有する樹脂
層が、フォトクロミック色素を含有し、且つポリウレタ
ンプレポリマーと硬化剤の反応により成る2液型ポリウ
レタンであることを特徴とする請求項1および4に記載
の合成樹脂積層体。 - 【請求項7】 前記ポリウレタンプレポリマーがジイソ
シアネートとポリオールから得られる両末端にイソシア
ネート基を有する化合物であることを特徴とする請求項
5および6に記載の合成樹脂積層体。 - 【請求項8】 前記ポリウレタンプレポリマーが、数平
均分子量500〜5000であるプレポリマーと数平均
分子量500〜5000の硬化剤から誘導された化合物
である請求項5および6に記載の合成樹脂積層体。 - 【請求項9】 前記ポリウレタンプレポリマーが、ジフ
ェニルメタン−4,4′−ジイソシアネートとポリプロ
ピレングリコールから誘導された両末端にイソシアネー
ト基を有する化合物である請求項7記載の合成樹脂積層
体。 - 【請求項10】 前記硬化剤がジイソシアネートとポリ
オールから得られる少なくとも両末端に水酸基を有する
化合物であることを特徴とする請求項6記載の合成樹脂
積層体。 - 【請求項11】 前記硬化剤がトリレンジイソシアネー
トとポリプロピレングリコールから誘導された少なくと
も両末端に水酸基を有する化合物である請求項10に記
載の合成樹脂積層体。 - 【請求項12】 前記2液型ポリウレタンに、ヒンダー
ドアミン化合物および/またはヒンダードフェノール化
合物を添加された請求項6に記載の合成樹脂積層体。 - 【請求項13】 前記偏光特性を有する樹脂層が、2色
性色素を用いて耐熱性を向上させた偏光フィルムを使用
する請求項1に記載の合成樹脂積層体。 - 【請求項14】 請求項5に記載の合成樹脂積層体が、
真空成型加工により曲面形状に賦形されてなる成形品。 - 【請求項15】 請求項5または請求項14に記載の合
成樹脂積層体が、射出成形加工により透明樹脂に合着さ
れてなる成形品。
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